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JP5889229B2 - 再循環排ガス浄化装置及び再循環排ガス浄化方法 - Google Patents

再循環排ガス浄化装置及び再循環排ガス浄化方法 Download PDF

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JP5889229B2 JP2013037988A JP2013037988A JP5889229B2 JP 5889229 B2 JP5889229 B2 JP 5889229B2 JP 2013037988 A JP2013037988 A JP 2013037988A JP 2013037988 A JP2013037988 A JP 2013037988A JP 5889229 B2 JP5889229 B2 JP 5889229B2
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Description

本発明は、再循環排ガス浄化装置及び再循環排ガス浄化方法に関するものである。
例えば船舶用ディーゼルエンジン等の内燃機関からの排ガスにより回転駆動させる過給機において、動翼や静翼などの燃焼ガスに曝される部分には、煤塵(カーボン)が堆積しやすい。
また、船舶用ディーゼルエンジン排出ガスは、IMO(国際海事機関)規制により燃焼排ガス中の排出規制物質である、例えば窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、PM(微粒子状物質)等の成分を除去する必要がある。
特にPM、SOxは、水または海水液滴を噴霧する噴霧手段を備えた排ガススクラバ等の浄化装置で除去している。
この排ガススクラバで浄化された浄化排ガスは、過給機のコンプレッサを経由してエンジンの吸気ポート側に導入し、再度燃焼させるエンジンシステムがある(特許文献1)。
ここで使用する排ガススクラバは、まず排ガススクラバの前流側に設けたベンチュリー管で、排ガス中のPMを除去し、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ洗浄液『吸収液』を噴霧手段で噴霧し、NOx、SOxを吸収除去している。
なお、スクラバ出口にはミストセパレータ等の捕集手段を設置し、排ガスに同伴されるミストを最終的に捕集除去している。
特開2012−180814号公報 特開平3−264736号公報
しかしながら、硫黄(S)分を含む粗悪燃料を用いる船舶の内燃機関からの排出ガス中には、未燃焼の煤やそれに取り込まれる多環芳香族炭化水素(PAHs)、未燃の燃料成分である炭化水素(HC)が、排ガススクラバを通過して浄化される際に、吸収液側に移行する。このような場合、吸収液をそのまま外洋に排出すると、煤や微粒子等による濁度や多環芳香族炭化水素(PAHs)が上昇し、安定航行に支障をきたすという、という問題がある。
また、煤分は、仮にフィルタ等で捕集・回収してもそのまま産業廃棄物の対象となり、航行中にその保管が問題となる。
この結果、排ガススクラバを用いて、排ガスを浄化する際に、排出水中の濁度やその低減を図る洗浄・除去技術のシステムの確立が切望されている。
本発明は、このような事情に鑑み、排ガス浄化処理における排出水中の濁度や多環芳香族炭化水素(PAHs)の低減を図る再循環排ガス浄化装置及び再循環排ガス浄化方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、内燃機関から排出される排ガスを過給機を用いて再循環する際に、前記排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、前記内燃機関から排出される排ガスを再循環する排ガス再循環ラインに介装され、排ガス中の微粒子を捕集する金属捕集フィルタを備えた第1の捕集手段と、前記第1の捕集手段の後流側に設置され、排ガスを浄化する活性炭を備えた第2の捕集手段と、前記第2の捕集手段の後流側に設置され、排ガス中の微粒子を除去するベンチュリーと、前記ベンチュリーを通過後の排ガスを導入し、循環する吸収液により排ガスを浄化する排ガススクラバと、前記第1の捕集手段で捕集した捕集成分を用いて活性炭を製造する活性炭製造装置とを、具備し、前記活性炭製造装置で得られた活性炭を前記第2の捕集手段で用いると共に、前記排ガススクラバが、前記ベンチュリーを通過後の排ガスを導入する第1の浄化塔と、
前記第1の浄化塔内のガス流れ後流側に設けられた加熱手段と、第1の浄化塔の加熱手段を通過した排ガスが排出する前記第1の浄化塔の側壁開口と連通する第2の浄化塔と、 前記第2の浄化塔のガス流れ後流側に設けられた吸収液を噴霧する噴霧手段と、を具備することを特徴とする再循環排ガス浄化装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記排ガススクラバから排出水を排出する排出水ラインに第3の捕集手段を有することを特徴とする再循環排ガス浄化装置にある。
第3の発明は、第1の発明において、前記第1の捕集手段と、前記第2の捕集手段とを2系統とすることを特徴とする再循環排ガス浄化装置にある。
の発明は、第1乃至3のいずれか一つの再循環排ガス浄化装置を用い、前記活性炭製造装置で得られた活性炭を第2の捕集手段で用い、排ガス中の煤を低減した後、排ガススクラバで洗浄処理することを特徴とする再循環排ガス浄化方法にある。
の発明は、第の再循環排ガス浄化装置を用い、ベンチュリー通過後の排ガス中に同伴される泡を加熱手段と接触させて破泡し、排ガス中の同伴泡を除去することを特徴とする再循環排ガス浄化方法にある。
の発明は、第の発明において、前記泡の破泡により、泡中の微粒子、煤に含まれた燃料未燃分を排ガス中に移行させ、再循環排ガスと共に、内燃機関側に導入することを特徴とする再循環排ガス浄化方法にある。
本発明によれば、排ガススクラバの前段側において、第1の捕集手段及び第2の捕集手段を設けることで、排ガスを浄化すると共に、排ガス中の煤、PM等を第1の捕集手段で捕集している。そして、この得られた捕集成分を別途活性炭製造装置により活性炭に再生し、再生された活性炭を第2の捕集手段で再利用することで、排ガスの浄化を効率的に行うことができる。
図1は、実施例1に係る再循環排ガス浄化装置の概略図である。 図2は、活性炭製造装置での製造工程図である。 図3は、実施例1に係る再循環排ガス浄化装置のた概略図である。 図4は、実施例2に係る再循環排ガス浄化装置の概略図である。 図5は、第1の浄化塔内の加熱手段の概略図である。 図6は、他の第1の浄化塔内の加熱手段の概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1に係る再循環排ガス浄化装置の概略図である。図2は、活性炭製造装置での製造工程図である。図3は、実施例1に係る再循環排ガス浄化装置を備えた内燃機関を示した概略図である。
図1及び図3に示すように、本実施例に係る再循環排ガス浄化装置50は、内燃機関であるディーゼルエンジン11から排出される排ガス12を過給機13を用いて再循環する際に、前記排ガス12を浄化する排ガス浄化装置であって、ディーゼルエンジン11から排出される排ガス12を再循環する排ガス再循環ラインL3に介装され、排ガス12中の微粒子を捕集する金属捕集フィルタ71を備えた第1の捕集手段72と、第1の捕集手段72の後流側に設置され、排ガス12を浄化する活性炭73を備えた第2の捕集手段74と、第2の捕集手段74の後流側に設置され、排ガス12中の微粒子を除去するベンチュリー51と、前記ベンチュリー51を通過後の排ガス12を導入し、循環する吸収液60により排ガス12を浄化する排ガススクラバ52と、第1の捕集手段72で捕集した捕集成分75を用いて活性炭73を製造する活性炭製造装置76とを、具備し、前記活性炭製造装置76で得られた活性炭73を第2の捕集手段74で用いるものである。
本実施例では、排ガス12中から煤等の捕集成分75を第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74で除去することで、排ガススクラバ52に導入される排ガス12が浄化されるので、排ガススクラバ52で循環する吸収液60に煤等の濁度成分が混入することが防止され、濁度の上昇の防止を図ることができる。
また、捕集成分75は、併設する活性炭製造装置76により活性炭73を製造し、これを第2の捕集手段74の活性炭73として再利用することができる。
ここで、本実施例の排ガス浄化装置を備えた内燃機関について説明する。
図3は、例えば船舶内に、再循環排ガス浄化装置50を備え、船舶推進用の主機とされたディーゼルエンジン11と、ディーゼルエンジン11の排ガス12によって駆動される排気ターボ式の過給機13とを備えている。
ディーゼルエンジン11は、例えば舶用2サイクルエンジンとされており、下方から給気して上方へ排気するように一方向に掃気されるユニフロー型が採用されている。ディーゼルエンジン11からの出力は、図示しないプロペラ軸を介してスクリュープロペラに直接的または間接的に接続されている。ディーゼルエンジン11の各気筒のシリンダ部11a(なお、図3では、1気筒のみを示している。)の排気ポートは排ガス集合管としての排気マニホールド11bに接続されている。排気マニホールド11bは、排ガスラインL1を介して、過給機13のタービン部13aの入口側と接続されている。なお、図1において、符号11cは排気弁、符号11dはピストンである。
一方、各シリンダ部11aの掃気ポートは掃気トランク11fに接続されており、掃気トランク11fは、掃気ライン(燃焼用空気供給経路)L5を介して、過給機13のコンプレッサ部13cと接続されている。また、掃気ラインL5には空気冷却器(インタークーラ)11gが設置されている。
過給機13は、タービン部13aと、コンプレッサ部13cとを備えており、タービン部13a及びコンプレッサ部13cは、回転軸13bによって同軸にて連結されている。タービン部13aは、ディーゼルエンジン11からの排ガス12によって駆動され、タービン部13aにて得られたタービン仕事は回転軸13bを介してコンプレッサ部13cに伝達される。コンプレッサ部13cは、外気(空気)17及び排ガス浄化装置15から導かれる再循環排ガスである浄化排ガス12を吸い込み所定掃気圧まで昇圧する。
タービン部13aにてタービン仕事を与えた後の排ガス12は、第2排ガスラインL2へと流出する。排ガス12は、第2排ガスラインL2を通り、図示しない煙突から大気へと放出される。
第2排ガスラインL2には、一部の排ガス12を分岐させてディーゼルエンジン11側へ戻す排ガス再循環(EGR)を行う排ガス再循環ラインL3が設けられている。排ガス再循環ラインL3は、第2排ガスラインL2の分岐点28と、排ガススクラバ52の入口部とを接続する。排ガス再循環ラインL3の分岐点28の下流側には、排ガス循環量を調整するための排ガス再循環用調整弁29が設けられている。
タービン部13aは、排ガス12を受けて回転するタービンディスク及びタービン翼から構成されており、タービンケーシング14aで覆われている。タービンケーシング14aは、排ガス集合管(図示せず)から排ガス12が導かれるタービンケーシング入口と、タービン翼を通過した排ガスをタービン外へと導くタービンケーシング出口とを有している。
コンプレッサ部13cは、圧縮機ケーシング14bと、回転駆動されることで空気17及び浄化排ガス16を圧縮するインペラとを有している。圧縮機ケーシング14bは、インペラを覆うように設けられている。圧縮機ケーシング14bは、サイレンサを介して外部からの空気を取り入れる圧縮機ケーシング入口(吸込み口)と、インペラが圧縮した空気を排出する圧縮機ケーシング出口とを有している。
回転軸13bの一端はタービン部13aのタービンディスクに接続され、他端はコンプレッサ部13cのインペラに接続されている。よって、タービンディスクが回転駆動することにより、インペラも回転駆動し、空気17を圧縮することができる。
なお、圧縮された圧縮浄化ガス18は、掃気ラインL5に介装されたインタークーラ19を介して、エンジン11の掃気トランク11f側に供給される。
ここで、排ガス再循環ラインL3に介装される第1及び第2の捕集手段72、74について説明する。
図1に示すように、第1の捕集手段72は、排ガス12中の煤を捕集する金属捕集フィルタ71が配設されており、排ガス通過の再、金属捕集フィルタ71に煤を捕集している。
本実施例では、図1に示すように、2系統の第1の捕集手段72、72としており、その前後に設けられた開閉弁V1、V2、V3、V4を交互に開閉することで、いずれかの系統に排ガス12を通過させている。
また、2系統の第2の捕集手段74、74としており、その前後に設けられた開閉弁V5、V6、V7、V8を交互に開閉することで、いずれかの系統に排ガス12を通過させている。
ここで、排ガス12中には、煤、灰、多環芳香族炭化水素(PAHs)、未燃の燃料成分である炭化水素(HC)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)等が含まれている。
多環芳香族炭化水素(PAHs)は、例えばナフタレン、フェナントレン、ピレン、ベンゾピレン等であり、炭化水素(HC)、煤と共に、活性炭73の原料となる。
そこで、本実施例では、捕集したこれらの捕集成分(煤、多環芳香族炭化水素(PAHs)、未燃の燃料成分である炭化水素(HC))75を用いて、活性炭製造装置76により活性炭73を製造するようにしている。
次に、図2を用いて活性炭の製造工程について説明する。
図2に示すように、第1の捕集手段72の金属捕集フィルタ72で捕集した煤等の捕集成分75を回収する(回収工程(S1))。
成形機において、回収物を直径が例えば約8〜10mm程度のペレット状に成形する(ペレット成形工程(S2))。
焼成炉において、700〜1,000℃で賦活処理し、再生する(賦活工程(S3))。
これらの工程により、10〜500Å程度の細孔を有する活性炭73を得る。
この得られた活性炭73は、第2の捕集手段74で破過した活性炭73と交換して、再利用することができる(再利用工程(S4))。
また、第2の捕集手段74で破過した活性炭は賦活再生し、再利用するようにしてもよい。
そして、機能しなくなった活性炭は、陸にあげてから、別途焼却処理する。
これにより、排ガススクラバ52に導入される排ガス12が浄化されるので、吸収液60に煤が混入することが防止され、吸収液60の濁度の上昇の防止を図ることができる。
特に、海水を吸収液60として使用する場合、海水中の濁度が高い海域の場合、排ガススクラバ52で循環使用すると、濁度上昇が顕著となるが、排ガススクラバ52に導入する以前において、第1及び第2の捕集手段72、74で排ガスを浄化することで、濁度の上昇を抑えることができる。
また、排ガス12中に含まれる多環芳香族炭化水素(PAHs)について、排出水80の排出基準がある場合、この多環芳香族炭化水素(PAHs)の濃度を低下することができ、排水規制をクリアし、安定した航行を図ることができる。
また、第2の捕集手段74に用いる活性炭73は、第1の捕集手段72で捕集した捕集成分75を、船内に設置した活性炭製造装置76により活性炭を製造することができ、活性炭73として再利用することができる。
排水基準として、多環芳香族炭化水素(PAHs)については、ナフタレン以外に16成分が規定されており、排ガススクラバ52から排出する吸収液等の排出水80に対して、基準が設けられている場合もあるが、本発明を適用することで、排水規制をクリアし、安定した航行を図ることができる。
第2の捕集手段74による活性炭73の吸着処理により、排ガス12が浄化されるので、排ガス12中の煤やPM等の吸着捕集されている硫黄酸化物が捕集され、排ガススクラバ52内に導入される硫黄酸化物の濃度の低減も図ることができる。これにより、排出水80のpHの低下も抑制することができる。
再循環排ガス浄化装置50では、排ガス12中の煤等を第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74で浄化した後、排ガススクラバ52の前流側に設置したベンチュリー51でさらにPM等を捕集するようにしている。ベンチュリー51には、補給水79が供給され、排ガス12中の残存するPM、煤を除去している。
ここで、排ガススクラバ52は、スクラバ本体内に設けた吸収液(水又は海水)60を噴霧する噴霧手段56と、導入される排ガス12と吸収液60とが対向接触する充填層64と、本体出口側に設けたミストセパレータ57とを備えている。吸収液60は、循環ライン61に介装されたポンプ62により循環されると共に、冷却手段63により冷却されている。
そして、排ガススクラバ52において、ベンチュリー51を通過した排ガス12を導入し、噴霧する吸収液60で排ガス12中のPM等を除去すると共に、NOx、SOxを吸収除去している。
また、吸収液60の噴霧により浄化された排ガス12は、さらにスクラバ出口に設けたミストセパレータ57等の捕集手段により、排ガス12に同伴されるミストを最終的に捕集除去している。
また、排ガススクラバ52の上端側に排ガス冷却器を設置するようにしてもよい。
排水ライン81には、排水モニタリング手段84を設け、排出する排出水80を監視している。
そして、排ガススクラバ52から排出される排出水80は、排出ライン81に設置した活性炭槽82を通過することで、浄化される。
また、一部は戻りライン85にも活性炭を設けており、排水モニタリング手段84で基準値以上となった場合、活性炭槽82を通過することで浄化され、循環ポンプ62で再度吸収液60として利用される。
以上より、排ガススクラバ52の前段側において、第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74を設けることで、排ガス12を浄化すると共に、排ガス12中の煤、PM等を第1の捕集手段72で捕集している。そして、得られた捕集成分75を別途活性炭製造装置76により活性炭73に再生し、この活性炭73を第2の捕集手段74で再利用することで、排ガスの浄化を効率的に行うことができる。
なお、排ガススクラバ52を通過した浄化排ガス16は、混合チャンバ31へと導かれる。混合チャンバ31は、過給機13のコンプレッサ部13cの上流側に設けられており、排ガススクラバ52から導かれた浄化排ガス16と外気17とが混合されるようになっている。
次に、再循環排ガス浄化装置を備えた舶用ディーゼルエンジン11の運用方法について説明する。
ディーゼルエンジン11から排出された排ガス12は、排気マニホールド11bから第1排ガスラインL1を介して過給機13のタービン部13aへと導かれる。タービン部13aでは、排ガスエネルギーを得て回転させられ、コンプレッサ部13cを回転させる。コンプレッサ部13cでは、吸入した空気(外気)17および再循環した浄化排ガス16を圧縮して空気冷却器11gを介してディーゼルエンジン11の掃気トランク11fへと送る。
例えば、排ガスNOx規制が厳格な海域を航行する場合には、所定のNOx値以下の排ガスとなるように排ガス再循環を行う。この場合、図示しない制御部の指令によって、排ガス再循環用調整弁29を開として所定開度に設定する。
排ガス再循環用調整弁29を開とすることにより、所定量の排ガス12が第2排ガスラインL2から分岐され、排ガス再循環ラインL3を通り、第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74を通過して排ガススクラバ52へと導かれる。
排ガススクラバ52の前段側において、第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74を設けることで、排ガス12を浄化すると共に、排ガス12中の煤、PM等を捕集する。
そして、捕集成分75を、別途設置した活性炭製造装置76により活性炭73に再生し、この活性炭73を第2の捕集手段74で再利用する。
排ガススクラバ52では、ベンチュリー51でPMを除去すると共に、排ガス12に対して吸収液60を上方から噴霧手段56により散布することによって気液接触させ、排ガス12中のPMおよびSOxを吸収して除去する。
排ガススクラバ52によって処理された浄化排ガス16は、浄化排ガスラインL4を通り、その後混合チャンバ31へと導かれる。混合チャンバ31にて、浄化排ガス16と外気17とが混合され、過給機13のコンプレッサ部13cへと導かれる。コンプレッサ部13cにて圧縮された混合流体の圧縮浄化ガス18は、空気冷却器11gにて冷却された後に、掃気トランク11fへと導かれる。
以上より、排ガススクラバ52の前段側において、第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74を設けることで、排ガス12を浄化すると共に、排ガス12中の煤、PM等を捕集し、該捕集成分75を、別途活性炭製造装置76により活性炭73に再生する。そして、この再生した活性炭73を第2の捕集手段74で再利用することで、排ガスの浄化を効率的に行うことができる。
これにより排ガススクラバ52から排出する排出水80の基準をクリアしつつ安定した航行が可能となる。
次に、図4を用いて本実施例に係る再循環排ガス浄化装置について説明する。
図4は、実施例2に係る再循環排ガス浄化装置の概略図である。図5は、第1の浄化塔内の加熱手段の概略図である。図6は、他の第1の浄化塔内の加熱手段の概略図である。なお、図1、3の実施例1に係る再循環排ガス浄化装置の構成と重複する部材には同一符号を付してその説明は省略する。なお、第1の捕集手段72及び第2の捕集手段74については、省略している。
図4に示すように、本実施例に係る再循環排ガス浄化装置では、実施例1の再循環排ガス浄化装置において、さらに前記排ガススクラバ52が、前記ベンチュリー51を通過後の排ガス12を導入する第1の浄化塔54Aと、前記第1の浄化塔54A内のガス流れ後流側に設けられた加熱手段53と、第1の浄化塔54Aの加熱手段53を通過した排ガスが排出する第1の浄化塔54Aの側壁開口52aと連通する第2の浄化塔54Bと、前記第2の浄化塔54Bのガス流れ後流側に設けられた吸収液55を噴霧する噴霧手段56と、前記噴霧手段56のガス流れ後流側に設けたミスト捕集手段57と、を具備するものである。
本実施例では、第1の浄化塔54A内に加熱手段53を設置することで、排ガス12中の泡78が加熱手段53と接触することで破泡し、排ガス12と同伴して後流側に流れるのを防止する。これにより、排ガススクラバ52から後流側の過給機13に搬送されることを防止し、過給機13の性能低下と、損傷トラブルを防ぐことができる。
先ず、図4に示すように、排ガススクラバ52の前流側に設置したベンチュリー51には、補給水70が導入されると共に、第1の浄化塔54Aの底部に溜まった吸収液60を一部導入している。
そして、ベンチュリー51に流速が40〜100m/sの排ガス12を導入することで、PM、煤等の粒子を、ガス側から循環水側に移行させるようにしている。
この除去する際、排ガス12が高速であるので、多量の泡78が発生し、排ガスに同伴されて、第1の浄化塔54A内に導入される。
ここで発生する泡78は嵩密度が0.05〜0.1g/Cm3の軽い泡であり、この軽い泡は、吸収液60の表面に滞留・堆積して、排ガス12のガス流れに運ばれ、同伴されて、下流に飛散する。
本実施例では、第1の浄化塔54Aの排ガス12のガス流れ後流側(第1の浄化塔54Aの頂部側)に、加熱手段53が設けられている。この加熱手段53は、高温の排ガス12の熱を用いるものである。そして、ベンチュリー51に導入する前の一部を分岐ラインL11により分岐導入し、加熱手段53を通過した後再度ベンチュリー51に戻している。
循環する吸収液60は、循環ライン61に介装された循環ポンプ62により第1の浄化塔54Aの底部から、冷却器63の冷却水63aにより冷却されて、噴霧手段56へ供給して、ここから第2の浄化塔54B内部に噴霧している。
そして、排ガススクラバ52において、ベンチュリー51を通過した排ガス12を第1の浄化塔54A内に導入し、上昇する際に加熱手段(約200℃)53と接触することで、排ガス12中の泡を破泡させる。そして、破泡した泡破泡物は第1の浄化塔54Aの底部の吸収液溜52b内に落下する。
次いで、泡が除去された排ガス12は、第1の浄化塔54Aの側壁開口52aにおいて連通する第2の浄化塔54B内に導入され、噴霧する吸収液60により、排ガス中のPMを除去すると共に、NOx、SOxを吸収除去している。
この吸収液60の噴霧により浄化された排ガス12は、さらにスクラバ出口に設けたミストセパレータ等のミスト捕集手段57により、排ガス12に同伴されるミストを最終的に捕集除去し、浄化排ガス16として、浄化排ガスラインL4に導入している。
また、排ガススクラバ52の上端側に排ガス冷却器を設置するようにしてもよい。
ここで、破泡物質である煤は多孔質であるので、燃料の未燃焼分を含んでいる。
よって、泡78を破泡させることにより、泡78に含まれていた煤が外気に触れ、煤に含まれる未燃焼燃料が排ガス中に移行される。そして、排ガススクラバ52を通過して、過給機13において、エンジン燃焼用の空気と共に圧縮して内燃機関に供給することで、未燃焼分の燃料を燃やすことができる。
すなわち、泡のまま排出水として外部に排出する場合には、未燃焼分の燃料を外洋に排出することとなるが、破泡することで、これを阻止し、再利用することができる。
第1の浄化塔54A内に設置する加熱手段としては、図5に示すように、蛇行するチューブを設置としてもよい。
ここで、チューブの直径Dは、例えば10mm〜20mmとし、チューブ同士の間隔dは、例えば20mm〜30mm程度とすればよい。
また、図6に示すように渦巻き状のチューブを設置するようにしてもよい。
このチューブの内部に排ガス12を導入することで、チューブ同士の間(例えばd:20mm〜30mm)を通過する排ガス12中の泡を接触させ、破泡するようにしている。なお、チューブの形状はこれらに限定されるものではない。
以上より、第1の浄化塔54A内に加熱手段53を設置することで、排ガス中の泡が加熱手段と接触することで破泡し、排ガスと同伴して後流側に流れるのを防止する。
これにより、排ガススクラバ52から後流側の過給機13に搬送されることを防止し、過給機の性能低下と、損傷トラブルを防ぐことができる。泡に含まれるPM、煤が洗浄液内に落下し、洗浄手段内で捕集され、外部に排出することができる。
以上より、排ガススクラバ52の前流側に設置したベンチュリー51で発生した泡を除去するので、後流側に設置される過給機13に搬送されることが防止され、過給機の性能低下や損傷トラブルが発生することを防止できる。
11 ディーゼルエンジン
12 排ガス
13 過給機
13a タービン部
13c コンプレッサ部
16 浄化排ガス
17 空気
18 圧縮浄化ガス
50 再循環排ガス浄化装置
51 ベンチュリー
52 排ガススクラバ
53 加熱手段
54A 第1の浄化塔
54B 第2の浄化塔
56 噴霧手段
57 ミスト捕集手段
60 吸収液
71 金属捕集フィルタ
72 第1の捕集手段
73 活性炭
74 第2の捕集手段
75 捕集成分
76 活性炭製造装置

Claims (6)

  1. 内燃機関から排出される排ガスを過給機を用いて再循環する際に、前記排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
    前記内燃機関から排出される排ガスを再循環する排ガス再循環ラインに介装され、排ガス中の微粒子を捕集する金属捕集フィルタを備えた第1の捕集手段と、
    前記第1の捕集手段の後流側に設置され、排ガスを浄化する活性炭を備えた第2の捕集手段と、
    前記第2の捕集手段の後流側に設置され、排ガス中の微粒子を除去するベンチュリーと、
    前記ベンチュリーを通過後の排ガスを導入し、循環する吸収液により排ガスを浄化する排ガススクラバと、
    前記第1の捕集手段で捕集した捕集成分を用いて活性炭を製造する活性炭製造装置とを、具備し、
    前記活性炭製造装置で得られた活性炭を前記第2の捕集手段で用いると共に、
    前記排ガススクラバが、
    前記ベンチュリーを通過後の排ガスを導入する第1の浄化塔と、
    前記第1の浄化塔内のガス流れ後流側に設けられた加熱手段と、
    第1の浄化塔の加熱手段を通過した排ガスが排出する前記第1の浄化塔の側壁開口と連通する第2の浄化塔と、
    前記第2の浄化塔のガス流れ後流側に設けられた吸収液を噴霧する噴霧手段と、を具備することを特徴とする再循環排ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、
    前記排ガススクラバから排出水を排出する排出水ラインに第3の捕集手段を有することを特徴とする再循環排ガス浄化装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1の捕集手段と、前記第2の捕集手段とを2系統とすることを特徴とする再循環排ガス浄化装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つの再循環排ガス浄化装置を用い、
    前記活性炭製造装置で得られた活性炭を第2の捕集手段で用い、排ガス中の煤を低減した後、排ガススクラバで洗浄処理することを特徴とする再循環排ガス浄化方法。
  5. 請求項の再循環排ガス浄化装置を用い、
    ベンチュリー通過後の排ガス中に同伴される泡を加熱手段と接触させて破泡し、排ガス中の同伴泡を除去することを特徴とする再循環排ガス浄化方法。
  6. 請求項において、
    前記泡の破泡により、泡中の微粒子、煤に含まれた燃料未燃分を排ガス中に移行させ、再循環排ガスと共に、内燃機関側に導入することを特徴とする再循環排ガス浄化方法。
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