JP5880814B2 - 摺動式スプライン軸装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、第一軸部材にフランジ部を設けることなく、ストッパを取り付けることができる摺動式スプライン軸装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明に係る摺動式スプライン軸装置は、内周に雌スプラインを有する第一軸部材と、前記雌スプラインに対して軸方向に摺動可能かつ周方向に移動規制されるように嵌合する雄スプラインを外周に有する第二軸部材と、前記第二軸部材の軸方向一方端に取り付けられ、前記雌スプラインに対して軸方向に係合し、前記第二軸部材が前記第一軸部材に対して軸方向他方側へ抜けることを規制するストッパと、を備える摺動式スプライン軸装置であって、前記第一軸部材は、前記雌スプラインと、前記雌スプラインの前記軸方向他方側に形成され前記第二軸部材を挿入する第一開口部と、前記雌スプラインの前記軸方向一方側に形成され前記雌スプラインの溝底直径以上の内接円直径を有する空隙部と、前記雌スプラインの前記軸方向一方側に前記雄スプラインの外接円直径より小さな内接円直径の開口部であり、前記第二軸部材に前記ストッパを本止めするために用いる第二開口部と、を備え、前記ストッパは、前記第一軸部材の前記第一開口部から前記雌スプラインの溝部を軸方向に通過可能に形成され、前記ストッパが前記第二軸部材の前記軸方向一方端に本止めされていない状態において、前記空隙部において前記第一軸部材の中心軸回りに回転可能であり、前記ストッパが前記第二軸部材の前記軸方向一方端に本止めされた状態において、前記空隙部において前記雌スプラインに対して軸方向に係合する。
(請求項3)本発明に係る摺動式スプライン軸装置の製造方法は、内周に雌スプラインを有する第一軸部材と、前記雌スプラインに対して軸方向に摺動可能かつ周方向に移動規制されるように嵌合する雄スプラインを外周に有する第二軸部材と、前記第二軸部材の軸方向一方端に取り付けられ、前記雌スプラインに対して軸方向に係合し、前記第二軸部材が前記第一軸部材に対して軸方向他方側へ抜けることを規制するストッパと、を備える摺動式スプライン軸装置の製造方法であって、前記第一軸部材は、前記雌スプラインと、前記雌スプラインの前記軸方向他方側に形成され前記第二軸部材を挿入する第一開口部と、前記雌スプラインの前記軸方向一方側に形成され前記雌スプラインの溝底直径以上の内接円直径を有する空隙部と、を備え、前記ストッパの外接円直径は、前記雌スプラインの内接円直径より大きく形成され、前記製造方法は、前記ストッパを、前記第一軸部材の前記第一開口部から挿入して、前記雌スプラインの溝部を軸方向に通過して前記空隙部に配置するストッパ挿入工程と、前記ストッパ挿入工程において前記ストッパを前記第一開口部から挿入した後に、前記第二軸部材を前記第一開口部から挿入して、前記第一軸部材の前記雌スプラインと前記第二軸部材の前記雄スプラインとを嵌合させる第二軸部材挿入工程と、前記ストッパを前記空隙部において前記第一軸部材の中心軸回りに回転して前記雌スプラインに対して軸方向に係合する状態にして、前記ストッパを前記第二軸部材の軸方向一方端に取り付けるストッパ取付工程とを備える。
また、空隙部において、ストッパを第一軸部材の軸回りに回転させることが必要となる。そこで、第一軸部材の軸方向一方側に第二開口部を設けることで、当該第二開口部を利用してストッパを回転させることができる。
上述した摺動式スプライン軸装置の製造方法(組立方法)について、図4のフローチャートを主として用い、適宜、図1〜図3、および図5〜図8を参照しながら説明する。図4のS1に示すように、第二軸部材20の軸方向一方端にストッパ30を仮止めする(仮止め工程)。この仮止め状態は、図5および図6に示すように、ストッパ30の中心のボルト挿通穴30bのみを用いて、第二軸部材20に対してストッパ30をボルト51により仮止めする。このとき、ストッパ30の雄スプライン30aのそれぞれの丘部の位相は、第二軸部材20の雄スプライン22aのそれぞれの丘部の位相と一致する状態とされている。
本実施形態によれば、ストッパ30は、第一軸部材10の第一開口部12bから挿入されて、空隙部12cに配置されている。従って、第一軸部材10の雌スプライン12aの軸方向一方側にストッパ30を配置するために、従来のように、第一軸部材10を二分割する必要がない。そのため、従来において第一軸部材10を二分割にするために必要であったフランジ部は、第一軸部材10にとって不要なものとなる。従って、第一軸部材10は、軸方向中央部においてフランジ部を有しないため、小型化および軽量化を図ることができる。
上記実施形態においては、ストッパ30が、外周に雄スプライン30aを有する形状としたが、これに限られるものではない。その他の実施形態について、図9を参照して説明する。図9に示すように、ストッパ130は、第一軸部材10の中心軸方向から見た場合に長尺矩形状とし、ストッパ130の外接円直径を雌スプライン12aの内接円直径より大きく、かつ、雌スプライン12aの溝底径より小さく形成している。
Claims (2)
- 内周に雌スプラインを有する第一軸部材と、
前記雌スプラインに対して軸方向に摺動可能かつ周方向に移動規制されるように嵌合する雄スプラインを外周に有する第二軸部材と、
前記第二軸部材の軸方向一方端に取り付けられ、前記雌スプラインに対して軸方向に係合し、前記第二軸部材が前記第一軸部材に対して軸方向他方側へ抜けることを規制するストッパと、
を備える摺動式スプライン軸装置であって、
前記第一軸部材は、前記雌スプラインと、前記雌スプラインの前記軸方向他方側に形成され前記第二軸部材を挿入する第一開口部と、前記雌スプラインの前記軸方向一方側に形成され前記雌スプラインの溝底直径以上の内接円直径を有する空隙部と、前記雌スプラインの前記軸方向一方側に前記雄スプラインの外接円直径より小さな内接円直径の開口部であり、前記第二軸部材に前記ストッパを本止めするために用いる第二開口部と、を備え、
前記ストッパの外接円直径は、前記雌スプラインの内接円直径より大きく形成され、
前記ストッパは、
前記第一軸部材の前記第一開口部から前記雌スプラインの溝部を軸方向に通過可能に形成され、
前記ストッパが前記第二軸部材の前記軸方向一方端に本止めされていない状態において、前記空隙部において前記第一軸部材の中心軸回りに回転可能であり、
前記ストッパが前記第二軸部材の前記軸方向一方端に本止めされた状態において、前記空隙部において前記雌スプラインに対して軸方向に係合する摺動式スプライン軸装置。 - 請求項1において、
前記ストッパは、前記雌スプラインを通過可能な雄スプラインを外周に有し、
前記ストッパは、前記ストッパの前記雄スプラインの丘部と前記第一軸部材の前記雌スプラインの丘部とが軸方向に係合した状態で前記第二軸部材に本止めされており、
前記第二軸部材は、前記ストッパの前記雄スプラインの丘部と前記第一軸部材の前記雌スプラインの丘部との軸方向の係合により、前記第一軸部材に対して軸方向他方側へ抜けることを規制されている摺動式スプライン軸装置。
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