以下、適宜図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.第1実施形態]
<構成>
図1に示すように、電球形照明装置100は、発光体(図1では図示しない)を覆うカバー部材15と、カバー部材15の開口端部16(図2参照)が取り付けられると共に発光体で発生する熱を放出する放熱体20と、を有している。そして、放熱体20は、放熱体20の表面から放射状に外側に突出して形成されるフィン42を備えている。主にこのフィン42の外表面から、発光体の熱が外部へ放出されるようになっている。放熱についての詳細は後記する。
なお、第1実施形態においては、放熱体20に設けられたフィン42が、放熱体20に設けられた凸部に相当する。詳細は後記するが、カバー部材15の一部である符号15aで示される部材同士の間に設けられた溝部19(図2参照。図1においては図示していない)に、符号42bで示される部材がはまり込むことで嵌合される。これにより、カバー部材15の回転を防止するための部材を別に設ける必要がないという利点がある。
また、電球形照明装置100は、室内の天井等の外部に設置された一般照明電球用のソケット(図示せず)にねじ込むことにより商用電源に電気的に接続するための口金50を有している。さらに、口金50と放熱体20との間には、電気絶縁性を有する絶縁リング51が配設されている。
図1(b)に示すように、電球形照明装置100においては、カバー部材15と各フィン42の先端との間には、間隙37が設けられている(図4(b)参照)。即ち、カバー部材15に対して、各フィン42の先端が接触していないようになっている。このような間隙37が設けられることにより、電球形照明装置100の周辺(具体的には間隙37)近傍で空気の流れに乱れが生じる。具体的には、間隙37内に空気が入り込み、フィン42からの放熱効率が向上する。
また、放熱体20の隣接するフィン42とフィン42との間は滑らかな状態ではなく、隣接するフィン42間には、放熱体20表面に段部38が放熱体20の一部として設けられている。即ち、段部38において、放熱体20表面が外側に盛り上がった(張り出した)状態になっている。このような段部38が設けられることにより、電球形照明装置100の周辺近傍(具体的には隣接するフィン42の間)で空気の流れに乱れが生じる。即ち、段部38によって、空気の流れが乱される。これにより、放熱体20からの放熱効率がより向上する。
なお、この段部38は、放熱体20の外周の一部に設けられた段部に相当する。また、段部38とフィン42とは接続されておらず、フィン42の先端の部材42b等がカバー部材15と接着されることで、カバー部材15が放熱体20に固定される。
さらに、隣接するフィン42間には、カバー部材15が面一に下方に延下した延出部15aが形成されている。具体的には、カバー部材15と放熱体20とを接合させた場合に、フィン42の外表面42cと、隣接するフィン42間に存在するカバー部材15の延出部15aとが、略同一面内に存在する(図1も併せて参照)。このようにすることで、カバー部材15の表面から光が外部へ放射される際に、フィン42によって光路が制限されない。そのため、特定の方向にのみ光が照射されることが防止される。即ち、電球形照明装置100は、光の散乱性に優れる。さらには、電球形照明装置100に突出する部位が無いため、作業者が取り扱うときに引っかかることがないため、作業性が向上する。
なお、図1において図示はしていないが、フィン42(42b)は、カバー部材15の延出部15a同士の間に設けられた溝部19(図2や図3参照)に嵌合している。即ち、フィン42と嵌合可能な形状を有する溝部19が、カバー部材15に設けられている。そして、フィン42が溝部19に嵌合することで、カバー部材15と放熱体20とが接合される。これにより、カバー部材15の回転が防止される。これらの点についての詳細は後記する。
図2に示すように、カバー部材15と放熱体20との間には、発光体12等が配設されている。発光体12は略円形状の基板13を有し、基板13の一方の面である実装面の中央近傍に、複数のLED11(チップ)が配列されている。
LED11としては、例えば青色光を発するものが使用される。複数のLED11は、例えばシリコーン樹脂等の透明の封止樹脂により被覆されている。この封止樹脂内には、LED11から発せられる光を色変換する蛍光体が混合されている。蛍光体としては、例えば黄色発光のものが用いられる。そのため、このような蛍光体によってLED11からの青色光が色変換され、外部へは白色光を発することができるようになっている。
カバー部材(グローブ)15は、透光性を有する例えば乳白色の、ガラス製又はPC(ポリカーボネート)等の樹脂製であり、発光体12を覆うように設けられている。そして、カバー部材15は放熱体20に向けて開口しており開口端部16を形成している。開口端部16は、放熱体20のカバー部材取付部21に当接され、接着剤等によって放熱体20に固定されている。この際、フィン42が溝部19に対して嵌合するように、カバー部材15が取り付けられる。
また、カバー部材15の開口端部16側は、部材42bを溝部19に収容可能なように窄んで形成され、窄み部17(図4参照。図2では図示していない)が設けられている。即ち、窄み部17においては、カバー部材15の他の部位と比べて、肉厚が薄くなっている(図4及び図5参照)。カバー部材15は球状部と窄み部17と開口端部16とからなり、内面側は滑らかに形成され、外面側は窄み部17で肉厚が薄くなるように、即ち縮径するように形成されている。なお、本実施例においては、カバー部材15は一体成形されている。
さらに、カバー部材15の開口端部16近傍には、図3(a)に示すように、その周方向に等間隔で溝部19が設けられている。また、溝部19の下端部(放熱体20に面する部位)と開口端部16との間は、つまり、窄み部17の外周表面は平滑な曲面(図3(b)の曲面部19a)になっている。そして、図3(b)に示すようにカバー部材15と放熱体20とを組み合わせ、カバー部材15を放熱体20に押し入れることで、フィン42が溝部19に嵌合されるとともに、曲面部19aが放熱体20の内壁と接触する(図4(b)参照。ただし、図4(b)においては、図示の都合上、隙間をあけて示している)。
溝部19は、図3(b)に示すようにカバー部材15と放熱体20とを接合させた場合に、フィン42の側面(カバー部材15に対向する面)が嵌合するように設けられている。従って、溝部19の形状は、フィン42の形状によって決定される。なお、図3(b)においては、図示の簡略化のために、カバー部材15及び放熱体20以外の部材を示していない。
図2に戻って、カバー部材15には、発光体12からの光を拡散させる光拡散材料が含有されていてもよい。発光体12のLED11からの光は指向性の強いものである。しかし、このように構成すれば、発光体12のLED11からの光は、カバー部材15を透過する際に拡散されるため、配光特性が広くなる。
放熱体20は、発光体12が取り付けられる発光体取付部22と、当該発光体取付部22が接続される筒状の胴部23とを備えている。なお、胴部23の外周面には、カバー部材15に向かって延在するように放射状のフィン42が形成されている。そして、胴部23は、側面視して開口端部16の側に向かうほど、径が大きくなる外観をしている。なお、発光体取付部22と胴部23とは別体で構成されている。ここで、発光体取付部22と胴部23とは、面接触(密着)することにより効率的な熱伝導が可能なように接続される。
胴部23は、熱伝導率の高い材料から形成されている。胴部23の材料としては、例えばアルミニウム(合金を含む)等の金属材料が挙げられる。アルミニウムは、軽量で熱伝導率が高く、しかも耐食性、加工性に優れ、強固でコストも低く外観も美麗であるため好ましい。また、この例では、発光体取付部22は、胴部23よりも熱伝導率の高い材料から形成されている。発光体取付部22の材料としては、例えば銅や銀(後記するような合金を含む)等の金属材料が挙げられる。
これにより、発光体12で発生する熱は、発光体取付部22を介して胴部23に効率的に伝導され、フィン42から外部の空気に放出されることになる。なお、胴部23の外面に、放熱性を高めるための放熱塗料が塗布されていてもよい。
前記したように、カバー部材15の開口端部16側の外周側は窄んで形成され、窄み部17を形成している。そして、この窄み部17が形成されたことにより生まれた空間にフィン42の一部が配設(収容)されるようになっている。このようにカバー部材15を構成することにより、フィン42を発光体12の光軸方向に延在させることができる。その結果、フィン42の表面積を大きくすることができ、フィン42による放熱効果をより高めることができる。
発光体取付部22は、発光体12が載置される載置部24と、載置部24の外縁から胴部23側に延伸し胴部23の内面36に接触する延伸部25とを備えている。延伸部25は、胴部23の内面36と接触する際に、所定の弾性力で胴部23の内面36に付勢して接触圧を付与すべく、弾性を有することが好ましい。
この意味において、発光体取付部22は、例えばばね性を有するばね用ベリリウム銅から形成されてもよい。このような発光体取付部22の構成によれば、製造が容易で、かつ低コストを実現できる。さらには熱伝導率も良好なものとすることができる。なお、発光体取付部22と収納ケース39と胴部23との接続関係は、後記する組立方法において詳細に説明する。
載置部24の発光体12が載置される面と逆側(裏面)には、断熱板27が設けられている。即ち、発光体取付部22と後記する電源回路基板35との間には、断熱板27が設けられている。これにより、例えば、発光体12により発せられる熱が電源回路基板35に過度に伝導し、電源回路基板35に悪影響を及ぼすことを防止することができるようになっている。
放熱体20の内部には、リード線14(図2では一部図示省略)を介して発光体12のLED11に所定の電力を供給するための電源回路基板35と、電源回路基板35を収納する樹脂製の収納ケース39とが配設される。なお、電源回路基板35と口金50とは、商用電源を電源回路基板35に供給するためのリード線(図示せず)で接続される。
電源回路基板35は、複数の電子部品(図示せず)が基板に実装されたものである。電源回路基板35は、例えば、商用電源からの交流電力を直流電力に整流する回路、整流後の直流電力の電圧を調整する回路等を備えている。
収納ケース39は胴部23の内部に設置される。収納ケース39は例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の樹脂製である。そして、収納ケース39のカバー部材15側には溝部46が形成され、後記するガイド部65が収容される。また、収納ケース39の発光体12と反対側の端部41には、口金50が嵌合されて接着剤等によって固定される。なお、前記したように、放熱体20と口金50とは、絶縁リング51によって絶縁されている。
収納ケース39に収納された電源回路基板35の周囲には、熱伝導性が良好で電気絶縁性が高い樹脂(図示せず)が密に充填され、電源回路基板35で発生した熱を放熱体20の胴部23やフィン42、口金50に効率よく伝導できるようになっている。なお、電源回路基板35の周囲への樹脂の充填は、胴部23及びフィン42内及び口金50側における配線が終了して口金50が取り付けられた状態で行われる。収納ケース39に適用される樹脂の線膨張係数が胴部23に適用される金属材料の線膨張係数よりも大きいものを選択すると、発光体12及び電源回路基板35で発生した熱による温度上昇により収納ケース39が相対的に熱膨張する。そのため延伸部25が、胴部23の内面36と接触する際に収納ケース39が延伸部25を加圧し熱伝導性を良好にすることができる。
発光体12は、伝熱シート60を介して発光体取付部22の載置部24上に載置されている。伝熱シート60は、シリコーンゴム等の熱伝導性が良好で電気絶縁性が高いシート状の材料から形成されている。但し、伝熱シート60に代えて、熱伝導性が良好で電気絶縁性が高いグリスが使用されてもよい。
載置部24上に載置された発光体12の上面端縁に当接して覆うように、略円形枠形状のホルダ61が配設される。ホルダ61の中央部には開口62が形成されており、LED11が外部に露呈するようになっている。ホルダ61は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の耐熱性及び電気絶縁性を有する樹脂材料から形成されている。
ホルダ61の縁部には、LED11と電源回路基板35とを接続するリード線14をガイドするガイド部65が形成されている。また、ホルダ61の周方向3箇所には、略等間隔でホルダ61を胴部23に固定する際にねじ部材64が挿通される貫通孔63が形成されている。そして、電球形照明装置100の組立時には、ねじ部材64が貫通孔63を介してねじ穴44(胴部23に設けられている)にねじ込まれるようになっている。
次に、図4〜図6を参照しながら、電球形照明装置100をさらに説明する。図4(a)及び図5に電球形照明装置100の断面を、図4(b)にB部拡大図を示す。図4(a)及び図5に示すように、カバー部材15の開口端部16側の外周側は内側に窄んで縮径しており、窄み部17が形成されている。そして、フィン42は、放熱体20の表面から放射状に設けられている。この時、フィン42の先端部42bは、カバー部材15に対向して設けられている。また、フィン42の一部の外側面とカバー部材15の外側面が略平坦になるように、フィン42の大きさ(肉厚)が設定されている。
フィン42の形状は、図示のように、フィン42の先端部42bに向かう方向に、その肉厚が徐々に薄くなって形成されている。ただし、その先端部42bは肉厚を有している。即ち、先端部42bは、尖った形状ではなく、上部が平坦な形状を有している。先端部42bをこのように形成することで、電球形照明装置100を使用者が取り扱う際に、フィン42の先端部42bが作業者に引っかかる等の恐れを防止することができる。その結果、電球形照明装置100を使用する際の作業性や安全性を向上させることができる。また、電球形照明装置100の過度の大型化を避けつつもフィン42の表面積を増加させることができ、放熱効果をより向上させることができる。なお、フィン42の内壁42aについては後記する。
なお、フィン42の高さ(長さ)は、高ければ高いほど煙突効果による放熱効果が高まるため好ましい。ただ、単にフィン42の高さを高くした場合、電球形照明装置100の大きさが過度に大きくなることがある。そこで、電球形照明装置100においては、カバー部材15に窄み部17を設け、窄み部17が形成されたことにより生まれた空間にフィン42の一部が収容されるようにしている。そして、このようにして、電球形照明装置100の過度の大型化並びに外部への光放射の過度の遮蔽を防止しつつも、発光体12からの放熱効果の向上を図っている。
前記したように、また、図4及び図5においては図示していないが、フィン42がカバー部材15の外表面に設けられた溝部19に嵌合されている。このようにすることで、カバー部材15が回転することなく、放熱体20に固定される。さらには、フィン42の先端とカバー部材15との間には、間隙37が設けられている。これにより空気の流れの乱れを引き起こし、より高い放熱効果が得られる。
窄み部17の内壁17aとフィン42の内壁42aとの間には、空間18が設けられている。このような空間18が設けられることにより、前縁効果を利用して、高い放熱効果を得ることができる。即ち、カバー部材15は発光体12からの熱を放射する際の障害物(放熱に寄与しない部材)であるため、カバー部材15に密着する部材が存在すると発光体12からの放熱が阻害される可能性がある。そこで、空間18を設け、空気の流れを起こして多くの空気をフィン42に接触させることにより、フィン42からの放熱を効率よく行うことができる。
さらに、前記したように、フィン42は、その先端部42bに向かう方向に細くなって形成されている。従って、前縁効果を利用して放熱を行うと共に、煙突効果による放熱効果を得ることができる。このようにして、従来よりも放熱効果の向上を図ることができる。
また、フィン42が設けられることにより、隣接するフィン42の間からカバー部材15を外部に露出することができる。その結果、カバー部材15の開口端部16側が放熱体20で覆われるものに比べ、外部へ照射される発光体12からの光の照射量を増加させることができる。また、フィン42には、光散乱性の表面処理若しくは塗装が施されている。具体的には、本実施形態においては酸化チタンがフィン42に表面に塗装されている。
これにより、光の乱反射を促進し、指向性の高い光であっても、フィン42による影の投影を防止することができる。その結果、発光体12からの光の配光特性を広くすることができ、電球形照明装置100を適用可能な用途に制限が無いという利点がある。具体的には例えば、ペンダント等の収容空間の狭い器具内部においても好適に使用可能となる。
さらには、酸化チタンにより発光体12から伝搬してきた熱エネルギを遠赤外線に変換し外部へ放出し易くすることができる。
なお、フィン42の表面に酸化チタンを塗装する際、酸化チタンをフィン42の表面に吹き付ける所謂表面処理を行ってもよいし、揮発性の溶剤に酸化チタンを懸濁し、懸濁後の溶液をフィン42に塗布して溶剤を揮発させて除去するようにしてもよい。
図6(a)に、電球形照明装置100からカバー部材15を取り外した様子を示す。図6(a)に示すように、フィン42は発光体12を取り囲むように放射状に設けられている。図6(b)に、フィン42近傍(C部)を拡大した図を示す。図6(b)に示すように、フィン42においては、先端部42bの形状が三角形状となっている。そして、このフィン42の形状に対応するように、カバー部材15には溝部19が設けられている。
即ち、フィン42は、カバー部材15の開口端部16付近の外側面と対面する角を一つの頂点とする三角形状を有している。フィン42の先端部42bがこのような形状を有することにより、先端部42bに引っかかることが無く、より安全性の高い電球形照明装置100とすることができる。
また、先端部42bが三角形状であることにより、発光体12から伝導した熱を帯びたフィン42に接触した空気が外部へ流れ易くなっている。また、フィン42の全体に満遍なく空気を接触させることができる。そのため、フィン42から空気への熱伝導を効率よく行うことができる。即ち、先端部42bがこのような形状を有することにより、放熱効果をより高いものとすることができる。また、意匠性を向上させることができる。
<組立方法>
次に、電球形照明装置100の組立方法について説明する。
図2に示すように、収納ケース39を胴部23の内部に嵌め込む。続いて、電源回路基板35を、長手方向を縦にして収納ケース39内に挿入し、収納ケース39内の係合部(図示せず)に係合させて収納する。電源回路基板35に予め接続されているリード線(図示せず)の先端は、このとき収納ケース39内から外に引き出された状態とされる。
一方、電源回路基板35に予め接続されている入力用のリード線(図示せず)を口金50の所定箇所に接続する。そして、放熱体20と口金50との間に絶縁リング51を介在させるようにして、口金50を収納ケース39の端部41に嵌合して取り付ける。
続いて、発光体12が載置された発光体取付部22を、断熱材27とともに胴部23に取り付ける。この際、発光体取付部22の延伸部25は、既に胴部23に嵌め込まれた収納ケース39の発光体12側に等間隔で設けられた、支持孔47に挿入される。このようにして、延伸部25と胴部23の内面36とが面接触される。
そして、ねじ部材64をホルダ61の貫通孔63に挿通させて胴部23の台座部43の端面48に形成されたねじ孔44にねじ込むことにより、発光体12及び発光体取付部22が胴部23に組み付けられる。このとき、ホルダ61のガイド部65は、収納ケース39に形成された切欠き部46内に収容される。
続いて、収納ケース39内から外に引き出されているリード線14を収納ケース39のガイド部46に沿わせて這い回し、リード線14の先端を発光体12のLED11に半田付けやコネクタ等によって接続する。
最後に、カバー部材15が、発光体12を覆うようにして、放熱体20のカバー部材取付部21を取り付けられる。この際、カバー部材15の溝部19とフィン42とが嵌合するように、カバー部材15が取り付けられる。以上のようにして、電球形照明装置100の組立が完了する。但し、電球形照明装置100の組立方法は、前記した方法に限定されるものではなく適宜変更が可能である。
<効果>
以上の電球形照明装置100は、前記のように、フィン42が嵌合可能な溝部19を備えている。溝部19には放熱体20のフィン42(42b)が嵌合するため、カバー部材15が周方向に固定される。そのため、電球形照明装置を組み立てた後に、カバー部材15が周方向に回転することがない。
また、電球形照明装置100は、放熱体20にフィン42を備えている。そして、電球形照明装置100においては、フィン42の外表面42cと、隣接するフィン42間で外部へ露出しているカバー部材15の延出部15aとが、略同一面上にある(図7(b)参照)。そのため、カバー部材15表面から光が外部へ放出される際、光路が過度に制限されることがない。従って、電球形照明装置100は、光の散乱性に優れる。
さらには、フィン42は、先端に向かって細くなる形状になっている。そのため、煙突効果による放熱効率のいっそうの向上を図ることができる。また、カバー部材15とフィン42との間には間隙37が設けられている。さらに、隣接するフィン42間には、段部38が設けられている。これらの構成を備えることで、空気の流れの乱れを引き起こすことができ、よりいっそうの放熱効率の向上を図ることができる。
[2.変更例]
次に、前記した電球形照明装置100の変更例を、図7〜図11を参照しながら説明する。図7〜図10に示す電球形照明装置においては、電球形照明装置100における段部38の構成が異なっている。また、図11に示す電球形照明装置においては、LED11等が配置される基板13の位置が、電球形照明装置100と異なっている。
以下、それぞれの電球形照明装置について説明する。なお、電球形照明装置100と同様の部材については同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。また、図7〜図10においては、図示の簡略化のために、口金50及び絶縁リング51を省略して示している。
<電球形照明装置101>
図7(a)は電球形照明装置101の側面図、(b)は図7(a)のD部を拡大した斜視図である。図7に示す電球形照明装置101においては、段部38に代えて、フィン42を覆うように放熱体20の周囲(外周)を全周に亘って、凸形状の段部38aが設けられている。段部38aの光軸方向の位置(高さ)としては、カバー部材15内に配設されている基板13と同程度の高さの位置とする。LED11を備える基板13近傍が特に高温になるためである。
電球形照明装置100がこのような構成を有することによっても、基本的には前記した電球形照明装置100と同様の効果が奏される。即ち、段部38aが設けられることによって、段部38が設けられた場合と同様の効果が奏される。即ち、フィン42間の空気の流れを乱すことができるため、フィン42からの放熱効果を高めることができる。
また、図7においては図示していないが、電球形照明装置101のカバー部材15の粗表面にも、電球形照明装置100と同様の溝部が設けられている。そして、この溝部に、フィン42が嵌合するようになっている。従って、電球形照明装置100においても、カバー部材15が周方向に回転することがない。
さらに、電球形照明装置100と同様、フィン42の外表面42cと、隣接するフィン42間で外部へ露出しているカバー部材15の外表面とが、略同一面上にある。そのため、カバー部材15表面から光が外部へ放出される際、光路が過度に制限されることがない。従って、電球形照明装置101も、電球形照明装置100と同様、光の散乱性に優れる。
<電球形照明装置102>
図8(a)は電球形照明装置102の側面図、(b)は図8(a)のE部を拡大した斜視図である。電球形照明装置102は、電球形照明装置101における凸形状の段部38aに代えて、フィン42を抉るように放熱体20の周囲(外周)を全周に亘って、凹形状の段部38bが設けられている。その他の構成は、電球形照明装置101と同様である。なお、本実施形態における「段部」とは、凸形状のもののほか、凹形状のものもその範疇に含まれるものとする。
このような凹形状の段部38bが設けられることによっても、前記した電球形照明装置101と同様の効果が得られる。
<電球形照明装置103>
図9(a)は電球形照明装置103の側面図、(b)は図9(a)のF部を拡大した斜視図である。図9に示す電球形照明装置103においては、電球形照明装置100の段部38に代えて、カバー部材15の周囲(外周)を全周に亘って、凸形状の段部38cが設けられている。また、放熱体20の表面には、フィン42が備えられていない。
段部38cの位置としては、カバー部材15内に配設されている基板13と同程度の高さの位置とすることが好ましい。LED11を備える基板13近傍が特に高温になるためである。もし同程度の高さにすることが困難である場合、図11を参照しながら後記するように、基板13の位置をカバー部材15の内面に近づけるようにしてもよい。即ち、LED11が、カバー部材15の内部に入り込むようにしてもよい。
さらに、図9(b)に示すように、カバー部材15の開口端部には凸形状の凸部15bが設けられている。そして、凸部15bに嵌合するように、放熱体の端部(カバー部材15に面する側)にも凸形状の凸部20aが設けられている。そして、凸部15bと凸部20aとが相互に噛み合う(嵌合する)ことで、カバー部材15の周方向への回転が防止される。
なお、隣接する凸部15b間は、凹部となる。従って、この凹部がカバー部材15の溝部となる。
また、放熱体20の凸部20aの先端とカバー部材15の開口端部は接触せず、間隙37が設けられている。このように間隙37を設けることで、電球形照明装置100と同様に、優れた放熱効果が達成できる。また、フィン42を設けていないため、製造が容易になるという利点もある。
そして、カバー部材15の凸部15bと放熱体20の凸部20aとは、略同一面上にある。そのため、カバー部材15表面から光が外部へ放出される際、光路が制限されることがない。従って、電球形照明装置103も、電球形照明装置100と同様、光の散乱性に優れる。
<電球形照明装置104>
図10(a)は電球形照明装置104の側面図、(b)は図10(a)のG部を拡大した斜視図である。電球形照明装置104は、電球形照明装置103における凸形状の段部38cに代えて、カバー部材15表面を抉るように周囲(外周)を全周に亘って、凹形状の段部38dが設けられている。その他の構成は、電球形照明装置103と同様である。
段部38dの位置としては、カバー部材15内に配設されている基板13と同程度の高さの位置とすることが好ましい。LED11を備える基板13近傍が特に高温になるためである。もし同程度の高さにすることが困難である場合、図11を参照しながら後記するように、基板13の位置をカバー部材15の内面に近づけるようにしてもよい。即ち、LED11が、カバー部材15の内部に入り込むようにしてもよい。
このような凹形状の段部38dが設けられることによっても、前記した電球形照明装置103と同様の効果が得られる。
また、電球形照明装置104においては、電球形照明装置100からフィン42が省略されている。さらに、カバー部材15の開口端部16は凹凸形状を有している。そして、この凹凸形状に対応するように、放熱体20の上側開口端部も凹凸形状となっている。このように凹凸が形成されたカバー部材15と放熱体20とを嵌合して固定することで、電球形照明装置104が製造される。なお、図10(b)に示すように、カバー部材15の凹部と放熱体20の凸部とは密着せず、間隙37が設けられている。このように間隙37を設けることで、電球形照明装置100と同様に、優れた放熱効果が達成できる。また、フィン42を設けていないため、製造が容易になるという利点もある。
<電球形照明装置105>
図11に示す電球形照明装置105は、基本的には、前記した電球形照明装置100と同様の構成を備える。ただし、電球形照明装置100とは異なり、発光体12がカバー部材15の内部に入り込むようになっている。即ち、発光体取付部22の延伸部25や収納ケース39等が、電球形照明装置100の場合と比べ、発光体12の光軸方向に長くなっている。このように電球形照明装置105を構成することにより、発光体12からの光を全方向に到達させることができる。その結果、電球形照明装置100の周辺に満遍なく発光体12からの光を照射することができる。
[3.その他の変更例]
本実施形態に係る電球形照明装置は、前記した各実施形態の他にも、要旨を損なわない範囲で適宜変更して実施可能である。
例えば、フィン42の表面には前記のように光散乱剤が塗布されているが、例えばアルミニウム粉末等の金属材料やシリカ粉末等の金属酸化物材料を更に塗布してもよい。例えばアルミニウム粉末を添加することにより、電球形照明装置の外観が金属の風合いをいっそう呈したものとすることができる。また、アルミニウム粉末が塗布されることにより、アルミニウムによって光を反射させることができる。その結果、光の乱反射をいっそう促進させることができ、光の配向特性を広くすることができる。
また、カバー部材15と放熱体42との間に設けられる間隙37の位置も特定されない。例えば、電球形照明装置100においては、フィン42の先端とカバー部材15との間に間隙37が設けたが、放熱体20(具体的には隣接するフィン42間に存在して外部に露出している部位)とカバー部材15との間に間隙が設けられてもよい。また、両方に設けられていてもよい。
また、図4(b)を参照しながら説明した外壁17aと内壁42aとは、必ずしも、図4(b)に示すように面同士が平行ではない形態とする必要はない。即ち、外壁17aと内壁42aとの面同士が平行になっていても、空間18が設けられるようにフィン42及びカバー部材15の窄み部17を構成すれば本発明と同様の効果が得られる。
また、図4(b)においては、外壁17a及び内壁42aの2つの面は、発光体12光軸方法に対して傾斜して形成されているが、光軸方向に対して平行な方向(即ち紙面上下方向)になるように形成されていてもよい。
また、通常、空間18が大きくなればなるほど、発光体12の放熱効果も大きくなる。ただし、空間18が大きくなれば電球形照明装置の大きさ自体も大きくなりうるので、それらを勘案して内壁17aと内壁42aとの位置関係、及び空間18の大きさを決定すればよい。
また、先端部42bの形状も空気の流れを阻害しない形状であれば、三角形状に限定されない。例えば、その一角がカバー部材15に対面する矩形状等とすることができる。そして、これに対応する形状に溝部19を設ければよい。
また、設けられるフィン42の本数及び高さについても、前記した実施形態及び図示の事項に何ら限定されない。従って、許容される電球形照明装置100の大きさを考慮し、フィン42の本数及び高さを設定すればよい。さらに、図9や図10に示すように、フィンを設けない代わりに凹凸を設け、カバー部材15が回転しないようにしてもよい。逆に、図9や図10において、フィンが設けられてもよい。
さらに、カバー部材15や放熱体20に設けられる段部は、図示のような凹凸形状に限られず、任意の形状にすることができる。また、図示においては、段部がカバー部材15若しくは放熱体20の何れか一方のみに設けられる構成にしているが、カバー部材15及び放熱体20の両方に段部が設けられる構成にしてもよい。
また、図7〜図10を参照しながら説明した段部38a〜38dの厚さも特に制限されず、任意に設定すればよい。また、段部38a〜38dの周方向の長さも限定されず、外周の一部のみに設けられてもよい。さらに、設けられる段部の数も限定されず、複数もうけられてもよい。
また、前記実施形態では、複数のLED11がマトリクス状に配置されているが、放射状等の他の形状に配置されていてもよい。また、発光体12からの光は、白色に限定されるものではなく、発光色の異なるLEDや蛍光体を用いて所望の色に設定可能である。さらに、LED11の実装方式は、前記実施形態に限定されるものではなく、発光体12は1個以上のLED11を備えるものであればよい。
また、前記実施形態では、発光体12にLED11が備えられているが、例えばEL(Electro-Luminescence)等の他の発光素子(半導体発光素子を含む)が備えられていてもよい。