以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、薄型の直方体に概ね形成されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。プリント機能としては、記録用紙の両面に画像を記録する両面画像記録機能を有している。なお、プリント機能以外の機能の有無は任意である。また、複合機10の下部には、記録用紙16(図2参照、本発明のシートの一例)に画像を記録するプリンタ部11が設けられている。プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有し、各種サイズの記録用紙16を載置可能な給紙トレイ20(図2参照)が、開口13から前後方向8に挿抜可能である。
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から記録用紙16をピックアップして給送する給紙部15と、給紙トレイ20の上方に設けられており、給紙部15によって給紙された記録用紙16にインク滴を吐出して記録用紙16に画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24(本発明の記録部の一例)と、フラップ41(本発明のフラップの一例)などを備えている。給紙部15、記録部24、及びフラップ41については、後述される。なお、記録部24はインクジェット方式に限られず、電子写真方式などの種々の記録方式のものが適用可能である。
[給紙部15]
図2に示されるように、給紙部15は、給紙トレイ20の上側に設けられている。給紙部15は、給紙ローラ25、給紙アーム26、及び駆動伝達機構(不図示)を備えている。給紙ローラ25は、給紙アーム26の前端部で軸支されている。給紙アーム26は、軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給紙ローラ25は給紙トレイ20に接離可能である。給紙ローラ25は、給紙アーム26の内部に設けられ且つ複数のギヤが噛合された駆動伝達機構によって、給紙用モータ101(図6参照)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙16を1枚ずつ分離して、以下で説明する湾曲路65Aへ供給する。
[搬送路65]
図2に示されるように、プリンタ部11の内部には、給紙トレイ20の先端(後方側の端部)から記録部24を経て排紙トレイ21に至る搬送路65(本発明の第1搬送路の一例)が形成されている。搬送路65は、湾曲路65Aと直線路65Bとに区分される。
湾曲路65Aは、給紙トレイ20に設けられた分離傾斜板22の上端付近から搬送ローラ対70に亘って延設された湾曲状の通路である。湾曲路65Aは、プリンタ部11の内部側を中心とする円弧形状に概ね形成されている。給紙トレイ20から給送される記録用紙16は、湾曲路65Aに沿って搬送されて搬送ローラ対70へ案内される。湾曲路65Aは、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とによって区画されている。
直線路65Bは、搬送ローラ対70から排紙トレイ21に亘って延設された直線状の通路である。直線路65Bは、記録部24が設けられている箇所においては、所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24と後述するプラテン42(本発明の支持部の一例)とによって形成されている。記録部24は直線路65Bの上側に配置されており、プラテン42は直線路65Bの下側に配置されている。また、直線路65Bは、記録部24が設けられていない箇所においては、所定間隔を隔てて互いに対向する以下で説明する上側ガイド部材82と後述する第1ガイド部材71とによって区画されている。
上側ガイド部材82は、直線路65Bの上方に設けられている。また、図2に破線で示されるように、上側ガイド部材82の下面であってフラップ41と対向する位置には、凹部83が形成されている。凹部83は、左右方向9において、後述する拍車63とは異なる位置に設けられている。また、後述されるように、フラップ41は回動し、回動したフラップ41の回動先端部81のうち、凹部83と対向する部分は凹部83に挿入される。ここで、回動先端部81は、フラップ41の回動先端及びその近傍である。
図2に示されるように、記録用紙16は、直線路65Bを後側から前側へ向かう搬送向き80(図2に破線矢印で示される向き、本発明の搬送向きの一例)に沿って案内される。直線路65Bを案内されている記録用紙16がプラテン42に下側から支持されているとき、記録用紙16の上面は記録部24と対向している。当該上面には、記録部24によって画像が記録される。
[モジュール50]
図2及び図9に示されるように、プリンタ部11の内部、詳細には記録部24よりも下側且つ給紙部15よりも上側には、第1ガイド部材71(本発明の第1ガイド部材の一例)、第2ガイド部材72(本発明の第2ガイド部材の一例)、プラテン42、後述するフラップ41、後述する被検知部73(本発明の被検知部の一例)、及び後述する連動部74(本発明の連動部の一例)よりなるモジュール50(図9参照、本発明のモジュールの一例)が配置されている。つまり、第1ガイド部材71、第2ガイド部材72、プラテン42、フラップ41、被検知部73、及び連動部74は、一つのモジュール50を構成している。なお、後述するように、連動部74は、連結部76とコイルバネ75とを備えている。
図4に示されるように、第1ガイド部材71は、前後方向8及び左右方向9の長さが上下方向7の長く、下方が開放された箱形形状である。第1ガイド部材71の上面には、プラテン42が配置されている。つまり、プラテン42は、第1ガイド部材71によって下側から支持されている。また、上述したように、第1ガイド部材71は、記録部24が設けられていない箇所において、直線路65Bの下側を区画している。つまり、第1ガイド部材71は、直線路65Bの下側のガイド面の一部を構成している。なお、第1ガイド部材71とプラテン42とが一体に構成されていてもよい。この場合、プラテン42を含む第1ガイド部材71は、直線路65Bの下側のガイド面の全部を構成する。以上より、第1ガイド部材71は、直線路65Bの下側のガイド面の少なくとも一部を構成している。
図2に示されるように、第1ガイド部材71には、開口77(本発明の開口の一例)が形成されている。開口77の前後方向8の位置は、記録部24に設けられた後述するメディアセンサ110の位置と同位置である。また、開口77の左右方向9の位置は、記録部24が後述する第3位置に位置しているときのメディアセンサ110の位置と同位置である。なお、後述するように、記録部24は左右方向9に移動可能である。以上より、第1ガイド部材71の開口77は、第3位置のメディアセンサ110と対向する位置に設けられている。また、後述するように、開口77の真下には、被検知部73が配置される。つまり、開口77は、被検知部73を露出させる。
第2ガイド部材72は、前後方向8及び左右方向9の長さが上下方向7の長さよりも長く、上方が開放された箱形形状である。第2ガイド部材72は、第1ガイド部材71の下側、つまり第1ガイド部材71と記録部24に対して反対側に、第1ガイド部材71と対向して配置されている。また、後述するように、第2ガイド部材72は、反転搬送路67の上側のガイド面の少なくとも一部を構成する。
第2ガイド部材72は第1ガイド部材71に組み付けられて一体化されている。これにより、第1ガイド部材71と第2ガイド部材72との間には、空間が形成される。そして、当該空間に、被検知部73及び連動部74が配置される。つまり、被検知部73及び連動部74は、第1ガイド部材71及び第2ガイド部材72に挟まれて配置されている。
プラテン42は、第1ガイド部材71の上面に取り付けられた概ね薄板形状の部材である。プラテン42の上面は、直線路65Bの下側のガイド面を形成する。プラテン42の上面には、直線路65Bを案内される記録用紙16が支持される。つまり、プラテン42は、直線路65Bを案内される記録用紙16を下側から支持する。
後述するように、フラップ41は第2ガイド部材72に回動可能に取り付けられている。また、被検知部73は、連動部74の連結部76を介して、フラップ41に連結されている。また、被検知部73は、連動部74のコイルバネ75を介して、第1ガイド部材71に連結されている。なお、フラップ41は第1ガイド部材72に回動可能に取り付けられていてもよい。以上より、プラテン42、フラップ41、被検知部73、及び連動部74は、上記のモジュール50を構成する部材、つまり第1ガイド部材71、第2ガイド部材72、プラテン42、フラップ41、被検知部73、及び連動部74のみによって支持されている。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、直線路65Bの上方にプラテン42と対向して設けられている。記録部24は、記録ヘッド38を搭載して左右方向9(搬送向き80と直交する方向)へ往復移動するキャリッジ40を備えている。キャリッジ40は左右方向9に沿って架設されたベルト(不図示)と連結されており、当該ベルトはキャリッジ駆動モータ103(図6参照)と連結されている。後述するマイクロコンピュータ130(図6参照)の制御によってキャリッジ駆動モータ103が駆動されると、キャリッジ駆動モータ103から駆動力を伝達されたベルトが動く。これにより、キャリッジ40は左右方向9に移動する。
記録部24は、キャリッジ40の移動によって、第3位置(本発明の第3位置の一例)及び第4位置(第4位置の一例)に移動可能である。ここで、第3位置は、左右方向9において直線路65Bを搬送される記録用紙16より内側の位置、つまり左右方向9において直線路65Bを搬送される記録用紙16と重畳される位置である。また、第3位置は、記録部24に設けられたメディアセンサ110と第1ガイド部材71に形成された開口77とが対向する状態における記録部24の位置でもある。フラップ41の姿勢が後述するマイクロコンピュータ130によって検知される際、記録部24はマイクロコンピュータ130の制御によって第3位置に移動される。また、第4位置は、第3位置と同様に、左右方向9において直線路65Bを搬送される記録用紙16より内側の位置である。但し、第4位置は、左右方向9において、第3位置と異なる位置である。記録用紙16がプラテン42に支持されているか否かがマイクロコンピュータ130によって検知される際、記録部24はマイクロコンピュータ130の制御によって第4位置に移動される。
記録ヘッド38には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド38は、ノズル39からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ40が左右方向9へ往復移動することで、記録ヘッド38が記録用紙16に対して走査され、プラテン42に支持されつつ直線路65Bを案内される記録用紙16の記録面、つまり記録用紙16の上面に画像が記録される。つまり、記録部24は左右方向9に移動しながらプラテン42に支持された記録用紙16に画像を記録する。
[メディアセンサ110]
図2及び図5に示されるように、直線路65Bを搬送される記録用紙16を検知するためのメディアセンサ110(本発明のセンサの一例)が、記録部24のキャリッジ40の下面側であって、記録部24の搬送向き80の最上流側付近に設けられている。
メディアセンサ110は、発光ダイオードなどからなる発光部111(本発明の発光部の一例、図6参照)と、光学式センサなどからなる受光部112(本発明の受光部の一例、図6参照)とを備えている。発光部111は下方、つまりプラテン42側へ向けて光を照射する。照射された光は、記録用紙16、プラテン42、または後述する被検知部73で反射する。反射された光は受光部112で受光される。
本実施形態のメディアセンサ110においては、発光部111から一定の強さの光が照射され、照射された光の反射光の強さが検知結果(本発明の検知結果の一例)とされる。そして、メディアセンサ110は、反射光の強さに応じた信号を、後述するマイクロコンピュータ130(図6参照)に出力する。例えば、メディアセンサ110は、反射光の強さが強い程、大きな値の信号を出力する。
ここで、発光部111から照射される一定の光の強さは、記録用紙16、プラテン42、及び被検知部73のそれぞれのメディアセンサ110と対向する面の反射率に基づいて、予め設定される。例えば、発光部111から照射される光の強さは、照射光が記録用紙16、プラテン42、及び被検知部73のそれぞれで反射された場合に、それぞれの反射光が異なる強さとなるように設定される。よって、受光部112に受光される反射光の強さが異なるため、出力される信号が異なるので、マイクロコンピュータ130は記録用紙16、プラテン42、及び被検知部73を検知することができる。
なお、検知結果を求める方法は、上述した方法に限らない。例えば、以下のような方法であってもよい。つまり、マイクロコンピュータ130が、発光部111に光を照射させる。この際、発光部111は、照射される光の強さが徐々に強くなるように、マイクロコンピュータ130によって制御される。照射された光の反射光を受けた受光部112から出力された信号が、マイクロコンピュータ130のASIC135(図6参照)に入力される。受光部112からの入力信号は、照射される光の強さが強くなるにしたがって大きくなる。マイクロコンピュータ130は、当該入力信号を所定の閾値と比較する。当該入力信号が所定の閾値よりも大きくなると、そのときの当該入力信号に対応する照射光の強さが検知結果(本発明の検知結果の一例)とされる。そして、発光部111及び受光部112による当該検知結果に対応する信号が、メディアセンサ110からマイクロコンピュータ130へ出力される。以上より、この方法では、発光部111から照射される光が強いほど、当該検知結果に対応した信号のレベルは大きくなる。
[搬送ローラ対70]
図2に示されるように、記録部24よりも搬送向き80の上流側には、第1搬送ローラ60及びピンチローラ61よりなる搬送ローラ対70が設けられている。ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60の下側に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第1搬送ローラ60に圧接されている。
第1搬送ローラ60は、搬送用モータ102(図6参照)から正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正転または逆転する。例えば、第1搬送ローラ60は、搬送用モータ102から正転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙16を搬送向き80へ搬送する方向へ回転され、搬送用モータ102から逆転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙16を搬送向き80と逆向きへ搬送する方向へ回転される。つまり、搬送ローラ対70は、搬送用モータ102から正転方向の駆動力が伝達されることによって、記録用紙16を搬送向き80に搬送する。
[排出ローラ対44]
記録部24よりも搬送向き80の下流側、詳細には後述する第1位置36よりも搬送向き80の下流側には、第2搬送ローラ45及び拍車46よりなる排出ローラ対44(本発明の搬送部の一例)が設けられている。拍車46は、第2搬送ローラ45の上方に配置されており、図示しないバネなどの弾性部材によって第2搬送ローラ45のローラ面に圧接されている。
第2搬送ローラ45は、上記の搬送用モータ102(図6参照、本発明の駆動源の一例)から正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正転または逆転する。つまり、搬送用モータ102は、第2搬送ローラ45に以下の2つの駆動力を付与する。2つの駆動力は、第2搬送ローラ45を正転または逆転の一方に回転(本実施形態では正転)させる第1駆動力(本発明の第1駆動力の一例)と、第2搬送ローラ45を正転または逆転の他方(本実施形態では逆転)に回転させる第2駆動力(本発明の第2駆動力の一例)である。第2搬送ローラ45が第1駆動力を付与されて回転する場合、排出ローラ対44に挟持された記録用紙16は、搬送向き80に搬送される。一方、第2搬送ローラ45が第2駆動力を付与されて回転する場合、排出ローラ対44に挟持された記録用紙16は、搬送向き80と逆向き(本発明の逆搬送向き一例)に搬送される。
例えば、片面記録が行われる場合、第2搬送ローラ45は正転する。これにより、記録用紙16は排出ローラ対44に挟持されて下流側へ搬送され、排紙トレイ21に排紙される。一方、両面記録が行われる場合は、排出ローラ対44が記録用紙16の搬送向き80の後端部を挟持した状態で、第2搬送ローラ45の回転方向が正転から逆転に切り換えられる。これにより、記録用紙16は、排出ローラ対44に挟持されて搬送向き80と逆向きに搬送され、後述するフラップ41にガイドされて、以下で説明する反転搬送路67を搬送される。
[反転搬送路67]
図3に示されるように、反転搬送路67(本発明の第2搬送路の一例)は、第1位置36(本発明の第1位置の一例)及び第2位置37(本発明の第2位置の一例)において、搬送路65と接続されている。ここで、第1位置36は、搬送路65の搬送向き80における記録部24よりも下流側且つ排出ローラ対44よりも上流側の位置である。また、第2位置37は、搬送路65における搬送ローラ対70よりも搬送向き80の上流側、つまり記録部24よりも搬送向き80の上流側の位置である。
反転搬送路67は、プラテン42の下側且つ給紙部15の上側において延びている。反転搬送路67は、上側を第2ガイド部材72及び内側ガイド部材19によって区画されている。また、反転搬送路67は、下側を第1下側ガイド部材31及び第2下側ガイド部材32によって区画されている。
記録用紙16は、排出ローラ対44によって搬送向き80と逆向きに搬送されることによって、反転搬送路67を第1位置36から第2位置37の向きに搬送される。
[フラップ41]
図2に示されるように、第2ガイド部材72には、フラップ41が回動可能に取り付けられている。つまり、フラップ41は、直線路65Bの下側に設けられている。また、図3に示されるように、フラップ41は、第1位置36の下方に位置する。つまり、フラップ41は、第1位置36における直線路65Bの下方に配置されている。
図5に示されるように、フラップ41の左右方向9の両端には、外側に向けて突出した軸43が形成されている。一方、第2ガイド部材72には、孔(不図示)が形成されている。当該孔には、軸43が挿入される。これにより、フラップ41は、軸43を回動中心として矢印58の方向に回動する。
フラップ41は、図3に示される第1姿勢(本発明の第1姿勢の一例)と、図2に示される第2姿勢(本発明の第2姿勢の一例)との間で回動する。
図3に示されるように、第1姿勢において、フラップ41の上面56(本発明の上面の一例)は、プラテン42の上面と連続している。これにより、直線路65Bを搬送される記録用紙16は、プラテン42の上面にガイドされて搬送された後、フラップ41の上面56にガイドされて搬送される。つまり、フラップ41の上面56は、直線路65Bの下側のガイド面を構成する。
また、第1姿勢のフラップ41は、上側ガイド部材82にフラップ41の回動先端部81と対向して回転可能に取り付けられた拍車63との間に記録用紙16を挟持する。つまり、フラップ41の上面56に沿って案内された記録用紙16は、フラップ41の回動先端部81及び拍車63によって挟持されつつ、搬送ローラ対70または排出ローラ対44の少なくとも一方によって、更に搬送向き80の下流側に搬送される。
図2に示されるように、フラップ41が第2姿勢の状態で、フラップ41の回動先端部81は、第1姿勢のときよりも上側に位置され、上側ガイド部材82に形成された凹部83に挿入される。つまり、第2姿勢のフラップ41は、直線路65Bを塞ぐ。
また、フラップ41が第2姿勢の状態で、フラップ41の下面57(本発明の下面の一例)は、反転搬送路67の上側を区画している。つまり、フラップ41の下面57は、反転搬送路67の上側のガイド面を構成している。記録用紙16は、フラップ41の下面57に沿って反転搬送路67を案内される。
[被検知部73]
図2に示されるように、第1ガイド部材71と第2ガイド部材72に挟まれて、被検知部73が配置されている。図5に示されるように、被検知部73は、前後方向8に長い部材である。
図2及び図3に示されるように、被検知部73は、前後方向8において、その少なくとも一部が第1ガイド部材71に形成された開口77の真下に位置するように配置されている。つまり、被検知部73は、第3位置に移動した記録部24のメディアセンサ110と対向可能な位置に設けられている。なお、後述するように、被検知部73は、フラップ41に形成された長孔84に摺動可能に取り付けられている。
図4及び図5に示されるように、被検知部73は、左右方向9において、第1範囲68(図4参照)以外の位置と対向する位置に配置されている。ここで、第1範囲68は、所定サイズの記録用紙16がプラテン42に支持されている場合における、上記所定サイズの記録用紙16の左右方向9の縁部(縁及びその近傍、本発明の縁部の一例)である。ここで、上記所定サイズは、複合機10において記録部24によって画像を記録するサイズとして予め設定された定型サイズであり、例えばA4やB5といったサイズである。なお、本実施形態では、第1範囲68は4箇所に形成されているが、図4では、3箇所のみが記されており、残りの1箇所は記録部24に隠れており見えない。
図4に示されるように、プラテン42には、プラテン42上に吐出されたインクをプラテン42の上面から下面に導くためのインク流路47が形成されている。記録部24は、記録用紙16に縁なし印刷を行う際、記録用紙16の前後方向8の第2範囲69に対してインクを吐出する。記録用紙16に縁なし印刷が行われる際、記録部24から吐出されたインクは、記録用紙16だけでなく記録用紙16の左右方向9の縁の近傍であるプラテン42の上面、つまり第1範囲68にも付着する。上記のインク流路47は、このようなプラテン42の上面に付着したインクをプラテン42の下面に導くためのものである。これにより、プラテン42に付着されたインクが後続の記録用紙16に付着されて当該記録用紙16が汚れることが防止可能である。なお、第2範囲69の前側において、インク流路47が第1範囲68以外にも形成されている理由は、記録用紙16の前後方向8における縁部に付着したインクを、プラテン42の上面から下面に導くためである。
図2及び図3に示されるように、被検知部73の上面には、第1面78(本発明の第1面の一例)と第2面79(本発明の第2面の一例)とが形成されている。第1面78及び第2面79は、お互いに反射率が異なる材質で構成されている。本実施形態では、第1面78の反射率が、第2面79の反射率よりも大きく構成されている。
被検知部73は、後述する連動部74によって、第3姿勢(図2に示される姿勢、本発明の第3姿勢の一例)、及び第4姿勢(図3に示される姿勢、本発明の第4姿勢の一例)に姿勢変化する。
被検知部73が第3姿勢(図2に示される姿勢)の場合、被検知部73の第1面78は第1ガイド部材71の開口77の真下に位置する。また、記録部24が第3位置の場合、メディアセンサ110は第1ガイド部材71の開口77の真上に位置する。よって、被検知部73が第3姿勢の場合、第1面78が第3位置のメディアセンサ110と対向する。
被検知部73が第4姿勢(図3に示される姿勢)の場合、被検知部73の第2面79は第1ガイド部材71の開口77の真下に位置する。また、記録部24が第3位置の場合、メディアセンサ110は第1ガイド部材71の開口77の真上に位置する。よって、被検知部73が第4姿勢の場合、第1面78が第3位置のメディアセンサ110と対向せずに第2面79が第3位置のセンサと対向する。
[連動部74]
図2に示されるように、連動部74は、連結部76(本発明の連結部の一例)とコイルバネ75(本発明の第1付勢部材及び第2付勢部材の一例)とを備えている。
図2、図3、及び図5に示されるように、連結部76は、フラップ41に形成された上下方向7に長い長孔84と、被検知部73に形成された突起85とで構成されている。図5に示されるように、長孔84は、フラップ41の左右方向9における中央やや右に設けられた一対の側板に形成されている。突起85は、被検知部73の右側板及び左側板の前端付近に設けられている。突起85は、長孔84に挿通されている。以上より、被検知部73は、長孔84に沿って摺動可能に、フラップ41に取り付けられている。つまり、連結部76は、被検知部73の一端(前端)とフラップ41とを連結している。
図2に示されるように、コイルバネ75の一端は被検知部73の後端に設けられた引っ掛け部86と連結されており、コイルバネ75の他端は第1ガイド部材71に設けられた引っ掛け部87と連結されている。なお、図5では、被検知部73の引っ掛け部86の記載が省略されている。
上記のようにコイルバネ75が被検知部73及び第1ガイド部材71に連結されることにより、被検知部73は、コイルバネ75が縮もうとする力によって、後側(つまりコイルバネ75の他端側)に引っ張られる。これにより、被検知部73は、第3姿勢に姿勢変化される。つまり、コイルバネ75は、被検知部73を他端側に付勢して第3姿勢に姿勢変化させる。また、フラップ41は、被検知部73を介してコイルバネ75と連結されているため、コイルバネ75が縮もうとする力によって、つまりコイルバネ75に付勢されることによって、後側に引っ張られる。これにより、フラップ41は第2姿勢に姿勢変化される。つまり、コイルバネ75はフラップ41を第2姿勢側に付勢する。換言すると、フラップ41は、第2姿勢に姿勢変化することによって、被検知部73を第3姿勢に姿勢変化するとも言える。
コイルバネ75の付勢力は、記録用紙16の自重よりも小さい。これにより、第2姿勢(図2に示される姿勢)のフラップ41の上面が直線路65Bを搬送される記録用紙16を支持すると、フラップ41は、当該記録用紙16の自重によって、コイルバネ75の付勢力に抗って第2姿勢から第1姿勢(図3に示される姿勢)に回動する。フラップ41は、第2姿勢から第1姿勢に回動する過程において、被検知部73を前側に引っ張る。これにより、被検知部73は、コイルバネ75の付勢力に抗って第3姿勢から第4姿勢に姿勢変化される。
以上より、連動部74は、フラップ41の第1姿勢への姿勢変化に連動して、被検知部73を第3姿勢または第4姿勢の一方(本実施形態では第4姿勢)に姿勢変化させ、フラップ41の第2姿勢への姿勢変化に連動して、被検知部73を第3姿勢または第4姿勢の他方(本実施形態では第3姿勢)に姿勢変化させる。
なお、本実施形態においては、フラップ41及び被検知部73の付勢のためにコイルバネ75が用いられているが、フラップ41及び被検知部73を付勢するのであれば、コイルバネ75の代わりに、板バネなどの他の付勢部材が用いられてもよい。
[シートセンサ120]
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から給紙され湾曲路65Aを搬送される記録用紙16を検知するためのシートセンサ120を備えている。シートセンサ120は、湾曲路65Aにおける第2位置37(図3参照)よりも下流側であって搬送ローラ対70よりも上流側に設けられている。
シートセンサ120は、例えば、軸123を中心に回転する回転体121と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光センサ122とにより構成されている。回転体121の軸123は、複合機10のフレームなど、例えば内側ガイド部材19に回転可能に取り付けられている。回転体121の先端部は、湾曲路65Aに突出している。
記録用紙16が回転体121に当接していない状態において、回転体121の端部は、図2に示されるように、光センサ122の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。搬送される記録用紙16が回転体121に当接して回転体121を押すと、回転体121の端部は、当該光路から外れて、当該光路に光が通る。一方、搬送される記録用紙16の搬送向き80の後端が回転体121を通過すると、回転体121の後部は、当該光路に進入して、当該光路を通る光を遮断する。
光センサ122は、後述するマイクロコンピュータ130(図6参照)と接続されている。例えば、上記光路に光が通っている場合、光センサ122はハイレベルの信号をマイクロコンピュータ130に出力し、上記光路が回転体121によって遮断されている場合、光センサ122はローレベルの信号をマイクロコンピュータ130に出力する。マイクロコンピュータ130は、光センサ122から入力される信号に基づいて、記録用紙16の搬送向き80の先端及び後端を検知する。
図6に示されるように、プリンタ部11は、ロータリーエンコーダ124を備えている。ロータリーエンコーダ124は、第1搬送ローラ60の軸に取り付けられており、第1搬送モータ60を一体に回転するエンコーダディスク(不図示)と、光センサ(不図示)とで構成されている。ロータリーエンコーダ124は、エンコーダディスクに形成されたパターンを光センサで検知する。ロータリーエンコーダ124の光センサが検知した信号は、後述するマイクロコンピュータ130に出力される。
マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ124の光センサと接続されており、当該光センサから入力された信号に基づいて、第1搬送ローラ60の回転量を算出する。マイクロコンピュータ130は、シートセンサ120によって検知された記録用紙16と、算出した第1搬送ローラ60の回転量とに基づいて、記録用紙16の位置を把握できる。以上より、シートセンサ120、ロータリーエンコーダ124、及びマイクロコンピュータ130は、本発明のシート検知部の一例である。
[マイクロコンピュータ130]
図6に示されるように、マイクロコンピュータ130は、複合機10の全体動作を制御するものである。例えば、マイクロコンピュータ130は、キャリッジ駆動モータ103を制御して、記録部24を左右方向9に移動させる。マイクロコンピュータ130は、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えている。これらは内部バス137によって接続されている。
ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC135に設けられた駆動回路には、給紙用モータ101及び搬送用モータ102が接続されている。各モータを駆動させるための駆動信号が、CPU131から所定のモータに応じた駆動回路に入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から対応するモータへ出力される。これにより、対応するモータが所定の回転速度で正転または逆転する。
また、ASIC135には、メディアセンサ110が接続されている。これにより、以下で説明する信号がASIC135に入力される。
例えば、本実施形態では、記録部24が第3位置にしている場合において、図2に示されるように、フラップ41の第2姿勢への姿勢変化に連動して被検知部73が第3姿勢に姿勢変化した場合、メディアセンサ110は、反射率の大きい(反射し易い)被検知部73の第1面78と対向する。この場合、反射光の強さが強くなるため、ハイレベルの信号がメディアセンサ110から出力され、ASIC135に入力される。
一方、本実施形態では、記録部24が第3位置にしている場合において、フラップ41の第1姿勢への姿勢変化に連動して被検知部73が第4姿勢に姿勢変化した場合、メディアセンサ110は、反射率の小さい(反射し難い)被検知部73の第2面79と対向する。この場合、反射光の強さが弱くなるため、ローレベルの信号がメディアセンサ110から出力され、ASIC135に入力される。
以上により、メディアセンサ110の発光部111から被検知部73に向けて光を照射している状態において、フラップ41が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化すると、反射部112からマイクロコンピュータ130に入力される信号は、ローレベルからハイレベルに切りかわる。一方、メディアセンサ110の発光部111から被検知部73に向けて光を照射している状態において、フラップ41が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化すると、反射部112からマイクロコンピュータ130に入力される信号は、ハイレベルからローレベルに切りかわる。
また、本実施形態では、記録部24が第4位置にしている場合において、プラテン42上に記録用紙16が存在している場合、つまり白などの明るい色であって光を反射し易い記録用紙16が発光部111と対向している場合、ローレベルの信号がASIC135に入力される。これにより、マイクロコンピュータ130は、記録用紙16がプラテン42に支持されていると判断する。
一方、本実施形態では、記録部24が第4位置にしている場合において、プラテン42上に記録用紙16が存在していない場合、つまり黒などの暗い色であって光を反射し難いプラテン42の上面が発光部111と対向している場合、ハイレベルの信号がASIC135に入力される。これにより、マイクロコンピュータ130は、記録用紙16がプラテン42に支持されていないと判断する。
また、上述したように、ASIC135には、シートセンサ120の光センサ122が接続されている。また、上述したように、ASIC135には、ロータリーエンコーダ124の光センサが接続されている。
以下、図10のフローチャートに基づいて、フラップ41の姿勢変化と、マイクロコンピュータ130による第2搬送モータ45の反転処理とが説明される。なお、フラップ41及び被検知部73は、初期状態において、図2に示されるように、コイルバネ75の付勢力によって、それぞれ第2姿勢及び第3姿勢を維持している。これにより、メディアセンサ110からマイクロコンピュータ130にハイレベルの信号が入力され、マイクロコンピュータ130は、フラップ41が第2姿勢であると判断する。
操作パネル12(図1参照)が操作されることにより両面印刷が指示されると、マイクロコンピュータ130は給紙用モータ101及び搬送用モータ102を正転させる。すると、給紙ローラ25、第1搬送ローラ60、及び第2搬送ローラ45は正転で回転する。これにより、給紙トレイ20に載置された記録用紙16が搬送路65に沿って搬送向き80に搬送される(S10)。つまり、搬送用モータ102は、第2搬送ローラ45に第1駆動力を付与する。
給紙ローラ25によって搬送される記録用紙16の搬送向き80の先端がシートセンサ120の回転体121に当接して回転体121を押すと、シートセンサ120の光センサ122はハイレベルの信号をマイクロコンピュータ130に出力する。マイクロコンピュータ130は、(i)当該信号の入力によって記録用紙16の搬送向き80の先端の位置を認識する。また、マイクロコンピュータ130は、(ii)ロータリーエンコーダ124の光センサからの入力に基づいて、第1搬送ローラ60の回転量を算出する。上記の(i)及び(ii)により、マイクロコンピュータ130は、記録用紙16が回転体121に当接した後の、当該記録用紙16の搬送路65における位置を認識する。
その後、給紙ローラ25によって搬送される記録用紙16は、搬送ローラ対70に挟持される。これにより、記録用紙16は、搬送ローラ対70によって搬送される(S20)。
マイクロコンピュータ130は、上記の(i)及び(ii)によって記録用紙16の先端が印刷開始位置に到達したと判断すると、記録部24を制御して記録用紙16の表面に画像を記録させる(S30)。なお、マイクロコンピュータ130は、画像記録開始前に、記録部24を第4位置に移動させてメディアセンサ110の制御を行うことによって、記録用紙16がプラテン42上に間違いなく支持されているか否かを検知してもよい。
画像記録においては、記録部24によるインク滴の吐出と記録用紙16の所定距離(改行分)の搬送とが交互に実行される。そして、画像記録が完了すると、記録用紙16は、搬送ローラ対70または排出ローラ対44の少なくとも一方によって、搬送向き80に搬送される(S40)。
マイクロコンピュータ130は、記録部24による記録用紙16の表面への画像記録が完了した後、記録用紙16の搬送向き80の後端が所定位置(本発明の所定位置の一例)まで搬送されたか否かを判断する(S50)。ここで、所定位置は、記録用紙16の搬送向き80の後端がフラップ41を通過する位置よりも搬送向き80上流側の位置である。例えば、直線路65Bにおける記録部24よりも搬送向き80の下流側であってフラップ41よりも搬送向き80の上流側の位置である。
マイクロコンピュータ130は、上記の(i)及び(ii)によって、記録用紙16が所定位置まで搬送されたと判断すると、記録部24を第3位置に移動させる(S60)。そして、マイクロコンピュータ130は、発光部111からの光の照射を開始する。つまり、マイクロコンピュータ130は、メディアセンサ110の制御を行い、メディアセンサ110からの出力信号を取得する(S70)。なお、ステップS50〜S70の間にも、記録用紙16の搬送向きの搬送は継続されている(S80)。
図2に示されるように、フラップ41が第2姿勢である場合、被検知部73は第3姿勢であるため、第1面78がメディアセンサ110と対向される。これにより、ハイレベルの信号がASIC135に入力される。これにより、マイクロコンピュータ130は、フラップ41が第2姿勢であると判断する。一方、フラップ41が第1姿勢である場合、被検知部73は第4姿勢であるため、第2面79がメディアセンサ110と対向される。これにより、ローレベルの信号がASIC135に入力される。これにより、マイクロコンピュータ130は、フラップ41が第1姿勢であると判断する。以上説明したマイクロコンピュータ130によるフラップ41の姿勢を判断する制御は、本発明の判断部の一例である。
ステップS70が開始された時点において、記録部24よりも下流側を搬送される記録用紙16はフラップ41の上面に支持されている。これにより、フラップ41は記録用紙16の自重によって第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化している。よって、ステップS70が開始された時点において、マイクロコンピュータ130には、メディアセンサ110からローレベルの信号が入力される。これにより、マイクロコンピュータ130は、ステップS70が開始された時点において、フラップ41が第1姿勢であると判断する。
マイクロコンピュータ130は、メディアセンサ110から入力された信号がローレベルからハイレベルに切りかわったか否か、つまりフラップ41が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化したか否かを判断する(S90)。上述したように、ステップS70が開始された時点では、メディアセンサ110からマイクロコンピュータ130に入力される信号がローレベルであってローレベルが維持されているため、つまりフラップ41は第1姿勢を維持しているため(S90:No)、発光部111からの光の照射(S70)と記録用紙16の搬送向き80への搬送(S80)とが継続される。
その後、搬送される記録用紙16の搬送向き80の後端がフラップ41を抜けると、フラップ41は、コイルバネ75の付勢力によって第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化する。これにより、メディアセンサ110からマイクロコンピュータ130にハイレベルの信号が入力される。つまり、メディアセンサ110からマイクロコンピュータ130に入力される信号が、ローレベルからハイレベルに切りかわる。これにより、マイクロコンピュータ130は、フラップ41が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化されたと判断する(S90:Yes)。
フラップ41が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化されたと判断したマイクロコンピュータ130は、搬送用モータ102を制御して、排出ローラ対44を構成する第2搬送ローラ45に付与する駆動力を、第1駆動力から第2駆動力に切り換えさせる(S100)。ステップS100におけるマイクロコンピュータ130による駆動力の切換制御は、本発明の搬送制御部の一例である。
第2搬送ローラ45に付与される駆動力が第1駆動力から第2駆動力に切り換えられることによって、第2搬送ローラ45は正転から逆転へ回転向きが変わる(S100)。その結果、排出ローラ対44に挟持された記録用紙16は、搬送向き80とは逆向きに搬送される。このとき、直線路65Bは第2姿勢に姿勢変化されたフラップ41によって塞がれているため、記録用紙16は、フラップ41の下面にガイドされながら、反転搬送路67を搬送される(S110)。
反転搬送路67を搬送される記録用紙16は、第2位置37を経て、再び、搬送ローラ対70に挟持される。これにより、記録用紙16は、搬送ローラ対70によって搬送路56を搬送される(S120)。その後、搬送ローラ対70によって搬送された記録用紙16は、再び記録部24の真下に到達する。このとき、記録用紙16の裏面が記録部24と対向している。記録部24は記録用紙16の裏面に画像を記録する(S130)。これにより、記録用紙16の両面に画像が記録される。その後、記録用紙16は、排出ローラ対44を経て、排紙トレイ21に排出される(S140)。
[実施形態の効果]
本実施形態においては、記録部24はプラテン42と対向して設けられている。よって、記録部24に設けられているメディアセンサ110もプラテン42と対向して設けられている。したがって、メディアセンサ110は、プラテン42に記録用紙16が支持されているか否かを検知するために用いることができる。例えば、発光部111によってプラテン42に向かって照射された光の反射光の大きさが予め設定された閾値よりも大きい場合、プラテン42に記録用紙16が支持されていると検知され、上記反射光の大きさが上記閾値以下の場合、プラテン42に記録用紙16が支持されていないと検知される。
また、本実施形態においては、被検知部73がフラップ41の姿勢変化に連動して姿勢変化する。具体的には、被検知部73は、第1面78がメディアセンサ110と対向する姿勢と、第1面78がメディアセンサ110と対向しない姿勢とに姿勢変化する。そして、本実施形態においては、判断部が、メディアセンサ110と被検知部73とを対向させてメディアセンサ110の制御を行う。そして、判断部は、メディアセンサ110が第1面78と対向しているか否かによって異なる値となる信号に基づいて、フラップ41の姿勢を判断する。
つまり、本実施形態においては、フラップ41の姿勢を検知するために、プラテン42に記録用紙16が支持されているか否かを検知するためのセンサを流用することができる。すなわち、本実施形態によれば、フラップ41の姿勢を検知するために、専用のセンサを設ける必要がない。
また、本実施形態によれば、発光部111から照射された光は、第1面78及び第2面79で反射する。つまり、第1面78及び第2面79は光の反射面である。よって、本実施形態において、第1面78と第2面79とを同じ高さとすることによって、メディアセンサ110と光の反射面との距離を同一とすることができる。その結果、メディアセンサ110の検知精度を良くすることができる。
また、本実施形態によれば、プラテン42、フラップ41、被検知部73、及び連動部74が一つのモジュール50を構成しているため、モジュール50を構成する上記の各部材を複合機10に組み付ける際、各部材を個別に組み付ける必要がない。つまり、プラテン42、フラップ41、被検知部73、及び連動部74の複合機10への組み付けを容易に行うことができる。
また、いわゆる縁なし印刷を行う際、印刷対象の記録用紙16の縁部(記録用紙16の縁及びその近傍)のプラテン42上には、記録部24によって記録用紙16に付着された記録材(本実施形態ではインク)が残存する。そして、残存するインクが被検知部73の第1面78及び第2面79に付着すると、メディアセンサ110による検知結果に誤りが生じるおそれがある。しかし、本実施形態によれば、被検知部73は、上記縁部以外の位置に配置されている。よって、本実施形態によれば、被検知部73にインクが付着する可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、フラップ41の姿勢を判断する場合の記録部24の位置(第3位置)は、記録用紙16がプラテン42に支持されているか否かを判断する場合の記録部24の位置(第4位置)とは異なる。これにより、プラテン42に支持された記録用紙16に光を照射してフラップ41の姿勢を判断したり、被検知部73に光を照射して記録用紙16のプラテン42による支持の有無を判断したりすること、つまり誤判断をすることを防止することができる。
また、本実施形態では、フラップ41がその上面に記録用紙16を支持している場合、フラップ41は記録用紙16の自重により第1姿勢をとる。また、フラップ41が記録用紙16を支持していない場合、フラップ41はコイルバネ75に付勢されて第2姿勢をとる。つまり、フラップ41は、その上面に記録用紙16を支持しているときに第1姿勢をとり、当該記録用紙16がフラップ41を通過したときに第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化する。本実施形態によれば、このとき、搬送制御部によって排出ローラ対44の第2搬送ローラ45の駆動が逆転され、当該記録用紙16は逆送される。これにより、記録用紙16を反転搬送路67に導くことができる。
また、本実施形態では、記録用紙16の両面に画像を記録する場合、記録用紙16の搬送向き80の後端がフラップ41を通過した後に、フラップ41は第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化される。これにより、記録用紙16は、搬送路65から反転搬送路67に搬送され、その後、再び搬送路65を搬送されて、裏面に画像記録可能な状態で記録部24に到達される。本実施形態によれば、記録用紙16の搬送向き80の後端がフラップ41を通過する少し前に、判断部が記録部24を第3位置に移動させる。これにより、判断部はフラップ41の姿勢変化を確実に検知することができる。
[変形例1]
上述の実施形態では、被検知部73が第3姿勢の場合、第1面78が第3位置のメディアセンサ110と対向し、被検知部73が第4姿勢の場合、第2面79が第3位置のメディアセンサ110と対向した。しかし、図7及び図8に示されるように、被検知部73は第2面79を備えていなくてもよい。この場合、被検知部73が第3姿勢の場合、図7に示されるように、第1面78が第3位置のメディアセンサ110と対向し、被検知部73が第4姿勢の場合、図8に示されるように、被検知部73は第3位置のメディアセンサ110と対向しない。
よって、変形例1では、フラップ41の第2姿勢への姿勢変化に連動して被検知部73が第3姿勢に姿勢変化した場合、図7に示されるように、メディアセンサ110は、反射率の大きい(反射し易い)被検知部73の第1面78と対向する。これにより、ハイレベルの信号がマイクロコンピュータ130に入力される。
一方、フラップ41の第1姿勢への姿勢変化に連動して被検知部73が第4姿勢に姿勢変化した場合、図8に示されるように、メディアセンサ110は、被検知部73とは対向しない。その代わり、メディアセンサ110は、被検知部73の下方に位置する第2ガイド部材72と対向する。ここで、第2ガイド部材72を黒色などの濃色で構成しておく。すると、第2ガイド部材72の反射率は小さくなる。これにより、ローレベルの信号がマイクロコンピュータ130に入力される。
[変形例2]
上述の実施形態では、被検知部73の左右方向9の位置は、直線路65Bを搬送される記録用紙16より内側の位置であった。そして、第1ガイド部材71に開口77が形成されることにより、被検知部73と第3位置の記録部24のメディアセンサ110とは、対向された。
しかし、被検知部73の左右方向9の位置は、直線路65Bを搬送される記録用紙16より外側の位置であってもよい。この場合、被検知部73は、第1ガイド部材71よりも右側または左側に設けられる。よって、記録部24は、第1ガイド部材71と対向しない位置まで移動することによって、メディアセンサ110と被検知部73とを対向させる。したがって、変形例2では、被検知部73とメディアセンサ110とを対向させるための開口77は、第1ガイド部材71に形成されなくてもよい。
一方、直線路65Bを搬送される記録用紙16は、直線路65Bを区画する第1ガイド部材71よりも左右方向9の内側に位置される。以上より、変形例2において、第3位置は、左右方向9において直線路65Bを搬送される記録用紙16より外側の位置であり、第4位置は、左右方向9において直線路65Bを搬送される記録用紙16より内側の位置である。