[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5821717B2 - 触媒異常判定システム - Google Patents

触媒異常判定システム Download PDF

Info

Publication number
JP5821717B2
JP5821717B2 JP2012054321A JP2012054321A JP5821717B2 JP 5821717 B2 JP5821717 B2 JP 5821717B2 JP 2012054321 A JP2012054321 A JP 2012054321A JP 2012054321 A JP2012054321 A JP 2012054321A JP 5821717 B2 JP5821717 B2 JP 5821717B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nox
catalyst
nox catalyst
value
reducing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012054321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013185574A (ja
Inventor
大和 西嶋
大和 西嶋
中村 好孝
好孝 中村
徹 木所
徹 木所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012054321A priority Critical patent/JP5821717B2/ja
Publication of JP2013185574A publication Critical patent/JP2013185574A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5821717B2 publication Critical patent/JP5821717B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Description

本発明は、触媒異常判定システムに関する。
還元雰囲気としたときの吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒という。)よりも下流側のNOxセンサの出力値が所定値以下のときにNOx触媒が劣化していると判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このNOx触媒の劣化は、NOx触媒の硫黄被毒を指している。この判定は、NOx濃度が安定するまで待ってから行われるため、劣化判定に要する時間が長くなる。
ところで、NOxセンサは、NOxと同様にNHも検出してしまう。そして、NOx触媒が新品状態で劣化していないときには、担持されている白金の活性が高いために、NHがほとんど生成されず、さらに、NOx浄化率も高いために、NOxセンサの検出値が所定値以下となる。このため、NOx触媒が新品状態または新品に近い状態のときにNOxセンサの出力値を用いて劣化判定を行うと、該NOx触媒が劣化していると判定される虞がある。
特開平11−229849号公報 特開2008−057404号公報 特開2002−180865号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、吸蔵還元型NOx触媒の異常判定をより正確に行なう技術の提供を目的とする。
上記課題を達成するために本発明による触媒異常判定システムは、
内燃機関の排気通路に設けられてNOxを吸蔵し、吸蔵していたNOxを還元剤の供給により還元する吸蔵還元型NOx触媒の異常を判定する触媒異常判定システムにおいて、
前記吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を供給する供給装置と、
前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流のNHを検出するNH検出装置と、
前記供給装置から供給する還元剤量を調節することで排気の空燃比を変化させる制御装置と、
前記制御装置により排気の空燃比がリッチ空燃比となるように還元剤量を調節しつつ前記供給装置から還元剤を供給したときの前記NH検出装置の検出値に基づいて、前記吸蔵還元型NOx触媒の異常を判定する判定装置と、
前記制御装置により排気の空燃比がリッチ空燃比となるように還元剤量を調節しつつ前記供給装置から還元剤を供給したときの前記NH検出装置の検出値を前記吸蔵還元型NOx触媒が新品のときから積算し、この積算した値である積算値が所定値以上となった場合に、前記判定装置による前記吸蔵還元型NOx触媒の異常判定の実行を許可する許可装置と、
を備える。
吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒ともいう。)は、リーン空燃比のときに
NOxを吸蔵し、吸蔵していたNOxを還元剤が存在するときに還元する。供給装置は、NOx触媒へ還元剤を供給することができる。還元剤は、排気通路を流通する排気中に供給してもよく、内燃機関から排出させるようにしてもよい。そして、還元剤を供給することで、排気の空燃比が低下する。
ここで、NOx触媒に還元剤を供給すると、HやHCがNOと反応してNHが生成されることがある。そして、NOx触媒の劣化の進行と共に、該NOx触媒における還元効率が低下する。このため、NOx触媒で生成されるNH量も少なくなる。
一方、NOx触媒が新品のときには、NOxとHCとが反応してNに還元される。このため、NHがほとんど生成されない。
したがって、リッチ空燃比を目標として還元剤を供給したときのNH検出装置の検出値は、NOx触媒の新品時には小さい。そして、NOx触媒の劣化の進行と共に検出値が大きくなるが、その後さらに劣化が進行すると検出値が小さくなる。すなわち、新品時と、劣化が許容範囲を超えた異常時と、でNHの生成量がほとんど同じになる。
このため、許可装置は、NOx触媒が新品のときや新品に近いときであって、NOx触媒が異常な場合とNHの生成量が同じになるときには、NOx触媒の異常判定を許可しない。そして、NOx触媒が正常な場合と異常な場合とで区別し得るだけのNHが生成されるようになってから異常判定を許可する。なお、NOx触媒の劣化が進行しても、NOx浄化率が許容範囲内であれば、NOx触媒は正常であると判定する。
ここで、制御装置により排気の空燃比がリッチ空燃比となるように還元剤量を調節しつつ供給装置から還元剤を供給したときのNH検出装置の検出値をNOx触媒が新品のときから積算した値は、NOx触媒の劣化の度合いと相関関係にある。したがって、積算値が所定値以上となった場合に、NOx触媒が正常な場合と異常な場合とでNHの生成量に差が生じる。これ以降に異常判定を行うことにより、異常判定の精度を高めることができる。なお、ここでいう所定値とは、NOx触媒が正常な場合と異常な場合とでNHの生成量に差が生じるときの積算値とすることができる。
なお、判定装置は、NH濃度が閾値よりも高いときにNOx触媒が正常であると判定し、NH濃度が閾値以下のときにNOx触媒が異常といえるほど劣化していると判定することができる。このときには、NH濃度の最大値に基づいて判定してもよい。
ここで、NOx触媒の劣化の度合いに応じて吸蔵可能なNOx量が減少する。そして、還元剤を供給したときにNOx触媒から放出されるNOx量も劣化の度合いに応じて減少する。さらに、NOx触媒から放出されたNOx及びNOx触媒に流入するNOxが劣化の度合いに応じて反応し難くなるため、劣化の度合いに応じてNHの生成量が減少する。このように、NOx触媒にNOxが吸蔵されているときに還元剤を供給すると、NOx触媒が正常な場合と異常な場合とでNHの生成量が異なるため、該NHの生成量に応じて異常判定を行うことができる。
また、本発明においては、 前記NH検出装置は、排気中のNOx及びNHを検出するNOxセンサであってもよい。ここで、NOxセンサはNHもNOxと同様に検出する。このため、NOxセンサの検出値が、たとえばNOの濃度なのか、またはNHの濃度なのか判別することができない。しかし、リッチ空燃比となるまで還元剤を供給すると、吸蔵還元型NOx触媒よりも下流側の排気中にはNOxがほとんど含まれなくなる。このため、NOxセンサの検出値は、NHの濃度を示すことになる。したがって、NOxセンサを用いてNHを検出することができる。
また、本発明においては、前記判定装置は、前記許可装置により異常判定が許可された場合において、前記吸蔵還元型NOx触媒が正常であると仮定したときに推定される前記積算値と、実際の前記積算値と、の差が閾値以上の場合に、前記吸蔵還元型NOx触媒が異常であると判定することができる。
ここで、例えば、内燃機関が搭載される車両の走行距離、または、還元剤を供給した回数等に応じて、前記積算値が大きくなる。そして、NOx触媒が正常であれば、多くのNHが生成されるので、積算値の上昇度合いは比較的高い。一方、NOx触媒の過熱等により異常が生じると、NHの生成量が減少するため、積算値の上昇度合いは低くなる。このため、NOx触媒が正常であると仮定したときに推定される積算値と、実際の積算値と、に差が生じる。この差が閾値以上となったときに、NOx触媒が異常であると判定することができる。ここでいう閾値は、NOx触媒が正常であると仮定したときに推定される積算値と、NOx触媒が異常なときの積算値と、の差の下限値である。
また、本発明においては、前記判定装置は、前記許可装置により異常判定が許可された場合において、前記積算値の変化率が閾値以下の場合に、前記吸蔵還元型NOx触媒が異常であると判定することができる。
すなわち、NOx触媒が異常な場合には、積算値が上昇し難くなるので、変化率が低くなる。この変化率が閾値以下となったときに、NOx触媒が異常であると判定することができる。ここでいう閾値は、NOx触媒が異常なときの積算値の変化率の上限値である。
本発明によれば、吸蔵還元型NOx触媒の異常判定をより正確に行なうことができる。
実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 NOx触媒におけるNOxの吸蔵作用を説明するための図である。 NOx触媒におけるNOxの還元作用を説明するための図である。 NOx触媒が正常な場合と異常な場合との夫々において、リッチスパイク時にNOx触媒に流入する排気の空燃比と、NOx触媒よりも下流のNOx濃度及びNH濃度と、の関係を示した図である。 NOx浄化率が80%、56%、20%の夫々のNOx触媒について、リッチスパイク時のNOx触媒よりも下流のNH濃度の推移を示した図である。 リッチスパイク時のNOx触媒におけるNOx浄化率とNOx触媒よりも下流のNH濃度との関係を示す図である。 リッチスパイクを実施した回数または内燃機関が搭載される車両の走行距離と、NOx触媒よりも下流のNH生成量の積算値(NH積算値)との関係を示した図である。 リッチスパイクを実施した回数または内燃機関が搭載される車両の走行距離と、NH積算値、NOx触媒が正常な場合のNH積算値と異常な場合のNH積算値との差と、の関係を示した図である。 リッチスパイクを実施した回数または内燃機関が搭載される車両の走行距離と、NH積算値と、の関係を示した図である。 NOx触媒の異常判定のフローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る触媒異常判定システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。この排気通路2の途中には、吸蔵還元型NOx触媒4(以下、NOx触媒4という。)が備えられている。
NOx触媒4は、たとえばアルミナ(Al)を担体とし、その担体上に、たとえばバリウム(Ba)及び白金(Pt)を担持して構成されている。
このNOx触媒4は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する。
また、NOx触媒4よりも上流の排気通路2には、排気中に還元剤を噴射する噴射弁5が取り付けられている。噴射弁5は、後述するECU10からの信号により開弁して排気中へ還元剤を噴射する。還元剤には、たとえば内燃機関1の燃料(軽油)が用いられるが、これに限らない。噴射弁5から排気通路2内へ噴射された燃料は、排気通路2の上流から流れてきた排気の空燃比を低下させる。
なお、本実施例においては噴射弁5が、本発明における供給装置に相当する。また、内燃機関1から未燃燃料を排出させることで還元剤を供給することもできる。すなわち、気筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁を備え、該筒内噴射弁から主噴射を行なった後の膨張行程中若しくは排気行程中に再度燃料を噴射する副噴射(ポスト噴射)を行なったり、筒内噴射弁からの燃料噴射時期を遅らせたりすることにより、内燃機関1から還元剤を多く含むガスを排出させることもできる。
また、NOx触媒4よりも下流の排気通路2には、排気中のNH濃度を測定するNHセンサ8及び排気の温度を測定する温度センサ9が取り付けられている。なお、本実施例においてはNHセンサ8が、本発明におけるNH検出装置に相当する。また、NHセンサ8には、NOxを検出するNOxセンサを用いてもよい。NOxセンサは、NOx及びNHを検出する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御する。
また、ECU10には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル11を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ12、および機関回転数を検知するクランクポジションセンサ13が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力される。
一方、ECU10には、噴射弁5が電気配線を介して接続されており、該ECU10により噴射弁5の開閉時期が制御される。なお、本実施例では噴射弁5から供給する還元量を調節するECU10が、本発明における制御装置に相当する。
ECU10は、NOx触媒4に吸蔵されているNOxの還元時に、噴射弁5から燃料を噴射することにより、NOx触媒4に流入する排気の空燃比を比較的に短い周期で低下させる所謂リッチスパイクを実行する。このリッチスパイクにより、NOx触媒4に還元剤
が供給される。噴射弁5から噴射させる還元剤量は、たとえば内燃機関1の運転状態(機関回転数及び機関負荷)に基づいて決定される。還元剤量と機関回転数と機関負荷との関係は予めマップ化しておくことができる。また、内燃機関1の吸入空気量に基づいて還元剤量を決定してもよい。さらに、排気通路2に空燃比センサを取り付けて、該空燃比センサにより検出される空燃比が目標値となるように還元剤量をフィードバック制御してもよい。
そして、ECU10は、リッチスパイクを行ったときにNHセンサ8により検出されるNH濃度に基づいてNOx触媒4の異常判定を行う。この異常判定では、NOx触媒4の劣化の度合いが許容範囲を超えたときにNOx触媒4が異常であると判定される。異常判定時のリッチスパイクでは、NOx触媒4に吸蔵されているNOxが基準値以上のときに排気の空燃比がリッチとなる範囲内で噴射弁5から還元剤を噴射させる。この基準値は、NHを生成するために必要となるNOx吸蔵量である。
ここで、図2は、NOx触媒4におけるNOxの吸蔵作用を説明するための図である。また、図3は、NOx触媒4におけるNOxの還元作用を説明するための図である。
NOx触媒4は、排気の空燃比がリーンのときにNOをPt上でOと酸化させ、BaへBa(NOとして吸蔵する。一方、還元剤を供給して排気の空燃比をリッチとすると、Ba(NOがNOとなって放出され、さらにPt上でNに還元される。このときに、NOx触媒4では、NOとHとが反応して、NHとHOとが生成される。また、HCとNOとが反応して、NHとHOとCOとが生成される。なお、NOx触媒4に流入するNOxも、NOx触媒4から放出されるNOxと同様に反応する。このようにして生成されたNHは、NHセンサ8において検出される。
なお、NHセンサ8にNOxセンサを用いた場合には、NOx及びNHが、NHセンサ8により検出される。このため、NHセンサ8により検出されたのが、NHであるのか、または、NOxであるのかを判別することは困難である。しかし、排気の空燃比をリッチ空燃比とすることで、NOx触媒4から流出する排気中にはNOxがほとんど含まれなくなる。したがって、このときにNHセンサ8により検出されるのは、NHということになる。
ここで、図4は、NOx触媒4が正常な場合と異常な場合との夫々において、リッチスパイク時にNOx触媒4に流入する排気の空燃比と、NOx触媒4よりも下流のNOx濃度及びNH濃度と、の関係を示した図である。実線は、NOx触媒4が正常な場合を示し、一点鎖線は、NOx触媒4が異常な場合を示している。なお、正常な場合のNOx触媒4のNOx浄化率は56%であり、異常な場合のNOx触媒4のNOx浄化率は20%である。NOx浄化率とは、NOx触媒4に流入するNOx量(NOx濃度としてもよい)に対するNOx触媒4で浄化されるNOx量の比である。
図4において、NOx触媒4が正常な場合には、リッチ空燃比(例えば14.7未満)のときにNHが生成される。このときには、NOxは検出されない。
一方、NOx触媒4が異常な場合には、正常な場合よりも、リッチ空燃比のときのNH生成量が少ない。また、空燃比が例えば14.0よりも低くなると、NOxが検出される。これは、NOx触媒4が異常といえるほど劣化すると、リッチスパイク時にNOx触媒4の温度が低下してNOx触媒4が失活するためと考えられる。
そして、空燃比14.0から14.5までの間では、NOx触媒4が正常であるか否かにかかわらず、NOx濃度は低い。そして、この範囲の空燃比では、NOx触媒4が異常
な場合よりも正常な場合のほうがNH濃度が高くなる。このため、NHセンサ8にNOxセンサを用いた場合には、空燃比14.0から14.5までの間でリッチスパイクを実施することにより、NHの濃度のみを検出することができる。そして、空燃比14.0から14.5までの間でリッチスパイクを実施することにより、NOx触媒4が正常な場合と、異常な場合と、でNH濃度に差が生じる。したがって、NH濃度に基づいて、NOx触媒4の異常判定を行うことができるとも考えられる。
次に、図5は、NOx浄化率が80%、56%、20%の夫々のNOx触媒4について、リッチスパイク時のNOx触媒4よりも下流のNH濃度の推移を示した図である。このリッチスパイクでは、NOx触媒4に流入する排気の空燃比が14.1となるように還元剤量が調整されている。また、NOx触媒4には、NHを生成させるだけのNOxが吸蔵されている。なお、NOx浄化率が80%の場合は、NOx触媒4が新品の場合であり、NOx触媒4が正常な場合である。また、NOx浄化率が56%の場合は、NOx触媒4の劣化の度合いが低い場合であり、このときにもNOx触媒4は正常とされる。しかし、NOx浄化率が20%の場合は、NOx触媒4の劣化の度合いが高い場合であり、NOx触媒4が異常な場合である。
ここでNOx浄化率が56%及び20%の場合には、リッチスパイク時にNHが生成されるので、NOx触媒4よりも下流のNH濃度が上昇する。ただし、リッチスパイク開始からNHが生成されるまでには、ある程度の時間がかかるため、NH濃度は直ぐには上昇しない。一方、NOx浄化率が80%の場合には、リッチスパイク時であっても、NH濃度は上昇しない。
ここで、NOx触媒4が新品の場合には、Ptの劣化がないため、リッチ空燃比となるように還元剤を供給しても、NOがHまたはHCと活発に反応してNに還元される。このため、NHがほとんど生成されない。そうすると、NOx触媒4が新品の場合であっても、異常な場合であっても、NHセンサ8の検出値が小さくなるので、NH濃度に基づいてNOx触媒4の異常判定を行うことが困難となる。
図6は、リッチスパイク時のNOx触媒4におけるNOx浄化率とNOx触媒4よりも下流のNH濃度との関係を示す図である。このリッチスパイクでは、NOx触媒4に流入する排気の空燃比が14.1となるように還元剤量が調整されている。NOx浄化率が20%以下のときにNOx触媒4は異常であるとされ、NOx浄化率が20%よりも高いときにNOx触媒4は正常であるとされる。
図6に示されるように、NOx浄化率が80%から56%に低下するにしたがって、NH濃度は高くなる。一方、NOx浄化率が56%から20%に低下するにしたがって、NH濃度は低くなる。すなわち、NOx浄化率が56%付近でNH濃度が最も高くなる。ここで、NOx浄化率が20%のときと、75%のときと、でNH濃度が略同じになる。したがって、NOx触媒4が新品(NOx浄化率80%)から劣化が進んでNOx浄化率が75%になるまでの間と、NOx浄化率が20%となった後と、では共にNH濃度が低くなるので、NH濃度に基づいてNOx触媒4の異常判定を行うことが困難となる。
次に、図7は、リッチスパイクを実施した回数または内燃機関1が搭載される車両の走行距離と、NOx触媒4よりも下流のNH濃度の積算値(NH積算値)との関係を示した図である。NOx触媒4よりも下流のNH濃度は、NHセンサ8の検出値としてもよい。ここで、リッチスパイクを実施するときにNHが生成されるので、リッチスパイクを実施する回数が多くなるほど、NH積算値は大きくなる。また、走行距離が長くなるほど、内燃機関1から排出されたNOxの積算値が大きくなるので、NH積算値は
大きくなる。
そして、NH積算値は、NOx触媒4の劣化の度合いと相関関係がある。すなわち、NOx触媒4の劣化の度合いが高くなるほど、NH積算値が大きくなる。このため、NH積算値に基づいて、NOx触媒4の劣化の度合いをある程度は推定することができる。そして、NOx触媒4が新品(NOx浄化率80%)から劣化が進んでNOx浄化率が75%になるまでの間と、NOx浄化率が20%となった後と、では、NH積算値が異なる。なお、NOx浄化率の75%に対応するNH積算値(図7の所定値)は、予め実験等により求めることができる。したがって、NOx浄化率の75%に対応するNH積算値よりも、実際のNH積算値が大きくなった後に、NOx触媒4の異常判定を実施すれば、NOx浄化率が75%から80%の間にあるときに異常判定が行われることを抑制できる。すなわち、リッチスパイクの回数又は走行距離が、Aで示される値となった後にNHセンサ8の出力値に基づいて、NOx触媒4の異常判定を実施する。このように、NOx触媒4の異常判定を実施可能な時期の始期は、図7において「検出範囲」で示される。
なお、NH積算値の代わりに、NHセンサ8の出力値と排気の流量とに基づいて算出されるNHの生成量の積算値を用いてもよい。また、NH積算値は、NHセンサ8の出力の最大値を積算して求めてもよく、NHセンサ8の出力を全て積算して求めてもよい。すなわち、NH濃度を積算してもよく、NH量を積算してもよい。また、NOx触媒4の異常判定が可能となる時期を求めるだけであれば、内燃機関1の運転状態に基づいてNH濃度またはNH生成量を推定し、この値を積算してもよい。
このように、NH積算値が所定値以上となれば、NHセンサ8の出力値に基づいてNOx触媒4の異常判定を行うことができる。例えば、リッチスパイク時にNHセンサ8で検出されるNH濃度が閾値以下であれば、NOx触媒4に異常があり、閾値よりも高ければ、NOx触媒4は正常であると判定できる。この閾値は、NOx触媒4が異常な場合のNH濃度の上限値である。また、以下のようにしてNOx触媒4の異常判定を行ってもよい。
図8は、リッチスパイクを実施した回数または内燃機関1が搭載される車両の走行距離と、NH積算値、NOx触媒4が正常な場合のNH積算値と異常な場合のNH積算値との差と、の関係を示した図である。図8のAで示される時点は、図7のAで示される時点と同じであり、NOx触媒4の異常判定が可能となる時点である。また、Bで示される時点において、NOx触媒4の過熱により該NOx触媒4が異常となる。
図8に示されるように、NOx触媒4が異常な場合には、正常な場合よりも、NH積算値の増加の度合いが低くなる。このため、NOx触媒4が正常な場合のNH積算値と異常な場合のNH積算値との差は、NOx触媒4が過熱した時点Bから増加する。
例えば、NOx触媒4が正常な場合のNH積算値を予め実験等により求めておき、この値と、実際のNH積算値との差が閾値以上となったときに、NOx触媒4が異常であると判定することができる。
また、例えば、所定期間におけるNH積算値の変化量ΔYに基づいて、NOx触媒4が正常であるか否か判定することもできる。所定期間におけるNH積算値の変化量ΔYは、単位時間当たりの変化量としてもよく、変化率若しくは傾きとしてもよい。ここで、図9は、リッチスパイクを実施した回数または内燃機関1が搭載される車両の走行距離と、NH積算値と、の関係を示した図である。図9におけるAおよびBの時点は、図8におけるAおよびBの時点と同じ時点である。そして、CからDの期間を所定期間としてい
る。
NOx触媒4が正常な場合には、NH生成量が多いために、NH積算値の増加の度合いが高くなる。このためCからDの期間におけるNH積算値の変化量ΔYは、比較的大きい。一方、NOx触媒4が異常な場合には、NH生成量が少ないために、NH積算値の増加の度合いが低くなる。このためCからDの期間におけるNH積算値の変化量ΔYは、比較的小さい。
例えばNOx浄化率が20%のときのNH積算値の変化量ΔYを予め実験等により求めて閾値として設定しておけば、NH積算値の変化量ΔYが閾値以下となったときに、NOx触媒4が異常であると判定することができる。なお、CからDの期間では、少なくとも1回のリッチスパイクが行われる。
図10は、NOx触媒4の異常判定のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10により所定の期間毎に実行される。
ステップS101では、NOx触媒4の異常判定を行う前提条件が成立しているか否か判定される。たとえばNHセンサ8が正常であり、且つNOx触媒4の温度がNOxの還元に適した温度となっているときに前提条件が成立していると判定される。NHセンサ8が正常であるか否かは、周知の技術により判定することができる。また、NOxの還元に適した温度とは、たとえば、NOx触媒4が活性化しているときの温度である。NOx触媒4の温度が低すぎると活性が低下し、NOx触媒4の温度が高すぎるとNOxとHCとが反応してNに還元されるため、NHの生成量が減少する。NOx触媒4の温度は、温度センサ9により検出される。なお、リッチスパイクを行う条件が成立しているか否か判定してもよい。
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
ステップS102では、NOx触媒4のNOx吸蔵量が基準値以上であるか否か判定される。ここでいう基準値とは、NOx触媒4に還元剤を供給したときに、NOx触媒4の異常判定に必要な量のNHが生成されるNOx吸蔵量である。本ステップでは、還元剤供給時にNOx触媒4が正常であるならば、NOx触媒4に吸蔵されているNOxから生成されるNH量が十分な量となるか否か判定している。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS102を再度処理する。すなわち、NOx吸蔵量が基準値以上となるまで繰り返しステップS102が処理される。
ステップS103では、目標となる空燃比を例えば14.0から14.5の間に設定して、リッチスパイクが行われる。本ステップでは、図4においてNOx濃度が0となる範囲に空燃比を調整している。また、図5に示すように、リッチスパイクを開始してから、NH濃度が上昇するまでに時間がかかるので、NH濃度が上昇するのに必要な時間が経過するまでリッチスパイクを継続する。
ステップS104では、NH濃度が積算される。すなわち、NHセンサ8の出力値が積算されて、NH積算値が算出される。この積算値は、NOx触媒4が新品のときからの積算値である。本ステップでは、NHセンサ8の出力値の最大値を積算してもよいし、NHセンサ8の出力値を全て積算してもよい。また、NHセンサ8の出力値と排気の流量とからNH生成量を算出し、このNH生成量を積算してもよい。
ステップS105では、NH積算値が所定値以上であるか否か判定される。この所定値は、NOx浄化率の75%に対応するNH積算値である。すなわち、本ステップでは、NOx浄化率が80%から75%の間ではないことを判定している。これは、NOx触媒4が新品ではないことを判定しているともいえる。ここでいう所定値は、図7において説明した所定値と同じである。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。 なお、本実施例においてはステップS105を処理するECU10が、本発明における許可装置に相当する。
ステップS106では、NOx触媒4が正常であると仮定した場合に推定されるNH積算値と、実際のNH積算値と、の差が閾値未満であるか否か判定される。この閾値は、NOx触媒4が異常である場合に、NOx触媒4が正常であると仮定した場合に推定されるNH積算値と、実際のNH積算値との差の下限値である。NOx触媒4が正常であると仮定した場合のNH積算値は、例えば車両の走行距離と関連付けて予め時実験等により求めてECU10に記憶させておけば、車両の走行距離に基づいて推定することができる。また、リッチスパイクを実施した回数に基づいて推定することもできる。
なお、本ステップでは、図9において説明したように、所定期間におけるNH積算値の変化量ΔYが閾値よりも大きいか否か判定してもよい。また、所定期間におけるNH積算値の変化量ΔYは、NH積算値の変化率としてもよい。
ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進んで、NOx触媒4は正常であると判定される。一方、ステップS106で否定判定がなされた場合にはステップS108へ進んで、NOx触媒4は異常であると判定される。なお、本実施例においてはステップS106以降を処理するECU10が、本発明における判定装置に相当する。
以上説明したように、本実施例によれば、NOx触媒4が新品に近いときには、NH生成量の積算値を用いて該NOx触媒4の異常判定を行わないため、誤判定を抑制できる。
1 内燃機関
2 排気通路
4 吸蔵還元型NOx触媒
5 噴射弁
8 NHセンサ
9 温度センサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ
13 クランクポジションセンサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられてNOxを吸蔵し、吸蔵していたNOxを還元剤の供給により還元する吸蔵還元型NOx触媒の異常を判定する触媒異常判定システムにおいて、
    前記吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を供給する供給装置と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流のNHを検出するNH検出装置と、
    前記供給装置から供給する還元剤量を調節することで排気の空燃比を変化させる制御装置と、
    前記制御装置により排気の空燃比がリッチ空燃比となるように還元剤量を調節しつつ前記供給装置から還元剤を供給したときの前記NH検出装置の検出値であって前記吸蔵還元型NOx触媒の劣化の進行と共に大きくなり、その後さらに劣化が進行すると小さくなる検出値に基づいて、前記吸蔵還元型NOx触媒の異常を判定する判定装置と、
    前記制御装置により排気の空燃比がリッチ空燃比となるように還元剤量を調節しつつ前記供給装置から還元剤を供給したときの前記NH検出装置の検出値を前記吸蔵還元型NOx触媒が新品のときから積算し、この積算した値である積算値が、前記吸蔵還元型NOx触媒が正常な場合と異常な場合とでNH の生成量に差が生じるときの値である所定値以上となった場合に、前記判定装置による前記吸蔵還元型NOx触媒の異常判定の実行を許可する許可装置と、
    を備える触媒異常判定システム。
  2. 前記判定装置は、前記許可装置により異常判定が許可された場合において、前記吸蔵還元型NOx触媒が正常であると仮定したときに推定される前記積算値と、実際の前記積算値と、の差が閾値以上の場合に、前記吸蔵還元型NOx触媒が異常であると判定する請求項1に記載の触媒異常判定システム。
  3. 前記判定装置は、前記許可装置により異常判定が許可された場合において、前記積算値の変化率が閾値以下の場合に、前記吸蔵還元型NOx触媒が異常であると判定する請求項1に記載の触媒異常判定システム。
JP2012054321A 2012-03-12 2012-03-12 触媒異常判定システム Expired - Fee Related JP5821717B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054321A JP5821717B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 触媒異常判定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054321A JP5821717B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 触媒異常判定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013185574A JP2013185574A (ja) 2013-09-19
JP5821717B2 true JP5821717B2 (ja) 2015-11-24

Family

ID=49387200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012054321A Expired - Fee Related JP5821717B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 触媒異常判定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5821717B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6183316B2 (ja) * 2014-08-01 2017-08-23 トヨタ自動車株式会社 NOxセンサの異常判定装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4729518B2 (ja) * 2007-03-07 2011-07-20 トヨタ自動車株式会社 NOx触媒の劣化診断装置
JP5354214B2 (ja) * 2010-08-04 2013-11-27 三菱自動車工業株式会社 触媒劣化判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013185574A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6350444B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5907269B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5949954B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2013181453A (ja) 触媒劣化判定システム
JP2016079852A (ja) 内燃機関の排気浄化装置の異常判定システム
WO2007138454A1 (en) Exhaust purification device and method of internal combustion engine
JP2015031166A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5601418B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP5573958B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP2016079856A (ja) 内燃機関の排気浄化装置の異常判定システム
JP5821717B2 (ja) 触媒異常判定システム
JP5673797B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP2013019401A (ja) 触媒劣化判定システム
JP2012233419A (ja) 触媒劣化判定システム
JP5724839B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP5601285B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP5708787B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP2014084763A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007255209A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2013011202A (ja) 触媒劣化判定システム
US20090077950A1 (en) Exhaust Purification System For Internal Combustion Engine
JP5626030B2 (ja) 触媒劣化判定システム
JP2009264334A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007327465A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2010174739A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5821717

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees