JP5862076B2 - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント - Google Patents
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Description
標準偏差が2を超える場合には、前述の局所的な応力集中が生じフィブリル化が発生することがある。ここでいう標準偏差とは、統計値のバラツキの度合いを表す指標である。
(単繊維繊度)
モノフィラメント原糸を500mかせ取りし、かせの質量に20を乗じた値を繊度とした。
オリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、初期試料長20cm、引張速度2cm/分で破断した際の強度、伸度および5%・10%伸長時のモジュラスを測定し、それぞれ3回測定した値の平均値を強度(cN/dtex)、伸度(%)、5%モジュラス(cN/dtex)および10%モジュラス(cN/dtex)とした。また、5回連続して繰り返し測定を行い、得られた強度および伸度を用い、伸度の平方根と強度の積からタフネスを算出し、5回測定時の平均値および最大と最小の差Rを算出した。
(結晶化度と複屈折の測定)
レーザーラマン分光により、モノフィラメント原糸の結晶化度および複屈折の分布を測定した。測定には、堀場ジョバンイボン社製Ramanor T−64000を用い、光源にはAr+レーザー(514.5nm、50mW)を使用、100倍の対物レンズによって1μmに集光した。ラマン散乱光はシングル モード、スリット100μm、回折格子600および1800gr/mmの条件で、CCD検出器により検出した。
・換算結晶化度:χ(%)=100×(ρ−1.335)/(1.455−1.335)
・換算密度:ρ(g/cm3)=(305−Δν1730)/209
・Δν1730:1730cm−1付近のラマンバンド半値全幅
(換算密度は、種々のPET試料の半値幅から経験的に求めた。)
・換算複屈折:Δn(×10−3)=275×(R−1)/(R+2)
(・配向パラメータ:強度比R=I1615平行/I1615垂直
・I1615平行:繊維方向に平行な偏向配置での1615cm−1ラマンバンドの強度
・I1615垂直:繊維方向に垂直な偏光配置での1615cm−1ラマンバンドの強度
(換算複屈折率は、1軸延伸の繊維を標準として求めた。)
<耐摩耗性評価>
(強制繰り返し擦過試験)
φ3mmの梨地金属棒に接触角35°で糸(モノフィラメント原糸)を掛け、梨地金属棒から340mmの所で糸張力2.5g/dtexとして把持し、ストローク長30mm、速度700回/分で往復運動を与えた。その後、糸表面の顕微鏡観察を行い、糸表面に削れが確認されたときの往復運動の回数を擦過回数とした。擦過回数3000回以上を○とし、2500回以上3000回未満を△とし、2000回以上2500回未満を×とし、2000回未満を××とし、擦過回数2500回以上(○と△)のモノフィラメントを合格とした。
経糸、緯糸共に本発明の各実施例および各比較例のポリエステルモノフィラメントを用いて、スルーザー織機によって常法に従い織機の回転数200rpmで300メッシュのスクリーン紗を製織した際、得られたスクリーン紗の1m3あたりの削れ欠点発生個数を耐摩耗性の指標とした。また、製織での張力変動の大小を高次加工における糸条通過性の指標とし、下記のとおり耐摩耗性および高次糸条通過性の観点から4段階で総合評価を行い、次の○と△のモノフィラメントを合格とした。
○ :削れ欠点発生個数が0.01個/m3以下、製織時の張力変動が極めて小さい。
△ :削れ欠点発生個数が0.01個/m3以上0.05個/m3以下、製織時の張力
変動が小さい。
× :削れ欠点発生個数が0.05個/m3以上0.10個/m3以下、製織時の張力
変動が大きい。
××:削れ欠点発生個数が0.10個/m3以上、製織時の張力変動が極めて大きい。
常法によって重合およびチップ化した固有粘度が0.78で、酸化チタンを0.5質量%含有するPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いた。紡糸工程および延伸工程は、図2に示す1工程法によるものである。PETをエクストルーダーによって溶融させた後、溶融PETは295℃の温度に保温した配管内を通過させた後、公知の単成分型紡糸口金2から糸条を紡出させた。吐出糸条は口金面から下方に100mmの間、パックハウジング1と一体化した保温筒3により積極保温した。保温筒3の設定温度は377℃とし、保温筒3の材質には、熱伝導率196kcal/m・h・℃の純アルミニウムを用いた。保温筒3の中心、すなわち紡糸口金面の中心から鉛直下向きに50mmの位置における保温筒内雰囲気温度を測定したところ、301℃で、時間変化は0.9℃/分であった。
実施例2と3および比較例1と比較例2では、保温筒の設定温度を、各々を385℃、375℃、360℃および400℃に変更し、保温筒3の中心、すなわち紡糸口金面の中心から鉛直下向きに50mmの位置における保温筒内雰囲気温度を表1のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルモノフィラメントを得た。実施例2では実施例1と大きな差は見られず、実施例3ではタフネスがやや低下し、長手方向のRがやや悪化したものの、強制擦過試験での擦過回数は2500回以上3000回未満であり、製織工程でのフィブリル化も少なかった。一方、製織での張力変動は小さかった。
比較例4は、延伸方法を一段延伸としたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルモノフィラメントを得た。比較例4では、繊維表面から中心に向かって1μmの位置と繊維中心の結晶化度および複屈折の差、繊維表面層における結晶化度および複屈折の勾配(繊維表面から中心に向かって1μmの位置とその位置よりさらに2μm中心方向の位置における結晶化度および複屈折の差)、タフネスの長手方向のRが悪化し、繊維断面方向の結晶化度の標準偏差も悪化した。強制擦過試験での擦過回数は2000回以上2500回未満であり、製織工程でのフィブリル化も散見された。比較例5では、2工程法・多段延伸で製糸を行い、比較例6では2工程法・一段延伸で製糸を行い、それに併せて延伸ホットローラー速度を表2のとおり変更した。比較例5、6ともに、タフネス平均値および長手のばらつき、繊維表面から中心に向かって1μmの位置と繊維中心の結晶化度および複屈折の差、繊維表面層における結晶化度および複屈折の勾配(繊維表面から中心に向かって1μmの位置とその位置よりさらに2μm中心方向の位置における結晶化度および複屈折の差)、繊維断面方向の結晶化度の標準偏差ともに劣位となり、比較例6の方が悪化度合いは大きかった。強制擦過試験での擦過回数は、比較例5、6ともに2000回未満、製織で削れ欠点も多発し、製織での張力変動も非常に大きかった。
実施例5および比較例7、8では、紡糸速度およびトータル延伸倍率(延伸ホットローラー速度)を、表3のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルモノフィラメントを得た。実施例5では、強度とモジュラスがやや高くなったものの、それ以外には実施例1と大きな差は見られず、強制擦過試験での擦過回数は2500回以上3000回未満であり、製織工程でのフィブリル化も少なく、製織での張力変動は小さかった。
実施例6と7および比較例9と10では、延伸倍率比率および延伸ホットローラー速度を、表4のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルモノフィラメントを得た。実施例6と7では、実施例1と大きな差は見られず、強制擦過試験での擦過回数は3000回以上であり、製織工程でのフィブリル化もなく、製織での張力変動は非常に小さかった。
比較例11では、表面粗度2.5Sの梨地ローラーを第2ホットローラーに適用したこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルモノフィラメントを得た。タフネス平均値がわずかに低下し、長手方向のRは劣位となった。また、繊維断面方向における結晶化度の標準偏差も悪化し、強制擦過試験での擦過回数は2500回以上3000回未満となり、製織工程でのフィブリル化も少なく、製織での張力変動は小さかったが、実施例1に比してやや劣位となった。
B:繊維中心軸
C:繊維軸に対し垂直な繊維断面
D:繊維中心
E:繊維表面から中心に向かって1μmの位置
F:Eからさらに2μm中心方向の位置
G:繊維表面Iと繊維中心Dを両端とする任意の5点
H:線維表面層
I:線維表面
1:パックハウジング
2:紡糸口金
3:保温筒
4:糸条冷却風装置
5:給油ローラー
6:第1ゴデットローラー
7:温度調節保温容器
8:第1ホットローラー
9:第2ホットローラー
10:最終ホットローラー
11:第2ゴデットローラー
12:第3ゴデットローラー
13:糸条巻取装置
Claims (2)
- ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする単成分ポリエステルモノフィラメントであって、該ポリエステルモノフィラメントの繊維軸に対し垂直な任意の繊維断面において、繊維中心の結晶化度と繊維表面から中心に向かって1μmの位置における結晶化度との差が4%以下、繊維表面から繊維中心まで任意に少なくとも5点以上結晶化度を測定した際の標準偏差が2以下であり、強度5.0cN/dtex以上7.0cN/dtex以下、5%モジュラス2.4cN/dtex以上4.0cN/dtex以下であることを特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
- 繊維軸に対し垂直な任意の繊維断面において、繊維表面から中心に向かって1μmの位置における結晶化度と該位置からさらに2μm中心方向の位置における結晶化度との差が2%以下であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
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