JP5808974B2 - 顔画像認証装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、この顔画像照合装置では登録顔画像を更新すべきと判断するためにはその人物に対する照合が複数回にわたってされる必要があるため、認証されにくい状態にある人物をより早期に検出することができる顔画像認証装置が望まれている。
なお、以下本明細書においては、認証失敗となることが多い人物を「認証困難者」と称して説明する。
顔画像認証装置に対して認証を要望する人物は、なかなか認証されない場合、カメラを直視しながら立ち止まったりゆっくり歩くといった特徴的な行動をとる傾向にある。そこで、本発明を適用した顔画像認証装置は、監視領域を撮影した監視画像を順次取得するとともに、その順次取得した複数の監視画像にわたって同一の人物を追跡する。そして顔画像認証装置は、追跡中の人物がカメラを直視しながら立ち止まったりゆっくり歩く等の、認証されようとする特徴的な行動を取っているか否かを判定し、その後、認証の履歴を参照して、認証失敗となることが多い人物を認証困難者として検出する。
これにより、顔画像認証装置は、認証困難者を早期かつ高精度に検出し、認証に適した、登録顔画像の更新に用いる顔画像をすみやかに選択することを図る。
撮像部100は、監視領域内を通行する人物(顔画像認証装置10による照合の対象となる監視領域内の人物を対象人物と称する)の顔を順次撮影できるように設置される。そして撮像部100は、監視領域を撮影した監視画像を、所定の時間間隔(例えば、200ミリ秒)ごとに取得する。撮像部100は、画像処理部500と接続され、取得した監視画像を画像処理部500へ渡す。
これにより撮像部100は、入り口253に向かう(進行方向254へ向かう)対象人物を所定の時間間隔で撮像することができる。なお図2では、撮像部100が、時刻t、t+1、t+2において入り口253に向かう同一の対象人物250、251、252を順次撮影する様子を示している。
また、顔画像認証装置10は、画像処理部500からの要求に応じて音声を鳴動させたり、振動を発生させたりする、スピーカまたは振動装置等(図示せず)をさらに備えてもよい。
そのために、画像処理部500は、記憶部510及び照合部520を有する。さらに、照合部520は、顔検出手段521、顔追跡手段522、顔照合手段523、行動検出手段524、履歴管理手段527、判定手段528、及び登録手段529を有する。
Pattern Recognition,vol.1,pp.511-518,2001)を参照することができる。
そして顔検出手段521は、抽出した顔領域を監視画像から切り出して顔領域画像を作成し、その顔領域画像及び監視画像における顔領域の座標情報を顔追跡手段522に出力する。
例えば、顔追跡手段522は、最新の監視画像から抽出された顔領域(以降、現フレームの顔領域と称する)の重心位置と、1フレーム前の監視画像から抽出された顔領域(以降、前フレームの顔領域と称する)の重心位置の距離を求めて、その距離が所定の閾値以下である場合に、その顔領域を同一人物によるものとして対応付ける。
あるいは、顔追跡手段522は、オプティカルフロー、パーティクルフィルタ等の方法を用いて顔領域の追跡処理を行ってもよい。
照合データは、照合テーブル310の各行にあらわされるデータの組であり、顔追跡手段522は、照合データのうち、試行番号311、対象人物ID312、開始時刻313、追跡フラグ314、顔画像データ315及び追跡位置情報316を更新する。
対象人物ID312は、追跡中の対象人物を他の対象人物と識別するための識別番号であり、試行番号311と1対1に対応する。対象人物ID312は、一意に定まるように付与されるものとなる。例えば、顔追跡手段522が追跡を開始した時刻を基に、乱数を発生させればよい。あるいは、対象人物ID312と試行番号311は1対1に対応するので、いずれかを省略してもよい。
開始時刻313は、顔検出手段521がその対象人物について顔領域画像を最初に抽出し、顔追跡手段522が追跡処理を開始した時刻をあらわす。
追跡位置情報316は、顔画像データ315として記憶された各顔画像データが切り出された監視画像内の顔領域の座標情報及び追跡処理がされた時刻を示す時刻情報である。
また顔追跡手段522は、認証フラグ317をOFFに設定し、要望行動カウンタ318を0に設定する。そして顔追跡手段522は、新たに追加した照合データを顔照合手段523に出力する。
例えば、顔照合手段523は、顔領域画像と登録顔画像のパターンマッチングを行う。顔照合手段523は、顔領域画像と登録顔画像の位置をずらしながら顔領域画像に含まれる各画素と登録顔画像の対応画素の輝度値の差の二乗和を算出し、算出した二乗和のうち最も小さいものを顔領域画像に含まれる画素数で割って正規化した値の逆数を類似度として求める。
顔照合手段523は、各登録顔画像について求めた類似度のうち、最も高い類似度が所定の認証閾値を越える場合、その顔領域画像に写っている対象人物を、類似度が最も高い値を有する登録顔画像により登録された登録人物である(認証成功)と判断する。
一方、顔照合手段523は、何れの類似度も所定の基準値を越えない場合、顔領域画像に写っている対象人物は登録人物ではない(認証失敗)と判断する。なおこの認証閾値は、顔画像認証装置10が設置される環境、目的などに応じて適宜定められる。
また行動検出手段524は、行動特徴量として、顔追跡手段522が追跡している対象人物が監視領域内で静止している度合い、すなわち複数の監視画像における、顔追跡手段522によって対応付けられた各顔領域の位置の変化の小ささの度合いを示す静止度を算出する。
図2の時刻t+2における対象人物252上に、人物の顔向きを規定するための正規直交座標系を示す。この正規直交座標系(X、Y、Z)では、原点Oは顔向きの検出対象となる人物の顔領域画像の重心に設定される。X軸は、原点Oを通り、顔の正中線に沿った垂直軸として設定される。Y軸は、原点Oを通り、顔を左右に横断する方向の水平軸として設定される。Z軸は、顔を前後に横断する方向の水平軸として設定される。
この座標系において、人物の顔向きは、人物が撮像部100を直視した状態(すなわち、人物が顔の正面を撮像部100に向けており、Z軸が撮像部100と顔を結ぶ直線となる状態)を顔向きの基準となる正対状態とした場合のヨー角ψ、ピッチ角θ及びロール角φの組(ψ、θ、φ)で表される。ヨー角ψは、正対状態における人物の顔向きに対する、左右方向の回転角(すなわち、X軸を回転中心とした、YZ平面内での回転角)を表す。またピッチ角θは、正対状態における人物の顔向きに対する、上下方向の回転角(すなわち、Y軸を回転中心とした、XZ平面内での回転角)を表す。またロール角φは、正対状態における人物の顔向きに対する、Z軸を回転中心とした時計回りの回転角を表す。以下では、ヨー角ψ、ピッチ角θ及びロール角φを、ラジアン単位で表し、それぞれ、右向き方向、下向き方向、時計回り方向を正とする。
また顔向き検出手段525は、エッジ抽出処理を行ってエッジ画素を抽出する代わりに、顔領域画像にガボール変換処理あるいはウェーブレット変換処理を行って、異なる複数の空間周波数帯域で局所的に変化の大きい画素を抽出してもよい。さらに顔向き検出手段525は、顔の各部位に相当するテンプレートと顔領域画像とのテンプレートマッチングを行って顔の各部位の位置を特定することにより、顔特徴点を抽出してもよい。
顔向き検出手段525は、顔領域画像から顔特徴点を抽出すると、3次元形状モデルについて、所定の回転量、並進量または拡大/縮小率にしたがってその顔向きを調整し、撮像部100の結像光学系の像面と平行な面に仮想的に投影して、その面上における3D顔特徴点の位置を求める。そして顔向き検出手段525は、顔領域画像から抽出された各顔特徴点と、投影された3D顔特徴点のうちの対応する特徴点との位置ずれ量の総和を求める。顔向き検出手段525は、回転量、並進量または拡大/縮小率を変更して、上記の手順を繰り返し、位置ずれ量の総和が最小となるときの3次元形状モデルの顔の向きを求める。そして顔向き検出手段525は、その3次元形状モデルの顔の向きから、上記のヨー角ψ、ピッチ角θ及びロール角φの組(ψ、θ、φ)を求めることができる。あるいは、本願出願人による特開2009−237993に開示されている手法を採用することもできる。
つまり直視度は、顔領域画像に写っている顔の向きが撮像部100に対して正面方向に近いほど大きい値となる。例えば、対象人物が撮像部100を直視している場合、ヨー角ψ及びピッチ角θはともに小さい値となるため、直視度は大きくなる。一方、撮像部100に対して顔を背けている場合は、ヨー角ψ及びピッチ角θはともに小さい値となるため、直視度は大きくなる。
そして顔向き検出手段525は、直視度を算出すると、算出した直視度をその顔領域画像と対応付けて記憶部510に記憶しておく。
座標系において、時刻tにおける顔領域の重心位置を(xt,yt)とする。その場合、時刻tにおける顔領域の静止度は、例えば(2)式で表されるように、前フレームの顔領域の重心位置に対する現フレームの顔領域の重心位置の、水平方向の差と垂直方向の差の絶対値和の逆数とすることができる。
つまり静止度は、同一人物の顔が写っている顔領域の監視画像内における位置の変化が小さいほど大きい値となる。例えば図2に示した例では、時刻tから時刻t+1の間に対象人物が移動した距離255よりも時刻t+1から時刻t+2の間に対象人物が移動した距離256の方が小さいため、時刻t+2における静止度は時刻t+1における静止度より大きくなる。
なお、撮像部100の床面からの高さ、俯角、焦点距離などの撮像条件が既知である場合には、撮像部100と対象人物との実際の距離をおおよそ算出できるので、静止検出手段526は、(2)式に準じ、当該距離の時間変化の絶対値の逆数を静止度として算出してもよい。
図4に類似度が格納されるテーブルの例を示す。このテーブルは、図3に示した照合テーブルの一部であるが、説明の都合上、以下履歴テーブルと称して説明する。図3と図4に示されるテーブルの各行は、1回の試行により記録される照合履歴となっている。
履歴管理手段527は、図4に示す照合データごとに照合により得られた履歴データを管理する。
履歴データは、履歴テーブル410の各行にあらわされるデータの組であり、対象人物ID312、顔画像データ315、要望行動カウンタ318、グループ番号321、認証困難者フラグ322、認証時間323、類似度412および認証結果416を含む。また、履歴テーブル410には、登録人物を他の登録人物と識別するための登録人物ID413及びその登録人物の顔画像をあらわす登録顔画像414が管理されており、類似度412は登録人物ID413ごとに管理される。
類似度412は、顔照合手段523が、対象人物が写っている顔領域画像を各登録顔画像414と照合した結果として算出した類似度である。
また、登録人物ID413は、登録人物を他の登録人物と識別するためのIDである。登録人物ID413は、連続した正の整数でもよいが、例えば社員番号のように登録人物を一意に特定できるものであればどのようなものでもよい。登録顔画像414は、事前登録あるいは追加登録された登録人物の顔画像である。登録人物一人に対して一つ又は複数の登録顔画像が存在し得る。登録人物一人に対して複数の登録顔画像414が存在するときは、それぞれの登録顔画像414に対して登録人物ID413を割り当てることが好適である。なお、図4では理解しやすいように登録顔画像414として顔をあらわす画像を示しているが、顔照合手段523が顔画像の照合処理を実施するために必要なデータの形式で記憶しておいてもよい。例えば顔照合手段523が所定の顔特徴点の比較のみにより照合処理を実施する場合には、その顔特徴点の情報のみを記憶しておくことにより、記憶容量を節約できる。
一方、履歴管理手段527は、最終的に顔照合手段523が認証成功と判断しなかった対象人物に関しては、最も高い類似度が算出された登録顔画像414については、その最も高い類似度を記録し、その他の登録顔画像414については、その最も高い類似度が算出されたフレームにおけるそれぞれの登録顔画像414について算出された類似度を記録する。
あるいは、履歴管理手段527は、顔照合手段523が認証成功と判断しなかった登録顔画像414については、その対象人物を写した顔領域画像と登録顔画像414について算出された、全ての類似度の平均値又は最近の所定数の類似度(例えば、最近5秒間に算出された類似度)の平均値を類似度412として記録しでもよい。これにより対象人物を写した顔領域画像と登録顔画像がどれくらい類似しているかについて、より高精度に求めることができる。
そのために行動検出手段524は、顔向き検出手段525によって算出された直視度を直視度閾値と比較するとともに、静止検出手段526によって算出された静止度を静止度閾値と比較する。なお、直視度閾値は、顔領域画像に写っている対象人物の顔の向きが撮像部100を直視しているとみなせる角度範囲にあることを判別できるように定められ、例えばヨー角ψ及びピッチ角θをラジアン値で表した場合、4とするのが好適である。また、静止度閾値は、顔領域画像に写っている対象人物が略停止していることを判別できるように定められ、例えば1秒間に5フレームの監視画像を処理する場合、顔領域画像の幅をWとしたときに1/(W×0.5)とするのが好適である。
一方、直視度が直視度閾値未満である場合、又は静止度が静止度閾値未満である場合、その対象人物は撮像部100から顔を背けていたり、又はすばやく動いていると考えられ、認証されたいという心理状態でない可能性が高い。そのためその場合、行動検出手段524は要望行動カウンタを更新しない。
あるいは、撮像部100の画角や俯角、運用場所に依って増減するのが良い。また、要望行動カウンタについての所定の閾値は1以上の整数値である。例えば、3〜4秒間、その対象人物が撮像部100を直視しながらその場に静止している場合、その対象人物についての登録顔画像を更新すべきと判断することができる。従って、例えば1秒間に5フレームの監視画像を処理する場合、この所定の閾値は20とすることができる。要望行動カウンタは、1枚の監視画像ごとにインクリメントの有無が判断されるので、その数は、監視画像の処理間隔を考慮すると、対象人物が、撮像部100を直視しており、静止している時間を表している。
例えば、対象人物ID312が「0511」の対象人物において、要望行動カウンタ318は「0」で要望行動カウンタの閾値を越えておらず、その対象人物が写っている顔画像と登録人物ID413が「2」の登録顔画像との類似度は「9.87」で認証閾値を越えている。この場合、顔画像認証装置10は、この対象人物は登録人物であるとして、すみやかに認証成功と判断しており、履歴管理手段527は、認証結果416の該当する欄に認証成功である旨と、登録人物ID413が「2」の登録人物であった旨、および顔追跡手段522による顔領域の追跡開始から顔照合手段523による認証成功までの認証時間は「0.6」秒であった、との結果を記録している。
この場合、対象人物は要望行動を繰り返しとったものの、顔画像認証装置10は、最終的にこの対象人物について認証成功と判断しなかった、即ち認証失敗に終わったことを示している。この対象人物は、登録されているが、髪型や化粧などの原因で非常に認証困難な状態になっている人物であるとも考えられる。または、未登録の来訪者、場合によっては侵入を企てる不審者の可能性もある。
そのために履歴管理手段527は、顔画像データ315を用い、顔照合手段523と同様な照合処理を行って同一の対象人物の履歴データが履歴テーブル410に含まれるか否かを判定する。
履歴管理手段527は、最新の履歴データの顔画像データ315から1枚の顔領域画像を選択し、既にグループ番号321が付与されている履歴データの顔画像315との照合処理を行う。照合処理に用いる顔領域画像は、任意のものでよいが、直視度を参照してそれが最大のものを選択するのが好ましい。
履歴管理手段527は、最新の履歴データの顔画像データ315が、既にグループ番号321が付与されている履歴データのいずれかの顔画像データ315と同一人物のものと判断できる場合には、過去にも認証を試みた対象人物が再び認証を試みたとしてそのグループ番号321と同じ番号を、最新の履歴データのグループ番号321に記憶する。
これらの処理により、同一の対象人物の履歴データには同一のグループ番号321が付与され、過去にどれだけの頻度や回数で認証を試みたのか、図2の模式図でいうと入口253に接近したのかが把握できることになる。
判定手段528は、対象人物が認証されにくく、結局は認証失敗に終わることが多い認証困難者に該当するか否かを判定する。
そのために判定手段528は、履歴テーブル410の内容を参照し、同一の対象人物が過去にも認証失敗に終わったか否かを調べる。
図4に示す履歴テーブルにおいて、対象人物ID312が「0205」と「0642」と「0721」と「0879」の対象人物は、同一の対象人物と判断されており、グループ番号321は同じ「59」が記録されている。またそれぞれの認証結果416を参照すると認証失敗が記録されており、当該対象人物は試行の度に認証失敗に終わっている。
判定手段528は、認証失敗に終わった履歴データの数と履歴閾値とを比較する。履歴閾値は、認証失敗に終わった回数がそれ上回ると認証困難者であると判断できる回数に関する閾値であり、顔画像認証装置10の設置場所や運用条件によって定めることができる。本実施の形態においては3とする。
図4に示す場合では、同一人物と判断されグループ番号321に「59」が付与された対象人物は、認証失敗に終わった履歴データの数が4である。そこで、判定手段528は、当該対象人物を認証困難者であると判断し、認証困難者フラグ322を「ON」にセットする。
顔画像認証装置10は、対象人物の顔画像を照合する通常モードと、装置の設定、保守等を行う管理者モードを有する。登録手段529は、管理者モードにおいて登録顔画像を登録、更新又は削除する。登録手段529は、管理者に登録顔画像の登録、更新又は削除を指示させるために表示制御手段として機能し、必要な画面を表示部300に表示させる。
また登録手段529は、入力部400から受け取った管理者からの指示に対応する信号に応じて記憶部510に記憶された登録顔画像を登録、更新又は削除する。
一覧表示領域530には、判定手段528によって認証困難者と判断された対象人物ごとに、認証失敗回数535、候補顔画像536及び登録顔画像537が表示される。
認証失敗回数535として、同一のグループ番号321が付与された対象人物について、認証失敗に終わった履歴データの数を表示する。
候補顔画像536として、照合データ310の候補顔画像319が表示される。
登録顔画像537として、その対象人物の認証処理において算出された類似度412を参照して選択された登録顔画像が表示される。
このとき、登録手段529は、各対象人物に関する情報を認証失敗回数の多い順に並べて一覧表示する。これにより、頻繁に認証失敗となる対象人物から順に表示されるので、管理者は、更新すべき登録顔画像を容易に選択することができる。あるいは、照合データの開始時刻313を参照して、認証失敗回数が同じ対象人物については古い順に並べて一覧表示をしてもよい。
認証困難者フラグ322が「ON」になっているのは、図4でいうと、対象人物ID312が「0250」の対象人物のように、試行の度に認証失敗となる認証困難者である。
この場合、登録手段525は、更新後の登録顔画像と、候補顔画像538を並べて表示部300に表示させることが望ましい。これにより、管理者は登録顔画像が所望の候補顔画像に更新されたことを容易に確認することができる。
その場合、管理者は登録顔画像の更新は行わない。また不審人物であると判断できる場合には、通報するなどの適切な対応が可能となる。
なお、以下に説明する処理の実施前に、照合テーブル310及び履歴テーブル410は空白になるよう初期化される。また、以下に説明する動作のうち、図6についての処理は監視画像を一つ取得するごとに実施される。
なお、その前フレームの顔領域に写っている人物が認証されずにタイムアウトとなった場合は、予め定められたタイムアウトを表す時間(例えば10秒)を記録する。
また、認証フラグ317が「OFF」の場合には、それまでに算出された類似度を対応する履歴テーブル410に記憶する。
一方、現フレームの顔領域について前フレームの顔領域と対応付けることができた場合、顔追跡手段522は、照合テーブル310の、対応する照合データの顔画像データ315にその現フレームの顔領域から作成された顔領域画像を追加するとともに、追跡位置情報316にその顔領域の座標情報及び現在時刻を追加する更新処理を行う。そして顔追跡手段522は、更新した照合データを顔照合手段523へ出力する。
次に、顔照合手段523は、認証成功を示す信号を出力部200へ出力し、出力部200を介して電気錠の解錠を行う(ステップS715)。これにより認証成功となった対象人物は、入室することができる。なお、電気錠は、対象人物の入室が確認できた後にすみやかに、または所定時間経過後に自動的に施錠されるものとする。
行動検出手段524がステップS713で要望行動カウンタ318をインクリメントしたとき、又は顔照合手段523が認証フラグ317を「ON」にして、履歴管理手段527が認証時間を算出し類似度を記録したとき、全ての顔領域画像について照合処理がされたか否かが判定される。
まだ照合処理がされていない顔画像が存在する場合、制御はステップS708に戻り、ステップS708〜S716の処理が繰り返される。
次に、履歴管理手段527は、履歴データのうち、グループ番号321が付与されていない履歴データがあるか否かを調べる(ステップS802)。全ての履歴データについてグループ番号が付与されている場合にはステップS807に処理を進める。グループ番号が付与されていない履歴データがある場合には、その全てについてステップS803〜S806の処理を行う。
ステップS803にて求められた類似度が一定以上となった場合、同一の対象人物についての履歴データが既に存在しているため、履歴管理手段527は、その既に存在している履歴データのグループ番号をグループ番号が付与されてない履歴データのグループ番号321に記録する(ステップS806)。なお、ステップS803にて求められた類似度が一定以上となる履歴データが複数存在している場合には、類似度が最大の履歴データを採用するものとする。最も同一人物らしいと考えられるからである。
ステップS803〜S806を繰り返すことで、履歴テーブル410に記録されている履歴データの全てについてグループ番号が付与され、同一の対象人物についてはグループ化され、例えば認証失敗の回数や時期などが把握できることになる。
ここで、要望行動カウンタ318の値は、前述のように、直視度が高く静止度が高いときにインクリメントされるため、要望行動カウンタ318の値が高い場合、その対象人物は顔を撮像部100に正面向きに向け、立ち止まったり、通常の歩行速度よりもかなり低速に移動しており、認証されようとしていると考えられる。一方、認証失敗という結果に終わっても、立ち止まったり、顔をカメラに向けるといった要望行動を取らない人物は認証困難者と判定するのは不適切である。そこで要望行動カウンタ318を参照することで、その値が低い人物を認証困難者と誤判定することを防ぐことができる。
また1つの顔画像グループに含まれる履歴データの数を参照するのは、認証困難者と判定するには、ある程度の数の認証履歴が必要と考えられるからである。例えば、登録者であっても初めて認証を試みた際に、勝手が分からず偶然認証に失敗すると、それでも直ちに認証困難者と判定されるのは不適切である。
それが履歴閾値未満の場合には、判定手段528は、その顔画像グループの対象人物は認証困難者と判定しない。
認証失敗に終わった試行の回数が履歴閾値を超える場合には、判定手段528は、その顔画像グループの対象人物を認証困難者と判定して認証困難者フラグ322をONにセットする(ステップS808)。
なお、履歴閾値の値は、顔画像認証装置10の設置場所や運用条件によって定められ、例えば3とすることができる。
履歴管理手段527は、その対象人物について記録された顔領域画像のうち、直視度が最も高かったときの顔領域を切り出した顔領域画像を候補顔画像として選択し、図3に示した照合テーブル310に候補顔画像319として記録する。直視度が高いということは、対象人物が認証されようとして顔を撮像部100に正面向きに向けていることを表すので、登録顔画像を照合に適した顔画像に更新できる可能性が高い。
あるいは、履歴管理手段527は、その対象人物について記録された顔領域画像のうち、静止度が最も高かったときの顔領域を切り出した顔領域画像を候補顔画像として選択して照合データに記録しでもよい。静止度が高いとき、その対象人物は認証されようとして立ち止まったり、通常の歩行速度よりもかなり低速に移動していると考えられ、そのような場合、その対象人物は認証されようとして顔を撮像部100に向けている可能性が高い。従って、そのときの顔領域画像を候補顔画像として選択することにより、登録顔画像を照合に適した正面向きの顔画像に更新できる可能性が高くなる。
あるいは、履歴管理手段527は、その対象人物について記録された顔領域画像のうち、いずれかの登録顔画像との類似度が最も高い顔領域画像を候補顔画像として選択して照合データに記録しでもよい。この場合、その登録顔画像を更新すべく効率的に登録手段529における更新処理を行うことができる。
例えば、判定手段528における、対象人物が認証困難者であるとの判断処理は、同一のグループ番号321が付与された対象人物についての認証失敗の回数に限られない。
判定手段528は、同一のグループ番号321が付与された履歴データのなかには、認証成功となった場合もある場合には、同一のグループ番号321が付与された総履歴データ数に対する認証失敗に終わった履歴データ数の割合を用いて、認証困難者であると判断することもできる。この場合、認証困難者であると判断するための閾値としては、例えば80%とすることができる。これにより、全く認証されない、とまでは言えないものの、認証失敗が高い割合で発生するので不便さを感じる利用者について、顔画像認証装置10の管理者は速やかに登録顔画像の更新の必要性を認識することができる。
その場合、行動検出手段524は、直視度と静止度のうちの何れか又は何れも算出し、直視度が直視度閾値以上である場合、または静止度が静止度閾値以上である場合に要望行動カウンタをインクリメントする。即ち、認証時間内において対象人物が撮像部に対して顔を略正面方向に向けていると判断される顔領域画像が所定の枚数以上である、または認証時間内において対象人物が略静止していると判断される時間が所定時間以上である場合に、行動検出手段524は、その対象人物は認証されようとしているものの認証されにくい状態にあると判定して要望行動カウンタをインクリメントする。
このときの直視度閾値又は静止度閾値は、直視度が直視度閾値以上であり、かつ静止度が静止度閾値以上である場合に要望行動カウンタをインクリメントする場合の直視度閾値又は静止度閾値と同じにしてもよい。あるいは、要望行動を取っていない人物を誤って検出することを抑制するため、このときの直視度閾値又は静止度閾値は、直視度が直視度閾値以上であり、かつ静止度が静止度閾値以上である場合に要望行動カウンタをインクリメントする場合の直視度閾値は静止度閾値より大きい値にしてもよい。
この場合も、顔画像認証装置10は、登録された顔画像が認証時に取得される顔領域画像と異なって認証失敗となることが多い人物を早期に、かつ高精度に検出でき、顔画像認証装置10の管理者は速やかに登録顔画像の更新の必要性を認識することができる。
200・・・出力部
300・・・表示部
400・・・入力部
510・・・記憶部
520・・・照合部
524・・・行動検出手段
525・・・顔向き検出手段
526・・・静止検出手段
527・・・履歴検出手段
528・・・判定手段
529・・・登録手段
Claims (6)
- 監視領域内の人物を撮影した監視画像を順次取得する撮像部と、
登録人物の顔画像である登録顔画像を予め記憶する記憶部と、
前記監視画像を用いて人物認証を行う照合部
を具備する顔画像認証装置であって、
前記照合部は、
前記監視画像から人物の顔を含む領域の画像を顔領域画像として抽出する顔検出手段と、
前記顔領域画像を用いて前記人物の顔向きを検出する顔向き検出手段と、
前記顔領域画像と前記登録顔画像を照合し、当該顔領域画像の人物が前記登録人物か否かの認証をする顔照合手段と、
前記顔照合手段が前記顔領域画像の人物は前記登録人物でないと認証し、かつ当該人物が認証されようとする所定の要望行動を取ったこととして少なくとも前記顔領域画像に写っている顔が前記撮像部に対して略正面方向を向いている前記顔領域画像の数が所定数以上であることを条件に当該人物を認証困難者と判定する判定手段と、
を有することを特徴とする顔画像認証装置。
- 前記照合部は、取得した前記顔領域画像が略静止していることを検出する静止検出手段をさらに備え、
前記判定手段は、少なくとも前記顔領域画像が略静止している時間が所定時間以上であることを前記所定の要望行動としたことを特徴とする請求項1に記載の顔画像認証装置。
- 前記照合部は、順次取得する監視画像にて同一人物の前記顔領域画像を追跡する顔追跡手段をさらに備え、
前記静止検出手段は、前記顔領域画像の追跡位置が略静止していることを検出することを特徴とする請求項2に記載の顔画像認証装置。
- 前記照合部は、前記顔領域画像と前記顔照合手段の認証結果とを対応付けて照合履歴として前記記憶部に記憶させる履歴管理手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記照合履歴を参照して、同一の前記人物に関し前記登録人物ではないとの認証結果が履歴閾値以上であることを前記条件に追加した請求項1〜3のいずれか1つに記載の顔画像認証装置。
- 前記照合部は、前記顔領域画像と前記顔照合手段の認証結果とを対応付けて照合履歴として前記記憶部に記憶させる履歴管理手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記照合履歴を参照して、同一の前記人物に関し所定の履歴参照期間に含まれる前記登録人物ではないとの認証結果が増加傾向にあることを前記条件に追加した請求項1〜3のいずれか1つに記載の顔画像認証装置。
- 前記顔画像認証装置は、
表示部と、外部からの指示入力により前記登録顔画像を前記顔領域画像にて再登録する登録手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記登録顔画像と、前記登録人物ではないとの認証結果の回数の多い順に前記顔領域画像を前記表示部に並べて表示させ、指示入力を受けた際に表示された前記登録顔画像を当該顔領域画像にて再登録することを特徴とした請求項1〜5のいずれか1つに記載の顔画像認証装置。
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