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JP5948766B2 - 永久磁石式回転電機のシミュレーション方法、これを使用した損失算定方法、シミュレーションプログラム、損失算定プログラム、シミュレーションシステム及び損失算定システム - Google Patents

永久磁石式回転電機のシミュレーション方法、これを使用した損失算定方法、シミュレーションプログラム、損失算定プログラム、シミュレーションシステム及び損失算定システム Download PDF

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Description

本発明は、電磁界解析を用いて回路シミュレーションモデルに必要なパラメータを抽出することにより、対象回転電機の出力特性を精度よくシミュレーションすることができる永久磁石式回転電機のシミュレーション方法、そのシミュレーション方法より得た電流を電磁界解析へ入力し、対象回転電機の各部位の発生損失を高精度で算出する損失算定方法、シミュレーションプログラム、損失算定プログラム、シミュレーションシステム及び損失算定システムに関する。
永久磁石式回転電機は、誘導電動機に比べ、原理上二次銅損がなく、磁束を作るための励磁電流を流す必要がないため、高効率化や小型化を容易に実現できる。さらに、永久磁石が回転子の内部に挿入された埋込磁石構造(IPM:Interior Permanent Magnet)(以下、IPMモータと称す)では、磁石トルク以外にリラクタンストルクが併用できるため、さらなる効率アップが期待されている。
一方、IPMモータ内部の磁束密度には、多くの高調波成分が含まれており、モータの固定子と回転子の鉄心に大きな損失が発生している。さらに、永久磁石式回転電機をPWMインバータで駆動する場合、PWMキャリア周波数により発生する高調波電流成分によって、鉄心及び永久磁石に損失が発生している。IPMモータの更なる高効率化を行うには、モータを試作する前に、これらの損失、特にPWMキャリア高調波による損失を高精度に評価し、損失発生部位と要因を特定する必要がある。
このような問題を解決するために、例えば、非特許文献1に記載された従来例を図11に示す。この非特許文献1に記載された従来例では、図11に示すように、先ずモータの設計を行い(ステップS101)、次いで設計したモータを試作する(ステップS102)。そして、試作したモータを用いて実条件にて評価実験を行う(ステップS103)。そして、評価実験結果を判定し(ステップS104)、評価実験結果が良好であれば処理を終了し、評価実験結果が良好でないときには前記ステップS101に戻る。
ここで、ステップS103の評価実験は、試作したモータを設置し(ステップS103a)、次いで設置したモータに入力する電圧と電流波形を取得する(ステップS103b)。次いで、実際に測定された電流波形を入力として電磁界解析を行い(ステップS103c)、モータの各部位の発生損失を定量分析し、部位別の損失と要因を特定する(ステップS103d)。これとは別に試作したモータについて各種性能評価を行う(ステップS103e)。そして、部位別の損失と要因及び各種性能評価に基づいて総合評価を行う(ステップS103f)。
また、非特許文献2に記載された従来例を図12に示す。この非特許文献2に記載された従来例では、図12に示すように、先ず、モータを設計し(ステップS201)、次いで電磁界解析を実施して、対象モータの各種パラメータ(鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数など)を抽出し、テーブルデータとしてまとめる(ステップS202)。次にテーブルデータを用いてモータの回路モデルを構築し、制御シミュレータに組込む(ステップS203)。次いで、制御シミュレータにて実条件と同じ条件でシミュレーションを行い(ステップS204)、電流波形を取得する(ステップS205)。次いで、取得した電流波形を入力として電磁界解析を行い(ステップS206)、モータ各部位の発生損失を定量分析し、部位別の損失と要因を特定する(ステップS207)。
そして、特定した部位別の損失と要因とに問題ある否かを判定し(ステップS208)、この判定結果が部位別の損失と要因とに問題がある場合には、前記ステップS201に戻ってモータの再設計を行い、部位別の損失と要因とに問題がない場合には、設計したモータを試作し(ステップS209)、次いで試験評価を行う(ステップS210)。そして、試験評価が良好であるか否かを判定し(ステップS211)、試験評価が良好でないときには前記ステップS201に戻ってモータの再設計を行い、試験評価が良好な場合には処理を終了する。
「キャリア高調波を考慮したハイブリッド車用埋込磁石形同期発電機の磁石温度解析」電気学会論文誌、第127巻12号、pp.1238−1244、2007年 「電磁界解析による回転機の設計・性能評価技術」電気学会技術報告、第1168号、pp.36−39、2009年
しかしながら、非特許文献1に記載された従来例では、試作機の実測電流を使用するため、対象モータの各部位の発生損失を精度良く分析できるが、モータを試作する前に実測電流を得ることはできないので、設定段階での分析と予測ができないという未解決の課題がある。
また、非特許文献2に記載された従来例では、モータを設計する段階で、電磁界解析によりモータの鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数などのパラメータを算出してシミュレーションモデルを作成し、シミュレーションにより電流を得ることができるため、設計段階での分析と予測ができる。一方、モータをPWMインバータで駆動するときに、キャリア周波数とそれ以上の周波数帯域では、電磁鋼板の表皮効果の影響で高調波電流成分による磁束は電磁鋼板の表面に集中し、高調波成分のインダクタンスが低下してしまう現象がある。非特許文献2に記載された従来例では、このような現象を考慮できず、シミュレーション電流の高調波成分が実電流の高調波成分より低く、その電流用いて損失算定を行うときに、渦電流損失が過小評価となってしまうという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、所望の周波数帯における永久磁石式回転電機の振る舞いを独立に考慮することができる永久磁石式回転電機のシミュレーション方法、これを使用した損失算定方法、シミュレーションプログラム、損失算定プログラム、シミュレーションシステム及び損失算定システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第1の態様は、目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーション方法であって、基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで前記PWM電圧を算出し、算出したPWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力し、前記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流の対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第2の態様は、前記シミュレーション電流の合成が、前記基本波モデルと前記各高調波モデルで算出される電流に対して、それぞれフーリエ変換による周波数成分分析を行い、直流成分からキャリア周波数と第1所定周波数との減算値までの周波数帯域では基本波モデル出力電流の同帯域成分を選択し、キャリア周波数から第1所定周波数を減算した減算値より高い周波数帯域ではキャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、上記選択した2つの帯域における電流成分を用いて電流波形を演算する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第3の態様は、前記シミュレーション電流の合成が、前記基本波モデルと前記各高調波モデルとで算出される電流に対して、それぞれフーリエ変換による周波数成分解析を行い、直流成分からキャエリア周波数と第1所定周波数との減算値までの周波数帯域では基本波モデル出力電流の同帯域成分を選択し、キャリア周波数と前記第1所定周波数との減算値から、2倍キャリア周波数と第2所定周波数との減算値までの周波数帯域ではキャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、2倍キャリア周波数と第2所定周波数との減算値から3倍キャリア周波数と第3所定周波数との減算値までの周波数帯域では2倍キャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、……、N倍キャリア周波数と第N所定周波数との減算値より高い周波数帯域ではN倍キャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、上記複数帯域における電流成分を用いて電流波形を演算する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第4の態様は、前記基本波モデルが、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記永久磁石式回転電機の回路方程式で記述することより構築されている。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第5の態様は、前記基本波モデルが、電磁解析を用いて、基本波周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数を含むパラメータを算出し、算出したパラメータをテーブルデータ又は近似計算式として纏め、永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第6の態様は、前記高調波モデルが、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、算出したインダクタンスを前記永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第7の態様は、前記高調波モデルが、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、算出した前記鎖交磁束、前記トルク定数及び前記インダクタンスをテーブルデータ又は近似計算式として纏め、永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第8の態様は、前記高調波モデルが、PWMインバータのキャリア周波数帯域とその倍数周波数帯域において、電磁鋼板内板厚方向の表皮効果による磁束密度分布から電磁鋼板内の磁束を算出し、算出した磁束を電磁鋼板表面の磁束密度で除算して電磁鋼板の表皮効果を考慮した電磁鋼板の等価厚さを算出し、算出した等価厚さを実際の板厚で除算して等価占積率として算出し、算出した等価占積率と前記永久磁石式回転電機のコアの実際の占積率とを乗算して換算占積率を算出し、磁界解析を用いて前記換算占積率を代入し、PWMインバータのキャリア周波数帯域及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石式回転電機のそれぞれのインダクタンスを算出する。
また、本発明に係る損失算定方法の第1の態様は、前記1乃至8の何れか1つの態様の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法を用いて、PWMインバータで駆動する永久磁石回転電機のシミュレーション電流波形を算出し、算出したシミュレーション電流波形を入力として電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出する。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーションプログラムの第1の態様は、目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーションプログラムであって、基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力するステップと、前記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成するステップとをコンピュータで実行させる。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機の損失算定プログラムの第1の態様は、目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機の損失算定プログラムであって、基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出されるPWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力するステップと、前記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成するステップと、合成したシミュレーション電流に基づいて電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出するステップとをコンピュータで実行させる。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーションシステムの第1の態様は、目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーションシステムであって、基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における出力電流を算出する前記永久磁石回転電機の複数の高調波モデルとを組込んだ制御シミュレーション部を備え、前記制御シミュレーション部は、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せて前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧前記基本波モデル及び前記高調波モデルに入力して基本波出力電流及び高調波出力電流を算出する電流成分算出部と、前記電流成分算出部で算出した基本波出力電流及び高調波出力電流を個別に周波数分析する周波数分析部と、該周波数分析部で分析した前記基本波出力電流に対応する基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成する電流成分選択/合成部とを備えている。
また、本発明に係る永久磁石式回転電機の損失算定システムの第1の態様は、目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機の損失算定システムであって、基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における出力電流を算出する前記永久磁石回転電機の複数の高調波モデルとを組込んでシミュレーション電流を算出する制御シミュレーション部を備え、前記制御シミュレーション部は、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せて前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧前記基本波モデル及び前記高調波モデルに入力して基本波出力電流及び高調波出力電流を算出する電流成分算出部と、前記電流成分算出部で算出した基本波出力電流及び高調波出力電流を個別に周波数分析する周波数分析部と、該周波数分析部で分析した前記基本波出力電流に対応する基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成する電流成分選択/合成部とを備え、該電流成分選択/合成部で合成したシミュレーション電流に基づいて電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出する電磁界解析部を備えている。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法、シミュレーションプログラム又はシミュレーションシステムの第1の態様によれば、PMWインバータで駆動する永久磁石式回転電機に対して、基本波周波数帯域とキャリア周波数帯域及びキャリア周波数の倍数周波数帯域において、それぞれ独立したシミュレーションモデルを作成するため、それぞれの周波数帯域における永久磁石式回転電機の振る舞いを独立に考慮できる。したがって、従来の基本周波数ベースのシミュレーションモデルと比べ、キャリア周波数とその倍数周波数近傍の高調波特性をより忠実に再現できる。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第2又は第3の態様によれば、合成したシミュレーション電流は、基本波と低次高調波のみならず、高周波数帯域においても永久磁石式回転電機の電流を高精度に予測・再現することができる。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第4の態様によれば、基本波モデルの作成に当たって、所定の運転条件における永久磁石式回転電機のパラメータにより回路方程式にてモデルを記述するため、モデルの作成時間、作成したモデルの複雑さ、及び作成したモデルを用いて回路シミュレーションするときのシミュレーション時間をそれぞれ低減することができる。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第5の態様によれば、基本波モデルの作成に当たって、様々な運転条件における永久磁石式回転電機のパラメータより回路方程式にてモデルを記述するため、運転条件が変わってもシミュレーションを正しく行うことができ、永久磁石式回転電機の振る舞いをより忠実に記述できる。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第6又は第7の態様によれば、高調波モデルの作成に当たって、所定の高調波帯域において、永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出してモデルを作成するため、高調波帯域の電流成分をより正確にシミュレーションできる。
本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法の第8の態様によれば、高調波モデルの作成に当たって、所定の高調波帯域において、電磁鋼板の表皮効果による影響を電磁鋼板の等価厚さに換算し、永久磁石式回転電機の鉄心の換算占積率に換算するため、2次元の電磁界解析で高調波帯域のインダクタンスを算出することができ、短時間でモデルを作成することができる。
本発明に係る損失算定方法、損失算定プログラム又は損失算定システムの第1の態様によれば、上記のシミュレーション方法で合成したシミュレーション電流は基本波周波数帯域から高調波帯域まで実測電流と高精度に一致しているため、このシミュレーション電流を入力として電磁界解析を行うと、永久磁石式回転電機の損失算定は実測電流を入力とした損失算定と略同等な結果を得ることができ、回転電機を設計する段階で、損失の発生量、発生部位を正確に把握することができ、発生要因の特定や設定の改善にとって有力な損失算定方法を提供することができる。
機能ブロック図である。 シミュレーション電流波形をその一部を拡大して示す波形図である。 電流周波数分布を示す特性線図である。 表皮効果の説明に供する図である。 シミュレーション処理を示すフローチャートである。 本発明の動作の説明に供する図である。 本発明によるシミュレーション電流波形をその一部を拡大して示す波形図である。 電流周波数特性を示す図である。 損失算定結果の比較を示す説明図である。 本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法に適用し得るシミュレーションシステムのブロック図である。 従来例を示すフローチャートである。 他の従来例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は本発明に係る永久磁石式回転電機のシミュレーション方法をソフトウェアで実行する場合の機能ブロック図である。
この図1の機能ブロック図では、例えば電圧指令値を算出するユーザー制御系21と、このユーザー制御系21で算出される電圧指令値に基づいてPWM電圧を算出するPWMインバータ22とを備えている。また、図1の機能ブロック図では、PWMインバータ22で算出されたPWM電圧が入力されるシミュレーション部30と、このシミュレーション部30で算出された合成電流に基づいて電磁界分析を行う電磁界析部60とを備えている。
ここで、ユーザー制御系21、PWMインバータ22、シミュレーション部30及び電磁界析部60は制御シミュレータに組み込まれている。
そして、ユーザー制御系21は、後述するシミュレーション部30の基本波モデル31で算出される基本波モデル出力電流が制御フィードバック信号として入力されている。そして、ユーザー制御系21は、目標指令値と後述す基本波モデル出力電流とに基づいてPWMインバータ22に対する電圧指令値を算出する。
PWMインバータは、ユーザー制御系21で算出された電圧指令値に基づいて例えば3相のPWM電圧を算出し、算出したPWM電圧をシミュレーション部30に入力する。
シミュレーション部30は、基本波帯域の基本波モデル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32、2倍キャリア周波数モデル33、……N倍キャリア周波数帯域の高調波モデル34を備えている。ここで、Nは正の任意の整数であり、N=1として基本波モデル31及び高調波モデル32のみで構成してもよく、N=2として基本波モデル31とキャリア周波数帯域の高調波モデル32及び2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33で構成しても良く、さらには、基本波モデル31とキャリア周波数帯域の高調波モデル32からN倍キャリア周波数帯域の高調波モデル34までの全て又は一部の高調波モデルを用いて構成するようにしてもよい。
これら基本波モデル31及び各高調波モデル32〜34では、PWM電圧に基づいて基本波モデル出力電流Ib、高調波モデル出力電流Ih1〜IhNを算出する。
そして、算出された基本波モデル出力電流Ibはユーザー制御系21に制御フィードバック信号として入力されるとともに、周波数分析部41に入力される。また、各高調波モデル出力電流Ih1〜IhNも周波数分析部42〜44に入力される。
各周波数分析部41〜44では、基本波モデル出力電流Ib及び高調波モデル出力電流Ih1〜IhNを高速フーリエ変換(FFT)による周波数分析を行う。そして、各周波数分析部41〜44の周波数分析結果を電流成分選択/合成部50に入力して、この電流成分選択/合成部50で周波数帯域別に周波数分析結果を抽出して基本波周波数帯域から高調波帯域まで実測電流と高精度に一致するシミュレーション電流Isを合成する。
電磁界析部60では、シミュレーション部30で合成したシミュレーション電流Isに基づいて電磁界解析を行って損失算定を行うことにより、永久磁石式回転電機の損失算定は実測電流を入力した損失算定と略等々な結果を得られ、回転電機を設計する段階で、損失の発生量、発生部位を正確に特定することができる。
次に、本発明の原理を説明する。
永久磁石式回転電機を構成する導体である電磁鋼板を貫通する磁束が時間的に変化すると、その磁束を取り巻く回転電界が生じる。その回転電界による電流が発生し、その電流は磁束を中心に渦状に流れ、渦電流(eddy current)という。その渦電流の電流密度が電磁鋼板の表面で高く、表面から離れると低くなる所謂表皮効果がある。
磁束の変化周波数が高いほど、渦電流が電磁鋼板の表面に集中し易い。渦電流は外部の磁束変化を妨げるように磁束を生じ、その結果電磁鋼板を貫通する磁束は電磁鋼板の表面に集中し、電磁鋼板内部を通りにくくなっている。回転電機の鉄心の場合には、基本波等の低周波電流成分に対しては、渦電流の振幅が小さく、表皮効果も弱いため、低周波電流成分による磁束は略鉄心の電磁鋼板を貫通する。
しかし、高調波電流成分に対しては、渦電流の振幅が大きく、表皮効果も強いため、高調波電流成分による磁束は鉄心の電磁鋼板の内部に通ぜず、電磁鋼板の表面付近に集中してしまう。その結果、低周波成分と比べ高調波成分の磁気回路の実質断面積が狭くなり、磁気抵抗が大きくなって、インダクタンスが小さく見える。つまり、PWMインバータ22のPWM電圧をモータに印加する際に、表皮効果の働きで、高調波成分インダクタンスが低周波成分インダクタンスより低くなっている。そのため、従来技術の基本波ベースのモデルを用いてシミュレーションを行うときに、特にPWMインバータ22の駆動キャリア周波数とその倍数周波数近傍の振る舞いを十分に反映することができず、シミュレーション電流Isで基本波などを精度よく再現できても、高調波領域では正しく再現できない。
解析の一例を図2及び図3に示す。図2は従来例のシミュレーション電流Isと実測電流との波形を比較したもので、シミュレーションで得られた太線図示の電流波形L1は、細線図示の実測電流波形L2と振幅又は形状的に略一致しているが、電流のリプル部分を拡大してみると、シミュレーション電流波形L1の傾きとリプルの振幅とは実測電流波形L2より遥かに小さいことが確認できる。さらに定量的に評価すると、図3に示した周波数分析結果から、キャリア周波数近傍において、シミュレーション電流Isの振幅は実測電流より小さいことが確認できる。
前述したように、表皮効果の影響で高調波成分のインダクタンスが低周波成分より低下している。高調波帯域のシミュレーションモデルの作成に当たって、そのインダクタンスの低下分を考慮することにより、シミュレーションの精度向上に繋がる。表皮効果の影響により、電磁鋼板内部の磁束密度の分布は均等ではないが、磁束密度の積分である磁束と等しければ、インダクタンスの算出値が等しくなる。
そこで、図4(a)に示すように、磁束密度の不均等に分布している電磁鋼板は、図4(b)に示すように、板厚が薄くなった電磁鋼板Pと空気層Aとを組合せたモデルに等価と考えることができる。すなわち、薄くなった電磁鋼板Pの内部の磁束密度が均等に分布し、その値を実際モデルの最大磁束密度とする。また、薄くなった等価板厚aを電磁界解析の占積率に換算すれば、二次元の電磁界解析で表皮効果を考慮したインダクタンスの解析ができる。
具体的な一例として、例えば、電磁鋼板のベクトル磁気特性を考慮せず、外部磁界方向のスカラ磁気特性のみを考慮すると、電磁鋼板の厚み方向をx方向とし、電磁鋼板内部の磁束密度の分布をBeで表すと、
Figure 0005948766
となる。ただし、dは電磁鋼板の厚みであり、電磁鋼板の厚み方向の中心をx=0としている。また、
Figure 0005948766
は表皮厚さである。μは透磁率、ρは電気抵抗率(Ωm)、ωは角周波数(2πf)である。そこで、電磁鋼板の等価板厚を
Figure 0005948766
で計算できる。表皮効果による等価占積率を
Figure 0005948766
で計算できる。また、電磁鋼板のもともとの占積率を考慮して、電磁解析するときに下記の換算占積率を用いることにする。
Figure 0005948766
この換算占積率を使用して例えば二次元の有限要素法を用いた電磁界解析を行うことにより、表皮効果を考慮した高調波帯域のインダクタンスを算出することができる。このため、鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数等のパラメータに基づいて、PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、所定の運転条件における永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、このインダクタンスを永久磁石式回転電機の回路方程式で記述することにより、高調波モデルを作成することができる。その他、電磁界解析を用いて基本波周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、トルク定数などのパラメータを算出し、PWMインバータ22のキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、様々な運転条件における永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、テーブルデータまたは近似計算式として纏め、これを永久磁石式回転電機の回路方程式に用いることにより高調波モデルを作成するようにしてもよい。
また、基本波モデルについては、電磁界解析を用いて基本波周波数帯域において、所定の運転条件における永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数等のパラメータを算出し、このパラメータを永久磁石式回転電機の回路方程式で記述することにより作成することができる。その他、様々な運転条件における永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数等のパラメータを算出し、算出したパラメータをテーブルデータ又は近似計算式として纏め、これを永久磁石式回転電機の回路方程式に用いることで基本波モデルを作成することができる。
次に、基本波モデル31と、キャリア周波数帯域の高調波モデル32と、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33の3つのモデルを使用する場合を例として、電流合成方法を具体的に説明する。
基本波周波数帯域の基本波モデルで算出した電流をIb(t)とし、それを周波数解析すると、下記(6)式で表すことができる。
Figure 0005948766
ここでは、I(0)、I(f)、I(2f)、…は各周波数の電流振幅であり、θ(0)、θ(f)、θ(2f)、…は各周波数の電流位相である。
同様にキャリア周波数帯域の高調波モデル32で算出した電流をIf1(t)とし、それを周波数解析すると、下記(7)式で表すことができる。
Figure 0005948766
さらに、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33で算出した電流をIf2(t)とし、それを周波数解析すると、下記(8)式で表すことができる。
Figure 0005948766
また、電流成分選択/合成部50における電流の合成は、図6に示すように、直流成分から(キャリア周波数−第1の所定周波数)迄の間には基本波モデル31の出力成分を選択する。また、(キャリア周波数−第1の所定周波数)から(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)迄の間にはキャリア周波数帯域の高調波モデル32の出力成分を選択する。さらに、(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)以上では2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33の出力成分を選択する。
一方、PWMインバータ22で駆動する際に、出力電流には基本波成分以外に、キャリア周波数とその倍数周波数を中心に、高調波が発生してしまう。キャリア周波数近傍において、キャリア周波数±基本波周波数×2の周波数の高調波電流振幅が顕著であり、2倍キャリア周波数近傍においては、2倍キャリア周波数±基本波周波数の周波数の高調波電流振幅が顕著である。そうすると、上記の第1の所定周波数は基本周波数×2以上とし、第2の所定周波数は基本周波数以上とする所定の数値に設定される。
したがって、合成電流I(t)は、下記(9)式で表すことができる。
Figure 0005948766
ここでは、(N1×f)≦(キャリア周波数−基本波周波数×2)、(キャリア周波数+基本波周波数×2)≦(N2×f)≦(キャリア周波数×2−基本波周波数)が成り立つ。
そして、永久磁石式回転電機のシミュレーション方法では、図5に示すシミュレーション処理を実行する。このシミュレーション処理では、上述したように、説明を簡単にするために、基本波モデル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33を使用してシミュレーションを行う場合について説明する。
このシミュレーション処理は、まず、ステップS1で、例えばCADを用いて永久磁石式回転電機の設計を行い、次いでステップS2に移行して、CADデータを電磁界解析して対象とする永久磁石式回転電機の所定の運転条件における鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数等のパラメータを抽出する。
次いで、ステップS3a、S3b、S3cで、前記ステップS2で抽出したパラメータに基づいて回路方程式に基づいて基本波周波数帯域の基本波モデル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33を作成して、回路シミュレータに組込む。
次いで、ステップS4に移行して、回路シミュレーションを行う。この回路シミュレーションは、まず、基本波モデル31をPWMインバータ22に組み合わせるとともに、基本波モデル31で算出される基本波モデル出力電流をユーザー制御系21にフィードバック信号として入力するように組合せる。この状態で、所定の回路シミュレーションを行ってユーザー制御系21でフードバック信号と目標指令値とに基づいて電圧指令値を算出し、算出した電圧指令値をPWMインバータ22に入力する。
そして、PWMインバータ22で算出されるPWM電圧を基本波モル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33及びN倍キャリア周波数帯域の高調波モデル34へ入力し、基本波モル31、高調波モデル32〜34で基本波モデル出力電流Ib、高調波モデル出力電流Ih1〜IhNを算出する。
次いで、ステップS5に移行して、上記ステップS4で算出した基本波モデル出力電流Ib、高調波モデル出力電流Ih1〜IhNのそれぞれについて高速フーリエ変換による周波数分析を行ってからステップS6に移行する。
このステップS6では、基本波モデル出力電流Ib、高調波モデル出力電流Ih1、及びIh2の周波数分析結果に基づいて周波数帯域別にモデルの出力電流を選択する。
この場合の周波数帯域別のモデル出力電流の選択は、前述したように、直流レベルから(キャリア周波数−第1の所定周波数)までは、基本波モデル出力電流Ibの周波数分析値を選択する。また、(キャリア周波数−第1の所定周波数)から(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)迄の間ではキャリア周波数帯域の高調波モデル出力電流Ih1の周波数分析結果を選択する。さらに、(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)以上では2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル出力電流Ih2の周波数分析結果を選択する。
そして、ステップS7に移行して、上記ステップS6で選択した各モデル出力電流Ib、Ih1、Ih2の周波数分析結果を、前記(9)式にしたがって合成し、この周波数帯域の合成電流を逆高速フーリエ変換してシミュレーション電流Is(t)を算出する。
次いで、ステップS8に移行して、算出したシミュレータ電流Is(t)を入力としてステップS9に移行して電磁界解析処理を行う、このとき、電磁界解析処理によって、例えば、磁石損失、ロータ渦流損失、ステータ渦流損失、ロータヒステリシス損失、ステータヒステリシス損失を算出す損失算定を行い、損失の発生量、発生部位を特定する。
次いで、ステップS10に移行して、損失算定結果が良好であるか否かを判定し、損失算定結果が良好でないときには、前記ステップS1に戻り、損失算定結果が良好であるときにはシミュレーション処理を終了する。
そして、シミュレーション処理で損失算定結果が良好であるときには、対象となる永久磁石式回転電機を試作し、試作した永久磁石式回転電機に対して試験評価を行い、試験評価が良好であるときには設計処理を終了し、試験評価が良好でないときには図5のシミュレーション処理を再度実行して新たな永久磁石式回転電機を設計して回路シミュレーションを行う。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
まず、CADを使用して永久磁石式回転電機の設計を行い(ステップS1)、設計したCADデータを例えば二次元の有限要素解析を用いた電磁界解析を行って、所定の運転条件における鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数等のパラメータを抽出する(ステップS2)。
そして、抽出したパラメータに基づいて永久磁石式回転電機の回路方程式を記述することにより、基本周波数帯域の基本波モデル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32及び2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33を作成し、これらを回路シミュレータに組込む(ステップS3a〜S3c)。
そして、図1に示すように、基本波帯域の基本波モデル31で算出される基本波モデル出力電流を制御フィードバック信号としてユーザー制御系21に入力するとともに、ユーザー制御系21で制御フィード信号と目標指令値とに基づいて電圧指令値を算出する。そして、算出した電圧指令値をPWMインバータ22に入力することにより、このPWMインバータ22で算出されるPWM電圧を基本波モデル31及び高調波モデル32,33に入力して回路シミュレーションを行うことにより、図6(a)、(b)及び(c)に示すように、モデル出力電流Ib、Ih1及びIh2を算出する(ステップS4)。
算出したモデル出力電流Ib、Ih1及びIh2を個別に高速フーリエ変換による周波数解析を行い、図6(a)、(b)及び(c)に示すように、モデル出力電流Ib、Ih1及びIh2について周波数帯域の信号成分を抽出する(ステップS5)。
そして、モデル出力電流Ib、Ih1及びIh2の周波数分析結果に基づいて周波数帯域別にモデル出力電流を選択する(ステップS6)。すなわち、図6(d)に示すように、直流成分から(キャリア周波数−第1の所定周波数)までの間では基本はモデル出力電流Ibの周波数成分を選択し、(キャリア周波数−第1の所定周波数)から(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)迄の間ではキャリア周波数帯域の高調波モデル出力電流Ih1の周波数成分を選択し、(2倍キャリア周波数−第2の所定周波数)以上では2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル出力電流を選択する。
そして、選択した各周波数帯域の電流成分を前記(9)式に示すように加算する。このときの電流周波数分布は図8で細線図示のように、キャリア周波数近傍での電流値が太線図示の従来例に比較して大きくなり、点線図示の実測電流値に近づいている。この周波数領域の合成電流を逆高速フーリエ変換することにより、図6(d)に示すように合成電流Is(t)を算出する(ステップS7)。
この合成電流Is(t)は、図7に示すように、太線図示の従来例のシミュレーション電流波形L1に比較して細線図示の実測電流波形L2に近づく破線図示のシミュレーション電流波形L3となり、従来の基本周波数ベースのシミュレーションモデルと比べ、電流リプルの振幅と傾きをより忠実に再現できる。
しかも、合成したシミュレーション電流Isは、周波数分布でみると、図8で細線図示のように、基本波と低次高調波のみならず、高周波数帯域においても永久磁石式回転電機の図8破線図示の実測電流を太線図示の従来例のシミュレーション電流に比較してキャリア周波数近傍の高調波特性を高精度に予測・再現することができる。
そして、算出したシミュレーション電流Is(t)を電磁界解析部60に入力し、図9に示すように、損失算定を行うことができる。
ここで、電磁界解析による損失算定は、磁石損失、ロータ(RT)渦電流損失、ステータ(ST)渦電流損失、ロータ(RT)ヒステリシス損失及びステータ(ST)ヒステリシス損失を部位毎に算出することができる。
算定結果は、図9に示すように、従来例の損失算定結果に比較して、本発明に係る損失算定結果は実測電流による損失算定結果に略等しくなり、回転電機を設計する段階で、損失の発生量、発生部位を正確に把握することができ、発生要因の特定や設定の改善にとって有力な損失算定方法を提供することができる。
また、上記したように、基本波モデルの作成に当たって、所定の運転条件における永久磁石式回転電機のパラメータにより回路方程式にてモデルを記述するため、モデルの作成時間、作成したモデルの複雑さ、及び作成したモデルを用いて回路シミュレーションするときのシミュレーション時間をそれぞれ低減することができる。
また、基本波モデルの作成に当たって、様々な運転条件における永久磁石式回転電機のパラメータより回路方程式にてモデルを記述するため、運転条件が変わってもシミュレーションを正しく行うことができ、永久磁石式回転電機の振る舞いをより忠実に記述できる。
さらに、高調波モデルの作成に当たって、所定の高調波帯域において、永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出してモデルを作成するため、高調波帯域の電流成分をより正確にシミュレーションできる。
また、高調波モデルの作成に当たって、所定の高調波帯域において、電磁鋼板の表皮効果による影響を電磁鋼板の等価厚さに換算し、永久磁石式回転電機の鉄心の換算占積率に換算するため、2次元の電磁界解析で高調波帯域のインダクタンスを算出することができ、短時間でモデルを作成することができる。
なお、上記実施形態においては、基本はモデル31、キャリア周波数帯域の高調波モデル32、2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル33を使用してシミュレーションを行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、任意の倍数のキャリア周波数帯域の高調波モデルを所要数使用してシミュレーションを行うようにしてもよい。この場合に、倍数は連続している必要はなく、例えばキャリア周波数の1倍、5倍及び7倍のように所望倍数の高調波モデルを使用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ユーザー制御系21及びPWMインバータ22についてもソフトウェアで構築する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図10に示すように、ユーザー制御系21及びPWMインバータ22をハードウェアで構成し、シミュレーション部30及び電磁界解析部60をソフトウェアで構築するようにしてもよい。
すなわち、図10に示すように、共通のバスライン70に、CPU71、制御プログラムを格納するROM72、シミュレーション方法を実行するためのプログラムが格納されたRAM73、ディスプレイ装置74、プリンタ75及びハードディスク装置等の記憶装置76を接続してシミュレーションシステムを構築している。ここで、記憶装置76には、シミュレーション部30及び電磁界析部60に対応するアプリケーションプログラムが格納されているとともに、基本波モデル31、各高調波モデル32〜34が格納される。
そして、CPU71によりROM72に格納された制御プログラムを実行してシステム全体を制御し、記憶装置76に格納されたアプリケーションプログラムを読出し、RAM73に格納する。
また、永久磁石式回転電機を駆動するユーザー制御系21とこのユーザー制御系21によって制御される回路シミュレーション用のPWMインバータ22がハードウェアとして設けられている。
ユーザー制御系21には、CPU11で基本波モデルを使用して演算したモデル出力電流がバスライン70に接続されたD/A変換器77を介して制御フィードバック信号として入力されている。
ユーザー制御系21は、制御フィードバック信号と目標指令値に基づいてPWMインバータ22を制御する電圧指令値を算出し、算出した電圧指令値をPWMインバータ22に出力する。
PWMインバータ22では、ユーザー制御系21から入力される電圧指令値に基づいてパルス幅変調信号でなる制御信号を形成し、形成した制御信号がインバータを構成する例えば6個の半導体スイッチング素子の制御端子に供給されて例えば3相交流電圧信号をA/D変換器78でデジタル信号に変換し、バスライン70を介してCPU71に供給する。
この図10の実施形態によれば、ユーザー制御系21及びPWMインバータ22がハードウェアで構成されていることを除いては前述した図5のシミュレーション処理をCPU71が実行することにより、前述した図1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、CPU71で実行する図5の処理において、ステップS3a〜S3cの処理及びS4の処理が電流成分算出部に対応し、ステップS5の処理が周波数分析部に対応し、ステップS6及びS7の処理が電流成分選択/合成部に対応し、ステップS8及びS9の処理が電磁界析部に対応している。
21…ユーザー制御系、22…PWMインバータ、31…基本波モデル、32…キャリア周波数帯域の高調波モデル、33…2倍キャリア周波数帯域の高調波モデル、34…N倍キャリア周波数領域の高調波モデル、41〜44…周波数分析部、50…電流成分選択/合成部、60…電磁界解析部、70…バスライン、71…CPU、72…ROM、73…RAM、74…ディスプレイ装置、75…プリンタ、76…記憶装置、77…D/A変換器、78…A/D変換器

Claims (13)

  1. 目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーション方法であって、
    基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、
    前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで前記PWM電圧を算出し、算出したPWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力し、
    前記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流の対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成することを特徴とする永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  2. 前記シミュレーション電流の合成は、前記基本波モデルと前記各高調波モデルで算出される電流に対して、それぞれフーリエ変換による周波数成分分析を行い、直流成分からキャリア周波数と第1所定周波数との減算値までの周波数帯域では基本波モデル出力電流の同帯域成分を選択し、キャリア周波数から第1所定周波数を減算した減算値より高い周波数帯域ではキャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、上記選択した2つの帯域における電流成分を用いて電流波形を演算することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  3. 前記シミュレーション電流の合成は、前記基本波モデルと前記各高調波モデルとで算出される電流に対して、それぞれフーリエ変換による周波数成分解析を行い、直流成分からキャエリア周波数と第1所定周波数との減算値までの周波数帯域では基本波モデル出力電流の同帯域成分を選択し、キャリア周波数と前記第1所定周波数との減算値から、2倍キャリア周波数と第2所定周波数との減算値までの周波数帯域ではキャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、2倍キャリア周波数と第2所定周波数との減算値から3倍キャリア周波数と第3所定周波数との減算値までの周波数帯域では2倍キャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、……、N倍キャリア周波数と第N所定周波数との減算値より高い周波数帯域ではN倍キャリア周波数帯域の高調波モデルの出力電流の同帯域成分を選択し、上記複数帯域における電流成分を用いて電流波形を演算することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  4. 前記基本波モデルは、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記永久磁石式回転電機の回路方程式で記述することより構築されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  5. 前記基本波モデルは、電磁解析を用いて、基本波周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、インダクタンス、トルク定数を含むパラメータを算出し、算出したパラメータをテーブルデータ又は近似計算式として纏め、永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  6. 前記高調波モデルは、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、所定の運転条件における前記永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、算出したインダクタンスを前記永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  7. 前記高調波モデルは、電磁界解析を用いて、基本波周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機の鎖交磁束、トルク定数を含むパラメータを算出し、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域において、様々な運転条件における前記永久磁石式回転電機のインダクタンスを算出し、算出した前記鎖交磁束、前記トルク定数および前記インダクタンスをテーブルデータ又は近似計算式として纏め、永久磁石式回転電機の回路方程式に用いて構築することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  8. 前記高調波モデルは、PWMインバータのキャリア周波数帯域とその倍数周波数帯域において、電磁鋼板内板厚方向の表皮効果による磁束密度分布から電磁鋼板内の磁束を算出し、算出した磁束を電磁鋼板表面の磁束密度で除算して電磁鋼板の表皮効果を考慮した電磁鋼板の等価厚さを算出し、算出した等価厚さを実際の板厚で除算して等価占積率として算出し、算出した等価占積率と前記永久磁石式回転電機のコアの実際の占積率とを乗算して換算占積率を算出し、磁界解析を用いて前記換算占積率を代入し、PWMインバータのキャリア周波数帯域及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石式回転電機のそれぞれのインダクタンスを算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の永久磁石式回転電機のシミュレーション方法。
  9. 前記請求項1乃至8の何れか1つの永久磁石式回転電機のシミュレーション方法を用いて、PWMインバータで駆動する永久磁石回転電機のシミュレーション電流波形を算出し、算出したシミュレーション電流波形を入力として電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出することを特徴とする永久磁石式回転電機の損失算定方法。
  10. 目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーションプログラムであって、
    基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、
    前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力するステップと、
    記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成するステップと
    をコンピュータで実行させることを特徴とする永久磁石式回転電機のシミュレーションプログラム。
  11. 目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機の損失算定プログラムであって、
    基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における前記永久磁石回転電機の高調波モデルとを構築して置き、
    前記基本波モデルと前記高調波モデルを制御シミュレータに組込み、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せ、前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出されるPWM電圧を前記基本波モデル及び前記各高調波モデルへ入力するステップと、
    前記基本波モデルで算出される電流の基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波モデルで算出される電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成するステップと、
    合成したシミュレーション電流に基づいて電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出するステップと
    をコンピュータで実行させることを特徴とする永久磁石式回転電機の損失算定プログラム。
  12. 目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機のシミュレーションシステムであって、
    基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における出力電流を算出する前記永久磁石回転電機の複数の高調波モデルとを組込んだ制御シミュレーション部を備え、
    前記制御シミュレーション部は、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せて前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧前記基本波モデル及び前記高調波モデルに入力して基本波出力電流及び高調波出力電流を算出する電流成分算出部と、
    前記電流成分算出部で算出した基本波出力電流及び高調波出力電流を個別に周波数分析する周波数分析部と、
    該周波数分析部で分析した前記基本波出力電流に対応する基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成する電流成分選択/合成部と
    を備えたことを特徴とする永久磁石式回転電機のシミュレーションシステム。
  13. 目標指令値と制御フィードバック信号とに基づいて算出される電圧指令値が入力されるPWMインバータのPWM電圧で駆動する永久磁石式回転電機の損失算定システムであって、
    基本波周波数帯域における前記永久磁石式回転電機の基本波モデルと、前記PWMインバータのキャリア周波数及びその倍数の周波数帯域における出力電流を算出する前記永久磁石回転電機の複数の高調波モデルとを組込んでシミュレーション電流を算出する制御シミュレーション部を備え、
    前記制御シミュレーション部は、前記基本波モデルを前記PWMインバータと組合せて前記基本波モデルから出力される電流を前記制御フィードバック信号として前記PWMインバータで算出される前記PWM電圧前記基本波モデル及び前記高調波モデルに入力して基本波出力電流及び高調波出力電流を算出する電流成分算出部と、
    前記電流成分算出部で算出した基本波出力電流及び高調波出力電流を個別に周波数分析する周波数分析部と、
    該周波数分析部で分析した前記基本波出力電流に対応する基本波周波数帯域の成分と、前記各高調波電流に対応する周波数帯域の成分とを組み合わせてシミュレーション電流を合成する電流成分選択/合成部とを備え
    該電流成分選択/合成部で合成したシミュレーション電流に基づいて電磁界解析を行い、前記永久磁石式回転電機の各部位から発生する損失を算出する電磁界解析部を備えたことを特徴とする永久磁石式回転電機の損失算定システム。
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