JP5899748B2 - 媒体処理装置、及び、媒体処理装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、PLD等のコンフィギュレーションを要するプログラマブルなデバイス(プログラマブルデバイス)を備えた媒体処理装置において、利便性を損なうことなく、消費電力を抑制できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、上記媒体処理装置において、前記CPUは、前記プログラマブルデバイスをスリープ状態とするとき前記プログラマブルデバイスへの電源の供給を停止し、前記処理部を、前記スリープ状態とする。
また、本発明は、上記媒体処理装置において、外部の装置に接続可能なインターフェース部を備え、前記CPUは、前記所定の条件が成立した後前記スリープ状態に移行させるまでの移行時間を、前記インターフェース部から受信したコマンドに従って変更する。
また、本発明は、上記媒体処理装置において、前記CPUは、前記処理部を前記スリープ状態にする第1段階と、前記プログラマブルデバイスを前記スリープ状態にする第2段階とを含む電源供給制御を実行する。
また、本発明は、上記媒体処理装置において、前記処理部は、前記プログラマブルデバイスの制御に従って動作して媒体を処理する処理手段である。
また、上記目的を達成するために、本発明の媒体処理装置の制御方法は、所定の条件に基づいて、コンフィギュレーションを行うプログラマブルデバイスと電源部から電源が供給される処理部とをスリープ状態に移行させる電源供給制御を実行し、前記所定の条件が成立した後前記プログラマブルデバイスをスリープ状態に移行させるまでの移行時間を変更することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の制御デバイスを備える媒体処理装置であって、少なくとも一つの前記制御デバイスは、CPU(Central Processing Unit)で構成され、少なくとも一つの前記制御デバイスは、少なくとも電源投入時にコンフィギュレーションを要するプログラマブルデバイスで構成され、前記CPUは、所定の条件に基づいて、前記プログラマブルデバイスと、それ以外の前記CPUを含む前記制御デバイスとを段階的にスリープ状態に移行させる電源供給制御を実行し、少なくとも、前記電源供給制御で前記所定の条件が成立した後前記プログラマブルデバイスをスリープ状態に移行させるまでの移行時間を変更可能に構成されたこと、を特徴とする。
本発明によれば、外部の装置から所定時間データの受信がない、媒体処理動作が終了してから所定時間経過したなど、所定の条件に基づいて制御デバイスをスリープ状態にすることでアイドル時の消費電力を抑制することができ、また、コンフィギュレーションを要するプログラマブルデバイスと、それ以外の制御デバイスとを段階的にスリープ状態に移行させるので、例えばプログラマブルデバイスを、それ以外のCPUなどの制御デバイスよりも遅れてスリープ状態に移行させることで、プログラマブルデバイスがスリープ状態に至る前に外部の装置からデータの受信があるようにするなどの事象が発生する確率を上げて、プログラマブルデバイスのスリープ状態への移行頻度を低下させることができる。これにより、プログラマブルデバイスの復帰時のコンフィギュレーションに要する待ち時間の発生を減らし、装置全体としてのスリープ状態からの復帰を高速化することができ、利便性を損なうことなく消費電力を抑制できる。
本発明によれば、プログラマブルデバイスに対するスリープ状態として電源供給を停止させ、それ以外のCPUを含む制御デバイスには間欠的な電源供給または一部のモジュールに対する電源供給を行うことでスリープ状態とする。CPUなどの制御デバイスがスリープ状態から復帰した後、プログラマブルデバイスの復帰を制御することが可能となる。また、段階的に、プログラマブルデバイスに対してはスリープ状態として電源供給を停止するので、消費電力を抑制できる。
本発明によれば、外部の装置からのコマンドを受信することによって、プログラマブルデバイスを所定条件が成立した後スリープ状態に移行させるまでの移行時間を設定できるので、スリープ状態に至る頻度、すなわちプログラマブルデバイスのコンフィギュレーションの発生頻度を容易に調整できる。これにより、消費電力の抑制効果とスリープ状態からの復帰に要する時間とのバランスを、媒体処理装置の使用状況に合わせて容易に最適化でき、利便性の向上を図ることができる。
本発明によれば、プログラマブルデバイスをスリープ状態に移行させる段階が、それ以外の制御デバイスをスリープ状態に移行させる段階と明確に分離されるように制御される。これにより、CPUのスリープ状態への移行条件(移行時間等)と独立して異なる移行条件(移行時間等)を設定でき、コンフィギュレーションの発生頻度を適切に調整できる。
本発明によれば、プログラマブルデバイスをスリープ状態に移行させる段階と、それ以外の制御デバイスをスリープ状態に移行させる段階とに加え、媒体に対し、搬送する搬送手段、搬送された媒体に担持された情報を読み取る読取手段、搬送された媒体に印刷等の記録をする記録手段等の処理手段への電源供給を停止する段階を設けたことで、処理手段の有するモーターのホールド電流など待機時の消費電流が大きく電源供給停止後の復帰に時間が掛からない処理手段を優先して電源供給を停止することができ、消費電力のより一層の抑制を図ることができ、また、プログラマブルデバイスのコンフィギュレーションの発生頻度を適切に調整できる。
本発明によれば、外部の装置から所定時間データの受信がない、媒体処理動作が終了してから所定時間経過したなど、所定の条件に基づいて制御デバイスをスリープ状態にすることでアイドル時の消費電力を抑制することができ、また、コンフィギュレーションを要するプログラマブルデバイスと、それ以外の制御デバイスとを段階的にスリープ状態に移行させるので、例えばプログラマブルデバイスを、それ以外のCPUなどの制御デバイスよりも遅れてスリープ状態に移行させることで、プログラマブルデバイスがスリープモード状態に至る前に外部の装置からデータの受信があるようにするなどの確率を上げて、プログラマブルデバイスのスリープ状態への移行頻度を低下させることができる。これにより、プログラマブルデバイスの復帰時のコンフィギュレーションに要する待ち時間の発生を減らすことで、装置全体としてのスリープ状態からの復帰を高速化し、利便性を損なうことなく消費電力を抑制できる。
図1は、本実施の形態に係る媒体処理装置1の斜視図である。
図1に示すように、媒体処理装置1は、処理対象媒体であるシート状の小切手や帳票類に対し、この処理対象媒体に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象媒体の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象媒体への文字等の記録を行う装置である。また、媒体処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱式のロール紙3に画像を記録して切断することにより画像が記録された紙片を発行する機能を備えている。
小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシート(用紙)に金額、振出人、通し番号、サインなどが印字または記載された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aにあり、裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。
また、ロール紙3は、加熱により発色する感熱紙であり、媒体処理装置1は、サーマルプリンターユニット60によりロール紙3の記録面を加熱することで文字や画像を記録する。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成され、スリット18は媒体処理装置1の前面側に設けられたポケット19に達している。ストッカー15に貯留された小切手4は、後述するように1枚ずつ媒体処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を溜めることができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44(印刷手段)へ搬送される。
搬送路Wを挟んでインクジェットヘッド10の正面には、キャップ(図示略)が配置されている。このキャップは、キャップモーター81(図3)の動力によりインクジェットヘッド10側に進退可能に構成され、インクの乾燥防止等のため、小切手4を処理していない状態ではインクジェットヘッド10側に進出して、インクジェットヘッド10のノズル面を覆う。このキャップの内部にはインク吸引用の穴が設けられ、この穴は図示しない吸引ポンプに連通している。吸引ポンプは、ポンプモーター82(図3)により駆動され、インクジェットヘッド10のノズルの吐出不良を解消するためのクリーニング動作が実行される際に、キャップを介してインクジェットヘッド10のノズルからインクを吸い出す。吸引ポンプが吸い出したインクは廃液タンク(図示略)に貯留される。
また、インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに繋がる経路とサブポケット19bに繋がる経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、媒体処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、媒体処理装置1の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、ロール紙3を収容可能な空間であるロール紙収容部62が露出し、ロール紙3の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容されたロール紙3は、排紙口63を介して、排出される。
図3に示すように、媒体処理装置1は、媒体処理装置1全体を制御する制御デバイスとして、CPU101と、FPGA104とを備えている。CPU101は、フラッシュROM102に記憶したプログラムを読み出してRAM103に展開して実行することにより、FPGA104を含む媒体処理装置1の各部を制御する。FPGA104は、ROM105に格納されたプログラミングファイルにより設定された動作を実行し、後述する各部を制御するプログラマブルデバイスである。
また、FPGA104には、FPGA104のプログラミングファイル(コンフィギュレーションデータ)を記憶したROM105が接続されている。
FPGA104は、電源部95からの電源供給が開始されると、コンフィギュレーションを実行する。
このコンフィギュレーションは、以下の手順を含んでおり、電源部95からFPGA104への電源供給がオフからオンに切り替わる毎に実行される。
・電源部95から供給される電源電圧を確認する。
・内蔵するメモリーの初期化等の初期化処理を行う。
・ROM105に記憶されたプログラミングファイルを検出する。
・検出したプログラミングファイルをROM105からロードする。
・ロードしたプログラミングファイルに従って回路データを書き込む。
また、FPGA104には、ASF用紙検出器31、用紙長検出器38及び中間検出器46の各検出器が接続されている。FPGA104は、これらASF用紙検出器31、用紙長検出器38及び中間検出器46に対して検出パルスを出力し、各検出器の出力値を所定時間周期で取得する。FPGA104は、各検出器から取得した出力値をA/D変換して、変換後のデジタルデータを、検出器毎に定められた所定のしきい値と比較することにより、ストッカー15における小切手4の有無、用紙長検出器38による小切手4の検出の有無、中間検出器46による小切手4の検出の有無を判別し、判別結果を内蔵するレジスター(図示略)に格納する。CPU101は、所定時間周期でFPGA104のレジスターに格納された各検出器の判別結果のデータを取得する。
さらに、CPU101には、サーマルヘッド65を駆動するヘッド駆動回路72が接続されている。ヘッド駆動回路72は、CPU101の制御に従って、サーマルヘッド65が備える各々の発熱素子への通電を制御し、サーマルヘッド65によってロール紙3に文字や画像を印刷させる。
CPU101には、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続されたインターフェース部76が接続されている。CPU101は、インターフェース部76を制御して、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。CPU101は、インターフェース部76によって所定時間周期でホストコンピューター5から送信されるコマンドの受信を試行させ、ホストコンピューター5からコマンドが送信された場合に速やかに受信できるようにする。
CPU101、小切手4の処理を指示するコマンドに従って、ASF用紙検出器31の出力値の判別結果に基づいて、ストッカー15における小切手4の有無を判別する。小切手4がセットされていると判別した場合、CPU101は、ホッパー位置検出器32の出力値をもとにホッパー25が待機位置にあることを確認し、FPGA104によりASFモーター27を動作させ、1枚の小切手4をピックアップして搬送路Wに取り込む。次いで、CPU101は、FPGA104を制御して搬送モーター42を動作させ、ASFローラー29、MICRローラー36、アシストローラー37、第1搬送ローラー40、第2搬送ローラー41、第1CISローラー50、第2CISローラー51、及び、排出ローラー56、57を動かして、小切手4を搬送する。さらに、CPU101はFPGA104を制御して切替板駆動モーター55を動作させて、切替板54を動かし、処理が完了した小切手4の排出先をメインポケット19aまたはサブポケット19bのいずれかに設定し、排出ローラー56、57により小切手4を排出させる。ここで、CPU101の制御により動作するロール紙搬送モーター83、ACモーター84及びこれらを駆動するモータードライバー93は、搬送手段として機能する。また、FPGA104の制御によって動作するASFモーター27、搬送モーター42、及びこれらを駆動するモータードライバー91、92は、搬送手段(第1搬送手段)に相当する。
また、CPU101、小切手4への印刷を指示するコマンドに従って、このコマンドとともに送信された印刷データに基づいて、文字や画像を配置した印刷イメージを生成及び展開し、FPGA104を制御することにより、印刷イメージに基づく文字や画像をインクジェットヘッド10によって小切手4の表面4aまたは裏面4bに印刷する。
CPU101は、小切手4の光学読取を指示するコマンドに従って、FPGA104を制御し、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48によって小切手4の表面4aと裏面4bを読み取らせ、FPGA104から入力される読取画像データをそれぞれホストコンピューター5に送信する。
ここで、CPU101の制御によりロール紙3を搬送するロール紙搬送モーター83及びモータードライバー93は、搬送手段(第2搬送手段)として機能する。
そこで、CPU101は、電源部95が供給可能な電力に合わせて、電源部95が接続されるモータードライバーを適宜切り替えさせる制御を行う。本実施形態では、CPU101の制御により、モータードライバー91、92と、モータードライバー93とを排他的に電源部95に接続する。すなわち、CPU101は、ホストコンピューター5から受信したコマンドを判別し、ロール紙3を処理する場合は電源部95からモータードライバー93へ通電させ、小切手4を処理する場合は電源部95からモータードライバー91、92に通電させる。
媒体処理装置1は、待機状態が継続した場合に、媒体処理装置1の各部に対する通電をオフにする省電力状態に移行する。本実施形態で、媒体処理装置1の省電力状態は、第1省電力状態(第1段階)と第2省電力状態(第2段階)との2段階に設定されている。フラッシュROM102には、通常の待機状態から第1省電力状態へ移行する時間の設定値と、第1省電力状態から第2省電力状態に移行する時間の設定値とが、予め記憶されている。CPU101はフラッシュROM102に記憶された設定値に従って、省電力状態への移行を制御する。
CPU101は、媒体処理装置1が待機状態になってからの時間を、内蔵するタイマー(図示略)によってカウントし(ステップS11)、イベントの発生を監視する(ステップS12)。ここで、イベントとは、ホストコンピューター5から送信されるコマンドをインターフェース部76が受信した場合、媒体処理装置1が備える操作パネル(図示略)のスイッチが操作された場合、媒体処理装置1のプリンターカバー61やカバー12が開かれたことを、CPU101に接続されたスイッチ式のカバー検出器(図示略)により検出した場合などである。
待機状態においてイベントを検出した場合(ステップS12;Yes)、CPU101は、検出したイベントに対応した処理を実行する(ステップS13)。一方、待機状態においてイベントが検出されない場合(ステップS12;No)、CPU101は、内蔵するタイマーのカウント値が、フラッシュROM102に記憶している第1省電力状態への移行時間の設定値に達したか否かを判別する(ステップS14)。ここで、第1省電力状態への移行時間の設定値に達していなければ(ステップS14;No)、CPU101は、ステップS12に戻ってイベントを検出する。このステップS12〜S13の処理は、予め設定された周期で実行される。
第1省電力状態に移行した後、CPU101は、復帰イベントを検出した場合(ステップS16;Yes)、通常動作状態に復帰する(ステップS20)。このステップS20で、CPU101は、電力制御対象部201、202への通電を通常動作の通電状態に戻し、フラッシュROM102に記憶した第1省電力状態であることを示すデータを消去し、ステップS13に移行してイベントに対応した処理を実行する。
また、復帰イベントが検出されない場合(ステップS16;No)、CPU101は、内蔵するタイマーのカウント値が、フラッシュROM102に記憶している第2省電力状態への移行時間の設定値に達したか否かを判別する(ステップS17)。ここで、第2省電力状態への移行時間の設定値に達していなければ(ステップS17;No)、CPU101は、ステップS16に戻ってイベントを検出する。このステップS16〜S17の処理は、予め設定された周期で実行される。
また、復帰イベントが検出されない場合(ステップS19;No)、CPU101は、ステップS19で復帰イベントの検出を所定時間周期で繰り返し実行する。この間、媒体処理装置1は第2省電力状態を継続し、電力制御対象部201〜203の消費電力が抑制された状態を保つ。
従って、第1省電力状態から第2省電力状態への移行時間の設定値は、媒体処理装置1の使われ方、すなわち広義の使用環境に合わせて最適化されることが好ましい。このため、媒体処理装置1では、第2省電力状態への移行時間の設定値を変更可能となっている。また、媒体処理装置1では、第1省電力状態への移行時間の設定値を変更することも可能である。
CPU101は、ホストコンピューター5からコマンドを受信して、受信したコマンドを解析した結果、受信したコマンドが移行時間設定コマンドであった場合(ステップS21)、受信したコマンドにより指定された段階への移行時間の設定値を、受信したコマンドに付加されたデータに従って更新する(ステップS22)。これにより、フラッシュROM102が記憶している設定値が変更され、第1省電力状態、第2省電力状態への移行時間の設定値を任意に変えることができる。
また、図3のブロック図に示した各機能部の少なくとも一部は機能的構成を示しており、全ての機能部を独立したハードウェアにより構成する必要はなく、ソフトウェアとハードウェアとの協働により、複数の機能部の機能を1つのハードウェアに集約して実現することも、一つの機能部を複数のハードウェアにより実現することも勿論可能である。また、上述の動作を行うCPU101が実行するプログラムはフラッシュROM102が記憶する構成に限らず、可搬型の記録媒体に記憶されている構成であってもよいし、或いは、通信回線を介して接続された他の装置にダウンロード可能に記憶され、これらの装置から媒体処理装置1が上記プログラムをダウンロードして実行してもよく、その他の構成についても任意に変更可能である。
Claims (6)
- 電源を供給する電源部と、
前記電源部から電源が供給される処理部と、
電源投入時にコンフィギュレーションを行うプログラマブルデバイスと、
所定の条件に基づいて電源供給制御を実行するCPUと、を備え、
前記CPUは、第1の条件が成立した後に前記処理部への通電を停止し前記CPUをスリープ状態に移行させる第1段階と、第2の条件が成立した後に前記処理部及び前記プログラマブルデバイスへの通電を停止し、スリープ状態に移行させる第2段階と、を含む前記電源供給制御を実行し、
前記第1の条件が成立した後前記第1段階に移行させるまでの移行時間、及び、前記第2の条件が成立した後前記第2段階に移行させるまでの移行時間を変更可能であり、
前記CPUのスリープ状態は、前記CPUへの間欠的な通電もしくは前記CPUの一部のモジュールに対する通電を行う状態であることを特徴とする媒体処理装置。 - 前記第2段階から通常動作状態への復帰にかかる時間は、前記第1段階から通常動作状態への復帰にかかる時間より長い、請求項1記載の媒体処理装置。
- 外部の装置に接続可能なインターフェース部を備え、
前記CPUは、前記所定の条件が成立した後前記スリープ状態に移行させるまでの移行時間を、前記インターフェース部から受信したコマンドに従って変更する請求項1または2に記載の媒体処理装置。 - 前記CPUは、前記第1の条件が成立した後に、前記処理部への通電を停止する段階を実行し、その後所定時間が経過した後に、前記CPUをスリープ状態に移行させる請求項1から3のいずれか1項に記載の媒体処理装置。
- 前記処理部は、前記プログラマブルデバイスの制御に従って動作して媒体を処理する処理手段である請求項4に記載の媒体処理装置。
- 所定の条件に基づいて、CPUの制御により、コンフィギュレーションを行うプログラマブルデバイスと電源部から電源が供給される処理部とをスリープ状態に移行させる電源供給制御を実行し、
前記電源供給制御において、前記CPUは、第1の条件が成立した後に前記処理部への通電を停止し、前記CPUを前記CPUへの間欠的な通電もしくは前記CPUの一部のモジュールに対する通電を行うスリープ状態に移行させる第1段階と、第2の条件が成立した後に前記処理部及び前記プログラマブルデバイスへの通電を停止し前記CPUをスリープ状態に移行させる第2段階と、を実行し、
前記第1の条件が成立した後前記第1段階に移行させるまでの移行時間、及び、前記第2の条件が成立した後前記第2段階に移行させるまでの移行時間を変更することを特徴とする媒体処理装置の制御方法。
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