JP5946690B2 - ガスタービン燃焼器のパージ方法及びパージ装置 - Google Patents
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Description
このパージ技術によって、油焚きでの運転からガス焚きでの運転に切り替えた直後にパージを行うことで、油燃料系統内に残留した液状の油燃料(コーキングが起きる前の残留油)をパージにより強制的に排出して、残留油のコーキングに起因した上記不具合(ノズル閉塞や燃料噴射量の要求値からのズレ)を防止できると考えられていた。
すなわち、油焚きでの運転からガス焚きでの運転に切り替えた直後のパージによって大部分の液状油燃料を油燃料ラインから排出できたとしても、油燃料ライン(油溜りも含む)のうち流れの淀み部分には液状の油燃料が少なからず残留する。そして、流路内に僅かに残留した燃料油が存在すると、ガス焚きでの運転時の高温環境下に曝され、ガス焚きへの運転に切り替えた直後から残留油が高粘度物質(例えば酸化、劣化、重合、乾燥、炭化等が進行してゲル状になった物質)へと変化していく。この高粘度物質は粘性が高いため、仮に油焚きでの運転からガス焚きでの運転に切り替えた直後に水又は気体を用いたパージを繰り返しても油燃料ラインから高粘度物質を完全に除去することは困難である。そして、この状態でガス焚き運転が行われると、高温環境下に長時間曝された高粘度物質が乾燥して固化物(又は半固化物)となり、油焚きでの運転に再び切り換えられたときに、ノズルからの燃料噴射の不具合が発生し、排ガス環境規制値の管理範囲からの逸脱の原因となる。
一方、第2パージステップが行われる時点(すなわち、ガス燃料から油燃料への噴射燃料の切換え直前)では、上記少量の高粘度物質はさらにガス焚き運転による高温環境下に長時間曝されて乾燥が進行して固化物(又は半固化物)になっている。また、この時点では、油燃料ラインは、ガス焚き運転への切換え後から油燃料ラインが保有する熱を奪う油燃料が長らく流れていないため、水の沸点以上の高温になっている。この状態で第2パージステップが開始されると、第2パージステップの初期段階において、高温の油燃料ラインに導入されたパージ用の水が蒸発して水蒸気が発生する。この水蒸気によって、固化物(又は半固化物)となった少量の高粘度物質が油燃料ラインの流路内壁面から浮き上がり剥離され、その後に導入されるパージ用の水とともに油燃料ラインから排出される。このとき、油燃料ラインが保有する熱を受け取って高温になったパージ用の水(又は水蒸気)が、固化物(又は半固化物)に変化している高粘度物質と接触して固化物(又は半固化物)の加水分解が起こり、固化物(又は半固化物)の油燃料ラインからの剥離及び排出が促進されると考えられる。
このように、パージメカニズムが異なる2種類の第1パージステップと第2パージステップを組み合わせることで、油燃料ラインからの残留油の除去を確実に行って、排ガス環境規制値の管理範囲からの逸脱を効果的に防止することができる。
なお、第1パージステップが行われる時点(すなわち、油燃料からガス燃料への噴射燃料の切換え直後)では、油燃料ラインには油燃料が直前まで流通しており油燃料ラインから油燃料への伝熱が起きていたため、油燃料ラインはそれほど高温になっていない。そのため、第1パージステップにおいては、第2パージステップとは異なり、上述したパージ用の水からの水蒸気の発生や高温の水又は水蒸気との接触による固化物(又は半固化物)の加水分解は殆んど起きていないと考えられる。
これにより、ガス燃料から油燃料への噴射燃料の切換え直前の適切なタイミングで第2パージステップを行って、油燃料ラインの残留油(固化物又は半固化物)を除去したうえで油焚き運転を開始することができる。よって、排ガス環境規制値の管理範囲からの逸脱を効果的に防止することができる。
このように第2パージステップにおいて水パージ、気体パージの順に行うことで、水パージによって油燃料ライン内の残留油(固化物又は半固化物)を除去した後、油燃料ラインに残存する水(残留油のパージに用いられ、残留油で汚れた水)を気体パージによって排出することができる。しかも、ガス燃料から油燃料への噴射燃料の切換え前に水パージ及び気体パージを完了させることで、油燃料ラインにパージ用の水が残留していない状態で油焚き運転を開始することができる。よって、油焚き運転の初期段階に油燃料ラインに溜まっていた水(残留油のパージに用いられた水)が一挙に噴射されて安定な燃焼が阻害される事態を防止できる。
パイロットノズルは、周囲が複数本のメインノズルで囲まれているためメインノズルよりも高温になる傾向があり、特に残留油のコーキングが起きやすい。そこで、パイロットノズルについては、ガス焚き運転中、気体パージを連続的に行うことで残留油のコーキングが防止される。もちろん、連続的に気体パージを行うと、パージを行うために必要な気体供給量が増加するが、パイロットノズルは一本のみであるから、気体供給量の増加は許容できる程度である。一方、メインノズルは複数本設けられているから、仮にメインノズルについても連続的な気体パージを行うと、必要な気体供給量は莫大となり、パージ用の気体を供給するためのコンプレッサの消費エネルギーが増大するだけでなく、場合によってはパージ専用のコンプレッサを設置する必要が生じる。そこで、上述のように、パイロットノズルに比べて低温でコーキングが起こりにくいメインノズルについては連続的な気体パージを行わずに、第1パージステップ及び第2パージステップによる間欠的なパージを行うことで、気体供給量の増加を抑制しながらパイロットノズル及びメインノズルのパージを効果的に行うことができる。
パージ用の水は、少なからず燃焼安定性に影響を与える。特に、メイン油燃料ラインを介したメインノズルからのパージ用の水の噴射が突然に始まる水パージ開始直後は安定な燃焼が阻害されやすい。そこで、上述のように、第2パージステップにおける水パージを全てのメイン油燃料ラインについて一斉に開始するのではなく、メインノズルのグループごとに水パージの開始タイミングを異ならせることによって、燃焼安定性を維持しやすくなる。
このように、第2パージステップにおける水パージの開始時、メイン油燃料ラインについて水パージの水量を段階的に増大させることで、水パージ開始直後における安定な燃焼をより一層維持しやすくなる。
このように、燃焼安定性に影響を及ぼす可能性がある水パージを行っている間、燃料を拡散燃焼させるパイロットノズルからの燃料噴射量の全燃料流量に占める割合(パイロット比)を一時的に増大させることで、水パージ実施中の燃焼安定性を維持しやすくなる。
水パージで流す水量には、失火を招くことなく安定燃焼を維持できる失火限界値が存在し、この失火限界値はガスタービンの出力に依存する。そこで、ガスタービンの出力に応じて、水パージで流す水量を失火限界値以下に設定することで、安定燃焼を阻害しない範囲内でガスタービンの出力に応じて適切な水パージの水量を選択して、油燃料ラインからの残留油の除去をより確実に行うことができる。水パージで流す水量は、安定燃焼の維持と残留油の除去を両立する観点から、例えば、失火限界値をFthとしたとき0.5Fth以上0.98Fth以下(好ましくは0.8Fth以上0.95Fth以下)の範囲内で設定してもよい。
このように、パージメカニズムが異なる2種類の第1パージと第2パージを組み合わせることで、油燃料ラインからの残留油の除去を確実に行って、排ガス環境規制値の管理範囲からの逸脱を効果的に防止することができる。
パイロットノズル2の噴射口3A,3Bから噴射されたパイロット油燃料10又はパイロットガス燃料12は、燃焼用空気を用いて燃焼されて噴射口3A,3Bの下流側に拡散火炎を形成する。そして、この拡散火炎からの高温燃焼ガスは、後述のメインノズル4による予混合火炎の保炎点としての役割を果たす。このように、パイロットノズル2は予混合火炎の安定性向上に寄与するから、パイロットノズル2からの噴射燃料の全燃料流量に対する比(パイロット比)を大きくすると、燃焼器1全体としての燃焼安定性が向上する。
メインノズル4の噴射口5A,5Bから噴射されたメイン油燃料20又はメインガス燃料22は、燃焼用空気(メイン空気)と予め混合されて予混合気となる。この予混合気は、パイロットノズル2の噴射口5A,5Bの下流側に形成される拡散火炎からの高温燃焼ガスによって着火燃焼され、予混合火炎を形成する。なお、メインノズル4は、予混合気を燃焼させて予混合火炎を形成するものであるため、局所的な温度上昇を抑制してNOxを低減することができる。
同図に示すように、パージ装置30は、水タンク32、パージ水供給路36(36A,36B)、パージ水供給バルブ37(37A,37B)、空気タンク34、パージ空気供給路38(38P,38A,38B)パージ空気供給バルブ39(39P,39A,39B)及びコントローラ40を備えている。
なお、ここでは、複数のメインノズル4はグループAとグループBとに分類されており、詳細は図3を用いて後述するが、グループ間において水パージの開始タイミングを異ならしめている。グループAに属するメインノズルをメインノズル4Aと称し、メインノズル4Aに関連するパージ水供給路、パージ水供給バルブ、パージ空気供給路及びパージ空気供給バルブには、それぞれ、符号36A,37A,38A,39Aを付している。同様に、グループBに属するメインノズルをメインノズル4Bと称し、メインノズル4Bに関連するパージ水供給路、パージ水供給バルブ、パージ空気供給路及びパージ空気供給バルブには、それぞれ、符号36B,37B,38B,39Bを付している。さらに、パイロットノズル2に関連するパージ空気供給路及びパージ空気供給バルブには、それぞれ、符号38P,39Pを付している。
ここで、第1パージとは、少なくとも水パージを含むパージ処理をいい、水パージと空気パージとを組み合わせたものであってもよい。例えば、図3に示すように、第1パージとして、水パージ50を複数回(図3の例では3回)行った後、空気パージ52を行ってもよい。このように水パージ50の後に空気パージ52を行うことで、パージ水と残留油との混合液(油燃料ライン24の洗浄を行った後の残留油で汚れた水)を油燃料ライン24から排出して、燃焼器1のガス焚き運転中において混合液の水分が蒸発して多量の固化物が油燃料ライン24に残ることを防止できる。
このように、第1パージにおける水パージ50を全てのメイン油燃料ライン24について一斉に開始するのではなく、メインノズル4のグループA,Bごとに水パージ50の開始タイミング(t1,t2)を異ならせることによって、水パージ50の開始直後における燃焼安定性を維持しやすくなる。
なお、第1パージにおいて水パージ50を複数回実施する場合、燃焼安定性の低下は最初の水パージ50の開始直後に最も起こりやすいから、複数回の水パージ50のうち最初の水パージの開始タイミングのみ各グループA,B間で異ならせれば、燃焼安定性の維持に寄与できる。したがって、それ以降の水パージの開始タイミングは各グループA,Bについて同一であってもよい。あるいは、制御ロジックの簡素化の観点から、図3に示すように各グループA,Bについての毎回の水パージ50のタイミングチャートを共通化すべく、最初の水パージの開始タイミングだけでなく、それ以降の水パージの開始タイミングも各グループA,B間で異ならせてもよい。
なお、第1パージにおいて水パージ50を複数回実施する場合、燃焼安定性の低下は最初の水パージ50の開始直後に最も起こりやすいから、複数回の水パージ50のうち最初の水パージの開始時のみ段階的にパージ水量を増大させれば、燃焼安定性の維持に寄与できる。したがって、それ以降の水パージ50の開始時におけるパージ水量は必ずしも段階的に増大させる必要はない。あるいは、制御ロジックの簡素化の観点から、図3に示すように各グループA,Bについての毎回の水パージ50のタイミングチャートを共通化すべく、最初の水パージの開始時だけでなく、それ以降の水パージの開始時においてもパージ水量を段階的に増大させてもよい。
水パージ50で流す水量には、失火を招くことなく安定燃焼を維持できる失火限界値Fthが存在し、この失火限界値Fthはガスタービンの出力Xに依存する。すなわち、図4に示すように、失火限界値はFth=f(X)で表される。そこで、ガスタービンの出力Xに応じて、水パージ50で流す水量を失火限界値Fth以下(図4における許容エリア内)に設定することで、安定燃焼を阻害しない範囲内でガスタービンの出力Xに応じて適切な水パージ50の水量を選択して、油燃料ライン24からの残留油の除去をより確実に行うことができる。なお、水パージ50で流す水量は、安定燃焼の維持と残留油の除去を両立する観点から、例えば、0.5Fth以上0.98Fth以下(好ましくは0.8Fth以上0.95Fth以下)の範囲内で設定してもよい。
ここで、第2パージとは、少なくとも水パージを含むパージ処理をいい、水パージと空気パージとを組み合わせたものであってもよい。また、制御ロジックの簡素化の観点から、第2パージを第1パージと同一内容としてもよい。
このように、第2パージにおける水パージ60を全てのメイン油燃料ライン24について一斉に開始するのではなく、メインノズル4のグループA,Bごとに水パージ60の開始タイミング(t4,t5)を異ならせることによって、水パージ60の開始直後における燃焼安定性を維持しやすくなる。
なお、第2パージにおいて水パージ60を複数回実施する場合、燃焼安定性の低下は最初の水パージ60の開始直後に最も起こりやすいから、複数回の水パージ60のうち最初の水パージの開始タイミングのみ各グループA,B間で異ならせれば、燃焼安定性の維持に寄与できる。したがって、それ以降の水パージの開始タイミングは各グループA,Bについて同一であってもよい。あるいは、制御ロジックの簡素化の観点から、図3に示すように、各グループA,Bについての毎回の水パージ60のタイミングチャートを共通化すべく、最初の水パージの開始タイミングだけでなく、それ以降の水パージの開始タイミングも各グループA,B間で異ならせてもよい。
なお、第1パージにおいて水パージ60を複数回実施する場合、燃焼安定性の低下は最初の水パージ60の開始直後に最も起こりやすいから、複数回の水パージ60のうち最初の水パージの開始時のみ段階的にパージ水量を増大させれば、燃焼安定性の維持に寄与できる。したがって、それ以降の水パージ60の開始時におけるパージ水量は必ずしも段階的に増大させる必要はない。あるいは、制御ロジックの簡素化の観点から、図3に示すように、各グループA,Bについての毎回の水パージ60のタイミングチャートを共通化すべく、最初の水パージの開始時だけでなく、それ以降の水パージの開始時においてもパージ水量を段階的に増大させてもよい。
そして、時刻t7においてガス燃料(12,22)から油燃料(10,20)への燃料切換えを知らせる信号SG3がコントローラ40に入力されると、パイロット油燃料ライン14に対する空気パージ54は終了される。
一方、第2パージが行われる時点(すなわち、ガス燃料22から油燃料20への噴射燃料の切換え直前)では、上記少量の高粘度物質はさらにガス焚き運転による高温環境下に長時間(典型的には数日〜数週間)曝されて乾燥が進行して固化物(又は半固化物)になっている。また、この時点では、油燃料ライン24は、ガス焚き運転への切換え後から油燃料ライン24が保有する熱を奪う油燃料20が長らく流れていないため、水の沸点以上の高温になっている。この状態で第2パージが開始されると、第2パージの初期段階(時刻t4付近)において、高温の油燃料ライン24に導入されたパージ用の水が蒸発して水蒸気が発生する。この水蒸気によって、固化物(又は半固化物)となった少量の高粘度物質が油燃料ライン24の流路内壁面から浮き上がり剥離され、その後に導入されるパージ用の水とともに油燃料ライン24から排出される。このとき、油燃料ライン24が保有する熱を受け取って高温になったパージ用の水(又は水蒸気)が、固化物(又は半固化物)に変化している高粘度物質と接触して固化物(又は半固化物)の加水分解が起こり、固化物(又は半固化物)の油燃料ライン24からの剥離及び排出が促進されると考えられる。
このように、パージメカニズムが異なる2種類の第1パージと第2パージを組み合わせることで、油燃料ライン24からの残留油の除去を確実に行って、排ガス環境規制値の管理範囲からの逸脱を効果的に防止することができる。
なお、第1パージが行われる時点(すなわち、油燃料20からガス燃料22への噴射燃料の切換え直後)では、油燃料ライン24には油燃料20が直前まで流通しており油燃料ライン24から油燃料20への伝熱が起きていたため、油燃料ライン24はそれほど高温になっていない。そのため、第1パージにおいては、第2パージとは異なり、上述したパージ用の水からの水蒸気の発生や高温の水又は水蒸気との接触による固化物(又は半固化物)の加水分解は殆んど起きていないと考えられる。
また、上述の実施形態において、第1パージ及び第2パージが空気パージ52,62を含む例について説明したが、空気パージ52,62に替えて、空気以外の任意の種類の気体(例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス)を各メインノズル4A,4Bに流す気体パージを行ってもよい。気体パージの具体的な実施条件は、空気パージ52,62と同様であってもよい。
上述の実施形態に係る燃焼器のパージ方法が排ガス環境規制値に与える影響について検討するために、次のような実験を行った。すなわち、デュアル式の燃焼器1を備えたガスタービンについて、実施例、比較例1及び比較例2の3種類のパージ処理を実施し、排ガス中の成分を分析し、基準O2濃度15%における排ガスCO濃度[ppm]を求めた。各パージ方法の詳細は次のとおりである。排ガスCO濃度の分析結果にはバラツキが存在するため、実施例並びに比較例1及び2の条件にてパージ処理を行った後に排ガスCO濃度を分析するという操作を複数回繰り返して、排ガスCO濃度の分析結果に関するデータを収集した。
実施例では、図3に示す第1パージ及び第2パージの両方を実施した。具体的には、油燃料20からガス燃料22への噴射燃料の切換え直後(時刻t1〜t3)に各メインノズル4A,4Bについて第1パージを行った。また、メインガス燃料22からメイン油燃料20への噴射燃料の切換え直前(時刻t4〜t6)に各メインノズル4A,4Bについて第2パージを実施した。なお、第1パージ及び第2パージは、いずれも、図3の例に示すように、水パージ50,60を3回行った後、空気パージ52,62を一回行うという内容とした。また、各水パージ50,60は、パージ水流量は24,000lb/hであり、水パージ時間は10分とした。
比較例1では、図3に示す第1パージのみを実施した。第1パージの具体的な内容は実施例と同様である。また比較例2では、図3に示す第2パージのみを実施した。第2パージの具体的な内容は実施例と同様である。
また、第2パージのみを行った比較例2において排ガスCO濃度のバラツキが大きく、一度も管理範囲内に収まらなかったのは、油焚き運転からガス焚き運転に切り換えた際に油燃料ラインに残留した多量の油燃料がガス焚き運転中の高温環境下に長時間曝されてコーキングを起こして油燃料ラインの流路内壁面への固着が進行しており、第2パージのみでは残留油(固着物)を完全に除去できず、ノズルの閉塞や燃料噴射量の要求値からのズレ等の不具合が燃焼器に生じたためと考えられる。
2 パイロットノズル
3A 噴射口
3B 噴射口
4 メインノズル
5A 噴射口
5B 噴射口
10 パイロット油燃料
12 パイロットガス燃料
14 パイロット油燃料ライン
16 パイロットガス燃料ライン
20 メイン油燃料
22 メインガス燃料
24 メイン油燃料ライン
25 油溜り
26 メインガス燃料ライン
27 ガス溜り
30 パージ装置
32 水タンク
34 空気タンク
36A,36B パージ水供給路
37A,37B パージ水供給バルブ
38A,38B,38P パージ空気供給路
39A,39B,39P パージ空気供給バルブ
40 コントローラ
50 水パージ
52 空気パージ
54 空気パージ
60 水パージ
62 空気パージ
Claims (9)
- 油燃料が流れる油燃料ラインおよびガス燃料が流れるガス燃料ラインに連通し、前記油燃料と前記ガス燃料との間で噴射燃料を切換え可能なノズルを備えたガスタービン燃焼器のパージ方法であって、
前記油燃料から前記ガス燃料への噴射燃料の切換え直後に、少なくとも水を用いて前記油燃料ラインのパージを行う第1パージステップと、
前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換え直前に、少なくとも水を用いて前記油燃料ラインのパージを行う第2パージステップとを備えることを特徴とするガスタービン燃焼器のパージ方法。 - 前記第2パージステップは、前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換えの準備信号に応答して、前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換え前に行われることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。
- 前記第2パージステップでは、前記油燃料ラインに水を流す水パージを行った後、前記油燃料ラインに気体を流す気体パージを行うとともに、
前記水パージ及び前記気体パージは、前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換え前に完了させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。 - 前記ノズルは、パイロット油燃料ラインおよびパイロットガス燃料ラインに連通し、前記油燃料と前記ガス燃料との間で噴射燃料が切換え可能な一本のパイロットノズルと、該パイロットノズルを囲むように設けられ、メイン油燃料ラインおよびメインガス燃料ラインに連通し、前記油燃料と前記ガス燃料との間で噴射燃料が切換え可能な複数本のメインノズルとを含み、
前記第1パージステップ及び前記第2パージステップにおいて前記少なくとも水を用いたパージが行われる前記油燃料ラインは、各メインノズルと連通する前記メイン油燃料ラインであり、
前記第2パージステップでは、前記メイン油燃料ラインに水を流す水パージを行った後、前記メイン油燃料ラインに気体を流す気体パージを行うとともに、
前記パイロット油燃料ラインは、前記噴射燃料として前記ガス燃料が選択されているとき、連続的に気体を流す気体パージのみが行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。 - 前記メインノズルは複数のグループに分類されており、
前記第2パージステップにおける前記水パージは、各グループに属するメインノズルに連通するメイン油燃料ラインについて、グループごとに異なるタイミングで開始されることを特徴とする請求項4に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。 - 前記第2パージステップにおける前記水パージの開始時、各グループに属するメインノズルに連通するメイン油燃料ラインについて、前記水パージの水量を段階的に増大させることを特徴とする請求項5に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。
- 前記第1パージステップ及び前記第2パージステップにおいて前記パージのために前記油燃料ラインに水を流している間、前記パイロットノズルから噴射される燃料流量の全燃料流量に対する比であるパイロット比を一時的に増大させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。
- 前記第1パージステップ及び前記第2パージステップにおいて、前記パージのために前記油燃料ラインに流す水量は、ガスタービンの出力に応じて失火限界値以下に決定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガスタービン燃焼器のパージ方法。
- 油燃料が流れる油燃料ラインおよびガス燃料が流れるガス燃料ラインに連通し、前記油燃料と前記ガス燃料との間で噴射燃料を切換え可能なノズルを備えたガスタービン燃焼器のパージ装置であって、
パージ用の水が貯留された水タンクと、
前記水タンクを前記油燃料ラインに連通させるパージ水供給路と、
前記パージ水供給路に設けられたパージ水供給バルブと、
前記パージ水供給バルブを開閉制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記油燃料から前記ガス燃料への噴射燃料の切換え信号に応答して、前記ガス燃料への噴射燃料の切換え直後に前記油燃料ラインの第1パージが行われるように、前記パージ水供給バルブを開いて前記油燃料ラインに前記水タンクから水を流すとともに、
前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換えの準備信号に応答して、前記ガス燃料から前記油燃料への噴射燃料の切換え直前に、前記パージ水供給バルブを開いて前記油燃料ラインに前記水タンクから水を流して第2パージを行うことを特徴とするガスタービン燃焼器のパージ装置。
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