JP5948518B1 - 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム - Google Patents
蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5948518B1 JP5948518B1 JP2016020289A JP2016020289A JP5948518B1 JP 5948518 B1 JP5948518 B1 JP 5948518B1 JP 2016020289 A JP2016020289 A JP 2016020289A JP 2016020289 A JP2016020289 A JP 2016020289A JP 5948518 B1 JP5948518 B1 JP 5948518B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power storage
- storage unit
- soc
- ocv
- charge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
- Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Mounting, Suspending (AREA)
Abstract
【課題】蓄電池が故障すると、例えば当該蓄電池が輸送機器に利用されているような場合には、装置全体にフェールセーフアクションが必要となるような影響を与える。したがって、蓄電池の故障は、いち早く認識される必要がある。【解決手段】第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電である蓄電部間の電力移動の前後における第1蓄電部のOCVと、電力移動の充放電量を用いて、第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における座標を複数特定することによって、第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された座標が、それまでに特定された他の座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、第1蓄電部の故障状態と診断することを特徴とする。【選択図】図9
Description
本発明は、蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障診断方法、および故障診断プログラムに関する。
複数の蓄電池を備えるシステムにおいて、その蓄電池間で充放電を行うことにより、開放端電圧に対する残容量の関係を把握する技術が知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2008―220080号公報
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2008―220080号公報
蓄電池が故障すると、例えば当該蓄電池が輸送機器に利用されているような場合には、装置全体にフェールセーフアクションが必要となるような影響を与える。したがって、蓄電池の故障は、いち早く認識される必要がある。
本発明の第1の態様における蓄電装置は、第1蓄電部、第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールとを含み、制御部は、第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動の前後における第1蓄電部のOCVと、電力移動の充放電量を用いて、第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を複数特定して、第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された第1座標が、それまでに特定された他の第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、第1蓄電部の故障状態を診断することを特徴とする。
本発明の第2の態様における輸送機器は、上記の蓄電装置を有する。
本発明の第3の態様における故障診断方法は、第1蓄電部、第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールとを有する蓄電装置における故障診断方法であって、第1蓄電部と第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、第1蓄電部のOCVと、充放電における充放電量とに基づき、第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、電力移動ステップとプロットステップを複数回繰り返して特定される複数の第1座標に基づき、第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、確定ステップの処理中において、特定された第1座標が、それまでに特定された他の第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、第1蓄電部の故障状態を診断する診断ステップとを含む。
本発明の第4の態様における故障診断プログラムは、第1蓄電部、第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールとを有する蓄電装置における故障診断プログラムであって、第1蓄電部と第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、第1蓄電部のOCVと、充放電における充放電量とに基づき、第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、電力移動ステップとプロットステップを複数回繰り返して特定される複数の第1座標に基づき、第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、確定ステップの処理中において、特定された第1座標が、それまでに特定された他の第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、第1蓄電部の故障状態を診断する診断ステップとをコンピュータに実行させる。
本発明の第5の態様における蓄電装置は、第1蓄電部を備える第1蓄電モジュールと、第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、第1蓄電部と第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動を行う充放電回路モジュールとを含み、充放電回路モジュールは、第1蓄電部におけるOCV値とSOC値の組を表わす第1データを、電力移動を繰り返して複数個取得し、取得された複数個の第1データに基づいて第1蓄電部のSOCとOCVの関係を表わす第1相関情報を確定する段階で、特定された第1データが、それまでに特定された他の第1データから得られる相関関係から逸脱すると判断する場合、第1蓄電部の故障を推定する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る輸送機器10の要部ブロック図である。本実施形態に係る輸送機器は、例えば電動自動車である。以下においては、本実施形態に係る蓄電装置100が電動自動車に搭載されて利用される場合を想定して説明する。
輸送機器10は、搭載された蓄電装置100から供給される駆動電力をパワードライブユニットであるPDU141が受け、PDU141がモータジェネレータMGを回転駆動させることにより走行する。
PDU141は、蓄電装置100と、主正母線MPLおよび主負母線MNLとで接続されている。平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続されており、導通する電力の高周波成分を低減する。第3電圧センサ142は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間の電圧Vhを検出し、検出された電圧Vhは、PDU141の制御に利用される。
PDU141は、主正母線MPLおよび主負母線MNLから供給される駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してモータジェネレータMGへ出力する。モータジェネレータMGは、例えば、三相交流回転電機から成る。モータジェネレータMGは、動力伝達機構および駆動軸を介して車輪を回転させる。また、PDU141は、車輪の減速時においてモータジェネレータMGが発電する交流電力を直流電力に変換し、回生電力として主正母線MPLおよび主負母線MNLへ出力する。
蓄電装置100が備える第1蓄電池111および第2蓄電池121は、モータジェネレータが発電する回生電力と、外部電源153からの外部電力とによって充電される。
充電コンバータ151は、主正母線MPLおよび主負母線MNLと受電部152との間に設けられる。そして、充電コンバータ151は、受電部152を介して外部電源153(例えば家庭用AC電源)から供給される交流電力を直流電力に変換して主正母線MPLおよび主負母線MNLへ出力する。受電部152は、外部電源153から供給される交流電力を入力するための入力端子である。なお、充電コンバータ151は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに代えて、あるいは追加して、正極線PL1および負極線NL1に接続されていても良く、正極線PL2および負極線NL2に接続されていても良い。
蓄電装置100は、第1蓄電モジュール101、第2蓄電モジュール102および充放電回路モジュール103を含む。第1蓄電モジュール101は、第1蓄電池111、第1電圧センサ112、第1電流センサ113、および第1スイッチ114を有する。第2蓄電モジュール102は、第1蓄電モジュール101と同様の構成であり、第2蓄電池121、第2電圧センサ122、第2電流センサ123、および第2スイッチ124を有する。充放電回路モジュール103は、制御部としての電池ECU130と、充放電回路として機能しうる第1VCU131、第2VCU132、および第3スイッチ133とを有する。
本実施形態において第1蓄電部として機能する第1蓄電池111、および第2蓄電部として機能する第2蓄電池121は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、ナトリウムイオン電池、リチウム硫黄電池などの二次電池から成る。他にも、コンデンサ、キャパシタなどの充放電が可能な素子であっても良い。ただし、第1蓄電池111と第2蓄電池121は、互いに特性が異なる電池である。具体的には、第1蓄電池111は第2蓄電池121より単位重量あたりの出力電力である出力重量密度が大きい、いわゆる高出力型バッテリである。一方、第2蓄電池121は第1蓄電池111より単位重量あたりの貯蔵電力であるエネルギー重量密度が大きい、いわゆる高容量型バッテリである。
第1蓄電池111は、正極線PL1および負極線NL1を介して第1VCU131に接続されている。第1電圧センサ112は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧すなわち第1蓄電池111の電圧V1を検出し、その検出値を電池ECU130へ出力する。第1電流センサ113は、第1蓄電池111に対して入出力される電流I1を検出し、その検出値を電池ECU130へ出力する。
第1スイッチ114は、正極線PL1と負極線NL1の電路を開閉するスイッチであり、電池ECU130からの開閉指示信号CW1を受けて、開状態と閉状態を切り替える。第1スイッチ114が開状態であるときに第1電圧センサ112によって検出されるV1は、第1蓄電池111におけるOCVであるOCV1となる。
第2蓄電池121は、正極線PL2および負極線NL2を介して第2VCU132に接続されている。第2電圧センサ122は、正極線PL2と負極線NL2との間の電圧すなわち第2蓄電池121の電圧V2を検出し、その検出値を電池ECU130へ出力する。第2電流センサ123は、第2蓄電池121に対して入出力される電流I2を検出し、その検出値を電池ECU130へ出力する。
第2スイッチ124は、正極線PL2と負極線NL2の電路を開閉するスイッチであり、電池ECU130からの開閉指示信号CW2を受けて、開状態と閉状態を切り替える。第2スイッチ124が開状態であるときに第2電圧センサ122によって検出されるV2は、第2蓄電池121におけるOCVであるOCV2となる。
なお、第1電流センサ113および第2電流センサ123は、それぞれ対応する蓄電池から出力される電流(放電電流)を正値として検出し、入力される電流(充電電流および回生電流)を負値として検出する。図1では、それぞれ正極線の電流を検出する構成として示すが、負極線の電流を検出するように構成しても良い。
第1VCU131は、正極線PL1および負極線NL1と、接続正極線BPLおよび接続負極線BNLとの間に設けられ、電池ECU130からの制御信号CV1を受けて、正極線PL1および負極線NL1と、接続正極線BPLおよび接続負極線BNLとの間で電圧変換を行う。第2VCU132は、正極線PL2および負極線NL2と、接続正極線BPLおよび接続負極線BNLとの間に設けられ、電池ECU130からの制御信号CV2を受けて、正極線PL2および負極線NL2と、接続正極線BPLおよび接続負極線BNLとの間で電圧変換を行う。
接続正極線BPLは、主正母線MPLと接続され、接続負極線BNLは、主負母線MNLに接続される。その接続部には、第3スイッチ133が設けられている。第3スイッチ133は、接続正極線BPLと主正母線MPL、および接続負極線BNLと主負母線MNLの電路を開閉するスイッチであり、電池ECU130からの開閉指示信号CW3を受けて、開状態と閉状態を切り替える。
以上の構成においては、第1スイッチ114と第3スイッチ133を閉状態、第2スイッチ124を開状態とした場合には、第1蓄電池111の電力がPDU141へ供給される。また、第2スイッチ124と第3スイッチ133を閉状態、第1スイッチ114を開状態とした場合には、第2蓄電池121の電力がPDU141へ供給される。また、第1スイッチ114と第2スイッチ124と第3スイッチ133を閉状態とした場合には、第1蓄電池111の電力と第2蓄電池121の電力が共にPDU141へ供給される。ただし、第1蓄電池111の電力と第2蓄電池121の電力を共にPDU141へ供給する場合には、供給電圧が同じになるように、第1VCU131および第2VCU132によって電圧変換が成される。なお、PDU141から回生電力が供給される場合、または外部電源153から外部電力が供給される場合には、電力の流れは上記の各場合における逆向きとなる。
また、本実施形態においては、それぞれの蓄電池に電圧変換ユニットであるVCUを設けるいわゆる2VCU方式を採用するが、一方の蓄電池の出力電圧に対して他方の蓄電池の出力電圧を調整する観点からは、いずれかに一つのVCUを設けるいわゆる1VCU方式を採用しても良い。1VCU方式であれば、VCUを設置するスペースの削減に寄与する。また、コストの削減、重量の削減にも寄与する。この場合には、PDU141へ供給される電圧は、VCUが設けられない蓄電池の出力電圧となるが、この制約が不都合である場合には2VCU方式を採用すれば良い。
なお、コンバータは、大別すると昇圧型、降圧型、昇降圧型に分類されるが、第1VCU131、第2VCU132は、いずれの型のコンバータも採用し得る。また、第1VCU131、第2VCU132に採用するコンバータの型を異ならせても良い。第1BATT111および第2BATT121とコンバータの型を適宜組み合わせることにより、要求仕様を満たす全体としてあたかも一つのバッテリとして利用することができる。
第1スイッチ114と第2スイッチ124を閉状態、第3スイッチ133を開状態とした場合には、第1蓄電池111と第2蓄電池121の間で充放電が行われる。この蓄電池部間充放電は、電池ECU130からの制御信号CV1によって決定される第1VCU131の変換電圧値と、制御信号CV2によって決定される第2VCU132の変換電圧値との差に応じて、電力の流れが定まる。したがって、電池ECU130は、変換電圧値を指示する制御信号CV1およびCV2をそれぞれのVCUに送信することにより、どちらの蓄電池を電力の供給側とし、どちらの蓄電池を電力の受容側とするか制御することができる。なお、第1VCU131と第2VCU132の一方のハイサイドスイッチを「閉」かつローサイドスイッチを「開」に固定することで電圧変換を停止し、蓄電池の出力電圧をそのまま出力するいわゆる直結モードで制御して、他方の変換電圧値を変更するように制御しても良い。このとき、電池ECU130は、V1とI1を監視すれば、第1蓄電池111における充放電量を把握することができ、V2とI2を監視すれば、第2蓄電池121における充放電量を把握することができる。
上記のように、本実施形態における蓄電装置100は、互いに特性が異なる2つの蓄電池を備える。互いに特性が異なる複数の蓄電池を用いるシステムは、それぞれの蓄電池の特性や状態に応じて、要求される電力の供給に対してどのように応えるか、細かく制御する必要がある。そこでまず、単一の蓄電池を用いた場合による電力出力と、特性が異なる複数の蓄電池を用いた場合による電力出力の違いについて説明する。
図2は、単一の蓄電池を用いた場合による電力出力と、特性が異なる2つの蓄電池を用いた場合による電力出力とを比較するための図である。横軸は時間経過を表わし、縦軸は電力出力を表わす。電力出力が負の領域は、例えば回生電力によって電力受容がなされることを表わす。
実線で示されるSBは、蓄電装置が一つの蓄電池によって構成される場合の、出力電力の変化を表わす。蓄電装置が一つの蓄電池のみを備える場合には、負荷側から要求される電力をその能力の範囲において要求されるままに出力し、入力される電力をそのまま受け入れる。したがって、短時間で大きな出入力を行う場合もあり、蓄電池が急激に劣化するなどの問題もある。
蓄電装置が特性の異なる2つの蓄電池によって構成される場合には、それぞれの特性に応じて出入力を分担することができる。点線で表わされるOBは、高出力型バッテリの出力電力の変化を表わし、二重線で表わされるVBは、高容量型バッテリの出力電力の変化を表わしている。各時間において、OBの値とVBの値を足し合わせるとSBの値となる。すなわち、負荷側から要求される電力を、高容量型バッテリと高容量型バッテリで分担している様子を表わしている。
一般的に高容量型バッテリは、高出入力および出入力の瞬間的な変動に対して劣化が進行するので、劣化の進行が抑制される範囲で出入力が行われるように制御されることが好ましい。したがって、OBとVBの変化からわかるように、負荷側から大きな出入力が要求される場合には、原則として高出力型バッテリ(OB)が担い、高出力型バッテリでも応えられない場合に、高容量型バッテリ(VB)が補助する制御が行われる。また、高容量型バッテリは、あまり高くない値で継続的に出力する場合に適しており、この場合は、高出力型バッテリの出力は抑えられる。また、高容量型バッテリは高いレートの充電に相当する回生電力を受け入れた場合に劣化しやすいという特性を有するので、回生電力はできる限り高出力型バッテリで受け入れる制御が行われる。なお、回生電力が高出力型バッテリで受け入れられる容量を上回る場合には、高容量型バッテリで受入れる以外に、ブレーキを動作させて回生電力の発生を低減しても良い。この場合、高容量型バッテリの劣化を抑制できる。
また、高容量型バッテリと高出力型バッテリは、それぞれSOCに基づく劣化影響度も大きく異なる。高容量型バッテリは、SOCが変動しても、劣化影響度が大きく変動することはない。換言すれば、SOCがいかなる値であっても劣化の進行に大きな影響を与えることはない。一方、高出力型バッテリは、SOCが変動すると、劣化影響度もその値に応じて大きく変動する。より詳述すると、SOCが30〜70%の中央域では、高出力型バッテリの劣化影響度は小さいが、この中央域から離れるに従って、劣化影響度は大きくなる。すなわち、中央域から離れるほど劣化が進む。したがって、高容量型バッテリのSOCが、0〜30%の低域や70〜100%の高域に属さないように、高容量型バッテリと高出力型バッテリの充放電量を調整することが好ましい。
このように特性の異なる複数の蓄電池を利用することにより、それぞれの蓄電池の劣化を抑制しつつ、負荷側からのさまざまな出力要求に応えることができる。ただし、それぞれの蓄電池をどのように使い分け、どのような割合で出入力を混合させるかは、蓄電池の現在の状態を正確に把握して、その状態に応じて適宜変更、修正することが重要である。特に、刻々と変化するSOCの正確な把握は、輸送機器の駆動制御に対して非常に重要である。
そこで、蓄電池におけるSOCとOCVとの相関関係について説明する。図3は、ある電池のSOC−OCVカーブを示すグラフである。SOC−OCVカーブは、SOCとOCVの関係である相関情報の一例である。横軸は、SOCをパーセント(%)で表わし、縦軸は、OCVをボルト(V)で表わす。
グラフ上に描かれる複数のカーブは、それぞれ異なる容量維持率に対するSOC−OCVカーブを表わしている。容量維持率は、使用が繰り返されることによる劣化や、経時による劣化の程度を示しており、具体的には、新品時において貯蔵できる電力量(100%)に対して、満充電でどれだけの電力量を貯蔵できるかをパーセントで表したものである。例えば、使用を繰り返したある時点において満充電まで充電した場合に、初期の貯蔵電力量に対して80%の電力量しか貯蔵できなくなった蓄電池は、容量維持率80%の蓄電池である。換言すれば容量維持率がその蓄電池の劣化度合いを示していると言える。
図3において、実線は容量維持率100%の、点線は90%の、一点鎖線は80%の、二点鎖線は70%の、破線は60%のSOC−OCVカーブを表わす。なお、ここでのSOCは、劣化が進んだ状態における満充電の貯蔵電力量を100%とした場合の充電率である。劣化が進行すると、カーブが全体的に左上方向に遷移する様子がわかる。例えば、OCVが3.90Vである場合に、容量維持率が80%の場合のSOCは80%であるのに対し、容量維持率が60%の場合のSOCは70%であると読み取れる。多くの蓄電池が概してこのような傾向の性質を示すことが知られている。
すなわち、蓄電装置が搭載する蓄電池が現時点においてどれくらい劣化が進行しているかにより、同じOCVから推定されるSOCが大きく異なってしまうことになる。つまり、OCVを測定しても、蓄電池の劣化状態の考慮なしには、正確にSOCを把握できないことになる。
そこで、本実施形態における蓄電装置100は、搭載する第1蓄電池111および第2蓄電池121のそれぞれに対して、予め定められた条件を満たす時点ごとに、SOC−OCVカーブを確定するための充放電制御を実行する。
図4は、ある時点においてSOC−OCVカーブを確定するまでの手順を説明するための図である。図3と同じく、横軸は、SOCをパーセント(%)で表わし、縦軸は、OCVをボルト(V)で表わす。また、示されている複数のカーブはそれぞれ、図3で用いた線種に従って、モデル化された蓄電池の、各容量維持率に対するSOC−OCVカーブを表わす。
出願人は、さまざまな蓄電池に対して検討を重ねた成果として、容量維持率が互いに異なるSOC−OCVカーブであっても、あるOCVに対するSOCのばらつきが一定の範囲に収まる領域が、多くの蓄電池において存在することを発見した。このような領域を「基準領域」と呼ぶこととする。基準領域は、例えば、SOCが100%に近い範囲で見受けられる。これは、蓄電池の満充電電圧におけるSOCを100%として定義しているため、蓄電池の電圧を満充電電圧の近傍とすれば、容量維持率によらずSOCは100%の近傍となるからである。図4の例では、OCVがVRの範囲(Omin≦V0<Omax)において、いずれの容量維持率であっても、残容量がSR(Smin≦S0<Smax)の範囲に収まることを表わしている。VRの範囲のOCVを「基準OCV」と呼び、SRの範囲のSOCを「基準SOC」と呼ぶこととする。
基準領域の範囲としては、基準OCVの範囲として0.1V(OmaxとOminの差)、基準SOCの範囲として3%(SmaxとSminの差)が好ましい。ただし、基準領域の範囲は、対象とする蓄電池の特性や、要求される正確性等に応じて、適宜最適化すれば良い。
本実施形態における蓄電装置100は、上記の通り、第1蓄電池111と第2蓄電池121の間で蓄電池部間充放電を行うことができる。すなわち、一方の蓄電池の電力を他方に移すことができる。すると、蓄電池部間充放電を行うことにより、SOC−OCVカーブを確定させたい側の蓄電池のOCVを、その蓄電池における基準OCVの範囲に移動させることができる。基準OCVに対応するSOCは、容量維持率に関わらず基準SOCであるので、その値を例えばSminとSmaxの平均値とすれば、SOC−OCVの2次元平面(ここでは、「SO平面」と呼ぶ)上の基準領域に、座標Sp0(St0,Ot0)をプロットすることができる。
その後、予め定められた条件、回数にしたがって、蓄電池部間充放電を繰り返す。このとき、例えばSOC−OCVカーブを確定させたい側の蓄電池が第1蓄電池111である場合には、第1電圧センサ112の電圧V1と、第1電流センサ113の電流I1を監視することにより、第1蓄電池111のSOCの増減分を算出することができる。また、第1スイッチ114を開状態にすれば、そのときの第1蓄電池111のOCVを検出することもできる。すると、1回の蓄電池部間充放電を行うごとに、SO平面上に1つの座標Spをプロットすることができる。図4の例では、基準領域内の座標Sp0を得た後に、蓄電池部間充放電を3回繰り返し、座標Sp1、Sp2、Sp3を得ている。
例えば電池メーカーによって、蓄電池の型番ごとに各容量維持率に対するSOC−OCVカーブが参照データとして予め準備されている。図4では、100%、90%、80%、70%、60%のそれぞれにおけるSOC−OCVカーブが参照データである。参照データは、例えば5%刻み、あるいは1%刻みなどの、より細かい割合で準備されていると良い。または、容量維持率に対するSOC−OCVカーブの変動が大きい範囲では、小さい範囲より細かい割合で参照データを設けていても良く、データ量および参照データを準備に要する手間を削減できる。蓄電装置100は、具体的には後述するが、この参照データを記憶部に記憶しており、電池ECU130は、適宜参照することができる。
蓄電池部間充放電を繰り返すことにより複数の座標Spを得たら、電池ECU130は、これらの座標に対して最も一致度が高い(それぞれの座標の偏差が最も小さい)SOC−OCVカーブを参照データからマッチング処理により選んで確定する。このとき選んで確定したSOC−OCVカーブが、その時点における最も確からしいSOC−OCVカーブとなる。図4の例においては、容量維持率が90%のSOC−OCVカーブである。このSOC−OCVカーブを記憶しておくことにより、外部から要求されるSOCの確認に対して、OCVを計測すれば即座にその時点における高精度なSOCを返すことができる。このように蓄電池部間充放電を行って適宜確定されるSOC−OCVカーブは、その時点における現実のSOC−OCVカーブをより忠実に表わしたものとなるので、現実のSOCに対して非常に近いSOCを外部からの確認要求に対して返すことができる。
なお、上記の説明においては、まず基準領域内に座標Sp0が得られるように蓄電池部間充放電をおこなったが、座標Spを得る順番はこれに限らない。複数回の蓄電池部間充放電を行った結果、少なくとも1つの座標Spが基準領域内に含まれていれば、参照データとマッチング処理を行うことができる。一方の蓄電池のSOCとOCVを基準領域にすべく、過度な蓄電部間充放電を必要とする場合は、複数回の蓄電部間充放電によって、複数の座標を得ながらSOC−OCVカーブを生成する蓄電池の電圧とSOCを基準領域に移すことが好ましい。そして、複数回の蓄電部間充放電によって得た座標を基準領域に基づいて修正することで、基準領域にSOC−OCVカーブを生成する蓄電部の電圧とSOCを基準領域に属するためだけに、過度の蓄電部間充放電を必要としない、正確なSOC−OCVカーブを生成できる。
また、上記の説明においては、最も一致度が高いSOC−OCVカーブを参照データから選んだが、まずはそれぞれの座標の偏差が閾値以下となる複数のSOC−OCVカーブを選び、その中から他の基準に基づいて一つのSOC−OCVカーブを確定させても良い。他の基準としては、新しく取得した座標ほど偏差が小さいなどが挙げられる。この様な構成とすることで、何らかの事情によって途中で蓄電部間充放電を停止しなければならい状態でも、SOC−OCVカーブを特定できる。
ここで、蓄電池部間充放電をおこなって次の座標Spを確定させる手順について説明する。図5は、平面空間上で座標を確定させるための演算を説明する図である。一つ目の×印で表わされるSpnは、n個目の座標としてSO平面上にプロットされたものであり、座標値(Stn,Otn)で表わされる。この後に1回の蓄電池部間充放電を行ってプロットされたn+1個目の座標が、二つ目の×印で表わされるSpn+1である。
それぞれの座標値の差は、OCVがΔOCV、SOCがΔSOCと表わされ、それぞれ正の値の場合もあれば、負の値である場合もある。すなわち、
(Stn+1,Otn+1)=(Stn+ΔSOC,Otn+ΔOCV)
である。ここで、OtnもOtn+1も、OCVであるので、これらの値は実測して直接得られる。一方ΔSOCは、ΔSOC=Stn+1 −Stnであり、
ΔSOC=ΣI/Cfull
あるいは、
ΔSOC=ΔAh/Cfull
によって算出される。ここで、ΣIは、時刻tnからtn+1までに電流センサが出力する値の総和であり、ΔAhは、この間に変化した電力量を表わす。また、Cfullは、前回の特定時点における満充電時の電力量である。Cfullは、特定されるごとにその値が記憶部に格納される。
(Stn+1,Otn+1)=(Stn+ΔSOC,Otn+ΔOCV)
である。ここで、OtnもOtn+1も、OCVであるので、これらの値は実測して直接得られる。一方ΔSOCは、ΔSOC=Stn+1 −Stnであり、
ΔSOC=ΣI/Cfull
あるいは、
ΔSOC=ΔAh/Cfull
によって算出される。ここで、ΣIは、時刻tnからtn+1までに電流センサが出力する値の総和であり、ΔAhは、この間に変化した電力量を表わす。また、Cfullは、前回の特定時点における満充電時の電力量である。Cfullは、特定されるごとにその値が記憶部に格納される。
図6は、座標のプロット順を説明する図である。蓄電池部間で充放電を繰り返す手順は、大きく分けて2つある。一つ目は、図6(a)で表わされるように、移動させる電力量を少しずつ変えつつ、第1蓄電池111→第2蓄電池121→第1蓄電池111→第2蓄電池→…と、交互に移動させる手順である。このように制御すると、蓄電池へのダメージが少ないSOC帯域(約30%〜約70%)で充放電を繰り返せるので、劣化の進行を抑制することができる。二つ目は、図6(b)で表わされるように、電力の移動を一方向に限る手順である。このように制御すると、蓄電池部間充放電の制御が容易である。
以上説明したSOC−OCVカーブの確定までを電池ECU130がどのようにおこなっているのか、電池ECU130を機能ブロックで表わして説明する。図7は、電池ECU130の内部ブロック図である。
図示するように、電池ECU130は、制御および演算の全体を担う制御演算部230を中心として、ΔSOC算出部231、計時部232、BATT情報格納部233、確定ライン保持部234を有する。これらの機能ブロックによりSOC−OCVカーブを確定するまでの処理を行う。この他にも主に、SOC応答部235、故障判定部236を有する。
制御演算部230は、例えばMPUによって構成され、記憶部に格納されたプログラムに従って蓄電装置100の全体を制御する。制御演算部230は、第1スイッチ114、第2スイッチ124、第3スイッチ133を状況に応じて開閉すべく、開閉指示信号CW1、CW2、CW3をそれぞれに向けて送信する。また、第1VCU131,第2VCU132の変換電圧を調整すべく、制御信号CV1、CV2をそれぞれに向けて送信する。ΔSOC算出部231は、第1蓄電池111における座標のプロット時には第1電圧センサ112からOCVとしてV1を取得し、第1電流センサ113からI1を取得して、ΔSOCを算出する。同様に、第2蓄電池121における座標のプロット時には第2電圧センサ122からOCVとしてV2を取得し、第2電流センサ123からI2を取得して、ΔSOCを算出する。ΔSOC算出部231は、算出したΔSOCを制御演算部230へ引き渡す。
計時部232は、蓄電池部間充放電を行った時刻を制御演算部230へ引き渡す。制御演算部230は、座標Spが取得された時刻を記憶しておき、当該座標が予め定められた経過時間を過ぎた場合に、マッチング処理の対象から除外する。
BATT情報格納部233は、上記の参照データを記憶する記憶部である。具体的には、不揮発性のフラッシュメモリ等により構成される。BATT情報格納部233は、参照データを外部機器から取得する。なお、BATT情報格納部233は、参照データを記憶するに限らず、蓄電池に関する様々な情報を記憶しており、必要に応じて制御演算部230へ提供する。
確定ライン保持部234は、制御演算部230が確定したSOC−OCVカーブを記憶する記憶部である。具体的には、不揮発性のフラッシュメモリ等により構成される。記憶部としてBATT情報格納部233と一体的に構成されていても良い。
SOC応答部235は、確定ライン保持部234と接続されている。SOC応答部235は、外部からSOCの問合せを受けると、OCVとしてV1、V2を取得し、確定ライン保持部234に記憶されたSOC−OCVカーブを参照して、SOCを返す。
故障判定部236は、取得された座標Spの異常性を検証して、蓄電装置100に故障が発生したか否かを判定する。故障と判定した場合は、外部へ故障信号を発信する。このとき、輸送機器10は、故障信号に応じた緊急処置を実行する。故障判定については、後に詳述する。
図8は、SOC−OCVカーブを確定させるまでのフロー図である。フローは、電池ECU130がSOC−OCVカーブを確定させる指示を輸送機器10の制御部から受け取った時点から開始する。なお、ここでは、第1蓄電池111のSOC−OCVカーブを確定させる場合について説明する。
制御演算部230は、ステップS101において、第1蓄電池111のOCVが取得可能か否かを判断する。例えば、PDU141が電力の供給を要求している場合には、当該要求を優先して第1スイッチ114および第3スイッチ133を閉状態にするので、OCVの取得はできないと判断する。この場合は、取得できる状態になるまで待機する。
OCVの取得が可能と判断したら、制御演算部230は、ステップS102へ進み、開閉指示信号CW1を第1スイッチ114へ送信して開状態とする。そして、第1電圧センサ112からV1を取得し、当該電圧値を初期OCVであるOt0とする。制御演算部230は、ステップS103で、取得したOt0が、基準OCVの範囲に含まれるか否かを判断する。具体的には、制御演算部230は、BATT情報格納部233から第1蓄電池111の参照情報を取得し、基準OCVの範囲Omin〜Omaxを参照する。そして、Omin≦Ot0<Omaxの関係を満たすか否かを判断する。
取得したOt0が基準開放電圧の範囲に含まれないと判断したら、ステップS104へ進み、制御演算部230は、蓄電池部間充放電を実行する。具体的には、制御演算部230は、開閉指示信号CW1、CW2、CW3をそれぞれのスイッチに向けて送信して、第1スイッチ114と第2スイッチ124を閉状態、第3スイッチ133を開状態とする。そして、制御信号CV1、CV2をそれぞれのVCUに向けて送信して、第2VCU132の変換電圧値を第1VCU131の変換電圧値よりも高く設定する。すると、第2蓄電池121は放電状態となり、第1蓄電池111は充電状態となるので、一定の電力量が第2蓄電池121から第1蓄電池111へ移動する。制御演算部230は、移動させる電力量を、各スイッチの開閉時間を調整したり、各VCUの変換電圧値を調整したりすることによって変更し得る。また、制御演算部230は、取得したOt0と基準OCVの範囲Omin〜Omaxとの差に応じて、移動させる電力量を決定しても良い。
なお、2つのVCUを用いて蓄電池部間充放電を実行する場合には、一方のVCUのみをPWM制御し、他方のVCUは直結制御を行っても良い。直結制御は、DC/DCコンバータのハイサイドスイッチのみを閉状態とし、昇降圧せずに電流を通過させる制御である。直結制御を行う場合に制御信号CV1、CV2は、変換電圧の指令値として「0」が指定される。
ステップS104で蓄電池部間充放電が完了すると、再びステップS101へ戻り、ステップS103の条件を満たすまで、このループを繰り返す。ステップS103の条件を満たしたら、ステップS105へ進む。
ステップS105では、制御演算部230は、図4を用いて説明したように、SO平面上にSP0をプロットする。そして、ステップS106で、インクリメント変数nに1を代入する。
ステップS107からは、蓄電池部間充放電を繰り返して座標Spnを取得する処理である。制御演算部230は、ステップS107で、OCVの取得が可能か否かを判断する。この判断は、ステップS101の判断と同様である。OCVの取得が可能でない場合は、可能となるまで待機する。OCVの取得が可能であればステップS108へ進み、制御演算部230は、蓄電池部間充放電を実行する。そして、ステップS109では、第1スイッチ114を開状態にして、第1電圧センサ112の出力からOCVであるOt1を取得する。続いてステップS110で、制御演算部230は、ΔSOC算出部231にΔSOCを算出させ、図5を用いて説明した手順に従って、SOCであるSt1を算出する。そして、ステップS111で、制御演算部230は、SO平面上にSp1をプロットする。なお、このとき、座標Sp1を取得した時刻を計時部232から取得し、座標Sp1に関連付けて記憶しておく。この1回のプロット処理が完了したら、ステップS112で、インクリメント変数nを+1する。
制御演算部230は、ステップS113へ進み、繰り返してプロットした座標の数nが予め定められた規定数n0に達したか否かを判断する。まだ達していないと判断したら、ステップS114へ進む。
ステップS114は、次の座標Spnを取得する処理を開始する時点で実行される。ステップS114では、制御演算部230は、前回のプロットである座標Spn−1の取得時刻から、予め定められた規定時間が経過したか否かを判断する。規定時間は、例えば7日が設定される。規定時間は、走行距離、環境温度、SOC−OCVカーブに要求される精度等に応じて変更し得る。制御演算部230は、規定時間が経過していないと判断したら、ステップS107へ戻り、Sp2,Sp3、Sp4…と順次座標を取得する。規定時間を経過したと判断したら、ステップS101間で戻る。この場合は、それまで取得したSO平面上のすべての座標Spを破棄する。このように古い座標Spを破棄することで、異なる劣化状態で取得された座標SpでSOC−OCVカーブが確定されなくなるので、確定されるSOC−OCVカーブの精度が向上する。
ステップS113で、繰り返してプロットした座標の数nが予め定められた規定数n0に達したと判断したら、ステップS115へ進み、制御演算部230は、取得した複数の座標SpからSOC−OCVカーブを確定する。具体的には、制御演算部230は、BATT情報格納部233から第1蓄電池111の参照データを読み出し、それぞれの容量維持率に対するSOC−OCVカーブの中から、取得した複数の座標Spと最も一致度が高くなるものを選ぶ。そして、このように選んだSOC−OCVカーブを確定されたSOC−OCVカーブとして、確定ライン保持部234へ記憶する。制御演算部230は、確定したSOC−OCVカーブを確定ライン保持部234へ記憶したら、一連の処理を終了する。
以上のフローにおいては、第1蓄電池111のSOC−OCVカーブを確定する手順を説明したが、第2蓄電池121のSOC−OCVカーブを確定する手順も同様である。それぞれの蓄電池のSOC−OCVカーブが確定されれば、確定ライン保持部234は、2つのSOC−OCVカーブが記憶することになる。また、一方の蓄電池のSOC−OCVカーブを確定させた後に、他方の蓄電池のSOC−OCVカーブを確定させても良いし、蓄電池部間充放電のたびにそれぞれの蓄電池で座標Spを取得すれば、2つのSOC−OCVカーブを並行して確定させることもできる。なお、順に確定させる場合には、高容量型バッテリより、高出力型バッテリのSOC−OCVカーブを優先的に確定させると良い。また、SOC−OCVカーブの更新頻度も、高出力型バッテリの方を多くすると良い。これは前述したように、高出力型バッテリがSOCに対する劣化影響度の変動が、高容量型バッテリと比べて大きいため、高出力型バッテリの劣化を抑制しつつ充放電を行うためにはより精度の高いSOC−OCVカーブを常時有しておく必要があるからである。加えて、その特性上、一定電力を継続的に充放電する高容量型バッテリのSOCは、電流積算法などによっても推定可能だが、大電力の充放電を瞬間的に行う高出力型バッテリは、電流積算法よりもSOC−OCVカーブを用いた方が、精度よくSOCを推定可能だからである。
上記の実施形態おいては、OCVが基準OCVに含まれるように調整してSp0を取得したが、SOCが基準SOC含まれるように調整してSp0を取得しても良い。この場合は、SOCがSRの範囲(Smin〜Smax)に収まるように、蓄電池部間充放電で移動する電力量をCfullに基づいて定めれば良い。
また、上記に実施形態おいては、基準領域に少なくとも一つの座標(Sp0)が含まれるように調整したが、そのような調整を行うことなく、複数の座標Spを集めて、その座標群に最も一致度が高いSOC−OCVカーブを参照データから選択して確定しても良い。この場合は、基準領域にSp0が含まれる場合に対して精度は落ちるが、より簡易にSOC−OCVカーブを確定させることができる。
また、上記の実施形態においては、BATT情報格納部233にそれぞれの蓄電池の参照データを記憶させ、この参照データの各SOC−OCVカーブとマッチング処理を行うことにより、現時点におけるSOC−OCVカーブを確定させている。しかし、参照データを参照することなく、複数の座標Spから近似曲線または近似直線を算出し、当該近似曲線または近似直線をSOC−OCVカーブとして確定させても良い。参照データにおける各容量維持率のSOC−OCVカーブは、例えば電池メーカーが準備する、その型の蓄電池の代表データであるので、信頼性は高い。しかしながら、個々の製品のばらつきまでは対応していないので、そのばらつきは誤差となってしまう。しかし、実測された座標Spから近似曲線または近似直線を算出すれば、個々のばらつきまで吸収した、生のSOC−OCVカーブであると言える。したがって、より精度の高いSOC−OCVカーブとして利用できる可能性がある。また、蓄電池の種類によっては、基準領域が存在しない場合もあり得るが、このような場合であっては、実測された座標Spから算出された近似曲線または近似直線と参照データを併用して、SOC−OCVカーブを確定することができる。具体的には、参照データに含まれる各容量維持率のSOC−OCVカーブの中で、実測された座標Spから算出された近似曲線または近似直線と最も近い形状を有するものを、SOC−OCVカーブとして確定する。
参照データからSOC−OCVカーブを選択して確定する場合は、容量維持率と対応付けられているので、その時点における蓄電池の劣化進行度合を併せて把握することができる。一方で、実測した座標Spから近似曲線または近似直線を算出する場合は、精度が上がる期待はあるものの、劣化進行度合は把握できない。したがって、システムが要求する事情に合わせて、SOC−OCVカーブの確定方法を選択できるようにしても良い。また、例えば取得した座標Spのエラーチェックをおこなうために、両者を併用しても良い。
また、上記の実施形態においては、予め定められた座標数が決められた時間以内に取得できない場合は、すべての座標Spを破棄して最初から処理をしなおす手順を説明した。しかし、古い座標Spから個別に除外して、マッチング処理に利用する複数の座標Spを、一定時間以内に取得されたものに限るようにしても良い。また、マッチング処理に利用する座標Spを選択する基準は、その座標Spが取得された時刻に限らない。例えば、蓄電池部間充放電において、移動させる電力の積算量が予め定められた電力量を超えた場合には、古い座標Spから順に除外しても良い。この場合、次の積算量は、2番目に古い座標Spを取得した時点からの積算量に更新する。なお、基準とする電力量は、走行距離、環境温度、SOC−OCVカーブに要求される精度等に応じて変更しても良い。
次に、以上のSOC−OCVカーブを確定するまでの処理を利用して、蓄電池の故障を検知する手法について説明する。図9は、故障検知の概念を説明する図である。図9は、図3と同じく、横軸は、SOCをパーセント(%)で表わし、縦軸は、OCVをボルト(V)で表わす。
蓄電池部間充放電を繰り返して取得された複数の座標Spnは、対象の蓄電池が正常であれば、何れかの容量維持率におけるSOC−OCVカーブにおよそ沿うようにプロットされるはずである。しかし、蓄電池部間充放電を繰り返す過程で対象の蓄電池あるいは充放電の相手となる蓄電池に故障が発生すると、その後に取得された座標Spxの座標値は、SOC−OCVカーブから大きく外れた異常値となり得る。
図9においては、座標Sp0の取得から開始し、順に座標Sp1→Sp2→Sp3→Sp4と取得した場合を示す。座標Sp3までは、曲線CLに沿って取得されているものの、座標Sp4は、曲線CLから大きく外れている。すなわち、座標Sp3の取得から座標Sp4の取得までの間に、蓄電池に故障が発生した可能性を示唆している。上述のように、各座標は、取得された時刻が計時部232によって関連付けられているので、故障が発生した時刻の範囲を限定できる。すると、その限定された時刻範囲における他のセンサの出力を確認することにより、いかなる故障事象が発生したかを推定することが容易となる。
故障の判断は、より具体的にはまず、制御演算部230は、それまでに取得されている座標Sp0、Sp1、Sp2、Sp3を用いて近似曲線CLを生成して検証用カーブとする。もし、すでに確定しているSOC−OCVカーブが確定ライン保持部234に記憶されていれば、そのSOC−OCVカーブを検証用カーブとしても良い。そして、制御演算部230は、検証用カーブとして決定された近似曲線と、新たに取得された座標Sp4との距離dを計算する。制御演算部230は、その距離が、予め定められた閾値d0よりも大きければ座標Sp4は異常値と認定し、蓄電池に故障が発生したと判断する。
なお、すでに取得した複数の座標Spnから生成する検証用カーブは、統計手法を用いて生成する近似曲線に限らず、簡易的に近似直線であっても良い。近似直線は、それまでに取得された座標間を互いに線分で結ぶ折れ線であっても良い。なお、距離dは、検証用カーブに対する偏差であるので、さまざまな統計手法により定義し得る。図9の例では、OCV軸に沿う距離をdとしたが、座標Sp4から検証用カーブに垂直に下ろした足までの距離をdとしても良い。
次に故障検知の処理フローを説明する。図10は、故障検知のフロー図である。故障検知の処理フローは、図8を用いて説明したSOC−OCVカーブを確定させるまでの処理フローのサブファンクションとして実行される。具体的には、故障検知処理S201は、図8のステップS111とステップS112の間に挿入される。
制御演算部230は、故障検知処理S201を開始すると、ステップS212で、対象としている蓄電池の確定されたSOC−OCVカーブが既に確定ライン保持部234に記憶されているか否かを確認する。記憶されていれば、当該SOC−OCVカーブを確定ライン保持部234から読み出し、ステップS213で、検証用カーブに決定する。検証用カーブに決定したらステップS215へ進む。なお、図8に示すメインのフローでは、対象とする蓄電池のSOC−OCVカーブを確定しようと処理を行っているが、ここでは故障検知に利用するものであるから、現時点においては多少誤差があるかもしれない過去のSOC−OCVカーブであっても利用に供する。
制御演算部230は、ステップS212で記憶されていないと確認したら、ステップS214へ進み、既に取得した複数の座標Spnから検証用カーブを生成する。検証用カーブを生成したらステップS215へ進む。
制御演算部230は、ステップS215で、新たに取得したSpnと検証用カーブとの距離dを計算し、距離dが予め定められた閾値d0よりも小さいか否かを判断する。小さいと判断すれば、蓄電池に故障は発生していないものとして、メインのフローへ戻る。
一方、距離dが閾値d0以上であれば、制御演算部230は、蓄電池に故障が発生していると判断し、ステップS216で、故障信号をシステム側へ送信する。システム側の制御部は、故障信号を受けると割り込み処理により、いち早く故障対応を実行する。この場合は、故障対応を優先させるべく、蓄電装置100においてSOC−OCVカーブを確定させる処理は中断する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 輸送機器、100 蓄電装置、101 第1蓄電モジュール、102 第2蓄電モジュール、103 充放電回路モジュール、111 第1蓄電池、112 第1電圧センサ、113 第1電流センサ、114 第1スイッチ、121 第2蓄電池、122 第2電圧センサ、123 第2電流センサ、124 第2スイッチ、130 電池ECU、131 第1VCU、132 第2VCU、133 第3スイッチ、142 第3電圧センサ、141 PDU、151 充電コンバータ、152 受電部、153 外部電源、230 制御演算部、231 ΔSOC算出部、232 計時部、233 BATT情報格納部、234 確定ライン保持部、235 SOC応答部、236 故障判定部
Claims (33)
- 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を含み、
前記制御部は、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動の前後における前記第1蓄電部のOCVと、前記電力移動の充放電量を用いて、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を複数特定して、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1座標が、それまでに特定された複数の他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する
ことを特徴とする蓄電装置。 - 前記第1蓄電部の確定された前記第1相関情報が存在する場合は、特定された前記第1座標が、前記第1相関情報で表わされる直線または曲線から予め定めた量を超えて乖離する場合に、前記第1蓄電部の故障と判断する請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、複数の劣化状態における前記第1相関情報を予め記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCと、前記基準SOCに対応するOCVである基準OCVとからなる座標が、少なくとも1つ含まれるように複数の前記第1座標を特定する請求項1または2に記載の蓄電装置。 - 前記制御部は、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、複数の劣化状態における前記第1相関情報を予め記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、複数の前記第1座標との偏差が閾値以下となる前記記憶部に記憶された前記第1相関情報を選択して、前記第1相関情報を確定する請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄電装置。 - 前記制御部は、複数の前記第1座標との偏差が最小となる前記記憶部に記憶された前記第1相関情報を、前記第1相関情報として確定する請求項6に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、複数の前記第1座標より形成される近似曲線または近似直線に基づき、前記第1相関情報を確定する請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、前記第1座標を特定したときの前記第1蓄電部の充電量、または前記第1座標を特定したときの時刻の少なくとも一方を記憶しておき、新たに前記第1座標を特定した場合における充電量の積算量が予め定められた閾値を超えた場合、または新たに前記第1座標を特定した時刻が以前に特定された前記第1座標の時刻から予め定められた時間を超えた場合には、以前に特定した前記第1座標を除外する請求項1から8のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、複数回の前記電力移動を、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電を切替えて行う請求項1から9のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 前記制御部は、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電を交互に切替えて行う請求項10に記載の蓄電装置。
- 前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の少なくとも一方は、駆動部に電力を供給し、
前記充放電回路は、前記第1蓄電部、前記第2蓄電部、および前記駆動部の間の充放電を担い、
前記制御部は、前記電力移動を行う間は、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部が、前記駆動部との間で充放電を行わないように前記充放電回路を制御する請求項1から11のいずれか1項に記載の蓄電装置。 - 前記制御部は、第1蓄電部のSOCの問合せを受けた場合に、前記第1蓄電部のOCVと、確定した前記第1相関情報とに基づいて、前記第1蓄電部のSOCを算出して応答する請求項1から12のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 前記第1蓄電部は前記第2蓄電部より単位重量あたりの出力電力である出力重量密度が大きく、前記第2蓄電部は前記第1蓄電部より単位重量あたりの貯蔵電力であるエネルギー重量密度が大きい請求項1から13のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 前記第2蓄電モジュールは、前記第2蓄電部に流出入する電流を検出する第2電流センサ、および前記第2蓄電部の電圧を検出する第2電圧センサを備え、
前記制御部は、
前記電力移動の前後における前記第2蓄電部のOCVと、前記電力移動の充放電量を用いて、前記第2蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第2座標を複数特定して、前記第2蓄電部のSOCとOCVの関係である第2相関情報を確定する段階で、特定された前記第2座標が、それまでに特定された他の前記第2座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合に、前記第2蓄電部の故障状態を判断する請求項14に記載の蓄電装置。 - 前記制御部は、前記第1蓄電部の故障状態を判断した場合に、前記第1相関情報を確定させる処理を中断し、故障信号を送信する
請求項1から15の何れか一項に記載の蓄電装置。 - 前記制御部は、前記電力移動を行う前において前記第1蓄電部のSOCが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCの範囲に含まれているときからの前記第1蓄電部への電流値の総和と、前記電力移動を行う前において前記基準SOCの範囲に含まれている前記第1蓄電部のSOCとに基づいて、前記電力移動の後における前記第1蓄電部のSOCを算出する
請求項1から16の何れか一項に記載の蓄電装置。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を含み、
前記制御部は、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動の前後における前記第1蓄電部のOCVと、前記電力移動の充放電量を用いて、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を複数特定して、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断し、
前記制御部は、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のSOCが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う
蓄電装置。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を含み、
前記制御部は、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動の前後における前記第1蓄電部のOCVと、前記電力移動の充放電量を用いて、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を複数特定して、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断し、
前記制御部は、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のOCVが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCに対応するOCVである基準OCVの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う
蓄電装置。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を含み、
前記制御部は、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動の前後における前記第1蓄電部のOCVと、前記電力移動の充放電量を用いて、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を複数特定して、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離する場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断し、
前記制御部は、複数回の前記電力移動を、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電を交互に切替えて行う
蓄電装置。 - 請求項1から20の何れか一項に記載の蓄電装置を有する輸送機器。
- 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断方法であって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された複数の他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
を含む故障判断方法。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断方法であって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
を含み、
前記故障判断方法は、
前記第1蓄電部のSOCが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCの範囲に含まれない場合は、前記電力移動ステップに先立ち、前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行うステップ
をさらに含む
故障判断方法。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断方法であって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
を含み、
前記故障判断方法は、
前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のOCVが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCに対応するOCVである基準OCVの範囲に含まれない場合は、前記電力移動ステップに先立ち、前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行うステップ
をさらに含む
故障判断方法。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断方法であって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
を含み、
複数回の前記電力移動ステップにおいて、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電を交互に切替えて行う
故障判断方法。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断プログラムであって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された複数の他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させる故障判断プログラム。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断プログラムであって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記故障判断プログラムは、
前記第1蓄電部のSOCが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCの範囲に含まれない場合は、前記電力移動ステップに先立ち、前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行うステップ
を前記コンピュータにさらに実行させる
故障判断プログラム。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断プログラムであって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記故障判断プログラムは、
前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のOCVが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCに対応するOCVである基準OCVの範囲に含まれない場合は、前記電力移動ステップに先立ち、前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行うステップ
を前記コンピュータにさらに実行させる
故障判断プログラム。 - 第1蓄電部、前記第1蓄電部に流出入する電流を検出する第1電流センサ、および前記第1蓄電部の電圧を検出する第1電圧センサを備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電を担う充放電回路、および前記充放電回路を制御する制御部を備える充放電回路モジュールと
を有する蓄電装置における故障判断プログラムであって、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う電力移動ステップと、
前記第1蓄電部のOCVと、前記充放電における充放電量とに基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVからなる二次元平面における第1座標を特定するプロットステップと、
前記電力移動ステップと前記プロットステップを複数回繰り返して特定される複数の前記第1座標に基づき、前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係である第1相関情報を確定する確定ステップと、
前記確定ステップの処理中において、特定された前記第1座標が、それまでに特定された他の前記第1座標によって形成される近似曲線または近似直線から予め定めた量を超えて乖離することを検出した場合、前記第1蓄電部の故障状態を判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記故障判断プログラムは、
複数回の前記電力移動ステップにおいて、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電とを交互に切替えて前記コンピュータに実行させる
故障判断プログラム。 - 第1蓄電部を備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動を行う充放電回路モジュールと
を含み、
前記充放電回路モジュールは、前記第1蓄電部におけるOCV値とSOC値の組を表わす第1データを、前記電力移動を繰り返して複数個取得し、取得された複数個の前記第1データに基づいて前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係を表わす第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1データが、それまでに特定された複数の他の前記第1データから得られる相関関係から逸脱すると判断する場合、前記第1蓄電部の故障を推定する蓄電装置。 - 第1蓄電部を備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動を行う充放電回路モジュールと
を含み、
前記充放電回路モジュールは、前記第1蓄電部におけるOCV値とSOC値の組を表わす第1データを、前記電力移動を繰り返して複数個取得し、取得された複数個の前記第1データに基づいて前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係を表わす第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1データが、それまでに特定された他の前記第1データから得られる相関関係から逸脱すると判断する場合、前記第1蓄電部の故障を推定し、
前記充放電回路モジュールは、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のSOCが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCである基準SOCの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のSOCが前記基準SOCの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う
蓄電装置。 - 第1蓄電部を備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動を行う充放電回路モジュールと
を含み、
前記充放電回路モジュールは、前記第1蓄電部におけるOCV値とSOC値の組を表わす第1データを、前記電力移動を繰り返して複数個取得し、取得された複数個の前記第1データに基づいて前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係を表わす第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1データが、それまでに特定された他の前記第1データから得られる相関関係から逸脱すると判断する場合、前記第1蓄電部の故障を推定し、
前記充放電回路モジュールは、前記電力移動を行う前の前記第1蓄電部のOCVが、前記第1蓄電部の複数の劣化状態において同一のSOCに対するOCVの差分が閾値以下となるSOCに対応するOCVである基準OCVの範囲に含まれない場合は、前記電力移動に先立ち、前記第1蓄電部のOCVが前記基準OCVの範囲に含まれるように、前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間で充放電を行う
蓄電装置。 - 第1蓄電部を備える第1蓄電モジュールと、
第2蓄電部を備える第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電部と前記第2蓄電部の間の充放電による蓄電部間の電力移動を行う充放電回路モジュールと
を含み、
前記充放電回路モジュールは、前記第1蓄電部におけるOCV値とSOC値の組を表わす第1データを、前記電力移動を繰り返して複数個取得し、取得された複数個の前記第1データに基づいて前記第1蓄電部のSOCとOCVの関係を表わす第1相関情報を確定する段階で、特定された前記第1データが、それまでに特定された他の前記第1データから得られる相関関係から逸脱すると判断する場合、前記第1蓄電部の故障を推定し、
前記充放電回路モジュールは、複数回の前記電力移動を、前記第1蓄電部から前記第2蓄電部への放電と、前記第2蓄電部から前記第1蓄電部への放電を交互に切替えて行う
蓄電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016020289A JP5948518B1 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016020289A JP5948518B1 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5948518B1 true JP5948518B1 (ja) | 2016-07-06 |
JP2017138241A JP2017138241A (ja) | 2017-08-10 |
Family
ID=56329542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016020289A Expired - Fee Related JP5948518B1 (ja) | 2016-02-04 | 2016-02-04 | 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5948518B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111983470A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-11-24 | 哈尔滨理工大学 | 一种基于关联维数的锂离子动力电池安全度评估方法及装置 |
CN112819995A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-05-18 | 北京嘀嘀无限科技发展有限公司 | 数据处理方法、装置、电子设备和可读存储介质 |
CN112969929A (zh) * | 2018-10-26 | 2021-06-15 | 日本汽车能源株式会社 | 电池控制装置 |
CN115291123A (zh) * | 2022-09-19 | 2022-11-04 | 伏达半导体(合肥)有限公司 | 用于表征多个电池单元的方法、电池参数估算装置和方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107450030B (zh) * | 2017-08-07 | 2021-08-31 | 国网山东省电力公司信息通信公司 | 一种通信蓄电池遥测数据处理方法、装置及系统 |
US11592488B2 (en) | 2018-02-28 | 2023-02-28 | Denso Corporation | Battery monitoring system |
JP7106792B2 (ja) * | 2018-05-15 | 2022-07-27 | 日新電機株式会社 | 蓄電池の劣化診断データ抽出装置及び蓄電池の劣化診断データ抽出方法 |
JP7562598B2 (ja) | 2022-05-17 | 2024-10-07 | 矢崎総業株式会社 | 蓄電池制御装置、蓄電システム、及び蓄電池制御方法 |
Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003092805A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-03-28 | Sanyo Electric Co Ltd | ハイブリッドカー用の電源装置 |
JP2003344096A (ja) * | 2002-05-23 | 2003-12-03 | Hioki Ee Corp | 電気測定器 |
JP2008220080A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | 電動車両、充電状態推定方法および充電状態推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 |
JP2011047918A (ja) * | 2009-03-31 | 2011-03-10 | Primearth Ev Energy Co Ltd | 二次電池の制御装置及びマップの補正方法 |
WO2011090020A1 (ja) * | 2010-01-19 | 2011-07-28 | 株式会社Gsユアサ | 二次電池の充電状態測定装置及び二次電池の充電状態測定方法 |
JP2013024725A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Toyota Industries Corp | 電池情報更新システム |
JP2013187960A (ja) * | 2012-03-06 | 2013-09-19 | Hitachi Ltd | リチウムイオン二次電池の充放電制御方法及び充放電制御装置 |
JP2014007821A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Toyota Motor Corp | 車両に搭載される蓄電装置の制御装置 |
JP2014134391A (ja) * | 2013-01-08 | 2014-07-24 | Toyota Motor Corp | 電源制御装置、電源モデル更新方法、プログラム、媒体 |
WO2014156564A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 日本電気株式会社 | 蓄電池及び蓄電池の動作方法 |
JP2014196985A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電池制御装置 |
JP2015061369A (ja) * | 2013-09-18 | 2015-03-30 | マツダ株式会社 | 電動車両用電池の選定方法および電動車両 |
JP2015215272A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | 古河電気工業株式会社 | 二次電池状態検出装置および二次電池状態検出方法 |
-
2016
- 2016-02-04 JP JP2016020289A patent/JP5948518B1/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003092805A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-03-28 | Sanyo Electric Co Ltd | ハイブリッドカー用の電源装置 |
JP2003344096A (ja) * | 2002-05-23 | 2003-12-03 | Hioki Ee Corp | 電気測定器 |
JP2008220080A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Toyota Motor Corp | 電動車両、充電状態推定方法および充電状態推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 |
JP2011047918A (ja) * | 2009-03-31 | 2011-03-10 | Primearth Ev Energy Co Ltd | 二次電池の制御装置及びマップの補正方法 |
WO2011090020A1 (ja) * | 2010-01-19 | 2011-07-28 | 株式会社Gsユアサ | 二次電池の充電状態測定装置及び二次電池の充電状態測定方法 |
JP2013024725A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Toyota Industries Corp | 電池情報更新システム |
JP2013187960A (ja) * | 2012-03-06 | 2013-09-19 | Hitachi Ltd | リチウムイオン二次電池の充放電制御方法及び充放電制御装置 |
JP2014007821A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Toyota Motor Corp | 車両に搭載される蓄電装置の制御装置 |
JP2014134391A (ja) * | 2013-01-08 | 2014-07-24 | Toyota Motor Corp | 電源制御装置、電源モデル更新方法、プログラム、媒体 |
WO2014156564A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 日本電気株式会社 | 蓄電池及び蓄電池の動作方法 |
JP2014196985A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電池制御装置 |
JP2015061369A (ja) * | 2013-09-18 | 2015-03-30 | マツダ株式会社 | 電動車両用電池の選定方法および電動車両 |
JP2015215272A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | 古河電気工業株式会社 | 二次電池状態検出装置および二次電池状態検出方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112969929A (zh) * | 2018-10-26 | 2021-06-15 | 日本汽车能源株式会社 | 电池控制装置 |
CN111983470A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-11-24 | 哈尔滨理工大学 | 一种基于关联维数的锂离子动力电池安全度评估方法及装置 |
CN111983470B (zh) * | 2020-08-24 | 2022-06-24 | 哈尔滨理工大学 | 一种基于关联维数的锂离子动力电池安全度评估方法及装置 |
CN112819995A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-05-18 | 北京嘀嘀无限科技发展有限公司 | 数据处理方法、装置、电子设备和可读存储介质 |
CN112819995B (zh) * | 2021-01-29 | 2022-09-09 | 北京嘀嘀无限科技发展有限公司 | 数据处理方法、装置、电子设备和可读存储介质 |
CN115291123A (zh) * | 2022-09-19 | 2022-11-04 | 伏达半导体(合肥)有限公司 | 用于表征多个电池单元的方法、电池参数估算装置和方法 |
CN115291123B (zh) * | 2022-09-19 | 2023-03-07 | 伏达半导体(合肥)股份有限公司 | 用于表征多个电池单元的方法、电池参数估算装置和方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017138241A (ja) | 2017-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5948518B1 (ja) | 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、故障判断方法、および故障判断プログラム | |
JP5980457B1 (ja) | 電源装置、該電源装置を有する輸送機器、蓄電部の充電率と開放端電圧の相関情報を推定する推定方法、および該相関情報を推定するためのプログラム | |
JP5980459B1 (ja) | 電源装置、該電源装置を有する輸送機器、蓄電部の充電率と開放端電圧の相関情報を推定する推定方法、および該相関情報を推定するためのプログラム | |
JP3685105B2 (ja) | 二次電池の出力劣化演算装置および方法 | |
JP5621818B2 (ja) | 蓄電システムおよび均等化方法 | |
JP5546370B2 (ja) | 蓄電器制御回路及び蓄電装置 | |
JP4884945B2 (ja) | 充電状態予測プログラム、架線レス交通システム及びその充電方法 | |
JP5616254B2 (ja) | 組電池の状態検出方法および制御装置 | |
WO2014156265A1 (ja) | 電池制御装置 | |
WO2015125537A1 (ja) | 二次電池システム | |
JP5784108B2 (ja) | 充電制御装置 | |
JP7067549B2 (ja) | 蓄電素子管理装置及び蓄電素子管理方法 | |
WO2012132160A1 (ja) | 劣化測定装置、二次電池パック、劣化測定方法、およびプログラム | |
JP5980458B1 (ja) | 電源装置、該電源装置を有する輸送機器、蓄電部の充電率と開放端電圧の相関情報を推定する推定方法、および該相関情報を推定するためのプログラム | |
EP3260871B1 (en) | Battery system monitoring apparatus | |
JPWO2017056732A1 (ja) | 電池制御装置及び電池システム | |
JP5477366B2 (ja) | 電池充電量制御装置および方法 | |
JP6174146B2 (ja) | 電池システム監視装置 | |
JP5862478B2 (ja) | 蓄電システムおよび制御方法 | |
JP6122164B1 (ja) | 蓄電装置、該蓄電装置を有する輸送機器、蓄電池のsocとocvの相関情報を確定する確定方法、および該相関情報を確定するプログラム | |
JP2009296699A (ja) | 充電制御回路、電源装置、及び充電制御方法 | |
WO2013084663A1 (ja) | 電池充電量制御装置および方法 | |
WO2020158182A1 (ja) | 電池制御装置 | |
JP2013127440A (ja) | 蓄電システム | |
WO2022138745A1 (ja) | 電池制御装置及び電池システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160531 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160606 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5948518 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |