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JP5866798B2 - インタークーラ - Google Patents

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Description

本発明は、過給機からエンジン本体に供給する吸気ガスを冷却するインタークーラに関する。
エンジンの出力向上を図る目的からエンジンの吸気系に過給機を装着する過給機付エンジンにおいては、過給機で過給された吸気ガス(圧縮空気)が高温となるため、この高温の吸気ガスをエンジンの燃焼室にそのまま供給してしまうと、充填効率の低下やノッキング(ガソリンエンジンの場合)の問題が生じ得る。
このため、過給機付エンジンにおいては、過給機により過給された吸気ガスを冷却するためのインタークーラをエンジンの吸気系に装着するようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
インタークーラは、例えば、吸気流入口を有する流入側ヘッダと、吸気吐出口を有する吐出側ヘッダと、これら流入側ヘッダと吐出側ヘッダとの間に配設された熱交換用のコアとから主に構成される。
トラック用のエンジンの場合は、インタークーラがエンジンの前方に搭載されており、走行による空気流或いはクーリングファンの吸い込みによる空気流がインタークーラに流れ込むことにより、過給機による過給で高温となった吸気ガスが冷やされる。また、乗用車のエンジンにおいても搭載位置は若干異なるものの、インタークーラの前面に走行による空気流があたるようになっている。
特開2010−275982号公報 特開2010−223508号公報
このようなインタークーラにおける圧損の一部はコアの圧損であるが、コアの圧損を低減するには、例えばコアのチューブ本数を増やすことが考えられる。しかしながら、コアのチューブ本数を増やすと、インタークーラが大型化し、更にはエンジン及びエンジンに装着される各種装置類のレイアウト変更が必要となることがある。そのため、コアのチューブ本数を増やす方法によりコアの圧損を低減する方法の採用は困難であるといえる。一方、流入側ヘッダは、形状変更により圧損を低減する余地があると思われる。
そこで、本発明の目的は、エンジン及びエンジンに装着される各種装置類のレイアウト変更を行うことなく、流入側ヘッダの圧損を効果的に低減することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、吸気流入口を有する流入側ヘッダと、吸気吐出口を有する吐出側ヘッダと、前記流入側ヘッダと前記吐出側ヘッダとの間に配設された熱交換用のコアとを備えるインタークーラにおいて、前記流入側ヘッダは、前記コアに接続され、前記コアの一端部に沿って延びる流入側コア接続部と、前記流入側コア接続部の後部に形成されて前記流入側コア接続部と連通すると共に、前記流入側コア接続部から筒状かつ背面側に延び、先端に前記吸気流入口が形成された入口パイプ部とを有し、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面側内壁面を前記流入側コア接続部の背面位置よりも前側に湾曲させ、R形状としたものである。
前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面が、前記流入側コア接続部の背面位置に対して前側に湾曲して凹曲面を形成し、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の前面を凸曲面状に湾曲させることで、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の前面側内壁面をR形状としたものであっても良い。
前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分のコア接続部長手方向内壁面をR形状としても良い。
前記入口パイプ部のコア接続部長手方向の径を当該コア接続部長手方向に直交する方向の径に対して大きく形成しても良い。
本発明によれば、エンジン及びエンジンに装着される各種装置類のレイアウト変更を行うことなく、流入側ヘッダの圧損を効果的に低減することができるという優れた効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るインタークーラの背面図である。 本発明の一実施形態に係るインタークーラの側面図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の一実施形態に係るインタークーラを装着した過給機付エンジンの構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、本実施形態に係るインタークーラが装着されるエンジンについて図4を用いて説明する。なお、図4中、矢印Iは吸気ガスの流れを示し、矢印Eは排気ガスの流れを示し、矢印Acは走行による空気流或いはクーリングファンの吸い込みによる空気流を示している。
図4に示すエンジン1は、例えばディーゼルエンジンであって、トラック等の車両に搭載されるものである。なお、エンジン1は、ディーゼルエンジンには限定はされず、ガソリンエンジン等であっても良い。
図4に示すように、エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2の吸気ポートに接続された吸気マニホールド3と、吸気マニホールド3に接続された吸気管4と、吸気管4に配設されエンジン本体2に供給する吸気ガスを過給する過給機5のコンプレッサ5cと、コンプレッサ5cよりも吸気後流側の吸気管4に配設され吸気ガスを冷却する空冷式のインタークーラ10と、エンジン本体2の排気ポートに接続された排気マニホールド6と、排気マニホールド6に接続された排気管7と、排気管7に配設されコンプレッサ5cを駆動する過給機5のタービン5tと、エンジン本体2内を循環するエンジン冷却水を冷却する空冷式のラジエータ8と、エンジン本体2により回転駆動されるクーリングファン(冷却ファン)9とを備える。
図4に示すエンジン1では、エンジン本体2の前方から後方に向かって順に、インタークーラ10、ラジエータ8、クーリングファン9(エンジン本体2)が一直線上に配設されている。そのため、図4に示すエンジン1においては、走行による空気流或いはクーリングファン9の吸い込みによる空気流Acは、インタークーラ10を通過し、さらにラジエータ8を通過してクーリングファン9に流れるようになっている。
次に、本実施形態に係るインタークーラ10について図1から図3を用いて説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態に係るインタークーラ10は、吸気流入口11を有する流入側ヘッダ12と、吸気吐出口13を有する吐出側ヘッダ14と、流入側ヘッダ12と吐出側ヘッダ14との間に配設された熱交換用のコア15とを備えている。コア15は、背面視で略矩形状に形成されている。
流入側ヘッダ12は、コア15に接続され、コア15の一端部(図1中の右側)に沿って延びる流入側コア接続部16と、流入側コア接続部16の後部に連通され、先端に吸気流入口11が形成された円筒状の入口パイプ部17とから構成されている。本実施形態では、入口パイプ部17は、流入側コア接続部16の上部に結合されている。
本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面(図2中の左側)を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aを内側に凸のR形状としている(図3参照)。つまり、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分は、流入側コア接続部16の背面位置よりも前側に湾曲している。即ち、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16の背面に凹部16aを形成すると共に、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分内に内側に突出する凸部16bを形成している。凹部16aは、流入側コア接続部16の背面位置から前側に凹となっている。
本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aの曲率半径Rを10mmから80mmの範囲で入口パイプ部17の長手方向に対して徐々に変化させている。なお、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aの曲率半径Rを入口パイプ部17の長手方向に対して一定値としても良い。
また、本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面(図2中の右側)を凸曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面側内壁面18bを外側に凸のR形状としている(図3参照)。前面側内壁面18bは、流入側コア接続部16の前面位置で流入側コア接続部16に連通されている。つまり、入口パイプ部17は、流入側コア接続部16の前面位置よりも前側に突出されていない。
流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面側内壁面18bの曲率半径は、入口パイプ部17の長手方向に対して徐々に変化させても良く、入口パイプ部17の長手方向に対して一定値としても良い。
さらに、本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分のコア接続部長手方向内壁面(上下方向内壁面)19a、19bを内側に凸のR形状としている(図2参照)。
流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分のコア接続部長手方向内壁面19a、19bの曲率半径は、入口パイプ部17の長手方向に対して徐々に変化させても良く、入口パイプ部17の長手方向に対して一定値としても良い。
なお、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで入口パイプ部17内の流量が減少する場合には、入口パイプ部17の上下方向の径を左右方向の径に対して大きくすることで入口パイプ部17内の流量を確保するようにしても良い。
流入側ヘッダ12(流入側コア接続部16、入口パイプ部17)は、例えばアルミニウムからなる。本実施形態では、流入側コア接続部16及び入口パイプ部17は、アルミニウムの鋳造により一体形成されている。
吐出側ヘッダ14は、コア15に接続され、コア15の他端部(図1中の左側)に沿って延びる吐出側コア接続部20と、吐出側コア接続部20の後部に連通され、先端に吸気吐出口13が形成された円筒状の出口パイプ部21とから構成されている。本実施形態では、出口パイプ部21は、吐出側コア接続部20の上部に結合されている。
吐出側ヘッダ14(吐出側コア接続部20、出口パイプ部21)は、例えばアルミニウムからなる。本実施形態では、吐出側コア接続部20及び出口パイプ部21は、アルミニウムの鋳造により一体形成されている。
コア15は、一対のエンドプレート22と、一対のエンドプレート22間に架け渡された複数のチューブ23と、隣接するチューブ23間に各々設けられた複数の外気流通路24とから構成されている。
チューブ23は、流入側ヘッダ12から吐出側ヘッダ14へと吸気ガスを流すためのものであって、扁平中空状のパイプからなる。外気流通路24は、チューブ23を流れる吸気ガスを冷却するための空気が流れる流路であり、インタークーラ10の前面と背面とを貫通するように形成されている。また、外気流通路24には、冷却効率を高めるためにフィン(コルゲートフィン)25が配設されている。なお、図1では、フィン25の一部のみを図示している。
コア15(エンドプレート22、チューブ23、フィン25)は、例えばアルミニウムからなる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aをR形状としている。このように、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aをR形状とすることにより、図3中に矢印X1で示すように吸気ガスの主流を積極的に流入側コア接続部16の背面側に導き(曲げ)、吸気ガスの主流の流入側コア接続部16の前面への衝突を出来る限り避けることができる。従って、流入側ヘッダ12内におけるエネルギー損失を少なくすることができ、流入側ヘッダ12の圧損を低減することが可能となる。
特に本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面側内壁面18aをR形状としているので、インタークーラ10が大型化し、更にはエンジン1及びエンジン1に装着される各種装置類(特にラジエータ8)のレイアウト変更が必要となることはない。即ち、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に形成するのであれば、流入側コア接続部16の前後方向幅を変更する必要はなく、インタークーラ10の大型化を招くことはない。
また、本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面を凸曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面側内壁面18bをR形状としている。このように流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の前面側内壁面18bをR形状とすることにより、図3中に矢印X2で示すように吸気ガスが前面側内壁面18bに沿って流れるようになる。吸気ガスの主流の流入側コア接続部16の前面への衝突を和らげることで、流入側ヘッダ12内におけるエネルギー損失を少なくすることができる。
さらに、本実施形態では、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分のコア接続部長手方向内壁面(上下方向内壁面)19a、19bをR形状としている。このように流入側コア接続部16と入口パイプ部17との連通部分のコア接続部長手方向内壁面19a、19bもR形状とすることにより、図2中に矢印Y1、Y2で示すように吸気ガスの主流を流入側コア接続部16の長手方向(上下方向)にも積極的に導く(曲げる)ことができ、吸気ガスの主流を全体的に均一に近づけることが可能になる。吸気ガスの主流が全体的に均一になることで、最大流速が下がり、流入側ヘッダ12内のエネルギー損失が低減する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
10 インタークーラ
11 吸気流入口
12 流入側ヘッダ
13 吸気吐出口
14 吐出側ヘッダ
15 コア
16 流入側コア接続部
17 入口パイプ部
18a 背面側内壁面
18b 前面側内壁面
19a、19b コア接続部長手方向内壁面(上下方向内壁面)

Claims (4)

  1. 吸気流入口を有する流入側ヘッダと、吸気吐出口を有する吐出側ヘッダと、前記流入側ヘッダと前記吐出側ヘッダとの間に配設された熱交換用のコアとを備えるインタークーラにおいて、
    前記流入側ヘッダは、前記コアに接続され、前記コアの一端部に沿って延びる流入側コア接続部と、前記流入側コア接続部の後部に形成されて前記流入側コア接続部と連通すると共に、前記流入側コア接続部から筒状かつ背面側に延び、先端に前記吸気流入口が形成された入口パイプ部とを有し、
    前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面側内壁面を前記流入側コア接続部の背面位置よりも前側に湾曲させ、R形状としたことを特徴とするインタークーラ。
  2. 前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面が、前記流入側コア接続部の背面位置に対して前側に湾曲して凹曲面を形成し
    前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の前面を凸曲面状に湾曲させることで、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の前面側内壁面をR形状とした請求項1に記載のインタークーラ。
  3. 前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分の背面を凹曲面状に湾曲させることで、前記流入側コア接続部と前記入口パイプ部との連通部分のコア接続部長手方向内壁面をR形状とした請求項1又は2に記載のインタークーラ。
  4. 前記入口パイプ部のコア接続部長手方向の径を当該コア接続部長手方向に直交する方向の径に対して大きく形成した請求項1から3のいずれかに記載のインタークーラ。
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