JP5825047B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
ランプ光源LSは、ランプLPとリフレクタRFを有し、ライトバルブLBを照明するための照明光を放射する。
これらのうち、前者は「従来技術の延長で超至近投射を実現きる」が、スクリーン面に近いレンズが大径化し易く、プロジェクタ装置としての大きさが増大しがちである。
このため、凸面ミラーとスクリーンの間に「凸面ミラー保護用の防塵ガラス」を設置する場合を考えると、超至近投射では、単調拡大する結像光束径の拡大が急激であることから「防塵ガラスのサイズ」が大型化しやすく、プロジェクタ装置としての重さ・コストの面で問題なしとしない。
従って、防塵ガラスを有するフロントプロジェクタ(スクリーンに対して正面から画像を投射するプロジェクタ装置)で凹面ミラーを用いると、凹面ミラーから防塵ガラスに入射する光線角度は、スクリーン上の画像端部に向かう光ほど、急峻になる。
レンズ群Aに、図2の左方から光束を入射させる。説明の簡単のため、入射させる光線は平行光束であるとする。このとき、ライトバルブLBの画像表示面を、レンズ群Aの焦点面に合致させておけば、入射光束は、画像表示面上に集光する。
湾曲した像面は、レンズ群Aによる集光点であるから「ライトバルブ側のアンダーの像面湾曲」は、レンズ群Aの正の屈折力、即ち、集光力が、光軸からの傾き角の増大と共に強くなることを意味する。即ち、レンズ群Aの「見かけ上の焦点距離」は、光軸に対して傾く程、短くなる。
即ち、画像表示面の中心部からレンズ群Aに入射する光束は、レンズ群Aを透過すると平行光束となるが、画像表示面の周辺部からレンズ群Aに入射する光束は、レンズ群Aに対する物体距離が、レンズ群Aの上記見かけの焦点距離よりも長くなり、このため、レンズ群Aを透過すると収束光束になり、入射瞳に入射する光量が増大する。
図3、図4で、ライトバルブLBから「投射光学系の入射瞳E」までの距離を同一に揃え、ライトバルブLBの中心(レンズ群Aおよび投射光学系の光軸に合致する部分)から放射される光線束のうち、入射瞳内に取り込める光量と、ライトバルブLBの端部(周辺部)から放射される光線束のうち、入射瞳内に取り込める光量の比を比較した。
なお、上記両シミュレーションにおいて、レンズLは光利用効率には関係しない。
以下に挙げる実施例1〜3のうち、実施例1と実施例2は、正の屈折力を有するレンズ群Aが「1枚の凸レンズ」で構成されたものであり「参考例」であるが、混同の恐れはないと思われるので、以下においてそれぞれ、実施例1、実施例2と記する。この発明の画像表示装置の実施例は從って実施例3である。
画像表示装置の具体的な実施例1を、図5に示す。
図5(a)は、被投射面であるスクリーンSCの上下方向(Y方向)と法線方向(Z方向)に平行な面における断面図であり、図5(b)は、スクリーンSCの左右方向(X方向と法線方向(Z方向)に平行な面における断面図である。
ライトバルブの画像表示面で反射され、表示画像により強度変調された光は、図6に示すように、入射瞳(LGAによる開口絞りSの像)に向かって進み、開口絞りSを介して屈折光学系POSLに取込まれる。
図6に示すように、正の屈折力を持つレンズ群A(LGA)を配置し、そのアンダーの像面湾曲の作用により、画像表示面中心の画素(屈折光学系POSLの光軸に最も近い画素)よりも、画像表示面周辺部の画素(上記光軸から最も遠い画素)の「光取り込み量」を増加させ、開口絞りSを通過した時点で「画像中心からの光量よりも、画像周辺部からの光量の方が多い状況」を作ることで、スクリーンSC上での「光量分布一様性の向上」に寄与することができる。
この点を考慮すると、レンズ群Aを構成するレンズ枚数は、最小枚数、即ち「投射光学系の収差補正のバランスが取れる最小枚数」とするのがよく、好ましくはLGAを1枚のレンズ、あるいは後述の実施例3のように「正・負・正の3枚のレンズ」で構成するのがよい。
「偏芯Y」は、LGAおよび屈折光学系POSLの光軸の「Y方向(図5(a)に示す上下方向)のマイナス側(図5(a)の下方側)」へのシフト量を「mm」単位で示す。
非球面は、近軸曲率(近軸曲率半径の逆数):C、楕円定数(コーニック定数):K、高次の非球面係数:E2j(j=2、3、4、5、6、7、8)、光軸直交方向の座標:H、光軸方向のデプス:Dにより、周知の式、
D=CH2/[1+√{1−(1+K)C2H2}]
+ΣE2jH2j(j=1〜8)
で表現される。
+ΣCj・xmyn(j=2〜72)
図9において、例えば、C40を係数とする「x**4*y**7」は「x4×y7」を表す。
画像表示装置の実施例2を、図10〜図12に示す。
LGA(レンズ群A)、投射光学系の屈折光学系POSL、凹面ミラーCNMは、実施例1におけるものと同一である。実施例2では、凹面ミラーCNMと折り返しミラーPMが「ミラー光学系」を構成する。)
この実施の形態では、図示されないランプ光源、照明光源と共にライトバルブ、LGA、凹面ミラーCNM、折り返しミラーPMは、筐体BX内に収納され、防塵ガラスGは、筐体BXの窓として設けられている。
このように、折り返しミラーPMを用いる方法でも、周辺光量を増加させることが重要であり、レンズ群Aの「ライトバルブLBに対するアンダーの像面湾曲」により、画像表示面周辺部画素からの光の利用効率を高めることが重要となる。
照明光学系をコンパクトに収めるためにこのような構成を取っているが、インテグレータロッド2を「単純な直方体形」に加工した場合、特許文献1記載のように、ミラー5がライトバルブ7から投射光学系に向かう光を蹴り、周辺光量を劣化させる。
実施例3を、図17以下を参照して説明する。
符号Sは開口絞り、符号POSLは「屈折光学系」を示す。
また、レンズ群Aは「投射光学系によるズーミング・フォーカシングに際して固定」とすることが、ズーミング機構を簡略化・小型化する上で好ましいことは言うまでもない。
LGA レンズ群A
S 開口絞り
POSL 屈折光学系
CNM 凹面ミラー
G 防塵ガラス
PM 折り返しミラー
Claims (6)
- 画像表示素子である反射型のライトバルブと、該ライトバルブを照明するためのランプ光源と、該ランプ光源からの射出光を前記ライトバルブに導く照明光学系と、前記ライトバルブに表示された画像を投射して結像させる投射光学系と、該投射光学系の結像光束射出側に設けられる板状の防塵ガラスとを有する投射型の画像表示装置において、
投射光学系は、複数のレンズからなる屈折光学系と、ライトバルブから前記屈折光学系に導光される光量を制限する開口絞りと、前記屈折光学系の像側に配置される凹面ミラーを有するミラー光学系を有し、
前記ライトバルブと前記開口絞りとの間に、正の屈折力を有し、前記ライトバルブに対してアンダーな像面湾曲を有するレンズ群Aが配置され、
該レンズ群Aは、前記ライトバルブ側から前記投射光学系側に向かって、正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚を配してなることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1記載の画像表示装置において、
レンズ群Aを構成する正レンズの、少なくとも片面が非球面形状であり、
該正レンズの非球面が、近軸の曲率半径からなる球面形状よりも、像面湾曲がさらにアンダーとなる作用を齎す形状であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1または2記載の画像表示装置において、
ミラー光学系の凹面ミラーと屈折光学系の間の光路上に、平面の折り返しミラーを有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項3記載の画像表示装置において、
防塵ガラスが、その板面をライトバルブの画像表示面と平行にして配置されることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜4の任意の1に記載の画像表示装置において
レンズ群Aが、投射光学系によるズーミング・フォーカシングに際して固定であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜5の任意の1に記載の画像表示装置において、
ランプ光源からライトバルブに到る光路上で前記ライトバルブに最も近いレンズまたはミラーが、レンズ群Aの外形状に合わせて切り欠かれていることを特徴とする画像表示装置。
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