図1は住宅に対する本発明による非常時照明システムの機器設置例を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅25で例えば居間、台所、子供部屋、寝室、階段室のそれぞれに火災を検出して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)100が設置されている。
また例えば廊下には非常時に点灯して設置場所を照明する無線式の照明装置10が設置されている。更に寝室及び階段室には住警器100に加えて照明装置10が設置されている。照明装置10は壁面などの手の届く位置に設置されており、非常時には取り外すことにより携帯型の照明装置、所謂懐中電灯として使用することができる。
寝室に設置された照明装置10に対して照明制御を指示操作するリモコン装置11があるが、リモコン装置11は持ち運んで適宜場所で使用でき、複数台とすることができる。
まず、図1の設置例の基本的な意図を説明する。図1の各住警器100は相互に連動し、また照明装置10は相互に連動すると共に、各住警器100からのイベント信号を受けて連動する。
図1の例に示す設置によれば、居間、台所、子供部屋、寝室、階段室の火災を監視するとともに、寝室には照明装置10を設けることで、他の場所の住警器100が作動(火災検出)した場合に寝室の住警器100が連動警報するうえ、照明装置10でも連動照明が行われ、迅速な対応が可能になる。また照明装置10の連動照明によって、火災発生の報知効果が向上する。
そして、階段室及び廊下に設置した照明装置10でも自動的に照明が行われるので、例えば夜間でも慌てず安全に行動することができる。しかも、廊下には住警器100が設置されていないにも関わらず、火災発生時には住警器100の火災警報に連動して照明装置10から音声メッセージで火災が報知されるので、例えば台所で火災が発生した場合に、廊下に居ても確実に火災発生を知ることができる。また、リモコン装置11を操作することで、同様に寝室、階段室、廊下の照明装置を同時に点灯、消灯させることができるので、例えば夜間の照明として使い勝手が良い。
更に、火災発生時に避難する場合、避難経路となる階段室や廊下は照明装置10の連動点灯により照明されているが、避難先となる屋外は暗くて見えない場合があり、そのような場合には既に点灯している手近な照明装置10を取り外して携帯することで、懐中電灯として使用することができ、安全に屋外に避難することができる。
また照明装置10の設置場所によっては住警器100からの電波が届かずに自動点灯しない場合もあるが、そのような場合であっても、手近に設置している照明装置を取り外して懐中電灯スイッチを点灯操作することで懐中電灯として携帯使用ができ、暗所であっても安全且つ迅速に非難することができる。
次に、順次詳細を説明する。照明装置10は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、リモコン11の操作により送信される、また他の照明装置から送信される点灯を示すイベント信号(以下、点灯イベント信号)または住警器100からの火災を示すイベント信号(以下、火災イベント信号)を受信して照明を駆動すると共に、必要に応じ受信した点灯イベント信号や火災イベント信号を他の住警器100や他の照明装置10へ中継送信する。
また照明装置10は、住警器100からの火災イベント信号を受信した場合、照明を駆動する一方、音響出力による警報を行う。
照明装置10の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。ここで、照明装置10の照明は警報に伴う表示(警報表示という)として、例えば、火災時以外の動作と異なる動作としても良い。即ち、点灯イベント信号の受信による照明動作は点灯とし、火災イベント信号受信による照明動作は点滅としたり、その逆としたりすることができる。
ここで、点灯イベント信号を受けて駆動する照明動作は、点灯、点滅、明滅の何れであっても良い。以下では、区別する場合を除いて、これらを総称して点灯という。
照明装置10で点灯した照明は、住警器100からの警報停止又は火災復旧を示すイベント信号(以下、復旧イベント信号)受信、リモコン11や他の照明装置10からの消灯を示すイベント信号(以下、消灯イベント信号)、自己の停止スイッチの操作で消灯し、同時に警報を停止する。
ここでは、従来の連動型住警器システムにそのまま追加できる連動型照明装置について説明する。即ち照明装置10はリモコン11、他の照明装置10、住警器100からの各イベント信号を受信して、受信したイベント信号に応じて自己の照明制御、音響出力を行い、受信した各イベント信号を必要に応じて外部へ中継送信する。一方、リモコン装置11や他の照明装置10からの照明制御に関するイベント信号(点灯、消灯)は住警器側では処理されない。
照明装置10はリモコン11や住警器100からの信号を受信して処理するのみでも住警器100に連動して火災警報および火災警報の停止を行うことができるため、必ずしも送信機能を備えなくても良いが、送信機能を備えることで必要に応じ各イベント信号を中継送信することができる。ここでは受信機能に加え送信機能も備える例について説明する。
なお、照明装置の障害およびその復旧については住警器でも連動警報を出力させることができるが、本実施例では照明装置の障害については住警器での連動警報を行わないこととする。即ち、住警器での火災警報や障害警報およびこれらの停止、復旧についてのみ、照明装置で連動動作させる例とする。
また照明装置10にはノンロックタイプの多機能スイッチが設けられている。多機能スイッチは押分けによる第1の操作と第2の操作により、照明部の点灯、照明部の消灯、警報の停止、点検の実行などの機能を指示することができる。
このうち懐中電灯として機能させるための照明部の操作については、通常状態で多機能スイッチの第1の操作となる例えば短押操作を検出した場合は照明部を所定時間点灯した後に自動的に消灯する。この所定時間後の自動消灯に先立ち、消灯までの残り時間を示す例えば「あと30秒で消灯します」といった消灯予告の音声メッセージを出力させる。消灯予告の音声メッセージに対し点灯を継続したい場合は多機能スイッチの第1の操作となる短押操作を再度行えば、自動消灯が解除されて更に所定時間点灯させることができる。
また多機能スイッチの短押操作による照明部の点灯中に、多機能スイッチの第2の操作である例えば長押操作を検出した場合は、所定時間後の自動消灯を待たずに照明部を消灯させることができる。
多機能スイッチの長押操作による照明部の消灯は、後の説明で明らかにするように、住警器100やリモコン11からのイベント信号受信による点灯中についても、同様に消灯させることができる。
また照明装置10は、電池電源の電圧を検出して電圧低下を判定していた場合(電池電圧低下フラグのセット中)、多機能スイッチの短押操作による照明部の点灯と共に、電圧低下検出の事実と電池交換を促す例えば「ピッピッピッ 電池切れです 電池を交換してください」といった音声メッセージを出力させる。
これは多機能スイッチの操作を検出した場合は、必ず人がいる状態であり、この状態で電池電圧低下判定結果を報知することで、電池切れ予告を確実に利用者に伝えることができる。
また照明装置10は通常状態で多機能スイッチの第2の操作である長押操作を検出した場合には、所定の内部点検を実行して報知部36から点検結果を出力させる。点検結果は施錠であれば「正常です」といった音声メッセージを出力させ、障害であれば「ピッ 故障です」といった音声メッセージを出力させる。
住警器100は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅の各所で火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、火災発生場所の住警器100が火災を検出して警報を開始する。この火災を検出して警報を開始することを、住警器における「発報」という。住警器100が発報するとき、その住警器は連動元として機能し、連動先となる他の住警器100に対し、火災発生を示すイベント信号を無線により送信する。連動先となる他の住警器100は、連動元の住警器100からの火災発生を示すイベント信号を受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
住警器100が検出する自己のイベント(警報器イベントという)としては、上述の火災発生だけでなく、火災復旧、警報停止操作等があり、また他の住警器からの各種イベント信号受信も含まれる。これらについては後述する。
連動元となった住警器100の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。一方、連動先の住警器100にあっては、警報動作として「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。
また連動元となった住警器100の警報に伴う表示(警報表示という)としては、例えばLED22(後述)を点灯させる。一方、連動先の住警器100にあっては、LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDが採用できる。
住警器100が警報音を出力している状態で、警報停止スイッチ(後述)を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
このとき例えば、連動元である住警器で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器の警報(警報音出力および/または警報表示出力)を停止し、連動先である住警器の何れかで警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器の警報動作は停止せず、連動先の住警器の警報動作を停止するようにする。
図2は本発明による無線式の連動型照明装置の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。
図2において、本実施形態の照明装置10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、LED照明部16が設けられ、ドーム型の透明又は半透明状カバーの内部に例えば5個の白色のLED18を配置している。もちろん、LED18は白色以外の色であっても良い。この点灯により、照明装置10の設置場所近傍の所定エリアを照明することができる。
LED照明部16の左下側にはスリット状の音響孔19が複数設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。LED照明部16の下側には警報停止を兼ねた多機能スイッチ20が設けられている。
多機能スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたノンロックタイプのタクトスイッチ(図示せず)とで構成されている。スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が多機能スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の作動状態が外部から分かるようにしている。LED22は例えば赤色とする。またLED22は省略することができる。
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に照明装置10を所謂壁掛け状に固定設置することができ、また照明装置10を懐中電灯として使用する際には簡単に取り外すことができる。
図3は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図3(A)に正面図を、図3(B)に側面図を示している。
図3において、本実施形態の住警器100の筐体はカバー112と本体114で構成されている。カバー112の中央に突出部を設け、その周囲に複数の煙流入口を開口し、更にその内部には検煙部116が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。
カバー112に設けた複数の開口部の内部には検煙部116を備え、検煙部116の左下側には音響孔118が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部116の下側には警報停止スイッチ120が設けられている。
警報停止スイッチ120は住警器100の機能点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ120が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ120が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。
警報停止スイッチ120は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたタクトスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、タクトスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED122が配置されており、LED122が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ120のスイッチカバーの部分を透過してLED122の作動状態が外部から分かるようにしている。
また本体114の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック115が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック115の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器100を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
なお図3の住警器100にあっては、検煙部116を備え、火災による煙を検出する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常(異状)を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。そして、本発明の警報システム連携型照明システム(以下、非常時照明システム)の警報器は、これら各種の警報器を混在させても良い。
図4は図1の非常時照明システムに設けた照明装置の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また機能の実行は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。
照明装置10はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、記録回路部(メモリ)32、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の照明装置及び住警器100との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。また後述するリモコン11からのイベント信号を、少なくとも受信できるようにしている。
無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外の場所に向けたものでは、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記憶部としてのメモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各照明装置および住警器を特定するID(自己の識別子)となる送信元符号50、図1のように住宅に設置した照明装置10と住警器100で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
連番48は警報器間の、特に無線通信に於いてイベント信号の処理順等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50としては、国内に提供される何れの照明装置及び住警器とも同一符号として重複しないように、例えば26ビットの符号コードとし、照明装置又は住警器のシリアル番号等を利用している。
連番48や送信元符号50を利用して再中継を許可したり禁止したりすることができ、不要な通信を避ける処理を行うことで、必要に応じた中継を行うことができる。また例えば、連動先端末で中継送信されるイベント信号には、当該連動先端末の送信元符号に加えて連動元端末の送信元符号を付加するようにして、この連動元端末送信元符号から再送信の可否を判定して処理するようにすることもできる。また、中継送信の許可および禁止はこれに加え、イベント信号が示すイベントの内容毎に設定することもできる。
なお、照明装置が受信機能だけを有し、中継送信を行わない運用を想定する場合には、中継機能の全停止を設定する設定部を設けても良い。
グループ符号52は連動グループを構成する複数の照明装置及び住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部30で受信した他の照明装置10又は住警器100、後述するリモコン11からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ32に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他のグループに属する警報器との不要な連動を回避できる。
グループ符号52は各住警器について必ずしも同一の符号である必要は無く、これを元に演算等を行うことによって自己が属するグループと他の住警器が属するグループが同じか否かを判定できるものであれば良い。
報知部36には警報音等を出力するスピーカ56と警報表示等を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。また先述したように、LED22を省略しても良い。
操作部38には多機能スイッチ20が設けられている。多機能スイッチ20は、照明点灯を行っていない通常状態においては、第1の操作となる短押操作により照明点灯スイッチとして機能し、また第2の操作となる長押操作により点検スイッチとして機能する。多機能スイッチ20が照明点灯スイッチとして機能した場合、LED照明部16のLED18が所定時間T1、例えばT1=3分間点灯した後に自動消灯する。また多機能スイッチ20が点検スイッチとして機能した場合、後述する点検制御部68による内部点検が実行されて点検結果が音声報知される。
また多機能スイッチ20は、照明点灯中においては、第1の操作となる短押操作により照明再点灯スイッチとして機能し、また第2の操作となる長押操作により消灯スイッチとして機能する。多機能スイッチ20が照明再点灯スイッチとして機能した場合、所定時間T1が経過しても自動消灯せずに、更に所定時間T1に亘り照明点灯が継続される。また多機能スイッチ20が消灯スイッチとして機能した場合、点灯中の照明が消灯される。
更に、多機能スイッチ20は、住警器100又はリモコン11からのイベント信号受信による警報出力中で且つ照明点灯中においては、第1の操作となる短押操作また第2の操作となる長押操作にいずれにいても警報停止スイッチ及び消灯スイッチとして機能する。
図5は図4の照明装置10に設けた多機能スイッチ20の操作内容と機能を一覧で示した説明図である。
図5において、多機能スイッチ20の操作内容は、第1の操作である短押操作と、第2の操作である長押操作に分けられる。また照明装置10の状態は、照明消灯となる通常状態、照明点灯中、警報と連動点灯の3つに分けられる。
通常状態で多機能スイッチ20を短押操作すると照明が一定時間T1点灯して自動消灯し、また多機能スイッチ20を長押操作すると点検が実行され。
また、多機能スイッチ20の短押操作による照明点灯中に、多機能スイッチ20を短押操作するとT1時間点灯した後の自動消灯が解除され、再度T1時間点灯を継続させる点灯リスタートが実行され、また多機能スイッチ20を長押操作すると自動消灯する前に消灯される。
更に、住警器100又は他の照明装置10からのイベント受信に基づく警報出力中で且つ照明点灯中の場合、多機能スイッチ20の短押操作と長押操作のいずれについても、警報出力を停止すると共に照明が消灯される。
ここで照明装置10を懐中電灯として使用する場合には、多機能スイッチ20の短押操作でLED照明部16のLED18を点灯し、途中で消灯したければ多機能スイッチ20を長押操作すれば良く、更に所定時間T1を越えて点灯を継続したければ多機能スイッチ20を点灯中に再度短押操作すれば良い。
再び図4を参照するに、電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては照明点灯のために必要充分に長い動作期間を保証している。電池電源に代えて商用AC電源や他の専用電源としても良い。
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62、照明制御部64、電池電圧低下検出部66及び点検制御部68の機能が設けられている。
イベント検出部58は、操作部38による照明停止指示入力、受信処理部62を介して得られたリモコン11、他の照明装置又は住警器100からのイベント信号の解読結果からイベント内容を検出する。
送信処理部60は、イベント検出部58によりリモコン11の操作による点灯又は消灯のイベント信号受信を検出した時に、検出した受信イベントの内容を示すイベント信号を、必要に応じ無線通信部30から連動先の他の照明装置に送信させる(中継送信)。この中継送信は、通信に混乱を生じないよう、予め定められたルールに従って、必要に応じて行われる。受信処理部62は、リモコン11及び他の照明装置10、住警器100からのイベント信号を、無線通信部30を介して受信し解読する。
照明制御部64は、リモコン11や他の照明装置10からの点灯イベント信号受信又は住警器100からの火災イベント信号又は他の照明装置10からの火災イベント信号受信を、受信処理部62を介してイベント検出部58で検出した場合にLED照明部16に設けている白色のLED18を点灯する。LED照明部16の点灯は、LED18を点滅または明滅させても良い。
また照明制御部64は住警器100からの火災イベント信号または他の照明装置10で中継送信された火災イベント信号の受信に基づいてLED照明部16のLED18を点灯した場合、スピーカ56から火災を示す警報音を出力すると共に、LED22を例えば点滅駆動して火災を示す警報表示を行い、更にこのとき、送信処理部60による制御で火災を示すイベント信号を無線通信部30の送信回路42を介してアンテナ31から他の照明装置10や住警器100に送信する(中継送信)。
この中継送信は、通信に混乱を生じないよう、予め定められたルールに従って、必要に応じて行われる。これにより、火災の際にはLED18の点灯により周辺が照明されると共に、ユーザはLED22の点滅によって、その照明が火災発生に伴って行われていることを判別できる。
これに対し、リモコン11や他の照明装置10からの点灯イベント信号受信に基づいてLED18を点灯する場合は、LED22は火災時と異なる条件で駆動してユーザが火災時と識別できるようにするか、消灯するようにする。つまり、LED22の駆動にあたっては、火災イベント信号受信に基づく場合と点灯イベント信号受信に基づく場合とでユーザが識別できるように条件を異ならせる。
また照明制御部64は、イベント検出部58で火災イベント信号受信を検出した場合に、報知部36のスピーカ56から火災を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させる。即ち、照明制御部64は、LED照明部16のLED18及び報知部36のLED22の駆動を制御する機能とあわせて、報知部36のスピーカ56からの音響出力を制御する機能も備える。
また照明制御部64は、イベント検出部58でリモコン11や他の照明装置10からの点灯イベント信号受信を検出した場合に、LED照明部16を点灯し、点灯イベント信号を他の照明装置10に送信する(中継送信)。この中継送信は、通信に混乱を生じないよう、予め定められたルールに従って、必要に応じて行われる。
また照明制御部64は、LED照明部16の点灯中に住警器100又は他の照明装置10から火災復旧又は警報停止を示すイベント信号(以下それぞれ復旧イベント信号、警報停止イベント信号)受信、リモコン11からの消灯を示すイベント信号(消灯イベント信号)受信、或いは自己の照明停止スイッチ20の操作イベントを検出すると、LED照明部16のLED18を消灯する。このときも、送信処理部60では必要に応じ他の照明装置10に対して中継送信制御が行われる。なお、LED照明部16の消灯は、消灯イベント検出がなくとも、所定時間を経過した場合には消灯し、消費電力を抑えるようにしても良い。
また照明制御部64は、通常状態でイベント検出部58により多機能スイッチ20の短押操作によるスイッチ信号の入力を検出した場合、LED照明部16のLED18を所定時間T1、例えばT1=3分間点灯した後に消灯する。
また、照明制御部64は、イベント検出部58による多機能スイッチ20の短押操作検出でLED照明部16のLED18を点灯した場合、消灯までの残り時間が所定時間T2、例えばT2=30秒となった場合、報知部36のスピーカ56から消灯までの残り時間30秒を示す消灯予告の音声メッセージを出力させる。この消灯予告の音声メッセージを出力した後に、照明制御部64はイベント検出部58による多機能スイッチ20の再度の短押操作を検出した場合、所定時間T1=3分を経過しても自動消灯せずにタイマをリセットスタートすることで更にT1=3分間点灯させる。
また、照明制御部64は多機能スイッチ20の短押操作検出によるLED照明部16のLED18を点灯中に、イベント検出部58で多機能スイッチ20の長押操作を検出すると、LED照明部16のLED18を消灯する。
また、照明制御部64は、住警器100又は他の照明装置10からのイベント信号受信により警報を出力すると共に照明点灯としている状態で、イベント検出部58で多機能スイッチ20の短押操作または長押操作を検出すると、警報出力を停止すると共にLED照明部16のLED18を消灯する。
電池電圧低下検出部66は、電池電圧低下障害(ローバッテリー障害)を検出して警報する。電池電圧低下検出部66による電池電圧低下障害の検出は、図示しない電圧検出回路からの信号を、所定の測定時間間隔T3、例えばT3=4時間間隔で電池電源40の電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時に電池電圧低下障害と判定し、更に電池電圧低下障害との判定が連続して所定回数続いたときに電池電圧低下障害を確定してメモリ32に電池電圧低下フラグをセットし、報知部36のスピーカ56からの音声メッセージとLED22の表示により電池電圧低下障害警報を出力させる。
電池電圧低下障害の音声メッセージとしてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点滅し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLED22による表示出力を行う処理を繰り返す。また電池電圧低下検出部66は、電池電圧低下障害を示すイベント信号(以下、電池電圧低下ベント信号)を他の照明装置に送信して電池電圧低下障害警報を音声メッセージおよび/または表示で行わせるようにしても良い。
このとき、電池電圧低下障害が発生している照明装置10(信号送信元)と他の照明装置10(信号送信先)の照明装置では異なる音声メッセージおよび/または表示内容とする。これによりユーザは電池電圧低下障害が発生している照明装置10を識別特定して電池交換などの対応を行うことができる。
また、電池電圧低下検出部66は、イベント検出部58で照明を点灯させるための多機能スイッチ20の短押操作を検出した場合、メモリ32に電池電圧低下フラグがセットされているか否か判定し、電池電圧低下フラグのセットを判定した場合は、報知部36のスピーカ56からの音声メッセージとLED22の表示により電池電圧低下障害警報を出力させる。この時の音声メッセージは例えば「ピッピッピッ 電池切れです 電池を交換してください」を出力する。これにより多機能スイッチ20の操作検出という人が居る状態で電池電圧低下障害警報を出力して確実に知らせることができる。
点検制御部68は、通常状態でイベント検出部58により多機能スイッチ20の長押操作を検出した場合、所定の内部点検を実行して報知部36から点検結果を出力させる。点検制御部68で点検する内容としては、照明部故障の有無、回路故障の有無、スピーカ56への出力線の断線、通信異状、その他障害の有無等がある。
点検制御部68で実行された内部点検の結果は正常または故障等の障害発生であり、点検結果を報知部36のスピーカ56から出力させる。即ち、点検結果が正常な場合は例えば「正常です」といった音声メッセージを出力させ、一方、点検結果が障害発生の場合は例えば「ピッ 故障です」といった音声メッセージを出力させる。これにより多機能スイッチ20の操作検出という人が居る状態で内部点検を実行して結果を出力することで確実に知らせることができる。
なお、これらの点検制御処理は、後に説明する住警器100の場合と同様に行う。ただし、照明装置10での障害およびその復旧は、住警器100では連動処理されないこととする。
また、火災イベント信号受信に基づく報知部36の、少なくともスピーカ56による警報動作は、照明装置10を住警器100と同じ場所に設置する場合には不要であることから、操作部38に設けたディップスイッチ(図示省略)により、立上げ時に火災警報動作の禁止モードを設定しておくようにすることもできる。このようにすれば、同じ場所に設置された住警器100と照明装置10で火災警報の音声出力が重複することを回避できる。
図6は図1の非常時照明システムに設けたリモコンの実施形態を示したブロック図である。図6において、リモコン11はワンチップCPUとして知られたプロセッサ70を備え、プロセッサ70に対してはアンテナ81を備えた無線通信部72、表示部74、操作部76及び電池電源78を設けている。
無線通信部72には送信回路80が設けられ、照明装置及10に対しイベント信号を無線により送信できるようにしている。無線通信部70の送信回路80は図4の照明装置10に設けた送信回路42と同じである。表示部74にはLEDなどが設けられる。操作部76には点灯スイッチ82と消灯スイッチ84が設けられている。
プロセッサ70にはイベント検出部86、送信処理部88及びリモコン制御部90の機能が設けられる。イベント検出部86は操作部76の点灯操作又は消灯操作をはじめとするイベントを検出する。送信処理部88はイベント検出部86で検出したイベントを示すイベント信号を無線通信部72の送信回路80を介してアンテナ81から無線送信させる。
即ちイベント検出部86で点灯操作を検出した場合は無線送信部88に点灯イベントを示すイベント信号を送信させ、消灯操作を検出した場合は無線送信部88に消灯を示すイベント信号を送信させる。
図7は図1の非常時照明システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また機能の実行は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。
図7において、住警器100はワンチップCPUとして知られたプロセッサ128を備え、プロセッサ128に対してはアンテナ131を備えた無線通信部130、記録回路部(メモリ)132、センサ部134、報知部136、操作部138及び電池電源140を設けている。
無線通信部130には図4の照明装置10の無線通信部30に設けた送信回路42、受信回路44と同様の送信回路142及び受信回路144が設けられ、他の住警器又は照明装置10との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。
無線通信部130及びメモリ132の記憶情報は、図4の照明装置10のメモリ32の各記憶情報と同様である。ここで送信元符号50としては、住警器100のシリアル番号等を利用する。
センサ部134には、煙を検出して信号を出力する検煙部116を設けている。前述のように、センサ部134には検煙部116に代えて、温度や温度上昇を検出する素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けても良い。
報知部136には警報音等を出力するスピーカ156と警報表示等を行うLED122が設けられている。スピーカ156は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED122は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ156に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED122に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
操作部138には警報停止スイッチ120が設けられている。警報停止スイッチ120は、報知部136のスピーカ156から火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED122により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音を停止し、警報表示は停止または所定時間後に停止するといった警報停止処理が行われる。
一方、連動元または連動先を示す警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ120は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ120を操作すると、所定の機能点検動作が実行されて報知部136のスピーカ156から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
なお、障害警報中に警報停止スイッチ120が操作された場合には、所定の自己点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止処理に移行しても良い。なお、警報停止や点検についても連動させることができるが、ここでは説明を省略する。
電池電源140は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器100における無線通信部130を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
プロセッサ128にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部158、送信処理部160、受信処理部162、警報処理部164の機能が設けられている。
イベント検出部158は、センサ部134による異常(ここでは火災)検出、操作部138による警報停止指示入力や点検指示入力、センサ部134の異常検出がなくなる異常復旧等のイベントを検出する。またイベント検出部158は受信処理部162を介して他の住警器100や照明装置10から受信したイベント信号の解読結果として得られたイベント内容を検出する。
送信処理部160は、イベント検出部158によりセンサ部134による異常検出、操作部138による各指示入力、センサ部134の異常検出がなくなる異常復旧等の自己のイベントを検出した時に、検出イベント内容を示すイベント信号を、無線通信部130の送信回路142を介してアンテナ131から連動先となる他の住警器100や照明装置10に送信させる。受信処理部162は、他の住警器100や照明装置10からのイベント信号を、無線通信部130の受信回路144を介して受信解読する。
警報処理部164は、イベント検出部158で自己の異常として火災を検出した場合に報知部136のスピーカ156から連動元を示す警報音を出力すると共に、LED122を駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災イベント信号を他の住警器100および照明装置10に送信する。
具体的に説明すると、警報処理部164は、センサ部134に設けた検煙部116の煙検出信号に基づきイベント検出部158で火災を検出したときに、報知部136のスピーカ156から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させると共に、LED122を例えば点灯して連動元を示す警報表示を行い、更に、送信処理部160および送信回路142を介して無線通信部130の送信回路142によりアンテナ131から火災イベント信号を他の住警器100や照明装置10に向けて送信させる。
また警報処理部164は、無線通信部130の受信回路144により他の住警器100や照明装置10の何れかから火災信号を受信し、受信処理部162で有効となったときに、報知部136のスピーカ156から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時にLED122を例えば点滅して連動先を示す警報表示を行う。
ここで、イベント検出部158はセンサ障害と電池電圧低下障害を検出する。センサ障害の検出は、所定の測定時間間隔T1、例えばT1=1秒間隔でセンサ部134の検煙部116から出力される煙検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ132のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T2=10分毎に、メモリ132のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に検出信号出力停止状態である等としてセンサ部134の障害と判定する。
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部116に設けている受光素子故障や受光素子からの配線断線、受光アンプ停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いため、障害(センサ障害と総称する)とする。なお、センサ部116にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。その他、スピーカ156への出力線の断線や他の回路故障や通信異状等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行う。
電池電圧低下障害の検出は、所定の測定時間間隔T3、例えばT3=4時間間隔で電池電源140の電源電圧を図示しない電圧検出回路を介してA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時に電池電圧低下障害と判定し、更に電池電圧低下障害との判定が連続して所定回数続いたときに電池電圧低下障害を確定する。
警報処理部164は、イベント検出部158でセンサ障害又は電池電圧低下障害を検出した時に、報知部136のスピーカ156からの警報音および/またはLED122の表示により連動元を示すセンサ障害又は電池電圧低下障害警報を出力させる。また警報処理部164は、センサ障害又は電池電圧低下障害イベント信号を他の住警器100や照明装置10に送信して連動先を示すセンサ障害又は電池電圧低下障害警報を警報音および/または表示で行わせる。なお、障害については照明装置10との相互連動を行わないようにしても良い。
更に警報処理部164は、受信回路144および受信処理部162を介して他の住警器100または照明装置10の何れかからセンサ障害又は電池電圧低下障害イベント信号を受信した場合に、報知部136のスピーカ156からの警報音と、LED122の表示とにより連動先を示すセンサ障害又は電池電圧低下障害警報を出力させる。
警報処理部164は、イベント検出部158でセンサ障害を検出した場合、報知部136のスピーカ156から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力すると共にLED122を例えば点滅し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED122による表示出力を行う処理を繰り返す。
また警報処理部164は、送信処理部160および送信回路142を介してセンサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を他の住警器100および照明装置10に送信することで、連動先を示すセンサ障害警報を出力させる。このとき、警報音として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」や「ピッ 警報器が故障です」を出力さると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
また警報処理部164は、イベント検出部158で電池電圧低下障害を検出した場合、報知部136のスピーカ156から連動元(障害元)を示す電池電圧低下障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLED122を例えば点滅し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLE1D22による表示出力を行う処理を繰り返す。
また警報処理部164は、電池電圧低下障害を示すイベント信号(電池電圧低下障害イベント信号)を他の住警器100や照明装置10に送信することで、連動先を示す電池電圧低下障害警報、例えば警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」や「ピッ 警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
また警報処理部164は連動元を示す火災警報または連動先を示す火災警報音の出力中にイベント検出部158で自己の警報停止スイッチ120の操作を検出した場合、又は他の住警器100の何れかからの警報停止イベント信号受信を検出した場合、スピーカ156からの音声メッセージとLED122の警報表示による火災警報の出力を停止する。このとき、LED122による警報表示については、音声メッセージ出力停止後所定時間継続した後に停止しても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止を示すイベント信号(警報停止イベント信号)受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
更に警報処理部164は、連動元を示すセンサ障害又は電池電圧低下障害警報の出力中にイベント検出部158で自己の操作部138に設けた警報停止スイッチ120の警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に障害表示を所定時間継続させた後に停止し、更に連動先を示す障害警報出力中の他の住警器100や照明装置10に警報停止イベント信号を送信して、障害警報音と障害表示を停止させる。
図8は本実施形態で連動に使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図8において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、イベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は各照明装置10及び住警器100で非同期に生成している。連番48は照明装置10及び住警器100間の、主に無線通信に於いてイベント信号の処理順等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50は例えば26ビットの符号であり、照明装置10及び住警器100のシリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の各照明装置10と住警器100につき同じグループ符号が設定されている。
なおグループ符号52としては、同一グループの照明装置10と住警器100に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する照明装置10と住警器100に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた、住警器ごとに異なるグループ符号であっても良い。
イベント符号54は、火災、ガス漏れ(例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合)などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ガス漏れ
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=電池電圧低下障害
0111=点灯
1000=消灯
としている。ここで、0000はイベント検出を伴わない、例えば定期通報に使用する。
なおイベント符号54のビット数は5ビット、6ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。例えば、復旧のイベント符号は火災復旧と障害復旧に分けても良い。
また、火災以外の異常を検出する警報器では、上記の0001を検出対象となる異常イベントに置き換えても良いし、検出対象となる異常イベントの種類を、例えば上記に追加しても良い。このようにして、例えば同じグループ内に、検出対象とする異常種別の異なる警報器を混在させることもできる。
図9及び図10は図4の照明装置10における照明制御の例を示したフローチャートである。図9において、照明装置10の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断を実行し、異常がなければステップS2に進み、住警器100から送信若しくは中継送信された、または他の照明装置10で中継送信された火災イベント信号受信の有無を判別している。
ステップS2で火災イベント信号受信を判別するとステップS3に進み、LED照明部16のLED18を点灯すると共に、報知部36のスピーカ56から音声メッセージやブザー音等の警報音とLED22の点滅による警報表示とにより火災警報を出力する。
続いて、ステップS4で火災状態が解消した場合に住警器100から送信される、またはこれが他の(連動先の)住警器100や他の照明装置10で中継送信される火災復旧イベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧イベント信合受信を判別するとステップS5でLED照明部16のLED18を消灯すると共に、報知部36のスピーカ56からの音声メッセージやブザー音等の警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
続いてステップS6で火災を検出している連動元の住警器100の警報停止スイッチ120の操作に基づいて送信された(またはこれが中継送信された)警報停止イベント信号受信の有無を判別し、警報停止イベント信号受信を判別すると、ステップS7でLED照明部16のLED18を消灯すると共に、報知部36のスピーカ56からの警報音とLED22の警報表示を停止する。
なお、禁止モードが設定されている場合にはステップS3、S5、S7の処理をスキップする(図示省略)。
続いてステップS8で他の照明装置10から送信または中継送信された点灯イベント信号受信の有無を判別し、点灯イベント信号受信を判別するとステップS9でLED照明部16のLED18を点灯する。
このとき、併せてLED22を作動させても良いが、ステップS3での作動とは異なる条件とするのが好ましい。例えば、ステップS2の点滅とは周期の異なる点滅としたり、点灯とする。また、LED22が2色LEDである場合にはステップS2の場合と異なる表示色で作動させても良い。
このようにしてLED22の表示の面からも、火災発生に基づく照明作動とリモコン操作に基づいて他の照明装置10で中継送信された点灯イベント信号に基づく照明動作とが識別出来るようにする。もちろん、LED18による照明についても、ステップS2とステップS8で異なる作動条件としても良い。
続いてステップS10で他の照明装置10から送信または中継送信された消灯イベント信号受信の有無を判別し、消灯イベント信号受信を判別するとステップS11でLED照明部16のLED18を消灯する。ステップS9でLED22も作動させている場合には、これも消灯する。
ステップS9、S10では、他の照明装置10から受信した点灯または消灯イベント信号受信に基づく処理であり、即ちリモコン11からの点灯または消灯イベント信号が他の照明装置10で中継送信されたものを受信した結果行う処理である。このためステップS9、S10では更に他の照明装置への点灯または消灯イベント信号の中継送信(再中継)は行わない例としている。
続いてステップS12でリモコン11から送信された点灯イベント信号受信の有無を判別し、点灯イベント信号受信を判別するとステップS13でLED照明部16のLED18を点灯する。このとき、LED18、LED22の作動制御はステップS9と同様に種々行うことができる。続いてステップS14で点灯イベント信号を送信する。
続いてステップS15でリモコン11から送信された消灯イベント信号受信の有無を判別し、消灯イベント信号受信を判別するとステップS16でLED照明部16のLED18を消灯する。ステップS13でLED22も作動させている場合には、これも消灯する。続いてステップS17で消灯イベント信号を送信する。
なお、ステップS3、S9、S13でLED照明部16のLED18を点灯している場合、多機能スイッチ20の長押操作を検出するとLED照明部16のLED18を消灯するが、この処理は省略している。
続いて図10のステップS18に進み、多機能スイッチ20の短押操作検出の有無を判別している。ステップS18で多機能スイッチ20の短押操作検出有りを判別するとステップS19に進み、LED照明部16のLED18を点灯する。続いてステップS20で所定時間T11、例えばT11=2分30秒経過したか否か判別しており、T11未満の場合はステップS21で多機能スイッチ20の長押操作検出の有無を判別し、長押操作検出無しを判別した場合は、ステップS22でメモリ32に電池電圧低下フラグがセットされているか否か判定し、電池電圧低下フラグセットを判別するとステップS23に進み、電池電圧低下を示す音声メッセージを出力する。
なお、ステップS21で多機能スイッチ20の長押操作検出有りを判別するとステップS28に進んでLED照明部16のLED18を消灯する。
ステップS20で所定時間T11経過を判別するとステップS24に進み、消灯予告の音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力させる。続いてステップS25で所定時間T12、例えばT12=30秒経過したか否か判別しており、T12未満の場合はステップS26で多機能スイッチ20の長押操作検出の有無を判別し、長押操作検出無しを判別した場合はステップS27で多機能スイッチ20の短押操作検出の有無を判定する。
ステップS27で多機能スイッチ20の短押操作検出有りを判定した場合はステップS20に進み、再度、所定時間T11を経過したか否かの判定に入る。なお、ステップS26で多機能スイッチ20の長押操作検出有りを判別するとステップS28に進んでLED照明部16のLED18を消灯する。
ステップS25で所定時間T12の経過を判別するとステップS28に進み、LED照明部16のLED18を消灯する。続いてステップS29で多機能スイッチ20の長押操作検出の有無を判別しており、長押操作検出有りを判別するとステップS30に進み所定の内部点検を実行する。
続いてステップ31で点検結果は正常か否か判別し、正常判別の場合はステップS32に進み、正常を示す音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力させる。ステップS31で障害判別の場合は、ステップS33で障害を示す音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力させる。
なお、ステップS22やステップS31で電池電圧低下や障害検出が判定された場合にはスピーカ56からの警報音およびLED22の表示で警報すると共に障害イベント信号を送信し、また障害復旧が検出された場合には当該障害警報を停止すると共に障害復旧イベント信号を送信するようにする。一方、障害イベント信号や障害復旧イベント信号受信に係る処理は、ステップS2〜ステップS5の、火災や火災復旧イベント信号受信に係る処理と同様になる。ただし、スピーカ56の出力機能に関する障害発生の場合には、警報音は出力されない。
図11及び図12は図7の住警器100における監視処理の例を示したフローチャートである。図11において、住警器100の電池電源140による電源供給が開始されると、ステップS41で初期化、自己診断を実行し、異常がなければステップS42に進み、火災を監視している。センサ部134の検煙部116から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップS42で火災を判別してステップS43に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含む火災イベント信号を無線送信した後、ステップS44で報知部136のスピーカ156からの音声メッセージやブザー音等による警報音とLED122の点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
続いて、ステップS45でセンサ部134の検煙部116からの煙検出信号レベルが低下して火災状態が解消する火災復旧の有無を判別しており、火災復旧有りを判別するとステップS46で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含む火災復旧イベント信号を他の住警器100や照明装置10に送信した後、ステップS47でスピーカ156からの警報音とLED122の点灯による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED122による警報表示は警報音の停止から所定時間経過後に消灯しても良い。
続いてステップS48で自己の警報停止スイッチ120の操作有無を判別し、スイッチ操作が判別されるとステップS49で警報中か否かを判別する。ステップS49で警報中が判別されると、ステップS50に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含む警報停止イベント信号を他の住警器100や照明装置10に送信し、更にステップS51に進んでスピーカ156からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED122の点灯による警報表示を消灯する。なお、このときもLED122は警報音の停止から所定時間経過後に消灯しても良い。
ステップS49で警報中でないと判別した場合には、所定の点検動作を実施して結果を報知するようにしているが、図示を省略している。
続いて図12のステップS52に進み、他の住警器100から送信された、または照明装置10から中継送信された火災イベント信号受信の有無を判別している。火災イベント信号受信を判別すると、ステップS53に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ156から警報音を出力し、LED122の点滅による警報表示を行う。
次にステップS54で他の住警器100から送信された、または照明装置10から中継送信された火災復旧イベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧イベント信号を受信すると、ステップS55に進んで連動先の警報として行っているスピーカ156からの警報音出力とLED122の点滅による警報表示を停止する。
次にステップS56で他の住警器100から送信された、または照明装置10から中継送信された警報停止イベント信号受信の有無をチェックしており、警報停止イベント信号の受信を判別すると、ステップS57に進んで警報中か否かを判別し、警報中を判別するとステップS58に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止させる。
図13は本発明による照明装置の他の実施形態を示したブロック図である。図13において、本実施形態の照明装置10はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、記録回路部(メモリ)32、LED照明部16、多機能スイッチ20を備えた操作部38及び電池電源40を設けているが、図4の実施形態で設けている報知部36は除いた構成としている。
プロセッサ28にはイベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62及び照明制御部64が設けられ、それぞれ図4の実施形態と基本的に同じであるが、報知部36を設けていないことに対応し、照明制御部64は火災イベント信号受信または点灯イベント信号受信を検出しても警報動作(報知部での報知動作)は行わないようにしている点で相違する。なお、LED照明部16にはLED18を備えている。
図13の照明装置10は図1の住宅25に示すと同様に設置され、火災を示すイベント信号を受信した場合、または点灯イベント信号を受信した場合、LED照明部16のLED18を点灯する。また点灯イベント信号を受信した場合には、必要に応じて点灯イベント信号を中継送信する。
多機能スイッチ20の押分操作と機能は図5の「警報と連動点灯」の状態が「連動点灯」となる点で相違するが、それ以外は同じになる。
この結果、図13の照明装置10にあっても、通常状態で多機能スイッチ20の短押操作を検出すると所定時間T1のあいだLED照明部16のLED18を点灯して自動消灯するが、消灯前の消灯予告は行われない。勿論、点灯中に多機能スイッチ20を短押操作すれば、自動消灯せずに更に所定時間T1のあいだ点灯を継続する。
更に、音声メッセージを出力する報知部が設けられていないため、電池電圧低下検出部や点検制御部の機能も除かれている。
本発明による非常時照明システムの他の実施形態として、図4の実施形態の照明装置10と図13に示した照明装置10とを適宜混在させたシステムを構築することができる。
またリモコン11による照明装置10の点灯指示方法としては、例えばリモコン11に照明装置10の番号指定などによる選択機能を設け、リモコン11で必要な照明装置10を選択して点灯させるようにもできる。
なお、上記の実施形態は照明装置と連動する警報器として、火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した非常時照明システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した非常時照明システムについても同様に適用できる。
また、上記の実施形態にあっては、多機能スイッチ20の第1の操作を短押操作とし、第2の操作を長押操作としているが、逆に、多機能スイッチ20の第1の操作を長押操作とし、第2の操作を短押操作としても良い。
また、本発明の非常時照明システムは、警報器および照明装置がそれぞれ1台であることを妨げない。
また、照明装置と警報器間の連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
また、本発明の非常用照明システムの警報器として、例えば特許文献5として示したような照明機能つきの各種住警器、警報器を適用することもできる。
また、上記の実施形態に示した照明装置10のLED18は複数である必要は無く、1つであっても良い。
また、リモコン11と照明装置10との間の通信は、無線を使用したイベント信号によるものでなく、例えば赤外線で所定のオン・オフ符号を送信(受信)するものであっても良い。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する照明装置と住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。この場合、電池電圧低下検出機能は不要となる。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は消費電力の少ないLED照明部を例にとるものであったが、LED以外の照明素子を用いた照明部であっても良い。
また、上記の実施形態は照明装置に照明部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、照明部と照明制御部を別体とした照明装置であっても良い。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。