以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る画像形成装置10について、図面に基づき詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置の一例として、タンデム方式のカラープリンターを例示する。画像形成装置は、例えば、モノクロのプリンター、複写機、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等であってもよい。
図1は、画像形成装置10の外観を示す斜視図である。画像形成装置10は、後述する画像形成部13等の機器装置を収容する本体ハウジング11を備える。本体ハウジング11は、画像形成装置10の外装ボディであって、正立方体に近い箱体の形状を有し、底面11Bと、底面11Bの四辺から立設された4つの側面11Sと、これら側面11Sによって形成される空間の上部を塞ぐ天面11Tとを備える。
天面11Tには、画像形成処理が施されたシートが排出される排紙部17と、この排紙部17に向けてシートを排出する排出口111Eと、操作部OPとが設けられている。排紙部17は、排出口111Eから排出されるシートを受け取る排紙トレイ171を含む。操作部OPは、本体ハウジング11の右上前方に配置され、操作キー部31、表示パネル部32及び状態表示部33を含む。
操作キー部31は、テンキー、スタートキー、電源キー及びその他の操作ボタンを含み、画像形成装置10に対する操作指示をユーザーから受け付ける。表示パネル部32は、液晶表示パネル42(図5参照)を備え、印刷処理に関する情報、操作ガイダンス、エラー情報等の表示情報をユーザーに向けて表示する。
状態表示部33は、LEDランプ43(図5参照)を光源とし、予め定められたパターンに従って該LEDランプ43の点灯状態を形成することによって、画像形成装置10の現在状態を示す種々の状態情報を表示する。本実施形態では、3つの発光部(光放散部;図9他に示す先端部53)を含み、これら発光部を点灯又は消灯、或いは間欠点灯させることで、表示情報を創出する。前記状態情報は、例えばローカルエリアネットワークに対する当該画像形成装置10の接続状態、外部機器からの画像データの受信状態、或いはシートジャムやトナー切れ等の機器トラブルの発生状態などである。
天面11Tは、大略的には平坦な面であるが、排紙トレイ171は排出口111Eに向けてスロープ状に凹没している。一方、操作部OPの一部は、天面11Tから上方に突出している。具体的には、前後方向の断面視で山型の凸部(突出ハウジング)が天面11Tの前方右上に設けられ、前記凸部の前方側傾斜面に液晶表示パネル42が配置され、前記凸部の頂部に状態表示部33が配置されている。なお、天面11Tの前方部分は、操作部ユニット30(操作部カバー300)によって構成されている。この操作部ユニット30については、後記で詳述する。
図2は、画像形成装置10の内部構造を示す断面図である。上述の本体ハウジング11内には、シートPを給紙する給紙部12、給紙部12から給紙されたシートPに転写するトナー像を形成する画像形成部13、前記トナー像が一次転写される中間転写ユニット14、画像形成部13にトナーを補給するトナー補給部15、及び、シートP上に形成された未定着トナー像をシートPに定着する処理を施す定着部16が収容されている。上述の排紙部17には、定着部16で定着処理の施されたシートPが排紙される。
本体ハウジング11内には、さらに、画像形成部13より右側位置に、上下方向に延びるシート搬送路111が形成されている。シート搬送路111には、適所にシートを搬送する搬送ローラー対112が設けられている。また、シートのスキュー矯正を行うと共に、後述する二次転写のニップ部に所定のタイミングでシートを送り込むレジストローラー対113も、シート搬送路111における前記ニップ部の上流側に設けられている。シート搬送路111は、シートPを給紙部12から排紙部17(排出口111E)まで、画像形成部13及び定着部16を経由して搬送させる搬送路である。
給紙部12は、給紙トレイ121、ピックアップローラー122、及び給紙ローラー対123を備える。給紙トレイ121は、本体ハウジング11の下方位置に挿脱可能に装着され、複数枚のシートPが積層されたシート束P1を貯留する。ピックアップローラー122は、給紙トレイ121に貯留されたシート束P1の最上面のシートPを1枚ずつ繰り出す。給紙ローラー対123は、ピックアップローラー122によって繰り出されたシートPをシート搬送路111に送り出す。
給紙部12は、本体ハウジング11の前面側に手差し給紙部を備える。手差し給紙部は、手差しトレイ124、ピックアップローラー125、及び給紙ローラー対126を含む。手差しトレイ124は、手差しされるシートPが載置されるトレイであり、手差しでシートPを給紙する際、図2に示すように、本体ハウジング11の側面から開放される。ピックアップローラー125は、手差しトレイ124に載置されたシートPを繰り出す。給紙ローラー対126は、ピックアップローラー125によって繰り出されたシートPをシート搬送路111に送り出す。
画像形成部13は、シートPに転写するトナー像を形成するものであって、異なる色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニットを備える。この画像形成ユニットとして、本実施形態では、後述する中間転写ベルト141の回転方向上流側から下流側へ(図1に示す前側から後側へ)向けて順次配設された、マゼンタ(M)色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット13M、シアン(C)色の現像剤を用いるシアン用ユニット13C、イエロー(Y)色の現像剤を用いるイエロー用ユニット13Y、及びブラック(Bk)色の現像剤を用いるブラック用ユニット13Bkが備えられている。各ユニット13M、13C、13Y、13Bkは、それぞれ感光体ドラム20と、感光体ドラム20の周囲に配置された帯電装置21、現像装置23、一次転写ローラー24及びクリーニング装置25とを備える。また、各ユニット13M、13C、13Y、13Bk共通の露光装置22が、画像形成ユニットの下方に配置されている。
感光体ドラム20は、その軸回りに回転駆動され、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。この感光体ドラム20としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電装置21は、感光体ドラム20の表面を均一に帯電する。帯電装置21としては、帯電ローラーと、前記帯電ローラーに付着したトナーを除去するための帯電クリーニングブラシとを備える、接触帯電方式による帯電装置を採用することができる。露光装置22は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、均一に帯電された感光体ドラム20の周面に、画像データに基づき変調された光を照射して、静電潜像を形成する。
現像装置23は、感光体ドラム20上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム20の周面にトナーを供給する。一次転写ローラー24は、中間転写ユニット14に備えられている中間転写ベルト141を挟んで感光体ドラム20とニップ部を形成し、感光体ドラム20上のトナー像を中間転写ベルト141上に一次転写する。クリーニング装置25は、トナー像転写後の感光体ドラム20の周面を清掃する。
中間転写ユニット14は、画像形成部13とトナー補給部15との間に設けられた空間に配置され、中間転写ベルト141と、図略のユニットフレームにて回転可能に支持された駆動ローラー142及び従動ローラー143とを備える。中間転写ベルト141は、無端状のベルト状回転体であって、その周面側が各感光体ドラム20の周面にそれぞれ当接するように、駆動ローラー142及び従動ローラー143に架け渡されている。駆動ローラー142には回転駆動力が与えられ、中間転写ベルト141は駆動ローラー142の回転により周回駆動される。従動ローラー143の近傍には、中間転写ベルト141の周面上に残存したトナーを除去するベルトクリーニング装置144が配置されている。
駆動ローラー142に対向して、二次転写ローラー145が配置されている。二次転写ローラー145は、中間転写ベルト141の周面に圧接されて二次転写ニップ部を形成している。中間転写ベルト141上に一次転写されたトナー像は、給紙部12から供給されるシートPに、前記二次転写ニップ部において二次転写される。
トナー補給部15は、画像形成に用いられるトナーを貯留するものであり、本実施形態ではマゼンタ用トナーコンテナ15M、シアン用トナーコンテナ15C、イエロー用トナーコンテナ15Y及びブラック用トナーコンテナ15Bkを備える。これらトナーコンテナ15M、15C、15Y、15Bkは、それぞれMCYBk各色の補給用トナーを貯留するものであり、図略のトナー搬送部を通して、MCYBk各色に対応する画像形成ユニット13M、13C、13Y、13Bkの現像装置23に各色のトナーを補給する。
定着部16は、内部に加熱源を備えた加熱ローラー161と、加熱ローラー161と配向配置された定着ローラー162と、定着ローラー162と加熱ローラー161とに張架された定着ベルト163と、定着ベルト163を介して定着ローラー162と対向配置され定着ニップ部を形成する加圧ローラー164とを備えている。定着部16へ供給されたシートPは、前記定着ニップ部を通過することで、加熱加圧される。これにより、前記二次転写ニップ部でシートPに転写されたトナー像は、シートPに定着される。定着処理が施されたシートPは、定着部16の上部から延設されたシート搬送路111及び排出口111Eを経由して、排紙トレイ171へ向けて排紙される。
続いて、本体ハウジング11の天面11Tの前方部分に配置される操作部ユニット30について説明する。操作部ユニット30は、天面11Tの一部を構成する操作部カバー300を含む。図3は、操作部カバー300の斜視図である。操作部カバー300は天面11Tの前方側に配置され、その外表面は、画像形成装置10の外装ボディの一部となる。
操作部カバー300は、天板301Tと、該天板301Tの前縁部及び左右縁部から下方に垂下する側板301Sとを含み、左右方向に長い長方形のカバー本体301を含む。カバー本体301は、中央領域に凹設された排紙凹部302、左後縁部から突設されたアーム303、右前方部に設けられた操作キーハウジング304、及び、右後方部に突設された突出ハウジング305を含む。
排紙凹部302は、排紙部17(排紙トレイ171)の前端部を構成する浅い凹部である、排紙凹部302の左右方向の中央部には、ユーザーがシートの取り出しの際に手指を差し入れる凹み部302Rが設けられている。アーム303は、操作部カバー300を本体ハウジング11に対して回動可能に連結させるための部材である(図4、図5参照)。アーム303は、右方向に突設された回動支点303Sを備え、操作部カバー300は回動支点303S回りに回動して、本体ハウジング11に対して開姿勢及び閉姿勢を取ることができる。操作キーハウジング304は、操作キー部31を覆うカバーであって、各種のキーを表出させる複数の窓部304Wを備える。
突出ハウジング305は、表示パネル部32及び状態表示部33のためのハウジングであって、天板301T(天面11T)上に設けられ、天板301Tよりも上方に突出した頂部305Tを有している。突出ハウジング305は、左右方向の側面視で、前方から後方へ向けて昇る昇り傾斜面305U、上方に凸の曲面からなる頂部305T、及び、前方から後方へ向けて下る下り傾斜面305Dを含む。昇り傾斜面305Uには、液晶表示パネル42(図5参照)を表出させるための矩形の開口306が設けられている。頂部305Tには、前後方向に延びる3つの溝部307(切り欠き部)が設けられている。溝部307は、後述する導光体ユニット50の先端部53から放出される光を周囲に放散させるために、上方に凸の曲面からなる頂部305Tの一部を切り欠き、下方に窪ませる態様で形成されている(図12参照)。
図4は、操作部ユニット30の上面視の平面図、図5は、図4のV−V線断面図である。操作部ユニット30は、上述の操作部カバー300と、この操作部カバー300に組み付けられる操作部基板ユニット40とを含む。操作部基板ユニット40は、プリント基板40Pと、このプリント基板40Pに実装されたキースイッチ41、液晶表示パネル42及びLEDランプ43(光源)とを含む。
図6は、操作部基板ユニット40の上面視の平面図、図7(A)及び(B)は、操作部基板ユニット40の斜視図であって、斜視方向を反転させた斜視図である。プリント基板40Pは、所定の回路パターンを有し、その前方部から中央部に亘るスイッチパターン部401と、スイッチパターン部401に隣接するパネル支持部402と、LEDランプ43が搭載される後方部403とを備える。
キースイッチ41は、ユーザーが実際にタッチする複数のキーボタン311(図4、図5)に各々対応して、複数個がプリント基板40Pのスイッチパターン部401に搭載されている。キーボタン311が押下されると、キースイッチ41が動作して直下のスイッチパターンが導通され、図略のキーコントローラーは押下信号を取得する。なお、キーボタン311は、上述のテンキーやスタートキーとしての役割が与えられたボタンである。
液晶表示パネル42は、長方形の形状を有し、表示パネル部32として表示が予定されている上述の表示情報を表示する。液晶表示パネル42は、該液晶表示パネル42の表示面を露出させる開口を備えた枠フレーム421に組み付けられている。枠フレーム421は、プリント基板40Pのパネル支持部402において、その両端部に立設された支持板422、423により支持されている。枠フレーム421は、突出ハウジング305の昇り傾斜面305Uの傾斜角に合わせて、傾斜して支持されている。
LEDランプ43は、LEDチップを透光性樹脂によってレンズモールドされてなる発光部材であって、プリント基板40Pの後方部403に実装されている。本実施形態では、光源として第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cが備えられている例を示している。LEDランプは少なくとも1つあれば良いが、ランプの点灯状態に基づきより多くの情報を報知するという観点からは、複数個のLEDランプを具備させることが望ましい。
第1及び第2LEDランプ43A、43Bは緑色発光のLEDチップを、第3LEDランプ43Cは黄色発光のLEDチップを内蔵している。また、これらLEDチップは、ステムに設けられた集光機能を有する反射コーンの底部にマウントされており、LEDランプ43から発せられる光の指向性が高められている。第1及び第2LEDランプ43A、43Bの間、第2及び第3LEDランプ43B、43Cの間には、漏光を防止するための仕切り板404がそれぞれ配置されている。該仕切り板404は、液晶表示パネル42を保持する枠フレーム421の中央部背面を支持する役目も果たしている。
本実施形態では、LEDランプ43が発する光は、当該画像形成装置10において最も高い位置となる突出ハウジング305の頂部305Tから外部に放散される。このため、LEDランプ43の光出射部となる頂面から頂部305Tまで光を導く導光路(導光体ユニット50)が用いられる。以下、導光体ユニット50に関わる構成について詳述する。
図8は、操作部基板ユニット40の要部拡大斜視図、図9は、図8に示す操作部基板ユニット40に、導光体ユニット50が装備された状態を示す斜視図、図10は、導光体ユニット50の斜視図であって、(A)〜(D)は各々斜視方向を異ならせた図である。導光体ユニット50は、並列に配置された第1、第2、第3単位導光体51A、51B、51Cと、これらを一体に連結する連結リブ51L(接合部材)と、を含む。第1、第2、第3単位導光体51A、51B、51Cは、上述の第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cに各々対応して設けられ、各LEDランプ43A〜43Cが発する光を、それぞれ頂部305Tまで導く導光路として機能する。
3つの単位導光体51A、51B、51Cは概ね同一の構造を備えるので、第1単位導光体51A(導光体)についてのみ、構造を説明する。第1単位導光体51Aは、透光性の樹脂材料で形成され、上下方向に延びる棒状部材である。第1単位導光体51Aは、棒状部材の下端に位置し第1LEDランプ43Aが発する光が入射される基端部52と、棒状部材の上端に位置し前記光を外部へ放散する先端部53(光放散)と、棒状部材の本体を構成し基端部52と先端部53とを繋ぐ本体部54(導光路)と、基端部52の下方に連接された支持部材55とを備える。
本体部54は、水平方向の断面が略長方形の形状を有する。一方、支持部材55は、内部にキャビティ56を有し上方に向けて径小となる円筒体の形状を備える。支持部材55の上端は基端部52に一体的に繋がり、基端部52を保持している。また、支持部材55の下端は開口しており、キャビティ56が露呈している。キャビティ56は、第1LEDランプ43Aを収容できる内径及び高さを備えている(図13、図14参照)。
第1及び第3単位導光体51A、51Cの本体部54の上端に近い位置において、本体部54の前面から係止部57がそれぞれ突設されている。この係止部57は、導光体ユニット50の上下方向の位置決めを図るための突起である。また、第2単位導光体51Bの本体部54の前面及び後面には、上下方向に延びる凸条58が各々突設されている。凸条58は、導光体ユニット50の左右方向の位置決めを図るための突起である。さらに、第3単位導光体51Cの本体部54の右側面には、上下方向に延びる凸条59が突設されている。凸条59は、導光体ユニット50の前後方向の位置決めを図るための突起である。
連結リブ51Lは、第1単位導光体51Aと第2単位導光体51B、及び第2単位導光体51Bと第3単位導光体51Cを、各々本体部54の上下方向中央付近で連結している。これら連結リブ51Lは、平板状の部材からなり、上下方向に延びるスリット50Sをそれぞれ備えている。
導光体ユニット50は、図9に示すように、各支持部材55の下端がプリント基板40Pの実装面に接し、キャビティ56内に第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cが各々収容する態様で、プリント基板40Pの後方部403上に載置されている。また、連結リブ51Lのスリット50Sに、仕切り板404が入り込んでいる。この構成によれば、導光体ユニット50をプリント基板40Pの実装面を利用して支持させ、かつプリント基板40Pに実装された第1〜第3LEDランプ43A〜43C及び仕切り板404を利用して導光体ユニット50の位置決めを図ることができる。従って、画像形成装置10の製造時やメンテナンス時の作業性を良好にすることができる。
図11は、操作部OPの拡大斜視図、図12は、状態表示部33の拡大斜視図、図13は、操作部OPの断面図、図14は状態表示部33近傍の拡大断面図であり、点線の円内は第1単位導光体51Aの先端部53をさらに拡大して示している。上述の通り、突出ハウジング305の頂部305Tには、該頂部305Tの一部を凹没させた態様の3つの溝部307が備えられている。各溝部307は、平坦な底部308と、この底部308に設けられた開口309とを備える。
プリント基板40Pは、第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cの実装面が上方に向いた状態で、突出ハウジング305によって覆われている。3つの開口309は、上記LEDランプ43A〜43Cのプリント基板40P上における実装位置の直上に各々設けられている。これらLEDランプ43A〜43Cに被嵌される第1、第2、第3単位導光体51A〜51Cは、その先端部53が開口309から外部に露出しており、本体部54及びその下方部分は突出ハウジング305にて覆われている。先端部53は、溝部307内に収容される高さで、底部308から上方へ突出している。この構成によれば、先端部53(光放散部)を溝部307内に配置することによって外力からの保護を図ることができる。その一方で、溝部307の平坦な底部308の開口309を通して、先端部53から発せられる光を放散させることができるので、点灯情報の視認性を良好とすることができる。
図14を参照して、第1単位導光体51Aの先端部53は、光を屈折させて該光を外部に放出させるための第1、第2カット面531、532を備える。これらカット面531、532は、本体部の上端を斜めにカットすることにより形成された傾斜面であり、当該カット面531、532の形成によって、前後方向の断面視において先端部53は、頂点533を有する山型を呈している。一方、基端部52は、LEDランプ43のレンズモールドの頂部43Tと僅かな間隔を置いて対峙している。基端部52の外周囲には支持部材55が連接され、支持部材55の円筒壁は第1LEDランプ43の側周囲を取り囲んでいる。第2、第3単位導光体51B、51Cについても同様である。
第1LEDランプ43から発せられた光は、基端部52から第1単位導光体51A内に入射する。入射された光は、本体部54を伝搬し、先端部53に至る。先端部53に到達した光は、その後に外部に放散される。放散される光には、頂点533及びその近傍を通して上方に出射する光L1と、第2カット面532で屈折(反射)され第1カット面531から出射する光L2と、第1カット面531で屈折され第2カット面531から出射する光L3とを含む。
このように、本実施形態によれば、先端部53に到達した光を、頂点533及びその近傍からの光の放射に加えて、第1、第2カット面531、532によって屈折させることで、周囲に放散させることができる。また、第1、第2カット面531、532は、各々溝部307の平坦な底部308に面しているので、当該カット面531、532に対向する方向からの視野角を拡げることができる。従って、光放散部となる先端部53が突出ハウジング305の頂部305Tの近傍に配置されていることも相俟って、当該画像形成装置10に対してどの方角に居るユーザーにからも、先端部53が点灯していることを容易に視認させることができる。
なお、図13、図14に示している通り、第1単位導光体51A(第3単位導光体51C)の係止部57は、導光体ユニット50が突出ハウジング305内に組み付けられた状態で、突出ハウジング305の内部に備えられている押圧部305Pによって押圧されている。これにより、導光体ユニット50の上下方向の移動は、押圧部305Pとプリント基板40Pの後方部403とによって規制される。図示は省略しているが、第2単位導光体51Bに備えられている凸条58、第3単位導光体51Cに備えられている凸条59と係合する係合部も、突出ハウジング305内に備えられている。これにより、導光体ユニット50の左右方向及び前後方向の移動が規制されている。
以上説明した通り、本実施形態によれば、第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cから発せられた光は、導光体ユニット50の単位導光体51A、51B、51Cの本体部54を通し、光放散部としての先端部53に導かれる。導光体ユニット50の大部分は突出ハウジング305内に収容されているものの、先端部53は、突出ハウジング305の頂部305Tの開口309から外部に露出しているので、当該先端部53から外部に光を放散させることができる。頂部305Tは、本体ハウジング11の天面11Tよりも上方に突出しているので、先端部53から出射される光は、画像形成装置10に対してどの方角に居るユーザーからも良好に視認され得る。
また、導光体ユニット50を用いることによって、使用する基板の数を減らすことができる。すなわち、LEDランプ43を突出ハウジング305の頂部305Tに配置するとした場合、当該LEDランプ43を搭載する基板を頂部305Tの直下に配置する必要がある。頂部305Tの近傍は空間的なスペースが確保し難く、前記基板はLEDランプ43の搭載専用とならざるを得ず、基板の枚数が増えることとなる。しかし、本実施形態によれば、導光体ユニット50で頂部305Tまで光を導くので、LEDランプ43は、他の電子機器(キースイッチ41や液晶表示パネル42)が搭載されるプリント基板40Pに実装させることができ、専用の基板を要しない。また、単位導光体51A、51B、51Cは単純な直線状の棒状部材で足りるので、構造の複雑化を招来することもない。
続いて、画像形成装置10の電気的構成について説明する。図15は、画像形成装置10の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、画像形成部13をはじめ、当該画像形成装置10の各部の動作を統括的に制御する制御部60を備える。制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、画像形成装置10は、図1〜図14で説明した構成に加えて、I/F(インターフェイス)71、画像メモリー72、ジャムセンサ73、トナーセンサ74及びシートセンサ75を備える。
I/F71は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば画像形成装置10と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置10が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F71を介して制御部60に与えられ、また画像データは、I/F71を介して画像メモリー72に記憶される。画像メモリー72は、パーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。
ジャムセンサ73は、フォトインタラプター等からなり、シート搬送路111の適所に配置され、シート搬送路111を搬送されるシートのジャムを検知する。トナーセンサ74は、トナーコンテナ15M、15C、15Y、15Bkの壁面に配置される磁気センサ等からなり、これらコンテナ内のトナー残量に応じた電気信号を出力する。シートセンサ75は、給紙トレイ121に対向して配置される光反射型センサ等からなり、給紙トレイ121内のシートの有無に応じた電気信号を出力する。
制御部60は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成処理のために画像形成装置10の各部の動作を制御する他、本実施形態ではLEDランプ43の点灯制御のために、データ通信制御部61、状態情報取得部62及び点灯制御部63を備えるように機能する。
データ通信制御部61は、I/F71を介した外部機器又はネットワークとの接続、及び、I/F71を介して外部機器と行われるデータ通信を制御する。
状態情報取得部62は、ジャムセンサ73、トナーセンサ74及びシートセンサ75から出力される電気信号を受信し、シートジャムの発生の有無、トナー切れの発生の有無、及びシート切れの発生の有無を検知する。すなわち、状態情報取得部62は、各種のセンサから与えられる画像形成処理に関連した情報に基づいて、画像形成装置10の現在状態に関わる状態情報を取得する。
点灯制御部63は、LEDランプ43(第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43C)の点灯を制御する。この点灯制御に際して、点灯制御部63は、データ通信制御部61によるデータ通信の制御状態、状態情報取得部62が取得した状態情報を参照する。点灯制御の一例を示すと、第1LEDランプ43Aは、外部機器からI/F71を介して画像データが受信されているときに、所定のインターバルで点滅するよう点灯制御される。第2LEDランプ43Bは、画像形成装置10が所定のネットワークに接続されているオンライン状態であるときに点灯される。第3LEDランプ43Bは、例えばシートジャム、トナー切れ、シート切れ等の機器トラブルの発生を状態情報取得部62が検知したときに点灯される。
ユーザーは、状態表示部33において、第1、第2、第3LEDランプ43A、43B、43Cの点灯状態を視認することで、画像形成装置10の状態情報を認識する。上述の通り、状態表示部33は本体ハウジング11の天面11Tよりも高い突出ハウジング305の頂部305Tから、LEDランプ43A、43B、43Cが発する光が導光体ユニット50を介して放散されるので、視認性は良好である。従って、ユーザーは、LEDランプ43A、43B、43Cの点灯による状態情報を確実に認識することができる。
以上、本発明の一実施形態につき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、導光路の一例として、導光体ユニット50(本体部54)を例示した。導光路は、例えば光ファイバーのようなフレキシブルな導光体であっても良い。この変形実施形態では、光放散部として、先端部53に類するカット面を備えた光学部品を突出ハウジング305の頂部305T付近に設置し、前記光ファイバーの一端をLEDランプに臨ませ、他端を前記光学部品の下面に対向させる。
(2)あるいは、導光路は、特に固形部品を用いない導光空間によって形成しても良い。この変形実施形態では、導光空間を区画する筒状部材を用い、該筒状部材の内壁に光反射コーティングを施される。前記導光空間の下端開口をLEDランプに臨ませ、他端開口に前記光放散部としての光学部品の下面に対向させる。
(3)上記実施形態では、突出ハウジング305の頂部305Tに設ける切り欠き部として、前後方向に延びる溝部307を例示した。これに代えて、導光体ユニット50の先端部53を突出させる開口を底部として、その周囲にすり鉢状の壁面を備えた切り欠き部としても良い。この変形実施形態では、先端部53のカット面を四角錐状とする、或いは先端部53をドーム状に形成すれば、光を周方向に概ね均等に放散させることができるので好ましい。
(4)上記実施形態では、光放散部としての先端部53を、突出ハウジング305の頂部305Tの直近に設ける例を示した。当該画像形成装置10の周囲からの視認性が確保される限りにおいて、頂部305Tではなく、その近傍に光放散部を配置しても良い。また、上記実施形態では、上方に凸の曲面によって形成される頂部305Tを例示した。突出ハウジングの頂部は、平坦な面であっても良い。つまり、突出ハウジングを台形形、直方体形などの形状としても良い。
(5)上記実施形態では、光源の例としてLEDランプ43を例示した。光源には特に制限はなく、白熱電球やELランプ、その他、公知の小型光源を用いることができる。