以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するが、その説明にあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3(図3参照)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図4に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図3に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール(図示せず)と遊技球規制レール(図示せず)によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ49と、ステージ(図示せず)と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、大入賞口42と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bに入賞する可能性は殆どない(図3のルートA参照)。一方、発射装置9の発射強度が強のとき(所謂、右打ちで遊技球を発射した場合)には、遊技球は第2始動入賞口37bに入賞する可能性はあるが、第1始動入賞口37aに入賞する可能性は殆どない(図3のルートB参照)。なお、第2始動入賞口37bには電動チューリップ49が設けられているため、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞は不可能である。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,34bに白色で保留球の表示がなされる。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とでは、後者の遊技が優先される(特図2優先処理)。即ち、先に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したとしても、当該入賞が保留されている間に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合には、まず第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて遊技が実行され、その遊技結果が確定した後に第1始動入賞口37bへの遊技球の入賞に基づく遊技が実行されることになる。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図5参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されると、遊技球は容易に第2始動入賞口37bに入賞する。
また、ステージは、図示しないが、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージの中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、アタッカー装置41は、両始動入賞口37a,37bでの抽選結果に応じて作動する。
そして、このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈されるから、遊技者は、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が所定のラウンド数(例えば5ラウンドまたは16ラウンド)だけ開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45(図5参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン(操作部)60が設けられている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図5に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特図の当否に係る抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110による抽選で大当たり(特図当たり)に当選した場合に、その当選に係る特図の種類を抽選で決定する特図種類決定処理部120と、特図の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特図変動パターンコマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて、特図に係る遊技状態および普図に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に、特図種類決定処理部120で決定した特図の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定するための普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特図表示装置17aの表示制御を行う第1特図表示制御部101aと、第2特図表示装置17bの表示制御を行う第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図6に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bとを備えて構成されている。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第1特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、第1特図高確率判定テーブル116aは、第1特図低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特図高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/20、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/100(所謂、甘デジの確率)に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて5倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、図7に示すように、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜655までのときに大当たりとなり、その値が656〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜3279までのときに大当たりとなり、その値が3280〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たり(特図当たり)であるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第2特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備えている。
ここで、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/20、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/100に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて5倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。なお、第2特図高確率判定テーブル116bと第2特図低確率判定テーブル117bの構成は、それぞれ第1特図高確率判定テーブル116aと第1特図低確率判定テーブル117aと同じであるため、各テーブルの詳細についての説明は省略する。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否か(特図の当否)を決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たり/ハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図8に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えて構成されている。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図9に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、5R特定時短有図柄、16R特定時短有図柄、および5R通常時短有図柄の合計3種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら3種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された3種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜179までのものに対して「5R特定時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が180〜199に対して「16R特定時短有図柄」が、当該乱数値が200〜399までのものに対して「5R通常時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特図の種類のうち、「5R」は大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであることを、「16R」は大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドであることを、「特定」は所謂、確変当たりを、「通常」は所謂、通常当たりを、「時短有」は、電動チューリップ49が高確率で開放される遊技状態(所謂、電サポ)が所定の遊技回数に亘って付与されること、をそれぞれ示している。
この図9から明らかなように、「5R特定時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特図種類決定用乱数のうち180個であるから、「5R特定時短有図柄」が選択される確率は、180/400x100=45%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「16R特定時短有図柄」の選択確率は5%、「5R通常時短有図柄」の選択確率は50%となっている。
また、第2特図種類抽選部129bも第1特図種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図9に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成しているが、その構成は、選択割合を除けば、第1特図種類決定テーブル125aと同じであるため、ここでの説明は省略する。なお、図9から明らかなように、第1特図種類決定テーブル125aおよび第2特図種類決定テーブル125bの何れを参照した場合であっても、16Rが規定された図柄は5Rが規定された図柄より選択され難い設定となっている。また、第1特図種類決定テーブル125aより第2特図種類決定テーブル125bの方が、16Rが規定された図柄が選択され易い。即ち、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した方が、遊技者にとって若干有利である。
そして、本実施形態における「16R特定時短有図柄」が、本発明の「有利図柄」に相当し、「5R特定時短有図柄」および「5R通常時短有図柄」が、本発明の「通常図柄」に相当する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。この普図抽選処理部170は、図10に示すように、乱数を発生させる普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。普図当否判定用乱数発生部171は、特図当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
次に、図5に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の3つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「時短モード」は、特図低確および普図高確の遊技状態から成り、「確変モード」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。なお、「低確モード」は本発明の「通常モード」に相当し、「時短モード」のうち大当たり遊技後のゲーム数が14回以降となる場合が本発明の「特殊モード」に相当し、「時短モード」のうち大当たり遊技後のゲーム数が13回目までと大当たり遊技後に13回行われる「確変モード」とが本発明の「特別モード」に相当する(図23参照)。
本実施形態では、先に述べた特図(第1特図または第2特図)の種類が決定されると、その特図と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図11を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図11に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が大当たり遊技後から13回の遊技が行われるまでの間に亘って特図高確となるので、その13回の遊技中は大当たりに当選する可能性が高い。なお、本実施形態では、大当たり遊技後に確変モードとなる場合であっても、その継続回数は最大で13回である。つまり、本実施形態に係るパチンコ機は、ST(回数切り確変)回数が13回という仕様である。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が5ラウンド(R)または16ラウンド(R)に定められている。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置41の開放パターンを定めたものであり、「フル開放」はアタッカー装置41が5ラウンドまたは16ラウンド分長時間開放されるパターンである。つまり、本実施形態では、5ラウンドと16ラウンドの何れの大当たり遊技であっても、図11に示した通りの賞球数を獲得できる(出玉が有る)ということになる。
具体的に説明すると、「フル開放」では、1回のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個(所定個数)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容となっており、このラウンド遊技が5回または16回(ラウンド)行われる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、13回または80回の何れかである。
具体的には、遊技状態が低確モード中に大当たりに当選した場合には、特図の種類に拘らず大当たり遊技後に電サポ回数が13回となるが、遊技状態が時短モード中または確変モード中(即ち、普図高確となって電動チューリップ49によるサポートを受けているとき)に大当たりに当選すると、大当たり遊技後に電サポ回数が80回となる。よって、本実施形態は、まず低確モードに大当たりを引き当て、電動チューリップ49が頻繁に開く普図高確中(電サポ中)に大当たりに当選すると、電サポ回数が80回付与されて有利となるが、その間に大当たりを引き当てなければ、電サポ回数は13回しか付与されないというゲーム性である。
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特図の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
「5R特定時短有図柄」は、大当たり後に13回の確変モードに移行する確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確モード」の場合、電サポ回数が13回となり、大当たり時の遊技状態が「時短モード」、「確変モード」の場合には電サポ回数が80回となり、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ500個の大当たりパターンに対応している。なお、電サポ80回が付与される場合には、13回の確変モード後にまだ電サポ回数が67回残っているから、「5R特定時短有図柄」に当選した場合には、大当たり遊技後の確変モード(特別モード)終了後から引き続き最大で67回の時短モード(特殊モード)に移行することになる。
「16R特定時短有図柄」は、大当たり後に13回の確変モードに移行する確変当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確モード」の場合、電サポ回数が13回となり、大当たり時の遊技状態が「時短モード」、「確変モード」の場合には電サポ回数が80回となり、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ1600個の大当たりパターンに対応している。なお、「16R特定時短有図柄」に当選した場合にも同様に、大当たり遊技後の確変モード終了後から引き続き最大で67回の時短モードに移行する。この「16R特定時短有図柄」に当選すると、賞球数が1600個と他の図柄に比べて多いことから、この特図の種類が遊技者に最も有利な図柄である。
「5R通常時短有図柄」は、大当たり後に13回または80回の時短モードに移行する通常当たりであり、大当たり時の遊技状態が「低確モード」の場合、電サポ回数が13回となり、大当たり時の遊技状態が「時短モード」、「確変モード」の場合には電サポ回数が80回となり、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ500個の大当たりパターンに対応している。
以上から、本実施形態では、大当たり遊技後に最低でも13回の電サポが付与され、その13回の遊技状態は時短モードまたは確変モード(何れも本発明の「特別モード」に相当する。図23参照)ということになる。そして、詳しくは後述するが、大当たり遊技後の13回目まで遊技まで、演出表示装置34上では時短モードと確変モードの区別がつかないような演出が行われているため、遊技者は、大当たり後の13ゲーム目までの遊技状態を識別することは困難である。つまり、本実施形態では大当たり遊技後の13ゲーム目までは遊技状態が秘匿されているということになる。また、電サポが80回付与される場合には、大当たり遊技後の14ゲーム目から80ゲーム目までの間の遊技区間が、本発明の「特殊モード」となる(図23参照)。
なお、上記の特図の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特図変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターンコマンド決定部130は、図12に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜999まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図13に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、および特殊変動パターンテーブル134cを備えている。図14に示すように、通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が「低確モード」の場合に用いられ、短縮変動パターンテーブル134bは、遊技状態が「時短モード」(ただし、大当たり遊技後の13ゲームまでを除く)の場合に用いられ、特殊変動パターンテーブル134cは、遊技状態が「確変モード」および「時短モード」(ただし、大当たり遊技後の13ゲーム以内に限定)の場合に用いられる。即ち、特殊変動パターンテーブル134cは、大当たり遊技後の13ゲームに限定して用いられる特殊なテーブルである。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は遊技状態が低確であるから、通常変動パターンテーブル134aが参照される。
変動パターンテーブル134a,134b,134cは、特図1(第1特図)および特図2(第2特図)の変動時間が規定されている(つまり、第1特図の変動時間に関するテーブルと第2特図の変動時間に関するテーブルとを有している)と共に、特図1と特図2とがそれぞれ特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図15を用いて説明することにする。
まず、通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、通常変動パターンテーブル134aには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。なお、この主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。
また、この通常変動パターンテーブル134aは、ハズレ時にリーチとなる確率が特図1、特図2共に10%に設定され、大当たり時には必ずリーチとなるように設定されている。さらに、ハズレと大当たりとに拘らず、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に20秒〜120秒に設定されている。
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。短縮変動パターンテーブル134bにおいても、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、短縮変動パターンテーブル134bには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。
また、この短縮変動パターンテーブル134bは、ハズレ時にリーチとなる確率が特図1、特図2共に5%に設定され、大当たり時には必ずリーチとなるように設定されている。さらに、ハズレと大当たりとに拘らず、リーチ時の変動時間が特図1、特図2共に60秒〜120秒に設定されている。
特殊変動パターンテーブル134cは、保留記憶数に応じて特図1の主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図1の主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図1の主要変動時間は4秒に設定され、保留記憶数が3個および4個の場合、特図1の主要変動時間は2秒に設定されている。特殊変動パターンテーブル134bにおいても、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。さらに、特殊変動パターンテーブル134cには、特図2についての主要変動時間が特図1と全く同一の時間となるように規定されている。
また、この特殊変動パターンテーブル134cは、ハズレ時にリーチとなる確率が特図1、特図2共に15%に設定され、ハズレのときのリーチ時変動時間が10〜20秒となっている。よって、特殊変動パターンテーブル134cは、上記した通常変動パターンテーブル134aにおけるリーチ確率10%および短縮変動パターンテーブル134bにおけるリーチ確率5%よりリーチが発生する確率は高い。しかし、ハズレ時におけるリーチ変動時間は、通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bより短い。一方、大当たりのときには、必ずリーチが発生し、その際の変動時間は、特図1、特図2共に120秒に固定されている。即ち、特殊変動パターンテーブル134cが参照されて変動パターンコマンドが決定される場合、大当たり時には必ず120秒の長時間変動が発生することになる。
なお、詳しくは後述するが、特殊変動パターンテーブル134cが用いられているときに大当たりに当選すると、必ず120秒間のバトル演出が行われるが、ハズレのときには10〜20秒の短いリーチ演出しか行われない。つまり、特殊変動パターンテーブル134cが参照される遊技区間(大当たり後の13ゲーム以内)では、バトル演出(特別演出)が発生すると必ず大当たりとなり、バトル演出が発生しない場合には、必ずハズレになるという演出上の特徴がある。
なお、変動パターンコマンドを解析すれば、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、特殊変動パターンテーブル134cの何れを参照して、変動時間が何秒であるか等、特図の変動に関するあらゆる情報が分かるようになっている。そして、本実施形態に係るパチンコ機は、この変動パターンコマンドの解析結果に基づいて、各種演出を行うよう制御している。この演出制御については、後ほど詳しく説明する。
図5に戻って、普図変動時間決定部190は、普図の変動開始時における普図の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普図の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合(時短モードおよび確変モードの場合)、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合(低確モードの場合)、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を30秒に決定する。
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニットとも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図4に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図16に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部(演出表示制御手段)220と、保留球表示領域34a,34bに保留球を表示する制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。さらに、演出制御処理部201は、記憶部を備えている。この記憶部には、複数種類の演出態様(演出画像データ)を記憶した演出テーブル260,270,280が記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンド(変動パターンコマンド)に基づいて、記憶部に記憶されている演出テーブル260,270、280の何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル260は、通常変動パターンテーブル134aに基づく変動パターンコマンドが入力された場合、即ち、遊技状態が低確モードの場合に参照される。また、チャンス演出テーブル270は、短縮変動パターンテーブル134bに基づく変動パターンコマンドが入力された場合、即ち、大当たり遊技後のゲーム数が14回目以降であって、遊技状態が時短モードの場合に参照される。また、特別バトル演出テーブル280は、特殊変動パターンテーブル134cに基づく変動パターンコマンドが入力された場合、即ち、大当たり遊技後のゲームが13回以内の場合に参照される。
各演出テーブルの詳細を示したものが図17である。図17(a)に示すように、通常演出テーブル260は、通常テーブル261と、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)262と、バトル演出テーブル(大当たり時共通)263とを有している。通常テーブル261は、主要変動時間である12.5秒、7秒、4秒が規定された変動パターンコマンドや、リーチが規定された変動パターンコマンドのうち、次に述べるバトル演出(特別演出)が規定された特定コマンド以外のコマンドであるリーチコマンドが入力された場合(図22のステップS54でNoの場合)に参照される。なお、通常テーブル261にはバトル演出は記憶されていない。
一方、バトル演出を行う旨が規定された特定コマンドが入力された場合に参照されるテーブルが、バトル演出テーブル262,263である。バトル演出テーブル(ハズレ時専用)262には、敗北テーブル262aが記憶されている。敗北テーブル262aは、主人公が敵と闘って敗北するという内容の演出(以下、「敗北演出」という)が記憶されている。そして、敗北テーブル262aは、特図抽選処理部110による抽選でハズレとなったことに基づいて生成された特定コマンドが入力された場合にのみ参照されるように構成されているから、演出表示装置34に敗北演出が表示されると、今回の遊技がハズレであることが分かる。
バトル演出テーブル(大当たり時共通)263には、勝利テーブル263aと復活テーブル263bとが記憶されている。勝利テーブル263aには、本発明の「第1パターン」としての、主人公が敵と闘って勝利するという内容の演出(以下、「勝利演出」という)が記憶されている。また、復活テーブル263bには、本発明の「第2パターン」としての、主人公が敵と闘って一旦負けて倒れた後、再び立ち上がって敵を負かすという内容の演出(以下、「復活演出」という)が記憶されている。そして、勝利テーブル263aおよび復活テーブル263bは、特図抽選処理部110による抽選で大当たりとなったことに基づいて生成された特定コマンドが入力された場合にのみ参照されるように構成されているから、演出表示装置34に勝利演出または復活演出が表示されると、今回の遊技が大当たりであることが分かる。なお、バトル演出の時間は、敗北演出、勝利演出、復活演出の何れも120秒である。また、敗北演出、勝利演出、復活演出は、記憶されている演出テーブルの種類を問わず、同じ内容(同じ画像データ)である。
ここで、本実施形態では、低確モード中に大当たりが規定された特定コマンドが入力された場合において、バトル演出テーブル(大当たり時共通)263の勝利テーブル263aと復活テーブル263bの何れを参照するかは抽選で決定される構成としている。そのため、大当たり当選時の特図の種類に拘らず(即ち、大当たりラウンド数が5Rと16Rとに拘らず)、勝利演出と復活演出との何れかが演出表示装置34に表示される。このことから、低確モード中に大当たりに当選した場合において、当選に係る遊技中にバトル演出が行われたとしても、遊技者がそのバトル演出の内容から大当たり遊技のラウンド数を把握することは困難である。
また、低確モード中は、ハズレの場合であっても、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)262が参照される場合があるから、今回の遊技でバトル演出が行われたとしても、必ずしも今回の遊技が大当たりとはならない。つまり、低確モード中は、バトル演出が大当たり確定演出とはならない。
次に、図17(b)に示すように、チャンス演出テーブル270は、チャンステーブル271と、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)272と、バトル演出テーブル(大当たり時共通)273とを有している。チャンステーブル271は、主要変動時間である7秒、4秒、2秒が規定された変動パターンコマンドや、リーチが規定された変動パターンコマンドのうち、次に述べるバトル演出(特別演出)が規定された特定コマンド以外のコマンドであるリーチコマンドが入力された場合(図21のステップS44でNoの場合)に参照される。なお、チャンステーブル271にはバトル演出は記憶されていない。
一方、バトル演出テーブル272,273は、バトル演出を行う旨が規定された特定コマンドが入力された場合に参照される。なお、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)272は、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)262と同じ構成であり、バトル演出テーブル(大当たり時共通)273は、バトル演出テーブル(大当たり時共通)263と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
チャンス演出テーブル270が参照される場合、即ち、遊技状態が「時短モード」(ただし、大当たり遊技後の13ゲームまでを除く)の場合において、大当たりが規定された特定コマンドが入力されると、バトル演出が実行されるが、その内容は、低確モード中に大当たりに当選した場合と同様に、抽選によって勝利演出または復活演出に決定される。そのため、低確モード中の大当たり当選時と同じように、遊技者は、演出の内容を見ただけでは、大当たり遊技のラウンド数を予測することは困難である。
これに対して、本実施形態では、大当たり遊技後の1ゲーム目〜13ゲーム目までの間は、バトル演出の趣が異なっている。大当たり遊技後の13ゲーム以内において参照される特別バトル演出テーブル280は、図17(c)に示すように、特別テーブル281と、バトル演出テーブル(5R確変、5R通常共通)282と、バトル演出テーブル(16R確変時専用)283とを有している。特別テーブル281は、主要変動時間である7秒、4秒、2秒が規定された変動パターンコマンドや、10秒〜20秒のリーチが規定されたリーチコマンドが入力された場合に参照される。この特別テーブル281にはバトル演出は記憶されていない。なお、特別テーブル281は、ハズレの場合に参照される。
一方、大当たりに当選している場合には、必ずバトル演出テーブル282,283が参照される。具体的には、大当たり当選時の特図の種類が5R特定時短有図柄または5R通常時短有図柄の場合には、バトル演出テーブル(5R確変、5R通常共通)282が参照され、16R特定時短有図柄の場合には、バトル演出テーブル(16R確変時専用)283が参照される。
ここで、バトル演出テーブル(5R確変、5R通常共通)282には、勝利テーブル282aが記憶されている一方、バトル演出テーブル(16R確変時専用)283には、勝利テーブル283aおよび復活テーブル283bが記憶されている。そのため、今回の遊技で演出表示装置34にバトル演出が表示され、主人公が敵と闘って最終的に敵を倒して勝利した場合(即ち、勝利演出の場合)、その遊技での大当たりは、5R確変当たり、5R通常当たり、もしくは16R確変当たりの何れかである。
一方、特別バトル演出テーブル280において、復活テーブル283bはバトル演出テーブル(16R確変時専用)283にしか記憶されていないため、大当たり遊技後の13ゲーム以内において、遊技中に主人公が敵と闘って一旦負けたが、最後に復活して敵を倒して逆転勝利する演出が行われた場合(即ち、復活演出の場合)は、その復活演出を以って大当たりが16R確変当たりであることが確定することになる。
つまり、本実施形態では、大当たり遊技後の13ゲーム以内には、バトル演出が行われた時点で大当たりが確定し、バトル演出の内容が復活演出になった時点で16ラウンドの確変大当たりが確定するのである。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210にて決定された演出パターンを演出表示装置34に表示するよう制御している。また、保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示領域34aまたは第2保留球表示領域34bに白色の保留球を表示するよう制御している。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図18を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技処理とは同じである。よって、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合についての遊技処理について説明を行い、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合についての説明は省略する。
図18に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。
第1特図または第2特図が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を第1特図用保留球乱数記憶部115aに、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4)。このとき、保留球表示制御部230が白色の保留球を第1保留球表示領域34aに表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4の処理は行われないということは言うまでもない。
一方、第1特図および第2特図の何れも変動していない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5にて特図当たり判定処理が行われる。つまり、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数が大当たり/ハズレの何れであるか否かを第1特図当否判定部113aが判断する。
次いで、ステップS6にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部124aが、ステップS2で取得した特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する。即ち、図9を参照して、「5R特定時短有図柄」、「16R特定時短有図柄」、「5R通常時短有図柄」の3種類の中から1つを、このステップS6で決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第1特図の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
次いで、ステップS7にて特図変動パターンコマンド決定処理が行われる。この特図変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特図変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aが、遊技状態に応じて通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、または特殊変動パターンテーブル134cを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理が行われる。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出テーブル260,270,280の何れかを参照して、第1変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。なお、この処理の詳細は後述する。
次いで、ステップS9で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図の変動表示を開始させ、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。例えば、ステップS8でバトル演出(特別演出)が決定された場合、演出表示制御部220は、バトル演出を演出表示装置34に表示する。なお、バトル演出の表示パターンは、敗北演出(主人公が最終的に敗北する内容)、本発明の第1パターンである勝利演出(主人公が最終的に勝利する内容)、本発明の第2パターンである復活演出(主人公が一旦敗北するが、その後復活して勝利を収める内容)の何れかである。
次いで、ステップS10で、第1特図表示制御部101aが特図表示装置17に第1特図を停止表示させる。このとき、特図表示装置17に停止表示される図柄は、ステップS5で大当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特図の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS10では、第1特図の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が演出表示装置34に停止表示される。
次いで、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(図11参照)でアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特図および普図の遊技状態を高確率状態または低確率状態に設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、ステップS8で行われる演出態様決定処理の詳細について、図19を用いて説明する。演出態様決定処理が開始されると、ステップS21にて、今回の遊技が大当たり遊技後から13ゲーム以内であるか否かが判断される。なお、ここでの判断は、主制御処理部100から入力される変動パターンコマンド等の遊技に関するコマンドを解析することにより可能である。ステップS21でYesの場合、ステップS22において特別バトルモード演出処理が実行される。即ち、大当たり遊技後の遊技回数が13回に到達するまでは、特別バトルモード演出処理が行われる。
一方、ステップS21でNoの場合には、ステップS23に進み、現在の遊技状態が普図高確中であるか否か(即ち、電サポ中か)が判断される。ステップS23でYesの場合、即ち、大当たり遊技後の遊技回数が14回目以降であって、かつ、電サポ80回以内の遊技である場合には、ステップS24においてチャンスモード演出処理が実行される。これに対して、ステップS23でNoの場合には、ステップS25において通常演出処理が実行される。
図20は、図19の特別バトルモード演出処理の詳細を示すフローチャートである。図20に示すように、特別バトルモード演出処理では、まずステップS31にて演出態様決定部210は、特図変動パターンコマンド決定部130から送られてきた変動パターンコマンドを解析する。次に、ステップS32にて、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドの解析結果が大当たりであるか否かを判断する。大当たりコマンドである場合(ステップS32でYes)には、ステップS33に進み、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドに規定されている特図の種類が「16R特定時短有図柄」であるか否かを判断する。
「16R特定時短有図柄」である場合、ステップS34にて、演出態様決定部210は、バトル演出テーブル(16R確変時専用)283に記憶されている勝利テーブル283aまたは復活テーブル283bを参照して、今回の遊技に係る演出態様を勝利演出にするか、それとも復活演出にするかを決定する。なお、勝利テーブル283aが選択される確率と復活テーブル283bが選択される確率とは、共に50%ずつである。
大当たりであるが、特図の種類が16R特定時短有図柄でない場合、即ち、ステップS33でNoの場合、ステップS35に進み、演出態様決定部210は、バトル演出テーブル(5R確変、5R通常共通)282に記憶されている勝利テーブル282aを参照して、今回の遊技に係る演出態様を勝利演出にすることを決定する。
これに対して、今回の遊技がハズレである場合、即ち、ステップS32でNoの場合、演出態様決定部210は、特別テーブル281を参照して、今回の遊技に係る演出態様を決定する。この場合、バトル演出は行われない。
以上のことから、大当たり遊技後の遊技回数が13回以内の場合、バトル演出が表示されたことをもって大当たりが確定し、バトル演出の最終結果が勝利演出であれば、大当たり遊技が5ラウンドの場合と16ラウンドの場合の両方が考えられるが、復活演出であれば、その時点で大当たり遊技が16ラウンドになることが確定する。よって、遊技者は、バトル演出が行われると、大当たりの確定に安心しつつも、バトル演出の結果によって大当たり遊技のラウンド数に違いがあるため、バトル演出を最後まで楽しむことができる。
図21は、図19のチャンスモード演出処理の詳細を示すフローチャートである。図21に示すように、チャンスモード演出処理では、まずステップS41にて演出態様決定部210は、特図変動パターンコマンド決定部130から送られてきた変動パターンコマンドを解析する。次に、ステップS42にて、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドの解析結果が大当たりであるか否かを判断する。大当たりコマンドである場合(ステップS42でYes)には、ステップS43に進み、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドに規定されている特図の種類に拘らず、バトル演出テーブル(大当たり時共通)273に記憶されている勝利テーブル273aまたは復活テーブル273bを参照して、今回の遊技に係る演出態様を勝利演出にするか、それとも復活演出にするかを決定する。なお、勝利テーブル273aが選択される確率は60%、復活テーブル273bが選択される確率と40%である。
一方、ハズレの場合(ステップS42でNo)には、ステップS44に進み、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドが特定コマンドであるか否かを判定する。特定コマンドである場合(ステップS44でYes)には、バトル演出を行うために、ステップS45に進む。そして、ステップS45において、演出態様決定部210は、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)272に記憶されている敗北テーブル272aを参照して、今回の遊技に係る演出態様を敗北演出にすることを決定する。
これに対して、今回の遊技がハズレであり、かつ、変動パターンコマンドが特定コマンド以外のものである場合、即ち、ステップS44でNoの場合、演出態様決定部210は、チャンステーブル271を参照して、今回の遊技に係る演出態様を決定する。この場合、バトル演出は行われない。
以上のことから、大当たり遊技後の遊技回数が14回以降であって、普図高確中である場合(具体的には、電サポ80回の場合であって、大当たり遊技後の遊技回数が14回目〜80回目に該当する場合)、遊技者は、バトル演出が表示されただけでは、今回の遊技が大当たりであるのかハズレであるのか分からない。そして、バトル演出が勝利演出または復活演出となれば、大当たりが確定する(敗北演出の場合、ハズレである)。また、上述した特別バトルモード演出処理のように復活演出となれば16ラウンドの大当たり遊技が確定するということはない。即ち、チャンスモード演出処理では、勝利演出と復活演出の両方で大当たり遊技が16ラウンドとなる場合と5ラウンドになる場合とがある。
図22は、図19の通常演出処理の詳細を示すフローチャートである。図22に示すように、通常演出処理では、まずステップS51にて演出態様決定部210は、特図変動パターンコマンド決定部130から送られてきた変動パターンコマンドを解析する。次に、ステップS52にて、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドの解析結果が大当たりであるか否かを判断する。大当たりコマンドである場合(ステップS52でYes)には、ステップS53に進み、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドに規定されている特図の種類に拘らず、バトル演出テーブル(大当たり時共通)263に記憶されている勝利テーブル263aまたは復活テーブル263bを参照して、今回の遊技に係る演出態様を勝利演出にするか、それとも復活演出にするかを決定する。なお、勝利テーブル263aが選択される確率は60%、復活テーブル263bが選択される確率と40%である。
一方、ハズレの場合(ステップS52でNo)には、ステップS54に進み、演出態様決定部210は、変動パターンコマンドが特定コマンドであるか否かを判定する。特定コマンドである場合(ステップS54でYes)には、バトル演出を行うために、ステップS45に進む。そして、ステップS45において、演出態様決定部210は、バトル演出テーブル(ハズレ時専用)262に記憶されている敗北テーブル262aを参照して、今回の遊技に係る演出態様を敗北演出にすることを決定する。
これに対して、今回の遊技がハズレであり、かつ、変動パターンコマンドが特定コマンド以外のものである場合、即ち、ステップS44でNoの場合、演出態様決定部210は、通常テーブル261を参照して、今回の遊技に係る演出態様を決定する。この場合、バトル演出は行われない。
以上のことから、低確モード中は、遊技者は、バトル演出が表示されただけでは、今回の遊技が大当たりであるのかハズレであるのか分からない。そして、バトル演出が勝利演出または復活演出となれば、大当たりが確定する(敗北演出の場合、ハズレである)。また、上述した特別バトルモード演出処理のように復活演出となれば16ラウンドの大当たり遊技が確定するということはない。即ち、通常モード演出処理は、チャンスモード演出処理と同様に、勝利演出と復活演出の両方で大当たり遊技が16ラウンドとなる場合と5ラウンドになる場合とがある。
図23に、大当たり遊技後にバトル演出が行われた場合の報知内容の違いを示す。図23に示すように、本実施形態では、大当たり遊技が終了してから13ゲーム目までの間(確変モード中または時短モード中)、例えば大当たり後の3ゲーム目にバトル演出が発生すると、その発生自体で大当たりが確定する。そして、バトル演出が復活演出の場合、その復活演出自体で大当たり遊技が16ラウンドであることが確定する。一方、バトル演出が勝利演出の場合、その演出自体では大当たり遊技のラウンド数は確定しない。即ち、5ラウンドと16ラウンドの両方が有り得る。
大当たり遊技が終了してから14ゲーム目〜80ゲーム目まで間(時短モード中)、例えば大当たり後の20ゲーム目にバトル演出が発生すると、その発生自体では大当たりの場合とハズレの場合の両方が有り得る。そして、バトル演出が復活演出と勝利演出の場合、大当たりが確定するが、大当たり遊技のラウンド数は確定しない。一方、バトル演出が敗北演出の場合、ハズレとなる。
また、大当たり遊技が終了してから81ゲーム目以降(低確モード中)、例えば大当たり後の100ゲーム目にバトル演出が発生すると、その発生自体では大当たりの場合とハズレの場合の両方が有り得る。そして、バトル演出が復活演出と勝利演出の場合、大当たりが確定するが、大当たり遊技のラウンド数は確定しない。一方、バトル演出が敗北演出の場合、ハズレとなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、バトル演出という演出自体で大当たりが確定する場合とそうでない場合とがあるうえ、バトル演出の内容が勝利演出の場合と復活演出の場合とで大当たり遊技のラウンド数が確定する場合とそうでない場合とがあるため、遊技者はバトル演出の内容が最終的にどうなるかを最後まで楽しみにしながら遊技を行うことができる。よって、遊技の途中に遊技結果が確定的に報知されたとしても、その遊技に係る演出を最後まで楽しむことができる。また、本実施形態に係るパチンコ機は、同じバトル演出であっても、その意味合いが大当たり遊技後のゲーム数に応じて変化するため、遊技性が向上するという優れた効果を奏する。