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JP5863617B2 - 船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法 - Google Patents

船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、水中に吹き出した空気で船体表面を覆って船舶の摩擦抵抗を低減する船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法に関する。
図1は、特許文献1に開示された摩擦抵抗低減型船舶を開示している。摩擦抵抗低減型船舶は、船体910と、船体910の船首船側911に設けられた空気吹き出しチャンバ921とを具備する。空気吹き出しチャンバ921は、船外水中に空気を吹き出す複数の空気吹き出し孔931を備える。複数の空気吹き出し孔931は、水深が深いところほど空気吹き出しチャンバ921の水深方向Z単位幅当たりの開口面積が大きくなるように設けられる。したがって、空気吹き出しチャンバ921から水深方向Zに均一に空気を吹き出すことができる。
特開2011−110978号公報
本発明の目的は、傾斜した船底から空気を均一に吹き出すことが可能な船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法を提供することである。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による船舶の摩擦抵抗低減装置(20)は、空気吹き出しチャンバ(30A〜30J)と、前記空気吹き出しチャンバの内部空間に空気を供給する空気供給管(22)とを具備する。前記空気吹き出しチャンバは、前記内部空間を複数の部分空間(31〜35)に仕切る複数の仕切り板(110、120、130、140)を備える。前記複数の部分空間から船外水中に空気をそれぞれ吹き出す複数の空気吹き出し孔(41〜45)が前記空気吹き出しチャンバに形成される。前記複数の部分空間が直列に接続されて空気流路を形成するように前記複数の仕切り板にそれぞれ複数の開口部(111、121、131、141)が形成される。前記複数の部分空間は、前記空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置される。前記複数の開口部は、前記空気流路の下流ほど開口面積が小さい。
前記空気吹き出しチャンバ(30B、30E、30H)は、前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板(40)と、蓋板(50)と、一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分(60)とを備える。前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板(63)及び第2側板(64)を備える。前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記複数の開口部は、前記空気吹き出し板の近くと前記蓋板の近くとに交互に配置され、又は、前記第1側板の近くと前記第2側板の近くとに交互に配置される。
前記空気吹き出しチャンバ(30C、30D、30G)は、前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板(40)と、蓋板(50)と、一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分(60)と、複数の差込用ガイド(71〜74)とを備える。前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板(63)及び第2側板(64)を備える。前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられる。前記複数の仕切り板は、前記蓋板に取り付けられる。前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられる。前記蓋板が前記他端に取り付けられるとき、前記複数の仕切り板は前記複数の差込用ガイドに差し込まれる。
前記空気吹き出しチャンバ(30E、30I)は、前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板(40)と、蓋板(50)と、一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分(60)と、前記複数の仕切り板がそれぞれ差し込まれる複数の差込用ガイド(71〜74)とを備える。前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板(63)及び第2側板(64)を備える。前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられる。前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられる。前記複数の仕切り板のそれぞれの周囲に耐水性のシーリング部材(201〜204、211、221〜224)が設けられる。
前記複数の開口部は、前記複数の仕切り板と前記空気吹き出しチャンバ(30F、30G、30H、30I、30J)の内壁との間に形成される複数の隙間である。
前記空気吹き出しチャンバ(30H)は、前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板(40)と、蓋板(50)と、一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分(60)と、前記複数の仕切り板がそれぞれ差し込まれる複数の差込用ガイド(71〜74)とを備える。前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板(63)及び第2側板(64)を備える。前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置される。前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられる。前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられる。前記複数の開口部は、前記複数の仕切り板と前記空気吹き出しチャンバの内壁との間に形成される複数の隙間である。前記複数の仕切り板の各々は、第1脚部(113)と、第2脚部(113)と、前記第1脚部及び前記第2脚部の間に配置された切り欠き部とを備える。前記切り欠き部は前記隙間を形成する。
前記空気吹き出しチャンバ(30J)は、前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板(40)と、蓋板(50)と、一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分(60)と、前記複数の仕切り板がそれぞれ取り付けられる複数の取り付け部(81〜84)とを備える。前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板(63)及び第2側板(64)を備える。前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字を形成するように配置される。前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字を形成するように配置される。前記複数の取り付け部の各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられる。前記複数の仕切り板は、それぞれ、耐水性のシーリング部材(231〜234)を間に挟んで前記複数の取り付け部にボルト止めされる。前記複数の取り付け部にボルト止めされた前記複数の仕切り板と前記蓋板との間に前記複数の開口部としての複数の隙間が形成される。
本発明による摩擦抵抗低減型船舶は、上記摩擦抵抗低減装置を備える。
本発明による船舶の摩擦抵抗低減方法は、空気吹き出しチャンバ(30A〜30J)の内部空間に空気を供給するステップと、前記内部空間が複数の仕切り板(110、120、130、140)によって仕切られた複数の部分空間(31〜35)が直列に接続されて形成する空気流路に空気を流すステップと、前記複数の部分空間からそれぞれ船外水中に空気を吹き出すステップとを具備する。前記空気流路に空気を流すステップにおいて、前記複数の仕切り板にそれぞれ形成された複数の開口部(111、121、131、141)を空気が通過する。前記複数の部分空間は、前記空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置される。前記複数の開口部は、前記空気流路の下流ほど開口面積が小さい。
本発明によれば、傾斜した船底から空気を均一に吹き出すことが可能な船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法が提供される。
図1は、従来の摩擦抵抗低減型船舶の船首部分の側面図である。 図2Aは、第1の実施形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の船首部分の側面図である。 図2Bは、第1の実施形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の船首部分の横断面図である。 図3Aは、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの縦断面図である。 図3Bは、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの横断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバが備える仕切り板の位置と仕切り板に形成された開口部の関係を示す概念図である。 図5Aは、仕切り板に形成された開口部の一例を示す。 図5Bは、仕切り板に形成された開口部の一例を示す。 図5Cは、仕切り板に形成された開口部の一例を示す。 図5Dは、仕切り板に形成された開口部の一例を示す。 図6は、第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの縦断面図である。 図7は、第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバが備える仕切り板の位置と仕切り板に形成された開口部の関係を示す概念図である。 図8は、第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバが備える仕切り板の位置と仕切り板に形成された開口部の関係を示す概念図である。 図9は、第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図10は、第3の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図11は、第4の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図12は、第4の実施形態に係る仕切り板の断面図である。 図13は、第4の実施形態の変形例に係る仕切り板を示す。 図14は、第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの縦断面図である。 図15Aは、第5の実施形態に係る仕切り板に形成された開口部の例を示す。 図15Bは、第5の実施形態に係る仕切り板に形成された開口部の例を示す。 図15Cは、第5の実施形態に係る仕切り板に形成された開口部の例を示す。 図15Dは、第5の実施形態に係る仕切り板に形成された開口部の例を示す。 図15Eは、第5の実施形態に係る仕切り板に形成された開口部の例を示す。 図16は、第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図17は、第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの縦断面図である。 図18は、第7の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図19は、第7の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの横断面図である。 図20は、第8の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図21は、第8の実施形態に係る空気吹き出しチャンバの横断面図である。 図22は、第8の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバの組立図である。 図23は、第8の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバの部分組立図である。 図24は、第8の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバの横断面図である。
添付図面を参照して、本発明による船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法を実施するための形態を以下に説明する。
(第1の実施形態)
図2Aを参照して、本発明の第1の実施形態に係る摩擦抵抗低減型船舶は、船体10と、摩擦抵抗低減装置20とを備える。摩擦抵抗低減装置20は、空気供給装置21と、空気供給管22と、空気吹き出しチャンバ30Aとを備える。空気供給装置21は、空気供給管22を介して空気吹き出しチャンバ30Aに接続される。空気供給装置21は、ブロア又はコンプレッサを備える。空気吹き出しチャンバ30Aは、船体10の船底11に設けられる。空気吹き出しチャンバ30Aに空気吹き出し孔41〜45が形成されている。摩擦抵抗低減型船舶が航行するとき、空気供給装置21は、加圧空気を生成し、空気供給管22を介して空気吹き出しチャンバ30Aにその空気を供給する。空気吹き出しチャンバ30Aは、空気吹き出し孔41〜45から船外水中にその空気を吹き出す。船底11が空気で覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
図2Bを参照して、空気吹き出しチャンバ30Aが船底11の傾斜部分に設けられている。
図3Aを参照して、空気吹き出しチャンバ30Aが船底11の傾斜部分に設けられる。そのため、空気吹き出し孔42は空気吹き出し孔41より水深の浅いところに配置され、空気吹き出し孔43は空気吹き出し孔42より水深の浅いところに配置され、空気吹き出し孔44は空気吹き出し孔43より水深の浅いところに配置され、空気吹き出し孔45は空気吹き出し孔44より水深の浅いところに配置される。したがって、空気吹き出し孔41〜45に喫水圧差が生じる。喫水圧差が生じた状況において、空気吹き出し孔41〜45から空気を均一に吹き出すことが求められる。空気吹き出し孔41〜45から空気を均一に吹き出すことで、船底11を均一に覆う気泡流が発生し、船体10の摩擦抵抗が効率的に低減される。
空気供給管22は、空気吹き出しチャンバ30Aの内部空間に空気を供給する。空気吹き出しチャンバ30Aは、空気吹き出しチャンバ30Aの内部空間を部分空間31〜35に仕切る仕切り板110、120、130、140を備える。部分空間31〜35が直列に接続されて空気流路を形成するように仕切り板110、120、130、140にそれぞれ開口部111、121、131、141が形成される。空気供給管22の空気供給口は、空気吹き出しチャンバ30Aの部分空間31〜35のうち、最も下方の(喫水が深い)部分空間31に接続される。空気供給管22の空気は、部分空間31に対して直接的に空気を供給する。他の部分空間32〜34には、以下のようにして間接的に空気が供給される。空気供給管22から部分空間31に供給された空気は、一部が空気吹き出し孔41から船外水中に吹き出し、残りが開口部111を通過して部分空間32に流入する。部分空間32に流入した空気は、一部が空気吹き出し孔42から船外水中に吹き出し、残りが開口部121を通過して部分空間33に流入する。部分空間33に流入した空気は、一部が空気吹き出し孔43から船外水中に吹き出し、残りが開口部131を通過して部分空間34に流入する。部分空間34に流入した空気は、一部が空気吹き出し孔44から船外水中に吹き出し、残りが開口部141を通過して部分空間35に流入する。部分空間35に流入した空気は、空気吹き出し孔45から船外水中に吹き出す。開口部111、121、131、141が形成された仕切り板110、120、130、140が空気流に対して圧損抵抗を提供する。
尚、図3Aは部分空間31〜35にそれぞれ対応して空気吹き出し孔41〜45が一つずつ設けられる場合を示しているが、部分空間31〜35にそれぞれ対応して空気吹き出し孔41〜45が複数ずつ設けられてもよい。
部分空間31〜35は、空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置される。すなわち、部分空間32は部分空間31より水深の浅いところに配置され、部分空間33は部分空間32より水深の浅い所に配置され、部分空間34は部分空間33より水深の浅いところに配置され、部分空間35は部分空間34より水深の浅いところに配置される。更に、開口部111、121、131、141は、空気流路の下流ほど開口面積が小さい。すなわち、開口部121は開口部111より開口面積が小さく、開口部131は開口部121より開口面積が小さく、開口部141は開口部131より開口面積が小さい。部分空間31〜35が空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置され、且つ、開口部111、121、131、141が空気流路の下流ほど開口面積が小さいため、空気吹き出し孔41〜45から空気が均一に吹き出される。
尚、開口部111、121、131、141の開口面積は、空気が開口部111、121、131、141を通過するときの圧力損失が空気吹き出し孔41〜45の喫水圧差とバランスするように設計される。
以下、空気吹き出しチャンバ30Aの構造を詳細に説明する。空気吹き出しチャンバ30Aは、空気吹き出し孔41〜45が形成された空気吹き出し板40と、空気供給管22が接続された蓋板50と、筒状部分60と、仕切り板110、120、130、140とを備える。空気吹き出し板40は、空気吹き出しチャンバ30Aの底面を形成し、船底11の一部を形成する。筒状部分60の一端が空気吹き出し板40で閉じられ、筒状部分60の他端が蓋板50で閉じられる。筒状部分60は、仕切り板110、120、130、140を間に挟んで互いに向かい合う端板61及び端板62を備える。端板61、部分空間31、仕切り板110、部分空間32、仕切り板120、部分空間33、仕切り板130、部分空間34、仕切り板140、部分空間35、及び端板62がこの順番で並んでいる。開口部111は、仕切り板110に形成された一つ又は複数の貫通孔である。開口部121は、仕切り板120に形成された一つ又は複数の貫通孔である。開口部131は、仕切り板130に形成された一つ又は複数の貫通孔である。開口部141は、仕切り板140に形成された一つ又は複数の貫通孔である。
図3Bを参照して、筒状部分60は、仕切り板110、120、130、140を間に挟んで互いに向かい合う側板63及び側板64を備える。側板63と仕切り板110、120、130、140の各々とはT字に配置される。側板64と仕切り板110、120、130、140の各々とはT字に配置される。
図4を参照して、開口部111、121、131、141の各々は、例えば、一つの円孔である。開口部121としての円孔は開口部111としての円孔よりサイズが小さく、開口部131としての円孔は開口部121としての円孔よりサイズが小さく、開口部141としての円孔は開口部131としての円孔よりサイズが小さい。
図5Aを参照して、開口部111は、一つのスリット孔であってもよい。この場合、開口部121、131、141の各々も一つのスリット孔である。開口部121としてのスリット孔は開口部111としてのスリット孔よりスリット長が短く、開口部131としてのスリット孔は開口部121としてのスリット孔よりスリット長が短く、開口部141としてのスリット孔は開口部131としてのスリット孔よりスリット長が短い。
図5Bを参照して、開口部111は、円孔群であってもよい。この場合、開口部121、131、141の各々も円孔群である。開口部121としての円孔群に含まれる円孔の数は開口部111としての円孔群に含まれる円孔の数より少なく、開口部131としての円孔群に含まれる円孔の数は開口部121としての円孔群に含まれる円孔の数より少なく、開口部141としての円孔群に含まれる円孔の数は開口部131としての円孔群に含まれる円孔の数より少ない。
図5Cを参照して、仕切り板110は多孔板であってもよい。開口部111は多孔である。この場合、仕切り板120、130、140の各々も多孔板であり、開口部121、131、141も多孔である。多孔板としての仕切り板120の開口部121は多孔板としての仕切り板110の開口部111より開口面積が小さく、多孔板としての仕切り板130の開口部131は多孔板としての仕切り板120の開口部121より開口面積が小さく、多孔板としての仕切り板140の開口部141は多孔板としての仕切り板140の開口部141より開口面積が小さい。
図5Dを参照して、開口部111は、一つの楕円孔であってもよい。この場合、開口部121、131、141の各々も一つの楕円孔である。開口部121としての楕円孔は開口部111としての楕円孔よりサイズが小さく、開口部131としての楕円孔は開口部121としての楕円孔よりサイズが小さく、開口部141としての楕円孔は開口部131としての楕円孔よりサイズが小さい。開口部111、121、131、141は、四角孔として形成されてもよい。
本実施形態によれば、船底11の傾斜部分から均一に空気を吹き出すことが可能である。本実施形態に係る摩擦抵抗低減装置20は、船底のフラットな部分が狭いやせ型船に好適である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bを説明する。第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bは、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Aと下記の点が異なっている。尚、第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bと第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Aとの共通点の説明は省略する。
図6を参照して、開口部111は空気吹き出し板40の近くに配置され、開口部121は蓋板50の近くに配置され、開口部131は空気吹き出し板40の近くに配置され、開口部141は蓋板50の近くに配置される。したがって、開口部111、121、131、141を通過する空気流が蛇行する。
図7を参照して、開口部111、121、131、141は、空気吹き出し板40の近くと蓋板50の近くとに交互に配置され、部分空間31〜35によって形成される空気流路の下流ほど開口面積が小さくなっている。
図8を参照して、開口部111、121、131、141は、側板63の近くと側板64の近くとに交互に配置され、部分空間31〜35によって形成される空気流路の下流ほど開口面積が小さくなっていてもよい。
本実施形態によれば、開口部111、121、131、141を通過する空気流が蛇行することにより、その空気流の慣性作用が抑制される。そのため、開口部111、121、131、141が形成された仕切り板110、120、130、140が提供する圧損抵抗が効果的に働いて、空気吹き出し孔41〜45からの均一な空気吹き出しがより安定する。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Cを説明する。第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Cは、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30A又は第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bと下記の点が異なっている。尚、第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bと第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30A又は第2の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Bとの共通点の説明は省略する。
図9を参照して、筒状部分60は、筒状部分60の他端に配置されたフランジ65を備える。フランジ65にボルト孔65aが形成され、蓋板50にボルト孔50aが形成される。ボルト孔50aは、ボルト孔65aに対応して設けられる。空気吹き出しチャンバ30Cは、差込用ガイド71〜74を備える。差込用ガイド71〜74の各々は、側板63及び側板64の内側面に沿って設けられる。仕切り板110、120、130、140は、例えば溶接により蓋板50に取り付けられている。蓋板50は、図示されないボルトにより、筒状部分60の他端に設けられたフランジ65に脱着可能に取り付けられる。蓋板50をフランジ65に取り付けるとき、仕切り板110、120、130、140は、差込用ガイド71〜74にそれぞれ差し込まれる。
本実施形態によれば、蓋板50が脱着可能にフランジ65に取り付けられるため、空気吹き出しチャンバ30Cの内側のメンテナンスが容易である。また、仕切り板110、120、130、140を蓋板50ごと交換することが可能である。蓋板50をフランジ65に取り付けた状態で仕切り板110、120、130、140がそれぞれ差込用ガイド71〜74に差し込まれているため、仕切り板110、120、130、140と側板63との間の空気漏れが防がれ、仕切り板110、120、130、140と側板64との間の空気漏れが防がれる。
本実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140に係る溶接工数が削減される。
仕切り板110、120、130、140を蓋板50にねじで固定するようにしてもよい。この場合、仕切り板110、120、130、140を個別に交換することができる。更に、仕切り板110、120、130、140を非金属材料で形成することができる。仕切り板110、120、130、140を非金属材料で形成することで、仕切り板110、120、130、140の塗装が不要になる。開口部111、121、131、141が非常に小さい孔の場合、塗装により孔がつまることが防がれる。
図10を参照して、第3の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバ30Dを説明する。空気吹き出しチャンバ30Dは、差込用ガイド71〜74の各々が側板63、側板64、及び空気吹き出し板40の内側面に沿って設けられる点が空気吹き出しチャンバ30Cと異なる。本変形例によれば、仕切り板110、120、130、140と側板63との間の空気漏れが防がれ、仕切り板110、120、130、140と側板64との間の空気漏れが防がれることに加えて、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間の空気漏れが防がれる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Eを説明する。第4の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Eは、第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Cと下記の点が異なっている。尚、第4の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Eと第3の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Cとの共通点の説明は省略する。
図11を参照して、仕切り板110、120、130、140は、蓋板50に取り付けられていない。仕切り板110、120、130、140のそれぞれの周囲にゴム部材201〜204が設けられている。ゴム部材201〜204は、ゴムによって形成することができるが、ゴム以外のシーリング部材(耐水性を有する弾性部材)によって形成してもよい。ゴム部材201〜204は、仕切り板110、120、130、140の周囲を一周している。空気吹き出しチャンバ30Eを組立てるとき、仕切り板110、120、130、140をそれぞれ差込用ガイド71〜74に差し込んでから、蓋板50をフランジ65に脱着可能に取り付ける。ゴム部材201〜204は、蓋板50の内側面と、空気吹き出し板40の内側面と、側板63の内側面と、側板64の内側面とに密着する。
図12を参照して、ゴム部材201は、仕切り板110の周囲に形成された溝112に配置されるOリングである。ゴム部材202〜204も、仕切り板120、130、140の周囲に形成された溝に配置されるOリングである。
本実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140が交換可能であり、仕切り板110、120、130、140に係る溶接工数が削減される。ゴム部材201〜204により、仕切り板110、120、130、140と側板63との間の空気漏れが更に防がれる。ゴム部材201〜204により、仕切り板110、120、130、140と側板64との間の空気漏れが更に防がれる。ゴム部材201〜204により、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間の空気漏れが防がれる。ゴム部材201〜204により、仕切り板110、120、130、140と蓋板50との間の空気漏れが防がれる。更に、本実施形態によれば、空気吹き出しチャンバ30Eの構造が簡単になる。
図13を参照して、第4の実施形態の変形例を説明する。本変形例においては、Oリングとしてのゴム部材201のかわりに、断面が「コ」字形のゴム枠としてのゴム部材211が用いられる。同様に、Oリングとしてのゴム部材202〜204のかわりに、断面が「コ」字形のゴム枠が用いられる。これらのゴム枠も、ゴム部材201〜204と同様に、ゴム以外の素材のシーリング部材(耐水性を有する弾性部材)によって形成してもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fを説明する。第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fは、第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Aと下記の点が異なっている。尚、第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fと第1の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Aとの共通点の説明は省略する。
図14を参照して、第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fにおいて、開口部111、121、131、141は、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出しチャンバ30Fの内壁との間に形成される隙間である。第5の実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140に貫通孔を形成する必要がないため、空気吹き出しチャンバ30Fの構造が簡単化され、コストダウンが図られる。
尚、開口部111、121、131、141は、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間に形成される隙間に限定されない。開口部111、121、131、141は、仕切り板110、120、130、140と蓋板50との間に形成される隙間でもよい。開口部111、121、131、141は、仕切り板110、120、130、140と側板63又は64との間に形成される隙間でもよい。
図15Aを参照して、開口部131はスリット状の隙間であってもよい。この場合、開口部111、121、141もスリット状の隙間である。隙間の高さ(仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との距離)は、開口部121が開口部111より小さく、開口部131が開口部121より小さく、開口部141が開口部131より小さい。
図15Bを参照して、開口部131は三角形の隙間であってもよい。この場合、開口部111、121、141も三角形の隙間である。隙間の高さ(三角形高さ)は、開口部121が開口部111より小さく、開口部131が開口部121より小さく、開口部141が開口部131より小さい。
図15Cを参照して、開口部131は半楕円形状の隙間であってもよい。この場合、開口部111、121、141も半楕円形状の隙間である。半楕円のサイズは、開口部121が開口部111より小さく、開口部131が開口部121より小さく、開口部141が開口部131より小さい。
図15Dを参照して、開口部131は隙間群であってもよい。この場合、開口部111、121、141も隙間群である。開口部121としての隙間群に含まれる隙間の数は開口部111としての隙間群に含まれる隙間の数より少なく、開口部131としての隙間群に含まれる隙間の数は開口部121としての隙間群に含まれる隙間の数より少なく、開口部141としての隙間群に含まれる隙間の数は開口部131としての隙間群に含まれる隙間の数より少ない。
図15Eを参照して、開口部131は、側板63に片寄って配置された四角形の隙間であってもよい。この場合、開口部111、121、141も、側板63に寄っている四角形の隙間である。隙間のサイズは、開口部121が開口部111より小さく、開口部131が開口部121より小さく、開口部141が開口部131より小さい。
尚、第2の実施形態に係る開口部111、121、131、141の配置を第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fに適用してもよい。一例では、開口部111及び131は、仕切り板110及び130と空気吹き出し板40との間に形成される隙間であり、開口部121及び141は、仕切り板120及び140と蓋板50との間に形成される隙間である。他の例では、開口部111及び131は、仕切り板110及び130と側板63との間に形成される隙間であり、開口部121及び141は、仕切り板120及び140と側板64との間に形成される隙間である。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gを説明する。第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gは、第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fと下記の点が異なっている。尚、第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gと第5の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Fとの共通点の説明は省略する。
図16を参照して、筒状部分60は、筒状部分60の他端に配置されたフランジ65を備える。フランジ65にボルト孔65aが形成され、蓋板50にボルト孔50aが形成される。ボルト孔50aは、ボルト孔65aに対応して設けられる。空気吹き出しチャンバ30Gは、差込用ガイド71〜74を備える。差込用ガイド71〜74の各々は、側板63及び側板64の内側面に沿って設けられる。仕切り板110、120、130、140は、例えば溶接により蓋板50に取り付けられている。蓋板50は、図示されないボルトにより、筒状部分60の他端に設けられたフランジ65に脱着可能に取り付けられる。蓋板50をフランジ65に取り付けるとき、仕切り板110、120、130、140は、差込用ガイド71〜74にそれぞれ差し込まれる。
図17を参照して、仕切り板110、120、130、140の高さは、筒状部分60の高さより短いため、蓋板50をフランジ65に取り付けた状態で、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間の隙間としての開口部111、121、131、141が形成される。
本実施形態によれば、蓋板50が脱着可能にフランジ65に取り付けられるため、空気吹き出しチャンバ30Gの内側のメンテナンスが容易である。また、仕切り板110、120、130、140を蓋板50ごと交換することが可能である。蓋板50をフランジ65に取り付けた状態で仕切り板110、120、130、140がそれぞれ差込用ガイド71〜74に差し込まれているため、仕切り板110、120、130、140と側板63との間の空気漏れが防がれ、仕切り板110、120、130、140と側板64との間の空気漏れが防がれる。
本実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140に係る溶接工数が削減される。
仕切り板110、120、130、140を蓋板50にねじで固定するようにしてもよい。この場合、仕切り板110、120、130、140を個別に交換することができる。更に、仕切り板110、120、130、140を非金属材料で形成することができる。仕切り板110、120、130、140を非金属材料で形成することで、仕切り板110、120、130、140の塗装が不要になる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Hを説明する。第7の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Hは、第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gと下記の点が異なっている。尚、第7の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Hと第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gとの共通点の説明は省略する。
図18を参照して、仕切り板110、120、130、140は、蓋板50に取り付けられていない。空気吹き出しチャンバ30Hを組立てるとき、仕切り板110、120、130、140をそれぞれ差込用ガイド71〜74に差し込んでから、蓋板50をフランジ65に脱着可能に取り付ける。仕切り板110及び130は、開口部111及び131が空気吹き出し板40の近くに配置されるように差込用ガイド71及び73に差し込まれる。仕切り板120及び140は、開口部121及び141が蓋板50の近くに配置されるように差込用ガイド72及び74に差し込まれる。
図19を参照して、仕切り板110の高さは筒状部分60の高さと同じである。仕切り板110は、二つの脚部113と、二つの脚部113の間に配置された切り欠き部を備える。切り欠き部は、仕切り板110と空気吹き出し板40との間の隙間としての開口部111を形成する。二つの脚部113により開口部111が確保される。仕切り板120、130、140の高さも筒状部分60の高さと同じである。仕切り板120、130、140も、二つの脚部と、二つの脚部の間に配置された切り欠き部を備える。仕切り板120の切り欠き部は、仕切り板120と蓋板50の間の隙間としての開口部121を形成する。仕切り板130の切り欠き部は、仕切り板130と空気吹き出し板40の間の隙間としての開口部131を形成する。仕切り板140の切り欠き部は、仕切り板140と蓋板50の間の隙間としての開口部141を形成する。
尚、開口部111、121、131、141が仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間の隙間となるように仕切り板110、120、130、140が差込用ガイド71〜74に差し込まれてもよい。開口部111、121、131、141が仕切り板110、120、130、140と蓋板50との間の隙間となるように仕切り板110、120、130、140が差込用ガイド71〜74に差し込まれてもよい。
本実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140が交換可能であり、仕切り板110、120、130、140に係る溶接工数が削減される。更に、本実施形態によれば、空気吹き出しチャンバ30Hの構造が簡単になる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Iを説明する。第8の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Iは、第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gと下記の点が異なっている。尚、第8の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Iと第6の実施形態に係る空気吹き出しチャンバ30Gとの共通点の説明を省略する。
図20を参照して、仕切り板110、120、130、140は、蓋板50に取り付けられていない。仕切り板110、120、130、140のそれぞれの周囲にゴム部材221〜224が設けられている。ゴム部材221〜224はゴムによって形成することができるが、ゴム以外のシーリング部材(耐水性を有する弾性部材)によって形成してもよい。ゴム部材221〜224は、矩形形状をした仕切り板110、120、130、140の3つの辺に沿って設けられる。ゴム部材221〜224の各々は、断面が「コ」字形である。空気吹き出しチャンバ30Iを組立てるとき、仕切り板110、120、130、140をそれぞれ差込用ガイド71〜74に差し込んでから、蓋板50をフランジ65に脱着可能に取り付ける。ゴム部材221〜224は、空気吹き出し板40の内側面と、側板63の内側面と、側板64の内側面とに密着する。
図21を参照して、開口部111は、差込用ガイド71に差し込まれた仕切り板110と蓋板50との間の隙間として形成される。同様に、開口部121は、差込用ガイド72に差し込まれた仕切り板120と蓋板50との間の隙間として形成される。開口部131は、差込用ガイド73に差し込まれた仕切り板130と蓋板50との間の隙間として形成される。開口部141は、差込用ガイド74に差し込まれた仕切り板140と蓋板50との間の隙間として形成される。
本実施形態によれば、仕切り板110、120、130、140が交換可能であり、仕切り板110、120、130、140に係る溶接工数が削減される。ゴム部材221〜224により、仕切り板110、120、130、140と側板63との間の空気漏れが更に防がれ、仕切り板110、120、130、140と側板64との間の空気漏れが更に防がれ、仕切り板110、120、130、140と空気吹き出し板40との間の空気漏れが防がれる。更に、本実施形態によれば、空気吹き出しチャンバ30Iの構造が簡単になる。
図22〜24を参照して、第8の実施形態の変形例に係る空気吹き出しチャンバ30Jを説明する。
図22を参照して、差込用ガイド71〜74のかわりに取り付け部81〜84が設けられている。取り付け部81〜84の各々は、側板63及び側板64の内側面に沿って設けられる。仕切り板110、120、130、140は、それぞれ、取り付け部81〜84に取り付けられる。仕切り板110と取り付け部81との間にゴム板231が配置される。仕切り板120と取り付け部82との間にゴム板232が配置される。仕切り板130と取り付け部83との間にゴム板233が配置される。仕切り板140と取り付け部84との間にゴム板234が配置される。ゴム板231〜234はゴムによって形成することができるが、ゴム以外のシーリング部材(耐水性を有する弾性部材)によって形成してもよい。
図23を参照して、取り付け部81、ゴム板231、及び仕切り板110にボルト孔が形成されている。仕切り板110は、ゴム板231を間に挟んで取り付け部81にボルト250で固定される。ゴム板231は、側板63に沿って延びる部分と、空気吹き出し板40に沿って延びる部分と、側板64に沿って延びる部分とを備える「コ」字形に形成されている。取り付け部81は、側板63及び側板64の内側面に沿って設けられた部分に加えて、空気吹き出し板40に沿って設けられた部分を備えてもよい。取り付け部82〜84、ゴム板232〜234、及び仕切り板120〜140についても同様である。
図24を参照して、開口部111は、取り付け部81に取り付けられた仕切り板110と蓋板50との間の隙間として形成される。同様に、開口部121は、取り付け部82に取り付けられた仕切り板120と蓋板50との間の隙間として形成される。開口部131は、取り付け部83に取り付けられた仕切り板130と蓋板50との間の隙間として形成される。開口部141は、取り付け部84に取り付けられた仕切り板140と蓋板50との間の隙間として形成される。
以上、実施の形態を参照して本発明による船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法を説明したが、本発明による船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法は上記実施形態に限定されない。上記実施形態に変更を加えたり上記実施形態どうしを組み合わせたりすることが可能である。
10…船体
11…船底
20…摩擦抵抗低減装置
21…空気供給装置
22…空気供給管
30A〜30J…空気吹き出しチャンバ
31〜35…部分空間
40…空気吹き出し板
41〜45…空気吹き出し孔
50…蓋板
50a…ボルト孔
60…筒状部分
61、62…端板
63、64…側板
65…フランジ
65a…ボルト孔
71〜74…差込用ガイド
81〜84…取り付け部
110、120、130、140…仕切り板
111、121、131、141…開口部
112…溝
113…脚部
201〜204…ゴム部材(Oリング)
211…ゴム部材(ゴム枠)
221〜224…ゴム部材
231〜234…ゴム板
250…ボルト
910…船体
911…船首船側
921…空気吹き出しチャンバ
931…空気吹き出し孔
Z…水深方向

Claims (10)

  1. 空気吹き出しチャンバと、
    前記空気吹き出しチャンバの内部空間に空気を供給する空気供給管と
    を具備し、
    前記空気吹き出しチャンバは、前記内部空間を複数の部分空間に仕切る複数の仕切り板を備え、
    前記複数の部分空間から船外水中に空気をそれぞれ吹き出す複数の空気吹き出し孔が前記空気吹き出しチャンバに形成され、
    前記複数の部分空間が直列に接続されて空気流路を形成するように前記複数の仕切り板にそれぞれ複数の開口部が形成され、
    前記複数の部分空間は、前記空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置され、
    前記複数の開口部は、前記空気流路の下流ほど開口面積が小さい
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  2. 請求項1に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記空気吹き出しチャンバは、
    前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板と、
    蓋板と、
    一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分と
    を備え、
    前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板及び第2側板を備え、
    前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記複数の開口部は、前記空気吹き出し板の近くと前記蓋板の近くとに交互に配置され、又は、前記第1側板の近くと前記第2側板の近くとに交互に配置される
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  3. 請求項1に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記空気吹き出しチャンバは、
    前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板と、
    蓋板と、
    一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分と、
    複数の差込用ガイドと
    を備え、
    前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板及び第2側板を備え、
    前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられ、
    前記複数の仕切り板は、前記蓋板に取り付けられ、
    前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられ、
    前記蓋板が前記他端に取り付けられるとき、前記複数の仕切り板は前記複数の差込用ガイドに差し込まれる
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  4. 請求項1に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記空気吹き出しチャンバは、
    前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板と、
    蓋板と、
    一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分と、
    前記複数の仕切り板がそれぞれ差し込まれる複数の差込用ガイドと
    を備え、
    前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板及び第2側板を備え、
    前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられ、
    前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられ、
    前記複数の仕切り板のそれぞれの周囲に耐水性のシーリング部材が設けられる
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記複数の開口部は、前記複数の仕切り板と前記空気吹き出しチャンバの内壁との間に形成される複数の隙間である
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  6. 請求項1に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記空気吹き出しチャンバは、
    前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板と、
    蓋板と、
    一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分と、
    前記複数の仕切り板がそれぞれ差し込まれる複数の差込用ガイドと
    を備え、
    前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板及び第2側板を備え、
    前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字に配置され、
    前記複数の差込用ガイドの各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられ、
    前記蓋板は、前記筒状部分の前記他端に脱着可能に取り付けられ、
    前記複数の開口部は、前記複数の仕切り板と前記空気吹き出しチャンバの内壁との間に形成される複数の隙間であり、
    前記複数の仕切り板の各々は、
    第1脚部と、
    第2脚部と、
    前記第1脚部及び前記第2脚部の間に配置された切り欠き部と
    を備え、
    前記切り欠き部は前記隙間を形成する
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  7. 請求項1に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置であって、
    前記空気吹き出しチャンバは、
    前記複数の空気吹き出し孔が形成された空気吹き出し板と、
    蓋板と、
    一端が前記空気吹き出し板で閉じられ、他端が前記蓋板で閉じられる筒状部分と、
    前記複数の仕切り板がそれぞれ取り付けられる複数の取り付け部と
    を備え、
    前記筒状部分は、前記複数の仕切り板を間に挟んで互いに向かい合う第1側板及び第2側板を備え、
    前記第1側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字を形成するように配置され、
    前記第2側板と前記複数の仕切り板の各々とはT字を形成するように配置され、
    前記複数の取り付け部の各々は、前記第1側板及び前記第2側板に設けられ、
    前記複数の仕切り板は、それぞれ、耐水性のシーリング部材を間に挟んで前記複数の取り付け部にボルト止めされ、
    前記複数の取り付け部にボルト止めされた前記複数の仕切り板と前記蓋板との間に前記複数の開口部としての複数の隙間が形成される
    船舶の摩擦抵抗低減装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の船舶の摩擦抵抗低減装置を備えた摩擦抵抗低減型船舶。
  9. 空気吹き出しチャンバの内部空間に空気を供給するステップと、
    前記内部空間が複数の仕切り板によって仕切られた複数の部分空間が直列に接続されて形成する空気流路に空気を流すステップと、
    前記複数の部分空間からそれぞれ船外水中に空気を吹き出すステップと
    を具備し、
    前記空気流路に空気を流すステップにおいて、前記複数の仕切り板にそれぞれ形成された複数の開口部を空気が通過し、
    前記複数の部分空間は、前記空気流路の下流ほど水深の浅いところに配置され、
    前記複数の開口部は、前記空気流路の下流ほど開口面積が小さい
    船舶の摩擦抵抗低減方法。
  10. 船底に左右対称に設置された一対の摩擦抵抗低減装置を備えた摩擦抵抗低減型船舶であって、
    前記一対の摩擦抵抗低減装置の各々は、請求項1乃至7のいずれかに記載の摩擦抵抗低減装置の構成を備える
    摩擦抵抗低減型船舶。
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