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JP5884021B2 - マルチスペクトル撮像装置およびマルチスペクトル撮像方法 - Google Patents

マルチスペクトル撮像装置およびマルチスペクトル撮像方法 Download PDF

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JP5884021B2 JP2014529736A JP2014529736A JP5884021B2 JP 5884021 B2 JP5884021 B2 JP 5884021B2 JP 2014529736 A JP2014529736 A JP 2014529736A JP 2014529736 A JP2014529736 A JP 2014529736A JP 5884021 B2 JP5884021 B2 JP 5884021B2
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Description

本発明は、顕微鏡光学系において、マルチスペクトル像を得るためのマルチスペクトル撮像装置およびマルチスペクトル撮像方法に関するものである。
マルチスペクトル像とは、少なくとも2つの異なる波長スペクトルを有する光によって撮影された像、または少なくとも2つの異なる偏光状態を有する光によって撮影された像のことである。
マルチスペクトル像の例として、波長700ナノメートル前後に成分の分布を持つ第一のスペクトル特性の光によって撮影された像と、波長546ナノメートル前後に成分の分布を持つ第二のスペクトル特性の光によって撮影された像と、波長435ナノメートル前後に成分の分布を持つ第三のスペクトル特性の光によって撮影された像と、の3つの波長スペクトル特性の光によって撮影された像をあげることができる。このマルチスペクトル像は、いわゆるRGB三原色によるカラー画像である。
これ以外にも、2つ以上のスペクトル特性の光(例えば、赤外線と可視光)での撮像が、産業分野や医療分野などで利用されている。
マルチスペクトル像を撮影するためには、これまでにいくつかの方法が開示されている。
第一の方法は、二次元受光素子アレイ中の受光素子ごとに、その直上に異なる透過特性を持つフィルターを配置する方法である。これは、カラー撮像可能なデジタルカメラなどで広く用いられている。
第二の方法は、撮像光学系内に、互いに異なる透過特性を持つ複数のフィルターを含むフィルター群と、分離光学素子とを配置する方法である。分離光学素子は、各フィルターを通過した光を、二次元受光素子アレイ内の異なる受光素子に入射するように振り分ける機能を有する。
第二の方法は、特許文献1および特許文献2に詳細が開示されている。この第二の方法では、フィルター群の配置位置に制限がある。特許文献1では絞り位置に、特許文献2では瞳位置に、フィルター群が配置されている。
特許第5001471号公報 国際公開第2012/066741号
しかしながら、マルチスペクトル像を撮影するための上記従来の方法を顕微鏡光学系に適用することは難しい。
そこで、本発明は、顕微鏡光学系においてマルチスペクトル像を撮影することができるマルチスペクトル撮像装置を提供する。
本発明の一態様に係るマルチスペクトル撮像装置は、被写体のマルチスペクトル像を撮影するマルチスペクトル撮像装置であって、前記被写体に光を照射する照明光学系と、前記被写体を撮像する撮像光学系とを備え、前記照明光学系は、前記被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域に配置されるフィルター群であって、互いに異なる透過特性を持つ第一のフィルターおよび第二のフィルターを少なくとも含むフィルター群を備え、前記撮像光学系は、複数の第一の受光素子および複数の第二の受光素子を少なくとも含む撮像素子と、前記第一のフィルターを通過してきた光を前記複数の第一の受光素子に導き、前記第二のフィルターを通過してきた光を前記複数の第二の受光素子に導く分離光学素子とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の一態様に係るマルチスペクトル撮像装置によれば、顕微鏡光学系においてマルチスペクトル像を撮影することが可能となる。
図1は、実施の形態1におけるマルチスペクトル撮像装置の構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1における照明光学系の構成の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1において被写体中の第一の点に集光される光束の光路を示す図である。 図4は、実施の形態1において被写体中の第二の点に集光される光束の光路を示す図である。 図5は、実施の形態1において被写体中の第三の点に集光される光束の光路を示す図である。 図6は、実施の形態1において被写体の撮像範囲内の第一から第三の点に到達する光束が重なる領域を示す図である。 図7は、実施の形態1におけるフィルター群の模式図である。 図8は、実施の形態1において、第一および第二のフィルターの各々を通過して、被写体中の第一の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図9は、実施の形態1において、第一および第二のフィルターの各々を通過して、被写体中の第二の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図10は、実施の形態1において、第一および第二のフィルターの各々を通過して、被写体中の第三の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図11は、実施の形態1における撮像光学系の構成の一例を示す図である。 図12は、実施の形態1において被写体中の第一の点を通過した光束の光路を示す図である。 図13は、実施の形態1において被写体中の第二の点を通過した光束の光路を示す図である。 図14は、実施の形態1において被写体中の第三の点を通過した光束の光路を示す図である。 図15は、実施の形態1における分離光学素子の一例を示す図である。 図16は、実施の形態1において撮像面に投影されたフィルター群の実像を示す図である。 図17は、実施の形態1における二次元受光素子アレイの模式図である。 図18は、スペクトルを制限せずに撮像した癌組織の写真である。 図19は、各組織の吸収スペクトルを示すグラフである。 図20は、実施の形態1において第一のスペクトル特性で撮像した癌組織の写真である。 図21は、実施の形態1において第二のスペクトル特性で撮像した癌組織の写真である。 図22は、実施の形態2におけるマルチスペクトル撮像装置の構成の一例を示す図である。 図23は、実施の形態2における照明光学系の構成の一例を示す図である。 図24は、実施の形態2における撮像光学系の構成の一例を示す図である。 図25は、実施の形態2において被写体中の第一の点に集光される光束の光路を示す図である。 図26は、実施の形態2において被写体中の第二の点に集光される光束の光路を示す図である。 図27は、実施の形態2において被写体中の第三の点に集光される光束の光路を示す図である。 図28は、実施の形態2において被写体の撮像範囲内の第一から第三の点に到達する光束が重なる領域を示す図である。 図29は、実施の形態2におけるフィルター群の模式図である。 図30は、実施の形態2において、第一から第四のフィルターの各々を通過して、被写体中の第一の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図31は、実施の形態2において、第一から第四のフィルターの各々を通過して、被写体中の第二の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図32は、実施の形態2において、第一から第四のフィルターの各々を通過して、被写体中の第三の点に集光される各光束の光路を示す図である。 図33は、実施の形態2において被写体中の第一の点で反射した光束の光路を示す図である。 図34は、実施の形態2において被写体中の第二の点で反射した光束の光路を示す図である。 図35は、実施の形態2において被写体中の第三の点で反射した光束の光路を示す図である。 図36は、実施の形態2における分離光学素子の一例を示す図である。 図37は、実施の形態2おいて撮像面に投影されたフィルター群の実像を示す図である。 図38は、実施の形態2における二次元受光素子アレイの模式図である。 図39は、酸化膜つきシリコン基板の反射スペクトルを示すグラフである。 図40は、実施の形態3における被写体の断面構造を示す模式図である。 図41Aは、グラフェン層の厚みを変えながら、光学シミュレーションにより求めた反射度を示すグラフである。 図41Bは、複数のPMMA樹脂層の厚みを変えながら、光学シミュレーションにより求めた反射度を示すグラフである。 図42は、第一のスペクトル特性の光で撮影された画像である。 図43は、第二のスペクトル特性の光で撮影された画像である。 図44は、第三のスペクトル特性の光で撮影された画像である。 図45は、第三のスペクトル特性の光で撮影された画像においてコントラストと明るさが調整された画像である。 図46は、第四のスペクトル特性の光で撮影された画像である。 図47は、グラフェン層の厚みを変えながら、光学シミュレーションにより求めた反射度を示すグラフである。 図48は、PMMA樹脂層の厚みを変えながら、光学シミュレーションにより求めた反射度を示すグラフである。 図49は、フィルター群の変形例を示す図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、顕微鏡光学系におけるマルチスペクトル像の撮影に関し、以下の問題が生じることを見出した。
前記第一の方法、すなわち受光素子ごとにフィルターを配置する方法では、フィルターの配置に受光素子間隔程度の精度が求められる。そのため、フィルターは受光素子製造時点で作りこむ必要があり、後から交換することは極めて困難である。
前記第二の方法、すなわちフィルター群を通過した光を分離光学素子で振り分ける方法では、フィルター群を配置できる場所が限定されている。この制限は、顕微鏡光学系に前記第二の方法を応用する場合に特に大きな課題となる。例えば、複数のレンズから構成される撮像光学系の場合、フィルター群の配置条件を満たす位置は、撮像光学系を構成する中で最も被写体に近いレンズの前と、撮像光学系を構成する複数のレンズ間とに存在する。しかし、顕微鏡光学系の場合、被写体と最も被写体に近いレンズとの間の距離が短く、最も被写体に近いレンズの前面にフィルターを配置するのに十分な空間がない。
一方、撮像光学系を構成する複数のレンズ間にフィルター群を配置する場合は、通常、対物レンズの中にフィルター群を配置する必要がある。そのため、前記第二の方法でマルチスペクトル像を得るためには、マルチスペクトル撮像専用の、フィルター群が内蔵された対物レンズを準備しなければならない。また、対物レンズは収差補正のために多数のレンズから構成されるのが一般的であり、対物レンズ内にフィルター群を配置するのに十分な場所を確保するのは難しい。
そこで、本発明の一態様に係るマルチスペクトル撮像装置は、被写体のマルチスペクトル像を撮影するマルチスペクトル撮像装置であって、前記被写体に光を照射する照明光学系と、前記被写体を撮像する撮像光学系とを備え、前記照明光学系は、前記被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域に配置されるフィルター群であって、互いに異なる透過特性を持つ第一のフィルターおよび第二のフィルターを少なくとも含むフィルター群を備え、前記撮像光学系は、複数の第一の受光素子および複数の第二の受光素子を少なくとも含む撮像素子と、前記第一のフィルターを通過してきた光を前記複数の第一の受光素子に導き、前記第二のフィルターを通過してきた光を前記複数の第二の受光素子に導く分離光学素子とを備える。
これによれば、照明光学系がフィルター群を備えるので、顕微鏡光学系においてマルチスペクトル像を撮影することができる。つまり、照明光学系において、被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域にフィルター群を配置することにより、マルチスペクトル撮像が実現される。また、マルチスペクトル撮像のためのフィルター群を撮像光学系に配置しなくてもよいので、撮像光学系の設計の自由度を向上させることができる。
また例えば、前記照明光学系は、視野絞りおよび開口絞りを有するケーラー照明系であり、前記フィルター群は、前記開口絞りの近傍に配置されてもよい。
これによれば、顕微鏡光学系において一般的に利用されているケーラー照明系を用いて、マルチスペクトル像を撮影することができる。
また例えば、前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの少なくとも一方は、前記照明光学系に交換可能に取り付けられてもよい。
これによれば、第一のフィルターおよび第二のフィルターの少なくとも一方は、照明光学系に交換可能に取り付けられる。したがって、被写体の特性あるいは撮像目的に応じて、フィルターを容易に交換することが可能となる。
また例えば、前記撮像光学系は、さらに、対物レンズを備え、前記フィルター群は、前記対物レンズの開口数が変化しても、前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの各々を通過した光がそれぞれ前記第一の受光素子および前記第二の受光素子に入射する位置に配置されてもよい。
これによれば、対物レンズの開口数が変化しても、第一のフィルターおよび第二のフィルターの各々を通過した光がそれぞれ第一の受光素子および第二の受光素子に入射する位置に、フィルター群が配置される。したがって、対物レンズの開口数を変化させても、マルチスペクトル像を撮影することが可能となる。
また例えば、前記フィルター群は、前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの境界線が前記照明光学系の光軸と交差する位置に配置されてもよい。
これによれば、第一のフィルターおよび第二のフィルターの境界線が照明光学系の光軸と交差する位置にフィルター群が配置される。したがって、対物レンズの開口数を変化させても、マルチスペクトル像を撮影することが可能となる。
また、本発明の一態様に係るフィルター群は、上記マルチスペクトル撮像装置に用いられるフィルター群である。
これによれば、上記マルチスペクトル撮像装置と同様の効果を奏することができる。
また、本発明の一態様に係るマルチスペクトル撮像方法は、マルチスペクトル撮像装置を用いて被写体のマルチスペクトル像を撮影するマルチスペクトル撮像方法であって、前記マルチスペクトル撮像装置は、前記被写体に光を照射する照明光学系と、前記被写体を撮像する撮像光学系とを備え、前記マルチスペクトル撮像方法は、互いに異なる透過特性を持つ第一のフィルターおよび第二のフィルターを少なくとも含むフィルター群を、前記被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が前記照明光学系において重なり合う領域に配置する配置ステップと、前記被写体のマルチスペクトル像を撮影する撮像ステップとを含み、前記撮像光学系は、複数の第一の受光素子および複数の第二の受光素子を少なくとも含む撮像素子と、前記第一のフィルターを通過してきた光を前記複数の第一の受光素子に導き、前記第二のフィルターを通過してきた光を前記複数の第二の受光素子に導く分離光学素子とを備える。
これによれば、上記マルチスペクトル撮像装置と同様の効果を奏することができる。
また例えば、前記被写体は、複数の吸収スペクトルを有する複数の染料を用いて染色されており、前記配置ステップでは、前記複数の染料に含まれる第一の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターと、前記複数の染料に含まれる第二の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第二の波長の光を通過させる前記第二のフィルターとを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置してもよい。
これによれば、各染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す波長の光を用いて、マルチスペクトル像を撮影することができるので、各染料によって染色された被写体内の要素を判別することが可能となる。
また例えば、前記被写体は、膜厚に応じて異なる反射スペクトルを有する酸化膜を表面に含み、前記配置ステップでは、膜厚と反射スペクトルとが第一の依存関係を示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターと、膜厚と反射スペクトルとが第二の依存関係を示す第二の波長の光を通過させる前記第二のフィルターとを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置してもよい。
これによれば、膜厚と反射スペクトルとの依存関係が異なる複数の波長の光を用いてマルチスペクトル像を撮影することができるので、酸化膜の膜厚を推定することが可能となる。
また例えば、前記被写体は、表面にグラフェン層を有し、前記配置ステップでは、前記グラフェン層のシワが形成されている領域で、前記グラフェン層のシワが形成されていない領域とは異なる反射スペクトルを示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置してもよい。
これによれば、グラフェン層のシワの有無によって反射スペクトルが異なる光を用いて撮像できるので、グラフェン層のシワの有無を推定することが可能となる。
以下実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書中の全ての図は、概念を説明するためのものであり、縮尺や縦横比などは一切考慮していない。また、必須ではない要素や、一般的に顕微鏡撮像装置として当然備えるべき鏡筒や焦点調節機構などについてはその多くを省略している。また、各図では図を簡略化するため、各レンズを単レンズとして描いているが、複数のレンズからなるレンズ群が用いられてもよい。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1は、生体切片など透過性を持つサンプルの撮像に用いられる透過照明型のマルチスペクトル撮像装置について、図1から図17を用いて説明する。
図1は、実施の形態1におけるマルチスペクトル撮像装置の構成の一例を示す。
本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置は、照明光学系0180と撮像光学系0190とを備える。マルチスペクトル撮像装置は、被写体0100のマルチスペクトル像を撮影する。
照明光学系0180は、光源0181、レンズ群0182、絞り群0183、およびフィルター群0184を備える。撮像光学系0190は、レンズ群0192、分離光学素子0194、および二次元受光素子アレイ(撮像素子)0195を備える。以下に、照明光学系0180および撮像光学系0190の各構成要素について説明する。
光源0181は、照明光束の発生源である。撮影に用いるスペクトル特性にあわせて、適切な発光特性を有する光を生成する光源が、光源0181として選択される。波長スペクトルが異なる光を用いてマルチスペクトル撮像を行う場合には、撮像に利用する各波長スペクトル特性の成分を全て含んだ光を発する光源が光源0181として選択される。
たとえば、マルチスペクトル撮像装置が可視光の範囲で像を撮影する場合、可視光の範囲の波長成分を含む光を生成する光源(たとえばハロゲン光源や白色LED、キセノン光源など)が光源0181として利用できる。また、たとえば、マルチスペクトル撮像装置が紫外領域を含む範囲でマルチスペクトル像を撮影する場合、たとえばキセノン光源や重水素光源などが光源0181として利用できる。なお、光源0181は、蛍光体や非線形光学素子などを利用して、もともと光源が発した光から別のスペクトルを有する光を生成してもよい。
レンズ群0182は、光源0181が発した照明光束の経路を曲げる。レンズ群0182は、ガラス等で構成された屈折型レンズでも、曲面鏡で構成された反射型レンズでも、あるいはそれらのレンズの組み合わせでもよい。
絞り群0183は、光源0181が発した照明光束の光路を制限する。絞り群0183は、開口範囲可変型の絞りでもよいし、固定型の絞りでもよい。
フィルター群0184は、被写体0100の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域0109に配置される。また、フィルター群0184は、互いに透過特性が異なる複数のフィルター(本実施の形態では第一のフィルターおよび第二のフィルター)を備える。フィルター群0184は、マルチスペクトル撮像に必要な各スペクトル特性を持つ照明光束を生成する。
透過特性とは、フィルターを通過する前の光の光学的特性と、フィルターを通過した後の光の光学的特性との関係を表す特性である。各フィルターに入射する光が同一の場合、互いに透過特性が異なるフィルターを通過した光の光学的特性は異なる。
フィルター群0184は、必要に応じて交換される。つまり、フィルター群0184は、照明光学系0180に交換可能に取り付けられる。すなわち、フィルター群0184は着脱可能である。なお、フィルター群0184に含まれる複数のフィルターを個別に交換可能であってもよい。また、フィルター群0184は、必ずしも交換可能に取り付けられる必要はなく、照明光学系0180に交換不可能に固定されてもよい。
レンズ群0192は、被写体0100を通過してきた光束の光路を制御し、分離光学素子0194近傍に被写体0100の実像を結ぶ。レンズ群0192は、ガラス等で構成された屈折型のものでも、曲面鏡で構成された反射型のものでも、あるいはその組み合わせのものでもよい。
分離光学素子0194は、レンズ群0192が結ぶ被写体0100の実像の各部において、フィルター群0184の各フィルター0709を通過してきた光を、二次元受光素子アレイ0195上のそれぞれ異なる受光素子に導く。つまり、分離光学素子0194は、第一のフィルターを通過してきた光を複数の受光素子の一部(複数の第一の受光素子)に導き、第二のフィルターを通過してきた光を複数の受光素子の他部(複数の第二の受光素子)に導く。
二次元受光素子アレイ0195は、撮像する空間画素数だけ面内に受光画素1711を備える。各受光画素1711は、第一のスペクトル特性での撮像のための第一の受光素子1701と、第二のスペクトル特性での撮像のための第二の受光素子1702とを含む。つまり、二次元受光素子アレイ0195は、同時に撮影するスペクトル像と同じ数あるいはそれより多くの数の受光素子1709を各受光画素1711内に備える。
以下に、照明光学系0180および撮像光学系0190の構成および機能の具体例を説明する。
図2は、照明光学系0180の構成の一例である。この構成の場合、レンズ群0182は、コレクタレンズ0201、フィールドレンズ0202、およびコンデンサレンズ0203からなる。また、絞り群0183は、視野絞り(field stop)0211と開口絞り(aperture stop)0212とからなる。
光源0181と共役な位置に開口絞り0212が配置され、被写体0100と共役な位置に視野絞り0211が配置される。このような2つの共役位置にそれぞれ絞りが配置された照明光学系は、ケーラー照明またはケーラー照明系とよばれ、顕微鏡光学系で一般的に用いられる。このケーラー照明は、被写体0100の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域0109を、開口絞り0212の近傍に有する。そのため、ここでは、フィルター群0184は、開口絞り0212の近傍に配置される。なお、照明光学系0180は、被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域を持てばよく、ケーラー照明に限定されるものではない。
図2に示す照明光学系0180において、被写体0100の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域0109を図3から図6を用いて説明する。
図3は、光源0181から被写体0100内の第一の点0310に集光される光束0301の光路を示す図である。
図4は、光源0181から被写体0100内の第二の点0410に集光される光束0401の光路を示す図である。
図5は、光源0181から被写体0100内の第三の点0510に集光される光束0501の光路を示す図である。
第一の点0310は、被写体0100の撮像範囲の一方の端に位置する点である。また、第三の点0510は、被写体0100の撮像範囲の他方の端に位置する点である。なお、フィルター群0184を通過することにより、光束のスペクトル特性は変化するが、その光路はほとんど変化しない。そのため、図3から図6では、フィルター群0184によるスペクトル特性の変化を無視した形で図示している。
図6は、開口絞り0212近傍での各光束0301、0401、0501を示す図である。このように、ケーラー照明は、開口絞り0212の近傍において、被写体0100の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域0109を有する。
被写体0100の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域0109に、フィルター群0184を配置することにより、光源0181から被写体0100の撮像範囲内の各点を照明する光束すべてに、フィルター群0184の影響を与えることができる。
図7は、フィルター群0184の構成の一例を示す。フィルター群0184は、枠0700内に、互いに異なる透過特性を持つ複数のフィルター0709を備える。本実施の形態では、フィルター群0184は、第一のフィルター0701と第二のフィルター0702とを含む。また、本実施の形態では、第一のフィルター0701および第二のフィルター0702は、同一平面上に並べられている。
なお、枠0700の存在は必須では無い。枠0700を利用せず、複数のフィルター0709を互いに直接接着する構成としてもよい。あるいは枠0700は利用するが、複数のフィルター0709の間には枠が存在せず、外枠だけで複数のフィルター0709を保持する構成としてもよい。
フィルター群0184に含まれるフィルターの数と透過特性は、フィルター群0184を通過した光束が、マルチスペクトル撮像に利用する各スペクトル特性を有するように選択される。
例えば、第一のフィルター0701として、440から450ナノメートルの波長範囲の成分を透過し、かつ、それ以外の波長範囲の成分を実質的に遮断する特性を持つフィルターが選択される。また、第二のフィルター0702として、590から600ナノメートルの波長範囲の成分を透過し、かつ、それ以外の波長範囲の成分を実質的に遮断する特性を持つフィルターが選択される。
このとき、第一のフィルター0701を通過した光束は、波長範囲が440から450ナノメートルに限定された第一のスペクトル特性を有する。また、第二のフィルター0702を通過した光束は、波長範囲が590から600ナノメートルに限定された第二のスペクトル特性を有する。これにより、2種類のスペクトルでの撮像(マルチスペクトル撮像)が可能となる。
このように、互いに異なる透過特性を持つ複数のフィルターを利用することで、照明光学系0180は、互いに異なるスペクトル特性を持つ光束を被写体0100に照射することができる。フィルターは、1つのスペクトル特性に対して最低1つ必要であるが、1つのスペクトル特性に対して複数のフィルターが割り当てられてもよい。
本実施の形態において、照明光束は、撮像光学系0190で取り込める範囲に限定される。顕微鏡光学系においては、対物レンズの倍率を切り替えて様々な撮像倍率で撮像するのが一般的である。この時、撮像光学系0190で取り込める光の範囲は、対物レンズの開口数により変化する。
フィルター群0184上において、撮像光学系0190で取り込める照明光束が重なり合う範囲は、撮像光学系0190の開口数が大きいほど大きくなる。例として図7に、対物レンズの開口数0.1において照明光束が重なり合う範囲0703と、対物レンズの開口数0.9において照明光束が重なり合う範囲0704とを示す。
このように対物レンズの切り替えにより、対物レンズの開口数が変化した場合でも、照明光束が重なり合う範囲に含まれるフィルターの数、および、各フィルターを通過した光とそれが入射する受光素子との対応関係が変化しないようにフィルター0709が配置されればよい。つまり、フィルター群0184は、対物レンズの開口数が変化しても、第一のフィルター0701および第二のフィルター0702の各々を通過した光が、それぞれ第一の受光素子および第二の受光素子に入射する位置に配置されてもよい。より望ましくは、各開口数において、対物レンズに入射する光束が通過する各フィルター0709上の領域の形状がほぼ相似となるように各フィルター0709が配置される。
たとえば、照明光束の中心軸とフィルター0709の境界線の交点とを中心とし、放射状に境界線が延びるように各フィルターが配置されればよい。つまり、フィルター群0184は、第一のフィルター0701および第二のフィルター0702の境界線が照明光学系0180の光軸と交差する位置に配置されればよい。
もちろん、マルチスペクトル撮像に用いられる対物レンズの開口数に応じて、フィルター群0184が適宜交換されてもよい。
フィルター群0184に含まれる各フィルター0709を通過した光束は、通過したフィルターの透過特性に対応するスペクトル特性を持つ。つまり、光源0181が発した光束は、それぞれ異なるスペクトル特性を持つ複数の光束からなる光束群に変換される。
図8から図10は、各フィルター0709を通過して、被写体0100中の各点に集光される各光束0301、0401、0501の光路を示す。
光束0311は、光束0301のうち、フィルター群0184中の第一のフィルター0701を通過した光束である。そのため、光束0311は、第一のスペクトル特性を備える。光束0321は、光束0301のうち、フィルター群0184中の第二のフィルター0702を通過した光束である。そのため。光束0321は、第二のスペクトル特性を備える。
光束0411は、光束0401のうち、フィルター群0184中の第一のフィルター0701を通過した光束である。そのため、光束0411は、第一のスペクトル特性を備える。光束0421は、光束0401のうち、フィルター群0184中の第二のフィルター0702を通過した光束である。そのため、光束0421は、第二のスペクトル特性を備える。
光束0511は、光束0501のうち、フィルター群0184中の第一のフィルター0701を通過した光束である。そのため、光束0511は、第一のスペクトル特性を備える。光束0521は、光束0501のうち、フィルター群0184中の第二のフィルター0702を通過した光束である。そのため、光束0521は、第二のスペクトル特性を備える。
光束0311および光束0321は、コンデンサレンズ0203の作用により、被写体0100中の同じ点(第一の点0310)に集光される。ただし、光束0311が第一のスペクトル特性を持つのに対し、光束0321は第二のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体0100中の第一の点0310は、第一のスペクトル特性を持つ光束0311と、第二のスペクトル特性を持つ光束0321とで同時に照明される。
光束0411および光束0421は、コンデンサレンズ0203の作用により、被写体0100中の同じ点(第二の点0410)に集光される。ただし、光束0411が第一のスペクトル特性を持つのに対し、光束0421は第二のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体0100中の第二の点0410は、第一のスペクトル特性を持つ光束0411と、第二のスペクトル特性を持つ光束0421とで同時に照明される。
光束0511および光束0521は、コンデンサレンズ0203の作用により、被写体0100中の同じ点(第三の点0510)に集光される。ただし、光束0511が第一のスペクトル特性を持つのに対し、光束0521は第二のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体0100中の第三の点0510は、第一のスペクトル特性を持つ光束0511と、第二のスペクトル特性を持つ光束0521とで同時に照明される。
なお、ここでは被写体0100中の3点を照明する光束について説明したが、照明範囲内の任意の点において、フィルター0709の数だけ異なるスペクトル特性を持つ複数の光束で同時に照明されるのは言うまでもない。
先述のように、照明光束の光路は、フィルター群0184の透過特性に依存しない。そのため、フィルター群0184あるいは、その内部の個々のフィルター0709のみを交換するだけで、マルチスペクトル撮像装置は、容易に、別のスペクトル特性の光で被写体0100を照明し、撮像することが可能となる。
次に、撮像光学系0190について説明する。
図11は、撮像光学系0190の構成の一例を示す。
レンズ群0192は、対物レンズ1101と、結像レンズ1102とを備える。対物レンズ1101には、通常の顕微鏡観察用の対物レンズを用いることができる。必要に応じ、対物レンズを切り替えるレボルバーが備えられてもよい。
対物レンズ1101の前方焦点位置に、被写体0100が配置される。対物レンズ1101と結像レンズ1102との組により被写体0100と共役となる位置に分離光学素子0194を配置することで、被写体0100の実像を分離光学素子0194近傍に結ぶことができる。
この例では、分離光学素子0194として、図15のようなマイクロレンズ1591が二次元的に配列されたマイクロレンズアレイを用いる。照明光学系0180のレンズ群0182、撮像光学系0190のレンズ群0192およびマイクロレンズ1591のレンズ機能によりフィルター群0184と共役となる位置近傍に二次元受光素子アレイ0195を配置する。照明光学系0180がケーラー照明系である場合には、マイクロレンズ1591の焦点位置に二次元受光素子アレイ0195が配置される。
この構成例における撮像光学系内の光路を、図12から図14を用いて説明する。
光束0312は、光束0311のうち、被写体0100中の第一の点0310近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0312の特性は、被写体0100中の第一の点0310近傍の第一のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。光束0322は、光束0321のうち、被写体0100中の第一の点0310近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0322の特性は、被写体0100中の第一の点0310近傍の第二のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。
光束0412は、光束0411のうち、被写体0100中の第二の点0410近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0412の特性は、被写体0100中の第二の点0410近傍の第一のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。光束0422は、光束0421のうち、被写体0100中の第二の点0410近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0422の特性は、被写体0100中の第二の点0410近傍の第二のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。
光束0512は、光束0511のうち、被写体0100中の第三の点0510近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0512の特性は、被写体0100中の第三の点0510近傍の第一のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。光束0522は、光束0521のうち、被写体0100中の第三の点0510近傍を通過する際に散乱をうけずに通過した光束である。光束0522の特性は、被写体0100中の第三の点0510近傍の第二のスペクトルに対する透過特性を反映したものとなる。
光束0312、光束0322、光束0412、光束0422、光束0512、および光束0522は、それぞれ対物レンズ1101により集光され、結像レンズ1102に入射する。
結像レンズ1102の作用により、被写体0100の実像が、分離光学素子0194近傍に結ばれる。この実像は被写体0100の大きさに比べ、レンズ群0192の光学特性により定まる倍率だけ拡大されたものとなる。たとえば対物レンズ1101の焦点距離が2mmであり、結像レンズ1102の焦点距離が200mmである場合には、100倍に拡大された実像が結ばれる。
被写体0100中の同じ点を発した光束は、実像上の同じ点に集光される。たとえば、第一の点0310からの光束0312と光束0322は点1209に集光される。同様に、第二の点0410からの光束0412と光束0422は点1309に集光される。また、第三の点0510からの光束0511と光束0522は点1409に集光される。このように、分離光学素子0194の近傍に結ばれる実像内の各点は、被写体0100中の異なる位置に対応する。
実像を結んだ各光束は、分離光学素子0194を通過することにより、再び広がりを持った光束に戻り二次元受光素子アレイ0195を照射する。このとき、実像中の各点の光束は、二次元受光素子アレイ0195のそれぞれ異なる範囲を照射する。
たとえば、光束0312は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1201を照射する。同様に、光束0322は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1202を照射する。同様に、光束0412は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1301を照射する。同様に、光束0422は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1302を照射する。同様に、光束0512は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1401を照射する。同様に、光束0522は、二次元受光素子アレイ0195中の範囲1402を照射する。
各光束の二次元受光素子アレイ0195上の照射範囲は、照明光学系0180および撮像光学系0190の光学特性、物理的大きさおよび相対位置関係で定まる。
実像中の十分近い2点を通った光束は、二次元受光素子アレイ0195上の照射範囲に重なりを持つ。一方、実像中の十分離れた2点を通った光束は、二次元受光素子アレイ0195上の照射範囲に重なりを持たない。
二次元受光素子アレイ0195上で照射範囲に重なりを持たない光束は、二次元受光素子アレイ0195内の別の受光画素1711を照射することができるので区別可能となる。すなわち、本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置は、照射範囲の重なりで制限された空間解像度で、被写体0100のマルチスペクトル像を撮影することができる。
実像中で、どれだけの距離はなれれば重なりを持たないかは、照明光学系0180および撮像光学系0190の光学特性および物理的大きさおよび相対位置関係で定まる。
分離光学素子0194が、図15に示すようなマイクロレンズ1591の集合体である場合について説明する。分離光学素子0194と二次元受光素子アレイ0195の距離が、レンズ群0192を構成する各マイクロレンズ1591の焦点距離よりも十分短い場合、個々のマイクロレンズ1591を通過した光束は互いに重なりを持たない。したがってこの場合、マイクロレンズ1591の大きさ程度の空間解像度を得ることができる。
また、レンズ群0192および分離光学素子0194中のマイクロレンズ1591により、二次元受光素子アレイ0195上にフィルター群0184の実像1609が結ばれる(図16)。この実像1609の数は、分離光学素子0194中のマイクロレンズ1591の数に等しい。
各実像1609において、第一のフィルターの実像1601および第二のフィルターの実像1602は、それぞれ対応する第一のフィルター0701および第二のフィルター0702を通過し、被写体0100を通過した光束により結ばれている。つまり、実像1601および実像1602は、それぞれ、第一のスペクトル特性の光および第二のスペクトル特性の光で被写体0100を照明したことにより得られたものである。また、同じ第一のフィルター0701の像であっても、異なるマイクロレンズ1591により結ばれた像は、被写体0100の異なる位置を通過した光束によって結ばれた像である。
図17は、二次元受光素子アレイ0195の模式図である。この例における二次元受光素子アレイ0195は、マイクロレンズ1591とほぼ同じ大ききで同じ数の受光画素1711を備える。受光画素1711内には、複数の受光素子1709が配置されている。この例では4つの受光素子1709が受光画素1711内に配置されている。
この時、各受光素子1709を、1つのフィルターの実像としか重なりを持たないように配置すれば、各マイクロレンズ1591は、異なるフィルターを通過した各光束を別々の受光素子に導くことができる。
各受光画素1711中の、同一のスペクトル特性に対応する受光素子の情報だけを集めれば、そのスペクトル特性の光で撮影された被写体0100の像を構成することができる。本実施の形態の方法によれば、フィルター0709の数だけ同時に被写体0100の像を撮影することができる。
つまり、各受光画素1711中の、第一のフィルターの実像1601と重なる第一の受光素子1701のみの信号を集めれば、被写体0100の第一のスペクトル特性の光で撮影された像を得ることができる。同様に、各受光画素1711中の、第二のフィルターの実像1602と重なる第二の受光素子1702のみの信号を集めれば、被写体0100の第二のスペクトル特性の光で撮影された像を得ることができる。
上記のように、本構成により、顕微鏡光学系において、被写体0100のマルチスペクトル像を撮像することができる。
なお、フィルター群0184中のフィルター0709の数と、二次元受光素子アレイ0195を構成する受光画素1711中の受光素子1709の数を変更することにより、マルチスペクトル撮像装置は、容易に3以上の像を含むマルチスペクトル像を撮影することができる。
実施の形態1のマルチスペクトル撮像装置の場合、フィルター群0184または個々のフィルター0709は、物理的な大きさが同一であり、かつ透過特性が異なるフィルター群またはフィルターと交換されてもよい。これにより、マルチスペクトル撮像装置は、互いに特性が異なる複数のマルチスペクトル像を容易に撮影することができる。
また、上記例では、各受光画素1711において、各フィルター0709を通過した光を受光する受光素子1709の数はそれぞれ2つである。しかしながら、フィルターおよび受光素子は、この数に限定されるものではない。たとえば、各フィルター0709を通過した光を、それぞれ1つの受光素子で受光してもよい。また逆に、受光画素内に5つ以上の受光素子を配置してもよい。受光素子を多く配置しておけば、フィルター0709の数に対する自由度を高めることができる。また、光学系の軸あわせ、位置あわせ精度の関係で、二次元受光素子アレイ0195上で、複数のフィルター0709を通過した光で同時に照射される場所が生じる場合がある。その場合でも、受光画素1711中に十分な数の受光素子1709が配置されていれば、複数のフィルター0709を通過した光で同時に照射された受光素子1709の信号を除去し、単一のフィルターを通過した光で照射された受光素子1709からの信号だけを利用することでマルチスペクトル像を得ることができる。
マルチスペクトル撮像の例と、その効果を図18から図21を用いて説明する。被写体は、エオシン、ヘマトキシリン、および、Ki−67抗体を用いた免疫染色剤により染色した癌組織である。エオシンは細胞質を染色し、ヘマトキシリンは全胞核を染色する性質を持つ。Ki−67抗体を用いた免疫染色剤は、Ki−67抗原を持つ細胞核を染色する。全細胞核に対し、Ki−67抗原を持つ細胞核の割合を計数することが、癌治療上有益であることが知られている。
図18は、420ナノメートルから700ナノメートルまでスペクトル制限せずに撮影した像である。図18では、細胞質1781、免疫染色された細胞核1782、および免疫染色されなかった細胞核1783間のコントラスト差が小さい。そのため、細胞質1781、免疫染色された細胞核1782、および免疫染色されなかった細胞核1783を識別することが困難である。なお、図には多数の細胞核が写っているが、代表的な細胞核のみを丸で囲んでいる。
図19は、細胞質1781の吸収スペクトル1791、免疫染色された細胞核1782の吸収スペクトル1792、および免疫染色されなかった細胞核1783の吸収スペクトル1793を示すグラフである。図から420から450ナノメートルまでの範囲では、免疫染色された細胞核1782のみが高い吸収率を持つことが分かる。いっぽう、475ナノメートルから675ナノメートルの範囲では免疫染色された細胞核1782、およびK免疫染色されなかった細胞核1783を合わせた全細胞核が細胞質1781よりも高い吸収率を持ち、特に600ナノメートル前後で全細胞核と細胞質1781との吸収率の差が大きくなる。
図20は、第一のスペクトル特性1771に対応する波長の光を用いて撮影した像を示す。また、図21は、第二のスペクトル特性1772に対応する波長の光を用いて撮影した像を示す。
図20では、免疫染色された細胞核1782だけが黒く撮像されている。これは、免疫染色に用いた染料が、第一のスペクトル特性において高い吸収率を持つためである。このスペクトル特性の光での撮像は、免疫染色された細胞核1782の計数に適している。
一方、図21では、免疫染色された細胞核1782、および免疫染色されなかった細胞核1783ともに黒く撮像されている。これは、免疫染色に用いた染料と、核の非特異染色に用いたヘマトキシリンとが、第二のスペクトル特性に対応する波長範囲においてともに高い吸収率を持つからである。また、細胞質を染めるエオシンがこのスペクトル特性に対応する波長範囲において高い吸収率を持たないからでもある。この第二のスペクトル特性の光での撮像は、全細胞核の計数に適している。
したがって、第一のスペクトル特性の光で撮影された像を用いて、免疫染色された細胞核の数を計数し、第二のスペクトル特性の光で撮影された像を用いて全細胞核の数を計数すれば、全細胞核数に対する免疫染色された細胞核数の割合を精度よく調べることができる。
このように、本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置により、複数の吸収スペクトルを有する複数の染料を用いて染色した被写体を、各染料が他の染料と異なる吸収を示す各スペクトル特性の照明光を通過させるように、各フィルターの透過特性を選択することで、各染色領域をより明確に識別する撮像が可能になる。つまり、複数の染料に含まれる第一の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第一の波長の光を通過させる第一のフィルターと、複数の染料に含まれる第二の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第二の波長の光を通過させる第二のフィルターとを含むフィルター群が照明光学系に配置されることにより、複数の吸収スペクトルを有する複数の染料を用いて染色された被写体を適切に観察することが可能となる。
本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置によれば、フィルター群0184またはフィルター0709を交換することができるので、照明光のスペクトル特性を容易に変更することができる。よって、被写体0100の染色法に応じて、適切なフィルター群0184またはフィルター0709に交換して撮像することで、被写体の観察に適したマルチスペクトル像を撮影することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、おもに金属や半導体などの不透明なサンプルの反射像の撮影に用いられる反射照明型のマルチスペクトル撮像装置について、図22から図34を用いて説明する。
図22は、実施の形態2におけるマルチスペクトル撮像装置の構成の一例を示す。本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置は、照明光学系1880と撮像光学系1890とを備え、被写体1800のマルチスペクトル撮像を行う。ただし、実施の形態1の透過照明型のマルチスペクトル撮像装置とは異なり、ハーフミラー1885から被写体1800までの範囲で光束が往復する。本明細書では便宜上、光源1881からハーフミラー1885までの構成要素が照明光学系1880に属し、それ以外の構成要素が撮像光学系1890に属するものとする。つまり、ハーフミラー1885と被写体1800との間に位置する構成要素は撮像光学系1890に属する。
照明光学系1880は、光源1881、レンズ群1882、絞り群1883、フィルター群1884およびハーフミラー1885を備える。撮像光学系1890は、レンズ群1892と分離光学素子1894、および二次元受光素子アレイ(撮像素子)1895を備える。以下に、照明光学系1880および撮像光学系1890の各構成要素について説明する。
光源1881は、照明光束の発生源である。光源1881は、実施の形態1の光源0181と同じであるので、詳細な説明を省略する。ここでは、光源1881として、300ナノメートルから1100ナノメートルの範囲に成分の分布を持つキセノン光源を用いる場合を一例として説明する。
レンズ群1882は、光源1881が発した光の経路を曲げる。レンズ群1882は、屈折型レンズでも、反射型レンズでも、あるいはそれらのレンズの組み合わせでもよい。
絞り群1883は、光源1881が発した光の光路を制限する。絞り群1883は、開口範囲可変型の絞りでもよいし、固定型の絞りでもよい。
フィルター群1884は、被写体1800の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域1809に配置される。また、フィルター群1884は、互いに透過特性が異なる複数のフィルター(本実施の形態では第一から第四のフィルター)を備える。フィルター群1884は、マルチスペクトル撮像に必要な各スペクトルを持つ照明光束を生成する。フィルター群1884は、必要に応じて交換される。つまり、フィルター群1884は、照明光学系1880に交換可能に取り付けられる。すなわち、フィルター群1884は着脱可能である。なお、フィルター群1884は、照明光学系0180に交換不可能に固定されてもよい。
ハーフミラー1885は、光源1881が発した照明光束の一部を反射させ、被写体1800を照明する。また、ハーフミラー1885は、被写体1800から反射してきた光の一部を透過させ、分離光学素子1894に入射させる。このハーフミラー1885は、金属顕微鏡に一般的に用いられている構成要素である。ハーフミラー1885として、たとえば金属蒸着ガラス板などが利用される。
レンズ群1892は、被写体1800から反射してきた光束の光路を制御し、分離光学素子1894近傍に被写体1800の実像を結ぶ。
分離光学素子1894は、レンズ群1892が結ぶ被写体1800の実像の各部において、フィルター群1884の各フィルターを通過してきた光を、二次元受光素子アレイ1895上のそれぞれ異なる受光素子に導く。つまり、分離光学素子1894は、第一から第四のフィルターを通過してきた光を、それぞれ対応する複数の受光素子(第一から第四の受光素子)に導く。
二次元受光素子アレイ1895は、撮像素子の一例であり、面内に撮像する空間画素数だけ受光画素3411を備える。各受光画素3411は、第一のスペクトル特性での撮像のための第一の受光素子3401と、第二のスペクトル特性での撮像のための第二の受光素子3402と、第三のスペクトル特性での撮像のための第三の受光素子3403と、第四のスペクトル特性での撮像のための第四の受光素子3404とを含む。つまり、二次元受光素子アレイ1895は、同時に撮影するスペクトル像と同じ数あるいはそれより多くの数の受光素子3409を各受光画素3411内に備える。
以下に、照明光学系1880および撮像光学系1890の構成および機能の具体例を説明する。
図23は、照明光学系1880の構成の一例である。この構成の場合、レンズ群1882は、コレクタレンズ1901、第一のフィールドレンズ1902、および第二のフィールドレンズ1903から構成される。
照明光学系1880の絞り群1883は、視野絞り1911と開口絞り1912とから構成される。
図24は、撮像光学系1890の構成の一例である。この構成の場合、レンズ群1892は、対物レンズ2001と結像レンズ2002とから構成される。
開口絞り1912は光源1881と共役な位置に配置される。視野絞り1911は被写体1800と共役な位置に配置される。このように配置された2つの絞りを有する照明光学系1880は、いわゆる落射ケーラー照明とよばれる。ただし、照明光学系1880は、落射ケーラー照明に限定されるものではない。
図23に示す照明光学系1880において、被写体1800の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域1809を図25から図28を用いて説明する。
図25は、光源1881から被写体1800内の第一の点2110に集光される光束2101を示す図である。
図26は、光源1881から被写体1800内の第二の点2210に集光される光束2201を示す図である。
図27は、光源1881から被写体1800内の第三の点2310に集光される光束2301を示す図である。
第一の点2110は、被写体1800の撮像範囲の一方の端に位置する点である。第三の点2310は、被写体1800の撮像範囲の逆の端に位置する点である。なお、フィルター群1884を通過することにより、光束のスペクトル特性は変化するが、その光路はほとんど変化しない。そのため、図25から図28では、フィルター群1884によるスペクトル特性の変化を無視した形で図示している。
図28に示すように、光束2101、光束2201、および光束2301は、開口絞り1912近傍で重なり合う。ここに例示した3点以外でも、被写体1800の撮像範囲内の任意の点に到達する光束は、この開口絞り1912の近傍で照明光束が重なり合う領域1809を持つ。
このように、被写体1800の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域1809に、フィルター群1884を配置することにより、光源1881から被写体1800の撮像範囲内の各点を照明する光束すべてに、フィルター群1884の影響を与えることができる。
図29は、フィルター群1884の構成の一例を示す。
この例では、フィルター群1884は、光を遮断する枠2500内に、互いに異なる透過特性を有する4つのフィルター2509(すなわち、第一のフィルター2501、第二のフィルター2502、第三のフィルター2503、および第四のフィルター2504)を有する。本実施の形態では、第一のフィルター2501、第二のフィルター2502、第三のフィルター2503、および第四のフィルター2504は、同一平面上に並べられている。
各フィルターの透過特性として、例えば下記のものを用いることができる。
第一のフィルター2501は、波長440から450ナノメートルの光を透過させ、それ以外の波長の光を遮断する。第二のフィルター2502は、波長490から500ナノメートルの光を透過させ、それ以外の波長の光を遮断する。第三のフィルター2503は、波長590から600ナノメートルの光を透過させ、それ以外の波長の光を遮断する。第四のフィルター2504は、波長690から700ナノメートルの光を透過させ、それ以外の波長の光を遮断する。
フィルター群1884を通過した各光束は、通過したフィルターの透過特性に対応するスペクトル特性を持つ光束に変換される。
つまり、第一のフィルター2501を通過した光は、波長440から450ナノメートルの範囲にのみに成分の分布を持つ第一のスペクトル特性を有する。また、第二のフィルター2502を通過した光は、波長490から500ナノメートルの範囲にのみに成分の分布を持つ第二のスペクトル特性を有する。また、第三のフィルター2503を通過した光は、波長590から600ナノメートルの範囲にのみに成分の分布を持つ第三のスペクトル特性を有する。また、第四のフィルター2504を通過した光は、波長690から700ナノメートルの範囲にのみに成分の分布を持つ第四のスペクトル特性を有する。
撮像光学系1890の開口数により、照明光束が重なり合う領域1809が変化するのは実施の形態1と同様である。そのため、フィルター2509は、実施の形態1で説明したように、照明光束の中心軸とフィルター群1884との交点を中心とし、放射状に境界線が延びるように各フィルター2509が配置されることが好ましい。
図30から図32は、各フィルター2509を通過して、被写体1800の各点に集光される各光束2101、2201、2301の光路を示す。ただし、図30から図32では、第一のフィルター2501と第二のフィルター2502、および第三のフィルター2503と第四のフィルター2504はそれぞれ奥行き方向に重なり合うため区別して表示できない。
光束2601は、光束2101のうち、フィルター群1884中の第一のフィルター2501を通過した光束である。そのため、光束2601は、第一のスペクトル特性を備える。光束2602は、光束2101のうち、フィルター群1884中の第二のフィルター2502を通過した光束である。そのため、光束2602は、第二のスペクトル特性を備える。光束2603は、光束2101のうち、フィルター群1884中の第三のフィルター2503を通過した光束である。そのため、光束2603は、第三のスペクトル特性を備える。光束2604は、光束2101のうち、フィルター群1884中の第四のフィルター2504を通過した光束である。そのため、光束2604は、第四のスペクトル特性を備える。
光束2701は、光束2201のうち、フィルター群1884中の第一のフィルター2501を通過した光束である。そのため、光束2701は、第一のスペクトル特性を備える。光束2702は、光束2201のうち、フィルター群1884中の第二のフィルター2502を通過した光束である。そのため、光束2702は、第二のスペクトル特性を備える。光束2703は、光束2201のうち、フィルター群1884中の第三のフィルター2503を通過した光束である。そのため、光束2703は、第三のスペクトル特性を備える。光束2704は、光束2201のうち、フィルター群1884中の第四のフィルター2504を通過した光束である。そのため、光束2704は、第四のスペクトル特性を備える。
光束2801は、光束2301のうち、フィルター群1884中の第一のフィルター2501を通過した光束である。そのため、光束2801は、第一のスペクトル特性を備える。光束2802は、光束2301のうち、フィルター群1884中の第二のフィルター2502を通過した光束である。そのため、光束2802は、第二のスペクトル特性を備える。光束2803は、光束2301のうち、フィルター群1884中の第三のフィルター2503を通過した光束である。そのため、光束2803は、第三のスペクトル特性を備える。光束2804は、光束2301のうち、フィルター群1884中の第四のフィルター2504を通過した光束である。そのため、光束2804は、第四のスペクトル特性を備える。
光束2601〜2604は、対物レンズ2001の作用により、被写体1800中の第一の点2110に集光される。ただし、光束2601は第一のスペクトル特性を、光束2602は第二のスペクトル特性を、光束2603は第三のスペクトル特性を、光束2604は第四のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体1800中の第一の点2110は、4種のスペクトル特性を持つ光で同時に照明される。
光束2701〜2704は、対物レンズ2001の作用により、被写体1800中の第二の点2210に集光される。ただし、光束2701は第一のスペクトル特性を、光束2702は第二のスペクトル特性を、光束2703は第三のスペクトル特性を、光束2704は第四のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体1800中の第二の点2210は、4種のスペクトル特性を持つ光で同時に照明される。
光束2801〜2804は、対物レンズ2001の作用により、被写体1800中の第三の点2310に集光される。ただし、光束2801は第一のスペクトル特性を、光束2802は第二のスペクトル特性を、光束2803は第三のスペクトル特性を、光束2804は第四のスペクトル特性を持つ。つまり、被写体1800中の第三の点2310は、4種のスペクトル特性を持つ光で同時に照明される。
なお、ここでは被写体1800中の3点を照明する光束について説明したが、照明範囲内の任意の点において、フィルター2509の数だけ異なるスペクトル特性を持つ複数の光束で同時に照明されるのは言うまでもない。
被写体1800を照明した光のうち、散乱を受けなかった光は、鏡面条件を満たす方向に反射される。このとき、反射光は、被写体1800の照明光スペクトルに対する反射特性を反映した割合で反射される。
図33から図35は、反射光の経路を示す。
光束2901は、光束2601が被写体1800上の第一の点2110で鏡面方向に反射された光束である。光束2902は、光束2602が被写体1800上の第一の点2110で鏡面方向に反射された光束である。光束2903は、光束2603が被写体1800上の第一の点2110で鏡面方向に反射された光束である。光束2904は、光束2604が被写体1800上の第一の点2110で鏡面方向に反射された光束である。光束3001は、光束2701が被写体1800上の第二の点2210で鏡面方向に反射された光束である。光束3002は、光束2702が被写体1800上の第二の点2210で鏡面方向に反射された光束である。光束3003は、光束2703が被写体1800上の第二の点2210で鏡面方向に反射された光束である。光束3004は、光束2704が被写体1800上の第二の点2210で鏡面方向に反射された光束である。
光束3101は、光束2801が被写体1800上の第三の点2310で鏡面方向に反射された光束である。光束3102は、光束2802が被写体1800上の第三の点2310で鏡面方向に反射された光束である。光束3103は、光束2803が被写体1800上の第三の点2310で鏡面方向に反射された光束である。光束3104は、光束2804が被写体1800上の第三の点2310で鏡面方向に反射された光束である。
各光束2901〜2904、3001〜3004、3101〜3104は、再び対物レンズ2001を通り、平行光束となってハーフミラー1885の方向に向かう。ハーフミラー1885において、対物レンズ2001側から来た光束の一部は反射されるが、他部は透過して結像レンズ2002に向かう。これらの光束は、結像レンズ2002の結像作用により、分離光学素子1894近傍に被写体1800の実像を結ぶ。
この実像は、レンズ群1892の光学特性により定まる倍率だけ拡大されたものとなる。たとえば対物レンズ2001の焦点距離が4mmであり、結像レンズ2002の焦点距離が160mmである場合には、40倍に拡大された実像が結ばれる。
被写体1800中の同じ点を発した光束は、実像上の同じ点に集光される。たとえば、第一の点2110からの光束2901〜2904は点2905に集光される。同様に、第二の点2210からの光束3001〜3004は点3005に集光される。同様に、第三の点2310からの光束3101〜3104は点3105に集光される。このように、分離光学素子1894の近傍に結ばれる実像内の各点は、被写体1800中の異なる位置に対応する。
実像を結んだ各光束は、分離光学素子1894を通過することにより、再び広がりを持った光束に戻り二次元受光素子アレイ1895を照射する。このとき、実像中の各点の光束は、二次元受光素子アレイ1895のそれぞれ異なる範囲を照射する。
たとえば、光束2901は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲2991を照射する。同様に、光束2902は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲2992を照射する。同様に、光束2903は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲2993を照射する。同様に、光束2904は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲2994を照射する。
たとえば、光束3001は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3091を照射する。同様に、光束3002は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3092を照射する。同様に、光束3003は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3093を照射する。同様に、光束3004は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3094を照射する。
たとえば、光束3101は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3191を照射する。同様に、光束3102は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3192を照射する。同様に、光束3103は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3193を照射する。同様に、光束3104は、二次元受光素子アレイ1895中の範囲3194を照射する。
実像中各点を通った光束の、二次元受光素子アレイ1895上の照射範囲は、照明光学系1880および撮像光学系1890の光学特性および物理的大きさおよび相対位置関係で定まる。
実像中の十分近い2点を通った光束は、二次元受光素子アレイ1895上を照射範囲に重なりを持つ。一方、実像中の十分離れた2点を通った光束は、二次元受光素子アレイ1895上を照射範囲に重なりを持たない。
二次元受光素子アレイ1895上で照射範囲に重なりを持たない光束は、二次元受光素子アレイ1895中の異なる受光画素3411を照射することになるから区別可能となる。すなわち、マルチスペクトル撮像装置は、照射範囲の重なりで制限された空間解像度で、被写体1800のマルチスペクトル像を撮影することができる。
実像中で、どれだけの距離はなれれば重なりを持たないかは、照明光学系1880および撮像光学系1890の光学特性および物理的大きさおよび相対位置関係で定まる。
分離光学素子1894が、図36に示すようなマイクロレンズ3291の集合体である場合について説明する。
分離光学素子1894と二次元受光素子アレイ1895の距離が、レンズ群1892を構成する各レンズの焦点距離よりも十分短い場合、個々のマイクロレンズ3291の大きさ程度の空間解像度を得ることができる。
また、レンズ群1892および分離光学素子1894中のマイクロレンズ3291により、二次元受光素子アレイ1895上にフィルター群1884の実像3309が結ばれる(図37)。この実像3309の数は、分離光学素子1894中のマイクロレンズ3291の数に等しい。
各実像3309において、第一のフィルターの実像3301、第二のフィルターの実像3302、第三のフィルターの実像3303、および第四のフィルターの実像3304は、それぞれ対応する第一のフィルター2501、第二のフィルター2502、第三のフィルター2503、および第四のフィルター2504を通過し、被写体1800で反射した光束により結ばれている。つまり、実像3301、実像3302、実像3303、および実像3304は、それぞれの第一のスペクトル特性、第二のスペクトル特性、第三のスペクトル特性、および第四のスペクトル特性の光で被写体1800を照明したことにより得られたものである。
また、図38のように、実像3301、実像3302、実像3303、および実像3304の位置に、それぞれ別々の第一から第四の受光素子3401〜3404を配置することで、各マイクロレンズ3291は、異なるフィルターを通過した各光束を別々の受光素子に導くことができる。
各受光画素3411中の、同一のスペクトル特性の光に対応する受光素子の情報だけを集めれば、そのスペクトル特性の光で撮影された被写体1800の像を構成することができる。つまり、マルチスペクトル撮像装置は、フィルター2509の数だけ同時に被写体1800のマルチスペクトル像を撮影することができる。すなわち、本実施の形態の構成により、反射照明型の顕微鏡光学系において、マルチスペクトル撮像が実現できる。
実施の形態1と同様、本実施の形態においても照明光束の光路はフィルターの透過特性に依存しない。そのため、フィルター群1884あるいは個々のフィルター2509のみを交換することにより、マルチスペクトル撮像装置は、容易に、異なるスペクトル特性の光で被写体の像を撮影することが可能である。
本実施の形態のマルチスペクトル撮像結果は、たとえば薄膜つきサンプルの膜厚識別に利用することができる。一例として、図39にシリコン酸化膜薄膜を有するシリコン基板の反射率の、シリコン酸化膜の膜厚依存性を示す。干渉効果のため、反射率は、薄膜の膜厚応じて異なる波長依存性を持つ。
この実施の形態で例に挙げた、第一のスペクトル特性(440から450ナノメートルの波長範囲)において、酸化膜厚0ナノメートルのサンプルの反射率と酸化膜厚300ナノメートルのサンプルの反射率とは似通っている。また、酸化膜厚100ナノメートルのサンプルの反射率と酸化膜厚200ナノメートルのサンプルの反射率とは似通っている。さらに、酸化膜厚400ナノメートルのサンプルの反射率と酸化膜厚500ナノメートルのサンプルの反射率とは似通っている。そのため、第一のスペクトル特性の光だけによる撮像では、これら酸化膜厚が似通ったサンプルあるいは領域を区別することはできない。
しかし、第一のスペクトル特性3901(440から450ナノメートル)、第二のスペクトル特性3902(490から500ナノメートル)、第三のスペクトル特性3903(590から600ナノメートル)、第四のスペクトル特性3904(690から700ナノメートル)の全てにおいて、似通った反射率を持つ酸化膜厚のサンプルは、この6種類のサンプルの中には存在しないことが図35からわかる。このように、複数のスペクトル特性の光で撮像することにより、薄膜の厚みの違うサンプルあるいは領域を識別することが可能となる。なお、各スペクトルで撮像された各画像内の画素の強度は、各画像内においては被写体の相対反射率を反映したものとなっている。しかし、異なるスペクトル像間においては、光源1881の各スペクトルにおける放射強度、各フィルター2509の透過率などの違いにより、画像内の強度をそのまま比較することができない。
しかし、各スペクトル特性における反射率が既知の物質(たとえばシリコン基板や金ミラーなど)を撮像した結果と比較することにより、各スペクトルでの撮像結果を絶対反射率に換算することが可能となる。絶対反射率に換算後は各スペクトル間の比較が可能となる。この絶対反射率に換算したマルチスペクトル像と、光学シミュレーターにより計算した任意の膜厚における理論マルチスペクトル像とを比較することで、もっともらしい膜厚を推定することもできる。なお、反射率が既知の物質の測定は、各被写体のマルチスペクトル撮像ごとに行ってもよいし、光学シミュレーター内に測定結果を保存しておき、その結果を利用して各撮像結果を絶対反射率に換算してもよい。
このように、膜厚と反射スペクトルとが第一の依存関係を示す第一の波長の光を通過させる第一のフィルターと、膜厚と反射スペクトルとが第二の依存関係を示す第二の波長の光を通過させる第二のフィルターとを含むフィルター群を照明光学系に配置することにより、酸化膜の膜厚を推定することができる。
このような効果が得られるのは、上記例で示したスペクトル特性、および、膜厚の場合だけではない。基板や薄膜の種類、膜厚範囲などにより識別しやすくなるスペクトル特性の組み合わせが異なるので、識別すべき対象が限定されている場合には、識別に適したスペクトル特性に対応する透過特性を有するフィルター2509が利用されればよい。また、本実施の形態では、フィルター群1884の交換だけで、異なるスペクトル特性の光での撮像が可能である。したがって、フィルター群は、識別すべき対象ごとに、それに適した透過特性を有するフィルター群に適宜交換されてもよい。
なお、光学シミュレーターは、基板の厚みと、各波長における基板の複素屈折率と、各薄膜の厚みと、各波長における各薄膜の複素屈折率と、大気の各波長における複素屈折率と、光線入射角度とをもとに、各波長における反射率を計算する処理を行う。このような光学シミュレーションを行うソフトウェアは市販されている。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態2の反射照明型のマルチスペクトル撮像装置を用いて、薄膜サンプル(被写体)を撮像し、薄膜の厚み同定、または異物もしくはシワ(重なり)などの異常検出を行う。
薄膜サンプルでは干渉効果により、薄膜の厚みや異物の有無、シワなどの異常の有無により反射率の波長依存性が変化する。そのため、薄膜の厚みの変化や、異物の有無、シワなどの異常の有無により反射率に差が生じる波長範囲の成分を含む光で照明された薄膜サンプルを撮像すれば、薄膜の厚みの変化や、異物の有無、シワなどの異常の有無によりコントラストがついた像が得られる。逆に、薄膜の厚みの変化や異物の有無、シワなどの異常の有無により反射率に差が生じない波長範囲の光で照明された薄膜サンプルを撮像すれば、薄膜の厚みの変化や、異物の有無、シワなどの異常の有無によりコントラストがつかない像が得られる。
また、照明光の波長範囲を適切に選択すれば、薄膜の厚みの変化やシワなどの異常の有無に対してはコントラストがつくが、異物の有無に対してはコントラストが付かない像を得ることも場合により可能である。このような波長範囲の光での撮像は、薄膜の厚みの違いやシワなどの異常検出に有益である。
逆に、異物の有無によってコントラストが付くが、薄膜の厚みの変化によってはコントラストが付かない波長範囲が存在する場合もある。このような波長範囲の光での撮像は、異物の検出に有益である。
どの波長範囲の光で薄膜の厚みの変化や、異物の有無、シワなどの異常の有無により反射率に差が生じる、あるいは生じないかは、基板の種類、薄膜の種類や厚み、異物の種類や厚み、あるいは異常の種類などにより異なる。そこで、本実施の形態では、被写体および撮像目的に応じて、適切な波長範囲の光を被写体に照射するための透過特性を有するフィルターを撮像装置に取り付けることにより、撮像目的に適した像を得る。
照明光の波長範囲の選定は、たとえば実験的に行われる。たとえば、さまざまな波長範囲の光で被写体の撮像を行い、薄膜の厚みの違いや異物の有無、シワなどの異常の有無によりコントラストが生じるか否かを確認する。その確認結果に基づいて、波長範囲を選定し、選定した波長範囲に対応する透過特性を有するフィルターを選択する。
あるいは、光学シミュレーションにより、各波長範囲の光で撮像した時に得られる像のコントラストを予測してもよい。
以下に、図40に示す薄膜サンプルの光学シミュレーションをおこなった結果(図41A、図41B)と、実際に薄膜サンプルを様々な波長範囲の光で撮像した例(図42から図46)を示す。
図40に示す被写体(薄膜サンプル)は、295ナノメートルの厚みを持つシリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、単層のグラフェンを2枚転写したものである。図42等に示すように、撮像視野内には、グラフェンが張りけられていない下地領域(4000)、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)、第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)が存在する。第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)と第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)は、いずれもグラフェンの厚みが0.35ナノメートル程度である。一方、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)におけるグラフェン層の厚みは0.7ナノメートル程度である。
図41Aは、295ナノメートル厚みのシリコン酸化膜を持つシリコン基板上にグラフェン層が存在するサンプルの反射度を、光学シミュレーションにより求めた図である。シミュレーションを行ったのは、下地領域(4000)に相当するグラフェン層が0ナノメートルの場合(4100)、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)と第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)に相当するグラフェン層が0.35ナノメートルの場合(4101)、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)に相当するグラフェン層が0.7ナノメートルの場合(4102)である。ただし、基板とグラフェン以外の異物は存在しないものとしてシミュレーションを行った。
図41Bは、295ナノメートル厚みのシリコン酸化膜を持つシリコン基板上に0.35ナノメートルのグラフェン層が存在し、かつその上にPMMA樹脂層が存在するサンプルの反射度を光学シミュレーションにより求めた図である。シミュレーションを行ったのは、PMMA樹脂層の厚みが0ナノメートルの場合(4200)と、PMMA樹脂層の厚みが5ナノメートルの場合(4201)である。
波長440から450ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第一のスペクトル特性(4301)において、反射度は、グラフェンの層の厚みに対して依存性を持たないが、PMMA樹脂層の厚みに依存性を持ち、PMMA樹脂層が堆積している箇所のほうが高い反射度を持つことが図41Aおよび図41Bから読み取れる。実際にこのスペクトル特性で撮像した結果を図42に示す。
グラフェンが張りけられていない下地領域(4000)、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)、第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)それぞれにコントラスト差は生じていない。しかし、細かい異物(4401)が周囲よりも反射度の高い白い領域として撮像されていることが確認できる。
波長490から500ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第二のスペクトル特性(4302)においては、反射度は、グラフェンの層の厚みとPMMA樹脂層の厚み双方に依存性を持ち、PMMA樹脂層が堆積している箇所のほうが高い反射度を持つことが図41Aおよび図41Bから読み取れる。実際にこのスペクトル特性で撮像した結果を図43に示す。
下地領域(4000)が最も高い反射度を示し、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)と第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)が同じ中間の反射度を示し、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)が最も低い反射度を示すように撮像されている。また、細かい異物(4401)は、像中に周囲よりも高い反射度を持つ白い領域として撮像されている。
波長540から550ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第三のスペクトル特性(4303)においては、反射度は、グラフェンの層の厚みに対して依存性を持つが、PMMA樹脂層の厚みに依存性を持たないことが、図41Aおよび図41Bから読み取れる。実際にこのスペクトル特性で撮像した結果を図44に示す。
下地領域(4000)が最も高い反射度を示し、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)と第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)が同じ中間の反射度を示し、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)が最も低い反射度を示すように撮像されている。また、細かい異物(4401)は像中に認められない。
また、この第三のスペクトル特性において撮影した像のコントラストと明るさを調整したものを図45に示す。他のスペクトル範囲での撮像図では明瞭ではない、グラフェンのシワ(4501)および積層領域に汚染が原因と考えられる斑模様(4502)が確認された。このスペクトル特性が、グラフェンの層数の違いに最も敏感であると予測されるから、このようなグラフェンのシワ(4501)や斑模様(4502)等の異常が可視化できたものと考えられる。
このように、グラフェン層のシワが形成されている領域で、グラフェン層のシワが形成されていない領域とは異なる反射スペクトルを示す波長の光を通過させる第三のフィルターを含むフィルター群を照明光学系に配置することにより、グラフェン層のシワを可視化することができる。
波長590から600ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第四のスペクトル特性(4304)においては、反射度は、グラフェンの層の厚み、および、PMMA樹脂層の厚み双方に依存性を持つことが、図41Aおよび図41Bから読み取れる。ただし、PMMA樹脂層が堆積している箇所のほうが低い反射度を持つことが読み取れる。実際にこのスペクトル特性で撮像した結果を図46に示す。
下地領域(4000)が最も高い反射度を示し、第一の単層グラフェンが転写された領域(4001)と第二の単層グラフェンが転写された領域(4002)が同じ中間の反射度を示し、第一および第二の単層グラフェンが積層された領域(4003)が最も低い反射度を示すように撮像されている。また、細かい異物(4401)は、像中に周囲よりも低い反射度を持つ黒い領域として撮像されている。
このように、基板が295ナノメートル程度の厚みを持つシリコン酸化膜を形成したシリコン基板であり、薄膜が0から0.7ナノメートル程度の厚みを持つグラフェンの場合には、波長490から500ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第二のスペクトル特性(4302)、波長540から550ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第三のスペクトル特性(4303)、および波長590から600ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第四のスペクトル特性(4304)の光で撮像することにより、グラフェン層の厚みの違いをコントラストの違いとして可視化することが可能である。
また特にグラフェンの厚みに敏感な第三のスペクトル特性(4303)の光での撮像により、グラフェンのシワ(4501)や斑模様(4502)を可視化することが可能である。
また、波長440から450ナノメートルの第一のスペクトル特性(4301)の光と、波長490から500ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第二のスペクトル特性(4302)の光と、波長590から600ナノメートルの範囲に成分の分布を持つ第四のスペクトル特性(4304)の光とでの撮像により、細かい異物(4401)の有無をコントラストの違いとして可視化することが可能である。また、第一のスペクトル特性(4301)および第二のスペクトル特性(4302)の光の像と、第四のスペクトル特性(4304)の光の像とでは、細かい異物(4401)の有無により生じる周囲とのコントラスト差が逆であるため、撮像装置内の異物ではなく、被写体(1800)上の異物であることが確認できる。
また、第三のスペクトル特性(4303)のように、グラフェンの厚みに対してコントラストが生じるが、細かい異物(4401)の有無によってはコントラストが生じないスペクトル特性の光での撮像により、異物(4401)に左右されずグラフェンの厚みの違いの判別が可能になる。
このように、本実施の形態によれば、薄膜の厚みの違いや異物などを判別可能な像を撮影することができる。
ただし、基板の種類、薄膜の種類や厚み、異物の種類などが異なれば、薄膜の厚みの違いや、異物の検出の有無に適したスペクトル特性は変化する。
異なる膜厚の場合の例を以下に示す。
基板および薄膜の材質は図40と同じであるが、シリコン酸化膜の厚みだけを210ナノメートルに変更した場合の光学シミュレーション結果を図47および図48に示す。
図47は、210ナノメートル厚みのシリコン酸化膜を持つシリコン基板上にグラフェン層が存在するサンプルの反射度を、光学シミュレーションにより求めた図である。シミュレーションを行ったのは、グラフェン層が0ナノメートルの場合(4700)、グラフェン層が0.35ナノメートルの場合(4701)、グラフェン層が0.7ナノメートルの場合(4702)である。なお、0.35ナノメートルは、1層のグラフェン層に相当する厚みである。ただし、基板とグラフェン以外の異物は存在しないものとしてシミュレーションを行った。
図48は、210ナノメートル厚みのシリコン酸化膜を持つシリコン基板上に0.35ナノメートルのグラフェンが存在し、その上にPMMA層が無い場合(4800)と、5ナノメートルのPMMA層が堆積している場合(4801)の光学シミュレーション結果である。
このシリコン酸化膜の厚みでは、波長370から380ナノメートルの範囲において、反射度はグラフェンの厚みに依存する一方、PMMAの有無には依存しない。これは、シリコン酸化膜の厚みが295ナノメートルであった場合の第三のスペクトル特性(4303)と同じ現象である。この現象は、グラフェンの層数の変化の検出、グラフェンのシワの検出などに有効な現象である。ただし、この現象が生じる波長範囲は酸化膜厚みが変化したことにより、370から380ナノメートルに変化している。
したがって、評価対象が210ナノメートル厚みのシリコン酸化膜を持つシリコン基板上にグラフェン層が存在するサンプルである場合には、波長370から380ナノメートルの範囲を透過範囲として持つフィルター2509が、フィルター群1884に含まれることが望ましい。
本実施の形態のマルチスペクトル撮像装置の場合、フィルター群1884あるいは個々のフィルター2509の交換だけで、異なる波長範囲の光で撮像が可能になる。そのため、マルチスペクトル撮像装置は、被写体が変わった場合に、フィルター群1884あるいは個々のフィルター2509を交換することで、適切なマルチスペクトル像を撮影することができる。具体的には、マルチスペクトル撮像装置は、薄膜サンプルが取替えられても、フィルター群1884あるいは個々のフィルター2509を交換することで、薄膜の厚みの違いや異物の有無、シワなどの異常の有無によりコントラストが付いた像あるいはつかない像を撮影することができる。そして、このように撮影されたマルチスペクトル像を用いて、薄膜の厚みの違いやシワなどの異常検出あるいは、異物検出を行うことができる。
以上、1つまたは複数の態様に係るマルチスペクトル装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
なお、フィルター群は、上記各実施の形態におけるフィルター群に限定されない。たとえば、フィルター群に含まれる複数のフィルターの面積は同一でなくてもよい。図49に示すように、第一のフィルター4901または第三のフィルター4903と、第二のフィルター4902とは面積が異なってもよい。
また、フィルター群は、矩形状でなくてもよい。たとえば、フィルター群は、円形状あるいは矩形以外の多角形状であってもよい。また、フィルター群は、照明撮像系に取り付けられたときの移動を規制する規制部(たとえば凸部または凹部など)を備えてもよい。
また、フィルター群に含まれる各フィルターは、特定の波長成分を制限するフィルターでなくてもよい。たとえば、少なくとも1つのフィルターは、偏光方向を変化させる偏光素子であってもよい。またたとえば、少なくとも1つのフィルターは、ND(Neutral Density)フィルターであってもよい。またたとえば、1つのフィルターは、光をそのまま透過させてもよい。つまり、フィルター群に含まれる複数のフィルターは、互いに透過特性が異なればよい。
なお、上記各実施の形態において、分離光学素子は、複数のマイクロレンズの集合体であったが、このような光学素子に限定される必要はない。たとえば、分離光学素子は、レンチキュラーレンズであってもよい。この場合、フィルター群には2つのフィルターが含まれ、各受光画素には、2つの受光素子が含まれればよい。このように、分離光学素子は、異なるフィルターを通過した光を異なる受光素子に導くことができれば、どのような光学素子であっても構わない。
なお、上記各実施の形態において、フィルター群は、開口絞りの近傍に配置されていたが、必ずしも開口絞りの近傍に配置される必要はない。たとえば、フィルター群は、レンズ群の被写体側に配置されてもよい。つまり、フィルター群は、被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域であれば、照明光学系内のどのような位置に配置されてもよい。
本発明の一態様に係るマルチスペクトル撮像装置は、生物分野や医療分野、工業分野において有用である。また、薄膜測定や異物検出などにも応用可能である。
0100、1800 被写体
0109、1809 照明光束が重なり合う領域
0180、1880 照明光学系
0181、1881 光源
0182、1882 レンズ群
0183、1883 絞り群
0184、1884 フィルター群
0190、1890 撮像光学系
0192、1892 レンズ群
0194、1894 分離光学素子
0195、1895 二次元受光素子アレイ(撮像素子)
0201、1901 コレクタレンズ
0202 フィールドレンズ
0203 コンデンサレンズ
0211、1911 視野絞り
0212、1912 開口絞り
0301、0311、0312、0321、0322、0401、0411、0412、0421、0422、0501、0511、0512、0521、0522、2101、2201、2301、2601、2602、2603、2604、2701、2702、2703、2704、2801、2802、2803、2804、2901、2902、2903、2904、3001、3002、3003、3004、3101、3102、3103、3104 光束
0310、2110 第一の点
0410、2210 第二の点
0510、2310 第三の点
0700、2500 枠
0701、2501、4901 第一のフィルター
0702、2502、4902 第二のフィルター
0703、0704 照明光束が重なり合う範囲
0709、2509 フィルター
1101 対物レンズ
1102 結像レンズ
1201、1202、1301、1302、1401、1402 範囲
1209、1309、1409 点
1591、3291 マイクロレンズ
1601、1602、1609、3301、3302、3303、3304、3309 実像
1701、3401 第一の受光素子
1702、3402 第二の受光素子
1709、3409 受光素子
1711、3411 受光画素
1771、3901、4301 第一のスペクトル特性
1772、3902、4302 第二のスペクトル特性
1781 細胞質
1782 免疫染色された細胞核
1783 免疫染色されなかった細胞核
1791 細胞質の吸収スペクトル
1792 免疫染色された細胞核の吸収スペクトル
1793 免疫染色されなかった細胞核の吸収スペクトル
1885 ハーフミラー
1902 第一のフィールドレンズ
1903 第二のフィールドレンズ
2001 対物レンズ
2002 結像レンズ
2503、4903 第三のフィルター
2504 第四のフィルター
2905、3005、3105 点
2991、2992、2993、2994、3091、3092、3093、3094、3191、3192、3193、3194 範囲
3403 第三の受光素子
3404 第四の受光素子
3903、4303 第三のスペクトル特性
3904、4304 第四のスペクトル特性
4000 下地領域
4001 第一の単層グラフェンが転写された領域
4002 第二の単層グラフェンが転写された領域
4003 第一および第二の単層グラフェンが積層された領域
4401 細かい異物
4501 グラフェンのシワ
4502 斑模様

Claims (9)

  1. 被写体のマルチスペクトル像を撮影するマルチスペクトル撮像装置であって、
    前記被写体に光を照射する照明光学系と、
    前記被写体を撮像する撮像光学系とを備え、
    前記照明光学系は、
    前記被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が重なり合う領域に配置されるフィルター群であって、互いに異なる透過特性を持つ第一のフィルターおよび第二のフィルターを少なくとも含むフィルター群を備え、
    前記撮像光学系は、
    複数の第一の受光素子および複数の第二の受光素子を少なくとも含む撮像素子と、
    前記第一のフィルターを通過してきた光を前記複数の第一の受光素子に導き、前記第二のフィルターを通過してきた光を前記複数の第二の受光素子に導く分離光学素子とを備える
    マルチスペクトル撮像装置。
  2. 前記照明光学系は、視野絞りおよび開口絞りを有するケーラー照明系であり、
    前記フィルター群は、前記開口絞りの近傍に配置される
    請求項1に記載のマルチスペクトル撮像装置。
  3. 前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの少なくとも一方は、前記照明光学系に交換可能に取り付けられる
    請求項1または2に記載のマルチスペクトル撮像装置。
  4. 前記撮像光学系は、さらに、対物レンズを備え、
    前記フィルター群は、前記対物レンズの開口数が変化しても、前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの各々を通過した光が前記第一の受光素子および前記第二の受光素子に入射する位置に配置される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチスペクトル撮像装置。
  5. 前記フィルター群は、前記第一のフィルターおよび前記第二のフィルターの境界線が前記照明光学系の光軸と交差する位置に配置される
    請求項4に記載のマルチスペクトル撮像装置。
  6. マルチスペクトル撮像装置を用いて被写体のマルチスペクトル像を撮影するマルチスペクトル撮像方法であって、
    前記マルチスペクトル撮像装置は、
    前記被写体に光を照射する照明光学系と、
    前記被写体を撮像する撮像光学系とを備え、
    前記マルチスペクトル撮像方法は、
    互いに異なる透過特性を持つ第一のフィルターおよび第二のフィルターを少なくとも含むフィルター群を、前記被写体の撮像範囲内の各点に到達する照明光束が前記照明光学系において重なり合う領域に配置する配置ステップと、
    前記被写体のマルチスペクトル像を撮影する撮像ステップとを含み、
    前記撮像光学系は、
    複数の第一の受光素子および複数の第二の受光素子を少なくとも含む撮像素子と、
    前記第一のフィルターを通過してきた光を前記複数の第一の受光素子に導き、前記第二のフィルターを通過してきた光を前記複数の第二の受光素子に導く分離光学素子とを備える
    マルチスペクトル撮像方法。
  7. 前記被写体は、複数の吸収スペクトルを有する複数の染料を用いて染色されており、
    前記配置ステップでは、前記複数の染料に含まれる第一の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターと、前記複数の染料に含まれる第二の染料が他の染料と異なる吸収スペクトルを示す第二の波長の光を通過させる前記第二のフィルターとを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置する
    請求項に記載のマルチスペクトル撮像方法。
  8. 前記被写体は、膜厚に応じて異なる反射スペクトルを有する酸化膜を表面に含み、
    前記配置ステップでは、膜厚と反射スペクトルとが第一の依存関係を示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターと、膜厚と反射スペクトルとが第二の依存関係を示す第二の波長の光を通過させる前記第二のフィルターとを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置する
    請求項に記載のマルチスペクトル撮像方法。
  9. 前記被写体は、表面にグラフェン層を有し、
    前記配置ステップでは、前記グラフェン層のシワが形成されている領域で、前記グラフェン層のシワが形成されていない領域とは異なる反射スペクトルを示す第一の波長の光を通過させる前記第一のフィルターを含む前記フィルター群を前記照明光学系に配置する
    請求項に記載のマルチスペクトル撮像方法。
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