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JP5865694B2 - 模擬臓器設置台及び手術訓練用装置 - Google Patents

模擬臓器設置台及び手術訓練用装置 Download PDF

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JP5865694B2
JP5865694B2 JP2011276028A JP2011276028A JP5865694B2 JP 5865694 B2 JP5865694 B2 JP 5865694B2 JP 2011276028 A JP2011276028 A JP 2011276028A JP 2011276028 A JP2011276028 A JP 2011276028A JP 5865694 B2 JP5865694 B2 JP 5865694B2
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Description

本発明は、手術の際の内蔵、特に胃及び腸の切断や縫合の訓練に用いられる模擬臓器の設置台及びそれを用いた手術訓練用装置に関する。
従来、血管や胃あるいは腸などの手術の教育・訓練のために、それらの模擬臓器を固定して、メスで切断できたり、切断部分を縫合糸で縫合できたりするようになっている手術訓練用臓器モデル装置があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−316343号公報
胃や腸などを切除する手術では、単に胃や腸を切断したり、切断箇所の縫合を行ったりするだけでなく、胃や腸を切除した後に、その間隙をなくすために、切断した部分の一方を他の切断部分まで引っ張って、接合した状態で縫合する必要がある。
ところが、上記手術訓練用臓器モデルでは、血管などの切断や縫合の訓練はできるものの、単に、模擬臓器(模擬の血管、胃、腸など)を直線的に固定しているだけであるため、実際の胃や腸などの切断箇所を、実際の状態に近い状態で、引っ張って縫合するという重要な施術の訓練ができないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、模擬胃部及び模擬腸部の切断と縫合の模擬手術の訓練をより効果的に行うことができる模擬臓器固定台及び手術訓練用装置を提供することを目的とする。
この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。
上記「発明が解決しようとする課題」において述べた問題を解決するためになされた発明は、基部(100)、第1固定部(112)、第2固定部(114)及び第3固定部(116)を備えたことを特徴とする模擬臓器固定台(10)である。
基部(100)は、底部(102)とその底部(102)に対し略垂直に設置された第1側面部(104)及びその第1側面部(104)に対向して設置された第2側面部(106)からなる。
第1固定部(112)は、底部(102)に設置され、樹脂材料又はシリコーン材料を三次元中空形状の胃の形に模して形成した模擬胃部(20)の十二指腸側の端部を底部(102)から上向きに固定するものであり、第2固定部(114)は、第1側面部(104)に設置され、模擬胃部(20)の食道側の端部を、底部(102)に対して略並行に固定するものである。
第3固定部(116)は、第2側面部(106)に、第2固定部(114)に対向する位置よりも第1固定部(112)側に配置され、樹脂材料又はシリコーン材料を三次元中空形状の腸の形に模して形成した模擬腸部(30)の一端を、底部(102)に対して略並行に固定するものである。
このような、模擬臓器固定台(10)によれば、樹脂材料又はシリコーン材料によって三次元中空形状に形成された模擬胃部(20)及び模擬腸部(30)の切断と縫合の模擬手術の訓練をより効果的に行うことができる。以下、その理由を説明する。
胃の一部を切除する手術として、胃の食道近傍と十二指腸近傍の2箇所で胃を切断して、その切断部分を除去する手術がある。この場合、十二指腸近傍の切断部分を食道側の切断部分まで引き延ばして、両切断部分を接合させて縫合することが必要になる。
このとき、模擬胃部(20)を樹脂材料又はシリコーン材料で形成していると、実際の胃とは異なり、十分な伸縮率を有していないため、十二指腸近傍の切断部分を食道側の切断部分まで引き延ばすことができない場合がある。
そこで、請求項1に記載の発明のように、樹脂材料又はシリコーン材料によって三次元中空形状に形成された模擬胃部(20)の十二指腸側の端部を、底部(102)に設置された第1固定部(112)に固定し、他端である食道側の端部を第2側面部(104)に配置された第2固定部(114)に、底部(102)に対して略並行に固定する。
すると、模擬胃部(20)は、食道側から十二指腸側に対する軸に対し、約90°捻られた状態で固定されるため、実際の胃に近い状態で固定されることとなる。
さらに、第3固定部(116)には、模擬腸部(30)の一端が、底部(102)に対して略並行に固定されており、第3固定部(116)は、第2固定部(114)に対向する位置よりも第1固定部(112)側に配置されている。つまり、模擬腸部(30)の固定端は、切断された食道側の胃部よりも十二指腸側に位置することとなる。
したがって、第3固定部(116)に固定されている模擬腸部(30)の長さを十分に確保していれば、模擬胃部(20)を切断した場合、樹脂材料又はシリコーン材料の伸縮率が十分ではなくとも、切断した模擬胃部(20)の十二指腸側を引き延ばす代わりに、腸部を引き延ばすことにより、切断した胃部の縫合の訓練ができるようになる。
また、請求項2に記載のように、基部(100)に、底部(102)より高い位置に平板状に形成され、少なくとも表面が弾性体である模擬内膜部(118)を備えるようにし、第1側面部(104)及び第2側面部(106)を、模擬内膜部(118)の側面に設置するようにするとよい。
このようにすると、底部(102)に設置されている第1固定部(112)に対し、第1側面部(104)に設置されている第2固定部(114)が高い位置に配置されることになる。
すると、第1固定部(112)と第2固定部(114)との間に固定されている模擬胃部(20)を、ステイプラなどの手術器具を使用して切断するような手術訓練の場合、ステイプラを押し下げ過ぎると(腹腔中で奥まで挿入し過ぎると)、手術用具の先端が弾性体に接触する。したがって、実際の腹腔内膜に接触した場合に訓練者に与える感覚を模擬することができる。
ところで、模擬胃部(20)や模擬腸部(30)を第1〜第3固定部(112,114,116)に固定する方法には種々の方法があるが、請求項3に記載のように、第1固定部(112)を、模擬胃部(20)の中空形状に形成されている十二指腸側の端部の内部に挿入することにより模擬胃部(20)を固定し、第2固定部(114)を、模擬胃部(20)の中空形状に形成されている食道側の端部の内部に挿入することにより模擬胃部(20)を固定し、第3固定部(116)を、模擬腸部(30)の中空形状に形成されている一端の内部に挿入することにより模擬腸部(30)を固定するようにするとよい。
このようにすると、中空三次元形状に形成された樹脂製の模擬胃部(20)や模擬腸部(30)を、樹脂材料又はシリコーン材料の伸縮性を利用して簡単に固定することができるとともに、本来中空形状である胃や腸の模擬度を保ったまま基部(100)に固定することができる。
ところで、実際の胃は、腹腔の内膜に癒着している場合が多く、胃を切除する場合などには、単に胃を切断するだけでなく、切断した箇所を手術用具で引っ張り上げて、内膜から引きはがすことが必要となる。
そこで、請求項4に記載のように、第2固定部(114)は、模擬胃部(20)の食道側の端部の内部に挿入される部分のうち、少なくとも底面部分が、所定の長さ分、模擬胃部(20)の内面形状と略同形状になるように形成するとよい。
このようにすると、模擬胃部(20)を十二指腸側で切断した後、手術用具で模擬胃部(20)を十二指腸側から食道側へ引っ張り上げる際に、模擬胃部(20)が食道側で内側から押さえられるようになるので、実際の手術の際、胃が腹腔の内膜に癒着している状態を模擬することができるようになり、手術の模擬度を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の模擬臓器固定台(10)と、樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて三次元中空形状の胃の形に模して形成され、さらに、模擬臓器固定台(10)の第1固定部(112)に十二指腸側の端部が固定され、第2固定部(114)に食道側の端部が固定されるように形成された模擬胃部(20)と、樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて三次元中空形状の腸の形に模して形成され、模擬臓器固定台(10)の第3固定部(116)に一端が固定されるように形成された模擬腸部(30)と、を備えたことを特徴とする手術訓練用装置(1)である。
このような、手術訓練用装置(1)では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の模擬臓器固定台(10)の特徴を有する。
また、模擬胃部(20)及び模擬腸部(30)を形成する樹脂材料として、他の樹脂材料に比べ、柔軟で非常に伸縮性のよいスチレン系熱可塑性エラストマーを用いているので、模擬胃部(20)や模擬腸部(30)の模擬度を高めることができる。
さらに、第1〜第3固定部(112,114,116)の先端を固定部模擬胃部(20)や模擬腸部(30)に挿入する場合には、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂の伸縮性を利用して模擬胃部(20)や模擬腸部(30)の端部を第から第3固定部(116)に、容易に固定することができる。
さらに、請求項6に記載のように、模擬胃部(20)は、第1固定部(112)に固定される十二指腸側の端部及び第2固定部(114)に固定される食道側の端部からそれぞれ所定の位置に、切断箇所を示すマーキング(22,24)がなされているとよい。
このようにすると、手術訓練の際、胃の切断箇所が分かりやすくなるので、手術の訓練効率や訓練効果を向上させることができる。
手術訓練用装置の概略の形状を示す外観図である。 模擬臓器固定台の概略の形状を示す外観図である。 模擬胃部の概略の形状を示す外観図である。 第2実施形態における食道側固定部の概略の形状を示す外観図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された手術訓練用装置1の概略の形状を示す外観図であり、図2は、模擬臓器固定台10の概略の形状を示す外観図(図2(a)は、平面図、図2(b)(c)は側面図)である。また、図3は、模擬胃部20の概略の形状を示す外観図である。
(手術訓練用装置1の構成)
手術訓練用装置1は、図1に示すように、模擬臓器固定台10、模擬胃部20及び模擬腸部30を備えている。
(模擬臓器固定台10の構成)
模擬臓器固定台10は、図2に示すように、基部100、十二指腸側固定部112、食道側固定部114及び十二指腸固定部116を備えている。
基部100は、プラスチックなどの樹脂材で形成されており、図2に斜線で示す、長方形の板状の模擬内膜部118と、模擬内膜部118の長方形の一角(図2(a)中左下角)から約30[mm]下がった位置に、模擬内膜部118と平行な面を有する底部102と、が形成されている。
また、模擬内膜部118の、長辺の側面部分で、かつ、底部102の位置に対して対角位置に近い位置に、底部102と略垂直な面を有する第1側面部104が、模擬内膜部118の側面部分から突出する形で、ネジなどで着脱可能に取り付けられている。
さらに、模擬内膜部118において、第1側面部104に対向する側面位置に第2側面部106が取り付けられている。第2側面部106も、第1側面部104と同様に、底部102と略垂直な面を有しており、模擬内膜部118の側面部分から突出する形で、ネジなどで着脱可能に取り付けられている。
また、模擬内膜部118の表面には、スポンジやゴムあるいはシリコーン製の板材などの弾性体が接着してあり、ステイプラなどの手術器具を使用して手術訓練を行う場合に、手術用具の先端が実際の内膜に接触した場合に訓練者に与える感覚を模擬するようになっている。
十二指腸側固定部112は、プラスチックなどの樹脂材を円筒状に形成し、その一端を底部102に固定して形成してある。
そして、円筒状(円柱状でもよい)に形成された部分に、三次元中空形状に形成された模擬胃部20(詳細は後述する)の一端を被せるようにして(換言すれば、十二指腸側固定部112を三次元中空形状の形成されている模擬胃部20の端部の内側に挿入するようにして)、模擬胃部20が上向きになるように固定する。
なお、被せた模擬胃部20の端部の外側をクランプやバンドで固定するようにしてもよい。
食道側固定部114は、プラスチックなどの樹脂材を円筒状に形成し、その一端を第1側面部104に固定して形成してある。
そして、円筒状(円柱状でもよい)に形成された部分に、三次元中空形状に形成された模擬胃部20の一端(十二指腸側固定部112に固定した端と反対端)を被せるようにして(換言すれば、食道側固定部114を三次元中空形状の形成されている模擬胃部20の端部の内側に挿入するようにして)、模擬胃部20が底部102に対して略並行に固定する。
十二指腸固定部116は、プラスチックなどの樹脂材を円筒状に形成し、その一端を第2側面部106に固定して形成してあり、図2(a)に示すように、第2側面部106に、食道側固定部114に対向する位置よりも距離Aだけ十二指腸側固定部112側にずらして配置され、模擬腸部30の一端を、底部102に対して略並行に固定する。
なお、食道側固定部114と十二指腸固定部116の模擬内膜118面からの高さは、ほぼ同じとなっている。
(模擬胃部20の構成)
模擬胃部20は、樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて、図3に示すように、実際の人間の胃の形状を模擬するように、三次元中空形状に形成されている。
また、模擬胃部20は、図3に示すように、十二指腸側固定部112に固定される十二指腸側の端部及び食道側固定部114に固定される食道側の端部からそれぞれ所定の位置に、切断箇所を示すマーキング22,24として、突起状の筋が形成されている。
このマーキング22,24は、特に突起状である必要はなく、切断箇所が手術の訓練を行う者に分かればよいので、溝状の筋でもよく、模擬胃部20の他の部分と異なる色としたものであってもよい。
また、このマーキングは、切断箇所が分かればよいので、模擬胃部20の全周に施されていなくても(例えば、模擬臓器固定台10に装着時に訓練者から見える片面のみに施されていれば)よい。
(模擬腸部30の構成)
模擬腸部30は、模擬胃部20と同様、樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて、実際の腸を模擬するように、筒状の三次元中空形状に形成された模擬腸管であり、模擬臓器固定台10の十二指腸固定部116に一端が固定されるように形成されている。
模擬腸部30の他端側は、どこにも固定されておらず、開放状態となっており、模擬胃部20を切断した後、模擬腸部30の他端側を手術用具で引っ張って、切断した模擬胃部20の食道側切断面まで延ばし、縫合することにより、胃の切除手術の訓練を行うことができるようになっている。
(手術訓練用装置1の使用方法と効果)
以上のような、手術訓練用装置1によれば、樹脂材料によって三次元中空形状に形成された模擬胃部20と模擬腸部30の切断と縫合の模擬手術の訓練をより効果的に行うことができる。
つまり、胃の一部を切除する手術として、胃の食道近傍と十二指腸近傍の2箇所で胃を切断して、その切断部分を除去するような手術の場合、十二指腸近傍の切断部分を食道側の切断部分まで引き延ばして、両切断部分を接合させて縫合することが必要になる。
このとき、模擬胃部20を樹脂材料又はシリコーン材料で形成していると、実際の胃とは異なり、十分な伸縮率を有していないため、十二指腸近傍の切断部分を食道側の切断部分まで引き延ばすことができないが、手術訓練用装置1では、模擬胃部20は、食道側から十二指腸側に対する軸に対し、約90°捻られた状態で固定されるため、実際の胃に近い状態で固定されている。
さらに、十二指腸固定部116には、模擬腸部30の一端が、底部102に対して略並行に固定されており、十二指腸固定部116は、食道側固定部114に対向する位置よりも十二指腸側固定部112側に配置されているため、模擬腸部30の固定端は、切断された食道側の胃部よりも十二指腸側に位置することとなる。
したがって、十二指腸固定部116に固定されている模擬腸部30の長さを十分に確保していれば、模擬胃部20を切断した場合、樹脂材料又はシリコーン材料の伸縮率が十分ではなくとも、切断した模擬胃部20の十二指腸側を引き延ばす代わりに、腸部を引き延ばすことにより、切断した胃部の縫合の訓練ができるようになる。
また、十二指腸側固定部112は、模擬胃部20の中空形状に形成されている十二指腸側の端部の内部に挿入されることにより模擬胃部20を固定し、食道側固定部114は、模擬胃部20の中空形状に形成されている食道側の端部の内部に挿入されることにより模擬胃部20を固定し、十二指腸固定部116は、模擬腸部30の中空形状に形成されている一端の内部に挿入されることにより模擬腸部30を固定している。
したがって、中空三次元形状に形成された樹脂製の模擬胃部20や模擬腸部30を、樹脂材料又はシリコーン材料の伸縮性を利用して簡単に固定することができるとともに、本来中空形状である胃や腸の模擬度を保ったまま基部100に固定することができる。
さらに、本第1実施形態では、模擬胃部20及び模擬腸部30を形成する樹脂材料として、他の樹脂材料に比べ、柔軟で非常に伸縮性のよいスチレン系熱可塑性エラストマーを用いているので、模擬胃部20や模擬腸部30の模擬度を高めることができる。
また、十二指腸側固定部112、食道側固定部114及び十二指腸固定部116の先端を模擬胃部20や模擬腸部30に挿入する際、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂の伸縮性を利用して模擬胃部20や模擬腸部30の端部を第から十二指腸固定部116に、容易に固定することができる。
さらに、模擬胃部20は、十二指腸側固定部112に固定される十二指腸側の端部及び食道側固定部114に固定される食道側の端部からそれぞれ所定の位置に、切断箇所を示すマーキング22,24がなされている。
したがって、手術訓練の際、胃の切断箇所が分かりやすくなるので、手術の訓練効率や訓練効果を向上させることができる。
また、第1側面部104及び第2側面部106が模擬内膜部118に着脱可能に取り付けられている。したがって、収納の際には、それらを取り外すことができるので、収納しやすいものとなっている。
[第2実施形態]
次に、図4に基づき、食道側固定部114の形状を第1実施形態における形状と異なるものとした第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態における食道側固定部114の概略の形状を示す外観図である。
第2実施形態における食道側固定部114は、模擬胃部20の食道側の端部の内部に挿入される部分のうち少なくとも底面部分が、所定の長さ分、模擬胃部20の内面形状と略同形状になるように形成されている。
具体的には、図4に示すように、第1側面部104との結合部分が細く、先端(模擬胃部20の食道側の端部の内部)に行くに従って太くなるように形成されており、所定の長さの部分で切り取られたように形成されている。
このようにすると、模擬胃部20を十二指腸側で切断した後、手術用具で模擬胃部20を十二指腸側から食道側へ引っ張り上げる際に、模擬胃部20が食道側で内側から押さえられるようになるので、実際の手術の際、胃が腹腔の内膜に癒着している状態を模擬することができるようになり、手術の模擬度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
(1)上記実施形態では、基部100、十二指腸側固定部112、食道側固定部114をプラスチックなどの樹脂材で形成していたが、アルミや鉄あるいはチタンなどの金属材で形成してもよい。
(2)上記実施形態では、第1側面部104及び第2側面部106を模擬内膜部118から外側に突出させていたが、模擬内膜部118の面積を広くし、第1側面部104及び第2側面部106を模擬内膜部118から突出させないで、模擬内膜部118の側面の一部をそのまま上方に延長させるようにしてもよい。
(3)底部102、第1側面部104、第2側面部106、十二指腸側固定部112、食道側固定部114、十二指腸固定部116及び模擬内膜部118は、一体成形されていてもよい。
(4)上記実施形態では、十二指腸固定部116の設置位置を、食道側固定部114の設置位置に対向する位置よりも底部102側にずらしていたが、第2側面部106の設置位置を第1側面部104の設置位置に対向する位置よりも底部102側にずらすようにしてもよい。
(5)また、模擬臓器固定台10の裏面の数箇所にゴムのストッパを装着してもよい。このようにすると、手術訓練用装置1を使用して手術訓練を行う際、手術訓練用装置1が載置されている作業台や手術台などからすべることがなくなる。なお、模擬臓器固定台10の裏面にゴムシートを接着するなどして装着してもよい。
(6)上記実施形態では、模擬内膜部118の表面に弾性体を接着していたが、模擬内膜部118全体を弾性体で形成してもよい。
(7)手術訓練用装置1全体を透明な樹脂製のカバー内部に入れ、そのカバーにトロッカなどの手術用具の挿入穴を設けて、手術訓練を行うようにしてもよい。
1… 手術訓練用装置、10… 模擬臓器固定台、20… 模擬胃部、30… 模擬腸部、100… 基部、102… 底部、104… 第1側面部、106… 第2側面部、112… 十二指腸側固定部、114… 食道側固定部、116… 十二指腸固定部、118… 模擬内膜部。

Claims (6)

  1. 底部、該底部に対し略垂直に設置された第1側面部及び該第1側面部に対向して設置された第2側面部からなる基部と、
    前記底部に設置され、樹脂材料又はシリコーン材料を三次元中空形状の胃の形に模して形成した模擬胃部の十二指腸側の端部を底部から上向きに固定する第1固定部と、
    前記第1側面部に設置され、前記模擬胃部の食道側の端部を、前記底部に対して略並行に固定する第2固定部と、
    前記第2側面部に、前記第2固定部に対向する位置よりも前記第1固定部側に配置され、樹脂材料又はシリコーン材料を三次元中空形状の腸の形に模して形成した模擬腸部の一端を、底部に対して略並行に固定する第3固定部と、
    を備えたことを特徴とする模擬臓器固定台。
  2. 請求項1に記載の模擬臓器固定台において、
    前記基部は、
    前記底部より高い位置に平板状に形成され、少なくとも表面が弾性体である模擬内膜部を備え、
    前記第1側面部及び前記第2側面部は、
    前記模擬内膜部の側面に設置されていることを特徴とする模擬臓器固定台。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の模擬臓器固定台において、
    前記第1固定部は、
    前記模擬胃部の中空形状に形成されている十二指腸側の端部の内部に挿入されることにより前記模擬胃部を固定し、
    前記第2固定部は、
    前記模擬胃部の中空形状に形成されている食道側の端部の内部に挿入されることにより前記模擬胃部を固定し、
    前記第3固定部は、
    前記模擬腸部の中空形状に形成されている一端の内部に挿入されることにより前記模擬腸部を固定することを特徴とする模擬臓器固定台。
  4. 請求項3に記載の模擬臓器固定台において、
    前記第2固定部は、
    前記模擬胃部の食道側の端部の内部に挿入される部分のうち、少なくとも底面部分が、所定の長さ分、前記模擬胃部の内面形状と略同形状になるように形成されていることを特徴とする模擬臓器固定台。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の模擬臓器固定台と、
    樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて三次元中空形状の胃の形に模して形成され、さらに、前記模擬臓器固定台の前記第1固定部に十二指腸側の端部が固定され、前記第2固定部に食道側の端部が固定されるように形成された模擬胃部と、
    樹脂材料として、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を用いて三次元中空形状の腸の形に模して形成され、前記模擬臓器固定台の前記第3固定部に一端が固定されるように形成された模擬腸部と、
    を備えたことを特徴とする手術訓練用装置。
  6. 請求項5に記載の手術訓練用装置において、
    前記模擬胃部は、
    前記第1固定部に固定される十二指腸側の端部及び前記第2固定部に固定される食道側の端部からそれぞれ所定の位置に、切断箇所を示すマーキングがなされていることを特徴とする手術訓練用装置。
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