JP5948768B2 - 近紫外発光素子光源用カラーフィルタ - Google Patents
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Description
またLEDは、FLやCCFLに比べて応答性に優れ、長寿命で、低電圧駆動が可能であり、水銀フリーであることから環境保全性に優れているといった利点も有している。
しかしながら、上記構成を有するバックライトにおいては、上記青色光を吸収して所望の赤色光または緑色光を発光することが可能な赤色蛍光体や緑色蛍光体が限定される場合があり、液晶表示装置に用いた場合に、色再現性を所望のものとすることが困難であるという問題がある。
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上に形成され、トリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂を含有する青色着色層と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明のカラーフィルタは近紫外発光素子光源を備えた液晶表示装置に用いられるものである。近紫外発光素子光源については後述する。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
まず、本発明における青色着色層について説明する。
本発明における青色着色層は、トリアリールメタン系色材とバインダ樹脂とを含有するものである。
本発明に用いられるトリアリールメタン系色材は、トリアリールメタン系染料を含有するものである。また、上記トリアリールメタン系色材としては、トリアリールメタン系染料をそのまま用いてもよく、トリアリールメタン系レーキ顔料であってもよい。
以下、トリアリールメタン系染料およびトリアリールメタン系レーキ顔料について説明する。
本発明に用いられるトリアリールメタン系染料は、下記一般式(I)で表わされる構造を有する染料を含有するものである。本発明においては、下記一般式(I)で表わされる1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
R11〜R16におけるアリール基とは、特に限定されないが、例えばフェニル基、ナフチル基、フェニルメチル基等が挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えばアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
次に、本発明に用いられるトリアリールメタン系レーキ顔料について説明する。トリアリールメタン系レーキ顔料とは、トリアリールメタン系染料をレーキ化したものである。
なお、「レーキ化」とは、金属塩等の沈殿剤を加えることにより、溶媒可溶性の染料を沈殿剤に吸着、沈殿させ、上記沈殿物からなる不溶性の微粒子(顔料)を生成する手法を指す。
中でも、耐久性に優れる点から、ヘテロポリ酸を用いることが好ましく、ヘテロポリ酸の中でも、入手が容易な点から、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸を用いることがより好ましい。
本発明においては、上述したトリアリールメタン系染料のみを用いてもよく、トリアリールメタン系レーキ顔料のみを用いてもよく、トリアリールメタン系染料およびトリアリールメタン系レーキ顔料を混合して用いてもよい。
上記トリアリールメタン系色材の含有量としては、青色着色層を用いて所望の青色表示を行うことが可能な程度であれば特に限定されないが、トリアリールメタン系色材とその他色材の色材中の比率が、50:50〜100:0、中でも70:30〜100:0、特に80:20〜100:0であることが好ましい。上記含有量が上記範囲に満たない場合は、色純度の高いトリアリールメタン系色材を用いた場合も、所望の色濃度を示さない可能性があるからであり、上記含有量が上記範囲を超える場合は、青色着色層を形成すること自体が困難となる可能性があるからである。
次に、本発明におけるバインダ樹脂について説明する。
本発明に用いられるバインダ樹脂としては、上述したトリアリールメタン系色材を分散または溶解させることにより、青色着色層を構成することが可能なものであれば特に限定されず、従来公知のカラーフィルタの着色画素に用いられているアルカリ可溶性樹脂、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いることができる。
この他、重合可能なモノマーであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明においては、市販のバインダ樹脂を用いることもでき、例えば、アロニックスM−5600(東亞合成(株)製の商品名アロニックスM−5600、アロニックスM−6200、アロニックスM−7100及びアロニックスM−9050が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の分子量は、5000〜50000が好ましい。
熱硬化性樹脂の分子量は、5000〜100000が好ましい。
本発明に用いられる青色着色層の材料としては、上述したトリアリールメタン系色材、およびバインダ樹脂以外にも、適宜選択して追加することが可能である。このような材料としては、例えば、トリアリールメタン系色材以外の色材、顔料分散剤、酸化防止剤等を挙げることができる。トリアリールメタン系色材以外の色材、顔料分散剤については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる青色着色層について説明する。
本発明に用いられる青色着色層は、近紫外発光素子光源を備えた表示装置に用いることにより所望の青色を呈することが可能なものであれば特に限定されない。より具体的には、CIE色度図における青色着色層の色度座標が、0.140≦x≦0.160、かつ0.050≦y≦0.075、なかでも0.145≦x≦0.160、かつ0.050≦y≦0.070、特に0.148≦x≦0.155、かつ0.055≦y≦0.065であることが好ましい。青色着色層の色度座標が上記範囲内であることにより、本発明のカラーフィルタを近紫外発光素子光源を備えた液晶表示装置に用いた場合に、所望の青色表示を行うことが可能となる。
なお、青色着色層の色度座標については、例えば以下の測定方法により求めることができる。
まず、透明基材上に所望の厚みで青色着色層を形成した評価用青色着色層基板を作製する。次いで、バックライトとして近紫外発光素子光源を用い、輝度計SR−UL1(TOPCON社製)により色度座標を測定することができる。
次に、本発明における透明基材について説明する。
本発明における透明基材としては、近紫外発光素子光源からの光に対する透光性を有し、かつ上記青色着色層等を形成することが可能なものであれば特に限定されず、ガラス基板等の屈曲性を有さない透明な基材であってもよく、あるいは、樹脂製フィルム等の屈曲性を有する透明な基材であってもよい。なお、具体的な透明基材については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタは、上述した青色着色層と、透明基材とを有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。以下、このような構成について説明する。
本発明のカラーフィルタは、青色着色層上にガスバリア性を有する退色防止層を有していることが好ましい。
ここで、青色着色層に含有されるトリアリールメタン系色材は、未硬化のバインダ樹脂中に存在する場合においては、所定の温度に加熱することにより昇華及び酸化劣化するという性質を有する色材である。そのため本発明においては、青色着色層の色濃度をより高く保つためには、トリアリールメタン系色材の昇華温度よりも低い温度で青色着色層が形成されることがより好ましい。しかしながら、現行のカラーフィルタの製造方法においては、着色層を形成するに際して、上記昇華温度よりも高い温度で着色層組成物からなる着色層形成用層を焼成して硬化させる工程を行う場合が多いことから、焼成時にトリアリールメタン系色材が昇華して、最終的に得られる青色着色層が所望の色濃度を示さないことが懸念される。
よって、本発明のカラーフィルタの製造時においては、焼成時において青色着色層形成用層からトリアリールメタン系色材が昇華する前に、上記昇華を防止することが可能な程度のガスバリア性を有する退色防止層を形成することにより、青色着色層の退色を防止することが好ましいのである。
より具体的には、図2(a)、(b)に示すように、青色着色層2B上に退色防止層4が形成されていてもよく、図3に示すように、青色着色層2Bを覆うように退色防止層4が形成されていてもよい。また青色着色層2B上に退色防止層4が形成されている場合は、図2(a)に示すように,青色着色層2Bの表面全体に退色防止層4が形成されていてもよく、図2(b)に示すように、青色画素に用いられる青色着色層2B上(図2(b)においては遮光部3の開口部分に形成されている青色着色層2B)のみに退色防止層4が形成されていてもよい。
なお、図2(a)、(b)および図3は本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタは、通常、上述した青色着色層とともに他の色の着色層が形成されているものである。このような着色層としては、通常、赤色着色層および緑色着色層を有するものである。また、本発明においては、赤色、緑色、および青色以外の色の着色層をさらに有していてもよい。
また、上記緑色着色層に用いられる色材としては、本発明のカラーフィルタを近紫外発光素子光源を備えた表示装置に用いた場合に所望の緑色表示を行うことが可能なものであれば特に限定されるものではなく、公知の緑色色材を用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、必要に応じて、着色層間に画素を区画するための遮光部を形成することができる。
本発明のカラーフィルタは、必要に応じて、透明基材の着色層側を覆うように形成された平坦化層を有することができる。上記平坦化層は、カラーフィルタ表面を平坦化するとともに、各色の着色層を保護するために用いられるものである。
平坦化層に用いられる材料、厚み等については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタは、上述した構成以外にも任意の構成を適宜選択して追加することが可能である。このような構成としては、カラーフィルタと対向基板とのセルギャップを保持し、液晶層の厚みを均一にするために用いられる柱状スペーサ等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタは、近紫外発光素子光源を備えた液晶表示装置に用いられるものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法については、特に限定されず、例えば、後述する「B.カラーフィルタの製造方法」の項で説明する方法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタは、近紫外発光素子光源とともに用いられるものである。以下、近紫外発光素子光源について説明する。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、トリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂を含有する青色着色層用組成物を透明基材上に塗布することにより青色着色層形成用層を形成する青色着色層用組成物塗布工程、上記青色着色層形成用層に露光および現像処理を施すことにより上記青色着色層形成用層をパターニングする露光・現像処理工程、並びにパターニングされた上記青色着色層形成用層にポストベーク処理を施すことにより青色着色層を形成するポストベーク処理工程を有する青色着色層形成工程と、上記ポストベーク処理工程前に樹脂を含有する退色防止層用組成物を上記青色着色層形成用層上に塗布することにより退色防止層形成用層を形成する退色防止層用組成物塗布工程、および、上記ポストベーク処理工程で上記青色着色層形成用層中の上記トリアリールメタン系色材が昇華する前に上記退色防止層形成用層を硬化させてガスバリア性を有する退色防止層を形成する硬化工程を有する退色防止層形成工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
ここで、退色防止層用組成物14が光硬化性を示すものである場合は、図5(c)、(d)に示すように、露光・現像処理工程の露光時に退色防止層形成用層4’が硬化して退色防止層4となる。一方、退色防止層用組成物14が熱硬化性を示すものである場合は、図5(d)、(e)に示すように、ポストベーク処理工程で退色防止層形成用層4’が硬化して退色防止層4となる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した各工程を行うことにより、図5(e)に示すようなカラーフィルタ10を製造することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した工程を行うことにより、図6(e)に示すカラーフィルタ10を製造することができる。
なお、図6(a)〜(e)においては、透明基材1の着色層側を覆うように退色防止層4を形成する例について説明したが、図2(a)、(b)および図3に示すように、青色着色層2B上に退色防止層4をパターン状に形成することも可能である。
また、図6(a)〜(e)において説明していない符号については、図5(a)〜(e)で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における青色着色層形成工程は、トリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂を含有する青色着色層用組成物を透明基材上に塗布することにより青色着色層形成用層を形成する青色着色層用組成物塗布工程、上記青色着色層形成用層に露光および現像処理を施すことにより上記青色着色層形成用層をパターニングする露光・現像処理工程、並びにパターニングされた上記青色着色層形成用層にポストベーク処理を施すことにより青色着色層を形成するポストベーク処理工程を有する工程である。
以下、各工程について説明する。
本発明における青色着色層用組成物塗布工程は、トリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂を含有する青色着色層用組成物を透明基材上に塗布することにより青色着色層形成用層を形成する工程である。
本工程に用いられる青色着色層形成用層の形成方法としては、透明基材上に所望の厚みで青色着色層用組成物を塗布することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な塗布方法を用いることができる。具体的には、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等を挙げることができる。
本工程に用いられる青色着色層用組成物は、トリアリールメタン系色材とバインダ樹脂とを有するものである。なお、本工程に用いられるトリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂については上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。なお、上記バインダ樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。
青色着色層用組成物のバインダ樹脂として、アルカリ可溶性樹脂を用いる場合、硬化反応を促進等させる観点から、光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュア184、同369、同651、同819、同907、メルク社製の商品名ダロキュアシリーズ等を挙げることができる。
青色着色層用組成物の粘度、顔料分散性、分散の経時安定性を調整するために、必要に応じて溶剤を用いることができる。
溶剤としては、例えば、特開2010−128310号公報に記載のイソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル(別名ビス(2‐メトキシエチル)エーテル)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(別名1‐メトキシプロパン‐2‐オール)等のグリコールエーテル類並びに酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(別名酢酸2‐メトキシ‐1‐メチルエチル)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名酢酸2‐エトキシ‐1‐メチルエチル)、3‐メトキシブチルアセテート(別名酢酸3‐メトキシブチル)及びブチルカルビトールアセテート(別名酢酸2‐(2‐ブトキシエトキシ)エチル)等の酢酸エステル類等があげられる。
中でも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び3−メトキシブチルアセテートが好ましい。
上記青色着色層用組成物としては、上述した各成分のほかにも例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等を用いることができる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
本工程により形成される青色着色層形成用層の厚みについては、所望の青色着色層を形成することが可能な程度であれば特に限定されない。
本発明における露光・現像工程は、上記青色着色層形成用層に露光および現像処理を施すことにより青色着色層形成用層をパターニングする工程である。
本発明におけるポストベーク処理工程は、青色着色層形成用層にポストベーク処理を施すことにより青色着色層を形成する工程である。
より具体的に、上記ポストベーク処理の温度としては、100℃〜220℃の範囲内、なかでも130℃〜210℃の範囲内、特に150℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。ポストベーク処理の温度が上記範囲に満たない場合は、青色着色層を十分に硬化させることが困難となる可能性があるからである。また、ポストベーク処理の温度が上記範囲を超える場合は、青色着色層の材料が劣化してしまう可能性があるからである。
本発明における退色防止層形成工程は、上記ポストベーク処理工程前に樹脂を含有する退色防止層用組成物を上記青色着色層形成用層上に塗布することにより退色防止層形成用層を形成する退色防止層用組成物塗布工程、および、上記ポストベーク処理工程で上記青色着色層形成用層中の上記トリアリールメタン系色材が昇華する前に上記退色防止層形成用層を硬化させてガスバリア性を有する退色防止層を形成する硬化工程を有する工程である。
以下、各工程について説明する。
本発明における退色防止層用組成物塗布工程は、上記ポストベーク処理工程前に樹脂を含有する退色防止層用組成物を上記青色着色層形成用層上に塗布することにより退色防止層形成用層を形成する工程である。
上記退色防止層用組成物の形成方法としては、ポストベーク処理工程前に青色着色層形成用層上に退色防止層を形成することが可能であれば特に限定されず、多層同時塗布法、すなわち青色着色層用組成物と一括して退色防止層用組成物を塗布する方法であってもよく、青色着色層形成用層の形成後に退色防止層用組成物を塗布する方法であってもよい。
本工程に用いられる退色防止層用組成物は、樹脂を含有するものである。
また、上記退色防止層用組成物は、後述する硬化工程における退色防止層形成用層の硬化方法により、適宜選択される。
例えば、退色防止層形成用層を紫外線等の光を用いて硬化させる場合には、退色防止層用組成物は光硬化性を示すように調製される。このような退色防止層用組成物に用いられる樹脂としては、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。また、必要に応じて、上述した青色着色層用組成物の項で説明した光重合開始剤、溶剤等、その他の成分等が用いられる。
ここで硬化温度とはDSC(示差走査熱量分析)により得られた、発熱ピークのピークトップ温度のことを指す。
本工程により形成される退色防止層形成用層の厚みとしては、ポストベーク処理工程において、青色着色層形成用層からトリアリールメタン系色材が昇華することを防止することが可能な程度の厚みであれば特に限定されない。
本発明における硬化工程は、上記ポストベーク処理工程で上記青色着色層形成用層中から上記トリアリールメタン系色材が昇華する前に上記退色防止層形成用層を硬化させてガスバリア性を有する退色防止層を形成する工程である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した青色着色層形成工程、および退色防止層形成工程を有する製造方法であれば特に限定されず、他にも必要な工程を適宜選択して追加することが可能である。このような工程としては、例えば、赤色着色層および緑色着色層等の他の色の着色層を形成する着色層形成工程、遮光部を形成する遮光部形成工程、平坦化層を形成する平坦化層形成工程等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタについては、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、メタクリル酸グリシジル(GMA)
重合槽中にMMAを63質量部、AAを12質量部、HEMAを6質量部及びDMDGを88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、AIBNを7質量部加え、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、さらにGMAを7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部及びハイドロキノンを0.2質量部加え、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製の商品名SR399)
24質量部
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート180S70) 4質量部
2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルホリノプロパン‐1‐オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名イルガキュア907)
4質量部
DMDG 52質量部
下記の材料を室温で混合、攪拌して青色画素用カラーフィルタ用樹脂組成物1〜3を調製した。なお、下記の青色顔料(PB1)は、トリアリールメタン系色材である。
青色顔料(PB1) 3質量部
上記硬化性樹脂組成物(バインダ) 11質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 84質量部
高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名DISPERBYK2000、固形分40%) 固形分換算2質量部
青色顔料(PB1) 2質量部
青色顔料(PB15:6) 1質量部
上記硬化性樹脂組成物(バインダ) 11質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 84質量部
高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名DISPERBYK2000、固形分40%) 固形分換算2質量部
青色顔料(PB15:6) 3質量部
上記硬化性樹脂組成物(バインダ) 11質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 84質量部
高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名DISPERBYK2000、固形分40%) 固形分換算2質量部
エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製) 10質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 90質量部
X-41-1053(信越シリコーン社製) 10質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 90質量部
上記硬化性樹脂組成物 7質量部
エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製) 3質量部
酢酸‐3‐メトキシブチル(溶剤) 90質量部
[実施例1]
上記調製した青色着色層用樹脂組成物1を、厚さ0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。フォトマスクを基板より200μmのギャップを設けて設置し、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、青色着色層用樹脂組成物1の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。170℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークすることによって、所定のレリーフパターンの青色着色層を有する評価用青色着色層基板を得た。なお、青色着色層の厚みについては、色度座標が下記の表1に示される値となるように調整した。
青色着色層用樹脂組成物2を使用した以外は、実施例1と同様に評価用青色着色層基板を得た。
アルカリ現像後に退色防止層用樹脂組成物1をスピンコーターを用いて塗布し、0.3μmの退色防止層を形成した以外は、実施例1と同様に評価用青色着色層基板を得た。
退色防止層用樹脂組成物2を使用した以外は、実施例3と同様に評価用青色着色層基板を得た。
退色防止層用樹脂組成物3を多層一括コーターを用いて青色着色層用樹脂組成物を一括塗布した以外は、実施例1と同様に評価用青色着色層基板を得た。
青色着色層用樹脂組成物3を使用した以外は、実施例1と同様に評価用青色着色層基板を得た。
実施例1〜5、および比較例1の青色着色層基板の色度座標、膜厚、パターニング精度について表1に示す。表1中の○は青色着色層を所望の厚み、パターン状に形成することができたことを示し、×は青色着色層の膜厚が厚いことから十分に露光を行うことができず、所望のパターン状に形成することができなかったことを指す。
2B … 青色着色層
2B’ … 青色着色層形成用層
2R … 赤色着色層
2G … 緑色着色層
3 … 遮光部
4 … 退色防止層
4’ … 退色防止層形成用層
10 … カラーフィルタ
Claims (3)
- トリアリールメタン系色材およびバインダ樹脂を含有する青色着色層用組成物を透明基材上に塗布することにより青色着色層形成用層を形成する青色着色層用組成物塗布工程、前記青色着色層形成用層に露光および現像処理を施すことにより前記青色着色層形成用層をパターニングする露光・現像処理工程、並びにパターニングされた前記青色着色層形成用層にポストベーク処理を施すことにより青色着色層を形成するポストベーク処理工程を有する青色着色層形成工程と、
前記ポストベーク処理工程前に樹脂を含有する退色防止層用組成物を前記青色着色層形成用層上に塗布することにより退色防止層形成用層を形成する退色防止層用組成物塗布工程、および、前記ポストベーク処理工程で前記青色着色層形成用層中の前記トリアリールメタン系色材が昇華する前に前記退色防止層形成用層を硬化させてガスバリア性を有する退色防止層を形成する硬化工程を有する退色防止層形成工程と、
を有することを特徴とする近紫外発光素子光源用カラーフィルタの製造方法。 - 前記退色防止層用組成物が、前記トリアリールメタン系色材の昇華温度よりも低い温度で硬化するものであることを特徴とする請求項1に記載の近紫外発光素子光源用カラーフィルタの製造方法。
- 前記青色着色層用組成物塗布工程および前記退色防止層用組成物塗布工程では、多層同時塗布法を用いて、前記青色着色層用組成物および前記退色防止層用組成物を一括で塗布することにより前記透明基材上に前記青色着色層形成用層および前記退色防止層形成用層を同時に形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の近紫外発光素子光源用カラーフィルタの製造方法。
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