(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、遊技機Yは、遊技盤取付枠Y1と、遊技盤取付枠Y1に対して回動可能に支持されるガラス扉Y2、遊技球が流下する遊技領域2Aが形成されている遊技盤2とを有する。
遊技盤取付枠Y1は、遊技店の島設備に固定される外枠(図示なし)に回動可能に支持され、脱着可能に取り付けられている。
ガラス扉Y2は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部Hを介して遊技盤取付枠Y1に脱着自在に連結されており、ヒンジ機構部Hを支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス扉Y2を、ヒンジ機構部Hを支点として扉のように回動することによって、遊技領域2Aおよび遊技盤取付枠Y1の前面部分を開閉することができる。ガラス扉Y2は、遊技盤2を閉鎖した状態で、遊技領域2Aを視認可能に覆っている。
また、ガラス扉Y2の他端側には、ガラス扉Y2を遊技盤取付枠Y1に固定するロック機構Rが設けられている。ロック機構Rによる固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
ガラス扉Y2には、複数の遊技球を貯留する受け皿50と、遊技球を発射させるための操作が可能な発射操作装置3とが設けられている。発射操作装置3は遊技球を遊技領域2Aに向けて発射可能な遊技球発射装置(図示なし)に接続されている。なお、遊技球発射装置は、遊技盤取付枠Y1の前面に設けられている。受け皿50に貯留されている遊技球が遊技球発射装置に供給される。
発射操作装置3は、ガラス扉Y2に固定されている基体31、基体31に回動可能に設けられている発射ハンドル32を有する。遊技球発射装置は、発射ハンドル32の回動角度に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球を発射する。
遊技盤2の遊技領域2Aには、枠状の飾り枠29Aと、湾曲形状を呈した内側レール部材29Bと、外側レール部材29Cと、後述する第1大入賞口8の直下に配置され、遊技球を第2始動口7に誘導可能な誘導経路が上面に形成された誘導部材29Dとが設けられている。
飾り枠29Aは、遊技盤2の略中央部に嵌め込まれている。飾り枠29Aの内側には、液晶表示ディスプレイからなる画像表示装置14が嵌め込まれている。また、飾り枠29Aの内側端部には、演出用役物装置17が設けられている。
内側レール部材29Bが飾り枠29Aの外側に配置され、外側レール部材29Cが内側レール部材29Bの外側に配置されている。所定の遊技球発射強度で発射された遊技球は、内側レール部材29Bと外側レール部材29Cとの間を上昇して遊技領域2Aに進入する。なお、遊技領域2Aには、複数の釘や風車が設けられている。遊技領域2Aに進入した遊技球は、複数の釘や風車によって様々な方向に流下し得る。
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では4つ)の一般入賞口11が設けられている。各一般入賞口11には、一般入賞口検出センサ11aが設けられており、この一般入賞口検出センサ11aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域2Aにおける飾り枠29Aの右斜下側に、遊技球の通過が可能な入賞ゲート10が設けられている。入賞ゲート10には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ10aが設けられている。入賞ゲート検出センサ10aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄抽選が行われる。普通図柄抽選については後述する。
遊技領域2Aにおいて画像表示装置14の下方に、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口6が設けられている。第1始動口6には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ6aが設けられている。第1始動口検出センサ6が遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄抽選が行われる。第1特別図柄抽選については後述する。また、第1始動口検出センサ6aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技領域2Aにおいて第1始動口6の直下に、可変の第2始動口7が設けられている。第2始動口7は、第2始動口制御装置70によって入賞不可能な基本態様(閉態様)又は入賞可能な特別態様(開態様)のいずれかに制御される。第2始動口7にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ7aが設けられている。第2始動口検出センサ7aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄抽選が行われる。第2特別図柄抽選については後述する。また、第2始動口検出センサ7aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。
第2始動口制御装置70は、回動可能な普通可動片70A及び普通可動片70Aを回動させる駆動部としての第2始動口開閉ソレノイド70Bを具備している。
普通可動片70Aは、矩形状の扉部材で構成されており、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2始動口7を閉鎖している。この普通可動片70Aによる第2始動口7の閉鎖が、第2始動口7の基本態様を構成する。
一方、所定条件が成立すると、普通可動片70Aが下端部に形成された回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口7を開放する。第2始動口7が入球可能な特別態様に制御される。この普通可動片70Aによる第2始動口7の開放が第2始動口7の特別態様を構成する。普通可動片70Aは、第2始動口7を開放するとき、遊技領域2Aから突出した状態になり、流下する遊技球を受けて第2始動口7へ誘導することが可能となる。
なお、第2始動口制御装置70についての所定条件とは、上述した普通図柄抽選において、当たり普通図柄に決定されることである。
入賞ゲート10の下流側に、可変の第1大入賞口8が設けられている。第1大入賞口8は、第1大入賞口制御装置80によって入賞不可能な基本態様又は入賞可能な特別態様のいずれかに制御される。第1大入賞口制御装置80は、回動可能な第1特別可動片80A及び第1特別可動片80Aを回動させる駆動部としての第1大入賞口開閉ソレノイド80Bを具備している。
第1特別可動片80Aは、矩形状の扉部材で構成されており、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第1大入賞口8を閉鎖している。この第1特別可動片80Aによる第1大入賞口8の閉鎖が、第1大入賞口8の基本態様を構成する。
一方、所定条件が成立すると、第1特別可動片80Aが下端部に形成された回転軸を中心に前方側に回動して第1大入賞口8を開放する。第1大入賞口8が入球可能な特別態様に制御される。この第1特別可動片80Aによる第1大入賞口8の開放が第1大入賞口8の特別態様を構成する。第1特別可動片80Aは、第1大入賞口8を開放するとき、遊技領域2Aから突出した状態になり、流下する遊技球を受けて第1大入賞口8へ誘導することが可能となる。
なお、第1大入賞口制御装置80についての所定条件とは、上述した第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とをまとめて「特別図柄抽選」と総称する)において、大当たり特別図柄又は小当たり特別図柄に決定されることである。
第1大入賞口8の下方には、可変の第2大入賞口9が設けられている。第2大入賞口9は、第2大入賞口制御装置90によって入賞不可能な基本態様又は入賞可能な特別態様のいずれかに制御される。第2大入賞口制御装置90は下辺部分に回転軸が設けられた矩形状の扉部材で構成される第2特別可動片90Aを具備しており、第2特別可動片90Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、第2特別可動片90Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2大入賞口9を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第2特別可動片90Aによって第2大入賞口9が封鎖されることで、第2大入賞口9が入賞不可能な基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、第2特別可動片90Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2大入賞口9が開放されることで、第2大入賞口9が入賞可能な特別態様に制御される。このとき、第2大入賞口9が開放されると共に、第2特別可動片90Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2大入賞口9へ誘導することが可能となる。
なお、第2大入賞口制御装置90についての所定条件とは、特別図柄抽選において、大当たり特別図柄に決定されることである。
第2大入賞口9の内部には、遊技球が通過可能な特定領域12が設けられている(図2参照)。第2大入賞口9に入球した遊技球は必ず特定領域12を通過する。特定領域12には遊技球を検出可能な特定領域検出センサ12aが設けられている。
また、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入球した遊技球は、共通の排出経路まで誘導される。この排出経路には、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入球した遊技球を検出するための大入賞口検出センサ8aが設けられている。大入賞口検出センサ8aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の遊技球が賞球として払い出される。
第1始動口6は、飾り枠29Aの左側の遊技領域2Aを通った遊技球が入球することができるが、飾り枠29Aの右側の遊技領域2Aを通った遊技球は入球することができないようになっている。一方、第2始動口7は、飾り枠29Aの左側の遊技領域2A又は右側の遊技領域2Aを通った遊技球が入球することができる。また、入賞ゲート10、第1大入賞口8及び第2大入賞口9は、飾り枠29Aの右側の遊技領域2Aを通った遊技球が入球することができるが、飾り枠29Aの左側の遊技領域2Aを通った遊技球は入球することができないようになっている。すなわち、第1始動口6と入賞ゲート10、第1大入賞口8及び第2大入賞口9とは遊技球を打ち分けることが可能である。
また、遊技領域2Aの最下端部には、第1始動口6、第2始動口7、第1大入賞口8、及び、一般入賞口11のいずれにも入球することができなかった遊技球が入球するアウト口13が設けられている。
遊技盤2の表面であって遊技領域2Aの外側に、すなわち、遊技盤2の表面における遊技球が流下しない所定領域に、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21並びに普通図柄表示装置22からなる図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24並びに普通図柄保留表示装置25からなる保留表示装置、及び、右打ち表示装置26が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口6に遊技球が入球することを条件に行われる第1特別図柄抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口7に遊技球が入球することを条件に行われる第2特別図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。
第1特別図柄抽選とは、遊技球が第1始動口6に入球したときに大当たり判定用乱数値を取得し、取得した大当たり判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか否かを判定することをいう。第2特別図柄抽選とは、遊技球が第2始動口7に入球したときに大当たり判定用乱数値を取得し、取得した大当たり判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか否かを判定することをいう。
第1特別図柄抽選が行われると、第1特別図柄表示装置20において、当該抽選結果に基づいて、特別図柄の変動表示が行われ、当該第1特別図柄抽選の結果を表す第1特別図柄の停止表示が行われる。すなわち、第1特別図柄表示装置20における第1特別図柄の停止表示は、当該抽選結果の報知となる。第2特別図柄抽選と第2特別図柄表示装置21についても同様にある。
例えば、第1特別図柄表示装置20及び第2特別図柄表示装置21はそれぞれ複数のLEDを具備している。各特別図柄の変動表示において、例えば、対応する第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21の所定のLEDが所定の間隔で点滅する。そして、特別図柄の停止表示においては、各特別図柄抽選の結果を表す特定のLEDが点灯する。
普通図柄表示装置22は、遊技球が入賞ゲート10を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選とは、遊技球が入賞ゲート10を通過したときに当たり判定用乱数値を取得し、取得した当たり判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるか否かを判定する処理のことをいう。
普通図柄抽選が行われると、普通図柄表示装置22において、当該抽選結果に基づいて、普通図柄の変動表示が行われ、当該普通図柄抽選の結果を表す普通図柄の停止表示が行われる。すなわち、普通図柄表示装置22における普通図柄の停止表示は、当該抽選結果の報知となる。
例えば、普通図柄表示装置22はそれぞれ複数のLEDを具備している。普通図柄の変動表示において、例えば、普通図柄表示装置22の所定のLEDが所定の間隔で点滅する。そして、普通図柄の停止表示において、普通図柄抽選の結果を表す特定のLEDが点灯する。
ところで、特別図柄の変動表示中や第1大入賞口制御装置80又は第2大入賞口制御装置90が作動する特別遊技中に、始動口6、7に遊技球が入球しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄抽選の結果が報知される訳ではない。すなわち、一定条件下で特別図柄の変動表示が保留されることがある。本実施の形態では、一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は各始動口6、7に対して「4」に設定されている。すなわち、各始動口6、7に対して特別図柄の変動表示を実行する権利を4個まで保留することができる。
第1特別図柄保留表示装置23は、第1特別図柄の変動表示(以下、「第1特図変動表示」という)の保留個数(U1:以下、「第1特図保留数」という)を表示する。第2特別図柄保留表示装置24は、第2特別図柄の変動表示(以下、「第2特図変動表示」という)の保留個数(U2:以下、「第2特図保留数」という)を表示する。第1特別図柄保留表示装置23及び第2特別図柄保留表示装置24は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備し、各保留数に応じて所定のLEDを点灯する。
なお、普通図柄の変動表示(以下、「普図変動表示」という)についても同様に、上限保留個数が4個に設定されており、その保留個数(G:以下、「普図保留数」という)が、普通図柄保留表示装置25において表示される。普通図柄保留表示装置25は、例えば複数のLEDを具備し、普図保留数に応じて所定のLEDを点灯する。
右打ち表示装置26は、後述する時短状態において点灯する表示装置であり、右打ち表示装置26の点灯は、遊技球を飾り枠29Aの右側の遊技領域2Aを通過させて第2始動口7へ入球させることの報知を表している。右打ち表示装置26は、例えば1つのLEDで構成されている。
また、遊技機Yには、様々な演出を実行する演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、及び、演出用役物装置17で構成されている。画像表示装置14と演出用役物装置17とが遊技盤2に設けられ、音声出力装置15と演出用照明装置16とがガラス扉Y2に設けられている。
画像表示装置14は、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出を行う。なお、本実施形態においては、画像表示装置14として液晶ディスプレイが用いられているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等他の方式の表示装置を用いこともできる。
上記演出用役物装置17は、可動部17Aを具備し、可動部17Aを作動させることで、動作による演出を行う。音声出力装置15は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することで音声による演出を行う。演出用照明装置16は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
また、受け皿50には、後述する種々の演出や特典付与モードの設定・解除に係る操作を行うための入力装置として機能する演出ボタン装置18及び選択ボタン装置19が設けられている。
演出ボタン装置18は、操作可能な演出ボタン18A及び演出ボタン18Aに接続されて、演出ボタン18Aに対する操作を検出する演出ボタン検出スイッチ18aを具備する(図4参照)。
選択ボタン装置19は、操作可能な選択ボタン19A及び選択ボタン19Aに接続されて、選択ボタン19Aに対する操作を検出する選択ボタン検出スイッチ19aを具備する(図4参照)。
選択ボタン19Aは、上ボタン191A、左ボタン192A、下ボタン193A及び右ボタン194Aからなる。各ボタン191A〜194Aは、受け皿50から突出した状態で押圧可能に設けられている。
演出装置は、遊技の進行(状態)に応じて様々な演出を実行する。演出としては、例えば、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を契機に行われる特図抽選演出がある。特図抽選演出は、画像表示装置14において行われる。特図抽選演出では、特別演出図柄の変動表示と特別演出図柄の停止表示とが行われる。
特別演出図柄の変動表示は、特別図柄の変動表示に対応して行われ、特別演出図柄が所定の態様で所定時間変動する。特別演出図柄の停止表示は、特別図柄の停止表示に対応して行われる(以下、特別演出図柄の変動表示と停止表示をまとめて称呼する場合、「特別演出図柄表示」という)。特別演出図柄の停止表示では、特別演出図柄が当該特別図柄抽選の結果を表す所定の態様で所定時間停止する。
特別演出図柄は、例えば、画像表示装置14等の表示領域140の左側領域、中央領域及び右側領域に配列された3列の特別装飾図柄(例えば、「1」から「9」までの数字を表す装飾図柄)からなる。特別演出図柄の変動表示では、各列の特別装飾図柄が、リールが回転しているかのように、上から下に移動(変動表示)する。なお、特別演出図柄の変動表示の態様はこれに限られない。また、特別演出図柄の変動表示中には、特別図柄抽選の結果に応じて、背景画像やキャラクタ等のオブジェクト画像といった様々な演出画像、また、ムービー等が表示される。
一方、特別演出図柄の停止表示においては、画像表示装置14等の表示領域140の左側領域、中央領域及び右側領域において、上記の3列の特別装飾図柄が停止表示する。特別演出図柄の停止表示が行われたときの所定の有効ライン(例えば、表示領域140における中央の水平線)上の特別装飾図柄の配列が、当該特別図柄抽選の結果を表す。
特図抽選演出の他にも、後述する普通図柄抽選を契機に行われるルーレット演出、大当たり遊技が実行されるときに行われる特別遊技演出、及び、特別図柄の変動表示又は特別遊技が所定期間行われない内部的な待機状態(所謂、客待ち状態)において行われるデモ演出等の様々な演出が行われる。
遊技盤2及びガラス扉Y2の裏面には、遊技の進行を制御する制御手段100が設けられている。制御手段は、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、ランプ制御基板104、画像制御基板105、電源基板107、遊技情報出力端子板108などで構成されている。
次に、図4を用いて、制御手段100について説明する。
電源基板107は、遊技機Yに電源電圧を供給する。電源基板107には、コンデンサからなるバックアップ電源(図示せず)と、電源監視回路107aとが搭載されている。バックアップ電源は、コンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
電源監視回路107aは、遊技機Yに供給する電源電圧(供給電力)を監視し、電源電圧が正常値よりも低い所定レベル値となったときに、そのことを検出し、電圧低下信号を主制御基板101に出力する。具体的には、電源監視回路107aは、電源に供給されるAC24Vを整流したDC30Vを監視することによってその30Vの電圧低下を検出し、電源電圧が所定のレベル値(例えば+22V)以下になると、電圧低下を検出したとして電圧低下信号を主制御基板101に出力する。なお、監視対象である電源電圧は、各基板に搭載されている回路素子の電源電圧(例えば+5V)よりも高い電圧である。例えば、交流から直流に変換された直後の電圧(+30V)が用いられている。
さらに、監視電圧(+30V)が、遊技機Yの各種スイッチに供給される電圧(例えば+12V)よりも高い値であれば、電断時のスイッチオン誤検出を防止できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30Vの作成以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でその低下を検出することができる。換言すれば、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより速く低下する+30V電源電圧を監視して電断を認識することで、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電断の復旧待ちの状態に入り、スイッチ出力を検出しない状態となる。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各種検出センサやタイマ(水晶振動子)等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して遊技に関する演算処理を行うとともに、各種制御装置や表示装置を直接制御し、演算処理の結果に基づく所定のコマンドなどを演出制御基板102や払出制御基板103等に送信する。
メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、メインRAM101cは、その一部または全部が電源基板107において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機Yに対する電力供給が停止(電断)しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、メインRAM101cの一部または全部の内容は保存される。すなわち、メインCPU101aは、遊技機Yへの供給電力が正常値よりも低い所定レベル値になったことを検出したことに基づき、少なくともこの所定レベル値を検出したときの遊技状態を含む遊技状態情報やアウト球に関する情報(以下、「アウト情報」という)を、遊技機Yへの供給電力が供給されない状態においても保持可能にメインRAM101cに記憶する。
特に、少なくとも、遊技状態すなわちメインCPU101aの制御状態に応じた種々のデータ(大当たり遊技フラグ、ラウンド番号(R)、高確率状態指定フラグ、高確率フラグ(確変フラグ)、特別図柄の判定結果(大当たりまたはハズレ、大当たり種別)、時短フラグ、時短残り回数(時短回数カウンタ)、特図特電処理データ、普図普電処理データ等)、御帯、未払出賞球数は、遊技の進行状態を示すデータであり、バックアップRAMに保存される(バックアップデータ)。
メインCPU101aの制御状態に応じたデータとは、電断が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を電断の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、本実施の形態では、メインRAM101cの全部が、電源バックアップされる。
さらに、主制御基板101の入力ポート(図示せず)には、上述したように、電源基板107からの電源電圧が所定レベル値以下に低下したことを示す電断信号が入力される。すなわち、電源基板107に搭載されている電源監視回路107aは、遊技機Yにおいて使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定レベル値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電断信号を主制御基板101に出力する。
主制御基板101の入力側には、入力ポート(図示せず)を介して、第1始動口検出センサ6a、第2始動口検出センサ7a、大入賞口検出センサ8a、入賞ゲート検出センサ10a、一般入賞口検出センサ11a、及び、特定領域検出センサ12aが接続されている。各検出センサは、遊技球を検出すると、各種検出信号(第1始動口検出信号、第2始動口検出信号、大入賞口検出信号、入賞ゲート検出信号、入賞ゲート検出信号、一般入賞口検出信号、及び、特定領域検出信号)を主制御基板101に出力する。
主制御基板101の出力側には、出力ポート(図示せず)を介して、第2始動口制御装置70の普通可動片70Aを作動させる第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口制御装置80の第1特別可動片80Aを作動させる第1大入賞口開閉ソレノイド80B、及び、第2大入賞口制御装置90の第2特別可動片90Aを作動させる第2大入賞口開閉ソレノイド90Bが接続されている。主制御基板101は、各ソレノイドを制御するための制御信号を第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口開閉ソレノイド80B及び第2大入賞口開閉ソレノイド90Bに出力する。
また、主制御基板101の出力側には、出力ポート(図示せず)を介して、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄保留表示装置25及び右打ち表示装置26が接続されている。主制御基板101は、各表示装置を制御するための表示制御信号を各表示装置20〜26に出力する。
さらに、主制御基板101の出力側には、出力ポート(図示せず)を介して、遊技情報出力端子板108が接続されている。主制御基板101は、遊技に関する所定の情報(遊技情報)及びアウト球に係る所定の情報(アウト情報)を外部信号として遊技情報出力端子板108に出力する。
遊技情報出力端子板108には、遊技情報表示装置が接続されている。遊技情報出力端子板108は、遊技情報表示装置及びホールコンピュータに外部信号を出力する。遊技情報表示装置は、遊技機Yの上に設けられ、上記の所定の遊技情報(外部信号)に基づいて所定の遊技情報等を表示する。よって、遊技店の店員及び遊技者は遊技情報を確認することができる。また、ホールコンピュータも遊技情報を入力させ、該遊技情報を出力させることで、該遊技情報を遊技店の管理などに用いることができる。
演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えている。演出制御基板102は、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。主制御基板101は、遊技に関する処理に基づいて所定のコマンドを演出制御基板102に送信し、演出制御基板102は、所定のコマンドを受信する。
演出制御基板102の入力側には、ランプ制御基板104を介して、演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン検出スイッチ19aが接続されている。
演出ボタン検出スイッチ18aは、演出ボタン18Aが操作されると、ランプ制御基板104に、演出ボタン18Aの操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。ランプ制御基板104は、演出ボタン検出信号が入力すると、演出制御基板102に出力する。
選択ボタン検出スイッチ19aは、選択ボタン19Aが操作されると、ランプ制御基板104に、選択ボタン19Aの操作が行われたことを示す選択ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。ランプ制御基板104は、選択ボタン検出信号が入力すると、演出制御基板102に出力する。
選択ボタン検出スイッチ19aは、上ボタン191Aに接続されて上ボタン191Aの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ191a、左ボタン192Aに接続されて左ボタン192Aの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ192a、下ボタン193Aに接続されて下ボタン193Aの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ193a、及び、右ボタン194Aに接続されて右ボタン194Aの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ194aからなる。
なお、各ボタン検出スイッチ191a、192a、193a、194aは、被操作を検出すると、それぞれ、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、右ボタン検出信号を、ランプ制御基板104を介して演出制御基板102に出力する。なお、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、及び、右ボタン検出信号を総称して「選択ボタン検出信号」という。
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置18から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置19から出力された選択ボタン検出信号、タイマ(水晶振動子)からの入力信号及びアウト球検出センサ52から出力されたアウト球検出信号等に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出を制御するためのコマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球を発射させるための発射制御と、遊技球を遊技者に払い出すための払出制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えている。払出制御基板103は、主制御基板101及び電源基板107に対して双方向に通信可能に接続され、演出制御基板102に対して送信可能に一方向に接続されている。
払出CPU103aの入力側には、タッチセンサ32aと発射ボリュームのつまみ32bが接続されている。タッチセンサ32aは発射ハンドル32内に取り付けられている。タッチセンサ32aは、遊技者や店員等が発射ハンドル32に触れると、発射ハンドル32に人が接触したことを検知し、発射制御基板106に発射ハンドル検出信号を送信する。発射ボリュームのつまみ32bは発射ハンドル32に接続されている。発射ボリュームのつまみ32bは、発射ハンドル32に連動して回動し、回動角度を検出する。
また、払出制御基板103は、出力側で電源基板107を介して発射ソレノイド41に接続されている。払出制御基板103は、タッチセンサ32aから発射ハンドル検出信号を受信すると、発射ソレノイド41の通電を許可する。
そして、発射ハンドル32が操作されて、発射ハンドル32の回転角度が変化すると、発射ハンドル32に連結されているギアが回転すると共に、ギアに連結した発射ボリュームのつまみ32bが回転する。この発射ボリュームのつまみ32bが検出する発射ハンドル32の回動角度に応じた電圧が、発射ソレノイド41に印加される。
発射ソレノイド41に電圧が印加されると、発射ソレノイド41が印加電圧に応じて作動する。このように、払出制御基板103は、タッチセンサ32aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリュームのつまみ32bからの入力信号が有する情報に基づいて、発射ソレノイド41を通電制御し、遊技球を発射させる。
なお、本実施の形態では、発射ソレノイド41の往復速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射ソレノイド41が1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
また、払出制御基板103の出力側には、貯留タンク(図示なし)から所定個数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置5の払出駆動部51が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置5を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えている。ランプ制御基板104の出力側には、演出用照明装置16及び演出用役物装置17が接続されている。
ランプCPU104aは、演出制御基板102から送信される演出制御に係るコマンド(以下、「演出制御コマンド」という)に基づいて演出用照明装置16の発光制御、および、演出用照明装置16の光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御を行う。また、ランプCPU104aは、演出制御コマンドに基づいて演出用役物装置17を作動させるソレノイドやモータに対する駆動制御を行う。
また、ランプ制御基板104の入力側には、演出ボタン装置18の演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン装置19の選択ボタン検出スイッチ19aに接続されている。ランプ制御基板104は、演出ボタン検出信号や選択ボタン検出信号が入力すると、それぞれを演出制御基板102に出力する。すなわち、ランプ制御基板104は、演出制御基板102と演出ボタン装置18及び選択ボタン装置19との間で演出ボタン検出信号及び選択ボタン検出信号を中継する。
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置14に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を生成し、画像表示装置14に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置15に出力させる音声に係る音声信号を生成し、音声出力装置15に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
画像制御基板105の統括部105Aは、画像表示装置14による画像表示制御を行うため統括CPU105Aa、統括ROM105Ab、及び、統括RAM105Acを備えている。
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御に係るコマンドを受信すると、該コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像表示装置14に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置15から出力させる音声の指示を出す。
統括RAM105Acは、統括CPU105Aaの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、統括ROM105Abから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、統括ROM105Abは、マスクROMで構成されており、統括ROM105Abの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、画像による演出の具体的な内容を構成するアニメーションを表示するにあたり参照され、アニメパターンにはアニメシーン情報や各アニメシーンの表示順序等に関連付けられている。なお、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、描画のためのパラメータ(スプライトの表示位置、表示倍率、透過率等)、描画方法、画像表示装置14の輝度のパラメータとなるデューティー比等などの各種情報が含まれている。
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成される描画データを一時的に記憶するフレームバッファ等を有するVRAM105Bcを備えている。
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像表示装置14に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクタ、及び台詞等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合されて(重ね合わされて)構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
CGROM105Bbは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
また、CGROM105Bbは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。なお、CGROM105Bbは、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
また、画像生成部105Bは、水晶発振器を有している。水晶発振器は、VDP105Baにパルス信号を出力する。VDP105Baは、このパルス信号を分周することで、画像表示装置14と同期を図るための同期信号(水平同期信号・垂直同期信号)を生成し、画像表示装置14に出力する。
次に、図5〜図14を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5(a−1)、図5(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、特別図柄抽選を構成するものであり、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定することである。
図5(a−1)は、遊技球の第1始動口6への入球を契機に行われる大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1大当たり判定テーブル」という)である。一方、図5(a−2)は、遊技球の第2始動口7への入球を契機に行われる大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2大当たり判定テーブル」という)である。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(標準値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。後述するように、遊技球が第1始動口6又は第2始動口7に入球することを契機に取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」、「小当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
大当たり判定の結果が「大当たり」であると、当該結果を示す特別図柄の停止表示後に、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放を伴う大当たり遊技が実行される。大当たり判定の結果が「小当たり」であると、当該結果を示す特別図柄の停止表示後に、第1大入賞口8の開放を伴う小当たり遊技が実行される。大当たり判定の結果が「ハズレ」であると、大当たり遊技又は小当たり遊技のいずれも実行されない。
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図5(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出を実行するか否か(リーチ演出の有無)とが一義的に対応付けられて格納されている。後述するように、遊技球が第1始動口6又は第2始動口7に入球することを契機に取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の実行の有無が決定される。
リーチ判定の結果が「リーチ演出を実行する(リーチ演出有り)」であると、特図抽選演出において遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
リーチ演出としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像表示装置14の表示領域140の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で上記の装飾図柄が擬似停止し(演出図柄の一部が擬似的な停止表示を行い)、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「テンパイ」)が発生するリーチ演出がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このテンパイという演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。
リーチ演出においてテンパイが発生した後には、大当たり当選の期待を高める大当たり当選示唆演出が発展的に行われる場合と、行われない場合とがある。また、リーチ演出において、必ずリーチ状態が発生するとは限らない。すなわち、テンパイが発生せずに、遊技者の大当たり当選への期待感を高める所定の演出が行われるリーチ演出もある。なお、大当たり判定の結果が「大当たり」であれば基本的にはほとんどの場合にリーチ演出が行われる。
図6(a)〜図6(c)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、特別図柄抽選を構成するものであり、大当たり判定の結果に基づいて特別図柄表示装置20、21において停止表示する特別図柄の種類(特別図柄の停止表示態様)を決定することである。
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり、小当たり及びハズレ)によって大きく分けられている。すなわち、図6(a)は、大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図6(b)は、大当たり判定の結果が「小当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図6(c)は、大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
これらの各テーブルは、さらに、当該特別図柄判定の契機となる遊技球の入球があった始動口の種類(第1始動口6or第2始動口7)によっても分けられている。大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルがさらにリーチ演出の実行の有無(リーチ判定結果)によっても分けられている。
各特別図柄判定テーブルには、特別図柄判定値と、停止表示される特別図柄とが一義的に対応付けられて格納されている。後述するように、遊技球が第1始動口6又は第2始動口7に入球することを契機に取得された特別図柄判定用乱数を特別図柄判定テーブルに照合することで、停止表示される特別図柄が決定される。停止表示される特別図柄の識別情報として、特図停止データ及び演出図柄指定コマンドが設定されている。
特図停止データは、主制御基板101における処理で用いられ、演出図柄指定コマンドは、演出制御基板102に送信され、演出制御基板102における処理で用いられる。演出図柄指定コマンドは、特別図柄の変動表示の開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)生成されて演出制御基板102に送信される。
演出図柄指定コマンドは、当該特別図柄判定に係る特別図柄の停止表示が行われる特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置20or第2特別図柄表示装置21)を識別するための1バイトのMODEデータと、停止表示される特別図柄を識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。
演出図柄指定コマンドについては、MODEデータが「E1H」であれば、第1特別図柄表示装置20で特別図柄の停止表示が行われることを表し、MODEデータが「E2H」であれば、第2特別図柄表示装置21で特別図柄の停止表示が行われることを表す。なお、MODEデータが「E1H」の演出図柄指定コマンドのことを「第1演出図柄指定コマンド」、MODEデータが「E2H」の演出図柄指定コマンドのことを「第2演出図柄指定コマンド」という。
図7(a)は、大当たり遊技を制御する際に用いられる大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始されてから、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニング指定コマンド、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開閉を制御するために用いるテーブルの種類、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディング指定コマンドが設定されている。これらの大当たり遊技を制御するための条件は、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれの制御条件を用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
図8(a)〜図8(b)及び図9(a)〜図9(b)は、第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。図8(a)は大当たり遊技を構成し、大当たり1及び大当たり5(図6(a)参照)に対応する第1大当たり遊技において参照されるテーブル、図8(b)は大当たり遊技を構成し、大当たり2(図6(a)参照)に対応する第2大当たり遊技において参照されるテーブル、図9(a)は大当たり遊技を構成し、大当たり3(図6(a)参照)に対応する第3大当たり遊技において参照されるテーブル、図9(b)は大当たり遊技を構成し、大当たり4(図6(a)参照)に対応する第4大当たり遊技において参照されるテーブルである。
大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、大当たり遊技時の第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉を制御するための条件が格納されている。第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開放(第1大入賞口制御装置80の作動及び第2大入賞口制御装置90の作動)番号である特電作動番号(K)、及び、第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
図7(b)は、小当たり遊技を制御する際に用いられる小当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。
小当たり遊技制御テーブルには、小当たり遊技を制御するための条件が格納されている。小当たり遊技を制御するための条件として、小当たり遊技が開始されてから、第1大入賞口8の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニング指定コマンド、第1大入賞口8の開閉を制御するために用いるテーブルの種類、第1大入賞口8の最後の開放が終了してから、小当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディング指定コマンドが設定されている。これらの小当たり遊技を制御するための条件は、小当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止データ)に関連付けられている。すなわち、小当たり遊技の際に、いずれの制御条件を用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
図9(c)は、第1大入賞口8の開閉を制御する際に用いる小当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。小当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、小当たり遊技時の第1大入賞口8の開閉を制御するための条件が格納されている。第1大入賞口8の開閉を制御するための条件として、第1大入賞口8の開放(第1大入賞口制御装置80の作動)番号である特電作動番号(K)、及び、第1大入賞口8の開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
図10は、特別遊技後の遊技状態及び特定期間を決定する際に参照する特別遊技後判定テーブルの一例を示す図である。特別遊技後判定テーブルは、大当たりの当選確率(低確率状態/高確率状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(特図停止データ)と特定領域通過フラグのON/OFFとの組み合わせと、特別遊技が終了する際に設定する遊技状態及び特定期間とが一義的に対応付けられて格納されている。
特別遊技後判定テーブルにおける高確率フラグがONであれば、当該特別遊技後に大当たりの当選確率が高確率(高確率状態)に設定され、高確率フラグがOFFであれば、当該特別遊技後に大当たりの当選確率が低確率(低確率状態)に設定される。一方、特別遊技後判定テーブルにおける時短フラグがONであれば、当該特別遊技後に始動口入賞容易性が時短状態に設定され、時短フラグがOFFであれば、当該特別遊技後に始動口入賞容易性が非時短状態に設定される。
特定期間とは、大当たり当選及び小当たり当選を契機に当該特別遊技後から所定期間設定される特別な期間である。特定期間の設定可否及びその種類も、特別図柄の種類(特図停止データ)と特定領域通過フラグのON/OFFとの組み合わせに一義的に関連付けられて格納されている。
さらに、特別遊技後判定テーブルには、特別遊技後に設定される高確率状態並びに時短状態及び特定期間によって実行可能な特別図柄の変動表示の回数(Xa、Ja、Ta:以下、「実行可能回数」という)も特別図柄の種類(特図停止データ)と特定領域通過フラグのON/OFFとの組み合わせに一義的に関連付けられて格納されている。特別図柄表示の実行可能回数とは、新たに設定された遊技状態及び特定期間による特別図柄の変動表示の規定回数を意味する。
(特別図柄の変動パターン判定テーブル)
図11〜図13は、特別図柄の変動表示の態様(以下、「特図変動パターン」という)を決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。特図変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)及び特別図柄の変動表示が行われている間行われる演出である変動演出の演出内容が関連付けられている。なお、特図変動パターンは、第1特別図柄表示装置20において表示される第1特別図柄の変動表示の態様である第1特図変動パターンと、第2特別図柄表示装置21において表示される第2特別図柄の変動表示の態様である第2特図変動パターンとで区別される。
図11は、通常遊技状態(通常期間)において特図変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図、図12は、後述する高確率状態且つ時短状態である第1特定期間及び低確率状態且つ時短状態である第2特定期間において特図変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図、図13は、低確率状態且つ非時短状態における特別図柄抽選で発生した小当たり遊技後の低確率状態且つ非時短状態である第3特定期間において特図変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、期間の種類によって大きく分けられている。
特図変動パターン判定テーブルは、さらに、特別図柄判定の結果及び特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別などが反映された特図停止データ及び特図保留個数(U1またはU2)によって分けられている。
各テーブルにおいて、特図変動パターン判定値と、一又は複数の特図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。後述するように、遊技球が第1始動口6又は第2始動口7に入球することを契機に取得された特図変動パターン判定用乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合することで、特図変動パターンが決定される。
特図変動パターンは、各テーブルにおいて予め設定された所定の確率で割り振られているため、特図変動パターンには大当たり当選の期待度や特定の大当たり当選(例えば、大当たり1、大当たり2等)の期待度が対応付けられていることになる。
特図変動パターンは、遊技球の始動口6、7への入球時に(ステップS200の入力制御処理時に)第1事前判定(ステップS236)又は第2事前判定(ステップS246)によって決定されると共に、特別図柄の変動表示開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)特図変動パターン判定(ステップS313−3)によって決定される。
なお、各特図変動パターンに対応して始動口入賞指定コマンド及び特図変動パターン指定コマンドが設定されている。始動口入賞指定コマンドは第1事前判定又は第2事前判定によって決定された特図変動パターンに対応し、第1事前判定又は第2事前判定後に演出制御基板102に送信される。特図変動パターン指定コマンドは特図変動パターン判定によって決定された特図変動パターンに対応し、特図変動パターン判定後に演出制御基板102に送信される。
特図変動パターン指定コマンドは、当該特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示が行われる特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置20or第2特別図柄表示装置21)を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。特図変動パターン指定コマンドについては、MODEデータが「E6H」であれば、第1特別図柄表示装置20で特別図柄の変動表示が行われることを表し、MODEデータが「E7H」であれば、第2特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示が行われることを表す。
なお、MODEデータが「E6H」の特図変動パターン指定コマンドのことを「第1特図変動パターン指定コマンド」、MODEデータが「E7H」の特図変動パターン指定コマンドのことを「第2特図変動パターン指定コマンド」という。
始動口入賞指定コマンドは、始動口の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。始動口入賞指定コマンドについては、MODEデータが「E3H」であれば、第1始動口6に遊技球が入球したことを表し、MODEデータが「E4H」であれば、第2始動口7に遊技球が入球したことを表す。なお、MODEデータが「E3H」の始動口入賞指定コマンドのことを「第1始動口入賞指定コマンド」、MODEデータが「E4H」の始動口入賞指定コマンドのことを「第2始動口入賞指定コマンド」という。
図14(a)〜図14(f)は、入賞ゲート10への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
図14(a)は、当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、第2始動口7の開放を伴う補助遊技を実行するか否かを判定することである。当たり判定は、後述するように、遊技球の入賞ゲート10の通過に基づいて取得された当たり判定用乱数に基づいて行われる。
当たり判定テーブルは、始動口入賞容易性によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられている。
各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口7の開放を伴う補助遊技が実行される。
図14(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、普通図柄表示装置22において停止表示される普通図柄を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって分けられている。
各普通図柄判定テーブルには、普通図柄判定値と、停止表示される普通図柄とが一義的に対応付けられて格納されている。後述するように、遊技球が入賞ゲート10を通過することを契機に取得される普通図柄判定用乱数を普通図柄判定テーブルに照合することで、停止表示される普通図柄が決定される。停止表示される普通図柄の識別情報として、普図停止図柄データ及び普通演出図柄指定コマンドが設定されている。
普通停止図柄データは、主制御基板101における処理で用いられ、普通演出図柄指定コマンドは、演出制御基板102に送信され、演出制御基板102おける処理で用いられる。
図14(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルとで構成されている。
各テーブルにおいて、普図変動パターン判定値と、一又は複数の普図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。後述するように、遊技球が入賞ゲート10を通過することを契機に取得される普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。
普図変動パターンに対応して普図変動パターン指定コマンドが設定されている。普図変動パターン判定後に演出制御基板102に送信される。演出制御基板102を普図変動パターン指定コマンドを受信することで、これから普通図柄の変動表示が開始されること、及び、当該普通図柄の変動表示に係る普通図柄判定の判定結果を認識することができる。
普図変動パターン指定コマンドは、現在の始動口入賞容易性に係る遊技状態を識別するための1バイトのMODEデータと、普図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。普図変動パターン指定コマンドについては、MODEデータが「D6H」であれば、非時短状態であることを表し、MODEデータが「D7H」であれば、時短状態であることを表す。
図14(d)は、補助遊技参照データ判定テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を行う際に参照されるデータ(補助遊技参照データ)が格納されている。図14(d)に示す様に、補助遊技参照データ判定テーブルには、現在の始動口入賞容易性と普図停止図柄データとの組み合わせと、補助遊技参照データとが対応付けられている。すなわち、補助遊技参照データは、当該普通図柄判定が行われた際の始動口入賞容易性状態及び当該普通図柄判定の結果に関する情報を有する。
図14(e)は、補助遊技を制御する際に用いられる補助遊技制御テーブルの一例を示す図である。
補助遊技制御テーブルには、補助遊技を制御するための条件が格納されている。補助遊技を制御するための条件として、補助遊技が開始されてから、第2始動口7の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニング指定コマンド、第2始動口7の開閉を制御するために用いるテーブルの種類、第2始動口7の最後の開放が終了してから、補助遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディング指定コマンドが設定されている。これらの補助遊技を制御するための条件は、補助遊技参照データに関連付けられている。
図14(f)は、第2始動口7の開閉を制御する際に用いる補助遊技用の第2始動口開閉制御テーブルの一例を示す図である。補助遊技用の第2始動口開閉制御テーブルには、補助遊技時の第2始動口7の開閉を制御するための条件が格納されている。第2始動口7の開閉を制御するための条件として、補助遊技における第2始動口7の開放(第2始動口制御装置70の作動)番号である普電作動番号(D)、及び、第2始動口7の開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
(特別遊技の種類の説明)
特別遊技について説明する。本実施の形態においては、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放(第1大入賞口制御装置80又は第2大入賞口制御装置90の作動)を伴う特別遊技は、「大当たり」に当選した際に実行される「大当たり遊技」と、「小当たり」に当選した際に実行される「小当たり遊技」とで構成されている。大当たり遊技は、主に第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開閉態様の相違によって「第1大当たり遊技」、「第2大当たり遊技」、「第3大当たり遊技」、及び、「第4大当たり遊技」に分けられる。
大当たり遊技では、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の1回以上の開放を伴うラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入球できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が最大開放回数開放していなくても第1大入賞口8又は第2大入賞口9が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても第1大入賞口8又は第2大入賞口9が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における第1大入賞口8又は第2大入賞口9の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、遊技条件として、大当たり当選確率と始動口入賞容易性が設定されている。大当たりの当選確率については、低確率状態又は高確率状態のもとで遊技が進行し、遊技球の始動口入賞容易性については時短状態又は非時短状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、低確率状態且つ非時短状態に設定されており、この低確率状態且つ非時短状態を基準として通常遊技状態と称する。
本実施形態において大当たり当選確率についての低確率状態とは、大当たり判定における大当たり当選確率が、1/350と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。これに対して高確率状態とは、大当たり当選確率が低確率状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/80に設定されていることである。したがって、大当たり当選確率が高確率状態のときは、低確率状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
非時短状態とは、始動口入賞容易性が通常の状態である。具体的には、非時短状態では、普図変動時間が、15秒に設定され、当たり判定において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)の合計が0.2秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口7が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
これに対して時短状態とは、非時短状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口7の開放時間(第2始動口制御装置70の作動時間)が長く、第2始動口7が開放態様になり易い遊技状態のことをいう。始動口入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄判定の実行可能回数が多くなる。同一の大当たり当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄判定の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、時短状態は非時短状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
上述したように、本実施の形態では、時短状態では、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口7の最大開放時間の合計が5.2秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される。すなわち、始動口入賞容易性の構成要素全てについて非時短状態より遊技者に有利に設定されている。なお、時短状態では、第2始動口7は1.0秒間の閉鎖(インターバル)を介して2回開放しているが、当該閉鎖がなく、1回開放するだけでも良い。また、閉鎖が複数回設けられていても良い。
なお、本実施の形態では、始動口6、7に遊技球が入球すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル32の操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、時短状態のときは、非時短状態に比して第2始動口7への入球が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも時短状態は非時短状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
なお、大当たり当選すると、当該大当たり遊技前の状態に関わらず当該大当たり遊技が開始する際に通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技中は、低確率状態且つ非時短状態になる。一方、小当たりに当選しても、遊技条件は変動しない。すなわち、小当たり当選時の遊技状態は当該小当たり遊技中も当該小当たり遊技後もそのまま継続される。
(主制御基板のメイン処理)
図16を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS10において、メインCPU101aは、メインRAM101cの使用領域をクリアし、初期化時に初期値を必要とするメインRAM101cの作業領域に初期値を設定し、バックアップが有効でない場合のメインRAM101cの設定処理を行うと共に、メインCPU101aの周辺のデバイスの初期設定を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための特図変動用乱数の更新を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図17を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口7の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、当たり判定用乱数で構成される特定乱数の更新を行う。
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数を更新する初期値乱数更新処理を行う。
なお、各種の乱数の更新については、乱数の種別毎に設けられた乱数カウンタを「1」加算することで、乱数の更新を行う。各種の乱数には乱数範囲が設けられている。乱数範囲は、「0」から、その乱数に定められた最大値までとなっている。そして、乱数の更新において、乱数カウンタが示す乱数が乱数範囲の最大値である場合、乱数カウンタを「1」加算せずに「0」に戻し、その時の初期値乱数からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図18〜図21を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、第1大入賞口制御装置80及び第2大入賞口制御装置90の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄係処理)を行う。詳しくは、図22〜図31を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置22、普通図柄保留表示装置25、第2始動口制御装置70の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。詳しくは、図32〜図36を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口6、第2始動口7)、第1大入賞口8、第2大入賞口9、及び、一般入賞口11に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、所定の遊技情報を外部信号として遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力データを作成する外部信号出力データ作成処理を行う。
また、ステップS600において、メインCPU101aは、第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口開閉ソレノイド80B及び第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)を作成する駆動制御データ作成処理を行う。さらに、ステップS600において、メインCPU101aは、図柄表示装置20、21、22や保留表示装置23、24、25に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)を作成する表示制御データ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部信号出力データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理が行われる。次いで、図柄表示装置20、21、22及び保留表示装置23、24、25の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図18を用いて、入力制御処理を説明する。まず、ステップS210において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから一般入賞口検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口11に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力していない場合には、ステップS220に処理を移す。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS220において、メインCPU101aは、大入賞口検出センサ8aからの大入賞口検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力していない場合には、ステップS230に処理を移す。メインCPU101aは、大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aからの第1始動口検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口6に入球したか否かを判定する。詳細は、図19(a)を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aからの第2始動口検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口7に入球したか否かを判定する。詳細は、図19(b)を用いて後述する。
ステップS250において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ10aからの入賞ゲート検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート10を通過したか否かを判定する。詳細は、図20を用いて後述する。
ステップS260において、メインCPU101aは、特定領域検出センサ12aからの特定領域検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が特定領域12に入賞したか否かを判定する。詳細は、図21を用いて後述する。
次に、図19(a)を用いて第1始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出信号が入力しか否かを判定する。第1始動口検出信号が入力していないと判定すれば当該処理を終了し、第1始動口検出信号が入力したと判定すれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入球フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特図保留数(U1)を計数する第1特図保留数カウンタのカウンタ値が4(上限値)より小さいか否かを判定する。メインCPU101aは、カウンタ値(U1)が4より小さくないと判定すれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さいと判定すれば、ステップS234において第1特図保留数カウンタのカウンタ値を「1」加算して更新する。また、ステップS234において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留表示装置23に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS235において、大当たり判定用乱数カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタ及び特図変動パターン判定用乱数カウンタが示すそれぞれの乱数を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。
第1特別図柄保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図14(a)参照)、各種の乱数は、乱数が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。なお、各記憶部は、記憶される乱数毎に領域が分けられている(図14(b)参照)。
メインCPU101aは、ステップS236において、遊技球の第1始動口6への入球に基づく第1事前判定を行う。ここで、第1事前判定について説明する。
具体的には、第1事前判定において、第1特別図柄保留記憶領域で記憶されている大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数に基づいて、第1特図変動パターンを判定する。すなわち、メインCPU101aは、特図変動パターン判定処理(S313)を行う前に第1事前判定として第1特図変動パターンを判定する。
そして、メインCPU101aは、ステップS237において、第1事前判定で決定した第1特図変動パターンに対応する第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次いで、図19(b)を用いて、第2始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出信号が入力したか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口検出信号が入力していないと判定すれば当該処理を終了し、第2始動口検出信号が入力したと判定すれば、ステップS242に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS242おいて、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入球規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入球フラグをONする。第2始動口入球規定カウンタは、1回の補助遊技における第2始動口7への入賞個数を計数する。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する遊技球の第2始動口7への入球個数が制限されているからである。
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特図保留数(U2)を計数する第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値が4(上限値)より小さいか否かを判定する。メインCPU101aは、カウンタ値(U2)が4より小さくないと判定すれば当該処理を終了し、第2特図保留数(U2)が4より小さいと判定すれば、ステップS244に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS244において、第2特図保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。また、メインCPU101aは、ステップS244において、第2特別図柄保留表示装置24に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS245において、大当たり判定用乱数カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタ及び特図変動パターン判定用乱数カウンタが示すそれぞれの乱数値を第2特別図柄保留記憶領域に記憶する。
なお、第2特別図柄保留記憶領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図14(a)参照)、各種の乱数は乱数が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。なお、各記憶部は、記憶される乱数毎に領域が分けられている(図14(b)参照)。
そして、メインCPU101aは、ステップS246において第2始動口7への入球に基づく第2事前判定を行う。ここで、第2事前判定について説明する。
具体的には、第2事前判定において、第2特別図柄保留記憶領域で記憶されている大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数に基づいて、第2特図変動パターンを判定する。すなわち、メインCPU101aは、特図変動パターン判定処理(S313)を行う前に第2事前判定として第2特図変動パターンを判定する。
そして、メインCPU101aは、ステップS247において、第2事前判定で決定した第2特図変動パターンに対応する第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次に、図20を用いて入賞ゲート検出信号入力処理について説明する。ステップS251において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出信号が入力したか否かを判定する。メインCPU101aは、入賞ゲート検出信号が入力していないと判定すれば当該処理を終了し、入賞ゲート検出信号が入力したと判定すれば、ステップS252に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS252において、普図保留数(G)を計数する普通図柄保留数カウンタのカウンタ値が4(上限値)より小さいか否かを判定する。メインCPU101aは、カウンタ値(G)が4より小さくないと判定すれば当該処理を終了し、カウンタ値(G)が4より小さいと判定すれば、ステップS253に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS253において普図保留数カウンタのカウンタ値(G)を「1」加算して更新する。また、メインCPU101aは、ステップS253において、普通図柄保留表示装置25に表示される普図保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS254において当たり判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ及び普図変動パターン判定用乱数カウンタが示すそれぞれの乱数を普通図柄保留記憶領域に記憶し、当該入賞ゲート検出信号入力処理を終了する。
普通図柄保留記憶領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図14(c)参照)、各種の乱数は、乱数が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。なお、各記憶部は、記憶される乱数毎に領域が分けられている(図14(d)参照)。
次に、図21を用いて特定領域検出信号入力処理について説明する。ステップS261において、メインCPU101aは、特定領域検出信号が入力したか否かを判定する。メインCPU101aは、特定領域検出信号が入力していないと判定すれば当該処理を終了し、特定領域検出信号が入力したと判定すれば、ステップS262に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS262において、現在大当たり遊技中であるか否か、すなわち、後述する特図特電処理データ=3であるか否かを判定する。メインCPU101aは、現在大当たり遊技中ではないと判定するとステップS265に処理を移し、現在大当たり遊技中であると判定すると、ステップS263に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS263おいてメインRAM101cの高確率状態指定フラグに高確率状態指定フラグをONし、ステップS264においてメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に大当たり中特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
高確率状態指定フラグがONされていることは、大当たり遊技中に遊技球が特定領域12を通過したことを意味する。後述するように、高確率状態指定フラグがONされていることに基づいて、当該大当たり遊技の際に高確率状態が設定される。
サブCPU102aは、ステップS265において、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に大当たり外特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
図22を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当たり遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。詳しくは、図23〜図31を用いて後述する。
図23を用いて、特別図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中と判定すれば、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中ではないと判定すれば、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判定する。第2特図保留数(U2)が1以上ではないと判定すると、ステップS310−4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判定すると、ステップS310−3に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS310−3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
例えば、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の特別図柄当該記憶領域(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数値が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
一方、ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判定する。メインCPU101aは、ステップS310−4において、第1特図保留数(U1)が1以上であると判定すると、ステップS310−5に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS310−5において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
例えば、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、特別図柄当該記憶領域(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数値が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
なお、ステップS310−6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する特別図柄保留表示装置23、24の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
また、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄保留記憶領域を第1特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、遊技球が始動口に入球した順序で、第1特別図柄保留記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄保留記憶領域を第2特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS310−4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には、ステップS319−1〜ステップS319−3に処理を移し、客待ち状態を設定するための客待ち状態設定処理を行う。客待ち状態とは、特別図柄の変動表示及び特別遊技が実行されていない状態のことをいう。
メインCPU101aは、客待ち状態設定処理として、最初に、ステップS319−1において、客待ち状態判定フラグ記憶領域に客待ち状態判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。メインCPU101aは、客待ち状態判定フラグ記憶領域に客待ち状態判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、客待ち状態判定フラグ記憶領域に客待ち状態判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU101aは、客待ち状態が繰り返し重複して設定されないために、客待ち状態判定フラグ記憶領域に客待ち状態判定フラグ「01H」をセットする。
ステップS319−3において、メインCPU101aは、客待ち状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
ここで、図24を用いて、大当たり判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS311−1において、当該大当たり判定処理が、遊技球の第1始動口6への入球に基づいて行われるものであるかを判定する。
メインCPU101a、ステップS311−1において、第1始動口6であると判定すると、ステップS311−2において、第1特別図柄用大当たり判定テーブルを選択する。一方、メインCPU101a、ステップS311−1において第1始動口6ではない(第2始動口7である)と判定すると、ステップS311−3において、第2特別図柄用大当たり判定テーブルを選択する。
次に、ステップS311−4において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在の大当たり当選確率について高確率状態であるということである。
メインCPU101aは、ステップS311−4において、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていると判定すると、ステップS311−5において、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
一方、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判定すると、ステップS311−6において、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
ステップS311−7において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率用大当たり判定テーブル」または「低確率用大当たり判定テーブル」に照合して、「大当たり」、「小当たり」又は「ハズレ」のいずれであるかを決定し、当該大当たり判定処理を終了する。
メインCPU101aは、大当たり判定処理が終了したら、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS312において特別図柄判定処理を行う。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄が決定される。ここで、図25を用いて特別図柄判定処理を説明する。
まず、メインCPU101aは、ステップS312−1において、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312−5において、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312−2に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS312−2において、当該大当たり判定の結果が「小当たり」であるか否かを判定する。ここで「小当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312−6において、小当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「小当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312−3に処理を移す。
ステップS312−3において、メインCPU101aは、リーチ判定を行う。具体的には、上記ステップS310−6でシフトされて第0記憶部にあるリーチ判定用乱数値をリーチ判定テーブルに照合する。
ステップS312−4においてメインCPU101aは、上記ステップS312−3におけるリーチ判定の結果、「リーチ有り」と判定されたか否かを判定する。「リーチ有り」と判定された場合には、ステップS312−7に処理を移し、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」と判定された場合には、ステップS312−8に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
メインCPU101aは、ステップS312−9において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされているフラグに基づいて当該処理に係る始動口を確認し(第1始動口6 or 第2始動口7)、ステップS312−10において始動口の種類に基づいて、第1始動口用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
ステップS312−11において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。
そして、ステップS312−12において、ステップS312−11での特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次いで、メインCPU101aは、ステップS312−13において、ステップS312−11での特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
決定された特図停止データは、後述するように図26の特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、図28の特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」又は「小当たり特別図柄」等を判断する際、図29の大当たり遊技処理又は図27の小当たり遊技処理において第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉態様を決定する際にも用いられる。
ステップS312−14において、メインCPU101aは、現在の遊技状態を示す遊技状態データをメインRAM101cの遊技状態バッファにセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。遊技状態データは、現在が低確率状態且つ非時短状態であれば遊技状態データ1(=01H)となり、高確率状態且つ非時短状態であれば遊技状態データ2(=02H)となり、低確率状態且つ時短状態であれば遊技状態データ3(=03H)となり、高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態データ4(=04H)となる。
上記のようにして特別図柄判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS313において、特図変動パターン判定処理を行う。特図変動パターン判定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、特図変動時間及び後述する変動演出の演出種別等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
図26を用いて、特図変動パターン判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS313−1において、遊技状態が関連付けられている期間の種類を確認し、期間に応じた特図変動パターン判定テーブルを選択する。上述したように、遊技状態に関連付けられた期間が設定されており、期間に応じて特図変動パターン判定テーブルが設けられている(図11〜図13参照)。
メインCPU101aは、ステップS313−2において、メインRAM101cに記憶されている特図停止データを確認し、特図停止データに基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、期間の種類によって分けられた特図変動パターン判定テーブルは、さらに特図停止データによって分けられているからである。
なお、特図停止データが「19H」又は「29H」の場合、すなわち、特別図柄抽選の結果がリーチ無しハズレである場合は、さらに当該特図変動パターン判定処理に係る特図保留数(U1orU2)にも基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、リーチ無しハズレに係る特図変動パターン判定テーブルが特図保留数によっても分けられているからである。
特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU101aは、ステップS313−3において、特図変動パターン判定を行う。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合し、特図変動パターンを決定する。
メインCPU101aは、特図変動パターンを決定すると、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310−7において、特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。特図変動パターン指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102はこのコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、最終的には特図変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出の内容に関連付けられた変動演出パターンを決定する。
メインCPU101aは、ステップS310−8において、当該特別図柄の変動表示開始時における遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
そして、メインCPU101aは、ステップS310−9において、当該特図変動パターンに対応付けられた特図変動時間(図11〜図13参照)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
メインCPU101aは、ステップS310−10において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットする。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
メインCPU101aは、ステップS310−11において、客待ち状態判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする、すなわち、客待ち状態判定フラグ記憶領域をクリアし、ステップS310−12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図27を用いて、特別図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS320−1において、ステップS310−9において、特別図柄の変動表示が終了するか否か、換言すれば、セットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)を判定する。その結果、特別図柄の変動表示が終了しないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、特別図柄の変動表示が終了すると判定した場合には、ステップS320−2において、演出制御基板102に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために特別演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS320−3において、特別図柄表示装置20、21に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312−13でセットされた特図停止データに基づいて特図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。ステップS320−4において、メインCPU101aは、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」という。例えば、0.5秒)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。また、特図停止時間は、0.5秒と一様に設定されているが、例えば遊技状態に応じて異なる時間に設定することもできる。
そして、メインCPU101aは、ステップS320−5において、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320−6において第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
図28を用いて、特別図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、まず、最初に、ステップS330−1において、特別図柄の停止表示が終了するか否か、換言すれば、ステップS320−4で特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、特別図柄の停止表示が終了しないと判定した場合には、当該特別図柄停止処理を終了し、特別図柄の停止表示が終了すると判定した場合には、ステップS330−2に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−2において、時短フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、時短状態であることを意味する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU101aは、時短状態による特別図柄の変動表示の残り回数(J:以下「時短状態残り回数」という)を示す時短状態の残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J−1)を、時短状態残り回数(J)として記憶する。
ステップS330−4において、メインCPU101aは、時短状態残り回数(J)=0か否かを判定する。時短状態残り回数(J)=0であれば、ステップS330−5に処理を移し、時短状態残り回数(J)=0でなければ、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−5において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記時短状態残り回数(J)が「0」になるということは、時短状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Ja)行われ、「時短」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−6において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、高確率状態であることを意味する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU101aは、高確率状態による特別図柄の変動表示の残り回数(X:以下、「高確率状態残り回数」という)を示す高確率状態残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X−1)を、新たな高確率状態残り回数(X)として記憶する。
ステップS330−8において、メインCPU101aは、高確率状態残り回数(X)=0か否かを判定する。高確率状態残り回数(X)=0であれば、ステップS330−9に処理を移し、高確率状態残り回数(X)=0でなければ、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記高確率状態残り回数(X)が「0」になるということは、高確率状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Xa)行われ、「高確率」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−10において、メインCPU101aは、期間特定フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。期間特定フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、特別遊技後の特定期間であることを意味する。期間特定フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−11に処理を移し、期間特定フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−14に処理を移す。
ステップS330−11において、メインCPU101aは、当該特定期間に移行した後、特別図柄の変動表示が実行された回数(T:以下、「特定期間実行回数」という)を示す特定期間実行回数カウンタのカウンタ値を「1」を減算した演算値(T―1)を、新たな特定期間残り回数(T)として記憶する。
ステップS330−12において、メインCPU101aは、特定期間実行回数(T)=所定値であるか否かを判定する。特定期間実行回数(T)=所定値であれば、ステップS330−13に処理を移し、特定期間実行回数(T)=所定値でなければ、ステップS330−14に処理を移す。なお、当該所定値は、特定期間の種類に応じて予め設定されている。
ステップS330−13において、メインCPU101aは、特定期間クリア処理を行う。具体的には、メインCPU101aは、期間特定フラグをOFFすると共に、特定期間実行回数カウンタのカウンタ値をクリア(=0)にする。
ステップS330−14において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、該遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−15において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止データ記憶領域に記憶されている特図停止データが大当たり特別図柄(特図停止データ=11〜14、21)に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330−18に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−16に処理を移す。
ステップS330−16において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「小当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止データ記憶領域に記憶されている特図停止データが小当たり特別図柄(特図停止データ=16)に係るものであるか否かを判定する。ここで、小当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330−21に処理を移し、小当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−17に処理を移す。
ステップS330−17において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図23に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−18において、特図特電処理データに3をセットし、ステップS330−19において、大当たり遊技前クリア処理を行う。メインCPU101aは、大当たり遊技前クリア処理では、遊技条件フラグ記憶領域(時短フラグ記憶領域及び高確率フラグ記憶領域)、高確率状態の残り変動回数カウンタ、時短状態の残り変動回数カウンタ、及び、期間特定フラグ記憶領域並びに特定期間の残り変動回数カウンタをクリアする。
メインCPU101aは、ステップS330−20において、特図停止データに応じたオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU101a、特図停止データに応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS330−21において、メインCPU101aは、特図特電処理データに4をセットし、ステップS330−20に処理を移す。
図29を用いて、大当たり遊技処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS340−1において、現在オープニング中であるか否かを判定する。ここでいうオープニングとは、大当たり遊技が開始されてから第1ラウンド遊技(第1大入賞口8又は第2大入賞口9の最初の開放)が開始するまでの期間のことをいう。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、ステップS340−6に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0であると、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、設定されたオープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU101aは、大当たり遊技開始処理を行う。具体的には、特図停止データに応じて、いずれの大当たりであるかを確認し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択すると共に、メインRAM101cの所定領域にセットする。具体的には、特図停止データに応じて、第1大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル〜第4大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルをメインRAM101cの所定領域にセットする。次に、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))に「1」を加算して記憶する。なお、ステップS340−3の時点ではラウンド遊技が1回も実行されていないので、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域には「1」を記憶することとなる。
ステップS340−4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。具体的には、特電作動番号記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、メインCPU101aは、第1大入賞口開閉ソレノイド80B又は第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを通電して第1大入賞口8又は第2大入賞口9を開放するために、大入賞口開閉ソレノイド通電開始データをメインRAM101cの所定領域にセットする。ここで、メインCPU101aは、ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、ラウンド番号(R)及び特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放時間(第1大入賞口制御装置80又は第2大入賞口制御装置90の作動時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS340−5において、メインCPU101aは、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。具体的には、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板102に送信するためである。例えば、第1大当たり遊技の1回目のラウンド遊技の1回目の開放時においては、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」がセットされ、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされているので、第1ラウンド遊技を示すラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされていない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、当該大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンド遊技の開始を意味するので、メインCPU101aは、ラウンドの開始時にのみ、ラウンド指定コマンドを送信する。なお、演出制御基板102がラウンド指定コマンドを受信すると、例えば「ROUND1」といった具合に演出用の表示が画像表示装置14にて行われる。
ステップS340−6において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後(第1大入賞口8又は第2大入賞口9の最後の開放が終了して)から当該大当たり遊技が終了するまでの期間のことをいう。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS340−17に処理を移し、エンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS340−7に処理を移す。
ステップS340−7において、メインCPU101aは、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が開放中であるか否か、すなわち、第1大入賞口制御装置80又は第2大入賞口制御装置90が作動中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が開放中であると判定した場合には、ステップS340−8において、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値がラウンド遊技における規定個数(例えば9個)に達したこと、又は、最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用されている。そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−9において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口8又は第2大入賞口9を閉鎖するために第1大入賞口開閉ソレノイド80B又は第2大入賞口開閉ソレノイド90Bの通電停止データをサブRAM102cの所定領域にセットするとともに、上記ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在のラウンド番号(R)および特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が閉鎖することになる。
ステップS340−10において、メインCPU101aは、1回のラウンド遊技が終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンド遊技は、特電作動番号(K)が当該ラウンド遊技において設定された開放回数となること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。そして、1回のラウンド遊技が終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には、当該大当たり遊技処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS340−7において、第1大入賞口8又は第2大入賞口9が開放中ではないと判定した場合には、ステップS340−11において、予め設定された閉鎖時間が経過したか否かを判断する。その結果、閉鎖時間が経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS340−4に処理を移す。
ステップS340−12において、メインCPU101aは、リセット処理を行う。具体的には、特電作動番号記憶領域をクリアすると共に、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値をクリアする。
ステップS340−13において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶された値(ラウンド番号(R))が当該大当たり遊技で実行されるラウンド遊技回数であるか否かを判定する。メインCPU101aは「Yes」と判定する場合には、ステップS340−15に処理を移し、「No」と判定する場合には、ステップS340−14に処理を移す。
ステップS340−14において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている現在のラウンド番号(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS340−15において、メインCPU101aは、大当たり遊技終了処理を行う。具体的には、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されたラウンド番号(R)をリセットする。
ステップS340−16において、メインCPU101aは、エンディング処理を行う。具体的には、特図停止データに応じて、大当たりの種類を確認し、演出制御基板102に送信する大当たりの種類に対応付けられたエンディング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、メインCPU101aは、大当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS340−17において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS340−18に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−18において、メインCPU101aは、特図特電処理データに5をセットし、図31に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。
図30を用いて、小当たり遊技処理を説明する。まず、ステップS350−1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS350−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、ステップS350−5に処理を移す。
ステップS350−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS350−3に処理を移す。
ステップS350−3において、メインCPU101aは、小当たり遊技開始処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特図停止データに基づいて、小当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択し、小当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルを決定する。
ステップS350−4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず特電作動番号記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、第1大入賞口8を開放するために第1大入賞口開閉ソレノイド80Bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップ350−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在の特電作動番号(K)に基づいた第1大入賞口8の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットし、当該小当たり遊技を終了する。
ステップS350−5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、最後の第1大入賞口8の開放が終了してから当該小当たり遊技が終了するまでの期間のこという。したがって、メインCPU101aは、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS350−13に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS350−6に処理が移す。
ステップS350−6において、メインCPU101aは、第1大入賞口8が開放中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第1大入賞口8が開放中ではないと判定した場合には、ステップS350−10に処理を移し、第1大入賞口8が開放中であると判定した場合には、ステップS350−7において、第1大入賞口8の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したこと、または第1大入賞口8の1回の開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU101aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS350−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS350−8において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理では、第1大入賞口8を閉鎖するために第1大入賞口開閉ソレノイド80Bの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ350−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在の特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口8の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第1大入賞口8が閉鎖することになる。
ステップS350−9において、メインCPU101aは、小当たり遊技終了条件が成立したか否かを判定する。小当たり遊技終了条件とは、特電作動番号(K)が予め設定された第1大入賞口8の開放回数になること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことである。そして、メインCPU101aは、小当たり遊技終了条件が成立したと判定した場合にはステップS350−11に処理を移し、小当たり遊技終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS350−11において、小当たり遊技終了処理として、特電作動番号記憶領域に「0」をセットするとともに、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)に「0」をセットする。すなわち、特電作動番号記憶領域及びラウンド入賞カウンタをクリアする。
ステップS350−12において、メインCPU101aは、特図停止データに基づいて、小当たりの種類に応じたエンディング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、小当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
メインCPU101aは、ステップS350−10において、ステップS350−8で設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU101aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には、ステップS350−4に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS350−13において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS350−14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS350−14において、メインCPU101aは、特図特電処理データに「0」をセットする。
図31を用いて、特別遊技終了処理を説明する。まず、ステップS360−1において、メインCPU101aは、遊技状態バッファに記憶した遊技状態データをロードする。
メインCPU101aは、ステップS360−2において、遊技状態データによって、当該特別遊技に係る特別遊技判定が行われたときの遊技状態を確認し、ステップS360−3において、特図停止データ記憶領域に記憶されている特図停止データを確認し、ステップS360−4において、特定領域通過フラグのON/OFFを確認する。
メインCPU101aは、ステップS360−5において、確認した遊技状態、特図停止データ及び特定領域通過フラグのON/OFFを特別遊技後判定テーブルに照合し、当該特別遊技後の遊技状態及び特定期間を決定する特別遊技後判定を行う。
メインCPU101aは、ステップS360−6において、特別遊技後判定の判定結果に基づいて、高確率状態に設定するか否かを判定し、設定するのであれば、メインRAM101cの高確率フラグ記憶領域に高確率フラグ(例えば、「01H」)をONすると共に、高確率状態残り回数カウンタに実行可能回数(Xa)(本実施の形態では、100回)をセットする。メインCPU101aは、高確率状態ステップS350−4において、高確率状態指定フラグをOFFする。
また、メインCPU101aは、ステップS360−6において、特別遊技後判定の判定結果に基づいて、時短状態に設定するか否かを判定し、設定するのであれば、メインRAM101cの時短フラグ記憶領域に時短フラグ(例えば、「01H」)をONすると共に、時短状態残り回数カウンタに実行可能回数(Xa)(本実施の形態では、100回)をセットする。
ステップS360−7において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、現在の遊技条件の状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS360−8において、特別遊技後判定の判定結果に基づいて、特定期間に設定するか否かを判定し、設定するのであれば、判定結果に基づく特定期間を示す期間特定フラグをメインRAM101cの期間特定フラグ記憶領域にセットすると共に、特定期間残り回数カウンタに実行可能回数(Ta)をセットする。
メインCPU101aは、ステップS360−9において、特定領域通過フラグ記憶領域及び遊技バッファをクリアするクリア処理を行い、ステップS360−10において、特図特電処理データに0をセットし、図23に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
図32を用いて、普図普電制御処理を説明する。メインCPU101aは、まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された普図判定情報に基づいて補助遊技を実行(第2始動口7が開放)するか否かの普通図柄判定等を含む普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば、普通図柄判定に基づいて普通図柄表示装置22が変動しているときの普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば、普通図柄表示装置22が停止しているときの普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば第2始動口7の開閉制御を行う(第2始動口制御装置70を作動させる)補助遊技処理(ステップS440)に処理を移す。
図33を用いて、普通図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS410−1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し、変動表示中であると判定すれば当該普通図柄記憶判定処理を終了し、変動表示中ではないと判定すればステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU101aは、普図保留数を計数する普図保留数カウンタのカウンタ値が1以上であるかを判定する。普図保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS410−2において、普図保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS410−3において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)から「1」を減算して更新し、新たな普図保留数(G)を設定する。
ステップS410−4において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の番号の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。ここで、データのシフト(当該保留の消化)にともなって普通図柄保留表示装置25の表示内容を変更するために、具体的には現時点の普図保留数(G)を表示するために普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS410−5において、メインCPU101aは、当たり判定、すなわち、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり判定用乱数の判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある当たり判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄用の当たり判定テーブルに照合して当たりか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、当たり判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられているので(図14(a)参照)、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普通図柄用の当たり判定テーブルを選択する。
ステップS410−6において、メインCPU101aは、普通図柄判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある普通図柄判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄判定テーブルに照合して普通図柄判定を行う。上述したようにこの普通図柄判定テーブルは、当たり判定の結果(当たり/ハズレ)に対応付けられているので、当該当たり判定の結果を確認して、当該当たり判定の結果に係る普通図柄判定テーブルを選択する。
そして、メインCPU101aは、ステップS410−7において、普通図柄判定の結果に基づいて普通演出図柄指定コマンドを決定し、決定した普通演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。メインCPU101aは、ステップS410−8において、普通図柄判定の結果に基づいて普通図柄に係る停止図柄データ(以下、「普図停止図柄データ」という)、すなわち、普通図柄の種類を決定し、決定した普図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
決定された普図停止図柄データは普図変動パターン判定において普図変動パターンを決定する際、図35の普通図柄停止処理において、当たり普通図柄か否かを判断する際、図36の補助遊技処理において第2始動口7の開閉態様を決定する際にも用いられる。
ステップS410−9において、メインCPU101aは、普図変動パターン判定を行う。具体的には、普図変動パターン判定を行うための普図変動パターン判定テーブルが始動口入賞容易性の状態によって分類されているので、メインCPU101aは、まず、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普図変動パターン判定テーブルを選択する。そして、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある普図変動パターン判定用乱数を、選択された普図変動パターン判定テーブルに照合して普図変動パターン(普図変動時間)を決定する。
メインCPU101aは、ステップS410−10において、決定した普図変動パターンに対応する普図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。普図変動パターン指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102はこのコマンドを受信することによって、普通図柄の変動表示が開始することを認識し、後述するルーレット演出を実行し得る。
メインCPU101aは、ステップS410−11おいて、決定した普図変動パターンに対応する普図変動時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
メインCPU101aは、ステップS410−12において、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行うために普通図柄変動表示用データをセットし、当たり判定の結果が当たりであれば、ステップS410−13において、普図停止図柄データを補助遊技参照データ判定テーブルに照合して補助遊技参照データを決定し、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS410−14において、普図普電処理データに「1」をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。なお、普通図柄変動表示用データには、作動させる普通図柄表示装置22の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
次に、図34を用いて、普通図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS420−1において、普通図柄の変動表示が終了するか、換言すれば、ステップS410−10でセットされた普図変動時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、普通図柄の変動表示が終了しないと判断した場合には、普通図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、ステップS420−2において、普通演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS420−3において、上記ステップS410−8でセットされた普図停止図柄データに基づき普通図柄表示装置22に停止表示するための普図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該普通図柄抽選の結果が報知されることになる。ステップS420−4において、メインCPU101aは、補助遊技カウンタに普通図柄停止時間(例えば、0.8秒)をセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS420−5において、普図普電処理データに2をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。
次に、図35を用いて普通図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS430−1において、普通図柄の停止表示が終了するか否か、換言すれば、ステップS420−4で補助遊技タイマカウンタにセットされた普通図柄停止時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0?)、を判定する。その結果、普通図柄の停止表示が終了しないと判定した場合には、当該普通図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、普通図柄の停止表示が終了すると判定した場合には、ステップS430−2において、当該普通図柄停止処理に係る当たり判定の判果が「当たり」であるか否かを判定する。具体的には、普図停止図柄データ記憶領域に記憶されている普図停止図柄データが当たり普通別図柄に係るものであるか否かを判定する。ここで、当たり普通図柄と判定された場合には、ステップS430−4に処理を移し、当たり普通図柄と判定されなかった場合には、ステップS430−3に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS430−4において、普図普電処理データに3をセットする。そして、メインCPU101aは、ステップS430−5において、普図停止図柄データに応じたオープニング指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットし、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄に応じたオープニング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、普通図柄停止処理を終了する。
メインCPU101aは、ステップS430−3において、普図普電処理データに0をセットし、当該普通図柄停止処理を終了する。
図36を用いて、補助遊技処理を説明する。メインCPU101a、まず、ステップS440−1において、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS440−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、ステップS440−5に処理を移す。
ステップS440−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、補助遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該補助遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS440−3に処理を移す。
ステップS440−3において、メインCPU101aは、補助遊技開始処理を行う。補助遊技開始処理では、メインCPU101aは、まず、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域に記憶されている補助遊技参照データに基づいて第2始動口開閉制御テーブルを選択し、メインRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS440−4において、メインCPU101aは、第2始動口開放処理を行う。第2始動口開放処理では、まず普電作動番号記憶領域に記憶されている値(普電作動番号(D))に「1」を加算して記憶する。そして、普通可動片70Aを作動させるために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS440−3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいた第2始動口7の開放時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS440−5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、第2始動口7の最後の開放が終了してから補助遊技が終了するまでの期間のこという。したがって、メインCPU101aは、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS440−12に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS440−6に処理が移す。
ステップS440−6において、メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であると判定した場合には、ステップS440−7において、第2始動口7の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が規定(最大)個数(例えば10個)に達したこと、又は、第2始動口7の1回の開放時間が経過したこと(補助遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU101aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS440−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−8において、メインCPU101aは、第2始動口閉鎖処理を行う。第2始動口閉鎖処理では、第2始動口7を閉鎖するために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電停止データをセットするとともに、上記ステップS440−3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいて、第2始動口7の閉鎖時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第2始動口7が閉鎖することになる。
ステップS440−9において、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したか否かを判定する。補助遊技終了条件とは、普電作動番号(D)が予め設定された第2始動口7の開放回数になること、又は、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が最大個数(例えば10個)に達したことである。そして、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したと判定した場合にはステップS440−10に処理を移し、補助遊技終了条件が成立していないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−10において、メインCPU101aは、普電作動番号記憶領域に「0」をセットするとともに、第2始動口入賞規定カウンタに「0」をセットする。すなわち、普電作動番号記憶領域および第2始動口規定入賞カウンタをクリアする。
ステップS440−11において、メインCPU101aは、普図停止図柄データに応じたエンディング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄データに応じたエンディング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
メインCPU101aは、ステップS440−6において第2始動口7が開放中ではないと判定した場合には、ステップS440−13において、ステップS440−8で設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU101aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には、ステップS440−4に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS440−12において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS440−14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了する。
ステップS440−14において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットし、当該補助遊技処理を終了する。
(演出制御基板によるメイン処理)
次に、演出制御基板102におけるサブCPU102aにより実行される処理について説明する。
最初に、図37を用いて、演出制御基板102のメイン処理を説明する。電源基板107からサブCPU102aに電力が供給されると、サブCPU102aにシステムリセットが発生し、サブCPU102aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1001において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブROM102bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、フラグやコマンドなどが記憶されるサブRAM102cを初期化する処理を行う。
ステップS1002において、サブCPU102aは、変動演出パターン判定用乱数、出現図柄パターン判定用乱数、出現順序パターン判定用乱数、特別遊技演出パターン判定用乱数等からなる演出を制御するために用いる演出用乱数を更新する処理を行う。
なお、演出用乱数を構成する各種乱数毎に、サブRAM102cにおいて乱数カウンタが設けられている。演出用乱数の更新処理においては、乱数の種別毎に設けられた乱数カウンタを「1」加算する。演出用乱数を構成する各種の乱数には乱数範囲が設けられている。乱数範囲は、「0」から、その乱数に定められた最大値までとなっている。そして、乱数の更新において、乱数カウンタが示す乱数値が乱数範囲の最大値である場合、乱数カウンタを「1」加算せずに「0」に戻す。
また、乱数範囲の最大値は、乱数の種別によって異なるように設定されている(図61〜図72及び図75〜図78参照)。これは、演出用乱数に係る乱数カウンタが完全に同期し、常時同一の乱数値となることを防ぐためである。出用乱数に係る乱数カウンタが完全に同期することを防ぐことができれば良いので、各種の乱数範囲の最大値を異ならせるのではなく、各種の演出用乱数に相互に異なる初期値乱数を設け、乱数の更新において、乱数カウンタが示す乱数値が乱数範囲の最大値である場合、その時の初期値乱数からそれぞれの乱数値を新たに更新するようにしてもよい。
(演出制御基板によるタイマ割込処理)
演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(例えば、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図38に示すタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1100において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1200において、サブCPU102aは、各種の演出に係る時間管理を行うための各タイマカウンタ(変動演出タイマカウンタ、客待ち演出タイマカウンタ、特別遊技演出タイマカウンタ等)を更新する時間制御処理を行う。
ステップS1300において、サブCPU102aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。詳しくは、図39〜図48を用いて後述する。
なお、演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板102の受信割込処理を行い、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1300において受信したコマンドを解析する処理が行われる。
ステップS1400において、サブCPU102aは、演出ボタン検出センサ18aから演出ボタン検出信号が出力されたか否かのチェックを行い、演出ボタン18Aに対する操作に基づく演出ボタン演出に関する演出ボタン演出制御処理を行う。サブCPU102aは、演出ボタン検出信号が出力されたと判定すると、演出ボタン18Aの操作が有効である期間(後述する操作有効期間)であると、演出ボタン演出制御コマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信する。ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出ボタン演出制御コマンドを受信すると、当該操作に基づく演出ボタン演出を画像表示装置14や演出用照明装置16等の演出装置に実行させる。
ステップS1500において、サブCPU102aは、客待ち状態において行われるデモ演出を制御するデモ演出制御処理を行う。
ステップS1700において、サブCPU102aは、サブRAM102cの送信バッファにセットされている各種の演出制御コマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU102aは、ステップS1100で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板によるコマンド解析処理)
図39〜図40を用いて、演出制御基板102によるコマンド解析処理を説明する。
ステップS1301において、サブCPU102aは、新たにコマンドを受信し、受信バッファにコマンドが記憶されているか否かを判定する。サブCPU102aは、コマンドを受信していないと判定すると当該コマンド解析処理を終了し、コマンドを受信したと判定するとステップS1302に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1302において、受信バッファに格納されているコマンドが、始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが始動口入賞指定コマンドであると判定すると、ステップS1303及びステップS1304に処理を移し、始動口入賞指定コマンドではないと判定するとステップS1305に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1303において、始動口入賞指定コマンド記憶処理を行う。サブCPU102aは、始動口入賞指定コマンドをサブRAM102cの演出情報記憶領域に記憶する。
演出情報記憶領域は、図49(a)に示すように、始動口の種類ごとに設けられている(第1演出情報記憶領域及び第2演出情報記憶領域)。サブCPU102aは、受信した始動口入賞指定コマンドを解析して、当該始動口入賞指定コマンドに係る始動口の種類(第1始動口6or第2始動口7)を確認して、始動口の種類に応じた演出情報記憶領域に記憶する。
各演出情報記憶領域は、メインRAM101cの特別図柄保留記憶領域と同様な構成であり、始動口6、7の種類毎に第1記憶部〜第4記憶部に分けられている。始動口入賞指定コマンドは始動口入賞指定コマンドが記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
サブCPU102aは、ステップS1304において、ステップS1303で演出情報記憶領域に記憶した始動口入賞指定コマンドが示す事前判定結果に基づいて、先読み演出を実行するか否か、実行するのであればどのような先読み演出を実行するのかを判定する先読み演出判定処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1305において、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであると判定すると、ステップS1306に処理を移し、演出図柄指定コマンドはないと判定すると、ステップS1307に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1306において、特図抽選演出を構成し、特別図柄の停止表示が行われているときに行われ、当該特図抽選の結果を示唆する演出図柄の停止表示を行うための演出図柄停止表示パターン決定処理を行う。詳しくは、図41を用いて後述する。詳細には、サブCPU102aは、演出図柄指定コマンドを解析して、受信した演出図柄指定コマンドが有する情報に基づいて、画像表示装置14に停止表示させる演出図柄、すなわち、演出図柄の停止表示において所定の有効ライン上に配置される装飾図柄の配列(組み合わせ)を決定する。
サブCPU102aは、ステップS1307において、受信バッファに格納されているコマンドが、特図変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特図変動パターン指定コマンドであると判定すると、ステップS1308及びステップS1309に処理を移し、特図変動パターン指定コマンドはないと判定すると、ステップS1310に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1308において、始動口入賞指定コマンドシフト処理を行う。サブCPU102aは、始動口入賞指定コマンドシフト処理において、受信した演出図柄指定コマンドに係る始動口に対応する始動口入賞指定コマンドをシフトする。
詳細には、サブCPU102aは、受信した演出図柄指定コマンドに係る始動口の種類を確認して、その始動口に対応する演出情報記憶領域に記憶された始動口入賞指定コマンドをシフトする。始動口入賞指定コマンドのシフトでは、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された始動口入賞指定コマンドを1つ前の記憶部にシフト(移動)させる。例えば、第1演出情報記憶領域の第4記憶部に記憶されている始動口入賞指定コマンドは、第1演出情報記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1演出情報記憶領域の第1記憶部に記憶されている始動口入賞指定コマンドは、第1演出情報記憶領域及び第2演出情報記憶領域に共通の演出情報当該記憶領域(第0記憶部)にシフトされ、演出情報当該記憶領域に記憶されていた始動口入賞指定コマンドは、消去される。
サブCPU102aは、ステップS1309において、特図抽選演出を構成し、特別図柄の変動表示が行われているときに行われる変動演出(特別演出図柄の変動表示を含む)の変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図42〜図43を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1310において、受信バッファに格納されているコマンドが、変動停止指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別演出図柄停止指定コマンドであると判定すると、ステップS1311〜ステップS1313に処理を移し、変動停止指定コマンドはないと判定すると、ステップS1314に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1311において、変動表示されている演出図柄の変動表示を停止(変動演出を終了)させるための変動演出終了コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1312において、特別図柄の変動表示の終了を契機に演出モードを設定するための第1演出モード設定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図44を用いて後述する。
なお、演出モードとは、本実施の形態では、特図抽選(あるいは、特別図柄の変動表示)に対応して画像表示装置14等の演出装置で行われる変動演出の分類態様(カテゴリー)であり、遊技状態等に関連付けられている。
述する。
サブCPU102aは、ステップS1313において、後述する演出モードB及び演出モードCにおいて行われる演出モード残り回数表示に関する演出モード残り回数表示処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図45を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1314において、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであると判定すると、ステップS1315に処理を移し、遊技状態指定コマンドはないと判定すると、ステップS1316に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1315において、受信した遊技状態指定コマンドが示す遊技状態を示すデータをサブRAM102cの遊技状態記憶領域にセットし、当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1316において、受信バッファに格納されているコマンドが、特別遊技に係るオープニング指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別遊技オープニング指定コマンドであると判定すると、ステップS1317に処理を移し、特別遊技オープニング指定コマンドはないと判定すると、ステップS1318に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1317において、特別遊技に係る演出である特別遊技演出の態様である特別遊技演出パターンを決定する特別遊技演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図46を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1318において、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド指定コマンドであると判定すると、ステップS1319に処理を移し、ラウンド指定コマンドはないと判定すると、ステップS1320に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1319において、ラウンド演出の態様であるラウンド演出パターンを決定するラウンド演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1320において、受信バッファに格納されているコマンドが、大当たり中特定領域入賞指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大当たり中特定領域入賞指定コマンドであると判定するとステップS1321に処理を移し、大当たり中特定領域入賞指定コマンドではないと判定すると、ステップS1322に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1321において、遊技球が特定領域12を通過したことに基づく演出に関する処理としての特定領域通過処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図47を用いて後述する。
サブCPU102aは、ステップS1322において、受信バッファに格納されているコマンドが、特別遊技に係るエンディング指定コマンド(特別遊技エンディング指定コマンド)であるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別遊技エンディング指定コマンドであると判定するとステップS1323に処理を移し、特別遊技エンディング指定コマンドではないと判定すると、ステップS1324に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1323において、エンディング演出の態様であるエンディング演出パターン及び特別遊技後に設定する演出モードを決定するエンディング演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。詳しくは、図48を用いて後述する。
ステップS1324において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大当たり外特定領域入賞指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大当たり後特定領域入賞指定コマンドであると判定すると、ステップS1325に処理を移し、大当たり後特定領域入賞指定コマンドではないと判定するとステップS1326に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1325において、大当たり遊技が実行されていないときに遊技球が特定領域12を通過したことに対するエラー報知である大入賞口エラー演出の内容を示す大入賞口エラー演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該コマンド解析処理を終了する。
セットされた大入賞口エラー演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、大入賞口エラー演出制御コマンドを受信することにより、大入賞口エラー演出を実行する。
ステップS1326において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、客待ち状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが客待ち状態指定コマンドであると判定すると、ステップS1327に処理を移し、客待ち状態指定コマンドではないと判定すると当該コマンド解析処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1327において、所謂デモ演出を行うための待機時間のセット等を行うデモ演出待機処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
(演出制御基板の演出図柄停止表示パターン決定処理)
図41を用いて、演出制御基板102による演出図柄停止表示パターン決定処理を説明する。
ステップS1306−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在の演出モードを確認して、現在の演出モードに対応付けられている演出図柄停止表示パターン判定テーブルを選択する。これは、演出図柄の停止表示における所定の有効ライン上の装飾図柄の組み合わせ(配置)を表す演出図柄停止表示パターンを判定するための演出図柄停止表示パターン判定テーブルが演出モードによって分けられているからである(図50、図51参照)。
本実施の形態において、演出モードは、大きく演出モードA、演出モードB、演出モードC及び演出モードDの4つに分けられている。
演出モードAは、低確率状態且つ非時短状態(通常期間)に対応して設定される通常の演出モードである。
演出モードBは、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過したことに基づいて設定される高確率状態且つ時短状態(第1特定期間)に対応して設定される最も遊技者に有利な遊技状態であることを表す演出モードである。
演出モードCは、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過しなかったことに基づいて設定される低確率状態且つ時短状態に対応して設定され、通常遊技状態より遊技者に有利であるが高確率状態且つ時短状態より遊技者に不利な遊技状態である低確率状態且つ時短状態(第2特定期間)であることを表す演出モードである。
演出モードDは、通常遊技状態における特別図柄抽選に基づいて実行される小当たり遊技後の低確率状態且つ非時短状態(第3特定期間)に対応して演出モードである。
サブCPU102aは、ステップS1306−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されている演出図柄指定コマンドを解析し、ステップS1306−3において、演出図柄指定コマンドに対応付けられている演出図柄停止表示パターン判定テーブルを選択し、演出図柄停止表示パターン判定に用いる演出図柄停止表示パターン判定テーブルを決定する。これは、演出モードによって分けられた各演出図柄停止表示パターン判定テーブルが演出図柄指定コマンドによってもさらに分けられているからである。
各演出図柄停止表示パターン判定テーブルにおいては、1つ又は複数の特別演出図柄停止表示パターンが演出図柄停止表示パターン判定値に対応付けられて格納されており、図50及び図51に示す乱数判定値割合となるように適宜に割り振られている。
サブCPU102aは、ステップS1306−4において、演出図柄停止表示パターン判定用乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を取得し、ステップS1306−5において、記憶した演出図柄停止表示パターン判定用乱数を、選択した演出図柄停止表示パターン判定テーブルに照合して演出図柄停止表示パターンを決定する演出図柄停止表示パターン判定を行い、演出図柄停止表示パターンを決定する。
サブCPU102aは、ステップS1306−6において、決定した演出図柄停止表示パターンに対応する演出図柄停止表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1306−7において当該特別演出図柄停止表示パターンに対応する演出図柄停止表示パターンデータをサブRAM102cの演出図柄停止表示パターンデータ記憶領域にセットする。
なお、送信バッファにセットされた特別演出図柄停止表示制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出図柄停止表示制御コマンドを受信すると、当該特別図柄の停止表示が行われる時に、そのコマンドが示す演出図柄停止表示パターンに基づく演出図柄の停止表示を画像表示装置14に実行させる。
サブCPU102aは、ステップS1306−8において、決定された演出図柄停止表示パターンは大当たり当選を示すもの(大当たり演出図柄)であるか否かを判定する。サブCPU102aは、大当たり演出図柄であると判定するとステップS1306−9に処理を移し、大当たり演出図柄ではないと判定すると当該演出図柄停止表示パターン決定処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1306−9において、当該大当たり演出図柄に関連付けられた大当たり演出図柄データを、サブRAM102cに設けられた大当たり演出図柄データ記憶領域に記憶し、当該演出図柄停止表示パターン決定処理を終了する。
大当たり演出図柄データは、図50及び図51に示すように、特図抽選結果(特別図柄判定結果)に対応付けられている。また、大当たり演出図柄データ記憶領域は、図49(b)に示すように、記憶部1〜記憶部50の計50個設けられている。大当たり演出図柄データは、この記憶部の中で番号の小さい方から順に記憶されていく。なお、詳細は後述するが、大当たり演出図柄データ記憶領域は、演出モードB又は演出モードCで変動演出が所定の規定回数(演出モード実行可能回数)されるときにクリアされる。すなわち、所謂連荘中は、大当たり演出図柄データがクリアされずに保持される。
(演出制御基板の変動演出パターン決定処理)
図42を用いて、演出制御基板102による変動演出パターン決定処理を説明する。
ステップS1309−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在の演出モードを確認し、現在の演出モードに対応付けられている変動演出パターン判定テーブルを選択する。これは、変動演出の演出内容を表す変動演出パターンを決定するための変動演出パターン判定テーブルが演出モードによって分けられているからである。また、サブCPU102aは、ステップS1309−1において、当該演出モードフラグをサブRAM102cの演出モードバッファにセットする。これは、当該変動演出が開始されるときの演出モードを記憶しておくためである。
サブCPU102aは、ステップS1309−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されている特図変動パターン指定コマンドを解析して、当該特図変動パターン指定コマンドに対応付けられている変動演出パターン判定テーブルを選択する。これは、演出モードによって分けられた変動演出パターン判定テーブルがさらに特図変動パターン指定コマンド(特図変動パターン)によっても分けられているからである。
本実施の形態においては、各変動演出パターン判定テーブルにおいては、1つ又は複数の変動演出パターンが変動演出パターン判定値に対応付けられて格納されており、図52〜図55に示す乱数判定値割合となるように適宜に割り振られている。変動演出パターンとは、変動演出の演出内容を表す識別情報のことであり、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、演出用役物装置17、及び、演出ボタン装置18によって行われる変動演出の具体的な演出態様が対応付けられている。
変動演出の具体的な演出態様には、変動演出の時間、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成等の変動演出の構成要素が対応付けられている。なお、画像表示装置14における変動演出の変動演出パターンには、演出図柄の変動表示の表示態様、及び、キャラクタ等で構成されるオブジェクト画像や背景画像に係る表示態様等も、変動演出の構成要素として対応付けられている。
サブCPU102aは、ステップS1309−3において、変動演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値をサブRAM102cの変動演出パターン判定用乱数記憶領域に記憶し、ステップS1309−4において、記憶した変動演出パターン判定用乱数を、選択した変動演出パターン判定テーブルに照合して変動演出パターンを決定する変動演出パターン判定を行い、変動演出パターンを決定する。
サブCPU102aは、ステップS1309−5において、当該変動演出パターンに対応する変動演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1309−6において当該変動演出パターンに対応する変動演出データをサブRAM102cの変動演出データ記憶領域にセットし、ステップS1309−7において、当該変動演出の演出時間である変動演出時間をサブRAM102cの変動演出タイマカウンタにセットする。
なお、送信バッファにセットされた変動演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、変動演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す変動演出パターンに基づく変動演出を画像表示装置14等の演出装置に実行させる。
また、変動演出タイマカウンタは、上記ステップS1200において4ms毎に減算処理されていく。サブCPU102aは、変動演出タイマカウンタによって、当該変動演出の残り時間、換言すれば、当該変動演出が開始されてから経過した時間を特定することができる。
サブCPU102aは、ステップS1309−8において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照することで現在演出モードA又は演出モードDであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードA又は演出モードDであると判定するとステップS1309−9に処理を移し、演出モードA又は演出モードDではないと判定するとステップS1309−10に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1309−9において、本実施の形態では、演出モードA又は演出モードDにおいて出現可能な特定チャンス演出に関する特定チャンス演出判定処理を行う。
特定チャンス演出とは、その後、所謂SPリーチ演出やSPSPリーチ演出等のリーチ演出や発展演出からなり、大当たり当選を示唆する大当たり期待演出の実行を期待させる一種の予告演出である。特定チャンス演出では、表示領域140の左側領域、中央領域及び右側領域のうちの何れか又は全てにおいて特殊演出図柄が出現し、変動表示する。表示領域140の左側領域、中央領域及び右側領域の全てにおいて特殊演出図柄が変動表示されると、特殊演出図柄の仮停止が行われる。
図56(a)に示すように、特殊演出図柄は複数設けられており、特殊演出図柄は、大当たり期待演出の種類又は大当たり期待演出の不実行を示唆する。
特殊演出図柄が仮停止されると、仮停止された複数の特殊演出図柄に対して、何れの特殊演出図柄が選択され、何れの特殊演出図柄が確定されるか否かのルーレット演出(選択演出)が行われる。ここで、1つの特殊演出図柄が選択されて確定すると、選択確定された特殊演出図柄が示唆する(特殊演出図柄に対応する)大当たり期待演出が実行される。このように、特定チャンス演出が実行されると、その後に大当たり期待演出が実行されることに対する期待を持つことができる。
また、特定チャンス演出では、特殊演出図柄が左側領域、中央領域及び右側領域のうちの何れかにおいては出現して変動表示されたが、全てにおいて出現して変動表示される前に途中で終了することもある。途中で終了した場合は、その後に間もなくハズレを示唆する演出図柄の停止表示が行われることとなる。
ここで、図43を用いて特定チャンス演出判定処理について説明する。特定チャンス演出判定処理では、特定チャンス演出の実行の可否及び実行される場合の特定チャンス演出の演出内容が決定される。
サブCPU102aは、ステップS1309−9−1において、ステップS1309−6でセットした変動演出データを参照して変動演出パターンを確認し、ステップS1309−9−2において、これから実行する変動演出において特定チャンス演出が実行されるか否かを判定する。図52〜図55に示す変動演出パターン判定テーブルにおける特定チャンス演出の欄で「○」となっている変動演出パターンによる変動演出で、特定チャンス演出が実行される。サブCPU102aは、特定チャンス演出を実行すると判定するとステップS1309−9−3に処理を移し、特定チャンス演出を実行しないと判定すると当該特定チャンス演出判定処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1309−9−3において、ステップS1309−9−1で確認した変動演出パターンに対応する特定チャンス演出判定テーブルを選択する。特定チャンス演出判定テーブルは、出現図柄パターン決定テーブルと出現順序パターン決定テーブルとからなる。
出現図柄パターン決定テーブルには、特定チャンス演出パターンを決定するための第1特定チャンス演出パターン判定用乱数の判定値と出現組合せパターン及び選択確定図柄とが対応付けられて格納されており、図57〜図58に示す乱数判定値割合となるように適宜に割り振られている。
出現組合せパターンは、その特定チャンス演出において出現可能な特殊演出図柄の組み合わせである。出現「可能」となっているのは、特定チャンス演出が実行されたものの、左側領域、中央領域及び右側領域の全てにおいて特殊演出図柄が出現することなく終了することもあるからである。図56(b)に示すように、出現組合せパターンには、出現可能な特殊演出図柄の種類と、各図柄が出現する表示領域140上の領域(左側領域、中央領域、又は、右側領域)も対応付けられている。
選択確定図柄とは、ルーレット演出において最終的に選択されて確定する特殊演出図柄、換言すれば、ルーレット演出で、ルーレットが停止する表示領域140上の領域(左側領域、中央領域、又は、右側領域)のことである。
一方、出現順序パターン決定テーブルには、特定チャンス演出パターンを決定するための第2特定チャンス演出パターン判定用乱数の判定値と出現個数及び出現順序パターンとが対応付けられて格納されており、図59に示す乱数判定値割合となるように適宜に割り振られている。
出現個数とは、その特定チャンス演出において出現する特殊演出図柄の個数である。出現個数「1」は、左側領域、中央領域及び右側領域のうちの1つに1つの特殊演出図柄が出現することを示す。出現個数「2」は、左側領域、中央領域及び右側領域のうちの2つの各領域に1つずつ特殊演出図柄が出現することを示す。出現個数「3」は、左側領域、中央領域及び右側領域のうちの全てに1つずつ特殊演出図柄が出現することを示す。
出現順序パターンとは、その特定チャンス演出において特殊演出図柄が出現する表示領域140上の領域(左側領域、中央領域、又は、右側領域)の順序のパターンのことである。本実施の形態では、特殊演出図柄が出現する場合は、左側領域、中央領域、又は、右側領域の中から1つずつ出現する。そして、図56(c)に示すように、出現順序パターンは、左側領域、中央領域、及び、右側領域の順列に対応している。
サブCPU102aは、ステップS1309−9−4において、第1特定チャンス演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を取得し、ステップS1309−9−5において、取得した乱数値を出現図柄パターン判定テーブルに照合し、出現組合せパターンと選択確定図柄を決定する出現図柄パターン判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1309−9−6において、第2特定チャンス演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を取得し、ステップS1309−9−7において、取得した乱数値を出現順序パターン判定テーブルに照合し、出現個数と出現順序パターンを決定する出現順序パターン判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1309−9−8において、出現図柄パターン判定の判定結果と出現順序パターン判定の判定結果との組み合わせによって特定される特定チャンス演出の演出内容に対応する特定チャンス演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該特定チャンス演出判定処理を終了して、変動演出パターン決定処理に処理を戻す。
なお、送信バッファにセットされた特定チャンス演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、特定チャンス演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す演出内容の特定チャンス演出を画像表示装置14や演出用照明装置16等の演出装置に実行させる。
また、本実施の形態では、特定チャンス演出において、特殊演出図柄が出現する変動演出における時間については、変動演出パターンや出現図柄パターン判定及び出現順序パターン判定の結果によらず一様に設定されている(例えば、1個目の特殊演出図柄の出現が変動開始から3秒、2個目の特殊演出図柄の出現が変動開始から6秒、3個目の特殊演出図柄の出現が変動開始から9秒)。また、特殊演出図柄の仮停止が実行されるまでの時間、ルーレット演出が開始される時間、及び、ルーレット演出が終了する時間も変動演出パターンや出現図柄パターン判定及び出現順序パターン判定の結果によらず一様に設定されているが、変動演出パターン毎に適宜に設定するようにすることもできる。
このように、出現図柄パターン、選択確定図柄、出現個数及び出現順序パターンの組み合わせによって特定チャンス演出の演出内容である特定チャンス演出パターンが決定されることとなる。特定チャンス演出パターンの決定方法は、本実施の形態に限られず、例えば、変動演出パターン毎に、1つ又は複数の特定チャンス演出パターンを設定しておき、所定の乱数による抽選によって特定チャンス演出パターンを決定し、特定チャンス演出パターン毎に、出現図柄パターン、選択確定図柄、出現個数及び出現順序パターンの組み合わせ、特殊演出図柄の出現時間、及び、特殊演出図柄の仮停止が行われる時間等(特定チャンス演出における各事象が実行される時間)の特定チャンス演出の構成要素を多様に対応付けることも可能である。また、特殊演出図柄が出現する態様としては、本実施の形態のように1つずつ出現するパターン以外に、2つの特殊演出図柄が同時に出現するパターンや3つの特殊演出図柄が同時に出現するパターン、又は、所定の領域(左側領域、中央領域、又は、右側領域)において、同一の又は異なる特殊演出図柄が入れ替わりながら複数回出現するパターン等を設定することも可能である。
サブCPU102aは、ステップS1309−10において、ステップS1309−6でセットした変動演出データに対応する変動演出パターンは、予め設定された所定の演出条件を満たしているか否かを判定する。本実施の形態では、所定の演出条件は、演出モードBにおける対決演出(以下、「特定対決演出」という)において味方キャラクタが勝利することに設定されている。サブCPU102aは、演出条件を満たすと判定するとステップS1309−11に処理を移し、演出条件を満たさないと判定すると当該変動演出パターン決定処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1309−11において、サブRAM102cに設けられた演出条件満足回数カウンタのカウンタ値を「1」加算して更新し、当該変動演出パターン決定処理を終了する。
演出条件満足回数カウンタは、後述するように演出モードB又は演出モードCによる変動演出が所定の規定回数(演出モード実行可能回数)実行されて演出モードAが設定されるときにクリアされる。すなわち、所謂連荘が継続している限りは、演出条件を満たす特定対決演出で勝利する回数が累積されていくこととなる。
(演出制御基板の第1演出モード設定処理)
次に、図44を用いて第1演出モード設定処理について説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1312−1において、サブRAM102cの受信バッファに記憶されている演出図柄指定コマンドを解析し、ステップS1312−2において、当該大当たり判定の結果がハズレであるか否かを判定する。サブCPU102aは、ハズレであると判定するとステップS1312−3に処理を移し、ハズレではないと判定するとステップS1312−9に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−9において、当該大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。サブCPU102aは、大当たりであると判定するとステップS1312−10に処理を移し、大当たりではないと判定するとステップS1312−11に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−10において、サブRAM102cの演出モード後判定フラグ記憶領域に演出モード後判定フラグをセットし、当該第1演出モード設定処理を終了する。演出モード後判定フラグのセットは、演出モードの設定を大当たり遊技のエンディング時に行うことを示す。これは、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過するか否かで、その後の遊技状態が決定され、その遊技状態に基づいて演出モードが決定されるため、現時点では決定できないからである。
サブCPU102aは、ステップS1312−11において、現在演出モードAであるか否か、すなわち、低確率状態且つ非時短状態で小当たり当選か否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードAであると判定するとステップS1312−12に処理を移し、演出モードAではないと判定すると当該第1演出モード設定処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1312−12において、演出モードDを表す演出モードフラグを演出モードフラグ記憶領域に記憶し、その演出モードに対応付けられている演出モード実行可能回数(Ma、本実施の形態において30回)を、サブRAM102cに設けられた演出モード残り回数カウンタにセットし、当該第1演出モード設定処理を終了する。
演出モード実行可能回数とは、その演出モードによって実行することが可能な変動演出の回数のことである。演出モード残り回数カウンタは、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されている特定の演出モードにおいて実行することが可能な変動演出の残り回数(M:演出モード残り回数)を示すものである。
一方、サブCPU102aは、ステップS1312−3において現在、演出モードAであるか否か、すなわち、演出モードフラグ記憶領域に演出モードフラグ「00H」がセットされているか否かを判定する。
サブCPU102aは、演出モードAであると判定すると、当該演出モード設定処理を終了する。サブCPU102aは、演出モードAではないと判定すると、ステップS1312−4において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算して演出モードの残り回数(M)を更新し、ステップ1312−5において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。
そして、サブCPU102aは、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」ではないと判定すると当該第1演出モード設定処理を終了する。
一方、サブCPU102aは、カウンタ値が「0」あると判定すると、ステップS1312−6において、大当たり演出図柄データ記憶領域及び演出条件満足回数カウンタをクリアする特定演出モード演出クリア処理を行い、ステップS1312−7において、演出モードフラグ「00H」を演出モードフラグ記憶領域にセット(演出モードAを設定)する。
サブCPU102aは、ステップS1312−8において、演出モードAを表す演出モード演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該第1演出モード設定処理を終了する。
なお、送信バッファにセットされた演出モードAを表す演出モード演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出モードAを表す演出モード演出制御コマンドを受信すると、演出モードAによる演出を行う。演出モードAには、その演出内容が予め設定されており、演出モードAが設定されると、少なくとも画像表示装置14の表示領域140で表示される背景画像と音声出力装置15から出力されるBGMの出力とが演出モードによる基本的な演出として実行される。
(演出制御基板の演出モード残り回数表示処理)
図45を用いて、演出制御基板102による演出モード残り回数表示処理を説明する。
サブCPU102aは、ステップS1313−1において、サブRAM102cの演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを確認し、ステップS1313−2において、現在演出モードB又は演出モードCであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードB又は演出モードCであると判定するとステップS1313−3に処理を移し、演出モードB又は演出モードCの何れでもないと判定すると当該演出モード残り回数表示処理を終了する。
サブCPU102aは、ステップS1313−3において、演出モード残り回数表示更新コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該演出モード残り回数表示処理を終了する。
演出モードB及び演出モードCについては演出モード実行可能回数(Ma)が設定されている。そして、演出モードB及び演出モードCにおいては、演出モードの残り回数(M)が画像表示装置14の表示領域140の所定領域において表示される。そこで、変動停止指定コマンドの受信に基づく変動演出の終了を契機として、演出モード残り回数(M)の表示を更新すべく、演出モード残り回数表示更新コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
送信バッファにセットされた演出モード残り回数表示更新コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によって画像制御基板105に送信される。そして、画像制御基板105は、演出モード残り回数表示更新コマンドを受信すると、表示している演出モード残り回数(M)を「1」減算する。
(演出制御基板の特別遊技演出パターン決定処理)
図46を用いて、演出制御基板102による特別遊技演出パターン決定処理を説明する。
サブCPU102aは、ステップS1317−1において、演出モードバッファを確認し、これから行われる特別遊技に係る特別遊技判定が行われていたときの演出モードを確認し、その演出モードに対応付けられている特別遊技演出パターン判定テーブルを選択する。これは、特別遊技演出パターン判定テーブルが、特別遊技に係る特別遊技判定が行われていたときの演出モードによって分けられているからである(図60参照)。
サブCPU102aは、ステップS1317−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されている特別遊技オープニング指定コマンドを解析し、特別遊技オープニング指定コマンドに対応付けられている特別遊技演出パターン判定テーブルを選択する。これは、演出モードによって分けられている特別遊技演出パターン判定テーブルが、さらに特別遊技オープニング指定コマンドによって分けられているからである(図60参照)。
本実施の形態においては、各特別遊技演出パターン判定テーブルにおいては、1つ又は複数の特別遊技演出パターンが特別遊技演出パターン判定値に対応付けられて格納されており、図60に示す乱数判定値割合となるように適宜に割り振られている。特別遊技演出パターンとは、特別遊技において、特別遊技が開始されてからエンディングが開始されるまで、換言すれば、オープニング及びラウンド遊技のときの演出である特別遊技演出の演出内容を表す識別情報のことであり、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、演出用役物装置17、及び、演出ボタン装置18によって行われる特別遊技演出の具体的な演出態様が対応付けられている。
特別遊技演出の具体的な演出態様には、特別遊技演出の時間、演出ボタン演出の内容、演出展開構成等の特別遊技演出の構成要素が対応付けられている。
サブCPU102aは、ステップS1317−3において、特別遊技演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を取得し、ステップS1317−4において、取得した特別遊技演出パターン判定用乱数を、特別遊技演出パターン判定テーブルに照合して特別遊技演出パターンを決定する特別遊技演出パターン判定を行う。
サブCPU102aは、ステップS1317−5において、当該特別遊技演出パターンを表す特別遊技演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、ステップS1317−6において当該特別遊技演出パターンに対応する特別遊技演出データをサブRAM102cの特別遊技演出データ記憶領域にセットし、ステップS1317−7において、当該特別遊技演出の演出時間である特別遊技演出時間をサブRAM102cの特別遊技演出タイマカウンタにセットし、当該特別遊技演出パターン決定処理を終了する。
なお、送信バッファにセットされた特別遊技演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、特別遊技演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す特別遊技演出パターンに基づく特別遊技演出を画像表示装置14等の演出装置に実行させる。
また、特別遊技演出タイマカウンタは、上記ステップS1200において4ms毎に減算処理されていく。サブCPU102aは、特別遊技演出タイマカウンタによって、当該特別遊技演出の残り時間、換言すれば、当該特別遊技演出が開始されてから経過した時間を特定することができる。
(演出制御基板の特定領域通過処理)
図47を用いて、演出制御基板102による特定領域通過処理を説明する。
サブCPU102aは、ステップS1321−1において、サブRAM102cの特定領域通過フラグ記憶領域に特定領域通過フラグをセットし、ステップS1321−2において、サブRAM102cの送信バッファに特定領域通過演出制御コマンドをセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
送信バッファにセットされた特定領域通過演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、特定領域通過演出制御コマンドを受信すると、特定領域通過演出制御コマンドが示す演出内容の特定領域通過演出を画像表示装置14や演出用照明装置16に実行させる(例えば、表示領域140の所定領域に遊技球の特定領域12の通過を示唆する「V」という画像を表示し、音声出力装置15から所定の効果音を出力し、演出用照明装置16によって特定態様で照射し、演出用役物装置17の可動部17Aを特定態様で作動させる)。
(演出制御基板のエンディング演出パターン決定処理)
図48を用いて、演出制御基板102によるエンディング演出パターン決定処理を説明する。
サブCPU102aは、ステップS1323−1において、演出モードバッファを参照して、現在行われている特別遊技に係る特別遊技判定が行われていたときの演出モードを確認し、ステップS1323−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されているエンディング指定コマンドを解析し、ステップS1323−3において、サブRAM102cの特定領域通過フラグ記憶領域を確認して、特定領域通過フラグがONされているか否か、すなわち、当該特別遊技中に遊技球が特定領域12を通過したか否かを確認する。
サブCPU102aは、ステップS1323−4において、エンディング演出パターンを判定するエンディング演出パターン判定を行う。
エンディング遊技演出パターンとは、特別遊技のエンディングにおいて行われるエンディング演出の演出内容を表す識別情報のことであり、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、演出用役物装置17、及び、演出ボタン装置18によって行われるエンディング演出の具体的な演出態様が対応付けられている。
エンディング演出の具体的な演出態様には、エンディング演出の時間、演出ボタン演出の内容、演出展開構成等の特別遊技演出の構成要素が対応付けられている。
エンディング演出パターン判定は、エンディング演出パターン判定テーブルを用いて行う。図61(a)に示すように、エンディング演出パターン判定テーブルでは、演出モードバッファが示す演出モードとエンディング指定コマンドと特定領域通過フラグのON/OFFとの組み合わせが、エンディング演出パターンに対応付けられている。よって、サブCPU102aは、エンディング演出パターン判定において、ステップS1323−1〜ステップS1323−3で確認した演出モード、エンディング指定コマンド、特定領域通過フラグのON/OFFをエンディング演出パターン判定テーブルに照合して、エンディング演出パターンを決定する。
サブCPU102aは、ステップS1323−5において、当該エンディング演出パターンを表すエンディング演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−6において、現在行われている特別遊技が終了した後に設定する演出モードを判定する演出モード判定を行う。
演出モード判定は、演出モード判定テーブルを用いて行う。図61(b)に示すように、演出モード判定テーブルでは、エンディング指定コマンドと特定領域通過フラグのON/OFFとの組み合わせが、演出モードに対応付けられている。よって、サブCPU102aは、演出モード判定において、ステップS1323−2〜ステップS1323−3で確認したエンディング指定コマンド、特定領域通過フラグのON/OFFを演出モード判定テーブルに照合して、演出モードを決定する。
サブCPU102aは、ステップS1323−7において、決定された演出モードを設定する演出モード設定を行う。演出モード設定では、決定された演出モードを示す演出モードフラグを演出モードフラグ記憶領域に記憶し、その演出モードに対応付けられている演出モード実行可能回数を、サブRAM102cに設けられた演出モード残り回数カウンタにセットする。本実施の形態では、演出モードB及び演出モードCの演出モード実行可能回数は共に100回に設定されている。
サブCPU102aは、ステップS1323−8において、決定された演出モードを表す演出モード演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
なお、送信バッファにセットされたエンディング演出制御コマンド及び演出モード演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、エンディング演出制御コマンド及び演出モード演出制御コマンドを受信すると、まずはエンディング演出制御コマンドが示すエンディング演出パターンに基づくエンディング演出を画像表示装置14等の演出装置に実行させ、該エンディング演出が終了すると演出モード演出制御コマンドが示す演出モードによる演出を行う。各演出モードには、演出内容が予め設定されており、演出モードが設定されると、少なくとも画像表示装置14の表示領域140で表示される背景画像表示と音声出力装置15から出力されるBGMの出力と演出モードによる基本的な演出として実行される。
サブCPU102aは、ステップS1323−9において、新たに設定した演出モードが演出モードB又は演出モードCであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードB又は演出モードCであると判定するとステップS1323−10に処理を移し、演出モードB又は演出モードCではないと判定するとステップS1323−16に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1323−10において、演出モード残り回数表示を開始させるために、演出モードB及び演出モードCの演出モード実行可能回数及び表示箇所を示す演出モード残り回数表示開始コマンドを送信バッファにセットする。
送信バッファにセットされた演出モード残り回数表示開始コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出モード残り回数表示開始コマンドを受信すると、エンディング演出が終了して、新たな演出モードB又は演出モードCによる演出を行うと共に、演出モード残り回数表示制御コマンドが示す演出内容の演出モード残り回数表示を行う。
サブCPU102aは、ステップS1323−11において、新たに設定した演出モードが演出モードBであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードBであると判定するとステップS1323−12に処理を移し、演出モードBではないと判定するとステップS1323−16に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1323−12において、サブRAM102cの演出条件満足回数カウンタのカウンタ値を確認し、ステップS1323−13において、その回数及び表示箇所を示す演出条件満足回数表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−14において、サブRAM102cの大当たり演出図柄データ記憶領域を参照して、記憶されている全ての大当たり演出図柄データが示す大当たり演出図柄とその記憶されている順番を確認し、ステップS1323−15において、大当たり演出図柄の種類とその記憶されている順序及び表示箇所を示す大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
送信バッファにセットされた演出条件満足回数表示制御コマンド及び大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出条件満足回数表示制御コマンド及び大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドを受信すると、エンディング演出が終了して、新たな演出モードBによる演出を行うと共に、演出条件満足回数表示制御コマンドが示す演出内容の演出条件満足回数表示と、大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドが示す演出内容の大当たり演出図柄履歴表示を行う。
サブCPU102aは、ステップS1323−16において、現在行われている特別遊技に係る演出図柄停止表示パターンを確認し、その演出図柄停止表示パターンを示す演出図柄停止表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該エンディング演出パターン決定処理を終了する。
送信バッファにセットされた演出図柄停止表示制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出図柄停止表示制御コマンドを受信すると、エンディング演出が終了して、新たな演出モードによる演出を行うと共に、演出図柄停止表示制御コマンドが示す演出内容の演出図柄の停止表示を行う。
(ゲームフロー)
次に、図62を用いて、遊技機Yによる基本的なゲームフローについて説明する。
通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、大当たり当選し、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過する(通過成功である)と(図62における(1))、当該大当たり遊技が終了するときに、遊技状態が高確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第1特定期間に設定され、演出モードは演出モードBに設定される。
この高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると(図62における(2))、再び、遊技状態は低確率状態且つ非時短状態、期間は通常期間に設定され、演出モードは演出モードAに設定される。
一方、通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、大当たり当選したが、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過しない(通過失敗である)と(図62における(3))、当該大当たり遊技が終了するときに、遊技状態は低確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第2特定期間に設定され、演出モードは演出モードCに設定される。
この低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると(図62における(4))、再び、遊技状態は低確率状態且つ非時短状態、期間は通常期間に設定され、演出モードは演出モードAに設定される。
高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たり当選し、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過する(通過成功である)と(図62における(5))、当該大当たり遊技が終了するときに、再度、遊技状態は高確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第1特定期間に設定され、演出モードは演出モードBに設定される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、高確率状態実行可能回数(Xa)、時短状態実行可能回数(Ja)、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。このように、高確率状態且つ時短状態において大当たり当選し、当該大当たり遊技が終了するときに、再度、高確率状態且つ時短状態に設定されることを「連荘」という。
高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たり当選し、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過しない(通過失敗である)と(図62における(6))、当該大当たり遊技が終了するときに、遊技状態は低確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第2特定期間に設定され、演出モードは演出モードCに設定される。
また、低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり当選し、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過する(通過成功である)と(図62における(7))、当該大当たり遊技が終了するときに、遊技状態は高確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第1特定期間に設定され、演出モードは演出モードBに設定される。
また、低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり当選し、当該大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過しない(通過失敗である)と(図62における(8))、当該大当たり遊技が終了するときに、再度、遊技状態は低確率状態且つ時短状態に設定され、期間は第2特定期間に設定され、演出モードは演出モードCに設定される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、高確率状態実行可能回数(Xa)、時短状態実行可能回数(Ja)、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。
図62における(7)、(8)のように低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり当選することを、以降においては「引き戻し」という。この引き戻しは、通常遊技状態から、一度高確率状態且つ時短状態又は低確率状態且つ時短状態に設定された後、未だ通常遊技状態に戻っていないという点で、連荘に含まれるものとする。すなわち、高確率状態且つ時短状態の後に設定される低確率状態且つ時短状態は、未だ連荘が継続された状態ということができる。
また、図示していないが、高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)又は低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、小当たりに当選した場合、当該遊技状態、演出モード及び特定期間は変化せずに小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)についても、小当たり遊技後は小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。
通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、小当たり当選すると(図62における(9))、遊技球の特定領域12の通過の成功・失敗に関係なく、当該小当たり遊技が終了した後も、遊技状態は低確率状態且つ非時短状態が継続される一方、当該小当たり遊技が終了するときに、期間が第3特定期間に設定され、演出モードが演出モードDに設定される。
この通常遊技状態とは異なる低確率状態且つ非時短状態(演出モードD、第3特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が30回実行されると(図62における(10))、遊技状態は変化せずに低確率状態且つ非時短状態がそのまま継続される一方、期間が通常期間に設定され、演出モードが演出モードAに設定される。
また、通常遊技状態とは異なる低確率状態且つ非時短状態(演出モードD、第3特定期間)において、再度小当たり当選すると(図62における(11))、図62の(9)の場合と同様に、遊技球の特定領域12の通過の成功・失敗に関係なく、当該小当たり遊技が終了した後も、遊技状態は変化せずに低確率状態且つ非時短状態が継続される一方、当該小当たり遊技が終了するときに、再度期間が第3特定期間に設定され、演出モードが演出モードCに設定される。この場合、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。
また、低確率状態且つ非時短状態(演出モードD、第3特定期間)において、大当たり当選した場合のその後のゲームフローについては、低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)の場合と同様である(図62における(12)、(13))。
遊技機Yのゲームフローの説明において、特定領域12の通過失敗とあるが、これは、遊技球を特定領域12を通過させるのが困難な第4大当たり遊技が実行されて、当該第4大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域12を通過しなかった場合と、遊技球を特定領域12を通過させるのが容易な第1、第2、第3大当たり遊技が実行されたが、当該大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域12を通過しなかった場合も含まれる。
(演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示)
次に、演出モードBにおいて行われる演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示について説明する。図68(a)は、演出モードBにおいて画像表示装置14の表示領域140に表示される標準的な画面構成の一部を抽出したものである。
図68(a)に示すように、演出条件満足回数表示は表示領域140の第1領域140Aにおいて行われ、第1領域140Aに演出条件満足回数を表す演出条件満足回数画像G71が表示される。一方、大当たり演出図柄履歴表示は表示領域140の第2領域140Bに行われ、第2領域140Bにおいて大当たりの種類を示す大当たり演出図柄が表示される。なお、演出モードBでは、演出モード残り回数を表す演出モード残り回数画像G73が表示領域140の領域140Cに表示され、演出モードBの名称(MMRUSH)を示す演出モード画像G74が表示領域140の領域140Dに表示される。また、演出モードCでは、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が行われないが、図68(c)に示すように、表示領域140の領域140Cに演出モード残り回数画像G73が表示され、演出モードCの名称(ARノ刻)を示す演出モード画像G74が表示領域140の領域140Dに表示される。
演出条件満足回数表示とは、予め設定された演出条件が満足された回数(以下、「演出条件満足回数」という)の表示である。本実施の形態では、演出条件は、高確率状態且つ時短状態(演出モードB)において、高確率状態且つ時短状態を生起させ易い特定の大当たり(本実施の形態では、大当たり5、大当たり1、大当たり2、又は、大当たり3)の当選の報知となる特定の演出が実行されることに設定されている。
本実施の形態では、特定の演出は、対決演出で味方キャラが勝利する演出(図54において、通常勝利又は復活勝利)、予め設定された所定のミッションが課せられる(例えば、クイズに正解するなど)ミッション演出でミッションに成功する演出、又は、演出用役物装置17の可動部17Aが特定態様で作動すると共に、音声出力装置15から特定の効果音(例えば、「キュイン、キュイン、キュイーン」)が出力される決め演出に設定されている。図54に示す変動演出パターン判定テーブルにおいて、演出条件満足の項目で「○」となっている変動演出パターンによる変動演出が実行されると、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値が「1」加算されると共に、演出条件満足回数表示に係る演出条件満足回数が「1」加算されることとなる。本実施の形態によれば、大当たり5、大当たり1、大当たり2、又は、大当たり3の当選に係る変動演出が実行されると、必ず演出条件が満足される。
演出条件満足回数は、サブCPU102aが、サブRAM102cに設けられている演出条件満足回数カウンタによって計数し、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値に応じた回数を表示するが、演出モードB又は演出モードCが演出モード実行可能回数実行されて演出モードAに設定される際に演出条件満足回数カウンタがクリアされる(ステップS1312−6)。すなわち、連荘が継続している間(引き戻しを含む)は、演出条件満足回数は保持されることとなる。
一方、大当たり演出図柄履歴表示とは、新規に大当たり1〜大当たり3又は大当たり5に当選してから、演出モードB又は演出モードCが演出モード実行可能回数実行されて演出モードAが設定されるまでの間に当選した大当たりの種類を示唆する画像(アイコン)からなる大当たり演出図柄を全て、当選順を特定可能に表示する(当選した全ての大当たりに対応する演出図柄の履歴を表示する)ことである。図50及び図51に示すように、大当たり演出図柄は、当選に係る演出モードと大当たりの種類に関連付けられている。
大当たり演出図柄として、非時短状態において大当たり1、大当たり3又は大当たり5に当選したことを示唆する赤色の数字「7」からなる大当たり演出図柄、非時短状態において大当たり2に当選したことを示唆する黄色の星(☆)からなる大当たり演出図柄、及び、非時短状態において大当たり4に当選したことを示唆する青色の数字「7」からなる大当たり演出図柄が設定されている(図50参照)。
また、大当たり演出図柄として、時短状態において大当たり1又は大当たり5に当選したことを示唆し、「極」という文字が右下に添えられた青色の数字「7」からなる大当たり演出図柄、時短状態において大当たり2に当選したことを示唆する黄色の星(☆)からなる大当たり演出図柄、及び、時短状態において大当たり3又は大当たり4に当選したことを示唆する黄色の文字「B」からなる大当たり演出図柄が設定されている(図51参照)。
図68(a)に示すように、大当たり演出図柄履歴表示が行われる第2領域140Bでは、縦5×横10の50個のマスが区画されており、大当たり演出図柄は左上のマスから当選順に右に表示されていき、そこまでいくと、次からは下の段の左端から当選順に右に表示されていく。
また、大当たり演出図柄履歴表示は、サブCPU102aが、サブRAM102cに設けられている大当たり演出図柄データ記憶領域に記憶される大当たり演出図柄データに基づいて実行されるが、演出モードB又は演出モードCが演出モード実行可能回数実行されて演出モードAが設定される際に大当たり演出図柄データ記憶領域がクリアされる(ステップS1312−6)。すなわち、連荘が継続している間(引き戻しを含む)は、大当たり演出図柄履歴表示に係る大当たり演出図柄の履歴は保持されることとなる。
ここで、具体例を用いて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示について説明する。なお、特別遊技において遊技球が特定領域12を通過すること「特定領域入賞」といい、特別遊技において遊技球が特定領域12を通過しなかったこと「特定領域非入賞」という。
図63(a)に示すような具体例1の場合、最初に演出モードAにおいて、大当たり3に当選し、特定領域入賞した後の演出モードBでは、未だ演出条件を満足していないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、演出モードAでの大当たり3当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」が第2領域140Bの左上のマスに表示される(図69−1(a)参照)。
次に、最初の演出モードBにおいて大当たり5に当選し、特定領域入賞した後の2回目の演出モードBでは、当該大当たり5当選に基づいて演出条件を満した(特定の演出が実行された)ので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、先の演出モードAでの大当たり3の当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」と、今回の演出モードBでの大当たり5の当選を示す大当たり演出図柄「7極」とが表示されている(図69−1(b)参照)。
次に、同様に、2回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選し、特定領域入賞した後の3回目の演出モードBでは、当該大当たり5の当選に基づいて演出条件が満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「2」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7」と、2回目の大当たり演出図柄「7極」と、今回の大当たり演出図柄「7極」となる(図69−1(c)参照)。
3回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選し、特定領域非入賞した後は、演出モードCとなる。演出モードCであるので、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示は実行されない(図69−1(d)参照)。ただし、3回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選しているので、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「3」となっている。また、演出モードAにはなっていないので大当たり演出図柄データ記憶領域がクリアされていないため、大当たり演出図柄データ記憶領域の第1記憶部に大当たり演出図柄「7(赤)」を示す大当たり演出図柄データ、第2記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データ、第3記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データ、第4記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データがそれぞれ記憶されている。
次に、この演出モードCにおいて大当たり5に当選し、特定領域入賞した後は、再び演出モードBとなる。よって、当該演出モードBにおいて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が再実行される(図69−1(e)参照)。ここで、当該大当たり5の当選は演出モードCにおいて行われたので、演出条件が満足されておらず、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「3」のままであり、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「3」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の大当たり演出図柄「7極」と、3回目の大当たり演出図柄「7極」と、4回目の大当たり演出図柄「7極」、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示されている。
次に、図63(b)に示すような具体例2の場合を想定する。具体例2は具体例1の場合と3回目の演出モードBにおいて大当たり4に当選し、特定領域非入賞となっている点で相違する。この場合、上記の場合と同様に、当該特別遊技後に演出モードCとなるが、3回目の演出モードBにおいて大当たり3に当選しているので、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「3」である。一方、大当たり演出図柄データ記憶領域については、第1記憶部〜第3記憶部は、具体例1の場合と同じであるが、第4記憶部には、演出モードBにおける大当たり4当選を示す大当たり演出図柄「B」を示す大当たり演出図柄データが記憶されている。
この演出モードCにおいて大当たり5に当選し、特定領域入賞した後は、再び演出モードBとなる。この場合も、当該演出モードBにおいて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が再実行されることとなる。ここで、当該大当たり5当選は演出モードCにおいて行われたので、演出条件が満足しておらず、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「3」のままであり、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数も「2」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の大当たり演出図柄「7極」と、3回目の大当たり演出図柄「7極」と、4回目の大当たり演出図柄「B」、今回の大当たり演出図柄「7極」となる(図69−2(e)参照)。
次に、図63(c)に示すような具体例3の場合を想定する。具体例3は具体例1の場合と1回目の演出モードBにおいて大当たり3当選し、特定領域入賞となっている点で相違する。この場合、具体例1の場合と同様に、当該特別遊技後に2回目の演出モードBとなり、演出条件を満足しているので、演出条件満足回数表示は「1」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の演出モードBにおける大当たり3当選を示す大当たり演出図柄「B」となっている。このように、結果的に同じように遊技状態及び演出モードが推移しても、その推移の契機(特図抽選結果)が異なれば演出条件満足回数及び大当たり演出図柄履歴は異なることもある(図69−3(b)参照)。
次に、図63(d)に示すような具体例4の場合を想定する。具体例4は具体例3の場合の演出モードAにおける大当たり3の当選が大当たり2の当選となっている点で相違する。この場合、最初に演出モードAにおいて、大当たり2に当選し、特定領域入賞した後の演出モードBでは、未だ演出条件が満足されていないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」であり、演出モードAでの大当たり2の当選を示す大当たり演出図柄「☆」が表示される(図69−3(c)参照)。
次に、1回目の演出モードBにおいて大当たり2に当選し、特定領域入賞の後に2回目の演出モードBとなるが、2回目の演出モードBは大当たり2の当選を契機とし、演出条件を満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、1回目の大当たり演出図柄「☆」と、2回目の演出モードBにおける大当たり2当選を示す大当たり演出図柄「☆」とが表示される(図69−3(d))。
次に、図63(e)に示すような具体例5の場合を想定する。最初に演出モードAにおいて大当たり4に当選し、特定領域非入賞した後の演出モードCでは、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が実行されない(図69−4(a)参照)。ここで、未だ演出条件が満足されていないので、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「0」であり、大当たり演出図柄データ記憶領域では、演出モードAでの大当たり4当選を示す大当たり演出図柄「7(青)」を示す大当たり演出図柄データが第1記憶部に記憶される。
次に、演出モードCにおいて大当たり5に当選し、特定領域入賞した後の最初の演出モードBでは、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が実行される。ここで、未だ演出条件が満足されていないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、先の演出モードAでの大当たり4当選を示す大当たり演出図柄「7(青)」と、今回の演出モードBでの大当たり5当選を示す大当たり演出図柄「7極」とが表示される。
このように、演出条件満足回数表示が実行されるので、遊技者は、引き戻しを含む連荘回数を容易に理解することができる。また、大当たり演出図柄履歴表示が実行されるので、遊技者は連荘に係る大当たりの履歴を認識することができる。
また、演出モードBにおいて大当たり5、大当たり1、大当たり2、又は、大当たり3に当選すると、その当選に係る変動演出において必ず演出条件が満足されるが、演出条件が満足される態様はこれに限られない。例えば、大当たり1、大当たり2、又は、大当たり3に当選すると、その当選に係る変動演出では演出条件が満足する内容の変動演出が行われないが、その当選に係る特別遊技演出又はエンディング演出において、演出条件が満足する内容の特別遊技演出又はエンディング演出が行われるようにすることもできる。例えば、演出モードBにおける大当たり1、大当たり2、又は、大当たり3の当選を契機に行われる特別遊技演出において所定の対決演出が行われ、その対決演出で勝利するようにすることもできる。なお、この場合、対決演出で敗北すると大当たり4当選が確定するようにすることもできる。
また、本実施の形態では、演出モードBにおいて特定の演出が実行されるが、特定の演出の実行時機はこれに限られず、演出モードA、演出演出モードC及び/又は演出モードDにおける変動演出又は特別遊技演出若しくはエンディング演出とすることもできる。
また、本実施の形態では、図52〜図55に示すように、大当たり1、大当たり2、大当たり3及び大当たり5の当選の報知となる演出の演出態様は、演出モードによって異なっているが、演出モードによらず同一となっていてもよく、又は、一部の演出モードについては共通とすることもできる。例えば、演出モードBと演出モードCにおいては、対決演出で勝利又は決め演出により大当たり1、大当たり2、大当たり3及び大当たり5の当選を報知し、演出モードA、Cでは所定のミッションに成功により大当たり1、大当たり2、大当たり3及び大当たり5の当選を報知することで演出条件を満足させることができる。
また、大当たり演出図柄履歴表示は、連荘中、当該連荘に係る全ての大当たり当選についての大当たり演出図柄が表示されるが、表示対象を特定の大当たりに制限することもできる。例えば、遊技者に付与される遊技利益が相対的に有利な大当たり1、大当たり2、大当たり3及び大当たり5に当選した場合にのみ大当たり演出図柄を表示するようにすることもできる。また、大当たり演出図柄は、演出モード及び大当たりの種類に対応付けられているが、大当たりの種類にのみ対応付けられるようにすることもできる。
(ぴろこチャンス演出)
次に、図64及び図65を用いて、第2大当たり遊技の第1ラウンド遊技及び小当たり遊技において行われる演出について説明する。
最初に第2大当たり遊技と小当たり遊技について説明する。第2大当たり遊技においては、第2大当たり遊技の開始と共に10秒のオープニングが実行される。オープニングの終了に伴って、第1ラウンド遊技が開始される。第1ラウンド遊技では、最初、第1大入賞口8の0.2秒間開放が1回行われ、その後、3.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んで、第1大入賞口8の0.2秒間開放が連続して間欠的に3回行われる。この連続して行われる3回の第1大入賞口8の0.2秒開放における各開放間のインターバルは1.0秒となっている。そして、3回目の0.2秒開放が終了してから、3.0秒のインターバルを挟んで、第1大入賞口8が29秒開放する。
この後、第2大当たり遊技の第2ラウンド遊技〜第14ラウンド遊技で、第1大入賞口8の29.5秒開放が行われ、第15ラウンド遊技で第2大入賞口9の29.5秒開放が行われて、エンディングが行われる。
一方、小当たり遊技においては、小当たり遊技の開始と共に10秒のオープニングが実行される。オープニングが終了すると直ぐに、第1大入賞口8の0.2秒間開放が1回行われ、その後、3.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んで、第1大入賞口8の0.2秒間開放が連続して間欠的に3回行われる。この3回の連続の第1大入賞口8の最後の開放が終了して3秒後に、5.0秒間のエンディングが開始される。小当たり遊技において連続して行われる3回の第1大入賞口8の0.2秒開放における各開放間のインターバルは1.0秒となっている。
このように、第2大当たり遊技の第1ラウンド遊技における第1大入賞口8の29秒開放前の第1大入賞口8の開閉態様と、小当たり遊技における第1大入賞口8の開閉態様とは同一となっている。よって、遊技者は、第1大入賞口8の開閉態様だけでは、第2大当たり遊技と小当たり遊技の何れが実行されているのかの判別が困難である。そこで、第2大当たり遊技の第1ラウンド遊技における第1大入賞口8の29秒開放(以下、「ATロング開放」という)が行われる前と、小当たり遊技とで、共通の演出(以下、「共通演出」という)を行うことで、遊技者に大当たり2又は小当たりの何れに当選したのかをドキドキさせる。
次に、共通演出について説明する。共通演出は、図70(a)に示す大当たり2当選又は小当たり当選を示唆する演出図柄の停止表示が実行された後に開始される。共通演出は、導入演出とATロング開放煽り演出とからなる。
共通演出においては、導入演出が最初に行われる。導入演出は、第2大当たり遊技及び小当たり遊技の導入部分であり、第2大当たり遊技及び小当たり遊技の案内的な役割を果たす演出であって、当該特別遊技演出において最初に行われる。
導入演出の次に、ATロング開放煽り演出が行われる。ATロング開放煽り演出は、第2大当たり遊技の第1ラウンド遊技における第1大入賞口8の29秒開放に向けた演出であって、第1大入賞口8を29秒開放(遊技球の入球が容易な態様で開放)させようとする演出である。
次に、共通演出を構成する各演出について説明する。導入演出は、第2大当たり遊技及び小当たり遊技のオープニングにおいて行われ、最初に、図70(b)に示すように、ATロング開放が行われる前と、小当たり遊技とに対応付けられたタイトル(本実施の形態では、「ぴろこチャンス」)を示すタイトル画像G51が表示領域140に表示されると共に、第2大当たり遊技及び小当たり遊技に対応付けられた特定のキャラクタ(特定キャラクタ)の声でタイトルの案内音声(本実施の形態では、「ぴろこチャンスだよ」)が音声出力装置15から出力される。
次に、図70(c)に示すように、当該共通演出を説明する画像(説明画像)G52と共に、第1大入賞口8への遊技球の発射を指示する発射指示画像G53が表示領域140に表示される。本実施の形態では、説明画像G52において「アタッカーがロング開放するとぴろこBONUS突入」と表示され、第1大入賞口8が遊技球の入球が容易な長い時間開放すると多量の賞球を獲得可能な大当たり遊技が確定する旨が説明される。そして、特定キャラクタを表す画像(特定キャラクタ画像)G54が表示領域140に表示されると共に、表示領域140における第1大入賞口8に近い部分に所定のエフェクト画像G55が表示される。
ATロング開放煽り演出は、オープニングが終了してから、ATロング開放が行われる前又は小当たり遊技のエンディング前までの間に行われる。本実施の形態では、ATロング開放煽り演出は3回連続して実行される。
1回目のATロング開放煽り演出は、第1大入賞口8の最初の0.2秒開放が行われるとき(図64においてt1)に行われる。2回目のATロング開放煽り演出は、第1大入賞口8の3連続の0.2秒開放の最初の開放、すなわち、最初の3秒インターバル後の0.2秒開放が行われるとき(図64においてt2)に行われる。3回目のATロング開放煽り演出は、第1大入賞口8の3連続の0.2秒開放の最後の開放が行われてから2秒後(図64においてt3)に行われる。
各ATロング開放煽り演出では、図71(a)に示すように、特定キャラクタ画像G54が、表示領域140において、所定のエフェクト画像G55に向けてビームを発射すると共に、音声出力装置15から特定キャラクタの声で「えいっ!」と掛け声が発せられる。また、発射されたビームは所定のエフェクト画像G55に衝突するが、衝突する際にエフェクト画像G55が所定態様で変化し得る。このビームの発射、掛け声、及びエフェクト画像G55の変化によるATロング開放煽り演出と第1大入賞口8の0.2秒開放とによって第1大入賞口8をロング開放させようとしている演出が行われていることとなる。
3回目のATロング開放煽り演出は、ATロング開放又は小当たり遊技のエンディングが行われる直前まで実行される。そして、ATロング開放が行われる場合は(第2大当たり遊技であれば)、ATロング開放が行われるとき(図64(a)においてt4)に、ATロング開放が行われることを示唆するチャレンジ成功演出が行われる。チャレンジ成功演出は、外見上は3回目のATロング開放煽り演出から途切れることなく実行され、図71(b−1)に示すように、発射しているビームが増大して、エフェクト画像G52が拡大すると共に、第2大当たり遊技を示すタイトル(ぴろこBONUS)を表す画像G56が拡大表示しながら出現する。また、チャレンジ成功演出では、増大されたビーム及び拡大したエフェクト画像G55がその状態のまま消滅し、図71(c−1)に示すように、特定キャラクタ画像G54が所定の動作(本実施の形態では、笑顔でピースする)をし、拡大されたタイトル画像G56が表示されることでATロング開放が成功したことを報知する。そして、図71(d−1)に示すように、ATロング開放に対応したぴろこボーナス演出に切り換わり、ラウンド遊技が実行されていることを示唆するラウンド遊技画像G57及び第2大当たり遊技に対応するタイトル画像G58が表示される。
一方、第1大入賞口8の29秒開放が実行されなかった場合は(小当たり遊技であれば)、エンディングが行われるとき(図64(b)においてt4)に、図70(b−2)に示すように、ATロング開放が行われないことを示唆するチャレンジ失敗演出が行われる。チャレンジ失敗演出では、発射しているビーム及びエフェクト画像G52が縮小しながら消滅する。
チャレンジ失敗演出では、図71(c−2)に示すように、キャラクタ画像が所定動作(本実施の形態では、しょんぼりした様子で落胆する)によってATロング開放が失敗したことを報知してから、図71(d−2)に示すように、演出モードDに係る背景画像に切り替わり、特定キャラクタを示唆する画像G59が表示されると共に、当該小当たり当選に係る演出図柄の停止表示が行われる。
また、ATロング開放煽り演出では、ATロング開放の期待度が上昇する機会となっている。具体的には、ATロング開放煽り演出におけるエフェクト画像の色が変化すると、ATロング開放の期待度が上昇する。本実施の形態では、エフェクト画像の標準的な色は青色に設定されており、赤色、紫色及び虹色に変化し得る。エフェクト画像の色の変化態様は第2大当たり遊技の特別遊技演出パターンと小当たり遊技の特別遊技演出パターンに対応付けられている。また、エフェクト画像の色の変化態様によってさらに、ATロング開放の期待度が異なっている。なお、エフェクト画像の色に内在されるそれ自体が示唆するATロング開放の期待度としては、青色<赤色<紫色<虹色の順で高くなっている。
このように、遊技球を特定領域12を通過させることが不可能な態様で第1大入賞口8が開放し、その後に遊技球を特定領域12を通過させることが容易態様で第2大入賞口9が開放する第2大当たり遊技と、第2大当たり遊技における遊技球を特定領域12を通過させることが不可能な態様での第1大入賞口8の開放態様と同一の第1大入賞口8の開放を伴う小当たり遊技とが行われるので、遊技に興趣を向上させることができる。また、第2大当たり遊技及び小当たり遊技における第1大入賞口8の0.2秒開放が行われているときに、第1大入賞口8をロング開放させようとするATロング開放に向けてのATロング開放煽り演出が実行されるので、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、ATロング開放及び小当たり遊技に係る共通演出について説明したが、共通演出に係る特別遊技はATロング開放及び小当たり遊技に限られない。すなわち、例えば、第1ラウンド遊技で、最初、第1大入賞口8の3.0秒間開放が連続して間欠的に5回行われ、その後、5.0秒のインターバルを挟んで、第2ラウンド遊技が開始されて第1大入賞口8が29秒開放する大当たり遊技と、5回のラウンド遊技で構成され、各ラウンド遊技で第1大入賞口8の3.0秒開放が1回行われる大当たり遊技とに共通演出を適用することもできる。この場合、前者の大当たり遊技のオープニング及び第1ラウンド遊技と後者の大当たり遊技のオープニング及び第1ラウンド遊技〜第5ラウンド遊技とで共通演出が行われることとなる。
また、共通演出で行われるATロング開放煽り演出の回数が1回で、導入演出後に行われるATロング開放煽り演出によってATロング開放が行われる大当たり遊技及び共通演出を行うこともできる。また、本実施の形態では、時短状態において小当たりに当選しても、共通演出及びチャレンジ失敗演出は行われず、外見上、演出モードB又は演出モードCの背景画像から変化されない。そこで、時短状態における大当たり2当選で行われる特別遊技演出においては、結果が分かっている状態での煩わしさを防止するためにATロング開放煽り演出の実行回数を非時短状態における大当たり2当選で行われる特別遊技演出都比べて減らして、0回又は1回にすることもできる。
また、本実施の形態では、ビームが発射されている時間、掛け声「えいっ!」が発せられている時間、及び、エフェクト画像が変化している時間、すなわち、ATロング開放煽り演出の演出時間は、適宜に設定され、同一に設定することも可能であり、1回目(例えば、1秒)<2回目(例えば、2秒)<3回目(例えば、3秒)と、順序が後になるにつれて長くなるように異なって設定することもできる。
(特定チャンス演出)
次に、図66及び図67を用いて、特定チャンス演出について説明する。特定チャンス演出とは、その後、大当たり期待演出の実行を期待させる一種の予告演出(大当たり期待演出に突入するか否かの突入演出)である。変動演出において、その後に発展する(展開される)大当たり期待演出の演出内容を示唆する演出のことであり、演出モードA及び演出モードDにおいて行われる。
ここで、特定チャンス演出について詳細に説明する前に、特定チャンス演出の前提となる演出モードA及び演出モードDの変動演出における大当たり当選又は小当たり当選に向けての全体的な演出の発展パターン(展開パターン)について説明する。なお、演出モードAと演出モードDとでは、演出モードDに係る背景画像では、演出モードAに係る背景画像に加えて特定キャラクタが所定領域に表示される点で異なっており、特図変動パターンの種類及び変動演出パターンの種類は同じとなっている。よって、演出モードAと演出モードDの変動演出における大当たり当選又は小当たり当選に向けての全体的な演出の発展パターン(展開パターン)も共通している。しかし、本実施の形態では、演出モードAに係る通常期間と演出モードDに係る第3特定期間に係る特図変動パターン判定テーブルは相違しており、特図変動パターンが示す特図変動時間の出現率が相違している。具体的には、第3特定期間では、通常期間に比べて、リーチ有りハズレ(特図停止データ=18)におけるノーマルリーチ(特図変動パターン「03」)の出現率が他のリーチ(特図変動パターン「04」〜「07」)の出現率より多くなっている。すなわち、第3特定期間に係る演出モードDでは、通常期間に係る演出モードAに比べて、変動演出において、SPリーチ演出などの大当たり期待演出が実行されると、大当たり当選の期待を持つことができる。なお、演出モードAに係る通常期間と演出モードDに係る第3特定期間に係る特図変動パターン判定テーブルとを共通にすることもできる。
変動演出の発展パターンとして大きく2つ設定されており、最初にリーチが成立して、その後に所定の大当たり期待演出が実行されることで演出が発展していく発展パターンと、2つ目はリーチが成立することなく、いきなり、大当たり期待演出の一種である発展演出が行われる発展パターンとがある。なお、リーチの成立や発展演出が行われずに、いきなりハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる場合もある。
本実施の形態での「リーチが成立する」には、特図抽選結果を示唆する演出図柄(以下、「通常演出図柄」という)がテンパイとなる場合と、左側領域、中央領域、及び、右側領域において、通常演出図柄とは異なる特殊演出図柄が仮停止する特定チャンス状態となる場合とが含まれる。特定チャンス状態は、特定チャンス演出において発生する。
リーチが成立した後は、SP1リーチ演出、SP2リーチ演出、SPSP分岐演出、又は、発展演出の何れかに発展する。なお、リーチが成立した後に、大当たり期待演出が実行されずにそのままハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる場合もある。
SP1リーチ演出及びSP2リーチ演出は、SPリーチ演出である。SP1リーチ演出の演出内容とSP2リーチ演出の演出内容とは異なっており、SP1リーチ演出よりSP2リーチ演出の方が大当たり当選期待度が高くなるように設定されている。なお、本実施の形態では、SP1リーチ演出及びSP2リーチ演出は、リーチ成立後に実行される。
発展演出とは、その演出内容が段階的に発展していく演出であって、段階が上がるにつれて大当たり当選期待度が高くなる演出である。図66(a)に示すように、本実施の形態では、発展演出は、リーチ成立の後、SP1リーチ演出の後、SP2リーチ演出の後、リーチ成立を伴わない変動演出開始後に実行される。
図66(b)に示すように、SPSP分岐演出は、SPSPリーチ演出の前に行われる演出であって、SPSPリーチ演出であるSPSP1リーチ演出及びSPSP2リーチ演出の何れが実行されるのかを煽って(焦らして)遊技者の緊張感を高める演出である。図66(a)に示すように、本実施の形態では、SPSP分岐演出は、リーチ成立の後、又は、発展演出の後に実行される。
また、本実施の形態では、大当たり又は小当たりに当選する場合は、必ずSPSP1リーチ演出かSPSP2リーチ演出が実行される。SPSP1リーチ演出の演出内容とSPSP2リーチ演出の演出内容とは異なっており、SPSP1リーチ演出よりSPSP2リーチ演出の方が大当たり当選期待度が高くなるように設定されている(図10、図11、図52及び図54の演出内容における「SPSP1」及び「SPSP2」参照)。
次に、特定チャンス演出について説明する。特定チャンス演出は、特図変動時間が8秒以上の特図変動パターンに基づく変動演出において実行される(図52及び図54参照)。
図67に示すように、特定チャンス演出は、変動演出中、すなわち、演出図柄の変動表示が行われているときに実行される所謂ステップアップ予告であり、ステップ1(図67において「SU1」)から始まって、ステップ4(図67において「SU4」)まで発展する。ステップ4まで発展すると、表示領域140の左側領域、中央領域、及び、右側領域において、特殊演出図柄が仮停止する特定チャンス状態となる。
特定チャンス演出が開始されると、最初に、ステップ1として、表示領域140の背景画像が暗転する(図72参照)。そして、表示領域140の、左側領域、中央領域、及び、右側領域の何れかの領域に、炎を表すエフェクト画像(炎画像)G61が表示され、その表示された領域において1つ目の所定の特殊演出図柄が出現して、出現した領域で変動表示している何れかの通常演出図柄と入れ替わって、そのまま変動表示される(図73参照)。
次に、ステップ2(図67において「SU2」)として、表示領域140の左側領域、中央領域、及び、右側領域の中で特殊演出図柄が変動表示されていない何れかの領域に、炎を表すエフェクト画像(炎画像)G62が表示されて、その表示された領域において2つ目の所定の特殊演出図柄が出現して、出現した領域で変動表示している何れかの通常演出図柄と入れ替わて、そのまま変動表示される(図74参照)。
ステップ1の後には、このようにステップ2に発展する場合だけでなく、ステップ1の後に背景画像が演出モードA又は演出モードDの通常の背景画像に戻って(暗転が解除され)、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる場合もある(図75参照)。
ステップ2の後には、ステップ3(図67において「SU3」)として、左側領域、中央領域、及び、右側領域の中で特殊演出図柄が変動表示されていない領域に炎を表すエフェクト画像(炎画像)G63が表示され、その表示された領域において3つ目の所定の特殊演出図柄が出現して、そのまま変動表示される(図76参照)。
ステップ3の後には、特殊演出図柄が横一線に3つ揃った状態で表示領域140の上端から減速しながら下降して中央部辺りで仮停止するか否か、換言すれば、ステップ4に発展して特定チャンス状態が成立するか否かを煽る特定チャンス状態煽り演出が実行される(図77(a)参照)。
特定チャンス状態煽り演出の後、発展が成功する場合には、ステップ4として、出現した3つの特殊演出図柄が横一線に揃った状態で仮停止して、拡大する特定チャンス状態が成立する(図77(b)、図77(c)参照)。
一方、特定チャンス状態煽り演出の後、発展が失敗する場合には、上端から減速しながら下降してきた特殊演出図柄が中央部辺りで仮停止することなく、さらに表示領域140の下端まで下降して、背景画像が演出モードA又は演出モードDの通常の背景画像に戻り、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる(図78参照)。
ステップ4では、仮停止している3つの特殊演出図柄が順に繰り返し光ることで、何れの特殊演出図柄が選択される否かのルーレット演出が行われる(図79参照)。ルーレット演出は、予め設定された所定時間行われるが、ルーレット演出が開始されてから所定時間が経過すると、演出ボタン18Aの操作が有効な操作有効期間となり、表示領域140に演出ボタン18Aの操作を促す画像G64及び操作有効期間と操作有効期間の残り時間を表す画像G65が表示される(図80(a)参照)。
ルーレット演出における演出ボタン18Aに対する操作有効期間となったとき、遊技者の演出ボタン18Aの操作が行われると、ステップS1309−9−6の処理によって予め決定された選択確定図柄に対応する特殊演出図柄でルーレット(光)が止まり、特殊演出図柄が選択確定される(図80(b)参照)。ここで、操作有効期間に操作がされなかった場合は、操作有効期間が終了するときに、ステップS1309−9−6の処理によって予め決定された選択確定図柄に対応する特殊演出図柄でルーレット(光)が止まって、特殊演出図柄が選択確定される。
図56(a)に示すように、本実施の形態では、特殊演出図柄は複数種類設定されており、大当たり期待演出の不実行を示唆する「×」図柄、SP1リーチ演出の実行を示唆する「発展」図柄、発展演出の実行を示唆する「鬼ノ刻」図柄、SPSP分岐演出の実行を示唆する「決戦」図柄、及び、SPSP分岐演出の実行を示唆する「死闘」図柄が設けられている。「決戦」図柄と「死闘」図柄は共にSPSP分岐演出の実行を示唆するが、「死闘」図柄の方が大当たり当選期待度が高い。換言すれば、「決戦」図柄より「死闘」図柄の方がSPSP2リーチ演出が実行され易い。
よって、ルーレット演出によって特殊演出図柄が選択確定されると、選択確定された特殊演出図柄が示す大当たり期待演出が実行される。ここで、「×」図柄が選択確定された場合、最初に、演出モードA又は演出モードDの通常の背景画像に戻る。次に、当該特定チャンス演出に係る特図抽選結果がハズレであれば、ハズレを示す演出図柄(ハズレ演出図柄)の停止表示が行われる。一方、当該特定チャンス演出に係る特図抽選結果が大当たりであれば、大当たり当選を示す演出図柄(大当たり演出図柄)の停止表示が行われる(所謂、復活演出が行われる)。
特定チャンス演出の演出態様は、本実施の形態に限られるものではなく、適宜に変更することができる。例えば、仮停止する特殊演出図柄の個数は3つではなく、1又は複数に設定することが可能であり、1種類であっても、変動演出パターンに応じて個数を設定するようにすることができる。また、本実施の形態では、特定チャンス演出は変動演出の開始直後に実行されており、特定チャンス状態がリーチ状態と並列的に設けられているが、特定チャンス演出がリーチ状態成立後に実行されるようにすることもできる。さらには、特定チャンス状態が成立した後に所定の大当たり期待演出が実行された後にリーチ状態が成立するようにすることもできる。すなわち、特定チャンス状態がリーチ状態と直列的に実行されるようにすることもできる。
また、本実施の形態では、特定チャンス状態を経由してSPリーチ1演出、発展演出及びSPSP分岐演出に発展した場合の方が、特定チャンス状態を経由しないでSPリーチ1演出、発展演出及びSPSP分岐演出に発展した場合より、大当たり当選の期待度が高くなるよう設定されている。しかし、特定チャンス状態を経由しないでSPリーチ1演出、発展演出及びSPSP分岐演出に発展した場合の方が、特定チャンス状態を経由してSPリーチ1演出、発展演出及びSPSP分岐演出に発展した場合より、大当たり当選の期待度が高くなるよう設定することもできる。
このように、演出図柄の変動表示において、その後に発展する演出の種類を示唆する特殊演出図柄が仮停止され、その特殊演出図柄に確定されると、その特殊演出図柄が示唆する種類の演出が実行されるので、遊技の興趣が向上する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態について、上記の実施の形態1とは異なる実施の形態2を、実施の形態1と異なる部分を中心に図面を参照しながら具体的に説明する。
図82に示すように、実施の形態2における遊技機Yには、大当たり遊技または小当たり遊技で開放する大入賞口として、大入賞口8のみが設けられており、実施の形態1における第2大入賞口9及び特定領域12は設けられていない。これに伴って、図83に示すように、第2大入賞口制御装置90及び特定領域検出センサ12aも設けられていない。さらに、特定領域検出センサ12aが設けられていないので、入力制御処理においては、実施の形態1におけるステップS260の特定領域検出信号入力処理がない。また、演出制御コマンド解析処理においては、実施の形態1におけるステップS1320、ステップS1321、ステップS1324およびステップS1325がない。
また、実施の形態2では、大当たりの種類について実施の形態1と異なる。第1特図抽選で発生し得る大当たりとして、大当たり1、大当たり2及び大当たり3が設定されており、第2特図抽選で発生し得る大当たりとして、大当たり4及び大当たり5が設定されている(図84参照)。
そして、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口8の開閉態様についても実施の形態1と異なる。図85及び図86に示すように、実施の形態2では、大当たり1、大当たり2、大当たり4又は大当たり5に当選すると、大入賞口8が29.5秒開放し得るラウンド遊技が15回行われる第1大当たり遊技が実行され、大当たり3に当選すると、大入賞口8が0.1秒開放し得るラウンド遊技が15回行われる第2大当たり遊技が実行される。また、小当たりに当選すると、大入賞口8の0.1秒開放が15回行われる小当たり遊技が実行される。
また、実施の形態2における遊技機Yでも、実施の形態1と同様に、遊技者に有利な遊技状態として高確率状態が設定されるが、実施の形態1のように大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過したか否かではなく大当たりの種類に基づいて高確率状態が設定される。また、遊技者に有利な遊技状態としての時短状態は、実施の形態1と同様に大当たりの種類に基づいて設定される。そして、大当たりの種類と大当たり当選に伴って設定される遊技状態との関係は特別遊技後判定テーブルによって予め設定されている(図87参照)。
図87に示すように、特別遊技後判定テーブルによると、大当たり1又は大当たり4に当選すると当該当選に伴って高確率状態且つ時短状態に設定され、大当たり2又は大当たり5に当選すると当該当選に伴って低確率状態且つ時短状態に設定される。また、通常遊技状態において大当たり3に当選すると、当該当選に伴って高確率状態且つ非時短状態に設定される一方、通常遊技状態以外の遊技状態において大当たり3に当選すると、当該当選に伴って高確率状態且つ時短状態に設定される。
さらに、実施の形態2では、大当たり1又は大当たり4の当選を契機に設定される高確率状態と時短状態についての実行可能回数は、高確率状態と時短状態の双方とも100000回に設定されている。同様に、大当たり2又は大当たり5の当選を契機に設定される時短状態についての実行可能回数は100回に設定されている。また、通常遊技状態における大当たり3の当選を契機に設定される高確率状態についての実行可能回数は100回に設定され、通常遊技状態以外の遊技状態における大当たり3の当選を契機に設定される高確率状態と時短状態についての実行可能回数は、高確率状態と時短状態の双方とも100000回に設定されている。
なお、大当たり当選に伴って設定される遊技状態は、図87及び図90に示すように、ステップS360の特別遊技終了処理において、遊技状態データが示す当該大当たり当選時の遊技状態(遊技状態バッファ)と当選した大当たりの種類(特図停止データ)に基づいて設定される。
また、特図変動パターンを決定するための期間についても実施の形態1と異なる。実施の形態2においては、特図変動パターンを決定するための期間として、通常遊技状態に対応する通常期間と、高確率状態且つ時短状態に対応する第1特定期間と、低確率状態且つ時短状態に対応する第2特定期間と、高確率状態且つ非時短状態に対応する第3特定期間と、低確率状態且つ非時短状態における小当たり当選に基づく当該小当たり遊技後の低確率状態且つ非時短状態であって大当たり当選することなく特別図柄の変動表示が100回実行されるまでの第4特定期間とが設けられている。
そして、実施の形態2においては、特図変動パターンを決定するための特図変動パターン判定テーブルとして、通常期間用の特図変動パターン判定テーブル(図88参照)と、第1特定期間及び第2特定期間用の特図変動パターン判定テーブル(図89参照)と、第3特定期間及び第4特定期間用の特図変動パターン判定テーブル(図示なし)とが設けられている。
さらに、演出モードについても実施の形態1と異なる。演出モードとしては、通常期間に対応し、通常遊技状態を示唆する演出モードAと、第1特定期間に対応し、高確率状態且つ時短状態を示唆する演出モードBと、第2特定期間に対応し、低確率状態且つ時短状態を示唆する演出モードCと、第3特定期間に対応し、高確率状態且つ非時短状態と低確率状態且つ非時短状態と(大当たり3と小当たりと)を識別困難又は識別不可能にするための演出モードD1と、第4特定期間に対応し、高確率状態且つ非時短状態と低確率状態且つ非時短状態と(大当たり3と小当たりと)を識別困難又は識別不可能にするための演出モードD2とが設けられている。
演出モードD1と演出モードD2とは、内部的な(データ上の)識別情報が異なっているのであって、演出態様(演出装置の出力態様)については同一であり、遊技者の知覚によって演出モードD1と演出モードD2とを識別することは困難又は不可能である。なお、実施の形態2では、第2大当たり遊技に係る特別遊技演出及びエンディング演出と小当たり遊技に係る特別遊技演出及びエンディングも同一の演出態様に設定されている。よって、遊技者は大当たり3又は小当たりに当選しても、いずれに当選したのかを知ることが困難である。
また、実施の形態2においては、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン判定テーブルとして、演出モード毎(演出モードA、演出モードB、演出モードC、演出モードD1、および演出モードD2)に変動演出パターン判定テーブルが設けられている。
また、上述の通り、実施の形態2では、大当たり当選に伴って大当たり遊技の終了の際に設定される遊技状態が大当たりの種類によって定められているので、演出モードの設定処理及びエンディング演出の決定処理についても実施の形態1と異なる。
実施の形態2では、演出モードの設定は、ステップS1312の第1演出モード設定処理において行われる。ここで、図91を用いて実施の形態2における第1演出モード設定処理について説明する。
まず、サブCPU102aは、ステップS1312−1において、サブRAM102cの受信バッファに記憶されている演出図柄指定コマンドを解析し、ステップS1312−2において、当該大当たり判定の結果がハズレであるか否かを判定する。サブCPU102aは、ハズレであると判定するとステップS1312−3に処理を移し、ハズレではないと判定するとステップS1312−9に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−9において、当該大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。サブCPU102aは、小当たりであると判定するとステップS1312−10に処理を移し、小当たりではないと判定するとステップS1312−11に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−10において、現在高確率状態であるか否かを判定する。サブCPU102aは、高確率状態であると判定するとステップS1312−3に処理を移し、高確率状態ではないと判定するとステップS1312−11に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1312−11において、現在の演出モードとステップS1312−1で解析した演出図柄指定コマンドが示す特別図柄判定の結果とを確認し、現在の演出モードと特別図柄判定の結果に関連付けられてサブROM102bに記憶されている演出モード判定テーブルを選択する(図97参照)。
各演出モード判定テーブルには、演出モードが対応付けられている。そこで、サブCPU102aは、ステップS1312−12において、現在の演出モードと特別図柄判定の結果とに対応する演出モードに決定する。
そして、サブCPU102aは、ステップS1312−13において、決定された演出モードに対応する演出モードフラグを演出モードフラグ記憶領域に記憶し、その演出モードに対応付けられている演出モード実行可能回数(Ma)を、サブRAM102cに設けられた演出モード残り回数カウンタにセットし、当該演出モード設定処理を終了する。
一方、サブCPU102aは、ステップS1312−3において現在、演出モードAであるか否か、すなわち、演出モードフラグ記憶領域に演出モードフラグ「00H」がセットされているか否かを判定する。
サブCPU102aは、演出モードAであると判定すると、当該演出モード設定処理を終了する。サブCPU102aは、演出モードAではないと判定すると、ステップS1314−4において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値を「1」減算して演出モードの残り回数(M)を更新し、ステップ1313−5において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。
そして、サブCPU102aは、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」ではないと判定すると当該演出モード設定処理を終了する。一方、サブCPU102aは、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値が「0」あると判定すると、ステップS1312−6において、大当たり演出図柄データ記憶領域及び演出条件満足回数カウンタをクリアする特定演出モード演出クリア処理を行い、ステップS1312−7において、演出モードフラグ「00H」を演出モードフラグ記憶領域にセット(演出モードAを設定)する。
サブCPU102aは、ステップS1312−8において、演出モードAを表す演出モード演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該第1演出モード設定処理を終了する。
次に、図92を用いて、演出制御基板102によるエンディング演出パターン決定処理を説明する。
サブCPU102aは、ステップS1323−1において、演出モードバッファを参照して、現在行われている特別遊技に係る特別遊技判定が行われていたときの演出モードを確認し、ステップS1323−2において、サブRAM102cの受信バッファに格納されているエンディング指定コマンドを解析する。
サブCPU102aは、ステップS1323−3において、確認した演出モードとエンディング指定コマンドに基づいてエンディング演出パターンを判定するエンディング演出パターン判定を行う。
エンディング演出パターン判定は、エンディング演出パターン判定テーブルを用いて行う。図98に示すように、エンディング演出パターン判定テーブルでは、演出モードバッファが示す演出モードとエンディング指定コマンドとの組み合わせが、エンディング演出パターンに対応付けられている。よって、サブCPU102aは、エンディング演出パターン判定において、ステップS1323−1〜ステップS1323−2で確認した演出モードとエンディング指定コマンドとをエンディング演出パターン判定テーブルに照合して、エンディング演出パターンを決定する。
サブCPU102aは、ステップS1323−4において、当該エンディング演出パターンを表すエンディング演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−5において、演出モードフラグを参照してこれから行われる演出モードを確認し、ステップS1323−6において、確認した演出モードを表す演出モード演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−7において、新たに設定した演出モードが演出モードCであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードCであると判定するとステップS1323−8に処理を移し、演出モードCではないと判定するとステップS1323−9に処理を移す。
このように、実施の形態2では、演出モード残り回数表示は演出モードCにおいては行われるが、演出モードBにおいては行われない。これは、演出モードB、及び、演出モードBが起因する高確率状態且つ時短状態についての実行可能回数は「100000」回に設定されており、演出モードB及び高確率状態且つ時短状態が大当たりに当選することなく終了することを前提としていないからである。また、実施の形態2においては、演出モード残り回数表示は演出モードCによってのみ行われるので、ステップS1313の演出モード残り回数表示処理におけるステップS1313−2では演出モードCであるか否かを判定するものとする(図示なし)。
サブCPU102aは、ステップS1323−8において、演出モード残り回数表示を開始させるために、演出モードCの演出モード実行可能回数及び表示箇所を示す演出モード残り回数表示開始コマンドを送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−9において、これから行われる演出モードが演出モードBであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードBであると判定するとステップS1323−10に処理を移し、演出モードBではないと判定するとステップS1323−14に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1323−10において、サブRAM102cの演出条件満足回数カウンタのカウンタ値を確認し、ステップS1323−11において、その回数及び表示箇所を示す演出条件満足回数表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
サブCPU102aは、ステップS1323−12において、サブRAM102cの大当たり演出図柄データ記憶領域を参照して、記憶されている全ての大当たり演出図柄データが示す大当たり演出図柄とその記憶されている順番を確認し、ステップS1323−13において、大当たり演出図柄の種類とその記憶されている順序及び表示箇所を示す大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
送信バッファにセットされた演出条件満足回数表示制御コマンド及び大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出条件満足回数表示制御コマンド及び大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドを受信すると、エンディング演出が終了して、新たな演出モードBによる演出を行うと共に、演出条件満足回数表示制御コマンドが示す演出内容の演出条件満足回数表示と、大当たり演出図柄履歴表示制御コマンドが示す演出内容の大当たり演出図柄履歴表示を行う。
サブCPU102aは、ステップS1323−14において、現在行われている特別遊技に係る演出図柄停止表示パターンを確認し、その演出図柄停止表示パターンを示す演出図柄停止表示制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、当該エンディング演出パターン決定処理を終了する。
送信バッファにセットされた演出図柄停止表示制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。そして、ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出図柄停止表示制御コマンドを受信すると、エンディング演出が終了して、新たな演出モードによる演出を行うと共に、演出図柄停止表示制御コマンドが示す演出内容の演出図柄の停止表示を行う。
次に、実施の形態2における大当たり演出図柄履歴表示に係る演出図柄について説明する。実施の形態2では、演出図柄停止表示パターンを決定するための演出図柄停止表示パターン判定テーブルとして、演出モードA、演出モードD1および演出モードD2用の演出図柄停止表示パターン判定テーブル(図94参照)と、演出モードBおよび演出モードC用の演出図柄停止表示パターン判定テーブル(図95参照)とが設けられている。
図93に示すように、演出モードA、演出モードD1および演出モードD2においては、大当たり演出図柄履歴表示を構成する大当たり演出図柄として、大当たり1又は大当たり4の当選に対して大当たり演出図柄「7(赤)」が設けられ、大当たり2又は大当たり5の当選に対して大当たり演出図柄「7(青)」が設けられ、大当たり3の当選に対して大当たり演出図柄「☆」が設けられている。大当たり演出図柄「7(赤)」は赤色の数字「7」を表す装飾図柄、大当たり演出図柄「7(青)」は青色の数字「7」を表す装飾図柄、大当たり演出図柄「☆」は青色の星形を表す装飾図柄を表している。
図94に示すように、演出モードBおよび演出モードCにおいては、大当たり演出図柄履歴表示を構成する大当たり演出図柄として、大当たり1又は大当たり4の当選に対して大当たり演出図柄「7極」が設けられ、大当たり2又は大当たり5の当選に対して大当たり演出図柄「B」が設けられ、大当たり3の当選に対して大当たり演出図柄「☆」が設けられている。大当たり演出図柄「7極」は青色の数字「7」と当該数字「7」の右側に配された白色の文字「極」との組み合わせを表す装飾図柄、大当たり演出図柄「B」は白色の文字「B」を表す装飾図柄、大当たり演出図柄「☆」は星を表す装飾図柄を表している。
なお、大当たり演出図柄「7(赤)」に係る装飾図柄、大当たり演出図柄「7(青)」に係る装飾図柄及び大当たり演出図柄「☆」に係る装飾図柄は、演出図柄の変動表示及び停止表示において出現され得るが、大当たり演出図柄「7極」及び大当たり演出図柄「B」に係る装飾図柄は、演出図柄の変動表示及び停止表示において出現され得ないようになっている。
次に、実施の形態2における演出条件回数表示に係る特定の演出について説明する。実施の形態2では、演出モードBにおいて、大当たり4に当選すると最終的に決め演出1またはミッション成功1が行われて、大当たり4当選を示す演出図柄の停止表示が行われる。一方、演出モードBにおいて、大当たり5に当選すると最終的に決め演出2またはミッション成功2が行われて、大当たり5当選を示す演出図柄の停止表示が行われる。決め演出1では、演出用役物装置17の可動部17Aが特定態様で作動すると共に、音声出力装置15から特定の効果音(例えば、「キュイン、キュイン、キュイーン」)が出力される。一方、決め演出2では、演出用役物装置17の可動部17Aが特定態様で作動するが、音声出力装置15から特定の効果音は出力されない。また、ミッション成功1では、相対的に難しいクイズに正解し、ミッション成功2では、相対的に簡単なクイズに成功する。そして、決め演出1およびミッション成功1が特定の演出に設定されている。すなわち、実施の形態2では、演出モードBにおいて、大当たり4当選を示す内容の決め演出1又はミッション成功1が実行されることが演出条件に設定されている(図95及び図96参照)。なお、決め演出1、決め演出2、ミッション成功1及びミッション成功2の演出態様は実施の形態2に限られず、適宜に設定される。
次に、図98を用いて、実施の形態2に係る遊技機Yによる基本的なゲームフローについて説明する。
通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、大当たり1又は大当たり4に当選すると(図98における(1))、当該当選に伴って、遊技状態が高確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第1特定期間に設定され、演出モードが演出モードBに設定される。
この高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100000回実行されると(図98における(2))、再び、遊技状態が低確率状態且つ非時短状態、期間が通常期間に設定され、演出モードが演出モードAに設定される。なお、高確率状態における大当たり当選確率は1/40であることから、高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100000回実行される可能性は極めて低い。
一方、通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、大当たり2又は大当たり5に当選すると(図98における(3))、当該当選に伴って、遊技状態が低確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第2特定期間に設定され、演出モードが演出モードCに設定される。
この低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると(図98における(4))、再び、遊技状態が低確率状態且つ非時短状態、期間が通常期間に設定され、演出モードが演出モードAに設定される。
高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たり1、3、4に当選すると(図98における(5))、当該当選に伴って、再度、遊技状態が高確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第1特定期間に設定され、演出モードが演出モードBに設定される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、高確率状態実行可能回数(Xa)、時短状態実行可能回数(Ja)、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。
高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)において、大当たり2、5に当選すると(図98における(6))、当該当選に伴って、遊技状態が低確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第2特定期間に設定され、演出モードが演出モードCに設定される。
また、低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり1、3、4に当選すると(図98における(7))、当該当選に伴って、遊技状態が高確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第1特定期間に設定され、演出モードが演出モードBに設定される。
また、低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり2、5に当選すると(図98における(8))、当該当選に伴って、再度、遊技状態が低確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第2特定期間に設定され、演出モードが演出モードCに設定される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、高確率状態実行可能回数(Xa)、時短状態実行可能回数(Ja)、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。
図98における(7)、(8)のように低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、大当たり当選することが、実施の形態1における「引き戻し」に相当する。
また、図示していないが、高確率状態且つ時短状態(演出モードB、第1特定期間)又は低確率状態且つ時短状態(演出モードC、第2特定期間)において、小当たりに当選した場合、当該遊技状態、演出モード及び特定期間は変化せずに小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)についても、小当たり遊技後は小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。
一方、通常遊技状態である低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、大当たり3に当選すると(図98における(9))、当該当選に伴って、遊技状態が高確率状態且つ非時短状態に設定され、期間が第3特定期間に設定され、演出モードが演出モードD1に設定される。
この高確率状態且つ非時短状態(演出モードD1、第3特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると(図98における(10))、遊技状態が低確率状態且つ非時短状態に設定され、期間が通常期間に設定され、演出モードが演出モードAに設定される。
また、高確率状態且つ非時短状態(演出モードD1、第3特定期間)において、大当たり1、大当たり3又は大当たり4に当選すると(図98における(13))、当該当選に伴って、遊技状態が高確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第1特定期間に設定され、演出モードが演出モードBに設定される。
一方、高確率状態且つ非時短状態(演出モードD1、第3特定期間)において、大当たり2又は大当たり5に当選すると(図98における(14))、当該当選に伴って、遊技状態が低確率状態且つ時短状態に設定され、期間が第2特定期間に設定され、演出モードが演出モードCに設定される。
さらには、高確率状態且つ非時短状態(演出モードD1、第3特定期間)において、小当たりに当選すると(図98における(15))、当該当選に伴って、当該遊技状態、演出モード及び特定期間は変化せずに小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。この場合、高確率状態残り回数(X)、時短状態残り回数(J)、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)についても、小当たり遊技後は小当たり遊技実行時のものがそのまま継続される。
また、低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)において、小当たり当選すると(図98における(11))、当該小当たり遊技が終了した後も、遊技状態は低確率状態且つ非時短状態が継続される一方、当該当選に伴って、期間が第4特定期間に設定され、演出モードが演出モードD2に設定される。
この通常遊技状態とは異なる低確率状態且つ非時短状態(演出モードD2、第4特定期間)において、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると(図98における(12))、遊技状態は変化せずに低確率状態且つ非時短状態がそのまま継続される一方、期間が通常期間に設定され、演出モードが演出モードAに設定される。
また、通常遊技状態とは異なる低確率状態且つ非時短状態(演出モードD2、第4特定期間)において、再度小当たり当選すると(図98における(19))、図98の(11)の場合と同様に、当該小当たり遊技が終了した後も、遊技状態は変化せずに低確率状態且つ非時短状態が継続される一方、当該当選に伴って、再度期間が第4特定期間に設定され、演出モードが演出モードD2に設定される。この場合、特定期間残り回数(T)、演出モード残り回数(M)については、再度、特定期間実行可能回数(Ta)、演出モード実行可能回数(Ma)が設定されることとなる。
また、低確率状態且つ非時短状態(演出モードD2、第4特定期間)において、大当たり当選した場合のその後のゲームフローについては、低確率状態且つ非時短状態(演出モードA、通常期間)の場合と同様である(図98における(16)、(17)、(18))。
次に、ゲームフローの具体例を用いて、実施の形態2における演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示について説明する。
図99(a)に示すような具体例1の場合、最初に演出モードAにおいて、大当たり1に当選した後の演出モードBでは、未だ演出条件を満足していないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、演出モードAでの大当たり1当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」が第2領域140Bの左上のマスに表示される(図100−1(a)参照)。
次に、最初の演出モードBにおいて大当たり4に当選した後の2回目の演出モードBでは、当該大当たり4当選に基づいて演出条件を満した(特定の演出が実行された)ので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、先の演出モードAでの大当たり1の当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」と、今回の演出モードBでの大当たり4の当選を示す大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−1(b)参照)。
次に、同様に、2回目の演出モードBにおいて大当たり4に当選した後の3回目の演出モードBでは、当該大当たり4の当選に基づいて演出条件が満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「2」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の大当たり演出図柄「7極」と、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−1(c)参照)。
また、3回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選した後は、演出モードCとなる。演出モードCであるので、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示は実行されない(図100−1(d)参照)。しかしながら、この時点ではまだ、演出モードAになっていない(連荘が完全に終了していない)ので大当たり演出図柄データ記憶領域がクリアされておらず、内部的には大当たり演出図柄データ記憶領域の第1記憶部に大当たり演出図柄「7(赤)」を示す大当たり演出図柄データ、第2記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データ、第3記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データ、第4記憶部に大当たり演出図柄「B」を示す大当たり演出図柄データがそれぞれ記憶されている。
次に、この演出モードCにおいて大当たり4に当選した後は、再び演出モードBとなる。よって、当該演出モードBにおいて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が再実行される(図100−1(e)参照)。ここで、当該大当たり4の当選は演出モードCにおいて行われたので、演出条件が満足されておらず、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「2」のままであり、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「2」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の大当たり演出図柄「7極」と、3回目の大当たり演出図柄「7極」と、4回目の大当たり演出図柄「B」、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される。
次に、図99(b)に示すようなゲームフローの具体例2の場合を想定する。具体例2は、1回目の演出モードBにおいて大当たり3に当選となっている点で具体例1の場合と相違する。最初に演出モードAにおいて、大当たり1に当選した後の演出モードBでは、未だ演出条件を満足していないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、演出モードAでの大当たり1当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」が第2領域140Bの左上のマスに表示される(図100−2(a)参照)。
次に、最初の演出モードBにおいて大当たり3に当選した後の2回目の演出モードBでは、当該大当たり3当選に基づいては演出条件が満たされないので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」のままとなり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、先の演出モードAでの大当たり1の当選を示す大当たり演出図柄「7(赤)」と、今回の演出モードBでの大当たり3の当選を示す大当たり演出図柄「☆」とが表示される(図100−2(b)参照)。
次に、同様に、2回目の演出モードBにおいて大当たり4に当選した後の3回目の演出モードBでは、当該大当たり4の当選に基づいて演出条件が満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−2(c)参照)。
3回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選した後は、演出モードCとなる。演出モードCであるので、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示は実行されない(図100−2(d)参照)。
次に、この演出モードCにおいて大当たり4に当選した後は、再び演出モードBとなる。よって、当該演出モードBにおいて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が再実行される(図100−2(e)参照)。ここで、当該大当たり4の当選は演出モードCにおいて行われたので、演出条件が満足されておらず、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「1」のままであり、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「7(赤)」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、3回目の大当たり演出図柄「7極」と、4回目の大当たり演出図柄「B」、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される。
このように、具体例1と具体例2とでは、演出モードの推移態様は同一であるが、途中で発生する大当たりの種類が異なることによって、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示の内容が異なるので、遊技の興趣が向上する。
次に、図99(c)に示すようなゲームフローの具体例3の場合を想定する。具体例3では、演出モードAにおいて大当たり3に当選して設定された演出モードD1において大当たり3に当選すると、演出モードBが設定される。この演出モードBを発生させた大当たり3の当選に基づいては演出条件が満たされないので、当該演出モードBにおいて演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」となり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、前回の大当たり3当選に係る大当たり演出図柄「☆」と、今回の大当たり3当選に係る大当たり演出図柄「☆」とが表示される(図100−3(a)参照)。
そして、演出モードBにおいて大当たり4に当選した後の2回目の演出モードBでは、当該大当たり4の当選に基づいて演出条件が満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」であり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「☆」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−3(b)参照)。
2回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選した後は、演出モードCとなる。演出モードCであるので、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示は実行されない(図100−3(c)参照)。
次に、この演出モードCにおいて大当たり4に当選した後は、再び演出モードBとなる。よって、当該演出モードBにおいて、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示が再実行される(図100−3(d)参照)。ここで、当該大当たり4の当選は演出モードCにおいて行われたので、演出条件が満足されておらず、演出条件満足回数カウンタのカウンタ値は「1」のままであり、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「☆」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、3回目の大当たり演出図柄「7極」と、4回目の大当たり演出図柄「B」と、今回の大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−3(d))。
次に、図99(d)に示すようなゲームフローの具体例4の場合を想定する。具体例4は1回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選し、当該大当たり5の当選に伴って設定される演出モードCで大当たり3に当選する点で具体例3の場合と相違する。
具体例4でも、演出モードAにおいて大当たり3に当選して設定された演出モードD1において大当たり3に当選すると、演出モードBが設定される。この演出モードBを発生させた大当たり3の当選に基づいては演出条件が満たされないので、当該演出モードBにおいて演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」となり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、前回の大当たり3当選に係る大当たり演出図柄「☆」と、今回の大当たり3当選に係る大当たり演出図柄「☆」とが表示される(図100−4(a)参照)。
そして、1回目の演出モードBにおいて大当たり5に当選した後の演出モードCでは、演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示は実行されない(図100−4(b)参照)。この時点ではまだ、演出モードAになっていないので大当たり演出図柄データ記憶領域がクリアされておらず、内部的には大当たり演出図柄データ記憶領域の第1記憶部に大当たり演出図柄「☆」を示す大当たり演出図柄データ、第2記憶部に大当たり演出図柄「7極」を示す大当たり演出図柄データ、第3記憶部に大当たり演出図柄「B」を示す大当たり演出図柄データがそれぞれ記憶されている。
次に、演出モードCにおいて大当たり3に当選した後は、再び演出モードBとなる。しかしながら、当該演出モードBを発生させた大当たり3の当選に基づいては演出条件が満たされないので、当該演出モードBにおいて演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「0」のままであり、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「☆」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、3回目の大当たり演出図柄「B」と、4回目の大当たり演出図柄「☆」とが表示される(図100−4(c))。
次に、2回目の演出モードBにおいて大当たり4に当選すると、2回目の演出モードBは大当たり4の当選を契機とし、演出条件を満足したので、演出条件満足回数表示が示す演出条件満足回数は「1」となっている。一方、大当たり演出図柄履歴表示として、第2領域140Bの左上のマスから右へ、1回目の大当たり演出図柄「☆」と、2回目の大当たり演出図柄「☆」と、3回目の大当たり演出図柄「B」と、4回目の大当たり演出図柄「☆」と、5回目の大当たり演出図柄「7極」とが表示される(図100−4(d))。
以上のように、実施の形態2では、大当たりの種類に基づいて大当たり遊技の終了時に高確率状態又は低確率状態の何れに設定されるのかが異なっているのに対して、実施の形態1では、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を通過したか否かに基づいて高確率状態又は低確率状態の何れに設定されるのかが異なっている。このように、ゲーム仕様に応じて演出条件満足回数表示及び大当たり演出図柄履歴表示の内容の変化パターンが異なっているので、遊技の興趣が向上する。
また、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機に限定されることなく、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機などの遊技球を用いた遊技機に用いることができる。