以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、第2始動入賞記憶表示エリア5HR、及び、今回保留表示部5Kが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する、保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。すなわち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1特図を用いた特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した第1始動条件に対応する可変表示に関する情報が第1保留情報として記憶(保留)され、第1保留情報に基づいて第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が行われる。
第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する、保留数(第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。すなわち、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、第2特図を用いた特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した第2始動条件に対応する可変表示に関する情報が第2保留情報として記憶(保留)され、第2保留情報に基づいて第2始動入賞記憶表示エリア5HRに保留表示が行われる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく第1保留情報と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく第2保留情報とを、特に区別しない場合には、単に、「始動条件(「実行条件」とも称する)」とも称する。また、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
今回保留表示部5Kは、保留情報の変動が実行(消化)されるときに、当該変動の保留表示が取り込まれる領域である。例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、今回変動する保留の保留表示、すなわち第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている保留表示のうち一番古くから表示されている保留表示(例えば、今回保留表示部5Kの側(中央側)に表示されている保留表示)が、今回保留表示部5K(例えば、今回保留表示部5Kの上部)に移動表示される。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示がある場合には、今回変動する保留表示の今回保留表示部5Kへの移動表示に伴って、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示される。また、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、今回変動する保留の保留表示、すなわち第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示されている保留表示のうち一番古くから表示されている保留表示(例えば、今回保留表示部5Kの側(中央側)に表示されている保留表示)が、今回保留表示部5K(例えば、今回保留表示部5Kの上部)に移動表示される。なお、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の保留表示がある場合には、今回変動する保留表示の今回保留表示部5Kへの移動表示に伴って、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示される。
なお、始動入賞記憶表示エリア5H(第1始動入賞記憶表示エリア5HL、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなど)に表示される保留表示の表示態様、今回保留表示部5Kに移動表示される保留表示の表示態様、及び、今回保留表示部5Kの態様は、制御によって変化または変更されるが、詳細は後述する。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数(第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数)を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数(第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数)を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目など)を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも各種の演出動作が実行されてもよい。
また、画像表示装置5では、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、当該予告対象となる可変表示(所謂先読みターゲットの可変表示)を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。
ある遊技球の入賞による先読み予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読み予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読み予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読み予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
この実施の形態では、先読み予告演出として、今回保留表示部5Kの態様を複数種類の態様のいずれかに変更させる先読み予告演出(以下、「今回保留表示部変更予告」ともいう。)、及び、保留表示の表示態様を変化させる先読み予告演出(以下、「保留表示変化予告」ともいう。)を実行する。
今回保留表示部変更予告は、先読みターゲットである可変表示の可変表示結果が「大当り」となる可能性に応じて、画像表示装置5の表示領域に配置されている今回保留表示部5Kの態様を複数種類のいずれかに変更する先読み予告演出である。この実施の形態では、今回保留表示部5Kの色(表示色)として、通常時の色(初期値)として白色、変更後の色として青色、赤色の合計3色を用意している。そして、可変表示結果が「大当り」となる可能性に応じて、白色(変更無)、青色(変更有)または赤色(変更有)のいずれかの色を選択するように制御している。具体的には、可変表示結果が「大当り」となると判定された場合には可変表示結果が「大当り」とならないと判定された場合に比べ、今回保留表示部5Kの色を白色から青色または赤色に変更する確率を高くしている。
保留表示変化予告は、先読みターゲットである可変表示の開始時に、該可変表示に対応する保留表示を始動入賞記憶表示エリア5H(第1始動入賞記憶表示エリア5HLまたは第2始動入賞記憶表示エリア5HR)から今回保留表示部5Kに移動表示させるときに、今回保留表示部5Kに移動表示させた保留表示の表示態様を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示していたときの表示態様から変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆する先読み予告演出である。
この実施の形態では、保留表示の色(表示色)として、通常時の色(初期値)として白色、変更後の色として青色、赤色の合計3色を用意している。保留表示の色は、可変表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)を示唆する。この実施の形態では、信頼度が最も高い保留表示の色を赤色、2番目に高い保留表示の色を青色としている。今回保留表示部5Kに移動表示させた後の保留表示の色は上記3色のいずれかの色をとるが、今回保留表示部5Kに移動表示させる前(始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示中)にも同様に上記3色のいずれかの色をとる。今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の色(移動前の色)と、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の色(移動後の色)の組合せを、便宜上、「移動前の色→移動後の色(移動前後の色の変化の有無)」というように表記した場合、理論上は、「白色→白色(白色を維持し変化無)」、「白色→青色(白色から青色に変化有)」、「白色→赤色(白色から赤色に変化有)」、「青色→白色(青色から白色に変化有)」、「青色→青色(青色を維持し変化無)」、「青色→赤色(青色から赤色に変化有)」、「赤色→白色(赤色から白色に変化有)」、「赤色→青色(赤色から青色に変化有)」「赤色→赤色(赤色を維持し変化無)」の9パターンの制御方法が存在するが、「青色→白色」、「赤色→白色」、「赤色→青色」の3パターンは、遊技者を落胆させるため採用せず、この実施の形態では、「白色→白色」、「白色→青色」、「白色→赤色」、「青色→青色」、「青色→赤色」、「赤色→赤色」の6パターンを採用している(図21参照)。
そして、保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hから今回保留表示部5Kに移動表示させるときに、移動先である今回保留表示部5Kの態様に応じて異なる割合で、移動表示させた保留表示の色を変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆するように制御している。すなわち、今回保留表示部5Kの色に応じて、先読みターゲットである可変表示の保留表示の色を変化させる確率(上述の6パターンのなかから変化有のパターン(「白色→青色」、「白色→赤色」、「青色→赤色」)を選択する確率)が異なるように制御している。具体的には、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合には今回保留表示部5Kの色が青色である場合に比べ、保留表示の色を変化させる確率を高くしている。また、今回保留表示部5Kの色が青色である場合には今回保留表示部5Kの色が白色である場合に比べ、保留表示の色を変化させる確率を高くしている(図21参照)。
つまり、今回保留表示部5Kの態様に応じて異なる割合で、異なる可能性(可変表示結果が「大当り」となる可能性)を示唆する保留表示変化予告を実行するように制御している。例えば、「白色→白色」が選択される確率は、今回保留表示部5Kの色が白色である場合に最も高く、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合に最も低くなるようにしている。また、「白色→赤色」が選択される確率は、今回保留表示部5Kの色が白色である場合に最も低く、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合に最も高くなるようにしている(図21参照)。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターンの判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図14(A)参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターンを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「2」〜「4」または「5」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
なお、図5に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特図を用いた特図ゲームを開始する場合と、第2特図を用いた特図ゲームを開始する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図10(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図10(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図14(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図13のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図12のステップS110、図15)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図12のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図13のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S407、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1〜PA1−5のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1〜PA2−3のいずれかである場合には、リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPB1−1〜PB1−3のいずれかである場合には、大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPC1−1、PC1−2のいずれかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、リーチハズレ、大当り、突確・小当り、のいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。例えば、リーチを伴う変動パターンである場合には、ノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかによって異なる変動カテゴリと判定するようにしてもよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図14(B)に示す変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図13に示す始動入賞判定処理や図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図13におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図14(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図14(A)におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図13におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図15は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図14(A)に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図16のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図16に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図17は、コマンド解析処理として、図16のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3などを示す数値データに基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過しているか否かを判定する。このとき、これらの待ち時間が経過していなければ、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信コマンドを格納する。一方、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときに、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過していれば、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、あるいは、正常な受信期間内に受信できなかったとして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信コマンドを格納すればよい。
図18は、演出制御プロセス処理として、図16のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告決定処理を実行する(ステップS161)。
図19、図20は、図18のステップS161にて実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図19、図20の先読み予告決定処理は、始動条件成立時の処理であって、始動入賞記憶表示エリア5Hへの保留表示の追加表示、追加表示する保留表示の態様の決定、今回保留表示部5Kの態様の変更の要否、及び、変化の内容などを必要に応じて決定または実行する処理を含む。
図19、図20に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(ステップS701)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS703)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS703;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
ステップS703にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS703;Yes)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS705)。この実施の形態では、小当り遊技状態や大当り遊技状態である場合に先読み予告演出の実行が制限される。小当り遊技状態や大当り遊技状態であるか否かは、演出プロセスフラグの値が“4”〜“7”のいずれかであるか否かなどにより特定すればよい。
また、上記に加えて、遊技状態が時短状態や確変状態などにおいて時短制御が実行され、かつ、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、先読み予告演出の実行を制限してもよい。遊技状態が時短状態や確変状態であるか否かは、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限される。高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。例えば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(例えば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定し、例えば、今回の大当り遊技状態の終了後に既に決定した演出を実行してもよい。
ステップS705にて先読み予告制限中ではないと判定された場合には(ステップS705;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS707)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS709)。ステップS709の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否か、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとの内容が整合しているか否かなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。なお、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS709にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS709;Yes)、先読み予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS711)。例えば、ステップS711の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告実行中フラグがオンであるときに、先読み予告演出を実行中であると判定すればよい。先読み予告実行中フラグは、先読み予告演出が実行中であるときにオン状態にセットされる。
ステップS711にて先読み予告演出が実行中ではないと判定された場合には(ステップS711;No)、先読み予告演出を実行するか否かと、先読み予告演出を実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定する(ステップS713)。
一例として、ステップS713の処理では、先読み予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の先読み予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、例えば、図21に示すような割合で、先読み予告パターンを決定すればよい。
図21は、先読み予告決定パターンの決定割合の設定例である。この実施の形態では、先読み予告パターンとして、図21に示すように、PAP1−1、PAP1−2、PAP1−3、PAP1−4、PAP1−5、PAP1−6、PAP2−1、PAP2−2、PAP2−3、PAP2−4、PAP2−5、PAP2−6、PAP3−1、PAP3−2、PAP3−3、PAP3−4、PAP3−5、PAP3−6の18種類が設けられている。
PAP1−X(X=1〜6)は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターン群である。PAP1−1は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を白色(初期値)とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様も白色とする先読み予告パターンである。つまり、上述したように、移動前の色と移動後の色の組合せを「移動前の色→移動後の色(移動前後の色の変化の有無)」というように表記した場合には、PAP1−1は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「白色→白色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP1−2は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を白色(初期値)とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様を青色とする先読み予告パターンである。つまり、PAP1−2は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「白色→青色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP1−3は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を白色(初期値)とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様を赤色とする先読み予告パターンである。つまり、PAP1−3は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「白色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP1−4は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を青色とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様も青色とする先読み予告パターンである。つまり、PAP1−4は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「青色→青色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP1−5は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を青色とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様を赤色とする先読み予告パターンである。つまり、PAP1−5は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「青色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP1−6は、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とする先読み予告パターンであって、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様を赤色とし、かつ、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様も赤色とする先読み予告パターンである。つまり、PAP1−6は、今回保留表示部5Kを白色(初期値)とし、「赤色→赤色(変化無)」とする先読み予告パターンである。
なお、上述した様に、PAP1−1は、今回保留表示部5Kの表示態様も、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示の表示態様も、当該保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示した後の表示態様も白色(白色)であるため、PAP1−1を適用してもしなくても、今回保留表示部5K、及び、今回保留表示部5Kに移動表示する前後の保留表示の表示態様は、実質的に初期値のままであって同一である。したがって、PAP1−1は、先読み予告パターンの決定処理(ステップS713)を行わない場合における、今回保留表示部5K、及び、今回保留表示部5Kに移動表示する前後の保留表示の表示態様としても用いられる。
PAP2−X(X=1〜6)は、今回保留表示部の表示態様を青色とする先読み予告パターン群である。PAP2−1は、今回保留表示部5Kを青色とし、「白色→白色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP2−2は、今回保留表示部5Kを青色とし、「白色→青色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP2−3は、今回保留表示部5Kを青色とし、「白色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP2−4は、今回保留表示部5Kを青色とし、「青色→青色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP2−5は、今回保留表示部5Kを青色とし、「青色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP2−6は、今回保留表示部5Kを青色とし、「赤色→赤色(変化無)」とする先読み予告パターンである。
PAP3−X(X=1〜6)は、今回保留表示部の表示態様を赤色とする先読み予告パターン群である。PAP3−1は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「白色→白色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP3−2は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「白色→青色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP3−3は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「白色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP3−4は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「青色→青色(変化無)」とする先読み予告パターンである。PAP3−5は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「青色→赤色(変化有)」とする先読み予告パターンである。PAP3−6は、今回保留表示部5Kを赤色とし、「赤色→赤色(変化無)」とする先読み予告パターンである。
図21に示した設定では、変動カテゴリが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「突確・小当り」、「大当り」のいずれであるかによって先読み予告パターンの決定割合を異ならせている。
具体的には、変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合には、PAP1−1は90.0%(未設定、以下同様)、PAP1−2は1.0%、PAP1−3は0.0%、PAP1−4は3.0%、PAP1−5は0.0%、PAP1−6は0.0%、PAP2−1は4.0%、PAP2−2は0.3%、PAP2−3は0.0%、PAP2−4は0.2%、PAP2−5は0.0%、PAP2−6は0.0%、PAP3−1は1.0%、PAP3−2は0.5%、PAP3−3は0.0%、PAP3−4は0.0%、PAP3−5は0.0%、PAP3−6は0.0%という決定割合としている。
変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合には、PAP1−1は80.0%、PAP1−2は2.0%、PAP1−3は0.1%、PAP1−4は4.0%、PAP1−5は0.1%、PAP1−6は0.3%、PAP2−1は8.0%、PAP2−2は0.6%、PAP2−3は0.2%、PAP2−4は0.3%、PAP2−5は0.1%、PAP2−6は0.2%、PAP3−1は2.0%、PAP3−2は0.7%、PAP3−3は0.5%、PAP3−4は0.4%、PAP3−5は0.5%、PAP3−6は0.0%という決定割合としている。
変動カテゴリが「小当たり」である場合には、PAP1−1は60.0%、PAP1−2は3.0%、PAP1−3は0.1%、PAP1−4は5.0%、PAP1−5は0.1%、PAP1−6は0.3%、PAP2−1は8.0%、PAP2−2は4.0%、PAP2−3は0.6%、PAP2−4は2.0%、PAP2−5は0.6%、PAP2−6は0.3%、PAP3−1は2.0%、PAP3−2は5.0%、PAP3−3は3.0%、PAP3−4は1.0%、PAP3−5は3.0%、PAP3−6は2.0%という決定割合としている。
変動カテゴリが「大当り」である場合には、PAP1−1は15.0%、PAP1−2は6.0%、PAP1−3は1.0%、PAP1−4は12.0%、PAP1−5は1.0%、PAP1−6は5.0%、PAP2−1は10.0%、PAP2−2は4.0%、PAP2−3は4.0%、PAP2−4は2.0%、PAP2−5は2.0%、PAP2−6は2.0%、PAP3−1は5.0%、PAP3−2は5.0%、PAP3−3は12.0%、PAP3−4は1.0%、PAP3−5は12.0%、PAP3−6は1.0%という決定割合としている。
上記設定では、全18種類の先読み予告パターンのなかからPAP3−X(X=1〜6)を決定する決定割合は、変動カテゴリが「大当り」であるときが最も高く、変動カテゴリが「小当り」であるときが2番目に高く、変動カテゴリが「リーチハズレ」であるときが3番目に高く、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であるときが最も低くなるように設定している。また、全18種類の先読み予告パターンのなかからPAP2−X(X=1〜6)を決定する決定割合についても、変動カテゴリが「大当り」であるときが最も高く、変動カテゴリが「小当り」であるときが2番目に高く、変動カテゴリが「リーチハズレ」であるときが3番目に高く、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であるときが最も低くなるように設定している。また、全18種類の先読み予告パターンのなかからPAP1−X(X=1〜6)を決定する決定割合は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であるときが最も高く、変動カテゴリが「リーチハズレ」であるときが2番目に高く、変動カテゴリが「小当り」であるときが3番目に高く、変動カテゴリが「大当り」であるときが最も低くなるように設定している。つまり、上記設定では、可変表示結果が「大当り」となると判定された場合には可変表示結果が「大当り」とならないと判定された場合に比べ、今回保留表示部5Kの色を白色から青色または赤色に変更する確率が高くなるようにしている。より詳細には、可変表示結果が「大当り」となると判定された場合には可変表示結果が「大当り」とならないと判定された場合に比べ、今回保留表示部5Kの色を白色から青色に変更する確率も白色から赤色に変更する確率もいずれも高くなるようにしているが、白色から赤色に変更する確率について特に高くなるようにしている。
また、上記設定では、PAP2−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群において、保留表示の色を変化させない先読み予告パターンであるPAP2−1(「白色→白色」)、PAP2−4(「青色→青色」)またはPAP2−6(「赤色→赤色」)ではなく、保留表示の色を変化させる先読み予告パターンであるPAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)またはPAP2−5(「青色→赤色」)が決定される確率(割合)は、PAP1−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群において、保留表示の色を変化させない先読み予告パターンであるPAP1−1(「白色→白色」)、PAP1−4(「青色→青色」)またはPAP1−6(「赤色→赤色」)ではなく、保留表示の色を変化させる先読み予告パターンであるPAP1−2(「白色→青色」)、PAP1−3(「白色→赤色」)またはPAP1−5(「青色→赤色」)が決定される確率(割合)よりも高くなるようにしている。つまり、今回保留表示部5Kの色が青色である場合には今回保留表示部5Kの色が白色である場合に比べ、保留表示の色を変化させる確率が高くなるようにしている。
また、PAP3−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群において、保留表示の色を変化させない先読み予告パターンであるPAP3−1(「白色→白色」)、PAP3−4(「青色→青色」)またはPAP3−6(「赤色→赤色」)ではなく、保留表示の色を変化させる先読み予告パターンであるPAP3−2(「白色→青色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)またはPAP3−5(「青色→赤色」)が決定される確率(割合)は、PAP2−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群において、保留表示の色を変化させない先読み予告パターンであるPAP2−1(「白色→白色」)、PAP2−4(「青色→青色」)またはPAP2−6(「赤色→赤色」)ではなく、保留表示の色を変化させる先読み予告パターンであるPAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)またはPAP2−5(「青色→赤色」)が決定される確率(割合)よりも高くなるようにしている。つまり、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合には今回保留表示部5Kの色が青色である場合に比べ、保留表示の色を変化させる確率が高くなるようにしている。
また、信頼度が最も高い保留表示の色は赤色、2番目に高い保留表示の色は青色であると説明したが、上記設定では、保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において赤色となっている先読み予告パターン(即ち、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示されたときから赤色にする先読み予告パターン、または、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示されたときは白色若しくは青色であって今回保留表示部5Kに移動した後に赤色にする先読み予告パターン)であるPAP1−3(「白色→赤色」)、PAP1−5(「青色→赤色」)、PAP1−6(「赤色→赤色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)、PAP2−5(「青色→赤色」)、PAP2−6(「赤色→赤色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)、PAP3−5(「青色→赤色」)、PAP3−6(「赤色→赤色」)の9種類のいずれかの先読み予告パターンが決定される確率(割合)は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」の場合には0.0%、変動カテゴリが「リーチハズレ」の場合は2.0%、変動カテゴリが「小当り」の場合は10.0%、変動カテゴリが「大当り」の場合は40.0%である。保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において青色となっている先読み予告パターンであるPAP1−2(「白色→青色」)、PAP1−4(「青色→青色」)、PAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−4(「青色→青色」)、PAP3−2(「白色→青色」)、PAP3−4(「青色→青色」)の6種類のいずれかの先読み予告パターンが決定される確率(割合)は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」の場合には5.0%、変動カテゴリが「リーチハズレ」の場合は8.0%、変動カテゴリが「小当り」の場合は20.0%、変動カテゴリが「大当り」の場合は30.0%である。保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において白色となっている先読み予告パターンであるPAP1−1(「白色→白色」)、PAP2−1(「白色→白色」)、PAP3−1(「白色→白色」)の3種類のいずれかの先読み予告パターンが決定される確率(割合)は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」の場合には95.0%、変動カテゴリが「リーチハズレ」の場合は90.0%、変動カテゴリが「小当り」の場合は70.0%、変動カテゴリが「大当り」の場合は30.0%である。つまり、赤色の保留表示が信頼度を最も高く、青色の保留表示が2番目に高くなるようにしている。
また、上記設定では、例えば、最も高い信頼度である赤色の保留表示への変化(「白色→赤色」、「青色」→「赤色」)は、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合(PAP3−3とPAP3−5の決定割合の合計)が最も頻度が多く、今回保留表示部5Kの色が青色である場合(PAP2−3とPAP2−5の決定割合の合計)が2番目に頻度が多く、今回保留表示部5Kの色が白色である場合(PAP1−3とPAP1−5の決定割合の合計)が最も頻度が少なくなるようにしている。つまり、上記設定では、今回保留表示部5Kの色に応じて異なる割合で、異なる「大当り」となる可能性(信頼度)を示唆する保留表示変化予告を実行するように設定している。
なお、上述した様に、先読み予告パターンの決定処理(ステップS713)を行わない場合には初期値(PAP1−1)が適用されるため、先読み予告パターンの決定処理(ステップS713)を行わない場合も考慮すると、保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において白色となっている先読み予告パターンが決定される各確率(割合)は上述の各値よりも大きくなり、保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において赤色または青色となっている先読み予告パターンが決定される確率(割合)は上述の各値よりも小さくなる。
また、上述の如く、保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において赤色となっている先読み予告パターンであるPAP1−3(「白色→赤色」)、PAP1−5(「青色→赤色」)、PAP1−6(「赤色→赤色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)、PAP2−5(「青色→赤色」)、PAP2−6(「赤色→赤色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)、PAP3−5(「青色→赤色」)、PAP3−6(「赤色→赤色」)の9種類のいずれかの先読み予告パターンが決定される確率(割合)は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」の場合には0.0%であるため、保留表示が今回保留表示部5Kに移動した時点において赤色となっていれば、リーチ以上は確定である(「リーチハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれかである)。
なお、変動カテゴリが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」の場合のいずれも、PAP3−6は0.0%という決定割合であるため、今回保留表示部5Kが赤色であって、かつ、今回保留表示部5Kに移動表示する前の保留表示が赤色であれば、小当り以上は確定である(「小当り」、「大当り」のいずれかである)。
図19に示すステップS713に続いて、ステップS713によって、初期値(PAP1−1)が決定されたか否かを判定する(ステップS715)。このとき、初期値(PAP1−1)が決定されていなければ(ステップS715;No)、今回の受信コマンドに対応付けて(例えば、今回の受信コマンドを格納したバッファ番号とともに)、ステップS713にて決定した先読み予告パターン(初期値以外)を、RAM122などに設けられる先読み予告パターン記憶用のバッファなどにセット(記憶)する(ステップS717)。なお、バッファ番号をセットする場合には、飾り図柄の可変表示を開始するごとに(バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」以降に格納されている各コマンドがシフトされるごとに)、セットしているバッファ番号を減算すればよい。
ステップS717の処理に続いて、先読み予告演出が実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオン状態にセットする(ステップS719)。続いて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(図20のステップS721)。
ステップS721にて第1始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS721;Yes)、セットした先読み予告パターン(初期値以外)に応じて第1始動入賞記憶表示エリア5HLへの保留表示の表示動作を制御する(ステップS723)。即ち、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たに保留表示を追加する。ステップS723では、ステップS717にてセットした先読み予告パターン(PAP1−1以外)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて、新たに追加する保留表示の色を決定する。
具体的には、ステップS717にて、PAP1−2(「白色→青色」)、PAP1−3(「白色→赤色」)、PAP2−1(「白色→白色」)、PAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)、PAP3−1(「白色→白色」)、PAP3−2(「白色→青色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)のいずれかをセットしていた場合には白色の保留表示を追加し、PAP1−4(「青色→青色」)、PAP1−5(「青色→赤色」)、PAP2−4(「青色→青色」)、PAP2−5(「青色→赤色」)、PAP3−4(「青色→青色」)、PAP3−5(「青色→赤色」)のいずれかをセットしていた場合には青色の保留表示を追加し、PAP1−6(「赤色→赤色」)、PAP2−6(「赤色→赤色」)、PAP3−6(「赤色→赤色」)のいずれかをセットしていた場合には赤色の保留表示を追加する。
一方、ステップS721にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS721;No)、セットした先読み予告パターン(初期値以外)に応じて第2始動入賞記憶表示エリア5HRへの保留表示の表示動作を制御する(ステップS724)。即ち、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに新たに保留表示を追加する。ステップS724では、ステップS723と同じように、ステップS717にてセットした先読み予告パターン(PAP1−1以外)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて、新たに追加する保留表示の色を決定すればよい。
ステップS723またはステップS724の処理に続いて、セットした先読み予告パターン(初期値以外)に応じて今回保留表示部5Kの表示動作を制御する(ステップS726)。具体的には、ステップS717にて、PAP2−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群のいずれかをセットしていた場合には、今回保留表示部5Kの色を青色に変更し、PAP3−X(X=1〜6)の先読み予告パターン群のいずれかをセットしていた場合には、今回保留表示部5Kの色を赤色に変更する(「今回保留表示部変更予告」)。なお、ステップS717にて、PAP1−X(X=2〜6)の先読み予告パターン群のいずれかをセットしていた場合には、今回保留表示部5Kの色を白色とする(変更無)。そして、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS705にて先読み予告制限中であると判定された場合(ステップS705;Yes)、ステップS711にて先読み予告演出が実行中であると判定された場合(ステップS711;Yes)、ステップS715にて初期値(PAP1−1)が決定されたと判定された場合(ステップS715;No)には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(図20のステップS731)。
ステップS731にて第1始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS731;Yes)、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)に従って第1始動入賞記憶表示エリア5HLへの保留表示の表示動作を制御する(ステップS733)。即ち、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たに保留表示を追加する。このとき、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに、白色の保留表示を追加する。そして、先読み予告決定処理を終了する。
一方、ステップS731にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS731;No)、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)に従って第2始動入賞記憶表示エリア5HRへの保留表示の表示動作を制御する(ステップS734)。即ち、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに新たに保留表示を追加する。このとき、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに、白色の保留表示を追加する。そして、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS709にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(ステップS709;No)、保留表示の非正常表示動作を制御する。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HL(又は第2始動入賞記憶表示エリア5HR)に、非正常時の表示態様(例えば灰色)の保留表示を追加する(図20のステップS743)。なお、表示色に代えてまたは加えて、表示形状の一部または全部、サイズなどを異ならせることにより、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったことを認識可能に報知できればよい。また、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を正常に受信できなかった場合でも、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信できていれば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定することができるので、通常の表示態様で保留表示を更新(表示)してもよい。そして、先読み予告決定処理を終了する。
こうした先読み予告決定処理では、ステップS709にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに、ステップS713の処理を実行しないことで、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。
なお、始動口入賞指定コマンドのみが欠落している場合や、保留記憶数通知コマンドのみが欠落している場合、あるいは、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとが整合しない場合にも、先読み予告演出を実行しないように制限されてもよい。すなわち、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報を取りこぼしたときには、先読み予告演出の実行を制限できればよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合がとれなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった、始動入賞の発生時における判定結果を認識可能に指定する判定結果情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、その他の判定結果情報によって判定結果を認識可能な場合であっても、その判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、いずれかの判定結果情報によって認識可能な判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、例えば高ベース状態であるときに始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部または全部を取りこぼした場合には、たとえ図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報を正常に受信したとしても、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。
また、例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
あるいは、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
図18に示すステップS161にて先読み予告決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図22は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1、PC1−2のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、先読み予告実行設定処理を実行する(ステップS535)。図23は、先読み予告実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図23の先読み予告決定処理は、開始条件成立時の処理であって、始動入賞記憶表示エリア5Hから今回保留表示部5Kへの保留表示の移動表示、移動表示する際の保留表示の表示態様の変化の要否、今回保留表示部の表示態様の初期化などを必要に応じて決定または実行する処理を含む。
図23に示す先読み予告実行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS601)。先読み予告実行中フラグがオン状態であれば(ステップS601;Yes)、今回の可変表示がターゲットの可変表示であるか否かを判定する(ステップS603)。今回の可変表示がターゲットの可変表示であるか否かは、例えば、RAM122などに設けられる先読み予告パターン記憶用のバッファなどに、先読み予告パターンに対応付けて、今回の可変表示のバッファ番号(バッファ番号「1」)がセットされているか否かにより判定してもよい。
ステップS603にて今回の可変表示がターゲットの可変表示であると判定した場合(ステップS603;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている処理対象の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605にて第1始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS605;Yes)、セットされている先読み予告パターンに応じて第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を制御する(ステップS607)。即ち、第1特図を用いた特図ゲームが開始されたことに対応して、セットされている先読み予告パターンを参照し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLから今回保留表示部5K(例えば、上部)に保留表示(ターゲットの可変表示に対応する保留表示)を移動表示する。ステップS607では、セットされている先読み予告パターンにおける“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて、今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を決定する。
具体的には、先読み予告決定処理(ステップS161のステップS717)にて、PAP2−1(「白色→白色」)、PAP3−1(「白色→白色」)のいずれかがセットされていた場合には今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を白色に決定し、PAP1−2(「白色→青色」)、PAP1−4(「青色→青色」)、PAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−4(「青色→青色」)、PAP3−2(「白色→青色」)、PAP3−4(「青色→青色」)のいずれかがセットされていた場合には今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を青色に決定し、PAP1−3(「白色→赤色」)、PAP1−5(「青色→赤色」)、PAP1−6(「赤色→赤色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)、PAP2−5(「青色→赤色」)、PAP2−6(「赤色→赤色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)PAP3−5(「青色→赤色」)、PAP3−6(「赤色→赤色」)のいずれかがセットされていた場合には今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を赤色に決定する。
また、ステップS607の処理にあわせて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示がある場合には、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。また、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドを削除し、バッファ番号「2」以降に格納されている各コマンドをシフトする。
一方、ステップS605にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS605;No)、セットされている先読み予告パターンに応じて第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示の表示動作を制御する(ステップS608)。即ち、第2特図を用いた特図ゲームが開始されたことに対応して、セットされている先読み予告パターンを参照し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRから今回保留表示部5K(例えば、上部)に保留表示(ターゲットの可変表示に対応する保留表示)を移動表示する。ステップS608では、ステップS607と同じように、先読み予告決定処理(ステップS161のステップS717)にてセットされている先読み予告パターン(PAP1−1以外)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて、新たに追加する保留表示の色を決定すればよい。
また、ステップS608の処理にあわせて、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の保留表示がある場合には、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。また、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドを削除し、バッファ番号「2」以降に格納されている各コマンドをシフトする。
ステップS607またはステップS608に続いて、初期値(PAP1−1)に従って今回保留表示部5Kの表示動作を制御する(ステップS610)。即ち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLまたは第2始動入賞記憶表示エリア5HRから今回保留表示部5K(例えば、上部)にターゲットの可変表示に対応する保留表示が移動表示され、ターゲットの可変表示に対応する保留表示の色を変化させる(または変化させない)という役割が終了したため、今回保留表示部5Kの色を初期化する。具体的には、例えば、PAP1−1(初期値)に基づいて、今回保留表示部5Kの色を白色にすればよい。これにより、先読み予告決定処理(ステップS161のステップS717)にて、PAP2−X(X=1〜6)がセットされていた場合には、今回保留表示部5Kの色は青色から白色に変更され、PAP3−X(X=1〜6)がセットされていた場合には、今回保留表示部5Kの色は赤色から白色に変更される。また、PAP1−X(X=2〜6)がセットされていた場合には、今回保留表示部5Kの色は白色のまま維持される。
ステップS610に続いて、先読み予告演出が実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオフ状態にセットする(ステップS612)。また、先読み予告決定処理(ステップS161のステップS717)にてセットした先読み予告パターン等をクリアする。そして、先読み予告実行設定処理を終了する。
ステップS601にて先読み予告実行中フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS601;No)、または、ステップS603にて今回の可変表示がターゲットの可変表示でないと判定した場合(ステップS603;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている処理対象の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS615)。ステップS615にて第1始動口入賞指定コマンドであると判定した場合には(ステップS615;Yes)、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)に従って第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を制御する(ステップS617)。即ち、第1特図を用いた特図ゲームが開始されたことに対応して、先読み予告パターン(PAP−1)を参照し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLから今回保留表示部5K(例えば、上部)に保留表示を移動表示する。ステップS617では、先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて、今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を決定する。具体的には、今回保留表示部5Kに移動した後も保留表示は白のままとする。
また、ステップS617の処理にあわせて、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示がある場合には、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。また、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドを削除し、バッファ番号「2」以降に格納されている各コマンドをシフトする。さらに、ステップS603にて今回の可変表示がターゲットの可変表示でないと判定した場合には(即ち、先読み予告実行中フラグがオン状態であるがターゲットの可変表示でない場合には)、ステップS717にて先読み予告パターンとともにセットしたバッファ番号を減算する。そして、先読み予告実行設定処理を終了する。
ステップS615にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS615;No)、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)に従って第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示を制御する(ステップS618)。即ち、第2特図を用いた特図ゲームが開始されたことに対応して、先読み予告パターン(PAP−1)を参照し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRから今回保留表示部5K(例えば、上部)に保留表示を移動表示する。ステップS618では、先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて、今回保留表示部5Kに移動した後の保留表示を決定する。具体的には、今回保留表示部5Kに移動した後も保留表示は白のままとする。
また、ステップS618の処理にあわせて、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の保留表示がある場合には、当該他の保留表示は、今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。また、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドを削除し、バッファ番号「2」以降に格納されている各コマンドをシフトする。さらに、ステップS603にて今回の可変表示がターゲットの可変表示でないと判定した場合には(即ち、先読み予告実行中フラグがオン状態であるがターゲットの可変表示でない場合には)、ステップS717にて先読み予告パターンとともにセットしたバッファ番号を減算する。そして、先読み予告実行設定処理を終了する。
ステップS535で先読み予告実行設定処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、先読み予告演出や変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における制御の具体的な一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたときや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたときに、図13のステップS209にて抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データに基づき、ステップS212にて入賞時乱数値判定処理が実行される。
入賞時乱数値判定処理では、図14(A)のステップS403、S404の判定決定や、ステップS412の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
演出制御基板12の側では、例えば演出制御用CPU120が図18のステップS161にて先読み予告決定処理を実行したときに、先読み予告の制限中でない場合や(ステップS705;No)、前回までの変動カテゴリ等が先読み予告演出を実行可能な状況であれば(ステップS709;Yes)、図19のステップS713にて先読み予告演出の有無や先読み予告パターンなどが決定される。そしてその決定結果に基づいて、複数回の変動に渡って先読み予告演出が実行される。
図24は、先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的には、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)が決定された場合における、今回保留表示部5Kの表示動作、及び、保留表示の表示動作の一例を示している。 図24(A)〜図24(J)は、上記表示動作を示すために主要場面を時系列に並べたものである。
図24、及び、図25(後述)〜図27(後述)において、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに示した球は保留表示である。破れ線の球は、当該位置に表示されていた保留表示が移動によって消去されたことを模式的に表している。周囲に放射状の線を付した球は新規に追加表示された保留表示であることを模式的に表している。また、内部が無地の球(保留表示)は白色の球(保留表示)を表し、内部が斜線の球(保留表示)は青色の球(保留表示)を表し(但し、図24では非登場)、内部がドットの球(保留表示)は赤色の球(保留表示)を表している(但し、図24等では非登場)。矩形にて図示した今回保留表示部5Kにおいて、内部が無地の矩形(今回保留表示部5K)は白色の矩形(今回保留表示部5K)を表し、内部が斜線の矩形(今回保留表示部5K)は青色の矩形(今回保留表示部5K)を表し(但し、図24等では非登場)、内部がドットの矩形(今回保留表示部5K)は赤色の矩形(今回保留表示部5K)を表している(但し、図24等では非登場)。
図24(A)は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて前回の変動による確定飾り図柄(「5」「4」「4」)を停止表示しているときに、今回の変動の可変表示開始設定(ステップS171)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(右側)の1つを今回保留表示部5Kの上部に移動表示し(ステップS617)、保留表示の他の1つを今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示している状態である。なお、図24(A)の状態では、先読み予告実行中フラグはオフ状態になっているものとする。
その後、図24(B)に示すように、変動(可変表示)を開始する(ステップS172)。なお、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの(「↓」「↓」「↓」)は、変動中であることを表している。当該変動中において第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、先読み予告決定処理(ステップS161)にて、図24(C)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示を追加する(ステップS733)。例えば、ステップS713にて初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)が決定された場合には、ステップS733にて初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて第1始動入賞記憶表示エリア5HLに白色の保留表示を追加する。なお、ステップS717の処理は行わないため、先読み予告実行中フラグはオフ状態のままとなる。また、ステップS726の処理は行わないため、今回保留表示部5Kの色は白色のままである(変更無)。
その後、図24(D)に示すように、例えば、確定飾り図柄(「2」「3」「6」)を停止表示する(ステップS172)。なお、図24(D)では、ステップS172の可変表示中演出処理において、変動終了とともに、今回保留表示部5Kの上部に表示していた保留表示を消去するようにしているが、変動中のいずれかのタイミングにおいて今回保留表示部5Kの上部に表示していた保留表示を消去するようにしてもよい。図24(G)、及び、図24(J)、並びに、後述する図25〜図27についても同様である。
続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオフ状態であると判定し(ステップS601;No)、図24(E)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(右側)の1つを今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS617)。このときには、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を白色とする(変化無)。また、保留表示の他の1つを今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。その後、図24(F)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、図24(G)に示すように、確定飾り図柄(「5」「1」「6」)を停止表示する(ステップS172)。
続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオフ状態であると判定し(ステップS601;No)、図24(H)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS617)。このときには、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を白色とする(変化無)。その後、図24(I)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、確定飾り図柄(「7」「1」「3」)を停止表示する(ステップS172)。
図25は、先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における他の表示動作例を示す図である。具体的には、先読み予告パターン(PAP3−5)が決定された場合における、今回保留表示部5Kの表示動作、及び、保留表示の表示動作の一例を示している。 図25(A)〜図25(K)は、上記表示動作を示すために主要場面を時系列に並べたものである。
図25(A)は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて前回の変動による確定飾り図柄(「5」「4」「4」)を停止表示しているときに、今回の変動の可変表示開始設定(ステップS171)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(右側)の1つを今回保留表示部5Kの上部に移動表示し(ステップS617)、保留表示の他の1つを今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示している状態である。なお、図25(A)の状態では、先読み予告実行中フラグはオフ状態になっているものとする。
その後、図25(B)に示すように、変動(可変表示)を開始する(ステップS172)。当該変動中において第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、先読み予告決定処理(ステップS161)にて、図25(C)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示を追加するとともに(ステップS723)、今回保留表示部5Kの表示態様を変更する(ステップS726)。例えば、ステップS713にて先読み予告パターン(PAP3−5)が決定された場合には、ステップS717にてRAM122などに設けられる先読み予告パターン記憶用のバッファなどにステップS713にて決定した先読み予告パターン(PAP3−5)と当該第1始動条件の保留情報を記憶するバッファ番号(バッファ番号「2」)とをセットし(ステップS717)、ステップS719にて先読み予告実行中フラグをオン状態とし、ステップS723にて先読み予告パターン(PAP3−5)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて第1始動入賞記憶表示エリア5HLに青色の保留表示を追加し、ステップS726にて先読み予告パターン(PAP3−5)における“今回保留表示部の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの色を白色から赤色に変更する。なお、図25(C)において「T」を付した保留表示はターゲットの可変表示に係る保留情報である旨を表している。
その後、図25(D)に示すように、例えば、確定飾り図柄(「2」「3」「6」)を停止表示する(ステップS172)。続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオン状態であると判定し(ステップS601;Yes)、今回の可変表示がターゲットの可変表示でないと判定し(ステップS603;No)、図25(E)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(右側)の1つを今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS617)。このときには、初期値である先読み予告パターン(PAP1−1)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を白色とする(変化無)。また、保留表示の他の1つ(ターゲット)を今回保留表示部5Kの側(中央側)に移動表示する。その後、図25(F)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、図25(G)に示すように、確定飾り図柄(「5」「1」「6」)を停止表示する(ステップS172)。このとき、ステップS717にて先読み予告パターンとともにセットしたバッファ番号を減算(「2」→「1」)する。
続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオン状態であると判定し(ステップS601;Yes)、今回の可変表示がターゲットの可変表示であると判定し(ステップS603;Yes)、図25(H)に示すように第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS607)。このときには、先読み予告パターン(PAP3−5)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を青色から赤色に変化させる。続いて、図25(I)に示すように今回保留表示部5Kの色を初期化(赤色から白色に変更)する(ステップS610)。また、ステップS612にて先読み予告実行中フラグをオフ状態とする。その後、図25(J)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、確定飾り図柄(「7」「7」「7」)を停止表示する(ステップS176)。
図26は、先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における他の表示動作例を示す図である。具体的には、先読み予告パターン(PAP2−2)が決定された場合における、今回保留表示部5Kの表示動作、及び、保留表示の表示動作の一例を示している。 図26(A)〜図26(K)は、上記表示動作を示すために主要場面を時系列に並べたものである。なお、図26の流れは、図25の流れと表示色以外は同様であるため簡単に説明する。
図26(B)に示すように変動(可変表示)中において第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、図26(C)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示を追加するとともに(ステップS723)、今回保留表示部5Kの表示態様を変更する(ステップS726)。例えば、ステップS713にて先読み予告パターン(PAP2−2)が決定された場合には、ステップS717にてRAM122などに設けられる先読み予告パターン記憶用のバッファなどにステップS713にて決定した先読み予告パターン(PAP2−2)と当該第1始動条件の保留情報を記憶したバッファ番号(バッファ番号「2」)とをセットし(ステップS717)、ステップS719にて先読み予告実行中フラグをオン状態とし、ステップS723にて先読み予告パターン(PAP2−2)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて第1始動入賞記憶表示エリア5HLに白色の保留表示を追加し、ステップS726にて先読み予告パターン(PAP2−2)における“今回保留表示部の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの色を白色から青色に変更する。
図26(G)に続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオン状態であると判定し(ステップS601;Yes)、今回の可変表示がターゲットの可変表示であると判定し(ステップS603;Yes)、図26(H)に示すように第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS607)。このときには、先読み予告パターン(PAP2−2)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を白色から青色に変化させる。続いて、図26(I)に示すように今回保留表示部5Kの色を初期化(青色から白色に変更)する(ステップS610)。また、ステップS612にて先読み予告実行中フラグをオフ状態とする。その後、図26(J)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、確定飾り図柄(「7」「7」「7」)を停止表示する(ステップS176)。
図27は、先読み予告演出が実行される場合の画像表示装置5における他の表示動作例を示す図である。具体的には、先読み予告パターン(PAP1−2)が決定された場合における、今回保留表示部5Kの表示動作、及び、保留表示の表示動作の一例を示している。 図27(A)〜図27(K)は、上記表示動作を示すために主要場面を時系列に並べたものである。なお、図27の流れは、図25の流れと表示色以外は同様であるため簡単に説明する。
図27(B)に示すように変動(可変表示)中において第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立した場合、図27(C)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示を追加するとともに(ステップS723)、今回保留表示部5Kの表示態様を変更する(ステップS726)。例えば、ステップS713にて先読み予告パターン(PAP1−2)が決定された場合には、ステップS717にてRAM122などに設けられる先読み予告パターン記憶用のバッファなどにステップS713にて決定した先読み予告パターン(PAP1−2)と当該第1始動条件の保留情報を記憶したバッファ番号(バッファ番号「2」)とをセットし(ステップS717)、ステップS719にて先読み予告実行中フラグをオン状態とし、ステップS723にて先読み予告パターン(PAP1−2)における“今回保留表示部5Kに移動する前の表示態様”に基づいて第1始動入賞記憶表示エリア5HLに白色の保留表示を追加する。なお、ステップS726を実行するが、先読み予告パターン(PAP1−2)における“今回保留表示部の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの色を白色のままとする。
図27(G)に続いて、次の変動の準備として、ステップS171の可変表示開始設定処理において、先読み予告実行中フラグがオン状態であると判定し(ステップS601;Yes)、今回の可変表示がターゲットの可変表示であると判定し(ステップS603;Yes)、図27(H)に示すように第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を今回保留表示部5Kの上部に移動表示する(ステップS607)。このときには、先読み予告パターン(PAP1−2)における“今回保留表示部5Kに移動した後の表示態様”に基づいて今回保留表示部5Kの上部に移動後の保留表示を白色から青色に変化させる。続いて、図27(I)に示すように今回保留表示部5Kの色を初期化(元々白色であるため見た目の変化は無)する(ステップS610)。また、ステップS612にて先読み予告実行中フラグをオフ状態とする。その後、図27(J)に示すように、変動(可変表示)を開始し(ステップS172)、例えば、確定飾り図柄(「7」「6」「7」)を停止表示する(ステップS172)。
以上説明したように、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機1は、今回保留表示部変更予告として、先読み判定の判定結果に基づいて今回保留表示部5Kの色を複数種類の何れかに変更する。例えば、図21の先読み予告パターンの決定割合の設定例において、今回保留表示部5Kの表示態様を白色(初期値)とするPAP1−X(X=1〜6)を決定する割合は、先読み判定の判定結果(変動カテゴリ)が「非リーチハズレ」であるときが最も高く、「リーチハズレ」であるときが2番目に高く、「小当り」であるときが3番目に高く、「大当り」であるときが最も低くなるようにし、今回保留表示部5Kの表示態様を青色とするPAP2−X(X=1〜6)または今回保留表示部5Kの表示態様を赤色とするPAP3−X(X=1〜6)を決定する割合は、先読み判定の判定結果(変動カテゴリ)が「大当り」であるときが最も高く、「小当り」であるときが2番目に高く、「非リーチハズレ」であるときが3番目に高く、「リーチハズレ」であるときが最も低くなるようにしている。また、パチンコ遊技機1は、今回保留表示部5Kの色に応じて異なる割合で、今回保留表示部5Kに移動された保留表示の色を変化させることにより「大当り」となる可能性を示唆する保留表示変化予告を実行する(保留表示変化予告を実行するか否かを今回保留表示部5Kの色に応じて制御する)。例えば、図21の先読み予告パターンの決定割合の設定例では、今回保留表示部5Kの色が青色(PAP2−X(X=1〜6))または赤色(PAP3−X(X=1〜6))である場合には白色(PAP1−X(X=1〜6))である場合に比べ、今回保留表示部5Kに移動された保留表示の色を変化(「白色→青色」、「白色→赤色」、「青色」→「赤色」)させる確率が高くなるようにしている。つまり、将来の状況(先読み判定の判定結果)に応じて今回保留表示部5Kの色を適切に変更するとともに、今回保留表示部5Kの色に応じて、今回保留表示部5Kに移動する保留表示の色を変化させるか否かを異なる割合で制御しているので、今回保留表示部5Kに移動する前に、今回保留表示部5Kの色によって保留表示の色が変化する可能性を遊技者に察知させることができる。したがって、今回保留表示部5Kの色に遊技者が注目し、興趣を高めることができる。
また、パチンコ遊技機1は、今回保留表示部5Kの色に応じて異なる割合で、異なる「大当り」となる可能性(信頼度)を示唆する保留表示変化予告を実行する(保留表示変化予告の態様を今回保留表示部5Kの色に応じて制御する)。例えば、図21の先読み予告パターンの決定割合の設定例では、最も高い信頼度である赤色の保留表示への変化(「白色→赤色」、「青色」→「赤色」)は、今回保留表示部5Kの色が赤色である場合(PAP3−3とPAP3−5の決定割合の合計)が最も頻度が多く、今回保留表示部5Kの色が青色である場合(PAP2−3とPAP2−5の決定割合の合計)が2番目に頻度が多く、今回保留表示部5Kの色が白色である場合(PAP1−3とPAP1−5の決定割合の合計)が最も頻度が少なくなるようにしている。したがって、今回保留表示部5Kの色の変更によって、大当りとなる可能性の高い表示態様(赤色)に保留表示が変化することを遊技者に期待させ、興趣を高めることができる。
また、上記実施形態では、ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hへ追加した後は、ターゲットの保留表示の表示態様は、今回保留表示部5Kへ移動表示するタイミングにおいてのみ変化させているが、今回保留表示部5Kへの移動表示するタイミング以外の他のタイミングにおいてターゲットの保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。一例として、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示(ターゲットの保留表示よりも先に今回保留表示部5Kに移動表示される保留表示)が消化されるタイミングにおいて、ターゲットの保留表示を変化させるようにしてもよい。すなわち、例えば、保留表示が1つ存在するときに2つ目の保留について図21のPAP3−3(「白色→赤色」)を決定した場合、上記実施形態では、ターゲットである当該2つ目の保留表示が消化される前(今回保留表示部5Kへの移動表示する前)までは、ターゲットである保留表示は始動入賞記憶表示エリア5Hに追加された当初の白色のままであるが、例えば、1つ前の保留が消化されるタイミング(当該1つ前の保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示されるタイミング)にて、ターゲットの保留表示を変化(「白色」→「青色」)させ、ターゲットの保留が消化されるタイミング(ターゲットの保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示されるタイミング)にて、ターゲットの保留表示を変化(「青色」→「赤色」)させるようにしてもよい(下記「H1−PAP3−3−2」の場合)。また例えば、保留表示が2つ存在するときに3つ目の保留について図21のPAP3−3(「白色→赤色」)を決定した場合に、例えば、2つ前の保留が消化されるタイミング(当該2つ前の保留表示が今回保留表示部5Kに移動表示されるタイミング)にて、ターゲットの保留表示を変化(「白色」→「青色」)させ、さらに、1つ前の保留が消化されるタイミングにて、ターゲットの保留表示を変化(「青色」→「赤色」)させるようにしてもよい(下記「H2−PAP3−3−5」の場合)。
なお、上述の如く、ターゲットよりも前の保留が消化されるタイミングにおいて、ターゲットの保留表示を変化させる方法としては、例えば、図21の“保留記憶表示の表示態様”に、“今回保留表示部へ移動する前の表示態様”および“今回保留表示部へ移動した後の表示態様”に加え、ターゲットの前に存在する保留数毎に、ターゲットの前に存在する保留記憶が消化される毎のターゲットの保留表示の変化の有無、及び変化させる場合の変化内容(例えば、変化後の色)を規定しておけばよい。例えば、ターゲットの前に存在する保留数が1の場合の上記PAP3−3について、H1−PAP3−3−1として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(白色)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(「白色」→「赤色」)”を規定し、H1−PAP3−3−2として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(「白色」→「青色」)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(「青色」→「赤色」)”を規定し、H1−PAP3−3−3として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(「白色」→「赤色」)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(赤色)”を規定しておけばよい。また、例えば、ターゲットの前に存在する保留数が2の場合の上記PAP3−3について、H2−PAP3−3−1として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(白色)”、“2つ前消化時(白色)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(「白色」→「赤色」)”を規定し、H2−PAP3−3−2として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(白色)”、“2つ前消化時(「白色」→「青色」)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(「青色」→「赤色」)”を規定し、H2−PAP3−3−3として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(白色)”、“2つ前消化時(「白色」→「赤色」)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(赤色)”を規定し、H2−PAP3−3−4として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(「白色」→「青色」)”、“2つ前消化時(青色)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(「青色」→「赤色」)”を規定し、H2−PAP3−3−5として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(「白色」→「青色」)”、“2つ前消化時(「青色」→「赤色」)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(赤色)”を規定し、H2−PAP3−3−6として、“追加時(白色)”、“1つ前消化時(「白色」→「赤色」)”、“2つ前消化時(赤色)”、“今回保留表示部5Kへの移動時(赤色)”を規定しておけばよい。
なお、上述の如く、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミングにおいて、ターゲットの保留表示を変化させる場合には、当該変化にあわせて今回保留表示部5Kの態様を変更するようにしてもよい。例えば、保留表示が1つ存在するときに2つ目の保留について図21のPAP3−3(「白色→赤色」)を決定した場合に、1つ前の保留が消化されるタイミングにてターゲットの保留表示を変化(「白色」→「青色」)させ、ターゲットの保留が消化されるタイミングにてターゲットの保留表示を変化(「青色」→「赤色」)させるときは、ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加したときに変更(「白色」→「赤色」)させた今回保留表示部5Kの色(赤色)を、1つ前の保留が消化されるタイミング(ターゲットの保留表示を「白色」→「青色」に変化させるタイミング)にて変更(「赤色」→「青色」)させ、ターゲットの保留が消化されるタイミング(ターゲットの保留表示を「青色」→「赤色」に変化させるタイミング)にて初期化(「青色」→「白色」)させるようにしてもよい。また例えば、保留表示が2つ存在するときに3つ目の保留について図21のPAP3−3(「白色→赤色」)を決定した場合に、2つ前の保留が消化されるタイミングにてターゲットの保留表示を変化(「白色」→「青色」)させ、さらに、1つ前の保留が消化されるタイミングにてターゲットの保留表示を変化(「青色」→「赤色」)させるときは、ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加したときに変更(「白色」→「赤色」)させた今回保留表示部5Kの色(赤色)を、2つ前の保留が消化されるタイミング(ターゲットの保留表示を「白色」→「青色」に変化させるタイミング)にて変更(「赤色」→「青色」)させ、1つ前の保留が消化されるタイミング(ターゲットの保留表示を「青色」→「赤色」に変化させるタイミング)にて初期化(「青色」→「白色」)させるようにしてもよい。なお、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミングにおいてターゲットの保留表示を変化させる場合に当該変化にあわせて今回保留表示部5Kの態様を変更させる場合にも、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミングにおいてターゲットの保留表示を変化させる場合と同様、ターゲットの前に存在する保留数毎に、ターゲットの前に存在する保留記憶が消化される毎の今回保留表示部5Kの態様の変更の有無及び、変更させる場合の変更内容(例えば、変化後の色)を規定しておけばよい。
また、今回保留表示部5Kへ移動表示するタイミング以外の他のタイミングにおいてターゲットの保留表示の表示態様を変化させる他の例として、ターゲットの保留の前に存在する保留の変動中(可変表示中)に、ターゲットの保留表示を変化させるようにしてもよい。例えば、今回保留表示部5Kの上部に表示していた保留表示を消去する場合と同じ様に、ターゲットの保留表示の前に存在する保留の変動に係るステップS172の可変表示中演出処理において、ターゲットの保留表示を変化させるようにすればよい。なお、ターゲットの保留の前に存在する保留の変動中(可変表示中)にターゲットの保留表示を変化させる場合にも、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミングにおいてターゲットの保留表示を変化させる場合と同様、ターゲットの前に存在する保留数毎に、ターゲットの前に存在する保留記憶が変動される毎のターゲットの保留表示の変化の有無、及び変化させる場合の変化内容(例えば、変化後の色)を規定しておけばよい。
また、上記実施形態では、今回保留表示部5Kの態様は、ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hへ追加するタイミングにおいて変更させているが、ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hへ追加するタイミング以外の他のタイミングにおいて今回保留表示部5Kの態様を変更させるようにしてもよい。一例として、ターゲットの保留表示を移動表示させる直前に今回保留表示部5Kの態様を変更させるようにしてもよい。この場合には、タイマを用いて、今回保留表示部5Kの態様の変更から所定の時間が経過した後(例えば、数十ミリ秒から数秒程度)に、ターゲットの保留表示を今回保留表示部5Kに移動表示させるようにしてもよい。また、他の例として、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミング、または、ターゲットの保留の前に存在する保留の変動中(可変表示中)に、今回保留表示部5Kの態様を変更させるようにしてもよい。なお、ターゲットの保留表示の前に存在する保留表示が消化されるタイミング、または、ターゲットの保留の前に存在する保留の変動中(可変表示中)に、今回保留表示部5Kの態様を変更させる方法は、同タイミングにおいて、ターゲットの保留表示の表示態様を変化させる方法と同様であってもよい。
また、上記実施形態では、先読み判定の判定結果に基づいて今回保留表示部5Kの態様を変更しているが、先読み判定によらずに今回保留表示部5Kの態様を変更するようにしてもよい。例えば、入賞時(ターゲットの保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hへ追加するタイミング)に、保留情報(例えば、変動カテゴリ)によらずに適当な割合にて今回保留表示部5Kを変更するようにしてもよい。そして、例えば、今回保留表示部5Kに保留表示を移動表示させるときに当該保留表示が大当りの保留表示であると判定された場合に、今回保留表示部5Kが変更されているときには今回保留表示部5Kが変更されていないときに比べ、今回保留表示部5Kに移動表示させた保留表示の表示態様を変化させる割合を高くする。また、今回保留表示部5Kに保留表示を移動表示させるときに当該保留表示が大当りの保留表示でないと判定された場合には、今回保留表示部5Kに保留表示を移動表示させるときに当該保留表示が大当りの保留表示であると判定された場合と同様、今回保留表示部5Kが変更されているときには今回保留表示部5Kが変更されていないときに比べ、今回保留表示部5Kに移動表示させた保留表示の表示態様を変化させる割合を高くするが、保留情報を変化させる割合自体を、大当りの保留表示であると判定された場合と比べて小さい割合に設定する。例えば、開始条件の成立時に、今回保留表示部5Kが変更されているときに大当りの保留表示であると判定された場合には50%の確率で今回保留表示部5Kに移動表示させる保留表示を変化させ、今回保留表示部5Kが変更されていないときに大当りの保留表示であると判定された場合には10%の確率で今回保留表示部5Kに移動表示させる保留表示を変化させ、今回保留表示部5Kが変更されているときに大当り以外の保留表示であると判定された場合には0.5%の確率で今回保留表示部5Kに移動表示させる保留表示を変化させ、今回保留表示部5Kが変更されていないときに大当りの保留表示であると判定された場合には0.1%の確率で今回保留表示部5Kに移動表示させる保留表示を変化させる。これにより、保留表示自体の信頼性を保ちつつ、今回保留表示部5Kを変更したときに保留表示が変更される割合を高くすることができる。なお、上記確率は、説明の便宜上の一例であって、保留表示自体の信頼性を保ちつつ、今回保留表示部5Kを変更したときに保留表示が変更される割合を高くすることができる確率であれば他の確率を採用してもよい。
また、上記実施形態では、今回保留表示部5Kの表示色として、白色、青色、赤色の合計3色を用いているが、今回保留表示部5Kの3色は、白色、青色、赤色に限定するものではなく、任意に予め設定した3色を用いるようにしてもよい。また、今回保留表示部5Kの表示色は3色に限定するものではなく、2色又は4色以上の色を用いるようにしてもよい。また、上記実施形態では、今回保留表示部5Kの複数種類の態様として複数種類の表示色を用いているが、複数種類の態様は、複数種類の表示色に限定するものではなく、模様、形状、大きさなどによって識別可能な複数種類の態様であってもよい。
また、上記実施形態では、保留表示の表示色として、白色、青色、赤色の合計3色を用いているが、保留表示の3色は、白色、青色、赤色に限定するものではなく、任意に予め設定した3色を用いるようにしてもよい。また、今回保留表示部5Kの色の種類数および各色と、保留表示の色の種類数および各色とは必ずしも一致していなくてもよい。例えば、今回保留表示部5Kの色が白、赤の2色で、保留表示の色が白、黄色、緑色の3色であってもよい。また、保留表示の表示色は3色に限定するものではなく、2色又は4色以上の色を用いるようにしてもよい。また、上記実施形態では、保留表示の複数種類の表示態様として複数種類の表示色を用いているが、複数種類の表示態様は、複数種類の表示色に限定するものではなく、模様、形状、大きさなどによって識別可能な複数種類の態様であってもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示する保留表示と第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示する保留表示とは、互いに異なる表示態様としてもよい。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLには2種類の球(白球、赤球)を表示し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにはトランプの4種類のマーク(赤ハート、赤ダイヤ、黒クローバ、黒スペード)を表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、今回保留表示部5Kに移動後の保留表示の各表示態様(表示色)はいずれも、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示中も表示され得る表示態様であったが、今回保留表示部5Kに移動後専用の表示態様を用いるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示用として「黄色(通常色、即ち初期色)」、「赤色(チャンス色)」の2色で用意し、今回保留表示部5Kに移動後の表示用として「黄色(基準色)」、「赤色(チャンス色)」の2色に加え「金色(激熱色)」の合計3色を用意してもよい。
また、保留表示の表示態様は、今回保留表示部5Kの態様と関係を有するものとしてもよい。例えば、今回保留表示部5Kの態様の変更に伴って、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、通常時は単なる台を模した形状の今回保留表示部5Kについて、始動条件が成立時に宝箱を模した形状に変更し、台から宝箱への変更にあわせて、追加する保留表示(ターゲットの保留表示)(ターゲットの保留表示、及び、既に表示している他の保留表示)の表示態様を通常時の単なる球から宝箱に関連する鍵を模した形状に変化させるようにしてもよい。また、始動条件の成立時には今回保留表示部5Kを宝箱に変更し(ターゲットの保留表示は通常の形状)、ターゲットの保留表示を今回保留表示部に移動する際に鍵を模した形状に変化させる(または変化させない)ようにしてもよい。なお、宝箱と鍵は一例であって、例えば、打ち上げ花火の筒と花火玉、スロットマシンとコイン、書道用紙と筆、花壇とジョウロなどであってもよい。
また、上記実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hから今回保留表示部5Kへの保留表示の移動表示として、今回保留表示部5Kの上部へ移動表示する例を説明したが、移動先は、今回保留表示部5Kの上部に限定されない。例えば、今回保留表示部5Kの前面(即ち、今回保留表示部5Kの手前側に保留表示を重畳させて表示してもよい)。また、今回保留表示部5Kに保留表示を移動させたときは、保留表示の一部が今回保留表示部5Kの陰に隠れるようにしてもよいし、今回保留表示部5Kの一部が保留表示の陰に隠れるようにしてもよい。
上記実施形態では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRの間に今回保留表示部5Kを配置しているが、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの左側若しくは第2始動入賞記憶表示エリア5HRの右側に今回保留表示部5Kを配置するようにしてもよい。また、上記実施形態では、遊技球が第1始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)を表示する第1始動入賞記憶表示エリア5HLと、遊技球が第2始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)を表示する第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを区別しているが、第1始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)と第2始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)とを1つの共通領域に纏めて表示(混在して表示)するようにしてもよい。このときには、当該共通領域の例えば左側に今回保留表示部5Kを配置するようにしてもよい。また、このときには、第1始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)と第2始動入賞口を通過した始動入賞の保留数(保留表示)とは異なる表示態様にて表示することが好ましい。例えば、第1始動入賞口を通過した始動入賞の保留表示を「黄色(通常色)」、「赤色(チャンス色)」、「金色(激熱色)」の3色で表示し、第2始動入賞口を通過した始動入賞の保留表示を「青色(通常色)」、「赤色(チャンス色)」、「金色(激熱色)」の3色で表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hへの追加するときに複数種類の表示態様(「白色(通常色)」、「青色」、「赤色」の3色)が存在するが、始動入賞記憶表示エリア5Hへの追加するときには1種類の表示態様)とし、今回保留表示部5Kへの移動した後の表示態様(若しくは、変化後の表示態様)として複数種類の表示態様が存在するようにしてもよい。例えば、図21において、PAP1−4(「青色→青色」)、PAP1−5(「青色→赤色」)、PAP1−3(「赤色→赤色」)、PAP2−4(「青色→青色」)、PAP2−5(「青色→赤色」)、PAP2−3(「赤色→赤色」)、PAP3−4(「青色→青色」)、PAP3−5(「青色→赤色」)、PAP3−3(「赤色→赤色」)の9種類を使用せずに、PAP1−1(「白色→白色」)、PAP1−2(「白色→青色」)、PAP1−3(「白色→赤色」)、PAP2−1(「白色→白色」)、PAP2−2(「白色→青色」)、PAP2−3(「白色→赤色」)、PAP3−1(「白色→白色」)、PAP3−2(「白色→青色」)、PAP3−3(「白色→赤色」)の9種類を使用するようにしてもよい。
上記実施の形態では、始動入賞があったときに、図14に示す入賞時判定処理(ステップS212)することで、入賞時に表示結果や変動カテゴリを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしていたが、可変表示の開始時に図15のステップS240において表示結果を決定する以前の任意のタイミングで表示結果や変動カテゴリを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
また、今回保留表示部変更予告、及び、保留表示変化予告を実行するか否かまた、実行する場合の先読み予告パターンは、演出制御基板12の側で決定するようになっていたが、これらの決定の少なくとも一部を主基板11の側で決定するようにしてもよい。
また、図21に示した先読み予告パターンの決定割合の設定例では、図14(B)に示した変動カテゴリ(「非リーチハズレ」「リーチハズレ」「小当り」「大当り」)別の4つ毎に、異なる先読み予告パターンの設定割合を規定しているが、他の括りにて、異なる先読み予告パターンの設定割合を規定してもよい。例えば、変動カテゴリが「非リーチハズレ」または「リーチハズレ」である「ハズレ」の共通の場合と、変動カテゴリが「小当り」または「大当り」である「当り」の共通の場合とで、異なる先読み予告パターンの設定割合を規定してもよい。また、「リーチハズレ」について、スーパーリーチであるか否かに応じて、異なる先読み予告パターンの設定割合を規定してもよいし、確変大当りであるか通常大当り(非確変大当り)であるかに応じて異なる先読み予告パターンの設定割合を規定してもよい。なお、スーパーリーチであるか否かは、例えば、変動パターン指定コマンドを参照すればよく、確変大当りであるか通常大当り(非確変大当り)であるかは、例えば、可変表示結果通知コマンドを参照すればよい。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中など、大当り遊技状態であるときに、確変状態に制御するか否かを報知する大当り中昇格演出を実行する場合において、当該大当り中昇格演出として、大当り遊技状態中に画像表示装置5において飾り図柄と同様の図柄を可変表示させて、同一の図柄が有効ライン上に揃った場合、確変大当りとなる演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、大当り中昇格演出を飾り図柄の可変表示ゲームと同様の態様で実行することができ、遊技者が遊技の進行を認識しやすくなる。この場合、そのような大当り中昇格演出は、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでのインターバル期間に実行するか、ラウンド中に実行する場合に遊技球の発射を継続する旨の報知を併せて行うことが好ましい。これにより、遊技者が大当り遊技状態が終了したものと誤認して、遊技球の発射を止めてしまって、時間経過によりラウンドが終了してしまうなど、遊技者への不利益が生じることを防止できる。
保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときに先読み予告演出の実行を制限することに代えて、あるいはこれとともに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定されたときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、始動入賞が発生したときの遊技状態に応じて可変表示結果や変動カテゴリを判定した結果に基づいて先読み予告演出が実行される場合に、その演出内容の整合性を保ちつつ、遊技興趣を向上させることができる。
また、図14に示すステップS403の処理では、ステップS402の処理にて選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。