JP5839702B2 - 建物ユニットおよびユニット式建物 - Google Patents
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Description
従来、例えば玄関部分を構成する建物ユニットとして、ある側面の床梁をなくすか、または当該床梁を短く形成し、この側面における2本の柱間に、当該短く形成した床梁によって下端部間が結合されるように更に中間柱を設けることで、かかる側面の床梁部分に建具の一つである玄関扉を配設するための開口部を形成した建物ユニットが用いられることがあった(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、一般的な建物では玄関部分に土間が設けられており、当該土間は他の床面に比べて一段低い高さで形成されることになる。このため、玄関部分を構成する建物ユニットでは、ある側面の床梁をなくしたり、短くしたりすることで土間と、当該土間に対して階高な床面とを形成するようにしていた。
このような階高ユニットによれば、通常の建物ユニットとの高低差を利用して一段低い土間を形成できるようになっている。
そこで、特許文献2のように、通常の建物ユニットよりも高さ寸法が大きく(長く)形成された階高ユニットを利用することが考えられるが、この階高ユニットは、四隅すべての柱が通常の建物ユニットよりも長い分、当該階高ユニットを載置する基礎を、他の建物ユニットを載置する基礎よりも低く形成しなければならず、建築作業が煩雑化する場合があった。
四隅に立設された柱11a〜11dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dによって連結して形成されており、
前記四本の床梁13a〜13dのうち、一本または二本の床梁13a(〜13d)が、前記柱11a〜11dの高さ方向において、前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部14を有し、
前記四隅に立設された柱11a〜11dのうち、前記延出部14に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に突出するように長く設定され、
前記延出部14に配置された柱の下端部が前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に突出する分、前記床梁13b,13dから下方へ延在する補助柱11e,11fを備え、
前記補助柱11e,11fの下端部と前記延出部14に配置された柱の下端部とが、補助床梁13f,13gによって連結されていることを特徴とする。
これによって、延出部14に玄関扉16等の建具や、土間15を容易に配設できる。このとき、建具を保持するための建具枠16aは予め延出部14に配置された床梁13a(〜13d)に対して強固に固定することができる。
従って、建物ユニット1では、床梁13a〜13dをなくしたり短くしたりせずに、土間15や玄関扉16を配設できる分、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、耐力や剛性の低下を防止することができる上、建具(玄関扉16等)の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる。
また、建物ユニット1は、四隅に立設された柱11a〜11dのうち、延出部14に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニット2のおける床梁23の位置よりも下方に突出するように長く設定されるので、当該延出部14に例えば土間15や建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16a等を容易に配設することができる。
さらに、四隅に柱11a〜11dを配置しているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
前記四本の床梁13a〜13dのうち、前記延出部14に配置された床梁13a(〜13d)以外の他の三本〜一本の床梁13b(〜13d,13a)が、前記柱11a〜11dの高さ方向において、前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
これによって、延出部14以外に配置された床梁13b(〜13d,13a)上に形成される床面17と、通常の建物ユニット2の床梁23上に形成される床面24とを、柱11a〜11d(21)の高さ方向において略等しい位置に配置することができ、これら建物ユニット1と同一階で隣接する通常の建物ユニット2との床面17,24を、段差のない面一に形成できる。
前記延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが前記延出部14に固定されていることを特徴とする。
これによって、例えば床梁をなくしたり短くしたりして玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、玄関扉16等の建具を設置するためのコストや手間を省略できるとともに、建物ユニット1に玄関扉16を容易に設置することができる。
また、建物ユニット1は、延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、建具枠16aを建物ユニット1に取り付けた状態で輸送したり、現場で施工したりすることができる。
前記建物ユニット1と複数の前記通常の建物ユニット2とからなる建物本体3を備えており、
前記建物本体3は、前記建物ユニット1が載置される載置部4(基礎等)を有しており、
前記載置部4のうち、前記建物ユニット1の前記延出部14に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該載置部4における高さ寸法が低く形成されていることを特徴とする。
例えば、建物ユニット1を下階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部4としては基礎が相当し、この基礎のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13a(〜13d)や、柱11a,11b(11c,11d))に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該基礎(載置部4)における高さ寸法が低く形成される。
また、建物ユニット1を上階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部としては下階に配置される建物ユニット1または通常の建物ユニット2の上方側(すなわち、天井梁12a〜12dまたは天井梁22…および、これら天井梁12a〜12dまたは天井梁22…によって連結される柱11a〜11dまたは柱21…の上端部)が相当し、この載置部のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13a(〜13d)や、柱11a,11b(11c,11d))に対応する部分(すなわち、天井梁12a(〜12d)または天井梁22や、この天井梁12a(〜12d)または天井梁22によって連結される柱11a,11b(11a〜11dのうち対応する二本)または柱21,21)は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されている。
よって、建物本体3を構成する際、所望の位置に載置部4を設け、これに延出部14に対応する部分4aを形成すれば、建物ユニット1を所望の位置に配置できるので、建物本体3において建物ユニット1を自由に配置することができ、建物本体3のレイアウトに自由度を持たせることができる。
かくして、このユニット式建物では、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、建物ユニット1を容易に設置することができる分、建物ユニット1の設置に係る建築作業を格段と簡略化できる。
また、このような建物ユニット1の設置作業において、載置部4の延出部14に対応する部分4aに対し、建物ユニット1の延出部14を合致するように載置するだけで、当該建物ユニット1を位置決めした状態で正確に設置することができる利点も兼ね備えている。
しかも、建物ユニット1は四隅に柱11a〜11dが配設されているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
これにより、建物本体3において、建物ユニット1の延出部14を介して他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を配置する場合、当該延出部14に配設される建具枠16aが、その下辺部を延出部14内(すなわち、建具枠16aが取り付けられる床梁13a(〜13d)の上端部と床面17との間)に収められるので、当該建具枠16aの下辺部が床面17から上方の天井側へ向かって突出することを防止することができる。従って、建物ユニット1が、延出部14を介して建物ユニット1や、通常の建物ユニット2と隣接する場合、自身の床面17と、隣接する建物ユニット1や、通常の建物ユニット2の床面17,24と、をほぼ面一で構築することができる。
また、延出部14において、床梁13a(〜13d)がその他の床梁13b〜13d(13a〜13dのうちの延出部14に配置された床梁を除くいずれか三本〜一本)よりも前記下方に位置する量(すなわち、当該下方への突出量)は、当該床梁13a(〜13d)に取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法と略等しいので、例えば、延出部14に土間等を設ける場合に比べて、床梁13a(〜13d)の下方への突出量を最小限に抑えることができる。
従って、建物本体3を構築する際に、当該建物ユニット1を載置する(設置する)載置部4(基礎等)の形成作業において、延出部14の床梁13a(〜13d)に対応する部分4aを形成するための形成作業を一段と簡略化できる。
図1,図2は本発明に係る建物ユニット1と、複数の通常の建物ユニット2とを組み合わせて構築されるユニット式建物の一例を示す斜視図であり、図3は、本発明に係る建物ユニット1であり、一例として、一方の短辺方向に設けた延出部14に土間15を設置した状態を示す斜視図である。この建物ユニット1は、図1,図2に示すような、規定寸法L1a,L2aに基づく大きさで略直方体状に形成された通常の建物ユニット2とともに複数組み合わされることによって構築されるユニット複数式建物の建物本体3に、土間15や、玄関扉16等の建具を設置するための延出部14を形成するものである(図3参照)。
つまり、これら規定寸法L1a,L2aは、建物ユニット1と通常の建物ユニット2とが、同一の規格に基づいて設計・製造されたものであることを示すものである。そして、このような建物ユニット1は、通常の建物ユニット2とほぼ同一の規格で形成されているため、通常の建物ユニット2と同じように、ユニット式建物に対して確実に組み込めるようになっている。延いては、ユニット式建物全体が、規定寸法L1a,L2aを定義する規格(モジュール)に基づいて設計・構築されることとなる。
建物ユニット1は、これら四隅の柱11a〜11dと、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dと、によって箱形に形成される内部空間10を有している。そして、他の通常の建物ユニット2とともにユニット式建物の内部空間を形成するものである。すなわち、建物ユニット1の内部には、ユニット式建物における居室等の部屋が設けられることになる。
また、一方の長辺天井梁12bと他方の長辺天井梁12dとの間には、複数の天井小梁12e…が、建物ユニット1の長辺方向に間隔をあけて架設されている。なお、これら複数の天井小梁12e…の下面には、板部材が固定されることによって天井面18が形成されている。
また、一方の長辺床梁13bと他方の長辺床梁13dとの間には、複数の根太13e…が、建物ユニット1の長辺方向に間隔をあけて架設されている。なお、これら複数の根太13e…の上面には、板部材が固定されることによって床面17が形成されている。
かくして延出部14は、建物ユニット1から、当該建物ユニット1の一辺(ここでは、一方側の短辺)に沿って下方へ延出するように設けられている。
そして、延出部14の建具枠16aを取り付けられた床梁13aが、当該建具枠16aの下端部を備える下方の一辺(すなわち、建具枠16aの下辺部)の高さ寸法分、その他の床梁13b〜13dよりも柱11a〜11dの高さ方向において下方に位置するように配置されている。換言すれば、延出部14において、床梁13aは、取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法分、その他の床梁13b〜13dよりも前記下方へ突出した状態で配置されている。
このように、建物ユニット1は、上述のように形成された延出部14に、建具としての玄関扉16と、当該玄関扉16から続く土間15とを配設することによって、内部空間10にユニット式建物における玄関部分を形成している。従って、建物ユニット1は、後述するように、複数の通常の建物ユニット2と組み合わされて建物本体3を形成した場合に、ユニット式建物における玄関部分を構成するようになっている。
この建物本体3は、図1,図4および図5に示すように、建物ユニット1(複数の通常の建物ユニット2も同様)が載置される基礎等の載置部4を備えており、この載置部4上に配置されることによって構築される。
このとき、建物ユニット1は、延出部14を備えることによって、当該延出部14に配置された床梁13aが、通常の建物ユニット2における床梁23よりも柱11a〜11dの高さ方向において下方へ突出している。そのため、建物本体3は、建物ユニット1が配置される基礎(すなわち、載置部4)のうち、延出部14に対応する部分4aが、その他の部分(載置部4)よりも、前記下方へ突出している分、低く形成されるようになっている。
このような従来の建物ユニットを基礎上にアンカーボルトを介してそれぞれ設置し、その上部に力Pを加えてその変位がδであったときの剛性をK=1とすると、玄関部分の建物ユニットの剛性は、中間柱の位置に応じてK=1.5〜2程度の範囲で変化して他の建物ユニットよりも大きくなる。このため、これら建物ユニットと玄関部分の建物ユニットとを用いてユニット式建物を構成すると、玄関部分の建物ユニットのみが他の建物ユニットに比べて剛性が高くなるため、建物全体に加わる力が玄関部分の建物ユニットに集中してしまい構造的に問題となっていた。
これによって、延出部14に玄関扉16等の建具や、土間15を容易に配設できる。このとき、建具を保持するための建具枠16aは、予め延出部14に配置された床梁13aに対して強固に固定することができる。
従って、建物ユニット1では、床梁13a〜13dをなくしたり短くしたりせずに、土間15や玄関扉16を配設できる分、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、耐力や剛性の低下を防止することができる上、建具(玄関扉16等)の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる。
これによって、延出部14以外に配置された床梁13b〜13d上に形成される床面17と、通常の建物ユニット2の床梁23上に形成される床面24とを、柱11a〜11d(21)の高さ方向において略等しい位置に配置することができ、これら建物ユニット1と同一階で隣接する通常の建物ユニット2との床面17,24を、段差なくほぼ面一で形成できる。
また、四隅に柱11a〜11dを配置しているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
これによって、例えば床梁をなくしたり短くしたりして玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、玄関扉16等の建具を設置するためのコストや手間を省略できるとともに、建物ユニット1に玄関扉16を容易に設置することができる。
また、建物ユニット1は、延出部14に配置された床梁13aの上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、建具枠16aを建物ユニット1に取り付けた状態で輸送したり、現場で施工したりすることができる。
例えば、建物ユニット1を下階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部4としては基礎が相当し、この基礎のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13aや、柱11a,11b等)に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該基礎(載置部4)における高さ寸法が低く形成される。
また、建物ユニット1を上階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部としては下階に配置される建物ユニット1または通常の建物ユニット2の上方側(すなわち、天井梁12a〜12dまたは天井梁22…および、これら天井梁12a〜12dまたは天井梁22…によって連結される柱11a〜11dまたは柱21…の上端部)が相当し、この載置部のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13aや、柱11a,11b等)に対応する部分(すなわち、天井梁12aまたは天井梁22等や、これらによって連結される柱11a,11bの上端部または柱21,21の上端部等)は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されている。
よって、建物本体3を構成する際、所望の位置に載置部4を設け、これに延出部14に対応する部分4aを形成すれば、建物ユニット1を所望の位置に配置できるので、建物本体3において建物ユニット1を自由に配置することができ、建物本体3のレイアウトに自由度を持たせることができる。
かくして、このユニット式建物では、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、建物ユニット1を容易に設置することができる分、建物ユニット1の設置に係る建築作業を格段と簡略化できる。
しかも、建物ユニット1は四隅に柱11a〜11dが配設されているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
これにより、建物本体3において、建物ユニット1の延出部14を介して他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を配置する場合、当該延出部14に配設される建具枠16aが、その下辺部を延出部14内(すなわち、建具枠16aが取り付けられる床梁13aの上端部と床面17との間)に収められるので、当該建具枠16aの下辺部が床面17から上方の天井側へ向かって突出することを防止することができる。
従って、建物ユニット1が、延出部14を介して建物ユニット1や、通常の建物ユニット2と隣接する場合、当該建物ユニット1自体の床面17と、隣接する他の建物ユニット1や、通常の建物ユニット2の床面17,24と、をほぼ面一で構築することができる。
また、延出部14において、床梁13aがその他の床梁13b〜13dよりも前記下方に位置する量(すなわち、当該下方への突出量)は、当該床梁13aに取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法と略等しいので、例えば、延出部14に土間等を設ける場合に比べて、床梁13aの下方への突出量を最小限に抑えることができる。
従って、建物本体3を構築する際に、当該建物ユニット1を載置する(設置する)載置部4(基礎等)の形成作業において、延出部14の床梁13aに対応する部分4aを形成するための形成作業を一段と簡略化できる。
この場合、建物ユニット1は、図3との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、延出部14において、柱11a,11bの高さ方向における下方へ突出する大きさ(下方への突出量)を、床梁13aに取り付ける不図示のサッシを保持する建具枠における下辺部の高さ寸法と同程度とする。これにより、延出部14にサッシを配設した際に、床梁13aに取り付けられた建具枠の下端部分を有する当該建具枠の下辺部を、当該床梁13aの上端部と床面17との間の高さ寸法内に収めることができる。これにより、延出部14にサッシを配設した場合においても、当該サッシの建具枠における下辺部が、床面17から上方の天井側へ向けて突出することを回避することができる。従って、この延出部14をバルコニーやテラス等への出入口とする場合に、サッシを介して出入りするバルコニーやテラス等の床面と建物ユニット1の内部空間10に形成される部屋の床面17とをほぼ面一で形成することができる。
そして、下階の通常の建物ユニット2における前記低く形成された部位に、上階の建物ユニット1の延出部14が位置するように載置されることで、当該延出部14における前記下方への突出を吸収できようになっている。このため、当該上階の建物ユニット1に隣接して上階に通常の建物ユニット2(勿論、他の建物ユニット1でも良い)を配置する場合においても、これら建物ユニット1の床面17と通常の建物ユニット2の床面24とをほぼ面一で形成することが可能になっている。
2…通常の建物ユニット
3…建物本体
4…基礎(載置部)
11a〜11d…柱
12a〜12d…天井梁
13a〜13d…床梁
14…延出部
15…土間
16…玄関扉(建具)
16a…建具枠
17…床面
18…天井面
L1a…長辺寸法
L2a…短辺寸法
Claims (5)
- 規定寸法に基づく大きさで略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニットと組み合わされてユニット式建物を構築する建物ユニットであって、
四隅に立設された柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁および床梁によって連結して形成されており、
前記四本の床梁のうち、一本または二本の床梁が、前記柱の高さ方向において、前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部を有し、
前記四隅に立設された柱のうち、前記延出部に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に突出するように長く設定され、
前記延出部に配置された柱の下端部が前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に突出する分、前記床梁から下方へ延在する補助柱を備え、
前記補助柱の下端部と前記延出部に配置された柱の下端部とが、補助床梁によって連結されていることを特徴とする建物ユニット。 - 請求項1に記載の建物ユニットにおいて、
前記四本の床梁のうち、前記延出部に配置された床梁以外の他の三本〜一本の床梁が、前記柱の高さ方向において、前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置と略等しい位置に配置されていることを特徴とする建物ユニット。 - 請求項1または2に記載の建物ユニットにおいて、
前記延出部に配置された床梁の上端部に、建具を保持するための建具枠の下端部が取り付けられることによって、当該建具枠が前記延出部に固定されていることを特徴とする建物ユニット。 - 請求項1または2に記載の建物ユニットと、複数の前記通常の建物ユニットと、を組み合わせて構築されるユニット式建物であって、
前記建物ユニットと複数の前記通常の建物ユニットとからなる建物本体を備えており、
前記建物本体は、前記建物ユニットが載置される載置部を有しており、
前記載置部のうち、前記建物ユニットの前記延出部に対応する部分は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項4に記載のユニット式建物において、
前記建物ユニットの前記延出部には、当該延出部に配置された床梁の上端部に、建具を保持するための建具枠が、当該建具枠の下端部を取り付けられることによって固定されており、
前記延出部に配置された床梁は、取り付けられた前記建具枠における前記下端部を有する下辺部の高さ寸法分、その他の床梁よりも前記柱の高さ方向において下方に位置するように配置されていることを特徴とするユニット式建物。
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