JP5822996B2 - 通信方法、移動体通信システム、基地局及び移動端末 - Google Patents
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Description
パケット通信方式では、一般的に常時接続を基本とするが、移動体通信システムの移動端末では、携帯できる電池容量に限界がある。
そのため、移動体通信システムでは、パケット通信方式(常時接続)を採用する場合、移動端末の低消費電力化を実現する必要がある。
現在、3GPPにおいて、次期バージョンの移動体通信システムであるUTRANシステム(Release7)及びEvolved RANシステム(E−UTRAN、LTE:Long Term Evolution)の議論が進められており、また、その場において、パケット通信方式における消費電力を削減する議論が進められている。
その議論において、パケット通信方式を利用する移動端末では、無線区間が接続中であっても、送受信データが存在しないことが起こり得るため、移動端末の低消費電力をサポートする状態や低消費電力をサポートする動作を新設することが決定されている。
また、以下の非特許文献2には、移動端末の低消費電力を実現するために、RRC_Connected(図13の状態2に相当する)の中に、DRX/DTX期間(DRX/DTX period)を設けることは可能であることが記載されている。
図13の状態2は、「Active」、「LTE_Active」、「RRC_Active」、「RRC_Connected」、「Connected」、「NAS_Active」などと称されている。
図13の状態2−Bは、「Dormant」、「MAC_Dormant」、「DRX/DTX期間(DRX/DTX period)」、「Active中のDRX/DTX期間」、「Connected中のDRX/DTX期間」などと称されており、Active中の移動端末における低消費電力を実現するための動作が行われる(例えば、一時的にデータ(ユーザデータ及び制御データ)の送信停止や受信停止が行われる)。
以下の特許文献1には、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)におけるDTX周期とは異なるが、移動端末が基地局に送信するCQI(Channel Quality Indicator)の周期を下りデータ送信の有無によって高速/低速を切り替える技術が開示されている。これにより、上り無線資源の有効活用が図られている。
以下の非特許文献6には、DRX期間の通知方法が記載されている。
図14を用いて、DRX期間の通知方法を説明する。
基地局からの初送データ(ユーザデータ)に付随している制御データ(例えば、L1/L2制御信号など)中にはDRX期間が含まれている。
移動端末が基地局から送信される初送データの受信に失敗した場合には、HARQのNack信号(否定応答信号)を基地局に送信する。
基地局は、移動端末から送信されたNack信号を受信すると、再送を行う。この再送に付随する制御データ中にDRX期間は含まれない。
移動端末が基地局から送信される再送データの受信に成功した場合には、HARQのAck信号(肯定応答信号)を基地局に送信するとともに、タイマーAをスタートさせる。
基地局は、移動端末から送信されたAck信号を受信すると、タイマーAをスタートさせる。
タイマーAの終了後、移動端末及び基地局においてDRX動作を開始する。
以下の非特許文献5には、上記非特許文献1〜4及び特許文献1と趣旨が異なるが、移動端末の能力を示す移動端末能力情報(UE Capabilities)によって低消費電力の動作を実行するか否かを判断する技術が開示されている。
L3制御信号は、主に、呼接続(RRC Connect)発生時を含む初期送信時に、例えば、RRCレイヤのような上位レイヤから通知される制御信号であり、下りリンクを介して、上りリンク、下りリンクのチャネル設定や無線リソースの割り当てを行う。
一方、L1/L2制御信号は、上りリンク、下りリンクの双方において、移動端末と基地局間で頻繁にやり取りされる制御信号であり、上りリンクで移動端末が基地局に対し、無線リソースの割り当てを要求する上りスケジューリングリクエスト信号や、呼接続発生時や継続時を含め、データサイズの変更や通信路の品質要求に合わせて無線リソースを不定期に変更する場合にも、L1/L2制御信号を使用する。
L1/L2制御信号には、上りリンクもしくは下りリンクで、基地局又は移動端末がデータを受信すると、そのデータを受信できたか否かを相手に応答するAck信号/Nack信号や、受信したデータの品質又は通信路の品質を示す品質情報CQI(Channel Quality Indicator)も含まれる。
ここで、Sounding Reference Signal(Sounding RS)は、基地局が上りの通信品質を測定するために移動端末(UE)から基地局(eNB)に送信される信号である。
E-MBMSとは、マルチキャスト・放送型マルチメディアサービスである。複数の移動端末に対してニュースや天気予報、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。
また、LTEは、放送型の通信サービスのみならず(E-MBMS以外(non−MBMS))、複数の移動端末のうち個別の移動端末に対する通信サービスも提供する。個別の移動端末に対する通信サービスをUnicastサービスと称する。
以下の非特許文献10には、時分割多重によりE-MBMSに割り当てられたサブフレーム中の先頭1シンボルのみ、あるいは、先頭2シンボルのみをUnicastサービスにて用いることが開示されている。
即ち、非特許文献1,2には、移動端末の低消費電力をサポートするための状態(図13の状態2−B)を新設することは開示されているが、新設されたActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)において、移動端末の低消費電力を効率良く実現する方法については開示されていない。
また、非特許文献6のDRX期間の通知方法は、本発明にて開示するDRX期間の通知方法とは異なる。
更に非特許文献6の方法では、基地局が移動端末からのNack信号を受信する度(図14に示す「時間(i)」「時間(ii)」「時間(iii)」)、DRX動作を開始するタイミング(DRX期間終了タイミング)を決定するためのスケジューリングを行わなければならず、スケジューリングの負荷が大きくなるという問題がある。よって、本発明における基地局のスケジューリング負荷を削減しつつ、DRX期間を通知するという課題を解決するものではなく、また、本課題についての示唆もない。
従って、従来のようにDRX周期情報が、初送データとともにL1/L2制御信号によって通知されたり、ラジオベアラのセットアップ時に通知されたり、あらかじめ決められていたりする方法だと、HARQによる再送が該DRX周期を超えてしまう場合、DRX動作に移行できなくなってしまう、という問題が生じる。
E−MBMSに割り当てられたサブフレーム内のUnicastサービスに利用可能なシンボルにて、何の情報が通知されるかは開示されていない。
したがって、基地局がActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)の移動端末に対して、下りデータの送信を望んでも、予め設定された周期以後でなければ、データを送信することができないことになる。
このため、該当の移動端末のスループットが低下することになり、低消費電力の実現よりもスループットを優先したい場合には、それを実現することができない。
しかし、現在の技術においては、移動端末能力情報(UE Capabilities)は、移動端末毎に固有の値となっている。
また、移動端末能力情報(UE Capabilities)は、RRC(Radio Resource Control)コネクション時(attach時、発信時、位置登録時など)に、移動端末からネットワーク側に通知される。
したがって、現在の技術では、低消費電力の実現とスループットの向上のどちらを優先したいかを示すパラメータが移動端末毎に固有であり、また、通知可能なタイミングが限定されているため、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)の低消費電力を効果的に実現することは困難である。
また、この発明に係る移動体通信システムは、基地局から送られてくる信号を移動端末にて受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、移動端末と基地局との間で無線通信を行う移動体通信システムであって、RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて、オン期間にオフ期間を加えた間欠受信周期を、基地局から移動端末に通知し、移動端末が下り通信路の品質を測定した測定結果を、オン期間に移動端末から基地局に通知するものである。
また、この発明に係る基地局は、移動端末にて受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、移動端末との間で無線通信を行う基地局であって、RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて、オン期間にオフ期間を加えた間欠受信周期を、移動端末に通知し、オン期間に移動端末から通知された、移動端末が下り通信路の品質を測定した測定結果を受信するものである。
また、この発明に係る移動端末は、基地局から送られてくる信号を受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、基地局との間で無線通信を行う移動端末であって、RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて基地局から通知された、オン期間にオフ期間を加えた間欠受信周期を受信し、下り通信路の品質を測定した測定結果を、オン期間に基地局に通知するものである。
以降、LTEシステムについて説明する。ただし、上り及び下りスケジューラが各移動端末へ送信レート、送信電力(送信許可電力、送信許可最大電力)、送信タイミング、利用周波数、利用周波数の幅などを制御及び指示する移動体通信システム(例えば、UTRANシステム)において、本発明は適用可能である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による移動体通信システムを示す構成図である。
図1の移動体通信システムは、LTEシステムであり、基地局の上りスケジューラ及び下りスケジューラが複数の移動端末の送信レート、送信電力(送信許可電力、送信許可最大電力)、送信タイミング、利用周波数、利用周波数の幅などを制御するものである。
また、図1の移動体通信システムでは、移動端末と基地局が通信するトランスポートチャネル(Transport Channels)について説明する。ただし、トランスポートチャネルについては議論中であるため、名称や定義が今後変更されることが考えられるが、名称や定義が変更された場合でも、本発明が適用可能であることは言うまでもない。
またActive中のDRX動作期間とは、ある一定時間の受信動作とある一定時間の受信を行わない動作をActive中のDRX周期にて繰り返す期間として説明する(図15を参照)。なお、DRX周期の繰り返し回数が1回というActive中のDRX動作期間も存在する。
Active中のDRX動作期間中であって、受信を行わない期間をDRX期間(DRX Period)、DRX間隔(DRX Interval)として説明する(図15を参照)。
また、DRX動作期間中であって、DRX期間を除く部分については、DRX動作期間中のActiveとして説明する(図15を参照)。
DRX周期にて移動端末3がDRX動作期間中のActiveで行う受信動作の例としては、下記の(1)〜(8)の受信動作が考えられる。
(1)移動端末3が自分宛てのデータが存在するか否かを下りスケジューリングチャネルによって確認するデータの受信動作
(2)下りL1/L2制御信号のモニタ動作
(3)測定動作(周辺セル測定、自セルの測定など)
(4)ユーザデータ(Trafficデータ)の受信動作
(5)上りタイミング情報(Timing information、Timing Advance(TA))の受信動作
(6)下りリファレンスシグナルの受信動作
(7)上りデータに対するHARQ対応のAck信号/Nack信号の受信動作
(8)前記(1)〜(7)の組み合わせ動作
ただし、(8)における(1)〜(7)の組み合わせ動作は、時間的に連続でも不連続でもよい。
基地局から移動端末に対する送信データにHARQを適用する場合について説明する。
移動端末は、基地局からデータを受信すると、そのデータに対する誤り検出処理を実施する。移動端末は、基地局への応答信号として、前記誤り検出処理で誤りを検出しなかった場合Ack信号を送信し、前記誤り検出処理で誤りを検出した場合Nack信号を送信する。
基地局は、移動端末からAck信号を受信した場合、新たなデータを移動端末に送信することになるが、移動端末からNack信号を受信した場合、同じデータを移動端末に再送することになる。
移動端末から基地局に対する送信データにも、上記と同様に、HARQを適用することが可能である。
また、DTX動作期間中であって、DTX期間を除く部分については、DTX動作期間中のActiveとして説明する(図15を参照)。
(1)下りスケジューリングに用いる情報(例えばCQI)の送信動作
(2)復調(Demodulation)と同期検波(Detection)に用いられるリファレンス信号の送信動作
(3)上りチャネルの品質測定目的のリファレンス信号(Sounding Reference Signal)の送信動作
(4)上りスケジューリングリクエストの送信動作
(5)ユーザデータ(Trafficデータ)の送信動作
(6)基地局による上りタイミング測定を行うための送信動作(例えば、Sounding Reference Signal、CQI、RACHの送信などが考えられる。)
(7)下りデータに対するHARQ対応のAck信号/Nack信号の送信動作
(8)L1/L2制御信号の送信動作
(9)前記(1)〜(8)の組み合わせ動作
ただし、(9)における(1)〜(8)の組み合わせ動作は、時間的に連続でも不連続でもよい。
例えば、DTX周期にて移動端末3が行う送信動作として、(3)上りチャネルの品質測定目的のリファレンス信号(Sounding Reference Signal)が送信されることとなった場合、あるいは、(6)基地局による上りタイミング測定を行うための送信動作として、Sounding Reference Signalが送信されることとなった場合に、DTX周期がSounding Reference Signal送信周期などと呼び方が変ることも考えられる。その場合であっても、本発明は適用可能である。
また、例えば、DTX周期にて移動端末3が行う送信動作として、(1)下りスケジューリングに用いる情報(例えば、CQI)が送信されることとなった場合、あるいは、(6)基地局による上りタイミング測定を行うための送信動作として、CQIが送信されることとなった場合に、DTX周期がCQI送信周期などと呼び方が変ることも考えられる。その場合であっても、本発明は適用可能である。
なお、今後の議論で、状態の数や各状態の定義が変更される可能性もあるが、状態の数や各状態の定義が変更された場合でも、本発明が適用可能であることは言うまでもない。
基地局2は傘下に複数の移動端末3を有し、傘下にある複数の移動端末3と無線通信を実施する。即ち、基地局2には上り及び下りのスケジューラが存在し、スケジューラが基地局2と移動端末3間のデータの送受信を可能にして、個々の移動端末3及び移動体通信システム全体のスループット向上のためにスケジューリングを行っている。スケジューリングとは、上り及び下りスケジューラが各移動端末へ送信レート、送信電力(送信許可電力、送信許可最大電力)、送信タイミング、利用周波数、利用周波数の幅などを制御及び指示することをいう。
また、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)を用いたデータ(制御データ、ユーザデータ)の再送制御を行っている。なお、基地局2はNodeB、E−UTRAN NodeB(E−NodeB、eNB)などと称される。
移動端末3は基地局2と無線通信を実施する。移動端末3は移動局、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)などと称される。
BCH(Broadcast Channel)は、基地局2が傘下の移動端末3に報知情報を送信するチャネルである。
DL−SCH(Downlink Shared Channel)は、基地局2が傘下の移動端末3に制御データ及びユーザデータを送信する共有チャネル(Shared Channel)である。
UL−SCH(Uplink Shared Channel)は、移動端末3が基地局2に制御データ及びユーザデータを送信する共有チャネルである。
RACH(Random Access Channel)は、移動端末3から基地局2にランダムに送信されるチャネルである。
なお、複数の基地局2が互いにデータを通信することが検討されている。
プロトコル処理部11は基地局2又は基地局制御装置1宛ての制御データを送信データバッファ部13に出力するとともに、基地局2から送信された制御データを収集し、その制御データを用いてプロトコル処理などを実施する。
アプリケーション部12はユーザデータを送信データバッファ部13に出力するとともに、基地局2から送信されたユーザデータを収集し、そのユーザデータをユーザが用いる形に変換する処理を実施する。
エンコーダ部14は送信データバッファ部13に格納されている制御データ及びユーザデータに対する誤り訂正処理などのエンコード処理を実施する。
なお、エンコーダ部14が送信データバッファ部13に格納されている制御データ及びユーザデータに対するエンコード処理を実施せず、その制御データ及びユーザデータを変調部15に出力するようにしてもよい。
アンテナ16は変調部15による変調後のデータを無線信号として基地局2に送信するとともに、基地局2から送信された無線信号を受信し、その無線信号を復調部17に出力する。
デコーダ部18は復調部17による復調後の制御データ及びユーザデータに対する誤り訂正などのデコード処理を実施して、デコード後の制御データをプロトコル処理部11、DTX周期保存部21及びDRX周期保存部22に出力し、デコード後のユーザデータをアプリケーション部12に出力する処理を実施する。
ただし、デコーダ部18が復調部17による復調後の制御データ及びユーザデータに対するデコード処理を実施せず、その制御データ及びユーザデータをプロトコル処理部11やアプリケーション部12等に出力するようにしてもよい。
なお、アンテナ16、復調部17、デコーダ部18及びプロトコル処理部11から基地局2による判定結果受信手段が構成されている。
Sleep要求信号生成部20はDTX判定部19の判定結果がActive中のDTX動作期間に移行することが可能である旨を示す場合、プロトコル処理部11の指示の下、Sleep要求信号を生成し、そのSleep要求信号を制御データとして送信データバッファ部13に出力する処理を実施する。
DRX周期保存部22はデコーダ部18によりデコードされた制御データのうち、基地局2により設定されたDRX周期を示すDRX周期情報(供給停止周期情報)を保存するメモリなどである。
なお、DTX判定部19は、送信データバッファ部13の中に含まれてもよい。また、DTX判定部19、Sleep要求信号生成部20、DTX周期保存部21、DRX周期保存部22はそれぞれ、プロトコル処理部11の中に含まれてもよい。
なお、DTX周期保存部21、DRX周期保存部22及び制御部23から電源供給停止手段が構成されている。
この実施の形態1では、制御部23がエンコーダ部14、変調部15、復調部17及びデコーダ部18に対する電源の供給を一時的に停止するものについて説明するが、電源の供給を停止する対象は一例に過ぎず、例えば、プロトコル処理部11、アプリケーション部12、送信データバッファ部13、DTX判定部19、Sleep要求信号生成部20、DTX周期保存部21、DRX周期保存部22などに対する電源の供給を一時的に停止するようにしてもよい。
aGW通信部31は基地局制御装置1とデータの送受信を実施し、基地局制御装置1から送信されたユーザデータ及び制御データを送信データバッファ部34に出力する処理を実施する。
他基地局通信部32は他の基地局2とデータの送受信を実施し、他の基地局2から送信されたユーザデータ及び制御データを送信データバッファ部34に出力する処理を実施する。
プロトコル処理部33はaGW通信部31及び他基地局通信部32と情報の受け渡しを行うほか、移動端末3宛ての制御データを送信データバッファ部34に出力するとともに、移動端末3から送信された制御データを収集し、その制御データを用いてプロトコル処理などを実施する。
エンコーダ部35は送信データバッファ部34に格納されている制御データ及びユーザデータに対する誤り訂正処理などのエンコード処理を実施する。
なお、エンコーダ部35が送信データバッファ部34に格納されている制御データ及びユーザデータに対するエンコード処理を実施せず、その制御データ及びユーザデータを変調部36に出力するようにしてもよい。
アンテナ37は変調部36による変調後のデータを無線信号として移動端末3に送信するとともに、移動端末3から送信された無線信号を受信し、その無線信号を復調部38に出力する。
デコーダ部39は復調部38による復調後の制御データ及びユーザデータに対する誤り訂正などのデコード処理を実施して、デコード後の制御データをaGW通信部31、他基地局通信部32、プロトコル処理部33、Sleep要求信号判定部40、下りスケジューラ部42及び上りスケジューラ部43に出力し、デコード後のユーザデータをaGW通信部31及び他基地局通信部32に出力する処理を実施する。
ただし、デコーダ部39が復調部38による復調後の制御データ及びユーザデータに対するデコード処理を実施せず、その制御データ及びユーザデータをプロトコル処理部33やaGW通信部31等に出力するようにしてもよい。
なお、プロトコル処理部33は、Sleep要求信号判定部40の判定結果がSleep要求信号が含まれている旨を示す場合、例えば、送信データバッファ部34に移動端末3に送信するデータが格納されているか否かを確認し、移動端末3に送信するデータが格納されていなければ、移動端末3がデータの一時的な受信停止期間であるActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨の判定を行う。
ここでは、プロトコル処理部33が、移動端末3がActive中のDRX動作期間に移行可能か否かを判定しているが、この判定は基地局2がActive中のDTX動作期間に移行可能か否かを判定することと等価である。
プロトコル処理部33は、移動端末3がActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨の判定を行うと、その判定結果を制御データとして送信データバッファ部34に出力する。
下りスケジューラ部42はプロトコル処理部33の指示の下、基地局2の傘下の移動端末3に対する下りのスケジューリングを実施する。
上りスケジューラ部43はプロトコル処理部33の指示の下、基地局2の傘下の移動端末3に対する上りのスケジューリングを実施する。
制御部44は基地局2を構成している全ての処理部の制御を実施する。
図4はこの発明の実施の形態1による移動体通信システムの処理内容を示すシーケンス図である。
移動端末3のDTX判定部19は、移動端末3の状態が図13の状態2「Active(広義)」にある場合、Active中のDTX動作期間に移行することが可能であるか否かを判定する(ステップST1)。
即ち、DTX判定部19は、移動端末3がActive中のDTX動作を行うことが可能であるか否かを判定する。
あるいは、DTX動作を次の(1)〜(8)の期間及びそれらの組み合わせの動作としてもよい。
(1)下りのスケジューリングに用いる情報(CQIなど)を送信しない
(2)パイロット信号を送信しない
(3)上りチャネルの品質測定目的のリファレンス信号(Sounding Reference Signal)を送信しない
(4)上りスケジューリングリクエストを送信しない
(5)上りユーザデータを送信しない
(6)基地局による上りタイミング測定を行うための送信をしない
(7)下りデータに対するHARQ対応のAck信号/Nack信号を送信しない
(8)L1/L2制御信号を送信しない
具体的には、送信データバッファ部13内にデータが無い場合はDTX動作を行うことが可能であると判断し、データが有る場合はDTX動作を行うことが不可能であると判断する。
DTX判定部19は、DTX動作を行うことが可能であるか否かの判定結果をプロトコル処理部11に出力する。
(1)移動端末3がActive中のDTX動作期間を開始することを意味する
(2)移動端末3の送信データバッファ部13内に送信するデータが無い、あるいは、早急に送信するデータが無いことを意味する
(3)図13の状態2「Active(広義)」中のDRX周期とDTX周期を合せることを基地局2に要求することを意味する
(4)Active中のDRX/DTX動作期間中(図13の状態2−B)への遷移を要求することを意味する
(5)Active中のDRX動作期間の開始を要求することを意味する
なお、Sleep要求信号は、上記の(1)〜(5)の意味の全て、あるいは、組み合わせ、あるいは(1)〜(5)の何れかの意味を基地局2に通知、伝搬する信号としてもよい。
移動端末3の変調部15は、エンコーダ部14がエンコード処理を実施すると、エンコード処理後の制御データ(Sleep要求信号)を変調し、変調後の制御データ(Sleep要求信号)をアンテナ16に出力する。
ここでは、移動端末3が制御データ(Sleep要求信号)を無線信号として基地局2に送信するものについて示したが、Sleep要求信号の通知方法としては、物理チャネルにマッピングする方法のほか、MACシグナリングとして、MACヘッダーなどにマッピングする方法などがある。
基地局2の復調部38は、アンテナ37から無線信号を受けると、その無線信号に対する復調処理を実施して、復調後の制御データ(Sleep要求信号)をデコーダ部39に出力する。
基地局2のデコーダ部39は、復調部38による復調後の制御データ(Sleep要求信号)に対するデコード処理を実施して、デコード後の制御データ(Sleep要求信号)をプロトコル処理部33及びSleep要求信号判定部40に出力する。
基地局2のプロトコル処理部33は、Sleep要求信号判定部40からSleep要求信号が含まれている旨を示す判定結果を受けると、現在、移動端末3がDRX動作を実施しているか否かを判定し(ステップST4)、現在、移動端末3がDRX動作を実施している場合には、ステップST6の処理に移行する。あるいは、ステップST4にて、現在、移動端末3がDRX動作期間中であるか否かを判定してもよい。なお、ステップST4の処理はオプションであり、必須の処理ではない。
さらに詳細には、指定されたDRX周期で、指定されたモニタ信号を受信し、自分宛てのデータが存在した場合には引き続き受信動作を実施し、自分宛てのデータが存在しない場合には受信を休止することを意味する。
あるいは、指定されたタイマーで、Active(広義)中のDRX動作期間の動作から通常の受信動作へ復旧することも考えられる。
プロトコル処理部33におけるステップST5の処理内容の詳細は、図5のフローチャートを参照して後述する。
このステップST5にてDRX動作を行うことが不可能であると判断した場合、タイマーなどを用いて一定時間毎にステップST5の判断を繰り返してもよい。
プロトコル処理部33は、上記のようにして、移動端末3がActive(広義)中のDRX動作を行うことが可能であるか否かの判定を行うと、即ち、Active中のDRX動作期間に移行することが可能であるか否かの判定を行うと、その判定結果を制御データとして送信データバッファ部34に出力する。
基地局2の変調部36は、エンコーダ部35がエンコード処理を実施すると、エンコード処理後の制御データ(判定結果)を変調し、変調後の制御データ(判定結果)をアンテナ37に出力する。
ここでは、ステップST7の処理をステップST6の処理を実施した後に実施するものについて示したが、ステップST7の処理をステップST6の処理と同時に実施してもよいし、ステップST6の処理を実施する前に実施してもよい。
この場合、別のチャネル(例えば、DL−SCH)を用いて、制御データ(判定結果)を送信する場合と比較して、更なる下りスケジューリングが不要であるという点や、少ない遅延(Delay)で制御データ(判定結果)を通知できる点で有利である。
移動端末3の復調部17は、アンテナ16から無線信号を受けると、その無線信号に対する復調処理を実施して、復調後の制御データ(判定結果)をデコーダ部18に出力する。
移動端末3のデコーダ部18は、復調部17による復調後の制御データ(判定結果)に対するデコード処理を実施して、デコード後の制御データ(判定結果)をプロトコル処理部11に出力する。
移動端末3の制御部23は、ステップST1の処理において、DTX判定部19の判定結果がActive中のDTX動作期間に移行することが可能である旨を示し、かつ、プロトコル処理部11がActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨を示す基地局2の制御データ(判定結果)を取得すると、移動端末3の状態をActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)に遷移させる旨の判断を実施して、移動端末3の状態をActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)に遷移させる(ステップST10)。
即ち、制御部23は、DTX周期保存部21に保存されているDTX周期情報が示す周期に従って、データの送信処理部(例えば、エンコーダ部14、変調部15)に対する電源の供給を一時的に停止する。
また、DRX周期保存部22に保存されているDRX周期情報が示す周期に従って、データの受信処理部(例えば、復調部17、デコーダ部18)に対する電源の供給を一時的に停止する。
またはDTX周期情報に従って、電源の供給を一時的に停止できる期間とDRX周期情報に従って電源の供給を一時的に停止できる期間が重なる期間において、送信処理部及び受信処理部に対する電源の供給を一時的に停止するようにしてもよい。
ここでは、制御部23がエンコーダ部14、変調部15、復調部17及びデコーダ部18に対する電源の供給を一時的に停止するものについて示しているが、電源の供給を停止する対象は一例に過ぎず、例えば、プロトコル処理部11、アプリケーション部12、送信データバッファ部13、DTX判定部19、Sleep要求信号生成部20、DTX周期保存部21、DRX周期保存部22などに対する電源の供給を一時的に停止するようにしてもよい。
即ち、制御部23は、データの受信処理部(例えば、復調部17、デコーダ部18)に対する電源の供給を停止せずに、DTX周期保存部21に保存されているDTX周期情報が示す周期に従って、データの送信処理部(例えば、エンコーダ部14、変調部15)に対する電源の供給を一時的に停止する。
または受信処理部に対する電源の供給を一時的に停止することができないので、送信処理部に対する電源の供給を一時的に停止する処理を行わなくてもよい。
図5はプロトコル処理部33におけるステップST5の処理内容を示すフローチャートである。
基地局2のプロトコル処理部33は、送信データバッファ部34内に傘下の移動端末3の送信待ちデータが格納されているか否かを確認する(ステップST21)。
ここでは、プロトコル処理部33がデータの有無を確認するものについて示しているが、下りスケジューラ部42又は上りスケジューラ部43がプロトコル処理部33を通じてデータの有無を確認するようにしてもよいし、直接、送信データバッファ部34内のデータの有無を確認するようにしてもよい。
ここでは、プロトコル処理部33がサービスのQoSを確認するものについて示したが、下りスケジューラ部42又は上りスケジューラ部43がプロトコル処理部33を通じてサービスのQoSを確認するようにしてもよいし、直接、QoS保存部41に保存されているサービスのQoSを確認するようにしてもよい。
ここでは、プロトコル処理部33が移動端末3の下りスケジューリングに用いる情報を確認するものについて示したが、上りスケジューラ部43がプロトコル処理部33を通じて下りスケジューリングに用いる情報を確認するようにしてもよいし、直接、下りスケジューラ部42が把握している下りスケジューリングに用いる情報を確認するようにしてもよい。
ここでは、プロトコル処理部33が下りスケジューラ部42の負荷を確認するものについて示したが、上りスケジューラ部43がプロトコル処理部33を通じて下りスケジューラ部42の負荷を確認するようにしてもよいし、直接、下りスケジューラ部42の負荷を確認するようにしてもよい。
なお、ステップST21〜ST24の処理は同時であってもよいし、任意の順番で実施するようにしてもよい。また、全てのステップの処理を実施しなくてもよい。
以下、プロトコル処理部33におけるステップST25の判定処理の具体例について説明する。
送信データバッファ部34内に「Sleep要求信号」を送信してきた移動端末3の送信待ちデータが格納されているとき、Active中(広義)のDRX動作が可能であると判断すると、DRX動作期間中、該当の移動端末3が送信データバッファ部34に格納されているデータの受信動作を行うことが不可能になるからである。
サービスのQoSが、リアルタイム性への要求が高いとき、Active中(広義)のDRX動作が可能であると判断すると、DRX動作期間中、例えば、基地局制御装置1からリアルタイム性への要求が高いユーザデータが送信されてきても、そのユーザデータを移動端末3に送信することが不可能になり、要求のQoSを満足することができなくなるからである。
CQI値が悪い品質を示す場合、該当の移動端末3にデータを高速に送信しても受信エラーになる可能性が高いため、該当の移動端末3にデータを送信するよりも、該当の移動端末3の低消費電力を実現しつつ、CQI値がよい品質を示す別の移動端末3に対して無線資源を割り当てることの方が、移動体通信システム全体としてのスループットを高めることができるからである。
移動端末3に対してActive中(広義)のDRX動作を実現させるということは、下りスケジューラ部42にとっては該当の移動端末3が自分宛てのデータが存在するか否かを確認するモニタ信号のDRX周期毎のリソースを確保する必要である点、Active中(広義)のDRX動作を行っている移動端末3に対して送信が不可能である点、Active中(広義)のDRX動作期間への遷移が可能であるか否かを判断する必要がある点などにおいて、通常の受信動作と比較して負荷が高くなる。よって、スケジューリング負荷的に下りスケジューラ部42におけるActive中(広義)のDRX動作がサポート不可能となる場合が存在するからである。
また、判定に用いる情報は、ステップST21〜ST24で確認する情報以外であってもよいし、ステップST21〜ST24で確認する情報の全てを用いなくてもよい。
しかし、移動端末3のみが知ることが出来る情報(例えば、移動端末3の送信データバッファ部13内のデータの有無)に基づいて生成される「Sleep要求信号」を基地局2に通知することにより、基地局2がより積極的にDTX動作に合せてDRX動作を同時に行うことができる。
これにより、移動端末3の低消費電力化を一層効果的に実現することが可能になる。その結果、移動端末3の待ち受け時間や連続通話時間などを長くすることができる。
以下、図16を用いて、「Sleep不要求信号」を用いた場合の動作例について説明する。
図4とステップの番号が同じ箇所は、図4で説明した同様の処理を行うものとして、ここでは説明を省略する。
移動端末3のDTX判定部19は、移動端末3の状態が図13の状態2「Active(狭義)」にある場合、Active中のDTX動作期間に移行することが可能であるか否かを判定する(ステップST1602)。
即ち、DTX判定部19は、移動端末3がActive中のDTX動作を行うことが可能であるか否かを判定する。
DTX判定部19におけるDTX動作を行うことが可能であるか否かの判定は、例えば、送信データバッファ部13内のデータの有無を確認することにより行う。
具体的には、送信データバッファ部13内にデータが無い場合はDTX動作を行うことが可能であると判断し、データが有る場合はDTX動作を行うことが不可能であると判断する。
DTX判定部19は、DTX動作を行うことが可能であるか否かの判定結果をプロトコル処理部11に出力する。
(1)移動端末3がActive中のDTX動作期間を終了することを意味する
(2)移動端末3の送信データバッファ部13内に送信するデータが有る、あるいは、早急に送信するデータが有ることを意味する
(3)送信データバッファ部13内のデータ量を通知する
(4)上りリソース割り当て(スケジューリング)を要求する
(5)Active状態の継続を要求する
(6)Active中のDRX動作期間の終了を要求することを意味する
なお、Sleep不要求信号は、上記の(1)〜(6)の意味の全て、あるいは、組み合わせ、あるいは(1)〜(6)の何れかの意味を基地局2に通知、伝搬する信号としてもよい。
移動端末3の変調部15は、エンコーダ部14がエンコード処理を実施すると、エンコード処理後の制御データ(Sleep不要求信号)を変調し、変調後の制御データ(Sleep不要求信号)をアンテナ16に出力する。
移動端末3のアンテナ16は、変調部15による変調後の制御データ(Sleep不要求信号)を無線信号として基地局2に送信する(ステップST1603)。
基地局2の復調部38は、アンテナ37から無線信号を受けると、その無線信号に対する復調処理を実施して、復調後の制御データ(Sleep不要求信号)をデコーダ部39に出力する。
基地局2のデコーダ部39は、復調部38による復調後の制御データ(Sleep不要求信号)に対するデコード処理を実施して、デコード後の制御データ(Sleep不要求信号)をプロトコル処理部33及びSleep要求信号判定部40に出力する。
基地局2のプロトコル処理部33は、Sleep要求信号判定部40からSleep不要求信号が含まれている旨を示す判定結果を受けると、Active中のDTX動作を開始できない判断し、ステップ1601の処理に戻る。
一方、基地局2のプロトコル処理部33は、Sleep要求信号判定部40からSleep不要求信号が含まれている旨を示す判定結果を受信しなかった場合には、移動端末3がActive(広義)中のDRX動作を行うことが可能であるか否かを判定する(ステップST5)。
ステップST1604とステップST5は任意の順番でもよい。
ステップST5にてDRX動作を行うことが可能であると判断した場合、ステップST6、ステップST7の処理を行う。
移動端末3のデコーダ部18は、復調部17による復調後の制御データ(判定結果)に対するデコード処理を実施して、デコード後の制御データ(判定結果)をプロトコル処理部11に出力する。
移動端末3の制御部23は、移動端末3の状態をActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)への遷移の通知を受信したか否かを判定する(ステップST1605)。
ステップST1605にて、Active中のDRX/DTX動作期間への遷移の通知を受信したと判定した場合、ステップST10、ステップST11の処理を行う。
一方、ステップST1605にて、Active中のDRX/DTX動作期間への遷移の通知を受信したと判定しなかった場合、ステップST12の処理を行う。
図6はこの発明の実施の形態2による移動体通信システムの処理内容を示すシーケンス図である。以下、移動体通信システムの処理内容を説明する。
基地局2のプロトコル処理部33は、上記実施の形態1と同様にして、移動端末3がActive(広義)中のDRX動作を行うことが可能であると判定すると、Active中(広義)のDRX動作を行う際、移動端末3の消費電力を削減するために最適なActive中(広義)のDRX動作に用いるDRX周期と、Active中(広義)のDTX動作に用いるDTX周期を決定する(ステップST31)。
具体例として、最適なDRX周期とDTX周期としては、DRX周期とDTX周期を等しい周期に決定する場合や、DRX周期とDTX周期を逞倍の周期に決定して、DRX周期とDTX周期を協調させる場合などが考えられる。更に、別の例としては、DRX期間とDTX期間を等しい期間に決定する場合や、DRX期間とDTX期間を逞倍の期間に決定して、DRX期間とDTX期間を協調させる場合などが考えられる。
以下、DRX周期とDTX周期を等しい周期等に決定する場合について詳細に説明するが、同様の方法で、DRX期間とDTX期間を等しい周期等に決定することも可能である。
以下、図7を用いて、移動端末3の無線通信にのみ利用する部分の電源をOFFすることが可能な期間を出来る限り長くする方法の具体例について説明する。
図7のパターン1は、図6のステップST31において、DTX周期とDRX周期を決定していない場合の一例を示している(実施の形態1に相当する)。
パターン2において決定するDTX周期とDRX周期としては、次の(1)〜(3)のようなものが考えられる。
(1)DTX周期とDRX周期を等しくする
(2)DTX周期をDRX周期の倍数にする(DRX周期とDTX周期を逞倍の周期)
(3)DTX周期をDRX周期の約数とする(DRX周期とDTX周期を逞倍の周期)
このときのDTX周期の始期とDRX周期の始期を合わせるとは、時間的に完全に一致させる場合のみではなく、ある一定のオフセットが存在してもよい。
オフセットには、上りリンクと下りリンクのタイミングオフセット、さらには、DRX動作期間中のActive期間に必要な時間と、DTX動作期間中のActive期間に必要な時間が異なる場合に生じるオフセットなどが考えられる。
図17のパターン4は、図6のステップST31において、移動端末3の無線通信にのみ利用する部分の電源をOFFすることが可能な期間を出来る限り長くするために、DTX周期とDRX周期の始期(Starting Point)を合わせる場合の一例を示している。前記始期を調整させることも、DRX周期とDTX周期を協調させることに含まれると考える。
DTX周期あるいはDRX周期が1回のみ繰り返される場合などにおいては、DTX周期とDRX周期を決定しても1回のみの利用であるので、あまり意味はない。
このときのDTX周期の始期とDRX周期の始期を合わせるとは、時間的に完全に一致させる場合のみではなく、ある一定のオフセットが存在してもよい。
オフセットには、上りリンクと下りリンクのタイミングオフセット、さらには、DRX動作期間中のActive期間に必要な時間と、DTX動作期間中のActive期間に必要な時間が異なる場合に生じるオフセットなどが考えられる。
また、基地局2のプロトコル処理部33がDTX周期とDRX周期を決定する際、Active中(広義)に用いるDTX周期を無限大に決定してもよい。
DTX周期を無限大に決定すると、移動端末3がActive中(広義)のDRX/DTX動作期間中、下りスケジューリングに用いる情報(CQIなど)を送信しないことになる。
ここでは、ステップST31の処理は、ステップST6の処理の前に実施するものについて示したが、ステップST31の処理は、ステップST6の処理と同時に実施してもよい。
次に、基地局2のプロトコル処理部33は、移動端末3がActive(広義)中のDRX動作を行うことが可能であるか否かの判定結果、即ち、Active中のDRX動作期間に移行することが可能であるか否かの判定結果を制御データとして送信データバッファ部34に出力するとともに、DTX周期及びDRX周期の決定結果(DTX周期情報及びDRX周期情報)を制御データとして送信データバッファ部34に出力する。
ただし、DTX周期情報は、DTX周期を示すインジケーターなども含むものとする。また、DRX周期情報は、DRX周期を示すインジケーターなども含むものとする。
基地局2の変調部36は、エンコーダ部35がエンコード処理を実施すると、エンコード処理後の制御データ(判定結果、決定結果)を変調し、変調後の制御データ(判定結果、決定結果)をアンテナ37に出力する。
ここでは、基地局2が制御データ(判定結果、決定結果)を無線信号として移動端末3に送信するものについて示したが、判定結果と決定結果の通知方法としては、物理チャネルにマッピングする方法のほか、MACシグナリングとして、MACヘッダーなどにマッピングする方法などがある。
DTX周期及びDRX周期の通知は、周期が変更された場合に限り通知するようにしてもよいし、周期の変更に関わらず、常に通知するようにしてもよい。
また、DTX周期とDRX周期の始期(Starting Point)を通知するようにしてもよい。始期は、スロット番号、フレーム番号、シンボル番号などで通知される。
DTX周期とDRX周期の始期の通知は、始期が変更された場合に限り通知するようにしてもよいし、始期の変更に関わらず、常に通知するようにしてもよい。
この場合、別のチャネル(例えば、DL−SCH)を用いて、制御データ(判定結果、決定結果)を送信する場合と比較して、更なる下りスケジューリングが不要であるという点や、少ない遅延(Delay)で制御データ(判定結果、決定結果)を通知できる点で有利である。
移動端末3の復調部17は、アンテナ16から無線信号を受けると、その無線信号に対する復調処理を実施して、復調後の制御データ(判定結果、決定結果)をデコーダ部18に出力する。
移動端末3のデコーダ部18は、復調部17による復調後の制御データ(判定結果、決定結果)に対するデコード処理を実施して、デコード後の制御データ(判定結果)をプロトコル処理部11に出力する。また、デコード後の制御データ(決定結果)をDTX周期保存部21及びDRX周期保存部22に出力する。
移動端末3の制御部23は、ステップST1の処理において、DTX判定部19の判定結果がActive中のDTX動作期間に移行することが可能である旨を示し、かつ、プロトコル処理部11がActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨を示す基地局2の制御データ(判定結果)を取得すると、移動端末3の状態をActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)に遷移させる旨の判断を実施する。
移動端末3のDRX周期保存部22は、デコーダ部18からデコード後の制御データ(DRX周期情報)を受けると、即ち、基地局2から送信されたDRX周期情報を受けると、そのDRX周期情報を保存する(ステップST34、ST35)。
なお、DTX周期保存部21及びDRX周期保存部22は、デコーダ部18から出力されたDTX周期情報又はDRX周期情報を既に保存しているDTX周期情報又はDRX周期情報に上書き保存、あるいは、別途に保存する。
また、デコーダ部18からDTX周期及びDRX周期の始期を示す情報を受けると、その始期も合わせて保存する。
即ち、制御部23は、DTX周期保存部21に保存されているDTX周期情報が示す周期に従って、データの送信処理部(例えば、エンコーダ部14、変調部15)に対する電源の供給を一時的に停止する。
また、DRX周期保存部22に保存されているDRX周期情報が示す周期に従って、データの受信処理部(例えば、復調部17、デコーダ部18)に対する電源の供給を一時的に停止する。
またはDTX周期情報に従って、電源の供給を一時的に停止できる期間とDRX周期情報に従って電源の供給を一時的に停止できる期間が重なる期間において、送信処理部及び受信処理部に対する電源の供給を一時的に停止するようにしてもよい。
ここでは、制御部23がエンコーダ部14、変調部15、復調部17及びデコーダ部18に対する電源の供給を一時的に停止するものについて説明するが、電源の供給を停止する対象は一例に過ぎず、例えば、プロトコル処理部11、アプリケーション部12、送信データバッファ部13、DTX判定部19、Sleep要求信号生成部20、DTX周期保存部21、DRX周期保存部22などに対する電源の供給を一時的に停止するようにしてもよい。
即ち、制御部23は、データの受信処理部(例えば、復調部17、デコーダ部18)に対する電源の供給を停止せずに、DTX周期保存部21に保存されているDTX周期情報が示す期間だけ、データの送信処理部(例えば、エンコーダ部14、変調部15)に対する電源の供給を一時的に停止する。
または受信処理部に対する電源の供給を一時的に停止することができないので、送信処理部に対する電源の供給を一時的に停止する処理を行わなくてもよい。
Active中(広義)のDRX/DTX動作期間への遷移判断の都度、その時点での移動端末3の状況や、移動体通信システム全体の状況を考慮して最適なDTX周期とDRX周期を決定することができる点で有利である。
加えて、DTX周期とDRX周期の始期を合わせることで、送信動作実行と受信動作実行を同時に行うことができる。これにより、一層、移動端末3の無線通信にのみ利用する部分の電源をOFFすることが可能な期間を長くすることができる。
この結果、移動端末3の低消費電力化を一層効率的に実現することができるようになり、移動端末3の待ち受け時間や連続通話時間などを長くすることができる。
その場合のDRX周期、DTX周期の基地局から移動端末への通知方法と、DRX周期、DTX周期の移動端末における適用方法についての一例を説明する。
その場合、ステップST32において、DTX周期(あるいはDRX周期)のみを基地局から移動端末に対して通知することができる。
DTX周期のみを受信した移動端末は、受信したDTX周期をDTX周期保存部21とDRX周期保存部22に保存する(ステップST35)。あるいは、DRX周期のみを受信した移動端末は、受信したDRX周期をDTX周期保存部21とDRX周期保存部22に保存する。その後、保存した等しい周期によりDRX動作及びDTX動作を行う。
これにより、基地局から移動端末へ通知する情報(周期)を削減することができる。これは、無線資源の有効活用という観点において有益である。
さらには、DRX周期とDTX周期が等しい場合には、DTX周期保存部21とDRX周期保存部22を1つの保存部とすることもできる。これにより、移動端末のハードウェアの削減という効果を得ることができる。
その場合のDRX周期、DTX周期の基地局から移動端末への通知方法と、DRX周期、DTX周期の移動端末における適用方法についての一例を説明する。
その場合、ステップST32において、DTX周期(あるいはDRX周期)と協調の関係のみを基地局から移動端末に対して通知することができる。
DTX周期と協調の関係のみを受信した移動端末は、受信したDTX周期をDTX周期保存部21に保存し、DTX周期と協調の関係から計算した結果をDRX周期保存部22に保存する(ステップST35)。あるいは、DRX周期と協調の関係のみを受信した移動端末は、受信したDRX周期と協調の関係から計算した結果をDTX周期保存部21に保存し、DRX周期をDRX周期保存部22に保存する。その後、保存した周期によりDRX動作及びDTX動作を行う。
これにより、基地局から移動端末へ通知する情報(周期)を削減することができる。これは、無線資源の有効活用という観点において有益である。
上記情報の削減は、パターン3及びパターン4においても適用することができ、同様に無線資源の有効活用という効果を得ることができる。
基地局において、条件によってDRX周期及びDTX周期の決定方法を変更してもよい。一例としては、(1)条件を満たした場合にのみステップST31を実行し、例えば、DRX周期とDTX周期を等しく又は協調させるようにし、条件を満たさない場合にはステップST31を実行しないようにする。
(2)条件を満たした場合にステップST31を実行し、例えば、DRX周期とDTX周期を協調させるようにし、条件を満たさない場合にもステップST31を実行し、例えば、DRX周期とDTX周期を条件を満たした場合とは異なる関係で協調させるなどが考えられる。
変形例1の一例として、DTX周期にて移動端末3が行う送信動作として基地局による上りタイミング測定を行うための送信動作となった場合を考える。
一方、上り同期を維持しない場合には、上り同期を維持することを満たすDTX周期を決定する必要はない。よって、条件を満たすか否かでDRX周期、DTX周期の決定方法を別にするメリットが存在する。
具体的には、Active中のDRX/DTX動作期間において上り同期を維持する場合は、ステップST31を実行し、維持しない場合は、ステップST31を実行しないようにする。もちろん維持する場合は、ステップST31を実行せず、維持しない場合はステップST31を実行するとしてもよい。
これにより、例えば、上り同期を維持する場合には、DRX周期とDTX周期及び始期が等しく(パターン3)、上り同期を維持しない場合には、DRX周期とDTX周期などが異なるとすることが可能となる。
この場合、移動端末は、上り同期を維持する場合には、ステップST33にて通知されたDRX周期及び始期をDTX周期保存部21、DRX周期保存部22に保存し、DTX動作にも適用する。
一方、上り同期を維持しない場合には、ステップST33にて通知されたDRX周期及び始期をDRX周期保存部22にのみ保存し、DTX周期保存部21には保存せずに、DTX動作には適用しない。このとき、DTX動作は、以前のDTX周期保存部21の内容に従うようにしてもよい。
基地局から移動端末への通知情報を削減することは、無線資源の有効活用という観点において有益である。この場合の上り同期を維持するか否かについては基地局から移動端末に対して周期とは別に通知するようにしてもよい。この場合においても、DTX周期を通知する情報量と比較して、上り同期を維持するか否かを示すパラメータの情報量が小さくなるので、無線資源の有効活用という観点においては有益である。
具体例としては、ステップST32にてDRX動作を行うことが可能であるか否かの判定結果が通知された場合、移動端末は、あらかじめ決められたDRX周期をDTX周期保存部21に保存する(ステップST35)。その後、保存した等しい周期によりDRX動作及びDTX動作を行う。
あらかじめ決められるDRX周期(あるいは、DTX周期)とは、静的に移動体通信システムとして決められた値でもよいし、準静的に無線ベアラのセッションが開始されるときに基地局から移動端末に送信されるL3メッセージ等で通知されてもよい。
図18はこの発明の実施の形態2による「Sleep不要求信号」を用いた場合の移動体通信システムの処理内容を示すシーケンス図である。図18の詳細な説明は、図6の説明と同様であるため省略する。
また、この実施の形態2では、基地局2がActive中のDRX動作期間に移行することが可能であるか否かを示す判定結果を移動端末3に送信するものについて示したが、基地局2がActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨の判定を行うと、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)への遷移指示を移動端末3に送信し、移動端末3が基地局2の遷移指示にしたがってActive中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)に遷移するようにしてもよい。
図8はこの発明の実施の形態3による移動体通信システムの処理内容を示すシーケンス図である。
上記実施の形態1,2では、移動端末3がActive中のDTX動作期間に移行することが可能であるか否かを判定し、Active中のDTX動作期間に移行することが可能である場合、基地局2がActive中のDRX動作期間に移行することが可能である旨の判定を行えば、データの送信処理部及び受信処理部に対する電源の供給を一時的に停止するものについて示したが、移動端末3のプロトコル処理部11が低消費電力を優先するか否かを決定し(あるいは、スループットを優先するか否かを決定するようにしてもよい)、その決定内容を示すパラメータを基地局2に送信するようにしてもよい。
この場合、プロトコル処理部11が優先決定手段を構成し、送信データバッファ部13、エンコーダ部14、変調部15及びアンテナ16がパラメータ送信手段を構成する。
このパラメータは、移動端末3毎に固有の値ではなく、移動端末3の状態や、ユーザの意思などの要因によって変更可能なものである。
あるいは、低消費電力を優先するか否かを示すパラメータを含む移動端末能力情報(UE Capabilities)の全体が変更可能なものであってもよい。
具体的には、移動端末3の能力を示す移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更された場合に通知するものとする。あるいは、移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更されていない場合でも、事前に決められた周期で通知するものとする。
移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更された場合に通知する場合、変更されたパラメータのみを通知するようにしてもよいし、移動端末能力情報(UE Capabilities)の全体を通知するようにしてもよい。
移動端末3のプロトコル処理部11は、移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更された場合、あるいは、事前に決められた周期毎に、低消費電力を優先するか否かを示すパラメータを含む移動端末能力情報(UE Capabilities)を制御データとして送信データバッファ部13に出力する。
移動端末3のエンコーダ部14は、送信データバッファ部13に格納されている制御データである移動端末能力情報(UE Capabilities)に対するエンコード処理を実施する。
ここでは、移動端末3がパラメータを含む移動端末能力情報(UE Capabilities)を制御データとして基地局2に送信するものを示したが、そのパラメータのみを基地局2に送信するようにしてもよい。
例えば、移動端末3をノート型のパーソナルコンピュータのカードスロットに差し込む形態で利用する場合、「低消費電力の優先順位:低い」、または、「スループットの優先順位:高い」になる。
また、移動端末3を携帯電話の形態で利用する場合、「低消費電力の優先順位:高い」、または、「スループットの優先順位:低い」になる。
これらの場合、ノート型のパーソナルコンピュータの電池容量が、携帯電話の電池容量と比較して大きいからである。
特に、「Sleep要求信号」と「低消費電力の優先度(スループットの優先度)」の双方を物理チャネルにマッピングして通知する場合の有効的なマッピング方法を開示する。
「Happy Bit」とは、上りデータ送信のために基地局2の上りスケジューラ部43から移動端末3に与えられている現在の「Serving Grant値」について、移動端末3が満足しているか否かを基地局2に通知する上り方向のインジケーターである。
つまり、上りデータ送信時にのみ意味を持つインジケーターである。言い換えれば、「Sleep要求信号」にて要求有りの場合、移動端末3にてActive中のDTX動作期間を開始する旨の決定がされたことになるので「Happy Bit」を送信する意味はなく、「低消費電力の優先度(スループットの優先度)」を送信する意味はある。
反対に「Sleep要求信号」にて要求無しの場合、移動端末3にてActive中のDTX動作期間を開始する旨の決定がされていないことになるので「Happy Bit」を送信する意味があり、「低消費電力の優先度(スループットの優先度)」を送信する意味はない。
例えば、図9に示すようにマッピングすれば、2ビットで同じ量の情報を移動端末3から基地局2に通知することが可能となり、物理チャネルへのマッピングを1ビット削減することが可能となる。無線資源の有効活用という意味において有効である。
図9は一例であり、「Sleep要求信号」の要求無し、要求有りによって他方のビットが示す情報を「Happy Bit」あるいは「低消費電力の優先度(スループットの優先度)」と切り替えるマッピングであれば、ここで開示する技術と同等とみなすことができる。
基地局2のデコーダ部39は、復調部38による復調後の制御データである移動端末能力情報(UE Capabilities)に対するデコード処理を実施し、デコード処理後の移動端末能力情報(UE Capabilities)をプロトコル処理部33に保存する(ステップST43)。
基地局2のプロトコル処理部33は、移動端末3が低消費電力を優先している場合、Active(広義)中(図13の状態2)の低消費電力を実現するために、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)への遷移を可能とする動作を行う(ステップST45)。
例えば、図4におけるシーケンスを有効にして、基地局2が、移動端末3から送信されるSleep要求信号の受信を受け付けて、Active中のDRX動作期間への移行が可能であるか否かの判定を行うようにする。
例えば、Active中のDRX動作期間への移行が可能であるか否かの判定を行わないようにする。
移動端末3の能力を示す移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更された場合にパラメータを通知、あるいは、移動端末能力情報(UE Capabilities)が変更されない場合でも、事前に決められた周期で通知することにより、移動端末3がActive(図13の状態2)中であっても、移動端末3から基地局2に移動端末能力情報(UE Capabilities)を通知することが可能になる。この効果は、常時接続の考え方となるパケット通信方式においてより顕著になる。なぜなら、常時接続となるためにRRCコネクションの回数が少なくなり、従来の技術のままでは、移動端末能力情報(UE Capabilities)を通知することが可能なタイミングが少ないからである。
これにより、低消費電力の実現とスループットの向上のどちらを優先したいかというパラメータの変更をActive(図13の状態2)中であっても、移動端末3から基地局2に通知することが可能となり、Active(図13の状態2)の低消費電力化をより効果的に実現できる。その結果、より最適な移動端末3の消費電力の削減を実現することができる。
一方、ステップST44において、基地局は、移動端末3が低消費電力を優先しないと判断した場合、ステップST46においてDRX周期、DTX周期を閾値Xより短く設定するとしてもよい。
変形例1は、「低消費電力を優先するか否か」と「DRX周期が長くなることを優先する(許す)か否か」あるいは「DTX周期が長くなることを優先する(許す)か否か」というパラメータを別々に移動端末から基地局に対して通知するようにしても実現可能である。
一方、ステップST44において、基地局は、移動端末3がスループットを優先すると判断した場合、ステップST46において、Active中のDRX/DTX動作期間において上り同期を維持しないことを許容しないとしてもよい。
一方、上り同期が維持されている場合には、そのような手順が不要となる。そのため、上り同期が維持されているか否かは、スループットに影響を及ぼすことになる。そのため、移動端末の状態に合わせたActive(広義)中(図13の状態2)の低消費電力化の更なる効率的な実現が可能になり、最適な移動端末3の消費電力の削減を実現することができる効果を奏する。
変形例2は、「スループットを優先するか否か(低消費電力を優先するか否か)」と「上り同期を維持するか否か」というパラメータを別々に移動端末から基地局に対して通知するようにしても実現可能である。
上記実施の形態3では、移動端末3が低消費電力を優先するか否かの決定結果を示すパラメータを移動端末能力情報(UE Capabilities)に含めて、その移動端末能力情報(UE Capabilities)を基地局2に送信するものについて示したが、上記のパラメータを移動端末能力情報(UE Capabilities)に含めずに、移動端末能力情報(UE Capabilities)と別個に上記のパラメータを基地局2に送信するようにしてもよい。
この実施の形態4によれば、移動端末能力情報(UE Capabilities)の機能を変更することなく、上記のパラメータを通知することができる効果を奏する。
上記実施の形態3の変形例1,2は、この実施の形態4においても適用可能である。
図10はこの発明の実施の形態5による移動体通信システムの処理内容を示すシーケンス図である。
上記実施の形態3では、移動端末3のプロトコル処理部11が低消費電力を優先するか否かを決定し、その決定内容を示すパラメータを移動端末能力情報(UE Capabilities)に含めて、その移動端末能力情報(UE Capabilities)を基地局2に送信するものについて示したが、移動端末3のプロトコル処理部11が低消費電力を優先するか否かを決定する際、電池残量を基準にして決定するようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
移動端末3のプロトコル処理部11(または、制御部23)は、電池残量と所定の閾値(低消費電力を優先する必要がある下限の電池残量)を比較し、その電池残量が所定の閾値以下であれば、低消費電力を優先する旨の決定(スループットを優先しない旨の決定)を行う。一方、その電池残量が所定の閾値を上回っていれば、低消費電力を優先しない旨の決定(スループットを優先する旨の決定)を行う(ステップST52)。
所定の閾値は、予め設定されている規定値であってもよいし、上位レイヤによる通知や計算により求められる値であってもよい。
ステップST41〜ST46の処理内容は、上記実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
ただし、低消費電力を優先するか否かの決定内容を示すパラメータは、上記実施の形態4と同様に、移動端末能力情報(UE Capabilities)に含めずに、移動端末能力情報(UE Capabilities)と別個に上記のパラメータを基地局2に送信するようにしてもよい。
移動端末3のプロトコル処理部11(または、制御部23)は、電池残量の確認を行う(ステップST51)。
移動端末3のプロトコル処理部11(または、制御部23)は、電池残量を確認すると、電池残量を基地局2に送信する(ステップST61)。
電池残量の具体的な通知方法としては、例えば、RRC(Radio Resource Control)と呼ばれるプロトコルによって、レイヤ3メッセージで基地局2に通知する方法などがある。また、物理チャネルにマッピングする方法や、MACシグナリングとしてMACヘッダーなどにマッピングする方法などもある。
(1)電池残量の絶対値を送信する
(2)電池容量に対する電池残量の割合を送信する
(3) インジケーターを送信する
インジケーターを送信する場合は、電池残量の絶対値や、電池容量に対する電池残量の割合を送信する場合と比較して、送信する情報量を削減することが可能である。そのため、無線資源を有効利用できるという点で有利である。図12はインジケーターの一例を示す説明図である。
基地局2のプロトコル処理部33(または、制御部44)は、電池残量が所定の閾値以下であれば、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)への遷移を可能とする動作を行う(ステップST45)。
一方、電池残量が所定の閾値を上回っていれば、Active中のDRX/DTX動作期間(図13の状態2−B)への遷移を不可能とする動作を行う(ステップST46)。
上記実施の形態3の変形例1,2は、この実施の形態5においても適用可能である。
上記実施の形態5では、電池残量を判断基準にして、低消費電力を優先するか否かを決定するものについて示したが、ユーザが移動端末3に自己の意思(低消費電力を優先するか否かを示す意思)を入力し、移動端末3がユーザの意思を判断基準にして、低消費電力を優先するか否かを決定するようにしてもよい。
あるいは、移動端末3がユーザの意思を基地局2に送信し、基地局2がユーザの意思を判断基準にして、低消費電力を優先するか否かを決定するようにしてもよい。
上記実施の形態3の変形例1,2は、この実施の形態6においても適用可能である。
非特許文献6では、基地局から移動端末に、初送データとともにDRX周期が送信されることが示されている。通常、DRX周期は、初送データとともにL1/L2制御信号によって通知される。
一方、LTEシステムにおいては、下りデータ送信及び上りデータ送信において、HARQが適用されることが検討されている。HARQ(Hybrid ARQ)が適用される場合、例えば、下りリンクでは、基地局が移動端末にデータを送信し、移動端末は、そのデータの受信状況に応じてAck信号/Nack信号を基地局に送信する。データ受信成功の場合はAck信号、失敗の場合はNack信号を送信する。
基地局は、移動端末からAck信号を受信した場合、新たなデータを送信することになるが、Nack信号を受信した場合は再送を行うことになる。つまり、基地局は移動端末から受信成功を示すAck信号を受信するまで再送を行うことになる。
しかし、HARQが適用されて再送が生じた場合、基地局が初送データとともにDRX周期を送信してしまうと問題が生じる。
基地局は、DRX周期を移動端末に通知した時点で、次に移動端末にリソースを割当てる時間を決めねばならない。しかし、基地局が初送データとともにDRX周期を送信してしまうと、移動端末からNack信号が返り、再送が必要となった場合には、その分だけ初送データでリソースを割当てた時間を後ろに変更しなければならなくなる。つまり、基地局は、再送する度に、移動端末にリソースを割当てる時間を変更しなければならなくなる。
このように、再送を考慮した場合には、基地局のスケジューリング負荷が増大してしまうという問題が生じる。
図において、下りリンクでは、白抜きはデータを表し、横線はDRX周期(DRXインターバル)情報が含まれないL1/L2制御信号を表し、斜線はDRX周期が含まれるL1/L2制御信号を表している。また、上りリンクでは、Ack信号、Nack信号が移動端末から基地局に送信される。
基地局は、下り初送データを送信した後、移動端末よりAck信号を受け取った場合、次のL1/L2制御信号の送信タイミングにてDRX周期(A)情報を送信して(図中、(1)を参照)、DRX動作に移行する。
DRX動作後、基地局が移動端末に送信する下りデータが無い場合は、L1/L2制御信号のみを送信する。このL1/L2制御信号には、DRX周期情報が含まれてもよい(図中、(2)を参照)。
DRX周期情報が含まれる場合は、DRX周期(B)が更新され、DRX動作に移行する。なお、DRX周期情報が含まれない場合は、直前のDRX周期を適用することをあらかじめ決めておいてもよい。
同様に、DRX動作後、移動端末は、基地局から下りデータを受信して、受信結果が成功でない場合、基地局にNack信号を送信する。
移動端末からのNack信号を受信した基地局は、下り再送データを送信する。基地局は、下り再送データとともにDRX周期情報は送信しない。
次に、移動端末は、基地局から下りデータを受信して、受信結果が成功である場合、Ack信号を基地局に送信する。移動端末からのAck信号を受信した基地局は、次のL1/L2制御信号を送信するタイミングでDRX周期情報(図中、Bを参照)を含んだL1/L2制御信号を移動端末に送信する。
下りデータが無い場合は、基地局が、移動端末へ送信したDRX周期情報、もしくは、DRX移行情報を含むL1/L2制御信号の送信タイミングとすればよい。
基地局は、移動端末への下りデータが発生したか否かを判断し(ステップST3201)、下りデータが発生している場合、下り初送データとともにDRX周期を含まないL1/L2制御信号を移動端末に送信する(ステップST3202)。
移動端末は、下りデータを受信し(ステップST3203)、データの受信状態を判定する(ステップST3204)。
基地局は、移動端末からの受信結果(Ack信号/Nack信号)を受信し(ステップST3208)、Ack信号かNack信号かを判定する(ステップST3209)。
判定結果がNack信号である場合、下り再送データを送信する(ステップST3210)。ただし、再送データとともにDRX周期情報は送らない。
移動端末は、Nack信号を送信した場合、下り再送データを受信し(ステップST3207)、再度、下りデータの受信状態を判定し、その判定結果に応じてAck信号/Nack信号を基地局に送信する。
移動端末は、下り再送データの受信状態判定結果が成功である場合、Ack信号を基地局に送信する。
基地局は、移動端末からの受信判定結果がAck信号となった場合、DRX周期を含むL1/L2制御信号を送信した後(ステップST3211)、DRX動作へ移行する(ステップST3213)。
移動端末は、DRX周期を含むL1/L2制御信号を受信した後(ステップST3212)、DRX動作へ移行する(ステップST3215)。
基地局は、DRX周期後、該移動端末へのスケジューリングが可能となり、アクティブへ移行する(ステップST3214)。また、移動端末は、DRX周期後にアクティブになる(ステップST3216)。
移動端末は、DRX周期を含むL1/L2制御信号を受信すると(ステップST3212)、そのL1/L2制御信号に含まれるDRX周期でDRX動作に移行する(ステップST3215)。
そして、基地局は、DRX周期後、該移動端末へのスケジューリングが可能となり、アクティブへ移行する(ステップST3214)。また、移動端末は、DRX周期後にアクティブになる(ステップST3216)。
さらに、再送の度に移動端末にリソースを割当てる時間を変更しなくてよくなるため、基地局におけるスケジューリングの負荷を軽減することが可能となる効果が得られる。
また、移動端末がDRX周期もしくはDRX移行情報を受信できなかった場合でも、移動端末はDRX動作に入ることなく受信動作を行い、DRX周期後に基地局から送信されるタイミングで受信を行うことになるので、DRX周期後の受信エラーの発生を無くすことができる。
このように、移動端末がDRX周期もしくはDRX移行情報を受信できずに状態遷移エラーが生じた場合にも、受信エラーの発生を無くせるという効果が得られる。
さらには、基地局が移動端末からのAck信号を受信エラーした場合も、基地局と移動端末は、ともにDRX動作に入ることがないため、状態遷移エラーが生じにくいという効果が得られる。
さらに、状態遷移エラーが生じにくいので、タイマーが無くせるという効果が得られる。
これにより、基地局のスケジューラは、Ack信号受信後のスケジューリング負荷に応じてDRX周期を設定するタイミングを調整することが可能になる効果が得られる。
これにより、移動端末は、Ack信号送信後のL1/L2制御信号をnTTI後まで連続受信しなくてもよく、低消費電力につながる。
このようにすることで、DRX周期情報の送信タイミングとDRX移行情報の送信タイミングの間で、基地局のスケジューラ負荷が増加してしまうが、非特許文献6に示されたように、初送データとともにDRX周期情報が送信される場合よりも、基地局のスケジューラ負荷が軽減可能になる効果が得られる。
図21はDTX周期とDRX周期を等しくした場合に、基地局から移動端末へDRX周期を通知する方法の一例を示す説明図である。
図21において、下りリンクでは、白抜きはデータを表し、横線はDRX周期(DRXインターバル)情報が含まれないL1/L2制御信号を表し、斜線はDRX周期が含まれるL1/L2制御信号を表している。また、上りリンクでは、Ack信号、Nack信号、および、上りチャネル品質評価用や上り同期用として用いられるサウンディング信号が、移動端末から基地局に送信される。
基地局は、下り初送データを送信した後、移動端末よりAck信号を受け取った場合、次のL1/L2制御信号の送信タイミングでDRX周期(A)情報を送信して(図中、(1)を参照)、DRX動作に移行する。
移動端末は、DTX周期(A)のDTX動作後のタイミングで、サウンディング信号を基地局に送信する(図中、(4)を参照)。
基地局は、DRX周期(A)の後、移動端末に送信する下りデータが無い場合には、L1/L2制御信号のみを移動端末に送信する。このL1/L2制御信号には、DRX周期情報が含まれてもよい(図中、(2)を参照)。
DRX周期情報が含まれる場合は、DRX周期(B)が更新され、DRX動作に移行する。なお、DRX周期情報が含まれない場合は、直前のDRX周期を適用することをあらかじめ決めておいてもよい。
移動端末は、DTX周期(B)のDTX動作後のタイミングで、サウンディング信号を基地局に送信する(図中、(5)を参照)。
基地局は、DRX周期(B)の後、移動端末へ送信する下りデータが発生した場合、下りデータを移動端末に送信する。ただし、基地局は、下りデータとともにDRX周期情報は送信しない。
移動端末からのNack信号を受信した基地局は、下り再送データを送信する。ただし、基地局は、下り再送データとともにDRX周期情報は送信しない。
移動端末は、基地局から下りデータを受信して、その受信結果が成功である場合、Ack信号を基地局に送信する。
移動端末からのAck信号を受信した基地局は、次のL1/L2制御信号を送信するタイミングで、DRX周期(B)情報を含むL1/L2制御信号を送信する(図中、(3)を参照)。
移動端末は、DTX周期(B)のDTX動作後のタイミングで、サウンディング信号を基地局に送信する(図中、(6)を参照)。
下りデータが無い場合には、基地局が、移動端末へ送信したDRX周期情報もしくはDRX移行情報を含むL1/L2制御信号の送信タイミングとすればよい。
下りデータが無い場合には、基地局が移動端末へ送信したDRX周期情報もしくはDRX移行情報を含むL1/L2制御信号の直前のサウンディング信号の送信タイミングとすればよい。
下りデータが無い場合には、基地局が移動端末へ送信したDRX周期情報もしくはDRX移行情報を含むL1/L2制御信号の受信タイミングとしてもよい。
あらかじめ決められるDRX周期情報は、無線ベアラのセッションが開始されるときに、基地局から移動端末に送信されるL3メッセージ等で通知される。
L3メッセージで通知されるDRX周期が、例えば、時間間隔の場合、この実施の形態7で開示した発明が適用可能である。ただし、DRX周期の変更ができる場合には、基地局から移動端末に送信されるL1/L2制御信号でDRX周期情報もしくはDRX動作移行情報を送信すればよいが、DRX周期の変更ができない場合は、DRX周期情報を送信することができず、DRX動作の移行情報を送信すればよい。
基地局、移動端末ともに、L1/L2制御信号で送信されたDRX周期情報もしくはDRX動作の移行情報に基づいてDRX動作に移行すればよい。
例えば、絶対時間指定として、時間軸上で、無線フレーム(10ms)が512個ナンバリング(0〜511)され、さらに、無線フレームがTTI毎に10個ナンバリング(0〜9)され、これが繰り返されることが考えられる。
L3メッセージで、どの時間に割当てるかが指定される。例えば、無線フレームナンバn(n=0,1,2…,511)でTTIナンバ5などである。
この場合、毎無線フレーム毎にTTIナンバ5のタイミングで、DRX周期が開始される。ある無線フレームのTTIナンバ5のタイミングで生じた下り初送データが、HARQにより再送が生じて、次の無線フレームのTTIナンバ5のタイミングを越えてしまうという問題が生じる。
絶対時間を変更するために通知するパラメータとしては、例えば、無線フレームナンバ、TTIナンバ、TTIナンバシフト量などがある。例えば、TTIナンバ9を通知するとか、TTIナンバのシフト量6(TTIナンバは1となる)を通知するとかである。また、同様に、無線フレームナンバを通知してもよい。
基地局、移動端末ともに、L1/L2制御信号で送信されたDRX周期の絶対時間の変更情報に基づいてDRX動作に移行すればよい。
図22は下りリンクにおいて、並列に複数のラジオベアラに対応したDRX周期が設定された場合を示す説明図である。
図22において、ラジオベアラ(RB)#1、#3はフレキシブル(Flexible)なDRX周期の割当て、RB#2は固定(Fixed)のDRX周期の割当てを示している。
固定割当ては、基地局があらかじめ決められたDRX周期のタイミングでリソースを移動端末に割当てている場合であり、あらかじめ決められるDRX周期情報が、無線ベアラのセッションが開始される以前に、基地局から移動端末に送信されるL3メッセージ等で通知される。
(1)移動端末が、基地局より通知された各RBのDRX周期から計算
(2)基地局が、各RBのDRX周期から計算して移動端末に通知
(2)の場合、基地局がDRX周期を調整して、一つのDRX周期として通知するので、もし、フレキシブルな割当てが一つでもある場合は、フレキシブルな割当てとなる。また、固定割当てのみの場合が固定割当てとなる。従って、この場合も、この実施の形態7で開示した方法を適用することが可能となる。
上記の例では、下りリンクにおいて、基地局がAck信号を受信した後のデータが付随しないL1/L2制御信号等でDRX周期情報を移動端末へ通知する方法を説明したが、ここでは、上りリンクにおいて、基地局がAck信号を送信した以降のL1/L2制御信号等でDTX周期情報を移動端末へ通知する方法を説明する。
図23において、下りリンクでは、横線は上りリソース割当て情報が含まれるL1/L2制御信号を表し、斜線はDTX周期(DTXインターバル)情報が含まれるL1/L2制御信号を表している。また、上りデータに対するAck信号、Nack信号が基地局から移動端末に送信される。上りリンクでは、白抜きはデータを表し、移動端末から基地局に送信される。
移動端末は、基地局からDTX周期(A)情報を受信すると、そのDTX周期(A)情報を受信する直前に行った送信の送信タイミングからDTX周期(A)のDTX動作に移行する。
次に、移動端末は、DTX周期(A)の後、上りデータが存在する場合には、初送データを基地局に送信する。
Nack信号を受信した移動端末は、再送データを基地局に送信する。
基地局は、上りで移動端末から送信された再送データの受信に成功した場合、Ack信号とともにDTX周期(B)情報をL1/L2制御信号で送信する(図中、(2)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(B)情報を受信すると、そのDTX周期(B)情報を受信する直前に行った送信の送信タイミングからDTX周期(B)のDTX動作に移行する。
また、基地局が移動端末へ送信する情報としてDTX周期情報について述べたが、DRXの場合と同様に、DTX周期の変更が無い場合にはDTX移行情報であってもよい。
DTX周期に変更が無い場合で、基地局から移動端末へDRX周期情報が送られてこない場合は、移動端末が基地局からAck信号を受信する直前に行った送信の送信タイミングを、DTX周期の開始タイミングとすればよい。
DTX周期に変更が無い場合で、基地局から移動端末へDRX周期情報が送られてこない場合は、移動端末が基地局からAck信号を受信する受信タイミングを、DTX周期の開始タイミングとすればよい。
上りデータのリソース割当てがあらかじめ決められている場合は、移動端末が上りデータを送信する前に基地局より送信される上りリソース割当て情報を受信しなくてもよく、DTX動作後のタイミングであらかじめ決められたリソースで上りデータを送信すればよい。
上りデータがある場合は、基地局から移動端末へ送信するAck信号とともにDTX周期信号を送信し、上りデータが無い場合は、上り送信信号の後に基地局から移動端末へ送信するL1/L2制御信号でDTX周期を送信する方法を説明する。
図24において、下りリンクでは、横線は上りリソース割当て情報が含まれるL1/L2制御信号を表し、斜線はDTX周期(DTXインターバル)情報が含まれるL1/L2制御信号を表している。また、上りデータに対するAck信号、Nack信号が基地局から移動端末に送信される。上りリンクでは、白抜きはデータを表し、黒塗りはサウンディング信号を表し、移動端末から基地局に送信される。
基地局は、移動端末から送信されたデータの受信に成功した場合、Ack信号、上りタイミング調整用信号(TA)とともにDTX周期(A)情報をL1/L2制御信号で送信する(図中、(1)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(A)情報を受信すると、そのDTX周期(A)情報を受信する直前に行った送信の送信タイミングからDTX周期(A)のDTX動作に移行する。
基地局は、サウンディング信号を受信すると、タイミング調整用信号(TA)とともにDTX周期(B)情報をL1/L2制御信号で移動端末に送信する(図中、(2)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(B)情報を受信すると、そのDTX周期(B)情報を受信する直前に行った送信(サウンディング信号の送信)の送信タイミングからDTX周期(B)のDTX動作に移行する。
基地局は、上りで移動端末から送信されたデータの受信に失敗した場合、Nack信号、タイミング調整用信号とともに再送用の上りリソース割当てをL1/L2制御信号で移動端末に送信する。ただし、Nack信号にはDTX周期は含まれない。
移動端末は、基地局からNack信号を受信すると、再送データを基地局に送信する。
基地局は、上りで移動端末から送信された再送データの受信に成功した場合、Ack信号とともにDTX周期(C)情報をL1/L2制御信号で移動端末に送信する(図中、(3)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(C)情報を受信すると、そのDTX周期(C)情報を受信する直前に行った送信の送信タイミングからDTX周期(C)のDTX動作に移行する。
基地局は、サウンディング信号を受信すると、タイミング調整用信号(TA)とともにDTX周期(D)情報をL1/L2制御信号で移動端末に送信する(図中、(4)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(D)情報を受信すると、そのDTX周期(D)情報を受信する直前に行った送信(サウンディング信号の送信)の送信タイミングからDTX周期(D)のDTX動作に移行する。
基地局は、サウンディング信号を受信すると、タイミング調整用信号(TA)とともにDTX周期(E)情報をL1/L2制御信号で移動端末に送信する(図中、(5)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(E)情報を受信すると、そのDTX周期(E)情報を受信する直前に行った送信(サウンディング信号の送信)の送信タイミングからDTX周期(E)のDTX動作に移行する。
DTX周期に変更が無い場合で、基地局から移動端末へDRX周期情報が送られてこない場合は、移動端末が基地局からAck信号もしくはタイミング調整用の信号を受信する直前に行った送信の送信タイミングを、DTX周期の開始タイミングとすればよい。
DTX周期に変更が無い場合で、基地局から移動端末へDRX周期情報が送られてこない場合は、移動端末が基地局からAck信号もしくはタイミング調整用の信号を受信する受信タイミングを、DTX周期の開始タイミングとすればよい。
あらかじめ決められるDTX周期情報は、無線ベアラのセッションが開始されるときに基地局から移動端末に送信されるL3メッセージ等で通知され、例えば、時間間隔の場合や絶対時間指定の場合であっても、下りリンクの場合と同様の方法を用いることにより適用することが可能となる。
さらに、上記実施の形態2で示したように、DRX周期とDTX周期を等しく、または、協調する方法を適用することも可能である。
ただし、移動端末が上り送信に関連している何らかの基地局からの信号を受信する必要がある場合は、該受信信号の受信タイミングからDTX動作後の送信タイミングまでの時間をパラメータとしておけばよい。
図25(A)は上りデータが有る場合について示している。
基地局が上りデータに対するAck信号とともにDTX周期(A)情報を移動端末に送信する(図中、(1)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(A)情報を受信すると、DTX動作に移行するとともに、DRX周期をDTX周期と等しくして、DRX動作に移行する。
しかし、移動端末は、DTX周期(A)の後の上りデータ送信に備えて、上りリソース割当てを受信するため、DTX周期(A)よりパラメータ(tp)だけ早く受信する。
基地局は、移動端末に送信したDTX周期(A)もパラメータ(tp)も知っているため、上りリソース割当てを移動端末に送信するタイミングを算出することができる。
基地局がCQIを移動端末に送信した後、DTX周期(B)情報を移動端末に送信する(図中、(2)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(B)情報を受信すると、DTX動作に移行するとともに、DRX周期をDTX周期と等しくして、DRX動作に移行する。
しかし、移動端末は、DTX周期(B)の後のCQI送信に備えて、下りリファレンス信号を受信するため、DTX周期(B)よりパラメータ(tp)だけ早く受信する。
基地局は、移動端末に送信したDTX周期(B)もパラメータ(tp)も知っているため、下りリファレンス信号を移動端末に送信するタイミングを算出することができる。
パラメータ(tp)は、あらかじめ設定しておいて、基地局と移動端末とで共有しておいてもよいし、ラジオベアラのセッションが開始されるときに、基地局から移動端末に通知されてもよいし、DTX周期とともに基地局から移動端末に通知されてもよい。
ここで開示した方法を用いることによって、DRX周期とDTX周期を形式的に等しくすることができ、上記実施の形態2で述べた効果を得ることができる。
ここでは、下りリンクかつ上りリンクにおいて、それぞれデータ送信がある場合について、基地局がDTX周期情報やDRX周期情報を移動端末に通知する方法を説明する。
また、下りデータが先に終了して、上りデータのみがあっても、その上りデータに対する下りAck信号/Nack信号が必要となる。
よって、DRX周期とDTX周期を異なる値に設定しても、上り下り両方のデータが終了するまで、DRX動作もしくはDTX動作に移行することができない。
従って、DRX周期とDTX周期を異なる値に設定するのは無駄となる。
従って、下りリンクかつ上りリンクにおいて、それぞれデータ送信が有る場合は、DRX周期とDTX周期を同じにする方が好ましい。
この場合、以下の2つの状態に分けられる。
(1)下りデータが先に終了する場合
(2)上りデータが先に終了する場合
下りデータが先に終了する場合、基地局は、上り最終の初送データもしくは上り最終の再送データに対するAck信号とともにDTX周期(A)情報をL1/L2制御信号によって移動端末に送信する(図中、(1)を参照)。
移動端末は、基地局からDTX周期(A)情報を受信すると、DRX周期をDTX周期(A)と等しくする。
DTX周期の開始タイミングは、移動端末が基地局に送信する上り最終の(再送)データの送信タイミングとすればよい。
移動端末は、基地局からDTX周期(B)情報を受信すると、DTX周期をDRX周期(B)と等しくする。
DTX周期の開始タイミングは、移動端末が基地局に送信する下り最終の(再送)データに対するAck信号を送信する送信タイミングとすればよい。
これにより、移動端末は、移動端末が上り送信に先立って受信する何らかの基地局からの信号の受信タイミングを算出することができる。
該パラメータは、あらかじめ設定しておいて、基地局と移動端末とで共有しておいてもよいし、ラジオベアラのセッションが開始されるときに、基地局から移動端末に通知されてもよいし、DTX周期とともに基地局から移動端末に通知されてもよい。
上記実施の形態7では、DRX(DTX)動作時のHARQによるデータ送信において、HARQモードによるデータ送信が成功(DRXの場合は、移動端末からAck信号を送信、DTXの場合は、基地局からAck信号を送信)したときに、L1/L2制御信号によって、次回のデータ送信までのDRX(DTX)期間を基地局から移動端末に通知する方法について説明した。
これにより、HARQの再送が続いて、本来のDRX周期を超えてしまった場合においても、最後の送信が完了した後に基地局から移動端末へDRX(DTX)期間が通知されるため、HARQによる再送途中で誤ってDRX(DTX)動作に入る危険がなく、基地局におけるスケジューリングの負荷を減らせるという効果が得られるが、下りにおいて、HARQモードでのデータ送信の途中で、どうしても、移動端末は、Ack信号の送信後、基地局からのL1/L2制御信号を1回受信する必要があるという問題がある。
また、DRX(DTX)動作期間中の次回のActiveが始まるタイミングが、HARQによる送信成功のタイミングに依存するため、それぞれの初送開始までの間隔が毎回異なり、HARQでの送信成功まで予想がつかないという問題がある。
また、HARQを用いたデータ送信において、再送が繰り返されたために、最初に想定したDRX(DTX)期間終了タイミングを超えてしまった場合においても、再送回数を気にすることなく、DRX/DTX制御を行うことができ、基地局側でのスケジューリング負荷を減らすことができるという効果を得ることができる。
以下、この実施の形態8における移動体通信システムのDRX制御の流れを説明する。
基地局及び移動端末がActive(広義)中であることを把握しているときに、DRX動作をする必要のある下りデータが発生する。
このとき、基地局は、DRX周期の設定処理に移行し、移動端末3の消費電力を削減するために最適なActive中(広義)のDRX動作に用いるDRX周期を設定する(ステップST5101)。
図29に示すように、この方法は、DTX周期設定にもDRX周期設定にも適用することができる。
まず、基地局2のプロトコル処理部33は、DRX/DTX動作中か否かを確認し、動作中ではないと判定すると(ステップST5301)、上記実施の形態1と同様にして、移動端末3がActive(広義)中のDRX動作もしくはDTX動作を行うことが可能か否かを判定する(ステップST5302)。
DRXもしくはDTX動作が必要で、異なったDRX/DTX周期を持つデータ、制御信号が2つ以上ある場合には(ステップST5304)、それぞれのDRX/DTX周期における現時点から最も近いDRX/DTX期間終了タイミングを算出して比較する(ステップST5305)。
更に、次回DRX/DTX期間終了タイミングと、データ送信開始タイミングとのタイミング差を「DRX/DTX周期」として設定する。このとき、同様にして、その次のDRX/DTX周期や次々回のDRX/DTX周期も算出する(ステップST5307)。
移動端末は、基地局からデータとL1/L2制御信号を受信する(ステップST5103)。
移動端末は、HARQモードでなければ(ステップST5104)、基地局から通知されたDRX周期を元に、次の「DRX期間終了タイミング」までDRX動作(スリープ)する(ステップST5118、ST5120)。
HARQモードであった場合には、移動端末から送信されたAck信号/Nack信号を受信し(ステップST5109)、Ack信号を受信すれば、ステップST5113の処理に移行する(ステップST5110)。
一方、Ack信号を受信しなければ、データのみを移動端末に再送する(ステップST5111)。
基地局は、移動端末からAck信号を受信するまで、ステップST5109〜ST5111の処理を繰り返し実施する。同様に移動端末も、再送データを受信して(ステップST5112)、受信データに問題がなく、Ack信号を基地局に送信するまで(ステップST5108)、ステップST5106〜ST5112の処理を繰り返し実施する。
基地局は、現在のタイミングがDRX期間終了タイミングを超えている場合、ステップST5101で算出していた「次回のDRX周期」分、DRX期間終了タイミングを延長し、「次々回のDRX期間終了タイミング」を「次回のDRX期間終了タイミング」として更新する(ステップST5115)。
あるいは、ステップST5115で、図29に示したDRX/DTX周期設定のステップST5304〜ST5307の処理を行なって「次回のDRX周期」を算出し直し、DRX期間終了タイミングを新しく算出しなおした「次回のDRX周期」分延長したタイミングを「次回のDRX期間終了タイミング」として更新してもよい。
基地局は、その後、「次回のDRX期間終了タイミングを過ぎたら(ステップST5119)、ステップST5101の処理に戻り、次のDRX周期を設定する(ステップST5101)。
即ち、移動端末は、ステップST5114に進んだ時点のタイミングが、ステップST5103で、基地局から受信したL1/L2制御信号にあるDRX周期情報から得た「DRX期間終了タイミング」を超えている場合、「DRX期間期間終了タイミング」を「次回のDRX周期」分延長して求めた「次々回のDRX期間終了タイミング」を「次回のDRX期間終了タイミング」として更新する(ステップST5116)。
その後、移動端末は、「次回のDRX期間終了タイミング」までスリープし(ステップST5118、ST5120)、DRX動作後(WakeUp後)、ST5103の処理に戻り、基地局からの受信を待つ。
ステップST5116における「次回のDRX期間終了タイミング」は、ステップST5103で基地局から受信してもよいし、ステップST5103では「DRX周期」と「次回DRX周期」のみ受信し、これを元に該ステップで「次回のDRX期間終了タイミング」を算出・再設定してもよい。
これにより、ステップST5102で基地局からL1/L2制御信号で通知するDRX周期情報量を減らし、無線リソースの有効活用ができるという効果を得ることができる。
図30では、下りリンクの通信において、HARQモードでデータ再送が発生し、再送が終わったタイミングがDRX周期を超えてしまったときのタイミング例を示している。
移動端末は、HARQモードであるため、L1/L2制御信号を介して、DRX周期(A)を受信し、これを元に「DRX期間終了タイミング」を算出すると共に、受信データに問題があるか否かをチェックし、その受信データに問題があれば、上りリンクでNack信号を基地局に送信する。
基地局は、Nack信号を受信すると、再度、下りリンクでデータを移動端末に再送する。このとき、L1/L2制御信号にはDRX周期情報は含まれない。
一方、基地局も同様に「DRX期間終了タイミング」まで待った後、次のDRX周期(B)をステップST5101で設定して、L1/L2制御信号にて移動端末に通知する。
このとき、下りユーザデータが発生しなかったため、L1/L2制御信号のみ送信されている。
基地局は、「A+B」のタイミングまで待ったあと、新たなDRX周期(A)をステップST5101で設定して、L1/L2制御信号にて移動端末に通知する。
このとき、下りユーザデータが発生し、L1/L2制御信号と共に下りユーザデータが移動端末に送信される。
このとき、無線品質の劣化が原因でHARQによる送信がうまくいかず、3回目の再送(通算4回目の送信)で移動端末での受信が成功し、移動端末が上りリンクでAck信号を基地局に送信する。
この時点で、既に最初に通知されたDRX周期(A)により算出された「DRX期間終了タイミング(図30では、A+B+Aのタイミング)」を超えていたため、「DRX期間終了タイミング」をDRX周期(A)分延長したタイミングを「DRX期間終了タイミング(A+B+2×Aのタイミング)」に再設定し、このタイミングまで移動端末と基地局がスリープする。
また、HARQによる再送が長引いたときは、基地局と移動端末の双方において、自動的に次のDRX期間終了タイミングを更新することにより、従来例と比べて、基地局側でのスケジューリング負荷を減らすことができる。
更に、上記実施の形態7のように、下り送信において、途中で基地局から移動端末にL1/L2制御信号で送信する必要がなく、移動端末側で基地局からのL1/L2制御信号を待たずにDRX動作に移行でき、より消費電力の低減を図ることができる。
図28は移動通信システムのDTX制御の流れを示すシーケンス図である。
以下、移動体通信システムのDTX制御の流れを説明する。
基地局は、移動端末からSRを受信すると(ステップST5203)、上りリンク用のリソースを確保して(ステップST5205)、DTX周期を設定し(ステップST5206)、これらの情報を下りリンクのL1/L2制御信号を介して移動端末に通知する。
ステップST5206でのDTX周期設定方法については、DRX制御の説明箇所で既に記述しているので省略する。
基地局は、移動端末から上りデータを受信すると(ステップST5209)、HARQモードでなければ(ステップST5211)、「DTX期間終了タイミング」に合わせてステップST5206の処理に戻り、次のDTX周期を設定する。
HARQモードであれば(ステップST5211)、受信データをチェックし(ステップST5212)、その受信データに問題がなければ、Ack信号を移動端末に送信し(ステップST5214)、その受信データに問題があれば、Nack信号を移動端末に送信する(ステップST5213)。
ステップST5216〜ST5218の処理は、基地局からAck信号を受信するまで繰り返し実施される。同様に基地局でも、ステップST5218で再送された上りデータを受信し(ステップST5213)、その受信データに問題がなく、Ack信号を移動端末に送信するまで、ステップST5212〜ST5215の処理を繰り返し実施する。
これにより、最初のステップST5206において、L1/L2制御信号で次回以降のDTX周期に関する情報を送信する必要がなく、無線リソースを有効に活用することができる。
ステップST5222では、移動端末側と同じく、「次回のDTX期間終了タイミング」を延長する際に用いる「DTX周期」の値を、ステップST5206で算出したDTX周期ではなく、ステップST5222の時点で改めて、図29のステップST5304〜ST5307記載の方法で「次回のDTX周期」を再計算した値を用いてもよい。
「次回のDTX期間終了タイミング」まで待っている間に、ステップST5223で次のDTX周期を基地局から受信しておく。この間(ステップST5221〜ST5223までの間)、及び、ステップST5223〜ST5224の間、移動端末は、消費電力を低減するためにDTX動作(スリープ)していることが望ましい。
移動端末は、ステップST5224のタイミングで、DTX動作を終えた(WakeUpした)後、ステップST5207〜ST5223を繰り返し実施する。
図31では、HARQモード時、上りリンクでデータ送信が発生した場合の動作タイミングを示し、図32では、HARQモード時、同じく上りリンクで2種類のDTX周期を持つデータと制御信号が発生した場合の動作タイミングを示している。
図31において、送信データ(1)が発生すると、上りリンクでSRが基地局に送信される。
基地局は、SRを受信した後、下りリンクのL1/L2制御信号を介して、データ(1)に対する上りリソース割当て情報と、データ(1)に対するDTX周期(A)を移動端末に通知する。
移動端末は、上りリソース割当て情報とDTX周期(A)を受信すると、割当てられた上りリソースを用いて、データ(1)を送信(初送)する。
ただし、図31の例では、データ(1)の送信(初送)に失敗し、データの再送を3回実施している(通算、4回、データを送信)。
この時点で、既に最初に通知されたDTX周期(A)から算出した「次回のDTX期間終了タイミング(初送から時間Aが過ぎたタイミング)」を超えているため、更に次のDTX周期(A)分を延長した「次々回のDTX期間終了タイミング(A+Aのタイミング)」を「次回のDTX終了タイミング」として再設定し、このタイミングまで移動端末はスリープする。
その間に、基地局はステップST5206で、DTXサイクル(DTX周期(B))を設定し、下りのL1/L2制御信号を介して「次回のDTX周期(B)」を移動端末に通知する。
移動端末は、「次回のDTX周期(B)」を受信して、WakeUp後、「次回のDTX終了タイミング」を再設定し、データ(2)を送信して、基地局からAck信号を受信した後、「次回DTX終了タイミング(=データ(1)の初送からA+A+B後のタイミング)」までスリープする。
上りリンクでデータ(1)が発生した場合、移動端末から基地局にSRが送信され、これを受けて、基地局からリソース割当てとDTXサイクル(DTX周期(A))の情報が下りリンクのL1/L2制御信号を介して移動端末に通知される。
このとき通知されるDTX周期(A)は、図29を用いて、ステップST5101のDRX周期設定について説明した方法と同じ方法で決定されている。即ち、データのDTX周期aと、上りのCQI測定の為のサウンディング信号のDTX周期bから現時点に最も近い「DTX期間終了タイミング」を選択し、初送からその「DTX期間終了タイミング」までの時間をDTX周期として算出した値である。
このDTX周期(A)の移動端末は、割当てられたリソースを用いて、サウンディング信号と共にデータ(1)を送信するが、基地局でうまく受信できず、データ(1)のみ2回再送を行なっている。
2回目の再送の後、基地局での受信が成功となり、Ack信号が移動端末に返されたタイミングは、既に最初に通知されたDTX周期(A)から算出した「DTX期間終了タイミング(データ(1)の初送から時間Aを経過したタイミング)」を超えていたため、基地局と移動端末の双方で「DTX期間終了タイミング」をその次のDTX周期(A)(=データ周期a)分延長し、データ(1)の初送から2×Aの時間経過したタイミングを「DTX期間終了タイミング」として再設定する。
このDTX周期(B)の算出においては、データの周期aによる次回DTX期間終了タイミング(データ(1)の初送より3×aのタイミング)とサウンディング信号周期bによる次回DTX期間終了タイミング(データ(1)の初送よりbのタイミング)を比較して、現タイミングにより近いDTX周期bの期間終了タイミングを選択し、移動端末のWakeUp予定タイミングから次回のDTX周期bの期間終了タイミングまでをDTX周期(B)として設定するという手順を経ている。
また、一定のルールに従ってDRX/DTX周期設定、DRX/DTX制御を行うため、トラフィックの突然の変化が発生した場合においても、DRX/DTX周期の始期をある程度予想できるため、DRX動作期間中に、DTX動作となり、DTX周期の始期や周期をDRX周期の始期やDRX周期に合わせる場合においても、データや制御信号の優先度や上りリンクの状態によってDTX周期設定を無理なく行うことができる。
このような場合、図27で説明したDRX制御のシーケンス図で言えば、1つ前のDRX動作が終了(ステップST5119がYes)したときの次のステップST5101のDRX周期設定で、新規に発生したデータ(2)のDRX周期(B)と、これまでにあったデータ(1)のDRX周期(A)の双方を考慮して「今回のDRX周期」を設定する必要がある。ステップST5101での「今回のDRX周期」の設定では、図29を用いて説明したようなDRX/DTX周期設定方法によって、DRX周期の再設定を行う必要がある。
しかし、この例の場合、DRX周期の中にDRX周期(B)が含まれるため、新規のDRX周期(B)の始期でWakeUpできるように、DRX周期を設定する必要がある。つまり、DRX周期(A)の始期からDRX周期(B)の始期までの期間CにDRX周期を設定しなければならない。
その後は、図29のフローチャート記載の流れに沿って、DRX周期を更新すればよい。この変形例におけるDRX周期の設定は、DTX制御において、同じような状況が発生した場合にも適用することができる。
また、上記実施の形態7と比べて、HARQモードでの下り送信の途中で基地局が移動端末にL1/L2制御信号を送信する必要もないため、移動端末が、L1/L2制御信号を受信することなく、DRX動作に移行でき、移動端末の消費電力を低減することができる。
非特許文献8では、2つのDRX周期が設定される場合について示されている。しかし、非特許文献8では、HARQを適用する場合については全く考慮されていない。従って、従来のようにDRX周期情報が、初送データとともにL1/L2制御信号によって通知されたり、ラジオベアラのセットアップ時に通知されたり、あらかじめ決められていたりする方法だと、HARQによる再送がDRX周期を超えてしまうと、DRX動作に移行できなくなってしまう問題が生じる。
また、非特許文献8では、DRX周期情報ではなく、DRX周期変更信号が通知される方法も示されているが、このような方法においても、上述したような問題が生じる。
この実施の形態9では、上記のような問題を解消するため、上記実施の形態7と上記実施の形態8を組み合わせた方法を開示する。
DRX周期[1]はDRX周期[2]よりも長く設定され、DRX周期[1]はあらかじめ決められて、基地局と移動端末とで共有されており、DRX周期[2]はラジオベアラがセットアップされるときに基地局より移動端末に送信される。
移動端末は、下りデータが無くなると、DRX周期[2]でDRX動作に移行する。
移動端末は、DRX周期[2]の後、受信処理を実施して、下りデータがあれば、下りデータの受信を行い(図中、(2)を参照)、次のDRX周期[2]の後まで、下りデータの受信を続ける(図中、(2)を参照)。
さらに、移動端末は、DRX周期[2]の後、受信処理を実施して、下りデータが無ければ、DRX周期[2]のDRX動作に移行する(図中、(4)を参照)。
そして、DRX周期[1]後のタイミングと、DRX周期[2]後のタイミングの早い方で、移動端末は受信を行う。図34では、DRX周期[1]後のタイミンが早いため、DRX周期[1]後のタイミングで下り受信を行う。下りデータがない場合は、DRX周期[1]のDRX動作に移行する(図中、(5)を参照)。
また、DRX周期[1]の直前にHARQによる再送が生じて、DRX周期[1]を超えてしまった場合、DRX周期[1]後の受信ができなくなってしまう問題が生じてしまう。
この実施の形態9では、上記のような問題を解消するため、上記実施の形態7と上記実施の形態8を組み合わせた方法を開示する。
DRX周期[2]の設定に関しては、上記実施の形態7で開示した方法を適用し、DRX周期[1]の設定に関しては、上記実施の形態8で開示した方法を適用する。
下りリンクにおいて、白抜きは下り初送データもしくは再送データと、L1/L2制御信号を表し、横線は下り最終の初送データもしくは再送データを表し、斜線はDRX移行信号を含むL1/L2制御信号を表している。
上りリンクにおいて、白抜きは下り初送データもしくは再送データに対する上りAck信号/Nack信号を表し、斜線は下り最終の初送データもしくは再送データに対するAck信号を表している。
移動端末は、基地局からDRX移行信号を受信すると、DRX周期[2]でDRX動作に移行する。
移動端末は、DRX周期[2]の後、L1/L2制御信号の受信を実施して、自己宛のデータが有る場合には下りデータの受信を行う(図中、(3)を参照)。
なお、DRX周期[2]の後、L1/L2制御信号の受信を実施して、自己宛のデータが無い場合には、再度、DRX周期[2]のDRX動作に移行する。上述の方法により、これら一連の動作を繰り返し行う。
基地局は、最終の初送データもしくは再送データを移動端末に送信した後、移動端末からAck信号を受信すると、Ack信号受信後、最初のL1/L2制御信号でDRX移行信号を移動端末に送信する(図中、(5)を参照)。
移動端末は、DRX移行信号を受信すると、DRX周期[2]でDRX動作に移行する。ただし、再送等により下り初送データもしくは再送データの送信がDRX周期[1]後のタイミングを超えてしまっているので(図中、(4)を参照)、DRX周期[1]のDRX動作に入らずに、再送等を優先し、更にDRX周期[1]分延長して再設定する。
再度、DRX周期[1]が設定しなおされ、次のDRX周期[1]後のタイミングで基地局から移動端末に対する下り初送データもしくは再送データが無い場合は、DRX周期[1]のDRX動作に移行する。
上記実施の形態9では、2つのDRX周期が設定される場合について、上記実施の形態7で開示した方法と、上記実施の形態8で開示した方法を組み合わせたものについて示したが、この実施の形態10では、HARQの最大(MAX)再送回数に応じた所要時間とDRX周期の大小関係によって、上記実施の形態7で開示した方法と従来の方法を組み合わるものについて説明する。
HARQの最大(MAX)再送回数に応じた所要時間をTmaxとし、DRX周期をTDRXとする。
(1)Tmax ≧ TDRX の場合
基地局は、上記実施の形態7を適用する。
この場合、基地局は、Ack信号を受信した後のL1/L2制御信号等で、DRX周期情報を移動端末に通知する。
この場合、DRX周期の開始タイミングは、下りデータが有る場合には、基地局が、移動端末からAck信号を受信した後に、移動端末に送信したDRX周期情報を含むL1/L2制御信号の送信タイミングとする。
また、下りデータが無い場合には、基地局が、移動端末に送信したDRX周期情報を含むL1/L2制御信号の送信タイミングとする。
なお、DRX周期の開始タイミングは、下りデータが有る場合、基地局がL1/L2制御信号を送信するタイミングとしてもよい。
基地局は、従来の方法を適用する。
この場合、基地局は、初送データとともにL1/L2制御信号もしくはインバンド(MACシグナリングとして、MACヘッダーなどにマッピング)信号等で、DRX周期情報を移動端末に通知する。
この場合、DRX周期の開始タイミングは、下りデータの有無にかかわらず、基地局が、初送データとともにDRX周期情報を送信するL1/L2制御信号もしくはインバンド信号の送信タイミングとする。
ただし、Tmaxは、あらかじめ決められていてもよいし、セミスタティックに決められてもよいし、ダイナミックに決められてもよい。
基地局は、下りデータが発生すると(ステップST8101)、Tmax<TDRXが成立するか否かを判定する(ステップST8102)。
移動端末は、基地局から初送データを受信すると(ステップST8104)、その初送データとともにDRX周期情報が送られてきているか否かを判断する(ステップST8105)。
移動端末は、DRX周期が送られてきている場合、DRX周期開始タイミングを初送データ受信タイミングとして(ステップST8106)、HARQによる再送状態に入る(ST8107)。
移動端末は、Ack信号を送信した後、DRX動作に移行する(ステップST8108)。
基地局は、移動端末からAck信号を受信した後、再送状態を抜けて、移動端末にに対するDRX動作に移行する(ステップST8109)。
移動端末と基地局は、DRX周期後、アクティブ状態に移行する(ステップST8110、ST8111)。
移動端末は、基地局から初送データとともに、DRX周期情報が送信されているか否かを判定する(ステップST8105)。
移動端末は、DRX周期情報が送信されていない場合、HARQによる再送状態に入る(ステップST8112)。
また、移動端末は、Ack信号を送信した後、DRX動作に移行する。
基地局は、移動端末からAck信号を受信した後、最初のL1/L2制御信号でDRX周期情報を移動端末に送信する(ステップST8113)。
移動端末は、基地局からDRX周期信号を受信すると(ステップST8114)、DRX周期開始タイミングをAck信号の送信タイミングとして(ステップST8115)、DRX動作に移行する(ステップST8116)。
基地局は、DRX周期情報を移動端末に送信した後(ステップST8113)、移動端末Aに対してDRX動作に移行する(ステップST8117)。
移動端末と基地局は、DRX周期後、アクティブ状態に移行する(ステップST8118、ST8119)。
さらに、基地局において、移動端末への下りデータがすぐに発生することがわかっているため、DRX周期を短くしなければならなくなり、Tmax≧TDRXとなった場合も、上記実施の形態7で開示した方法を用いることで、再送における問題を回避することが可能となる。
DTX周期をCQI送信周期(下り通信路の品質の測定結果を送信する周期)とする場合、DTX周期はあらかじめ決められるか、もしくは、DRX周期と等しいか、それ以上とすることが考えられる。
このような場合、下りデータに対する上りAck信号/Nack信号を送信するタイミングとCQI送信タイミングが重なる場合が生じる。
Ack信号/Nack信号とCQI信号を同時に送信すると、PAPR(Peak to Average Power Ratio)が大きくなるため、消費電力の増大、送信電力の低下、隣接チャネル漏洩電力の増加などの問題が発生する。
(a)CQI送信タイミングを遅らせる
(b)CQI送信をスキップする(重なったタイミングではCQIを送信しない)
(c)CQI送信タイミングは変えずに、Ack信号/Nack信号の送信タイミングを遅らせる
(A)あらかじめ決められたCQI送信タイミングとする
(B)遅らせたCQI送信タイミングとする
(a)の方法に対しては、(A)または(B)の方法が適用できる
(b)の方法に対しては、(A)の方法が適用できる
(c)の方法に対しては、(A)の方法が適用できる
図37(a)はCQI送信タイミングを1TTIだけ遅らせ、DTX周期の開始タイミングをあらかじめ決められたCQI送信タイミングとしている例を示し、(b)はCQI送信をスキップさせて、DTX周期の開始タイミングとして、あらかじめ決められたCQI送信タイミングとしている例を示している。
一方、移動端末は、下りリンクにおいて、基地局から下りデータが送信されると、その下りデータを受信し、下りデータの受信状況に応じてAck信号/Nack信号を基地局に送信する。
この場合には、Ack信号/Nack信号の送信タイミングとCQI信号の送信タイミングが重なってしまう。
また、この場合、DTX周期の開始タイミングはあらかじめ決められたCQI送信タイミングとしているので、CQIを送信した移動端末は、次のあらかじめ決められたCQI送信タイミングまでDTX動作に移行することができる。
この場合、DTX周期の開始タイミングは、あらかじめ決められたCQI送信タイミングとしているので、Ack信号/Nack信号を送信した移動端末は、次のあらかじめ決められたCQI送信タイミングまでDTX動作に移行することができる。
図38(a)は、CQI送信タイミングを1TTIだけ遅らせ、DTX周期の開始タイミングとして遅らせたCQI送信タイミングとする例を示している。
一方、移動端末は、下りリンクにおいて、基地局から下りデータが送信されると、その下りデータを受信し、下りデータの受信状況に応じてAck信号/Nack信号を基地局に送信する。
この場合には、Ack信号/Nack信号の送信タイミングとCQI信号の送信タイミングが重なってしまう。
また、この場合、DTX周期の開始タイミングは、遅らせたCQI送信タイミングとしているので、CQIを送信した移動端末は、DTX周期TCQIの後のCQI送信タイミングまでDTX動作に移行することができる。
さらには、DTX周期の開始タイミングを開示した方法で決めておくことによって、DTX動作に移行することを可能にすることができる。
非特許文献8では、2つのDRX周期が設定されている場合について示されている。しかし、非特許文献8に示されたDRX動作方法では、移動端末の低消費電力という観点において問題である。
非特許文献8のDRX動作方法の課題について、非特許文献8の説明図である図34を用いて以下に説明する。
ただし、非特許文献8のDRX動作方法は、実施の形態9にて既に説明済みである。よって詳細は省略する。
上記課題は、移動端末の低消費電力化を実現する上では問題である。
また、DRX周期[1]とDRX周期[2]の差が大きい場合には、上記課題がより顕著となる。
移動端末は、DRX周期の後、L1/L2制御信号を受信(モニタ)し、自分宛のデータが存在する場合には、「現在のDRX周期以下のDRX周期」でのDRX動作に移行する。
また、移動端末は、DRX周期の後、L1/L2制御信号を受信(モニタ)し、自分宛のデータが存在しない場合には、「現在のDRX周期以上のDRX周期」でのDRX動作に移行するDRX動作方法を開示する。
図39はこの発明の実施の形態12による移動体通信システムにおけるDRX動作方法の一例を示す説明図である。図39において、白抜きは下りデータを表し、斜線はL1/L2制御信号を表している。
DRX周期の長さの関係は、初期DRX周期はDRX周期[2]より長く、DRX周期[2]はDRX周期[3]より長く、DRX周期[3]はDRX周期[4]より短く、DRX周期[4]はDRX周期[5]より短い。
このL1/L2制御信号中には、「現在のDRX周期以下のDRX周期」としてDRX周期[2]が含まれる。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して、連続して下りデータが存在する場合には、移動端末は、下りデータの受信を行う(図39中、(2)を参照)。
DRX周期[2]後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがあれば、下りデータの受信を行う(図39中、(3)を参照)。
このL1/L2制御信号中には、さらに短いDRX周期である「現在のDRX周期以下のDRX周期」としてDRX周期[3]が含まれる。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して、連続して下りデータが存在しない場合には、移動端末は、DRX周期(DRX周期[3])によってDRX動作を行う(図39中、(4)を参照)。
この例では、DRX周期[3]の始点は、DRX周期[3]が通知されるL1/L2制御信号が含まれるサブフレームの先頭としている(図39を参照)。他の例としては、DRX周期[3]の始点として、連続して下りデータが存在しないことを確認したL1/L2制御信号が含まれるサブフレームの先頭としてもよい(図39中、(4)を参照)。
このL1/L2制御信号中には、「現在のDRX周期以上のDRX周期」としてDRX周期[4]が含まれる。図39の(5)のDRX動作は、このDRX周期[4]を用いて行う。
DRX周期[4]後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがなければ、DRX動作に移行する(図39中、(6)を参照)。
このL1/L2制御信号中には、さらに長いDRX周期である「現在のDRX周期以上のDRX周期」としてDRX周期[5]が含まれる。図39の(6)のDRX動作は、このDRX周期[5]を用いて行う。
基地局は、初期DRX周期を移動端末に通知し、その初期DRX周期を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST4001)。
移動端末は、基地局から初期DRX周期を受信し、その初期DRX周期をDRX周期として設定する(ステップST4002)。
(1)ラジオベアラがセットアップされるとき、基地局より移動端末に対してL3シグナリングを用いて通知する。
(2)ダイナミックなタイミングにて、基地局より移動端末に対して、L1/L2制御信号、あるいは、インバンドシグナリング(MACシグナリング)を用いて通知する。
(3)移動体通信システムの規定値(Static)として、基地局と移動端末において設定する。
次に、基地局は、当該移動端末に対して、下りデータが発生したか否かを判断する(ステップST4005)。
下りデータが発生した場合は、ステップST4006の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨を通知する(ステップST4006)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行う(図39中、(1)を参照)。
そして、基地局は、移動端末に対して下りデータの割り当てを行うとともに、「現在のDRX周期以下のDRX周期」を通知し、通知した「現在のDRX周期以下のDRX周期」を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST4008)。ただし、ステップST4006とステップST4008の処理は同時であっても構わないし、順序は任意である。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信処理によって「現在のDRX周期以下のDRX周期」を受信する(ステップST4009)。
移動端末は、受信した「現在のDRX周期以下のDRX周期」をDRX周期に設定する(ステップST4010)。図39中、(1)を参照。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4011)。
自分宛てのデータが存在する場合には、ステップST4013の処理に移行する。ただし、ステップST4007からステップST4011の処理は同時であっても構わないし、順序は任意である。
移動端末は、ステップST4007で基地局より割り当てられた無線リソースに応じて、下りデータを受信する(ステップST4013)。
次の送信タイミングがDRX周期を超えない場合には、ステップST4016の処理に移行する。
基地局は、連続して当該移動端末に対するデータが発生しているか否かを判断する(ステップST4016)。データが発生している場合には、ステップST4017の処理に移行する。
基地局は、連続したL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てを行う(ステップST4017)。図39中、(2)参照。
基地局は、ステップST4012において、ステップST4017で割り当てた無線リソースに応じて、下りデータを送信する。
次の受信タイミングがDRX周期を超えない場合には、ステップST4018の処理に移行する。
移動端末は、連続したL1/L2制御信号にて、L1/L2制御信号の受信処理を実施する(ステップST4018)。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4019)。自分宛てのデータが存在する場合には、ステップST4013の処理に移行する。
移動端末は、ステップST4013において、ステップST4018で基地局より割り当てられた無線リソースに応じて、下りデータを受信する。
次の送信タイミングがDRX周期を超えると判断した場合には、ステップST4005の処理に移行する。図39中、(3)を参照。
移動端末は、次の受信タイミング(次のリソースブロックのタイミング)がDRX周期を超えるか否かを判断する(ステップST4015)。
次の受信タイミングがDRX周期を超えた場合には、ステップST4007の処理に移行する。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4019)。
自分宛てのデータが存在しない場合は、ステップST4004の処理に移行し、「DRX周期」にてDRX動作を行う。
基地局は、下りデータが発生していない場合は、ステップST4020の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨の通知を行わない(ステップST4020)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行わない(図39中、(5)を参照)。
あるいは、ステップST4020にて基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在しない旨の通知をおこなってもよい。下りデータが存在しない旨の通知を行った場合、下りデータが存在しない旨の通知を行わない場合と比較して、明確な情報を基地局から移動端末に対して通知するため、移動端末での受信エラーの発生が減るという効果を得ることができる。
次に、基地局は、移動端末に対して、DRX周期後のL1/L2制御信号にて「現在のDRX周期以上のDRX周期」を通知し、通知した「現在のDRX周期以上のDRX周期」を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST4021)。
その後、ステップST4003の処理に移行し、「DRX周期」にてDRX動作を行う。ただし、ステップST4020とステップST4021の処理は同時であっても構わないし、順序は任意である。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信処理によって「現在のDRX周期以上のDRX周期」を受信する(ステップST4009)。
移動端末は、受信した「現在のDRX周期以上のDRX周期」をDRX周期に設定する(ステップST4010)。図39中、(5)を参照。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4011)。あるいは、下りデータが存在しない旨の通知を受信したか否かを判断する。
自分宛てのデータが存在しない場合あるいは、下りデータが存在しない旨の通知を受信した場合には、ステップST4004の処理に移行し、「DRX周期」にてDRX動作を行う。ただし、ステップST4007からステップST4011の処理は同時であっても構わないし、順序は任意である。
さらには、ラジオベアラがセットアップされるときに、基地局から移動端末に対して、L3シグナリングを用いて、DRX周期セットが通知されてもよい。
この場合のDRX周期を変更するトリガとしては、ステップST4006,ステップST4020に示すDRX周期後のL1/L2制御信号が考えられる。
一方、L1/L2制御信号にて当該移動端末に対する下りデータが存在する旨が通知されない場合(ステップST4020)あるいは、当該移動端末に対する下りデータが存在しない旨の通知あるいは、現在のDRX周期以上のDRX周期への変更が通知された場合、現在のDRX周期より1つ長いDRX周期を基地局および移動端末にて設定する。具体的には、現在のDRX周期がDRX周期Bであったときは、DRX周期AをDRX周期に設定する。ラジオベアラがセットアップされるときにDRX周期セットを通知することにより、DRX周期毎のL1/L2制御信号にて、DRX周期を通知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
また、DRX周期を変更するトリガの例もラジオベアラセットアップ時に通知する場合と同様である。
規定値とした場合は、基地局から移動端末に対してDRX周期を通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、無線区間を通知する必要がないため、移動端末の受信エラーも発生しない。そのため、移動端末の受信エラーで、基地局と移動端末において異なるDRX周期を設定し、移動端末が正常に自分宛ての下りデータを受信することができないという問題も生じないという効果を得ることができる。
また、上記の説明では、「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」を、ステップST4006、ステップST4020にて、L1/L2制御信号にて通知する例を示したが、差分(「新たに設定されるDRX周期−現在のDRX周期」)のみを通知しても良い。これにより、基地局から移動端末に対してDRX周期を通知する際の情報量(ビット数、シンボル数)を削減することが可能となり、無線資源の有効活用という効果を得ることができる。また上記、差分を用いる方法は、DRX周期の基地局から移動端末に対する通知方法(「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」をL1/L2制御信号、インバンド信号、L3シグナリング、移動体通信システムとして規定値など)によらず用いることができる。
また、トラフィック状況によりDRX周期を変更する必要が無い場合には、DRX周期を通知しないとすることも可能である。これにより、さらなる無線資源の有効活用という効果を得ることができる。
一般的に、当該移動端末宛てのデータが有る場合は、当該移動端末宛てトラフィックが高くなることを示し、移動端末の受信が行われない期間を短くすることが望まれる。
反対に、当該移動端末宛てのデータが無い場合は、トラフィックが低くなることを示し、移動端末の受信が行われない期間を長くしてもよいと考えられる。
この実施の形態12で開示したDRX動作方法により、移動体通信システムは、DRX周期にて、当該移動端末がL1/L2制御信号を受信(モニタ)し、その結果、当該移動端末宛てのデータがある場合は、DRX周期を「現在のDRX周期以下のDRX周期」に変更し、反対に当該移動端末宛てのデータがない場合は、DRX周期を「現在のDRX周期以上のDRX周期」に変更することが可能となる。
これにより、トラフィックの状況に応じて、移動端末が低消費電力を実現することができるという効果を得ることができる。移動端末の低消費電力の実現例としては、移動端末が受信系の電源をOFFすることが可能と考えられる期間を図39の移動端末の受信系電源例1,例2として示している。
また、この実施の形態12に示すDRX動作方法により、DRX周期の基地局から移動端末に対する通知方法(「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」をL1/L2制御信号、インバンド信号、L3シグナリング、移動体通信システムとして規定値など)によらず、DRX周期として多くの値を取りえる点において特徴を有する。これにより、トラフィックの状況に柔軟に対応可能となる効果を得ることができる。
非特許文献8の課題としては、続けて受信するデータが存在しないにも関わらず、DRX周期[1]が経過するまでの間、DRX周期[2]でL1/L2制御信号の受信動作を行わなければならない点にある(図34中、(4)を参照)。言い換えれば、トラフックの状況に応じたDRX周期を素早く設定できないという問題がある。つまり、当該移動端末宛てのデータが無い場合においても、すばやくDRX周期を変更(長くすること)できないという問題がある。
これにより、この実施の形態12にて開示したDRX動作方法を用いることにより、トラフック状況に応じてDRX周期を素早く設定できるため、トラフックが低くなっている場合においてもDRX周期を変更する(長くする)ことができないために発生する不必要なL1/L2制御信号を受信する必要がなくなり、より効果的に移動端末の低消費電力化を実現することができる効果が得られる。
実施の形態12においては、「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」については任意の値を設定可能であったが、変形例1では、現在のDRX周期とトラフィックの状況に応じて新たに設定されるDRX周期の関係を一定とする方法を開示する。
現在のDRX周期と新たに設定されるDRX周期の関係の具体例を以下に示す。
(ア)差分を規定する方法。具体的に新たなDRX周期を求める方法例は、以下の通り。
「現在のDRX周期以下のDRX周期」=「現在のDRX周期」+N
「現在のDRX周期以上のDRX周期」=「現在のDRX周期」−N
(イ)約数、倍数の関係を規定する方法。具体的に新たなDRX周期を求める方法例は、以下の通り。
「現在のDRX周期以下のDRX周期」=「現在のDRX周期」×1/N
「現在のDRX周期以上のDRX周期」=「現在のDRX周期」×N
以下の説明では、(イ)約数、倍数の関係を規定した場合について説明する。
初期DRX周期(図41では「x」)でDRX動作に移行している移動端末は、初期DRX周期後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがあれば、下りデータの受信を行う(図41中、(1)を参照)。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して、連続して下りデータが存在する場合には、移動端末は、下りデータの受信を行う(図41中、(2)を参照)。
DRX周期(x/2)後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがあれば、下りデータの受信を行う(図41中、(3)を参照)。
移動端末は、「現在のDRX周期×1/N」を新たなDRX周期として設定する。図41ではN=2の例を記載している。よって、新たにDRX周期として設定される値は「x/4」となる。
DRX周期(x/4)後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがなければ、DRX動作に移行する(図41中、(5)を参照)。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して下りデータが存在しない場合は、トラフック状況が低くなることを示しているので、移動端末の受信が行われない期間を長くするために、「現在のDRX周期×N」を新たなDRX周期として設定する。図41ではN=2の例を記載している。よって、新たにDRX周期として設定される値は「x/2」となる。
DRX周期(x/2)後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがなければ、DRX動作に移行する(図41中、(6)を参照)。本DRX動作に用いるDRX周期は「x/2×2=x」となり「x」である。
移動端末は、基地局から最大DRX周期、最小DRX周期、「N」を受信する(ステップST4202)。
この基地局から移動端末に対して通知される最大DRX周期、最小DRX周期は、変形例1にて新たに必要なパラメータである。
これと比較して変形例1では、基地局から移動端末に対して、新たなDRX周期の明示的な通知は行われず、基地局及び移動端末において、各々で「現在のDRX周期」と「N」を基に「新たなDRX周期」が設定される。最大DRX周期、最小DRX周期をパラメータに設けることにより、許容範囲外に長いDRX周期、許容範囲外に短いDRX周期が設定されることを防ぐという効果を得られる。
最大DRX周期の一例としては、5120[TTI]が考えられる。また、最小DRX周期の一例としては、1[TTI]が考えられる。
(1)ラジオベアラがセットアップされるとき、基地局より移動端末に対してL3シグナリングを用いて通知する。
(2)移動体通信システムの規定値(Static)として、基地局と移動端末において設定する。
規定値とした場合は、基地局から移動端末に対して最大DRX周期、最小DRX周期、「N」を通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、無線区間を通知する必要がないため、移動端末の受信エラーも発生しない。そのため、移動端末の受信エラーで基地局と移動端末において異なる基地局より最大DRX周期、最小DRX周期、「N」を設定し、移動端末が正常に自分宛ての下りデータを受信することができないという問題も生じないという効果を得ることができる。
また、最大DRX周期、最小DRX周期、「N」の通知は、同時であっても異なってもよく、順序も任意である。
なお、実施の形態12にて記載した「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」を通知する方法として、ラジオベアラがセットアップされるときに、基地局から移動端末に対してDRX周期セットが通知される場合、あるいは移動体通信システムとしてDRX周期セットが規定値として基地局と移動端末において設定されている場合において、上記「最大DRX周期」「最小DRX周期」のパラメータを用いることができる。これにより、DRX周期セットに含まれるDRX周期においても、その時点における設定可能なDRX周期を基地局が移動端末に対して通知することが可能となる。これにより、他の移動端末との関係、同一セル内の移動端末の和、当該移動端末のトラフィックの状況などに応じて、より最適なDRX動作方法を実現可能となる効果を得ることができる。
通知方法としては、トラフィック状況などに応じて、より早く変更可能とする必要が生じる場合も考えられる。よって、よりダイナミックに基地局より移動端末に対して通知可能となるように、上記に加えL1/L2制御信号、インバンド信号などを用いた通知方法が考えられれる。
基地局は、下りデータが発生した場合はステップST4006の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨を通知する(ステップST4006)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行う(図41中、(1)を参照)。
次に、基地局は、新たなDRX周期を設定する上で、暫定的なDRX周期として「DRX周期’(DRX周期’=DRX周期×1/N)」を計算する(ステップST4203)。
DRX周期’が最小DRX周期より小さくない場合、ステップST4205の処理に移行する。
基地局は、DRX周期’をDRX周期として設定する(ステップST4205)。
一方、DRX周期’が最小DRX周期より小さい場合、ステップST4206の処理に移行する。
基地局は、DRX周期’を破棄し、DRX周期の変更を行わない(ステップST4206)。または、ステップST4201で通知した最小DRX周期をDRX周期として設定してもよい。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4011)。自分宛てのデータが存在する場合には、ステップST4211の処理に移行する。
移動端末は、新たなDRX周期を設定する上で、暫定的なDRX周期として「DRX周期’(DRX周期’=DRX周期×1/N)」を計算する(ステップST4211)。
DRX周期’が最小DRX周期より小さくない場合、ステップST4213の処理に移行する。
移動端末は、DRX周期’をDRX周期として設定する(ステップST4213)。
一方、DRX周期’が最小DRX周期より小さい場合は、ステップST4214の処理に移行する。
移動端末は、DRX周期’を破棄し、DRX周期の変更を行わない(ステップST4214)。または、ステップST4202で受信した最小DRX周期をDRX周期として設定してもよい。
移動端末は、ステップST4007において、基地局より割り当てられた無線リソースに応じて、下りデータを受信する(ステップST4013)。
基地局は、下りデータが発生していない場合、ステップST4020の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨の通知を行わない(ステップST4020)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行わないあるいは、当該移動端末に対する下りデータが存在しない旨の通知を行う(図41中、(5)を参照)。
次に、基地局は、新たなDRX周期を設定する上で、暫定的なDRX周期として「DRX周期’(DRX周期’=DRX周期×N)」を計算する(ステップST4207)。
DRX周期’が最大DRX周期より大きくない場合、ステップST4209の処理に移行する。
基地局は、DRX周期’をDRX周期として設定する(ステップST4209)。
一方、DRX周期’が最大DRX周期より大きい場合は、ステップST4210の処理に移行する。
基地局は、DRX周期’を破棄し、DRX周期の変更を行わない(ステップST4210)。または、ステップST4201で通知した最大DRX周期をDRX周期として設定してもよい。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4011)。自分宛てのデータが存在しない場合あるいは、下りデータが存在しない旨の通知を受信した場合には、ステップST4215の処理に移行する。
移動端末は、新たなDRX周期を設定する上で、暫定的なDRX周期として「DRX周期’(DRX周期’=DRX周期×N)」を計算する(ステップST4215)。
DRX周期’が最大DRX周期より大きくない場合、ステップST4217の処理に移行する。
移動端末は、DRX周期’をDRX周期として設定する(ステップST4217)。
一方、DRX周期’が最大DRX周期より大きい場合は、ステップST4218の処理に移行する。
移動端末は、DRX周期’を破棄し、DRX周期の変更を行わない(ステップST4218)。または、ステップST4202で受信した最大DRX周期をDRX周期として設定してもよい。
実施の形態12では「現在のDRX周期以下のDRX周期」「現在のDRX周期以上のDRX周期」については、任意の値を基地局より移動端末に対して通知するのに対して、変形例1では、現在のDRX周期とトラフィックの状況に応じて新たに設定されるDRX周期の関係「N」のみ基地局より移動端末に対して通知する。これにより、基地局から移動端末に対して通知する情報量が削減されることから、無線リソースの有効活用を図ることができる効果が得られる。
HARQが適用されて再送が生じた場合のDRX動作方法については、本明細書の中で大きく二つの方法について開示している。
上記実施の形態7に示す方法と、上記実施の形態8に示す方法である。基地局が当該移動端末に対して割り当てる下りリソースの予想がつくという効果を得るためには、HARQが適用されて再送が生じた場合のDRX動作方法については、上記実施の形態8に示す方法を用いることで親和性が高くなる。
特に非特許文献8に開示されたDRX動作方法と比較すれば、特に以下の効果を得ることができる。
変形例1で示した、現在のDRX周期と新たに設定されるDRX周期の関係にて上記(イ)約数、倍数の関係を規定する方法を用いることにより、非特許文献8の方法のように、図34の(4)のような移動端末の低消費電力化としては避けたいL1/L2制御信号受信動作が発生することがないという利点がある。これにより、非特許文献8と比較して移動端末の低消費電力に有利な移動体通信システムを構築可能であるという効果を得ることができる。
実施の形態12では、基地局が、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てを1回行なわなければ、当該移動端末に対して、「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。移動端末においても、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、下りデータの割り当てが行われないことを1回確認すれば、基地局から通知された「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。
変形例2では、基地局が、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てが連続してM回発生しなければ、当該移動端末に対して、「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。移動端末においても、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、下りデータの割り当てが行われないことを連続してM回確認すれば、基地局から通知された「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。
DRX周期の長さの関係は、初期DRX周期はDRX周期[2]より長く、DRX周期[2]はDRX周期[3]より長く、DRX周期[3]はDRX周期[4]より短く、DRX周期[4]はDRX周期[5]より短い。
このL1/L2制御信号中には、「現在のDRX周期以下のDRX周期」としてDRX周期[2]が含まれる。あわせてDRX周期[2]に対応する「M(DRX周期[2])」が基地局から移動端末に対して通知される。移動端末は、受信したDRX周期[2]をDRX周期として設定する。
DRX周期[2]後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがあれば、下りデータの受信を行う(図43中、(3)を参照)。
このL1/L2制御信号中には、「現在のDRX周期以下のDRX周期」としてDRX周期[3]が含まれる。合わせてDRX周期[3]に対応する「M(DRX周期[3])」が基地局から移動端末に対して通知される。
図43においては、「M(DRX周期[3])=2」として説明する。移動端末は、受信したDRX周期[3]をDRX周期として設定する。
この例では、DRX周期[3]の始点は、DRX周期[3]が通知されるL1/L2制御信号が含まれるサブフレームの先頭としている(図43参照)。
このL1/L2制御信号中には、「現在のDRX周期以上のDRX周期」としてDRX周期[4]が含まれているかもしれない。しかし、DRX周期[3]後のL1/L2制御信号にて下りデータの割り当てが行われないことを1回のみ確認したのみであり、「M(DRX周期[3])=2」であるので、図32の(5)では、移動端末は、DRX周期[4]をDRX周期としては設定しない。よって、DRX周期は、DRX周期[3]のままである。
DRX周期[3]後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがなければ、DRX動作に移行する(図43中、(6)を参照)。DRX周期[3]後のL1/L2制御信号にて下りデータの割り当てが行われないことを連続してM回(M(DRX周期3)=2)確認したので、DRX周期[4]をDRX周期として設定する。
基地局は、下りデータが発生した場合は、ステップST4006の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨を通知する(ステップST4006)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行う(図43中、(1)を参照)。
基地局は、移動端末に対して、下りデータの割り当てを行うとともに、「現在のDRX周期以下のDRX周期」を通知し、通知した「現在のDRX周期以下のDRX周期」を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST4008)。
基地局は、ステップST4408で通知した「現在のDRX周期以下のDRX周期」に対応する「M」を移動端末に通知する(ステップST4401)。ただし、ステップST4006とステップST4008とステップST4401の処理は同時であっても構わないし、順序は任意である。
トラフィックの状況が低くなり、当該移動端末宛ての下りデータの発生頻度が下がった場合において、現在のDRX周期をより長いDRX周期に変更するタイミングを調整するパラメータである。
具体的な使用例としては、基地局が、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てが連続してM回発生しなければ、当該移動端末に対して「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。移動端末においては、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、下りデータの割り当てが行われないことを連続してM回確認すれば、基地局から通知された「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信処理によって「現在のDRX周期以下のDRX周期」を受信する(ステップST4009)。
次に、移動端末は、基地局より「M」を受信する(ステップST4402)。
パラメータ「M」は、変形例2にて新たに設けたパラメータである。
移動端末は、ステップST4009で受信したDRX周期をDRX周期に設定する(ステップST4403)。図43中、(1)を参照。
移動端末は、ステップST4007において、基地局より割り当てられた無線リソースに応じて、下りデータを受信する(ステップST4013)。
基地局は、下りデータが発生していない場合、ステップST4020の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨の通知を行わない(ステップST4020)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行わない(図43中、(5)参照)。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てが連続してM回(現在のDRX周期に対応した「M」)発生していないか判断する(ステップST4404)。当該移動端末に対する割り当てを行わない回数がM回未満であった場合、DRX周期を変更することなく、ステップST4003の処理に移行し、DRX動作を行う(図43中、(5)を参照)。
一方、当該移動端末に対する割り当てを行わない回数がM回となった場合は、ステップST4405の処理に移行する(図43中、(6)を参照)。
基地局は、通知した「現在のDRX周期以上のDRX周期」を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST4405)。その後、ステップST4003の処理に移行し、DRX動作を行う(図43中、(6)参照)。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信処理によって「現在のDRX周期以上のDRX周期」を受信する(ステップST4009)。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST4011)。自分宛てのデータが存在しない場合には、ステップST4406の処理に移行する。
一方、割り当てがないことを確認した回数がM回となった場合は、ステップST4407の処理に移行する(図43中、(6)を参照)。
移動端末は、受信した「現在のDRX周期以上のDRX周期」をDRX周期として設定する(ステップST4407)。その後、ステップST4004の処理に移行し、DRX動作を行う(図43中、(6)を参照)
さらには、ラジオベアラがセットアップされるときに、基地局から移動端末に対して、L3シグナリングを用いて通知されるDRX周期セットと関係付けて「Mセット」が通知されてもよい。あるいは、全てのDRX周期に対応する「M」を通知するようにしてもよい。
ラジオベアラがセットアップされるときに、DRX周期セットと関係付けて「Mセット」を通知することにより、DRX周期毎のL1/L2制御信号にて「現在のDRX周期以下のDRX周期」が通知される際に「M」を通知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用化を図ることができる効果が得られる。
規定値とした場合は、基地局から移動端末に対してDRX周期を通知する必要がないため、無線リソースの有効活用化を図ることができる効果が得られる。
また、無線区間を通知する必要がないため、移動端末の受信エラーも発生しない。そのため、移動端末の受信エラーで基地局と移動端末において異なるDRX周期を設定し、移動端末が正常に自分宛ての下りデータを受信することができないという問題も生じないという効果を得ることができる。
実施の形態12では、基地局が、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータの割り当てを1回行なわなければ、当該移動端末に対して、「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。移動端末においても、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、下りデータの割り当てが行われないことを1回確認すれば、基地局から通知された「現在のDRX周期以上のDRX周期」を設定する。
これにより、下りデータの割り当てが無かった場合に、素早く「現在のDRX周期以上のDRX周期」に移行するのではなく、本当にトラフィックの状況が低くなったか否かを確認する期間を調整することが可能となる。下りデータの割り当てが無いことを確認する回数を変更可能とすること実現している。
これにより、下りスループットと移動端末の低消費電力化を効率的に調整することが可能となる効果が得られる。
変形例3では、変形例1と変形例2を組み合わせて用いる際の最適な方法の一例を示している。具体的には、変形例1のパラメータ「N」と変形例2のパラメータ「M」を同じ値とする。
初期DRX周期(図45では「x」)でDRX動作に移行している移動端末は、初期DRX周期後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがあれば、下りデータの受信を行う(図45中、(1)を参照)。
当該移動端末宛てのデータがある場合は、トラフック状況が高くなることを示しているので、移動端末の受信が行われない期間を短くするために、「現在のDRX周期×1/N」を新たなDRX周期として設定する。図45ではN=2の例を記載している。よって、新たにDRX周期として設定される値は「x/2」となる。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して、連続して下りデータが存在する場合には、移動端末は、下りデータの受信を行う(図45中、(2)を参照)。
移動端末は、「現在のDRX周期×1/N」を新たなDRX周期として設定する。図45ではN=2の例を記載している。よって、新たにDRX周期として設定される値は「x/4」となる。
L1/L2制御信号の受信処理を実施して、連続して下りデータが存在しない場合には、移動端末は、DRX周期=x/4にてDRX動作を行う(図45中、(4)を参照)。
この例では、DRX周期の始点は、DRX周期後のL1/L2制御信号が含まれるサブフレームの先頭としている(図45を参照)。
DRX周期(x/4)後、L1/L2制御信号の受信処理を実施して、自分宛ての下りデータがなければ、DRX動作に移行する(図45中、(6)を参照)。DRX周期=x/4後のL1/L2制御信号にて、下りデータの割り当てが行われないことを2回(図45中、(5)(6))確認したので、図45の(6)では、移動端末は、DRX周期の変更を行う。DRX周期は「x/4×2=x/2」である。
上記変形例3に示したDRX動作方法を用いることにより、実施の形態12、変形例1及び変形例2を用いることによる効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
変形例1のパラメータ「N」と、変形例2のパラメータ「M」を同じ値としたことにより、必ず1つ「より長いDRX周期」で移動端末がL1/L2制御信号をモニタすることになる(図45中、(6)(7)を参照)。
HARQが適用されて再送が生じた場合のDRX動作方法については、本明細書の中で大きく二つの方法について開示している。
上記実施の形態7に示す方法と、上記実施の形態8に示す方法である。上記変形例3の効果を得るためには、HARQが適用されて再送が生じた場合のDRX動作方法については、上記実施の形態8に示す方法を用いることで親和性が高くなる。
特に非特許文献8に開示されたDRX動作方法と比較すれば、特に以下の効果を得ることができる。
変形例3では、現在のDRX周期とトラフィックの状況に応じて新たに設定されるDRX周期の関係を一定とする方法を用いているので、非特許文献8の方法のように、図34の(4)のような余分なL1/L2制御信号受信動作が発生することがないという利点がある。これにより、非特許文献8と比較して移動端末の低消費電力に有利な移動体通信システムを構築可能であるという効果を得ることができる。
実施の形態12においては、「初期DRX周期」を基地局から移動端末に対して通知する方法について示したが、変形例4では、サービスのQoSに応じて初期DRX周期を設定する方法を開示する。
ステップST4001において、基地局から移動端末に対する初期DRX周期の通知は行わない。
その代わりに基地局において、ラジオベアラがセットアップされるときなどに、基地局から移動端末に対して通知されるサービスのQoSに応じて(例えば、図46の例1に従って)、初期DRX周期を選択し、DRX周期として設定する。
あわせて、ステップST4002において、移動端末では、初期DRX周期を受信する代わりに、基地局から通知されるサービスのQoSに応じて(例えば、図46の例1に従って)、初期DRX周期を選択し、DRX周期として設定する。
QoSの分類については、図46の例1に限らない。他の例としては、提供サービスに応じて初期DRX周期が関係付けられていてもよい。
また、DRX周期についても、図46の例1に示すように、TTI単位の指定に限られず、時間単位[ms]、サブフレーム単位などが考えられる。
また、サービスのQoSと初期DRX周期との関係については、移動体通信システムとして規定されていてもよいし、基地局から移動端末に対して通知されてもよい。
移動体通信システムにおいて、マルチサービスが実現された場合には、基地局および移動端末にて提供されているサービスのうち、最高のQoSに対応する初期DRX周期を選択し、DRX周期として設定するようにしてもよい。
さらには、図46の例2に示すように、サービスのQoSに応じて、最大DRX周期を設定するようにしてもよい。あるいは、サービスのQoSに応じて、最小DRX周期を設定するようにしてもよい。
この変形例4は、変形例1、変形例2、変形例3においても適用可能である。
基地局にて当該移動端末に対する下りデータが発生した場合においても、当該移動端末がDRX動作中であれば、当該移動端末に対して下りデータを送信することはできない。
よって、DRX周期を長く設定することは、移動端末の低消費電力化を図ることができる反面、下りスループットが落ちることになるという短所も生じる。つまり、サービスのQoSが高く要求されている場合には、初期DRX周期、あるいは、最大DRX周期を短く設定することにより、サービスのQoSを満たしつつ、移動体通信システムとしてDRX動作を行うことが可能となる。
これにより、サービスのQoSを満たしつつ、移動端末の低消費電力化につながる最適なDRX動作を行うことが可能になるという効果を得る。
また、初期DRX周期、あるいは、最大DRX周期、あるいは、初期DRX周期と最大DRX周期を基地局から移動端末に対して通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という点においても効果を得ることができる。
非特許文献9には、E−MBMS(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)とE-MBMS以外(non−MBMS、non−EMBMS)のデータ送信の方法としては、時分割多重(Time Division Multiplexing:TDM)されることが開示されている。
図47はE−MBMSとE−MBMS以外の無線リソースの割り当て例を示す説明図である。時分割の単位は一例として、サブフレーム(Subframe)単位で記載している。
図48には、無線リソースの割り当て例が示されている。E-MBMSに割り当てられたサブフレーム中の先頭1シンボル(図48中、(1)を参照)のみUnicastサービスにて用いることを例示している。
非特許文献9,10には、DRX動作(Active中のDRX動作)については何も記載されていない。
図49を用いて、実施の形態13の課題を説明する。
ダイナミックなスケジューリングにおけるL1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースは、時間軸としては、L1/L2制御信号が含まれるサブフレームと同じサブフレーム内である。
一方、L1/L2制御信号の受信処理の結果、自分宛ての下りデータがなければ、DRX周期にてDRX動作を行う(図49中、(1)を参照)。
E−MBMSに割り当てられたサブフレーム内のUnicastサービスに利用可能なシンボルは、先頭1シンボルのみ、あるいは先頭2シンボルのみであり、E−MBMSに割り当てられていないサブフレーム内のL1/L2制御信号に割り当てられるシンボル数(先頭1シンボルあるいは、先頭2シンボルあるいは、先頭3シンボル)より少ない。
よって、DRX動作を行っている移動端末は、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActive(図15を参照)になるタイミングが重なるタイミングにおいて、L1/L2制御信号をモニタしたとしても、そのL1/L2制御信号に自分宛てのデータが存在するか否かを判断することが出来ない可能性が生じる。
図50はこの発明の実施の形態13による移動体通信システムにおけるE−MBMSの動作及びDRX動作方法の一例を示す説明図である。
図50において、白抜きはUnicast用下りデータを表し、右上がり斜線はL1/L2制御信号を表し、右下がり斜線はE−MBMS用データを表している。
L1/L2制御信号の受信処理の結果、自分宛ての下りデータがあれば、当該L1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースにより下りデータを受信する。
ダイナミックなスケジューリングにおけるL1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースは、時間軸としては、L1/L2制御信号が含まれるサブフレームと同じサブフレーム内である。
一方、L1/L2制御信号の受信処理の結果、自分宛ての下りデータがなければ、DRX周期にてDRX動作を行う(図50中、(1)を参照)。
当該DRX動作中の移動端末は、E−MBMSが送信される周期の次のサブフレーム(図50中、(3)を参照)にて、DRX動作におけるL1/L2制御信号の受信動作を行う。
また、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActiveになるタイミング(DRX動作期間中のL1/L2制御信号の受信タイミング)が重ならない場合には、DRX動作において、スキップを行わなかった場合と変わらないタイミングによりL1/L2制御信号の受信動作を行う(図50中、(5)を参照)。
基地局は、E−MBMS送信周期、E−MBMS送信周期の始期(Starting Point)を移動端末に通知する(ステップST6101)。始期は、フレーム番号、サブフレーム番号、スロット番号、シンボル番号などで通知されることが考えられる。
通常、E−MBMS送信周期、E−MBMS送信周期の始期の通知は、E−MBMSサービスを受ける移動端末のみが受信すれば足りる。しかし、この実施の形態13においては、ステップST6101においては、E−MBMSサービスの送信情報(E−MBMS送信周期、E−MBMS送信周期の始期)をE−MBMSサービスを受信する移動端末、あるいは、E−MBMSサービスを受信する能力を有する移動端末のみならず、当該基地局傘下の全移動端末が受信することに特徴がある。
なぜなら、E−MBMSサービスを受信する移動端末、あるいは、E−MBMSサービスを受信する能力を有する移動端末以外の移動端末であっても、Active中のDRX動作を行う可能性があるからである。このような理由から上記の通知には、報知情報を送信するチャネルであるBCH(Broadcast Channel)などが用いられることが考えられる。
Active中のDRX動作を行わない移動端末、あるいは、Active中のDRX動作を行う能力を有さない移動端末が許容される移動体通信システムにおいては、当該基地局傘下の全移動端末がE−MBMSサービスの送信情報を受信するのではなく、Active中のDRX動作を行わない移動端末、あるいは、Active中のDRX動作を行う能力を有さない移動端末においては、E−MBMSサービスの送信情報を受信しないとしてもよい。
基地局は、当該移動端末に対して、下りデータが発生したか否かを判断する(ステップST6105)。
基地局は、下りデータが発生した場合、ステップST6106の処理に移行する。
基地局は、当該移動端末に対すDRX動作期間中のL1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なるか否かを判断する(ステップST6106)。L1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なる場合、ステップST6111の処理に移行する。
基地局は、通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の送信タイミング(図50中、(2)を参照)にて送信動作を行わない(スキップ)ようにする(ステップST6111)。
通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の送信タイミングの次のサブフレーム(図50中、(3)を参照)にて、当該移動端末に対するDRX動作におけるL1/L2制御信号の送信動作を行う。
L1/L2制御信号の受信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なる場合、ステップST6112の処理に移行する。
移動端末は、通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の受信タイミング(図50中、(2)を参照)にて受信動作を行わない(スキップ)ようにする(ステップST6112)。
通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の受信タイミングの次のサブフレーム(図50中、(3)を参照)にて、DRX動作におけるL1/L2制御信号の受信動作を行う。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST6110)。自分宛てのデータが存在する場合には、ステップST6114の処理に移行する。
移動端末は、ステップST6112、あるいは、ステップST6109において、基地局により割り当てられた無線リソースに応じて、下りデータを受信する(ステップST6114)。
L1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重ならなかった場合には、ステップST6108の処理に移行する。
基地局は、通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の送信タイミングにて送信動作を行う(ステップST6108)。その後、ステップST6113の処理に移行する。
移動端末は、通常のDRX動作におけるL1/L2制御信号の受信タイミングにて受信動作を行う(ステップST5109)。その後、ステップST6114の処理に移行する。
基地局は、下りデータが発生していない場合、ステップST6103の処理に移行する(ステップST6105)。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST6110)。自分宛てのデータが存在しない場合には、ステップST6104の処理に移行する。
基地局と移動端末の間で新たに送受信される情報を設けることなく、E−MBMSサービスとUnicastサービスを齟齬なくサービスすることができるという効果を得ることができる。
この実施の形態13の課題を解決する上で、基地局と移動端末の間で新たに送受信される情報を設けていない点において、無線リソースの有効活用化を図ることができるという点において効果的な解決手段である。
実施の形態13では、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActiveになるタイミングが重なった場合、DRX動作におけるL1/L2制御信号の送受信動作を行わないことで課題を解決している。
この変形例1においては、移動端末は、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActive(図15を参照)になるタイミングが重なった場合(図50中、(2)を参照)にもUnicastサービスにて利用可能な先頭1シンボル、あるいは、数シンボルを用いてDRX周期にてDRX動作におけるL1/L2制御信号の送受信を行うこととする。これにより以下の新たな課題が発生する。
E−MBMSに割り当てられたサブフレーム内のUnicastサービスに利用可能なシンボル以外の部分はE−MBMSにより利用され、Unicastサービスにおいては利用することはできない。よって、E−MBMSに割り当てられたサブフレーム内のUnicastサービスに利用可能なシンボルにて、基地局から移動端末に対して送信されたL1/L2制御信号で当該移動端末に対して下りデータ送信の割り当てが行われた場合、E−MBMS用データとUnicast用データの衝突が発生するという問題が生じる(図49中、(3)を参照)。
この変形例1では、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActiveになるタイミングが重なった場合、L1/L2制御信号にて下りデータの割り当てが行われた場合において、実際の下りデータの割り当ては、次のサブフレーム(あるいは移動体通信システムとして規定サブフレーム後、あるいは、基地局から移動端末に通知されたサブフレーム後)で行うことにより課題を解決する。
当該移動端末がDRX周期(x)にてDRX動作を行っている。当該移動端末は、DRX周期毎にL1/L2制御信号を受信(モニタ)している(図50中、(1)を参照)。
L1/L2制御信号の受信処理の結果、自分宛ての下りデータがあれば、当該L1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースにより下りデータを受信する。
ダイナミックなスケジューリングにおけるL1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースは、時間軸としては、L1/L2制御信号が含まれるサブフレームと同じサブフレーム内である。
一方、L1/L2制御信号の受信処理の結果、自分宛ての下りデータがなければ、DRX周期にてDRX動作を行う(図50中、(1)を参照)。
当該L1/L2制御信号にて、当該移動端末に対して下りデータの割り当てが行われた場合、同じサブフレーム内では下りデータの送受信は行わず、E−MBMSが送信される周期の次のサブフレーム(図50中、(4)を参照)にて下りデータの送受信を行う。
また、E−MBMSが送信される周期と、DRX動作期間中のActiveになるタイミング(DRX動作期間中のL1/L2制御信号の受信タイミング)が重ならない場合に、L1/L2制御信号にて当該移動端末に対して下りデータの割り当てが行われた場合、通常のダイナミックなスケジューリングと同様に、L1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースと時間軸としては、同じサブフレーム内にて下りデータの送受信を行う。
基地局は、下りデータが発生した場合、ステップST6201の処理に移行する。
基地局は、DRX周期後のL1/L2制御信号にて、当該移動端末に対する下りデータが存在する旨を通知する(ステップST6201)。言い換えれば、下りデータの割り当て(Allocation)を行う(図50中、(2)を参照)。その後、ステップST6106の処理に移行する。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST6110)。自分宛てのデータが存在する場合には、ステップST6107の処理に移行する。
基地局は、下りデータの送信タイミングを1サブフレーム飛ばし(ステップST6203)、E−MBMSが送信される周期の次のサブフレーム(図50中、(4)を参照)にて下りデータの送信を行う(ステップST6113)。
L1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なる場合、ステップST6204の処理に移行する。
移動端末は、下りデータの受信タイミングを1サブフレーム飛ばし(ステップST6204)、E−MBMSが送信される周期の次のサブフレーム(図50中、(4)を参照)にて下りデータの受信を行う(ステップST6114)。
L1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重ならなかった場合、ステップST6113の処理に移行する。
移動端末に対して割り当てた無線リソースにおいて、通常のダイナミックなスケジューリングと同様に、L1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースと時間軸としては、同じサブフレーム内にて下りデータを送信する。
L1/L2制御信号の受信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重ならなかった場合、ステップST6114の処理に移行する。
ステップST6202において、基地局より割り当てられた無線リソースに応じて、通常のダイナミックなスケジューリングと同様に、L1/L2制御信号にて割り当てられる無線リソースと時間軸としては、同じサブフレーム内にて下りデータを受信する。
基地局は、下りデータが発生していない場合、ステップST6103の処理に移行する(ステップST6105)。
移動端末は、L1/L2制御信号の受信(モニタ)の結果、自分宛のデータが存在するか否かを判断する(ステップST6110)。自分宛てのデータが存在しない場合には、ステップST6104の処理に移行する。
上記の説明では、DRX動作期間中のL1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なる場合、下りデータの受信タイミングを1サブフレーム飛ばして、E−MBMSが送信される周期の次のサブフレームで下りデータを送受信する例を示した。別の例としては、E−MBMSが送信される周期から移動体通信システムとして規定サブフレーム後、あるいは、基地局から移動端末に通知されたサブフレーム後に下りデータを送受信してもよい。
その場合は、DRX動作期間中のL1/L2制御信号(DRX動作期間中のL1/L2制御信号の送信タイミングがE−MBMSの送信タイミングと重なる場合のL1/L2制御信号のみでもよい)に次のようなパラメータを追加することで、上記動作を実施することが可能である。例えば「0:DRX動作に移行」「1:次のサブフレームのL1/L2制御信号をモニタ」「2:nサブフレーム後のL1/L2制御信号をモニタ」、または「0:DRX動作に移行」「1:次のサブフレームにて下りデータ割り当て」「2:nサブフレーム後にて下りデータ割り当て」などである。
実施の形態13と比較して、Active中のDRX動作において、移動端末がDRX動作期間中のActive(図15を参照)となるタイミングを変更することなく、E−MBMSサービスとUnicastサービスを齟齬なくサービス可能となる。
移動端末がDRX動作期間中のActiveとなるタイミングにおいて、自分宛ての下りデータが割り当てられているか否かを確認(モニタ)する動作以外の動作を行う場合、それらの動作の動作タイミング(周期)が変更されないという効果を得ることができる。
DRX動作期間中に自分宛ての下りデータが割り当てられているか否かを確認する動作以外の移動端末の動作例としては、(1)Sounding RS送信、(2)CQI送信、(3)周辺セル測定などが考えられる。
DRX動作期間中に自分宛ての下りデータが割り当てられているか否かを確認する動作のみを実施の形態13で示す方法であるE−MBMSが送信される周期の次のサブフレームとし、上記(1)(2)(3)などの動作をE−MBMSが送信される周期と同じサブフレームとしてもよい。しかし移動端末の低消費電力化を考える上で移動端末が送信動作及び受信動作を行わなければならないタイミングは可能な限り合わせることが効果的である。そのため、本変形例1は移動端末の低消費電力化において効果的である。
移動体通信システムにおいて、移動端末が割り当てられたC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)とG−RNTI(グループRNTI)(GERAN Radio Network Temporary Identifier)の両方を使用することで、L1/L2制御信号をモニタすることが考えられている。
C―RNTIとは、制御RNC(Controlling Radio Network Controller)によって割り当てられた移動端末の識別子である。C−RNTIは、セルの中で唯一(unique)である。
DRX周期にてDRX動作を行っている移動端末においては、DRX周期とG−RNTIの送信周期が重ならないタイミングにおいては、G−RNTIに対応したL1/L2制御信号を取りこぼすという課題を生じる。
G−RNTIが割り当てられた移動端末において、移動端末がDRX動作(Active中のDRX動作)を行った場合において、以下の課題が生じる。
図53を用いて、実施の形態14の課題を説明する。
図53において、右上がり斜線はC−RNTI用のL1/L2制御信号を表し、右下がり斜線はG−RNTI用のL1/L2制御信号を表している。
当該移動端末に対して基地局よりC−RNTIのみではなく、G−RNTIが割り当てられ、G−RNTIを用いてL1/L2制御信号をモニタする必要が発生した場合を考える。G−RNTIに対応したL1/L2制御信号の通知周期、あるいは、変更周期が「Y」であるとする。
一方、周期Xと周期Yが重なっていないタイミング(図53中、(3))におけるG−RNTIに対応したL1/L2制御信号を受信することは、DRX周期(X)により低消費電力を実現しようとしている移動端末においては不可能である。
以上のように、G−RNTIが割り当てられた移動端末において、低消費電力を実現する上で課題が生じる。
図54はこの発明の実施の形態14による移動体通信システムとしてのDRX動作方法の一例を示す説明図である。
当該移動端末がDRX周期(X)にてDRX動作を行っている場合、当該移動端末は、DRX周期(X)毎にL1/L2制御信号を受信(モニタ)している(図54中、(1)(3)(5)(7)(9)を参照)。
当該移動端末に対して基地局よりC−RNTIのみではなく、G−RNTIが割り当てられ、G−RNTIを用いてL1/L2制御信号をモニタする必要が発生した場合を考える。G−RNTIに対応したL1/L2制御信号の通知周期(あるいは、変更周期)が「Y」であるとする。
具体例としては、周期Xと周期Yの最大公約数を新たにDRX周期とすることが考えられる。例えば、図53中の周期「Z」がそれにあたる。
基地局は、移動端末に対してDRX周期を通知し、そのDRX周期を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST6501)。
移動端末は、基地局からDRX周期を受信し、そのDRX周期をDRX周期として設定する(ステップST6502)。
(1)ラジオベアラがセットアップされるとき、基地局より移動端末に対してL3シグナリングを用いて通知する。
(2)ダイナミックなタイミングにて基地局より移動端末に対して、L1/L2制御信号、あるいは、インバンドシグナリング(MACシグナリング)を用いて通知する。
基地局は、移動端末に対してG−RNTIを通知する(ステップST6505)。
移動端末は、基地局からG−RNTIを受信する(ステップST6506)。
基地局は、移動端末に対してDRX周期を再通知し、そのDRX周期を当該移動端末のDRX周期として設定する(ステップST6508)。
移動端末は、基地局からDRX周期を再受信し、そのDRX周期をDRX周期として設定する(ステップST6509)。
移動端末は、DRX周期にてDRX動作に移行する(ステップST6511)。その際、移動端末は、G−RNTIが通知されているか否かに関わらず、基地局から通知されたDRX周期にてDRX動作を行うことが可能となる。
基地局と移動端末の間で新たに送受信される情報を設けることなく、当該移動端末に対してG−RNTIが割り当てられた場合においても、移動体通信システムとして齟齬なく、Active中のDRX動作が実現可能になる効果が得られる。
この実施の形態14の課題を解決する上で、基地局と移動端末の間で新たに送受信される情報を設けていない点において、無線リソースの有効活用を図るという点において効果的な解決手段である。
さらには、移動端末においては、基地局よりG−RNTIが通知されているか否かに関わらず、基地局から通知されたDRX周期にてDRX動作を行うことが可能となり、移動端末内の処理内容が単純化できるという効果を得ることができる。
Claims (4)
- 基地局から送られてくる信号を移動端末にて受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、移動端末と基地局との間で無線通信を行う通信方法であって、
RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて、前記オン期間に前記オフ期間を加えた間欠受信周期を、前記基地局から前記移動端末に通知し、
前記移動端末が下り通信路の品質を測定した測定結果を、前記オン期間に前記移動端末から前記基地局に通知することを特徴とする通信方法。 - 基地局から送られてくる信号を移動端末にて受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、移動端末と基地局との間で無線通信を行う移動体通信システムであって、
RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて、前記オン期間に前記オフ期間を加えた間欠受信周期を、前記基地局から前記移動端末に通知し、
前記移動端末が下り通信路の品質を測定した測定結果を、前記オン期間に前記移動端末から前記基地局に通知することを特徴とする移動体通信システム。 - 移動端末にて受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、移動端末との間で無線通信を行う基地局であって、
RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて、前記オン期間に前記オフ期間を加えた間欠受信周期を、前記移動端末に通知し、
前記オン期間に前記移動端末から通知された、前記移動端末が下り通信路の品質を測定した測定結果を受信することを特徴とする基地局。 - 基地局から送られてくる信号を受信する一定のオン期間と、受信しない一定のオフ期間とを繰り返す間欠受信動作を用いて、基地局との間で無線通信を行う移動端末であって、
RRC(Radio Resource Control)制御信号を用いて前記基地局から通知された、前記オン期間に前記オフ期間を加えた間欠受信周期を受信し、
下り通信路の品質を測定した測定結果を、前記オン期間に前記基地局に通知することを特徴とする移動端末。
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