JP5947601B2 - 焦点検出装置、その制御方法および撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施例について、図1〜図12を参照して以下に説明する。
図1は本発明の焦点検出装置を用いた、例えば電子カメラなどの撮像装置の部分構成図である。本撮像装置は、撮像素子を有したカメラ本体138と、別体の撮影レンズ137とで構成されており、カメラ本体138に対して撮影レンズ137が交換可能な構成となっている。
次に、本発明の焦点検出手段である撮像面位相差AFについて説明する。図2及び図3は、本発明の撮像素子107の画素配列に含まれる撮像用画素と撮像面位相差AFを行なう焦点検出用画素の構造を説明する図である。なお、本実施形態においては、2行×2列の4画素のうち、対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置した、ベイヤー配列が採用されている。しかし、撮像素子の受光部を2分割して、位相差検出方式を用いて焦点ずれ量を検出する技術が公開されており(例えば特開平01−216306号公報参照)、本発明はこのような受光部を分割するような撮像素子においても同様の結果を得ることができる。SHA、SHBは、それぞれ第一の画素群、第二の画素群である。これらは、該ベイヤー配列の中に、所定の規則にて分散配置される。該第一の画素群、第二の画素群から得られた被写体像の位相差を用いて、CPU121で焦点ずれ量が算出される。撮像用画素の間に、焦点検出用画素を離散的に配置する技術や、この焦点検出用画素を用いて焦点検出を行う技術は、開示されていて公知の技術であるため(例えば特開2000−020691号公報参照)、ここでの説明は省略する。
図4は、本実施形態における撮像素子による撮影レンズの瞳分割状況を概念的に説明する図である。TLは撮影レンズ、107は撮像素子、OBJは被写体、IMGは像信号である。撮像用画素は図2の撮像素子の撮像用画素の平面図と断面図で説明したように、撮影レンズの射出瞳全域EPを通過した光束を受光する。一方、図3の平面図と断面図を参照して同図に示すx方向に瞳分割を行なうための焦点検出用画素を説明したように、焦点検出用画素は瞳分割機能を有している。具体的には、図3(a)の画素SHAは+X方向の側の瞳を通過した光束、すなわち図4の射出瞳領域EPHAを通過した光束を受光する。そして、焦点検出用画素を、撮像素子107の全領域に渡って分布させることで、撮像領域全域で焦点検出を可能とさせている。なお、ここではx方向に輝度分布を有した被写体に対応した構成について説明したが、同様の構成をy方向にも展開することでy方向に輝度分布を有した被写体にも対応した構成をとることが可能である。
光束の射出瞳面内での強度分布を、以降では単に瞳強度分布と呼ぶ。図5は焦点検出用画素の瞳強度分布とその瞳強度分布から得られる線像分布関数を表した図である。図5(a)は焦点検出用画素SHA、図5(b)は焦点検出用画素SHBの特性を示している。図5のx軸、y軸は図4のx軸、y軸に対応している。図5では、色が濃くなるほど受光強度が高いことを示している。図3(a)では説明をしやすくするため、焦点検出用画素SHAの射出瞳をEPHA、焦点検出用画素SHBの射出瞳をEPHBと、それぞれ分離して表した。しかし、図5に示すように、実際には、図3(b)で示した開口部OPHA及び開口部OPHBの開口部による回折の影響でぼけて広がり、焦点検出用画素SHAと焦点検出用画素SHBの射出瞳は一部領域の重なる部分がある。図5(c)は焦点検出用画素の線像分布関数を表した図である。これは図5(a)と図5(b)の瞳強度分布をy方向に射影をとったものである。横軸は図5(a)、(b)のx軸に対応し、縦軸は線像分布関数の強度を表している。原点Oが撮影レンズの光軸位置に対応している。
図6は図5の瞳強度分布に対して、撮影レンズによるケラレが生じた場合の瞳強度分布とその瞳強度分布から得られる線像分布関数を表した図である。図6(a)は焦点検出用画素SHA、図6(b)は焦点検出用画素SHBの撮影レンズによるケラレがある場合の瞳強度分布の特性を示している。そして、図5で示した焦点検出用画素SHA、SHBの瞳強度分布のうち、Area1で表した形状の内側のみが焦点検出用画素SHA、SHBで受光される領域となる。図6(c)は撮影レンズによるケラレが生じた場合の線像分布関数を表した図である。図6(c)は図5(c)と同様に図6(a)と図6(b)の瞳強度分布をy方向に射影をとったものである。横軸は図5(a)、(b)のx軸に対応し、縦軸は線像分関数の強度を表している。原点Oが撮影レンズの光軸位置に対応している。図6(c)に示すように、撮像素子中央の焦点検出用画素では図5(c)と同様に、線像分布関数LSF_AaとLSF_Bbは、光軸に対して略対称となる。しかし、図6(a)、(b)に示すように瞳強度分布はArea1により一部が切り取られた状態となっているため、線像分布関数LSF_AaとLSF_Bb全体をみると、それぞれのx軸方向の重心位置を中心として、x軸方向に非対称形となっている。
図7は、図1における撮像素子107と撮像素子駆動回路124の焦点検出構成を概略的に示す図である。なお図7では、分かりやすく説明するためにA/D変換部を省略してある。また、撮像素子については焦点検出用画素のみを示し、撮像用画素の駆動構成は省略してある。撮像素子107は、図3で説明した焦点検出用画素701aと焦点検出用画素701bとで構成される焦点検出用画素701を複数有すると供に、撮影レンズで結像された被写体像を光電変換するための撮像用画素を複数含む。焦点検出用画素は、例えば撮像用画素の二次元配列の中に分散的に配置されている。焦点検出用画素701aが焦点検出用画素SHAに、焦点検出用画素701bが焦点検出用画素SHBにそれぞれ対応する。撮像素子駆動回路124は、合成部702と、連結部703とを含む。また、撮像素子駆動回路124は複数の焦点検出用画素701を含むように、撮像素子107の撮像面にセクション(領域)CSTを複数割り当てる。そして、撮像素子駆動回路124はセクションCSTの大きさ、配置、数等を適宜変更することができる。合成部702は、撮像素子107に割り当てられた複数のセクションCSTの各々において、焦点検出用画素701aからの出力信号を合成して1画素の第1の合成信号を得る処理を行なう。合成部702はまた、各セクションCSTにおいて、焦点検出用画素701bからの出力信号を合成して1画素の第2の合成信号を得る処理を行なう。連結部77は、複数のセクションCSTにおいて、第1の合成信号である各焦点検出用画素を連結して第1の連結信号を得る処理と、第2の合成信号を連結して第2の連結信号を得る処理とを行なう。このように、焦点検出用画素701a及び701bのそれぞれに対して、セクション数の焦点検出用画素が連結された連結信号が得られる。CPU121で第1の連結信号及び第2の連結信号に基づいて、撮影レンズのデフォーカス量を演算する。このように、セクション内に配置された同一の瞳分割方向における焦点検出用画素の出力信号を合成するため、焦点検出用画素701の1つ1つの輝度は小さい場合であっても、被写体の輝度分布を十分に検出することが可能となる。
図8は、図7の焦点検出用画素701、合成部702、連結部703により形成され、CPU121へ送られる対の像信号を示す。図8において、横軸は連結された信号の画素並び方向を示し、縦軸は信号の強度である。像信号830aは焦点検出用画素701aで、像信号830bは焦点検出用画素701bでそれぞれ形成される信号である。そして、撮影レンズの焦点位置がデフォーカス状態であるため、像信号830aは左側に、像信号830bは右側にずれた状態となっている。この像信号830a、830bの像ずれ量を相関演算によって算出することにより、撮影レンズの焦点ずれ量を知ることができる。ここで、本実施形態の焦点検出では、図6で説明した通り、撮影レンズによるケラレによって線像分布関数が重心に対して非対称となるので、焦点検出用画素で得られる像信号Aと像信号Bにも非対称性が生じてしまう。言い換えると、像の一致度が低下してしまう。位相差方式の焦点検出においては、像の一致度の低下(非対称性)が生じている場合、像ずれ量を正確に算出することができない。そこで、本実施形態では、得られた像信号の非対称性を補正することで、この問題を解決する。
次に第1の実施例の焦点検出フローチャートについて図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図9のフローチャートにおける動作はCPU121によって実行される。
このとき、CPU121に予め保持されている、像修正フィルタのサンプリングピッチFil_pと線像分布関数LSF_Aa(j)のピッチLSF_pとの大小関係で像修正フィルタの算出方法が異なる。
ステップS1001では、ステップS902で作成した線像分布関数LSF_A(j)をステップS906で算出した暫定デフォーカス量に応じて変形させ、LSF_Aa(j)を算出する。次にステップS1002からステップS1006について図11、図12を用いて説明する。
ステップS1002では、CPU121に予め保持されている、像修正フィルタのサンプリングピッチFil_pと線像分布関数LSF_Aa(j)のピッチLSF_pとの大小関係を比較する。像修正フィルタは線像分布関数から、サンプリングピッチFil_pでサンプリングを行って算出する。その為、像修正フィルタのサンプリングピッチFil_pが線像分布関数LSF_Aa(j)のピッチLSF_pよりも大きい場合、粗いサンプリングによって、像修正フィルタと線像分布関数LSF_Aa(j)の重心ずれが起こってしまう。そこで、重心ずれを補正する為にステップS1003からステップS1005を行う。また、像修正フィルタのサンプリングピッチFil_pが線像分布関数LSF_Aa(j)のピッチLSF_pよりも小さい場合、細かいサンプリングによって、像修正フィルタは線像分布関数LSF_Aa(j)を補間する値を取得する為、重心ずれが起こらない。このような場合、重心ずれを補正するステップS1003からステップS1005を行わず、ステップS1006へと移行する。
ステップS1003は、ステップS1002での比較の結果、像修正フィルタのサンプリングピッチFil_pが線像分布関数LSF_Aa(j)のピッチLSF_pよりも大きい場合に行われる。まずステップS1001で作成した線像分布関数LSF_Aa(j)の重心X座標Cog_XAaを算出する。さらに、ステップS1001で作成した線像分布関数LSF_Aa(j)をCPU121に予め保持されていたサンプリングピッチFil_p毎にサンプリングして得られるLSF_Aaa(i)の重心X座標Cog_XAaaを算出する。
そして、算出した2つの重心Cog_XAa、Cog_XAaaから重心差ΔCog_XAを算出する。ステップS1004では、ステップS1003で算出した重心差ΔCog_XAを用いて、像修正フィルタ長を算出する。この算出する像修正フィルタ長は、重心差ΔCog_XAと説明を省略しているΔCog_XBとを用いて、両像修正フィルタを含むように設定する。ステップS1005では、像修正フィルタFil_A(i)のX座標Fil_XA(i)を算出する。ステップS1001で変形させた線像分布関数LSF_Aaa(i)、LSF_Bbb(i)共通のX座標LSF_XA(i)からステップS1003で算出した重心差ΔCog_XAを引いて、像修正フィルタのX座標Fil_XA(i)を算出する。ステップS1006では、重心合わせ後の像修正フィルタの値Fil_A(i)を算出する。
図12はFil_p>LSF_pの場合について説明している図である。このとき、算出するi番目の像修正フィルタFil_A(i)の値はFil_A(i)を中心に±Fil_p/2の範囲にある線像分布関数LSF_Aa(j)の面積を積分して算出される。このようにして、ステップS1004で算出した像修理フィルタ長だけ面積を計算していき、重心合わせ後の像修正フィルタFil_A(i)、Fil_B(i)の値を算出する。ステップS1007では、像修正後の光量差をなくすために、像修正フィルタFil_A(i)、Fil_B(i)の面積を揃える。ステップS1006で算出された、重心合わせ後の像修正フィルタFil_A(i)、Fil_B(i)各々の正規化を行い、強度を揃えて像修正フィルタFil_Aa(i)、Fil_Bb(i)を算出する。そして、一連の像修正フィルタ算出サブフローが終了して、図9のステップS908へ進む。
第2の実施例は、第1の実施例の変形例である。以下、本発明の第2の実施例について、図9および図13を参照して説明する。
Claims (12)
- 撮影レンズの異なる射出瞳領域を通る被写体からの光を各々受光して前記被写体の一対の像信号を生成する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を有する焦点検出装置であり、
前記複数の焦点検出用画素によって生成される前記被写体の一対の像信号および当該一対の像信号から算出される像ずれ量を用いて前記一対の像信号を修正処理するための一対の像修正フィルタの重心合わせを行い、当該像修正フィルタを算出する像修正フィルタ算出手段と、
前記像修正フィルタ算出手段で算出された一対の像修正フィルタを用いて、前記一対の像信号を修正処理して一対の修正像信号を生成する像修正処理手段と、
前記像修正処理手段で生成された一対の修正像信号を用いて、前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段とを備え、
前記像修正フィルタ算出手段は、当該変形された像信号を、前記像修正フィルタを用いて処理した像信号の重心と、前記変形された像信号の重心とから得られる重心差を用いて前記像修正フィルタの重心合わせを行なう、ことを特徴とする焦点検出装置。 - 前記像修正フィルタ算出手段は、前記変形された像信号を前記像修正フィルタのサンプリングピッチでサンプリングし、当該サンプリングされた像信号の重心と前記変形された像信号の重心から前記重心差を算出し、前記像修正フィルタのサンプリングピッチは前記一対の像信号のピッチとは異なることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
- 前記像修正フィルタ算出手段は、前記像修正フィルタのサンプリングピッチと前記一対の像信号のピッチとを比較し、当該比較の結果に従って重心合わせを行なって前記像修正フィルタを算出することを特徴とする請求項2に記載の焦点検出装置。
- 前記一対の像信号の相関演算により算出した位相差に基づいて前記一対の像信号から前記像ずれ量を算出する相関演算手段を備え、前記相関演算手段は、前記一対の修正像信号に対する相関演算により算出した位相差に基づいて前記焦点ずれ量を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の焦点検出装置。
- 前記焦点検出手段で検出された前記焦点ずれ量に基づいて、前記撮影レンズの駆動情報を生成するレンズ駆動手段を備える特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の焦点検出装置。
- 前記像修正フィルタ算出手段は、前記焦点ずれ量に応じて、前記重心合わせを行うか否かを切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の焦点検出装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の焦点検出装置と、
前記撮像素子に含まれる複数の撮像用画素により前記被写体からの光を受光して像信号を生成して出力する撮像手段と、
前記撮像手段が出力した前記像信号を処理する画像処理手段と、
前記焦点検出装置、前記撮像手段および前記画像処理手段を制御して前記被写体の撮影を行なう制御手段
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 撮影レンズの異なる射出瞳領域を通る被写体からの光を各々受光して前記被写体の一対の像信号を生成する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を用いた焦点検出方法であり、
前記複数の焦点検出用画素によって生成される前記被写体の一対の像信号および当該一対の像信号から算出される像ずれ量を用いて前記一対の像信号を修正処理するための一対の像修正フィルタの重心合わせを行い、当該像修正フィルタを算出する像修正フィルタ算出ステップと、
前記像修正フィルタ算出ステップで算出された一対の像修正フィルタを用いて、前記一対の像信号を修正処理して一対の修正像信号を生成する像修正処理ステップと、
前記像修正処理ステップで生成された一対の修正像信号を用いて、前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出ステップとを備え、
前記像修正フィルタ算出ステップは、前記像ずれ量に従って前記一対の像信号を変形し、前記像修正フィルタを用いて当該変形された像信号を処理した像信号の重心と、前記変形された像信号の重心とから得られる重心差を用いて前記像修正フィルタの重心合わせを行なう
ことを特徴とする焦点検出方法。 - コンピュータを、
撮影レンズの異なる射出瞳領域を通る被写体からの光を各々受光して前記被写体の一対の像信号を生成する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を有する焦点検出装置の制御方法において、
前記複数の焦点検出用画素によって生成される前記被写体の一対の像信号および当該一対の像信号から算出される像ずれ量を用いて前記一対の像信号を修正処理するための一対の像修正フィルタの重心合わせを行い、当該像修正フィルタを算出する像修正フィルタ算出手段と、
前記像修正フィルタ算出手段で算出された一対の像修正フィルタを用いて、前記一対の像信号を修正処理して一対の修正像信号を生成する像修正処理手段と、
前記像修正処理手段で生成された一対の修正像信号を用いて、前記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する前記焦点検出手段、として機能させ、
前記像修正フィルタ算出手段は、前記像ずれ量に従って前記一対の像信号を変形し、前記像修正フィルタを用いて当該変形された像信号を処理した像信号の重心と、前記変形された像信号の重心とから得られる重心差を用いて前記像修正フィルタの重心合わせを行なう、プログラム。 - 請求項9のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
- コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか一項に記載された焦点検出装置の各手段として機能させるプログラム。
- コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか一項に記載された焦点検出装置の各手段として機能させるプログラムを格納した記録媒体。
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