JP5821605B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
リチウムイオン二次電池では、使用状態によっては電極体からガスが発生することでケース内の内圧が上昇する場合がある。
そこで、ケース内の内圧が上限を超えたときに内圧を開放する安全弁がケースに設けられている。
従来から、ケースに形成した開口部に金属箔を貼り付け、内圧により金属箔が破断されることで内圧が開放されるようにした安全弁の構造が知られている。
また、特許文献1には、ケースの表面にレーザ加工などにより溝状の刻印表示部からなる肉薄部を構成し、肉薄部を安全弁として機能させる技術が開示されている。
また、後者の従来技術では、加工精度を高める上で限界があることから安全弁が動作する精度を高める上で不利がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、コストを抑制しつつ安全弁が動作する精度を高める上で有利な二次電池を提供することを目的とする。
請求項2記載の発明によれば、薄肉部は、巻回体の端面に対向して設けられているので、薄肉部が破断したときに巻回体から発生するガスが円滑に薄肉部の破断部分から外方に流出することから、安全弁としての機能を最も効果的に発揮させる上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、金属板の縁部を構成する薄肉部の縁部は、薄肉部の他の部分よりも厚さが大きく形成されているので、薄肉部の溶接の作業性を確保する上で有利となる。
請求項4記載の発明によれば、金属板の縁部を構成する薄肉部の縁部は、金属板の縁部同士が溶接される他方の金属板の薄肉部が形成されていない縁部に重ね合わせて溶接されているので、薄肉部の溶接の作業性を確保する上で有利となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、二次電池がリチウムイオン二次電池で構成されている場合について説明するが、本発明はリチウムイオン二次電池以外の二次電池にも適用可能である。
図1(A)に示すように、本実施の形態の二次電池10は、電極体12と、該電極体12を収容するケース14とを備えている。
本体部16は、一枚の金属板20が折り曲げられると共に、折り曲げられた金属板20の縁部同士が溶接されることで形成されている。なお、本明細書において「溶接」とは、レーザービームなどを用いた溶接や半田付けによる接合などを全て含むものとする。
金属板20の材料としては、ステンレス、アルミニウム、スチールなど従来公知の様々な金属材料が使用可能である。
図1(C)に折り曲げる前の金属板20を示す。
金属板20は、底面部22と、一対の側面部24と、4つの半部端面部26とを備えている。
底面部22は、横長の矩形状を呈している。
一対の側面部24は、それぞれ横長の矩形状を呈し、底面部22の対向する長辺にそれぞれ接続している。
各半部端面部26は、一対の側面部24の短辺にそれぞれ接続されている。
図1(B)に示すように、金属板20は、それら底面部22と側面部24との境の箇所、側面部24と半部端面部26との境の箇所が直角に折り曲げられる。そして、互いに対向する半部端面部26の縁部同士が突き合わされて溶接により接合され、また、半部端面部26と底面部22の短辺をなす縁とが突き合わされ溶接により接合されている。
このように折り曲げられ溶接されることで上部が開放された収容空間Sを有する本体部16が形成される。
また、半部端面部26の縁部同士が溶接されることで本体部16の端面部28が形成される。
この薄肉部30は、残りの金属板20の部分よりも厚さが薄く形成されている。
薄肉部30は、電極体12から発生した内圧を放出する二次電池10の安全弁32として機能する。
薄肉部30は、半部端面部26の縁部に形成され、より詳細には、溶接される相手側の半部端面部26の縁部に突き合わされる箇所に形成されている。
したがって、本実施の形態では、安全弁32はケース14の端面部28の幅方向の中間に配置されている。
薄肉部30は、半部端面部26の箇所を圧延する、研削するなど従来公知の様々な加工方法が使用可能である。
この場合に、薄肉部30は半部端面部26の縁部を含んで形成されるため、それらの加工を簡単に精度よく行う上で有利となる。
例えば、金属板20を圧延して薄肉部30を形成する場合は、圧延の過程で生じた薄肉部分のうち薄肉部30として利用しない部分を容易に切断することができ簡単に薄肉部30を形成することができる。
また、薄肉部30は半部端面部26の縁部を含んで形成されるため、薄肉部30の厚さを簡単かつ精度よく測定することができ、薄肉部30の厚さ精度を高める上で有利となる。
これに対して、薄肉部30を金属板24の縁部以外の部分に精度良く形成することは難しく、また、そのような部分に形成した薄肉部30の厚さを簡単かつ精度よく測定することは難しい。
この場合、図2(A)に示すように、薄肉部30が該薄肉部30を除く本体部16の外面よりも内側に偏位するように設けられていても、図2(B)に示すように、薄肉部30が該薄肉部30を除く本体部16の内面よりも外側に偏位するように設けられていてもよい。
また、薄肉部30の縁部と半部端面部26の縁部とを突き合わせて溶接する場合、薄肉部30の厚さと半部端面部26の厚さとの差が大きいほど、また、薄肉部30の厚さが小さいほど薄肉部30の溶接作業が難しくなる。
そこで、図2(C)に示すように薄肉部30に位置する縁部3002を、薄肉部30の他の部分よりも厚さが大きく形成すると、薄肉部30の溶接の作業性を確保する上で有利となる。
また、薄肉部30の縁部3002を半部端面部26の縁部2602に突き当てて溶接することに代えて、図3に示すように、薄肉部30に位置する縁部3002を、該縁部3002が溶接される相手側の縁部2602、すなわち薄肉部30が形成されていない縁部2602に重ね合わせて溶接してもよい。すなわち、薄肉部30に位置する縁部を、この縁部に隣接する薄肉部30が位置していない縁部よりも突出して形成しておき、この突出部分を溶接しろとして用いるようにすると、薄肉部30の溶接の作業性を確保する上で有利となる。
薄肉部30の強度が高過ぎると、ケース14内の内圧が上昇したときに薄肉部30が破断しにくくなる。言い換えると、薄肉部30の輪郭の長さのうち、縁部3002を除く輪郭の部分の長さが占める割合を増加させるほど、薄肉部30が破断しやすくなる。
例えば、図1(A)に示すように、薄肉部30の輪郭が半径の寸法がRである半円形の場合と、図4に示すように薄肉部30の輪郭が短辺がRで長辺が2Rであり長辺が縁部3002を構成する長方形の場合とについて考える。
すると、薄肉部30の周囲の長さのうち、縁部3002の長さが残りの周囲の長さに対して占める割合は、長方形の方が半円形よりも大きくなり、したがって、長方形の方が薄肉部30の強度を下げやすく、薄肉部30が破断しやすいものとなる。
このように、必要とされる薄肉部30の破断しやすさの度合いに応じて、薄肉部30の輪郭の形状や大きさを適宜選択することができる。
電極体12は、正極と負極との間にセパレータが介在された帯体が複数回巻回された巻回体12Aで構成されている。
より詳細には、電極体12は、正極と、負極と、2枚のセパレータとで構成されている。
正極は、幅よりも大きな長さを有する帯状を呈している。
正極は、3層構造であり、厚さ方向の中央に位置する正極集電箔と、その両面に形成された正極活物質とで構成されている。正極集電箔は不図示の接続部材を介して後述する正側の端子に接続されている。
正極集電箔としてはアルミニウム箔が用いられ、正極活物質としてはコバルト酸リチウムなどが用いられる。
負極は、3層構造であり、厚さ方向の中央に位置する負極集電箔と、その両面に形成された負極活物質とで構成されている。負極集電箔は不図示の接続部材を介して後述する負側の端子に接続されている。
負極集電箔としては銅箔が用いられ、負極活物質としては炭素材料などが用いられる。
電極体12は、正極と、負極とが、2枚のセパレータを介在させて重ね合わされ複数回巻回され、断面が扁平な長円形状を呈している。
具体的には、セパレータと、正極と、セパレータと、負極とがこの順番で重ね合わされ、セパレータを外側にし、負極を内側にして複数回巻回されている。
本実施の形態では、図9(A)に示すように、薄肉部30は、巻回体12Aの端面1202に対向して設けられている。
蓋部18を電極体12が収容された本体部16に接合することにより横長の矩形板状を呈するケース14が組み立てられる。
巻回体12Aから発生するガスは巻回体12Aの軸方向に流れる。本実施の形態では、図9(A)に示すように、薄肉部30は、巻回体12Aの端面1202に対向して設けられている。そのため、巻回体12Aから発生するガスの放出方向に薄肉部30が位置している。したがって、薄肉部30が破断したときにガスは最短距離を通ってより円滑に薄肉部30の破断部分から外方に流出する。したがって、安全弁32としての機能を最も効果的に発揮させる上でより有利となる。
次に第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、安全弁32がケース14の端面部28の幅方向の中間に配置されていたが、第2の実施の形態では、安全弁32がケース14の端面部28の幅方向の端部に配置されている点が第1の実施の形態と異なっている。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様あるいは同一の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略し、あるいは、簡単に説明する。
金属板20は、底面部22と、一対の側面部24と、一対の端面部28とを備えている。
底面部22は、横長の矩形状を呈している。
一対の側面部24は、それぞれ横長の矩形状を呈し、底面部22の対向する長辺にそれぞれ接続している。
一対の端面部28は、一対の側面部24のうちの一方の側面部24の短辺にそれぞれ接続されている。
そして、端面部28と側面部24の縁部が突き合わされて溶接により接合され、端面部28と底面部22の短辺をなす縁とが突き合わされ溶接により接合される。
このように折り曲げられ溶接されることで上部が開放された収容空間Sを有する本体部16が形成される。
したがって、安全弁32がケース14の端面部28のうち端面部28と一方の側面部24との境目に接して配置されている。
また、また、第1の実施の形態と同様に、巻回体12Aは、その軸方向を端面部28に直交させて収容空間Sに収容されている。
第2の実施の形態では、図9(B)に示すように、第1の実施の形態と同様に、薄肉部30が巻回体12Aの端面1202に対向して設けられる場合と、図9(C)に示すように、薄肉部30が巻回体12Aの端面1202の近傍に設けられているが、薄肉部30が端面1202に対向していない場合との2つの構成が可能である。
また、図9(C)に示すように、薄肉部30が巻回体12Aの端面1202に対向していないが端面1202の近傍に設けられている場合には、巻回体12Aから発生するガスは巻回体12Aの軸方向に流れることから、薄肉部30が破断したときにガスは円滑に薄肉部30の破断部分から外方に流出でき、安全弁32としての機能を十分に発揮させる上で有利となる。
また、第1の実施の形態と同様に、端子34、36が設けられた蓋部18ではなく、本体部16に薄肉部30が設けられているので、破断した薄肉部30から漏れた電解液に起因する端子34、36のショートなどの可能性を低減する上で有利となる。
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、安全弁32がケース14の2つの側面部24のうちの一方の側面部24の縁部を含む箇所に設けられている点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
金属板20は、第2の実施の形態と同様に、底面部22と、一対の側面部24と、一対の端面部28とを備え、図6(B)に示すように、本体部16の組み立ても第2の実施の形態と同様になされるため説明を省略する。
したがって、第1の実施の形態と同様に、巻回体12Aは、その軸方向を端面部28に直交させて収容空間Sに収容されているため、図9(D)に示すように、薄肉部30は、巻回体12Aの端面1202に対向していないが、端面1202の近傍に設けられている。
また、第1の実施の形態と同様に、端子34、36が設けられた蓋部18ではなく、本体部16に薄肉部30が設けられているので、破断した薄肉部30から漏れた電解液に起因する端子34、36のショートなどの可能性を低減する上で有利となる。
次に第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、安全弁32がケース14の底面部22の縁部を含む箇所に設けられている点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
金属板20は、第1の実施の形態と同様に、底面部22と、一対の側面部24と、4つの半部端面部26とを備え、図7(B)に示すように、本体部16の組み立ては第1の実施の形態と同様になされるため説明を省略する。
第4の実施の形態では、薄肉部30は、底面部22の縁部に形成され、より詳細には、溶接される相手側の端面部28(2つの半部端面部26)の短辺に突き合わされる箇所に形成されている。
また、巻回体12Aは、その軸方向を端面部28に直交させて収容空間Sに収容されているため、図9(E)に示すように、薄肉部30は、巻回体12Aの端面1202に対向していないが、端面1202の近傍に設けられている。
蓋部18を電極体12が収容された本体部16に接合することにより横長の矩形板状を呈するケース14が組み立てられる。
また、図9(E)に示すように、薄肉部30が巻回体12Aの端面1202に対向していないが端面1202の近傍に設けられているので、巻回体12Aから発生するガスは巻回体12Aの軸方向に流れることから、薄肉部30が破断したときにガスは円滑に薄肉部30の破断部分から外方に流出でき、安全弁32としての機能を十分に発揮させる上で有利となる。
また、第1の実施の形態と同様に、端子34、36が設けられた蓋部18ではなく、本体部16に薄肉部30が設けられているので、破断した薄肉部30から漏れた電解液に起因する端子34、36のショートなどの可能性を低減する上で有利となる。
次に第5の実施の形態について説明する。
第1乃至第4の実施の形態では、ケース14が扁平な矩形板状である場合について説明したが、第5の実施の形態ではケース14が円柱状である場合について説明する。
金属板40は、底面部42と、側面部44とを備える。
底面部42は、円板状を呈している。
側面部44は、長方形状を呈している。
薄肉部30は、側面部44の一方の短辺をなす縁部に形成され、より詳細には、溶接される側面部44の他方の短辺をなす縁部に突き合わされる箇所に形成されている。
図8(B)に示すように、側面部44が円筒状に折り曲げられ、側面部44の短辺をなす縁部同士が突き合わされて溶接により接合される。
また、側面部44の一方の長辺をなす縁部と底面部22の円周をなす縁とが突き合わされ溶接により接合される。
このように折り曲げられ溶接されることで上部が開放された収容空間Sを有する本体部16が形成される。
巻回体12Aは、その軸方向を円筒をなす側面部44の直径方向に合致させて収容空間Sに収容されている。
そして、図9(F)に示すように、薄肉部30は、巻回体12Aの端面1202に対向して設けられている。
蓋部46を電極体12が収容された本体部16に接合することにより円柱状を呈するケース14が組み立てられる。
また、図9(F)に示すように、薄肉部30が巻回体12Aの端面1202に対向して設けられているので、第1の実施の形態と同様に、薄肉部30が破断したときにガスは最短距離を通ってより円滑に薄肉部30の破断部分から外方に流出でき、安全弁32としての機能を最も効果的に発揮させる上でより有利となる。
また、第1の実施の形態と同様に、端子34、36が設けられた蓋部46ではなく、本体部16に薄肉部30が設けられているので、破断した薄肉部30から漏れた電解液に起因する端子34、36のショートなどの可能性を低減する上で有利となる。
Claims (4)
- 電極体と、該電極体を収容するケースとを備える二次電池であって、
前記ケースは、金属板が折り曲げられると共に折り曲げられた前記金属板の縁部同士が溶接されることで形成され前記電極体を収容する開放された収容空間を有する本体部と、前記電極体に接続する端子が設けられ前記収容空間を閉塞する前記本体部とは異なる蓋部とを備え、
前記本体部に、他の金属板の部分よりも厚さが薄い薄肉部が、前記蓋部から離間した箇所で前記金属板の縁部同士が溶接される箇所に安全弁として形成されている、
ことを特徴とする二次電池。 - 前記電極体は、正極と負極とを含んで構成された帯体が複数回巻回された巻回体で構成され、
前記薄肉部は、前記巻回体の端面に対向して設けられる、
ことを特徴とする請求項1記載の二次電池。 - 前記金属板の縁部を構成する前記薄肉部の縁部は、前記薄肉部の他の部分よりも厚さが大きく形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の二次電池。 - 前記薄肉部は、前記金属板の縁部同士が溶接される一方の金属板の縁部を含んだ箇所に形成され、
前記金属板の縁部を構成する前記薄肉部の縁部は、前記金属板の縁部同士が溶接される他方の金属板の前記薄肉部が形成されていない縁部に重ね合わせて溶接されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の二次電池。
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