JP5826996B2 - 音響信号変換装置およびそのプログラム、ならびに、3次元音響パンニング装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載された発明は、原音場での音響信号(原音響信号)の物理量を成分とする原音場ベクトルと、再生音場での音響信号(再生音響信号)の物理量を成分とする原音場ベクトルとの二乗誤差が最小となる変換行列を求め、原音響信号を、再生音場における予め定めたスピーカ(チャンネル)に対応する再生音響信号に変換するものである。
この特許文献2に記載された発明は、受音点における音圧の方向を示す音圧ベクトル等の音響物理量ベクトルを、音声エンジニアが想定する仮想音像と、実際の3次元音響システムにおいて複数のスピーカにより形成される音像とで一致させることで、音響信号を予め定めた複数のスピーカに対応する音響信号に変換するものである。
そして、音響信号変換装置は、再生チャンネル決定手段によって、記憶手段に記憶されている各スピーカの位置に基づいて、原スピーカごとに、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、当該原スピーカの方向を包含する3つの再生スピーカの組を決定する。これによって、1つの原スピーカの原音響信号を3次元空間上で再生可能な3つの再生スピーカが選択されることになる。
そして、音響信号変換装置は、音響信号分配手段によって、1以上のチャンネル数の原音響信号を、重み係数計算手段で計算された原スピーカに対する再生スピーカへの重み係数に基づいて分配して、再生スピーカに対応したチャンネル数の再生音響信号を生成する。
さらに、請求項2に記載の音響信号変換装置は、再生チャンネル決定手段が、原スピーカごとに、受音点を原点とした仮想球面において、原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する球面三角形選択手段と、を備える構成とした。
さらに、請求項3に記載の音響信号変換プログラムは、再生チャンネル決定手段が、原スピーカごとに、受音点を原点とした仮想球面において、原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択する構成とした。
さらに、請求項4に記載の音響信号変換プログラムは、再生チャンネル決定手段が、原スピーカごとに、受音点を原点とした仮想球面において、原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する。そして、重み係数計算手段が、3つの再生スピーカごとに計算した重み係数を仮の重み係数とし、さらに、その3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算する構成とした。
そして、3次元音響パンニング装置は、再生チャンネル決定手段によって、記憶手段に記憶されている再生スピーカの位置と指定された定位位置とに基づいて、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、定位位置の方向を包含する3つの再生スピーカの組を決定する。これによって、音源となる原音響信号を3次元空間上の定位位置で再生可能な3つの再生スピーカが選択されることになる。
そして、3次元音響パンニング装置は、音響信号分配手段によって、原音響信号を、重み係数計算手段で計算された重み係数に基づいて分配して、再生スピーカごとの再生音響信号を生成する。
さらに、請求項6に記載の3次元音響パンニング装置は、再生チャンネル決定手段が、受音点を原点とした仮想球面において、原点から定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する球面三角形選択手段と、を備える構成とした。
そして、3次元音響パンニング装置は、重み係数計算手段によって、3つの再生スピーカごとに計算した重み係数を仮の重み係数とし、さらに、球面三角形選択手段で選択された球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算する。これによって、原音響信号が3つの再生スピーカを組とする予め定めた組数の再生スピーカに分配されることになる。
さらに、請求項7に記載の3次元音響パンニングプログラムは、再生チャンネル決定手段が、受音点を原点とした仮想球面において、原点から定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、選択した3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択する構成とした。
さらに、請求項8に記載の3次元音響パンニングプログラムは、再生チャンネル決定手段が、受音点を原点とした仮想球面において、原点から定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する。そして、重み係数計算手段が、3つの再生スピーカごとに計算した重み係数を仮の重み係数とし、さらに、その3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形の面積の逆数に応じた比率を、当該仮の重み係数に乗算することで、再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算する構成とした。
請求項1〜4に記載の発明によれば、あるチャンネル数に対応する原音響信号を、そのチャンネル数と異なるチャンネル数に対応する再生音響信号に変換する際に、スピーカの位置さえ設定すれば、原音響信号をどの再生スピーカに割り当てるのかを人手を介さずに求めることができる。これによって、本発明は、臨場感を保ったまま、自動的に原音響信号を、チャンネル数の異なる再生音響信号に変換することができる。
請求項5〜8に記載の発明によれば、音源となる原音響信号を指定された定位位置に音像として定位させる複数チャンネルの再生音響信号を生成する際に、定位位置と、スピーカの位置さえ設定すれば、人手を介さず自動的に少ないチャンネル数の再生音響信号に変換することができる。これによって、本発明は、原音響信号を、少ないチャンネル数で明瞭に音像を再生させることが可能な再生音響信号に変換することができる。
<第1実施形態>
[音響信号変換装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る音響信号変換装置の構成について説明する。音響信号変換装置1は、あるチャンネル数(nチャンネル)の音響信号を、そのチャンネル数とは異なるチャンネル数(mチャンネル)の音響信号に変換するものである。なお、以下の説明において、入力されるnチャンネルの音響信号を、n次元ベクトル信号s(t)=(s1(t) s2(t) … sn(t))Tと表記することとし、出力されるmチャンネルの音響信号を、m次元ベクトル信号q(t)=(q1(t) q2(t) … qm(t))Tと表記する。なお、Tはベクトルの転置を示す。また、入力される音響信号(原音響信号)のチャンネルを原音チャンネル、出力される音響信号(再生音響信号)のチャンネルを再生チャンネルと呼ぶこととする。
このスピーカ位置入力手段20は、入力されたスピーカ位置情報を記憶手段30に書き込み記憶する。
この記憶手段30には、原スピーカ位置情報ξi=(σi,θi,φi)が、識別情報i=1,2,…,nに対応付けられて記憶され、再生スピーカ位置情報ζj=(σ′j,θ′j,φ′j)が、識別情報j=1,2,…,mに対応付けられて記憶される。
ここでは、重み行列演算手段40は、原音チャンネル選択手段41と、再生チャンネル決定手段42と、重み係数計算手段43と、を備えている。
このとき、再生チャンネル決定手段42は、受音点を原点とした仮想球面において、受音点からの原スピーカ方向を含み、受音点から3つの再生スピーカ方向によって構成される仮想球面上の球面三角形の中で、面積が最小となる3つの再生スピーカ方向に存在する再生スピーカを、1つの原音チャンネルに対する再生チャンネルとして特定する。これによって、原音チャンネルの音響信号を分配する3つの再生チャンネルを特定することが可能になる。
ここでは、再生チャンネル決定手段42は、包含関係判定手段42aと、球面三角形選択手段42bと、を備えている。
このとき、原スピーカ方向ξが、3つの再生スピーカ方向ζj,j=1,2,3に含まれるか否かは、ベクトル積を用いて判定することができる。
ここで、3つのベクトル積を、以下の(1)式で定義する。
そこで、包含関係判定手段42aは、以下の(2)式に示す論理式が満たされる場合に、原スピーカ方向ξが3つの再生スピーカ方向ζjに含まれていると判定する。
このように、包含関係判定手段42aは、この(2)式を満たす、原スピーカ方向ξに対する3つの再生スピーカ方向ζj,j=1,2,3の組を複数特定し、球面三角形選択手段42bに出力する。
なお、再生チャンネル決定手段42は、原音チャンネル選択手段41から、順次原音チャンネルが選択されるたびに、順次当該原音チャンネルに対応した3つの再生チャンネルを決定する。
このように、重み係数計算手段43は、1つの原スピーカが再生する音響信号を、3つの再生スピーカで再生するための各スピーカへの分配比率(重み係数)を、原スピーカの数だけ計算する。
これによって、重み係数計算手段43は、nチャンネルの音響信号を、mチャンネルの音響信号に変換するための重み行例Wを生成する。
これによって、音響信号変換装置1は、スピーカの位置情報さえ入力されれば、元の音響信号に基づく臨場感を保ったまま、異なるチャンネル数の音響信号に変換することができる。
また、音響信号変換装置1は、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(音響信号変換プログラム)により動作させることができる。
次に、図4を参照(構成については適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係る音響信号変換装置の動作について説明する。
そして、音響信号変換装置1は、音響信号分配手段50によって、ステップS2〜S6で生成された重み(重み係数)を用いて、nチャンネルの音響信号の各周波数成分に対して重み加算演算を行うことで音響信号を分配し、mチャンネルの音響信号を生成する(ステップS8)。
以上の動作によって、音響信号変換装置1は、スピーカの位置を設定するだけで、nチャンネルの音響信号を、チャンネル数の異なるmチャンネルの音響信号に変換することができる。
次に、図5を参照して、前記(8)式により、受音点において音響物理量が一致する原理について説明する。図5は、nチャンネルの音響信号を、m×nの重み行列Wを用いて、mチャンネルの音響信号に変換した際の受音点における音響物理量を一致させる重み係数を説明するための図である。
すなわち、図5に示すように、nチャンネルの音響信号s(t)をフーリエ変換した後の音響信号s(ω)を原スピーカ位置に基づく音場の音響伝搬により伝搬した際の受音点での音響物理量と、音響信号s(ω)にm×n重み行列Wを掛けることで生成したmチャンネルの音響信号q(ω)を再生スピーカ位置に基づく音場の音響伝搬により伝搬した際の受音点での音響物理量とが一致すればよい。
ここで、(a)〜(e)の仮定をおく。
(a)各スピーカは点音源で近似できる。
(b)スピーカから単位距離の点における音圧は、スピーカ入力信号の音圧に比例する(ここで、比例係数をGとする)。
(c)スピーカからの進行波のみを考慮する。
(d)室内での反射音は、スピーカからの直接音に比べ無視できるものとする。
(e)kσmin≪1と仮定する(kは波数であり、σminはスピーカと受音点との距離のうち最小のものを表す)。
ここで、受音点を原点とする極座標を用いて、スピーカの位置(σ,θ,φ)を表す。また、スピーカの方向はσを省略し(θ,φ)と表す。なお、σは受音点からの距離、θは方位角、φは仰角である。
次に、図6〜図8を参照して、スーパーハイビジョン用22.2マルチチャンネルシステムの音響信号のうち、LFEチャンネルを除いた22チャンネルの音響信号を、10チャンネルの音響信号に変換する例について説明する。
なお、図6,図7は、各スピーカを、受音点から、同一距離、すなわち、同一球面上に配置した例を示している。
図8に示した表のうち、左欄は、原音響空間のスピーカ(原スピーカ)の方向、すなわち、図6に示した22.2マルチチャンネルシステムの原スピーカ位置の方向を示している。また、右欄のうち、上欄は、左欄の原スピーカの音響信号を分配する3つの再生音響空間のスピーカ(再生スピーカ)の方向、すなわち、図7に示した10チャンネルの再生スピーカ位置の方向のうち3つの方向を示している。また、右欄のうち、下欄は、上欄の各再生スピーカ方向に対して左欄の原スピーカに対する音響信号を分配する重み係数を示している。
[3次元音響パンニング装置の構成]
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る3次元音響パンニング装置(音響信号変換装置)の構成について説明する。3次元音響パンニング装置2は、音源となる1チャンネルの音響信号を、複数のチャンネル数の音響信号に変換するものである。すなわち、3次元音響パンニング装置2は、1チャンネルの音響信号を、3次元音響空間において、複数のチャンネル(スピーカ)によって音像として定位させる音響信号を生成するものである。
ここでは、スピーカ位置情報を、受音点を原点とする極座標で表し、再生チャンネルのスピーカ(再生スピーカ)の位置(再生スピーカ位置情報)を、ζj=(σ′j,θ′j,φ′j),j=1,2,…,mと表記する。なお、σ′jは受音点からの距離、θ′jは方位角、φ′jは仰角である。このスピーカ位置入力手段20Bは、入力したスピーカ位置情報を記憶手段30Bに書き込み記憶する。
また、入力される音響信号は1チャンネルであるため、再生チャンネル(再生スピーカ)の数がm個であれば、重み行列演算手段40Bは、重み係数計算手段43において、前記(10)式で、m(行)×1(列)の重み行列Wを生成することになる。
重み行列演算手段40B内部の他の構成については、重み行列演算手段40と同一であるため、説明を省略する。
この定位位置入力手段70は、入力された定位位置情報を重み行列演算手段40Bに出力する。
次に、図10を参照(構成については適宜図9参照)して、本発明の第2実施形態に係る3次元音響パンニング装置の動作について説明する。
以上の動作によって、3次元音響パンニング装置2は、音像の定位位置およびスピーカの位置を設定するだけで、1チャンネルの音源の音響信号を、音像を定位させる複数のチャンネルの音響信号に変換することができる。
以上、本発明の実施形態に係る音響信号変換装置1および3次元音響パンニング装置2の構成および動作について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、ここでは、重み行列演算手段40,40Bは、包含関係判定手段42aによって、原スピーカ方向(定位位置方向)が、3つの再生スピーカ方向に包含されるか否かを、ベクトル積を用いた論理式(前記(2)式参照)で求めた。
しかし、重み行列演算手段40,40Bは、球面三角形選択手段42bによって、仮想球面上において、原スピーカ方向に対応する位置と、この位置を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカ方向に対応する位置との距離をそれぞれ計算し、この3つの距離の総和が最小となる球面三角形を選択することとしてもよい。
2 3次元音響パンニング装置
10 フーリエ変換手段
20,20B スピーカ位置入力手段
30,30B 記憶手段
40,40B 重み行列演算手段
41 原音チャンネル選択手段
42 再生チャンネル決定手段
42a 包含関係判定手段
42b 球面三角形選択手段
43 重み係数計算手段
50 音響信号分配手段
60 フーリエ逆変換手段
70 定位位置入力手段
Claims (8)
- 1以上のチャンネル数の原音響信号をチャンネル数の異なる再生音響信号に変換する音響信号変換装置において、
前記原音響信号のチャンネルに対応する原スピーカの位置と、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの位置とを記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている各スピーカの位置に基づいて、前記原スピーカごとに、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、当該原スピーカの方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段と、
前記原スピーカの位置と、当該原スピーカに対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原スピーカに対応する原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段と、
前記1以上のチャンネル数の原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された原スピーカに対する再生スピーカへの重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカに対応したチャンネル数の再生音響信号を生成する音響信号分配手段と、を備え、
前記再生チャンネル決定手段は、
前記原スピーカごとに、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、
この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択する球面三角形選択手段と、を備えることを特徴とする音響信号変換装置。 - 1以上のチャンネル数の原音響信号をチャンネル数の異なる再生音響信号に変換する音響信号変換装置において、
前記原音響信号のチャンネルに対応する原スピーカの位置と、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの位置とを記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている各スピーカの位置に基づいて、前記原スピーカごとに、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、当該原スピーカの方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段と、
前記原スピーカの位置と、当該原スピーカに対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原スピーカに対応する原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段と、
前記1以上のチャンネル数の原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された原スピーカに対する再生スピーカへの重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカに対応したチャンネル数の再生音響信号を生成する音響信号分配手段と、を備え、
前記再生チャンネル決定手段は、
前記原スピーカごとに、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、
この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する球面三角形選択手段と、を備え、
前記重み係数計算手段が、前記3つの再生スピーカごとに計算した前記重み係数を仮の重み係数とし、さらに、前記球面三角形選択手段で選択された球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、前記再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算することを特徴とする音響信号変換装置。 - 1以上のチャンネル数の原音響信号をチャンネル数の異なる再生音響信号に変換するために、コンピュータを、
前記原音響信号のチャンネルに対応する原スピーカごとに、3次元音響空間における受音点を原点として、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの中で3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、当該原スピーカの方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段、
前記原スピーカの位置と、当該原スピーカに対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原スピーカに対応する原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組のそれぞれに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段、
前記1以上のチャンネル数の原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された原スピーカに対する再生スピーカへの重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカに対応したチャンネル数の再生音響信号を生成する音響信号分配手段、として機能させ、
前記再生チャンネル決定手段が、前記原スピーカごとに、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択することを特徴とする音響信号変換プログラム。 - 1以上のチャンネル数の原音響信号をチャンネル数の異なる再生音響信号に変換するために、コンピュータを、
前記原音響信号のチャンネルに対応する原スピーカごとに、3次元音響空間における受音点を原点として、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの中で3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、当該原スピーカの方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段、
前記原スピーカの位置と、当該原スピーカに対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原スピーカに対応する原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組のそれぞれに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段、
前記1以上のチャンネル数の原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された原スピーカに対する再生スピーカへの重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカに対応したチャンネル数の再生音響信号を生成する音響信号分配手段、として機能させ、
前記再生チャンネル決定手段が、前記原スピーカごとに、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から当該原スピーカの方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該原スピーカの方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択し、
前記重み係数計算手段が、前記3つの再生スピーカごとに計算した前記重み係数を仮の重み係数とし、さらに、前記再生チャンネル決定手段で面積の小さい順に選択された3つの再生スピーカで特定される球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、前記再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算することを特徴とする音響信号変換プログラム。 - 音源となる原音響信号を指定された定位位置に音像として定位させる複数チャンネルの再生音響信号を生成する3次元音響パンニング装置において、
前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの位置を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている再生スピーカの位置と指定された定位位置とに基づいて、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、前記定位位置の方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段と、
前記定位位置と、当該定位位置に対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段と、
前記原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカごとの再生音響信号を生成する音響信号分配手段と、を備え、
前記再生チャンネル決定手段は、
前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から前記定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、
この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択する球面三角形選択手段と、を備えることを特徴とする3次元音響パンニング装置。 - 音源となる原音響信号を指定された定位位置に音像として定位させる複数チャンネルの再生音響信号を生成する3次元音響パンニング装置において、
前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの位置を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている再生スピーカの位置と指定された定位位置とに基づいて、3次元音響空間における受音点を原点として、3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、前記定位位置の方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段と、
前記定位位置と、当該定位位置に対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組の各位置とに基づいて、前記原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段と、
前記原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカごとの再生音響信号を生成する音響信号分配手段と、を備え、
前記再生チャンネル決定手段は、
前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から前記定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択する包含関係判定手段と、
この包含関係判定手段で選択された3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択する球面三角形選択手段と、を備え、
前記重み係数計算手段が、前記3つの再生スピーカごとに計算した前記重み係数を仮の重み係数とし、さらに、前記球面三角形選択手段で選択された球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、前記再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算することを特徴とする3次元音響パンニング装置。 - 音源となる原音響信号を指定された定位位置に音像として定位させる複数チャンネルの再生音響信号を生成するために、コンピュータを、
3次元音響空間における受音点を原点として、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの中で3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、前記定位位置の方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段、
前記定位位置と、当該定位位置に対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組に各位置とに基づいて、前記原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段、
前記原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカごとの再生音響信号を生成する音響信号分配手段、として機能させ、
前記再生チャンネル決定手段が、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から前記定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、選択した3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積が最小となる球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を選択することを特徴とする3次元音響パンニングプログラム。 - 音源となる原音響信号を指定された定位位置に音像として定位させる複数チャンネルの再生音響信号を生成するために、コンピュータを、
3次元音響空間における受音点を原点として、前記再生音響信号のチャンネルに対応する再生スピーカの中で3つの再生スピーカの方向で特定される方向領域に、前記定位位置の方向を包含する前記3つの再生スピーカの組を決定する再生チャンネル決定手段、
前記定位位置と、当該定位位置に対して前記再生チャンネル決定手段で決定された再生スピーカの組に各位置とに基づいて、前記原音響信号の前記受音点における音響物理量と、前記決定された再生スピーカの組に対応する再生音響信号の前記受音点における音響物理量とが一致するように予め定めた演算式により、前記再生スピーカの組の各再生スピーカに対する前記原音響信号の分配比率を、重み係数として計算する重み係数計算手段、
前記原音響信号を、前記重み係数計算手段で計算された重み係数に基づいて分配して、前記再生スピーカごとの再生音響信号を生成する音響信号分配手段、として機能させ、
前記再生チャンネル決定手段が、前記受音点を原点とした仮想球面において、前記原点から前記定位位置の方向が、3つの再生スピーカの方向で特定される球面三角形に包含されるか否かを判定し、当該定位位置の方向を包含する球面三角形を構成する3つの再生スピーカの方向を複数選択し、その選択した3つの再生スピーカの方向で特定される前記球面三角形の面積の小さい順に予め定めた数の球面三角形を構成する3つの再生スピーカの組を複数選択し、
前記重み係数計算手段が、前記3つの再生スピーカごとに計算した前記重み係数を仮の重み係数とし、さらに、前記再生チャンネル決定手段で面積の小さい順に選択された3つの再生スピーカで特定される球面三角形の面積の逆数に応じた値を、当該仮の重み係数に乗算することで、前記再生スピーカに対する原音響信号の重み係数を計算することを特徴とする3次元音響パンニングプログラム。
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