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JP5879227B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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JP5879227B2
JP5879227B2 JP2012179168A JP2012179168A JP5879227B2 JP 5879227 B2 JP5879227 B2 JP 5879227B2 JP 2012179168 A JP2012179168 A JP 2012179168A JP 2012179168 A JP2012179168 A JP 2012179168A JP 5879227 B2 JP5879227 B2 JP 5879227B2
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Description

本発明は、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される積層体の積層方向両側には、ターミナルプレート、絶縁部材及びエンドプレートが配設される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)及び多孔質カーボン(ガス拡散層)を有するアノード電極とカソード電極とを配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する発電セルを構成している。
通常、発電セルを所定の数だけ積層した積層体を備えるとともに、前記積層体の積層方向両側には、ターミナルプレート、絶縁プレート及びエンドプレートが配設される燃料電池スタックを構成する場合が多い。この種の燃料電池スタックは、例えば、燃料電池電気自動車に搭載される車載用燃料電池スタックとして使用されている。
例えば、特許文献1には、ターミナルプレート、絶縁プレート及びエンドプレートを積層方向に貫通して貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に締結手段が挿入されることにより、前記ターミナルプレート、前記絶縁プレート及び前記エンドプレートを一体化する技術が開示されている。
これにより、ターミナルプレート、絶縁プレート及びエンドプレートの耐久性を維持しつつ、これらを薄肉化することができ、燃料電池スタック全体の小型化及び軽量化を図ることが可能になる、としている。
特許第4776886号公報
ところで、燃料電池スタックでは、例えば、積層体の端部とターミナルプレートとの間に、断熱構造として、発電セルと類似に構成されるダミーセル(非発電セル)や断熱部材を介装する技術が採用されている。このため、部品点数が相当に増加して取り扱いが煩雑化するとともに、燃料電池スタックの組み立て作業性が低下するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、部品の取り扱いが簡素化するとともに、組み立て作業性を良好に向上させることが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される積層体の積層方向両側には、ターミナルプレート、絶縁部材及びエンドプレートが配設される燃料電池スタックに関するものである。
そして、積層体の端部とターミナルプレートとの間に導電性断熱部材が介装され、少なくとも一方の絶縁部材は、前記積層体側の端部が開口される凹部を設け、前記凹部には、前記導電性断熱部材が収容されるとともに、前記導電性断熱部材が収容された前記一方の絶縁部材には、前記積層体の端部を構成する少なくとも1つの発電セルが、保持部材により一体に保持されている。
また、この燃料電池スタックでは、保持部材は、樹脂製ピン部材であり、前記樹脂製ピン部材は、一方の絶縁部材と少なくとも1つの発電セルとに一体に挿入されるとともに、端部が熱かしめ処理されることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックでは、ターミナルプレートは、凹部内の底面に当接して配設されることが好ましい。
本発明によれば、絶縁部材の凹部に導電性断熱部材が収容された状態で、前記絶縁部材と少なくとも1つの発電セルとが保持部材により一体に保持されている。このため、各部品を個別に取り扱う場合に比べ、取り扱い部品数が削減される。これにより、部品の取り扱いが簡素化するとともに、組み立て作業性を良好に向上させることが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの、図1中、II−II線断面図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの端部に配置される発電セルの分解斜視説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの一部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの、図6中、VII−VII線断面図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の発電セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。
積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート(絶縁部材)18a及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される(図1参照)。積層体14の積層方向他端には、ターミナルプレート16b、絶縁部材18b及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。
燃料電池スタック10は、例えば、長方形に構成されるエンドプレート20a、20bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持され、あるいは、矢印A方向に延在する複数のタイロッド(図示せず)により一体的に締め付け保持される。
発電セル12は、図2及び図3に示すように、電解質膜・電極構造体22と、前記電解質膜・電極構造体22を挟持する第1金属セパレータ24及び第2金属セパレータ26とを備える。第1金属セパレータ24及び第2金属セパレータ26は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属薄板を波形にプレス成形して構成されるが、例えば、カーボンセパレータを用いてもよい。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜28と、前記固体高分子電解質膜28を挟持するアノード電極30及びカソード電極32とを備える。固体高分子電解質膜28は、アノード電極30及びカソード電極32よりも大きな表面積を有している。
なお、電解質膜・電極構造体22は、アノード電極30とカソード電極32とが互いに異なる表面積に設定される段差MEAを構成してもよい。
アノード電極30及びカソード電極32は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜28の両面に形成されている。
発電セル12の矢印B方向(図3中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔36a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔38bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔38a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔36b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔34bが、矢印C方向に配列して設けられる。
第1金属セパレータ24の電解質膜・電極構造体22に向かう面24aには、例えば、矢印B方向に延在する燃料ガス流路40が形成される。燃料ガス流路40は、燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス出口連通孔38bとに連通する。
第2金属セパレータ26の電解質膜・電極構造体22に向かう面26aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路42が設けられる。酸化剤ガス流路42は、酸化剤ガス入口連通孔34aと酸化剤ガス出口連通孔34bとに連通する。
互いに隣接する第1金属セパレータ24の面24bと第2金属セパレータ26の面26bとの間には、冷却媒体入口連通孔36aと冷却媒体出口連通孔36bとに連通する冷却媒体流路44が形成される。冷却媒体流路44は、燃料ガス流路40の裏面形状と酸化剤ガス流路42の裏面形状とが重なり合って形成される。
図2及び図3に示すように、第1金属セパレータ24の面24a、24bには、この第1金属セパレータ24の外周端部を周回して、第1シール部材48が一体化される。第2金属セパレータ26の面26a、26bには、この第2金属セパレータ26の外周端部を周回して、第2シール部材50が一体化される。
第1シール部材48及び第2シール部材50には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
積層体14の少なくとも一方の端部、第1の実施形態では、絶縁部材18b側に近接する端部に配置される少なくとも1つの発電セル12endが、図4に示される。発電セル12endは、四隅(一方の対角位置、すなわち、2カ所でもよい)に孔部52を設ける他、上記の発電セル12と同様に構成される。
図1に示すように、ターミナルプレート16a、16bの略中央には、積層方向外方に延在する端子部58a、58bが設けられる。端子部58a、58bは、絶縁性筒体60に挿入されて、絶縁プレート18a及び絶縁部材18bの孔部62a、62b及びエンドプレート20a、20bの孔部64a、64bを貫通して前記エンドプレート20a、20bの外部に突出する。
絶縁プレート18a及び絶縁部材18bは、絶縁性材料、例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂等で形成されている。絶縁プレート18aは、中央部に矩形状の溝部66aが設けられるとともに、この溝部66aの略中央に孔部62aが連通する。溝部66aには、ターミナルプレート16aが収容され、前記ターミナルプレート16aの端子部58aが絶縁性筒体60を介装して孔部62aに挿入される。
絶縁部材18bは、絶縁プレート18aよりも肉厚に構成されるとともに、積層体14側の端部が開口される凹部68を有する。凹部68を構成する底面68aの略中央には、孔部62bが連通する。絶縁部材18bの四隅には、発電セル12endの各孔部52と積層方向に同軸上に段付き孔部69が設けられる。
凹部68には、導電性断熱部材70及びターミナルプレート16bが収容され、前記ターミナルプレート16bの端子部58bが絶縁性筒体60を介装して孔部62bに挿入される。
ターミナルプレート16bは、凹部68の底面68aに当接して配置されるが、これに限定されるものではなく、前記底面68aに断熱部材70を当接させ、この断熱部材70の底面68aと反対の面に前記ターミナルプレート16bを当接させてもよい。その際、断熱部材70の中央には、端子部58bが絶縁性筒体60を介装して挿入される孔部が形成される。
断熱部材70は、発電セル12(積層体14)を構成する電気導電性を有する第1金属セパレータ24の外周部を枠状に切断した波板状の金属プレート24Pと、電気導電性を有する第2金属セパレータ26の外周部を枠状に切断した波板状の金属プレート26Pとを交互に、例えば、2組積層して構成される。断熱部材70では、金属プレート24P、26Pが当接することにより、これらの間に断熱用空間が形成される。なお、発電セル12が3種類の異なるセパレータから構成される場合には、3枚のセパレータを交互に積層してもよい。
具体的には、図1及び図2に示すように、金属プレート24Pは、第1金属セパレータ24の外周部を第1シール部材48の内周に沿って切断すればよく、この金属プレート24Pの外周寸法は、絶縁部材18bの凹部68の内周寸法と同等に設定される。金属プレート26Pは、第2金属セパレータ26の外周部を第2シール部材50の内周に沿って切断すればよく、この金属プレート26Pの外周寸法は、絶縁部材18bの凹部68の内周寸法と同等に設定される。
なお、断熱部材70は、金属プレート24P、26Pを1組、又は3組以上で構成してもよく、単一の金属プレート24Pを複数枚積層してもよく、あるいは、単一の金属プレート26Pを複数枚積層してもよい。
また、断熱部材70は、空孔を保持し且つ通電性を有する部材であればよく、電気導電性を有する発泡金属、ハニカム形状金属(ハニカム部材)、又は多孔質カーボン(例えば、カーボンペーパ)のいずれかにより構成してもよい。断熱部材70は、1枚でもよく、又は、複数枚を重ねてもよい。
図1及び図2に示すように、絶縁部材18bの各段付き孔部69には、大径側から保持部材、例えば、樹脂製ピン部材72が挿入される。樹脂製ピン部材72は、頭部72aが段付き孔部69の段部壁面に当接するとともに、前記段付き孔部69の小径側を貫通して発電セル12endの孔部52に挿入される。樹脂製ピン部材72の先端部(頭部72aとは反対の端部)は、孔部52から外方に突出しており、前記先端部には、熱かしめ処理が施されることによって、大径のかしめ部72bが設けられる。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸素含有ガス等の酸化剤ガスは、エンドプレート20aの酸化剤ガス入口連通孔34aに供給される。水素含有ガス等の燃料ガスは、エンドプレート20aの燃料ガス入口連通孔38aに供給される一方、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体は、前記エンドプレート20aの冷却媒体入口連通孔36aに供給される。
酸化剤ガスは、図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔34aから第2金属セパレータ26の酸化剤ガス流路42に導入される。酸化剤ガスは、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体22のカソード電極32に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔38aから第1金属セパレータ24の燃料ガス流路40に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路40に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体22のアノード電極30に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体22では、カソード電極32に供給される酸化剤ガスと、アノード電極30に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極32に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極30に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔36aに供給された冷却媒体は、第1金属セパレータ24と第2金属セパレータ26との間の冷却媒体流路44に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、冷却媒体出口連通孔36bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、絶縁部材18bに凹部68が形成されるとともに、前記凹部68には、断熱部材70及びターミナルプレート16bが収容されている。そして、絶縁部材18bに発電セル12endが積層された状態で、各樹脂製ピン部材72が絶縁部材18bの各段付き孔部69及び発電セル12endの各孔部52に一体に挿入される。さらに、樹脂製ピン部材72の先端部には、熱かしめ処理が施されてかしめ部72bが設けられている。なお、樹脂製ピン部材72と絶縁部材18bとを一体化する構成であればよく、熱かしめ処理の他、ねじ止め、クリップ、バンド等を採用することができる。
このため、絶縁部材18bと発電セル12endとは、樹脂製ピン部材72により一体化されるとともに、断熱部材70及びターミナルプレート16bを収容保持することができる。従って、燃料電池スタック10を組み立てる際に、例えば、絶縁部材18bの凹部68に断熱部材70を良好に保持することができず、前記断熱部材70が落下する等の不具合を惹起することがない。
従って、絶縁部材18b、ターミナルプレート16b及び断熱部材70等の各部品を個別に取り扱う場合に比べ、取り扱い部品数が削減される。これにより、部品の取り扱いが簡素化するとともに、組み立て作業性を良好に向上させることが可能になるという効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、断熱部材70は、燃料電池スタック10の積層方向一端でもよく、又は、積層方向両端に適用してもよい。また、以下に説明する第2以降の実施形態でも、同様である。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック80を示す。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック80は、上記の断熱部材70に代えて断熱部材82を備える。断熱部材82は、それぞれ材質の異なる少なくとも第1断熱部材84と第2断熱部材86とを備え、前記第1断熱部材84と前記第2断熱部材86とが交互に積層される。
第1断熱部材84は、例えば、波板状に成形された金属プレートで構成され、上記の金属プレート24P、26Pの少なくともいずれかを使用することができる。第2断熱部材86は、断熱機構を有する部材であればよく、例えば、カーボンプレートを使用することが可能である。第2断熱部材86は、第1断熱部材84よりも小さな外形寸法に設定される。
絶縁部材18bの凹部68には、断熱部材82及びターミナルプレート16bが収容され、前記絶縁部材18bに発電セル12endが積層された状態で、各樹脂製ピン部材72が絶縁部材18bの各段付き孔部69及び発電セル12endの各孔部52に一体に挿入されている。そして、樹脂製ピン部材72の先端部には、熱かしめ処理が施されてかしめ部72bが設けられている。
このように構成される第2の実施形態では、絶縁部材18bと発電セル12endとは、樹脂製ピン部材72により一体化されるとともに、断熱部材82及びターミナルプレート16bを収容保持することができ、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1断熱部材84と第2断熱部材86とは、それぞれ材質が異なっていれば、種々の組み合わせが可能である。また、第1断熱部材84及び第2断熱部材86の積層数は、任意、設定することができる。
図6に示すように、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック90は、複数の発電セル92が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体94を備える。積層体94の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート96a、絶縁プレート(絶縁部材)98a及びエンドプレート100aが外方に向かって、順次、配設される。積層体94の積層方向他端には、ターミナルプレート96b、絶縁部材98b及びエンドプレート100bが外方に向かって、順次、配設される(図6及び図7参照)。
発電セル92は、図8に示すように、第1金属セパレータ104、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)106a、第2金属セパレータ108、第2電解質膜・電極構造体106b及び第3金属セパレータ110を設ける。第1金属セパレータ104、第2金属セパレータ108及び第3金属セパレータ110は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した縦長形状の金属板により構成されるが、例えば、カーボンセパレータを用いてもよい。
第1電解質膜・電極構造体106a及び第2電解質膜・電極構造体106bは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜112と、前記固体高分子電解質膜112を挟持するアノード電極114及びカソード電極116とを備える。アノード電極114は、カソード電極116よりも小さな平面寸法を有する段差MEAを構成しているが、これとは逆に、前記カソード電極116よりも大きな平面寸法を有することもできる。
発電セル92の長辺方向(矢印C方向)の上端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔34a及び燃料ガス入口連通孔38aが設けられる。発電セル92の長辺方向(矢印C方向)の下端縁部には、燃料ガス出口連通孔38b及び酸化剤ガス出口連通孔34bが設けられる。発電セル92の短辺方向(矢印B方向)の両端縁部上方には、一対の冷却媒体入口連通孔36aが設けられるとともに、前記発電セル92の短辺方向の両端縁部下方には、一対の冷却媒体出口連通孔36bが設けられる。
第1金属セパレータ104の第1電解質膜・電極構造体106aに向かう面104aには、燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス出口連通孔38bとを連通する第1燃料ガス流路40aが形成される。第1金属セパレータ104の面104bには、冷却媒体入口連通孔36aと冷却媒体出口連通孔36bとを連通する冷却媒体流路44の一部が形成される。
第2金属セパレータ108の第1電解質膜・電極構造体106aに向かう面108aには、酸化剤ガス入口連通孔34aと酸化剤ガス出口連通孔34bとを連通する第1酸化剤ガス流路42aが形成される。第2金属セパレータ108の第2電解質膜・電極構造体106bに向かう面108bには、燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス出口連通孔38bとを連通する第2燃料ガス流路40bが形成される。
第3金属セパレータ110の第2電解質膜・電極構造体106bに向かう面110aには、酸化剤ガス入口連通孔34aと酸化剤ガス出口連通孔34bとを連通する第2酸化剤ガス流路42bが形成される。第3金属セパレータ110の面110bには、冷却媒体流路44の一部が形成される。
第1金属セパレータ104の面104a、104bには、この第1金属セパレータ104の外周端縁部を周回して第1シール部材118が一体成形される。第2金属セパレータ108の面108a、108bには、この第2金属セパレータ108の外周端縁部を周回して第2シール部材120が一体成形されるとともに、第3金属セパレータ110の面110a、110bには、この第3金属セパレータ110の外周端縁部を周回して第3シール部材122が一体成形される。
第1金属セパレータ104は、燃料ガス入口連通孔38aと第1燃料ガス流路40aとを連通する複数の外側供給孔部124a及び内側供給孔部124bと、燃料ガス出口連通孔38bと前記第1燃料ガス流路40aとを連通する複数の外側排出孔部126a及び内側排出孔部126bとを有する。
第2金属セパレータ108は、燃料ガス入口連通孔38aと第2燃料ガス流路40bとを連通する複数の供給孔部128aと、燃料ガス出口連通孔38bと前記第2燃料ガス流路40bとを連通する複数の排出孔部128bとを有する。
図6に示すように、積層体94の少なくとも一方の端部、第3の実施形態では、絶縁部材98b側に近接する端部に配置される少なくとも1つの発電セル92endは、四隅(一方の対角位置、すなわち、2カ所でもよい)に孔部52を設ける。
絶縁部材98bは、積層体94側の端部が開口される凹部68を有するとともに、前記絶縁部材98bの四隅には、発電セル92endの各孔部52と積層方向に同軸上に段付き孔部69が設けられる。
凹部68には、断熱部材130及びターミナルプレート96bが収容される。断熱部材130は、例えば、第2の実施形態と同様に、それぞれ材質の異なる少なくとも第1断熱部材132と第2断熱部材134とを備え、前記第1断熱部材132と前記第2断熱部材134とが交互に積層される。第1断熱部材132は、例えば、金属プレートで構成される一方、第2断熱部材134は、例えば、カーボンプレートで構成される。なお、断熱部材130は、第1の実施形態の断熱部材70と同様に構成してもよい。
第3の実施形態では、絶縁部材98bの凹部68には、断熱部材130及びターミナルプレート96bが収容され、前記絶縁部材98bに発電セル92endが積層される。この状態で、各樹脂製ピン部材72が絶縁部材98bの各段付き孔部69及び発電セル92endの各孔部52に一体に挿入されている。そして、樹脂製ピン部材72の先端部には、熱かしめ処理が施されてかしめ部72bが設けられている。
これにより、第3の実施形態では、絶縁部材98bと発電セル92endとは、樹脂製ピン部材72により一体化されるとともに、断熱部材130及びターミナルプレート96bを収容保持することができ、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
10、80、90…燃料電池スタック
12、12end、92、92end…発電セル
14、94…積層体
16a、16b、96a、96b…ターミナルプレート
18a、98a…絶縁プレート
18b、98b…絶縁部材
20a、20b、100a、100b…エンドプレート
22、106a、106b…電解質膜・電極構造体
24、26、104、108、110…金属セパレータ
24P、26P…金属プレート 28、112…固体高分子電解質膜
30、114…アノード電極 32、116…カソード電極
40、40a、40b…燃料ガス流路 42、42a、42b…酸化剤ガス流路
44…冷却媒体流路 48、50…シール部材
68…凹部
70、82、84、86、130、132、134…断熱部材
72…樹脂製ピン部材

Claims (3)

  1. 電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される積層体の積層方向両側には、ターミナルプレート、絶縁部材及びエンドプレートが配設される燃料電池スタックであって、
    前記積層体の端部と前記ターミナルプレートとの間に導電性断熱部材が介装され、
    少なくとも一方の絶縁部材は、前記積層体側の端部が開口される凹部を設け、前記凹部には、前記導電性断熱部材が収容されるとともに、
    前記導電性断熱部材が収容された前記一方の絶縁部材には、前記積層体の端部を構成する少なくとも1つの前記発電セルが、保持部材により一体に保持されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記保持部材は、樹脂製ピン部材であり、
    前記樹脂製ピン部材は、前記一方の絶縁部材と少なくとも1つの前記発電セルとに一体に挿入されるとともに、端部が熱かしめ処理されることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記ターミナルプレートは、前記凹部内の底面に当接して配設されることを特徴とする燃料電池スタック。
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