JP5857730B2 - 遠心分離機、ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
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Description
また、本実施形態では、図3にAで示したように1つの格子のうち長い辺となるA1が周方向となるように配置されている。当該長い辺の長さは特に限定されることはないが、5mm以上であることが好ましい。
スクリーン部材2を構成する材料は特に限定されることはないが、耐熱性や強度の観点から金属であることが好ましく、その中でもステンレス鋼が好適に用いられる。
濾布としては織り網が好ましく用いられ、具体的には、平織、綾織、平畳織、綾畳織などを選択することができるが、結晶が小さく、粘度の高いスラリーを濾過する場合の濾過性能と濾過精度を求めた場合、上記線材で構成される平畳織であることが好ましい。
また濾布を構成する材料は特に限定されることはないが、耐熱性や強度の観点から金属であることが好ましく、その中でもステンレス鋼が好適に用いられる。
一方、固形分は濾布3上に堆積されてケ−キ層を形成する。堆積したケーキ層は掻取ナイフ9で掻き取られ排出シュ−ト10から排出される。
この工程においては、酸触媒の存在下に過剰量のフェノールとアセトンとを縮合反応させる。原料のフェノールとアセトンは、化学量論的にフェノール過剰で反応させられる。フェノールとアセトンとの供給モル比(フェノール/アセトン)は、通常3〜30、好ましくは、5〜20である。反応温度は、通常50〜100℃、反応圧力は、通常、常圧〜600kPa(絶対圧力)である。
この工程においては、上記の工程で得られた反応混合物から低沸点成分を分離して濃縮されたビスフェノールAを含む晶析原料を調製する。ここで言う低沸点成分とは、フェノールよりも低沸点の成分であり、例えば、未反応のアセトン;副生する水;不純物として含まれるアルコール、イソプロピルフェノール;アルキルチオール等の担持型でない助触媒を使用する場合の助触媒などが挙げられる。低沸点成分の分離方法としては、蒸留塔を使用し、反応工程において得られた反応混合物を蒸留し、塔頂から低沸点成分を分離する方法が挙げられる。塔底液はビスフェノールA及びフェノールを含む液体成分である。蒸留塔は1基または複数基の公知のものが使用できるが、1基で分離を行うのが好ましい。蒸留を常圧で行う場合はフェノールの沸点以下で行うが、好ましくは減圧蒸留により行われる。減圧蒸留は、通常、温度50℃〜150℃、圧力50mmHg〜300mmHgで行われる。反応混合物中に含まれる未反応フェノールの一部が低沸点成分と共に塔頂から抜き出されてもよい。また、所望により、追加の蒸留塔を使用してフェノール類を除去したり、あるいは、フェノールを追加することによってビスフェノールAの濃度を調節してもよい。これらの処理によって得られた晶析原料は、ライン112を通して次工程に供給される。
この工程においては、上記の工程で得られた晶析原料から付加物を含む、ビスフェノールAとフェノールとの付加物であるアダクト結晶を含むスラリーを形成した後に付加物と母液とに分離する。晶析装置としては、通常、連続晶析装置が使用される。連続晶析装置としては、ジャケットや内部コイルによる冷却方式の晶析装置、外部循環冷却式晶析装置、蒸発冷却式晶析装置などが知られており、特に制限はないが、外部循環冷却式晶析装置とジャケット式晶析装置とが好適に使用される。外部循環冷却式晶析装置は、晶析槽とその外部に配置された冷却器とを配管、バルブ等から成る循環路で形成されて成り、冷却器としては、多管式冷却器が好適に使用される。また、微結晶を溶解するための溶解槽または加熱器を具備することが好ましい。ジャケット式晶析装置は、晶析を行う容器の周囲にジャケットを有し、当該ジャケット内に冷媒を通し、当該容器の壁面を介して冷却するタイプである。容器内に攪拌翼やバッフルを具備し、内液が良好に攪拌できるものが好ましい。また、何れのタイプも、混合性の向上のため、内部にドラフトチューブを具備するのが好ましい。結晶の形状やサイズを制御するため、分級装置を装置内に具備するか外部に併設してもよい。分級装置としては、結晶の形状やサイズによる結晶の沈降速度の差を利用したもの、溶解速度の差を利用したもの等が挙げられる。また、必要に応じ、晶析操作の途中で加熱を行ったり、あるいは、結晶の溶解操作を行うことも出来る。このような場合は、冷媒に代えて熱媒を使用する。
この工程においては、上記の工程で得られた付加物からフェノールを分離してビスフェノールAを回収する。フェノール除去工程(D)では、通常、100℃〜160℃に付加物を加熱溶融し、得られた溶融液から、例えば、蒸留装置、薄膜蒸発器、フラッシュ蒸発器などを使用することにより、大部分のフェノールを除去する方法が採用される。また、溶融液中に残存している微量のフェノールを除去するために、上記の操作を行った後、更に、スチームストリッピング等により残存フェノールを除去し、ビスフェノールAを精製する方法も採用される。この方法は、例えば、特開昭63−132850号公報、特開平2−28126号公報などに記載されている。
この工程においては、上記の晶析−固液分離工程(C)で分離・分割された母液の一部を回収し、酸触媒と接触させる。ここで、異性化とは、母液中の2,4′−体をビスフェノールA(4,4′−体)に変換することを意味する。
この工程においては、上記の工程で得られた異性化反応液からフェノールを分離して濃縮された回収晶析原料を調製する。フェノールの分離には、単段もしくは多段のフラッシュ蒸発器または蒸留塔が好適に使用される。フェノールの分離により、回収晶析原料中のビスフェノールA濃度は通常20重量%〜35重量%に調節される。回収晶析原料は、所望の温度まで冷却の後、次の回収・晶析−固液分離工程(G)の晶析装置に供給される。
この工程においては、上記の工程で得られた回収晶析原料から付加物を含むスラリーを形成した後に付加物と回収母液とに分離する。フェノール中でビスフェノールAとフェノールとの付加物であるアダクト結晶を結晶化させる晶析においては結晶と母液との間の密度差が充分得られないことより均一スラリー系での晶析システムが採用される。その代表的な晶析装置としては、晶析−固液分離工程(C)にて説明したジャケット式晶析装置、外部循環冷却式晶析装置などがある。ジャケット式晶析装置の場合、冷却面での結晶付着の再生や伝熱性能改善のためスクレパーが具備されたものが好ましい。例えば、月島機械が提供するDP型晶析装置やクレハエンジニアリングが提供する横型多段冷却晶析装置などが挙げられる。
この工程においては、上記の回収・晶析−固液分離工程(G)で得られた回収母液から重質の不純物を除去し、精製液を得る。この方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜に採用することができる。
ビスフェノールプラント回収晶析設備(上記「回収・晶析−固液分離工程(G)」の工程のための設備)の遠心分離機において、30×150メッシュ、線径0.26mm×0.19mmの平畳織の濾布を開口部11mm×1mmのスクリーン部材上に配置した。濾布の線材はSUS304である。
ここで、スクリーン部材の格子の長い辺を構成する線材はバスケットの周方向に沿って配置され、濾布を構成する線材のうちの1つもバスケットの周方向に沿って配置した。従って、図4にθで示した角度が0度である。
運転条件は、遠心力700G〜800G、ケーキ厚みは5cm〜8cm、遠心分離サイクルは8分〜10分である。投入したスラリーは、ビスフェノールAのアダクト結晶を含むフェノール溶液で乾式篩による250μmの通過率が95質量%の結晶の大きさであるとともに、53℃での母液粘度が7cP、結晶含有量が31質量%であった。なお、結晶及び母液の分析をするため、スラリーを採取して53℃に保温したヌッチェを使用して濾過後、母液と結晶とに分離し、結晶はヘキサンで洗浄後に乾燥して乾式篩により結晶の大きさを求めた。また、母液粘度はB型粘度計で測定した。
上記と同形態の濾布を、該濾布の一方の線材がバスケットの周方向に対して15度の角度を付けて配置した。すなわち、図4にθで示した角度が15度である。他の条件は比較例を同じとした。
2 スクリーン部材
3 濾布
4 濾過室
5 排出路
6 サイホン室
7 回転軸
8 原液供給管
9 掻取ナイフ
10 排出シュート
11 サイホン管
Claims (5)
- 乾式篩による250μmの通過率80質量%以上の結晶の大きさで、母液粘度が4cP〜15cPであり、結晶含有量が10質量%〜40質量%である結晶含有液から、結晶を金属製の濾布を用いて濾過分離するための遠心分離機であって、
円筒軸を中心に回転する円筒状のバスケットと、
前記バスケットの内周面に沿って配置される格子状のスクリーン部材と、
前記スクリーン部材に重ねられて配置される濾布と、
前記バスケットの開放面側から前記バスケット内に挿設される掻取ナイフと、を備え、
前記濾布の網目格子を構成する異なる2方向に並列する線材群のうち、前記線材群を構成する線材の線径が1mm以下であり、かつ前記線材群中で隣り合う線材の中心線間の距離が該線径よりも広い線材群が、前記スクリーン部材の格子の長い辺と5度〜90度の角度を有するように前記濾布が配置されていることを特徴とする遠心分離機。 - 前記スクリーン部材の前記格子のうち、前記長い辺が5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
- ビスフェノールAとフェノールとのアダクト結晶を濾過分離するための装置である請求項1又は2に記載の遠心分離機。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の遠心分離機によりビスフェノールAとフェノールとのアダクト結晶を濾過分離する工程を含むビスフェノールAの製造方法。
- 前記濾過分離が回収晶析における濾過分離の工程である請求項4に記載のビスフェノールAの製造方法。
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