JP5821616B2 - 研削異常監視方法および研削異常監視装置 - Google Patents
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Description
(請求項6)本発明の研削異常監視装置は、工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視装置において、前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出手段と、前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出手段と、前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係に基づいて、検出した前記研削負荷に対応する前記加工変質層の厚さを求め、求めた前記加工変質層の厚さと、検出した前記研削残り取代とを比較して、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能であるか否かで研削異常を判定する研削異常判定手段と、を備える。
(請求項7)本発明の研削異常監視装置は、工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視装置において、前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出手段と、前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出手段と、前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係及び前記工作物を研削するときの研削残り取代に基づいて、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能な研削負荷を閾値として前記研削残り取代に応じて設定する閾値設定手段と、検出した前記研削残り取代における前記研削負荷が検出した前記研削残り取代に対応した前記閾値を超えた場合に研削異常であると判定する研削異常判定手段と、を備える。
研削盤1の一例として、主軸台トラバース型内面研削盤を例に挙げ、図1を参照して説明する。そして、当該研削盤1の研削対象の工作物Wを軸受の外輪とし、当該研削盤1を用いて当該軸受の外輪の内周軌道面を研削する場合を例に挙げて説明する。そして、ここでは、同種の工作物Wを複数個研削する場合、すなわち量産製品としての工作物Wを製造する場合を対象として説明する。
なお、後述する第二実施形態において、接触検知センサ80は、研削負荷データの収集開始の判定に用いている。接触検知センサ80に代えて、砥石台41のX軸位置およびテーブル20のZ軸位置に基づいて研削負荷データの収集開始の判定を行うこともできる。
次に、研削異常監視装置70により監視する研削異常について説明する。研削異常としては、研削負荷が所定値より大きくなった場合に発生する研削焼け(加工変質層)がある。この加工変質層の厚さaは、例えば、図4に示すように、研削負荷PがPnからP1と大きくなるにつれてanからa1と厚くなる関係にある。
次に、研削異常監視装置70について、図2の機能ブロック図を参照して説明する。ここで研削異常監視装置70を説明するに当たり、図2には、上述した研削盤1の一部構成についても記載する。ここで、図2において、図1の研削盤1の構成と同一構成については、同一符号を付す。そして、砥石車駆動用モータ42には、当該砥石車駆動用モータ42の駆動電力を計測するモータ電力計42aが取り付けられている。なお、モータ電力計42aに代えて、砥石車駆動用モータ42のモータアンプにより直接電力値を収集してもよい。
次に、研削異常監視装置70による研削異常監視プログラムの実行について、図3を参照して説明する。研削異常監視プログラムは、第一粗工程終了時の加工変質層の厚さapと、第一粗工程終了時の研削残り取代Rpとに基づいて、研削異常が発生したか否かを判定する。以下に詳細に説明する。
次に、図6を参照して、表示装置81の画面の履歴表示状態について説明する。図3の研削異常監視プログラムの実行により、研削異常が発生した場合には(図3のステップS10)、異常内容が記憶装置83に記憶される。なお、記憶装置83には、異常内容の他、正常内容についても記憶しても良い。そして、多数の工作物Wの研削が行われた場合、記憶装置83には、過去の異常履歴が記憶される。また、研削異常として記憶されていない工作物Wは、正常であることが分かる。また、記憶装置83に正常内容が記憶されている場合には、直接的に正常である工作物Wを把握できる。
次に、第二実施形態の研削異常監視装置について説明する。上述した研削異常監視装置70は、第一粗工程の終了時において発生する研削異常を監視することとした。しかし、研削前の工作物Wの形状精度にはバラツキがあるため、第一粗工程において、工作物Wと砥石車43との接触面積が大きく変動し、研削負荷も大きく変動して工作物Wに加工変質層が発生する場合がある。そこで、本実施形態では、第一粗工程中において研削残り取代に対する研削負荷の閾値を設定し、第一粗工程中において発生する研削異常を監視することとした。以下に詳細に説明する。
研削異常監視装置170に設定される閾値P(R)について説明する。従来の研削異常監視装置では、工作物Wに加工変質層が発生しない研削負荷を閾値として設定しているが、本実施形態の研削異常監視装置170では、第一粗工程において工作物Wに発生した加工変質層をその後の研削により取り除くことが可能な研削負荷Pdnを閾値P(R)として設定する。すなわち、第一粗工程中において、図4に示す研削負荷Pdnと加工変質層の厚さaとの関係に基づいて、研削残り取代Rに対する研削負荷Pdnである閾値P(R)を設定する。この閾値P(R)は、例えば、図9に示すように、研削残り取代RがRoからRpと小さくなるにつれてPpからPoと小さくなる関係にある。
本実施形態における研削異常監視装置170について図7を参照して説明する。本実施形態の研削異常監視装置170は、研削残り取代測定部171と、研削負荷算出部172と、データ記憶部73(第一実施形態と同様)と、閾値設定部174と、異常判定部75(第一実施形態と同様)と、出力部76(第一実施形態と同様)とを備えて構成される。
研削異常監視装置170による処理について図8を参照して説明する。閾値設定用データとして研削負荷Pdnと加工変質層の厚さaとの関係のテーブルデータ(図4参照)が既に記憶されているか否かを判定する(ステップS21)。まだ記憶されていなければ、閾値設定用データを読込む(ステップS22)。
10:ベッド、 11a,11b:Z軸ガイドレール、11c:Z軸ボールねじ
11d:Z軸モータ、12a,12b:X軸ガイドレール、 12c:X軸ボールねじ
12d:X軸モータ
20:テーブル
30:主軸台、 31:主軸台本体、 32:マグネットチャック
33:シュー、 34:主軸モータ
40:砥石支持装置、41:砥石台、 42:砥石車駆動用モータ
42a:モータ電力計、 43:砥石車
50:近接スイッチ、 60:制御装置、 80:接触検知センサ、 90:定寸装置
70:研削異常監視装置、 71:研削残り取代測定部、 72:研削負荷算出部
73:データ記憶部、 74:第一粗工程終了通知部、 75:異常判定部
76:出力部
170:研削異常監視装置、 171:研削残り取代測定部、 172:研削負荷算出部
174:閾値設定部
Claims (7)
- 工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視方法において、
前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出工程と、
前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出工程と、
前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係に基づいて、検出した前記研削負荷に対応する前記加工変質層の厚さを求め、求めた前記加工変質層の厚さと、検出した前記研削残り取代とを比較して、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能であるか否かで研削異常を判定する研削異常判定工程と、
を備える研削異常監視方法。 - 請求項1において、
前記研削残り取代検出工程は、前記接触初期の加工工程の終了時における前記研削残り取代を検出し、
前記研削負荷検出工程は、前記接触初期の加工工程の終了時における前記研削負荷を検出し、
前記研削異常判定工程は、検出した前記研削負荷に対応する前記加工変質層の厚さが検出した前記研削残り取代を超えた場合に研削異常であると判定する研削異常監視方法。 - 工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視方法において、
前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出工程と、
前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出工程と、
前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係及び前記工作物を研削するときの研削残り取代に基づいて、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能な研削負荷を閾値として前記研削残り取代に応じて設定する閾値設定工程と、
検出した前記研削残り取代における前記研削負荷が検出した前記研削残り取代に対応した前記閾値を超えた場合に研削異常であると判定する研削異常判定工程と、
を備える研削異常監視方法。 - 請求項3において、
前記研削異常監視方法は、
前記砥石車の研削条件を変更する制御工程、
を備え、
前記制御工程は、検出した前記研削負荷が前記閾値を超えず、且つ前記閾値に近づくように前記砥石車の研削条件を変更する研削異常監視方法。 - 請求項1〜4の何れか一項において、
前記接触初期の加工工程は、前記工作物と前記砥石車との相対移動を定速で、且つ前記工作物の前記砥石車による切込量を一定で行う工程である研削異常監視方法。 - 工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視装置において、
前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出手段と、
前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出手段と、
前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係に基づいて、検出した前記研削負荷に対応する前記加工変質層の厚さを求め、求めた前記加工変質層の厚さと、検出した前記研削残り取代とを比較して、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能であるか否かで研削異常を判定する研削異常判定手段と、
を備える研削異常監視装置。 - 工作物と砥石車とを相対移動させることにより前記工作物を研削する研削盤を用いて、研削異常を監視する研削異常監視装置において、
前記工作物と前記砥石車との接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削残り取代を検出する研削残り取代検出手段と、
前記接触初期の加工工程における前記工作物を研削するときの研削負荷を検出する研削負荷検出手段と、
前記工作物を研削したときの研削負荷が変化すると前記工作物の加工変質層の厚さが変化する関係及び前記工作物を研削するときの研削残り取代に基づいて、前記工作物に発生した前記加工変質層を発生後の研削で取り除くことが可能な研削負荷を閾値として前記研削残り取代に応じて設定する閾値設定手段と、
検出した前記研削残り取代における前記研削負荷が検出した前記研削残り取代に対応した前記閾値を超えた場合に研削異常であると判定する研削異常判定手段と、
を備える研削異常監視装置。
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