JP5856508B2 - 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕式(I)で表される塩。
[式(I)中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mが2であるとき、複数存在するR3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
nが2であるとき、複数存在するR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
〔2〕m及びnが2であり、かつ、R3及びR4が水素原子である前記〔1〕記載の塩。
〔3〕L1が、*−CO−O−(CH2)n−(*は、−C(R4)(R5)−の炭素原子との結合手を表し、nは0又は1を表す。)である前記〔1〕又は前記〔2〕のいずれかに記載の塩。
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
〔5〕前記〔4〕記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
〔6〕さらに溶剤を含む前記〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕さらに塩基性化合物を含む前記〔5〕又は〔6〕記載のレジスト組成物。
〔8〕(1)前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
本発明の塩は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合がある)である。
[式(I)中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mが2であるとき、複数存在するR3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
nが2であるとき、複数存在するR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
以下の説明において、塩(I)のうち、正電荷を有する側を「有機カチオン」と、負電荷を有する側を「有機アニオン」と、それぞれ称することがある。
式(I)で表される塩の有機アニオンは、式(I−A)で表されるスルホン酸アニオンである。
[式(I−A)中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
本発明のレジスト組成物に用いる酸発生剤としては、R1及びR2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子である塩(I)が好ましく、ともにフッ素原子である塩(I)がより好ましい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−2,3−ジイル基、ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,2−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
また、後述する1価の脂環式炭化水素における任意の1つの水素原子を結合手としてものであってもよい。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
中でも、L1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、より好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)、さらに好ましくは式(b1−1)で表される2価の基であり、特に、Lb2が単結合又は−CH2−である式(b1−1)で表される2価の基が好ましい。
Yの脂環式炭化水素基としては、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基における−CH2−が−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、上述したアルキル基に含まれる−CH2−が−O−又は−CO−に置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
式(I)で表される塩の有機カチオンは、式(I−B)で表される。
[式(I−B)中、
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
mが2であるとき、複数存在するR3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
nが2であるとき、複数存在するR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
R5〜R9の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの組み合わせが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられる。
組み合わせの基としては、例えばアラルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
炭化水素基に含まれる−CH2−が、−O−又は−CO−に置き換わった基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、アセチル基、メトキシカルボニル基、メチルカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、L1、m、n及びYは、それぞれ前記と同義である。)
触媒としては、二安息香酸銅(II)等が挙げられる。
溶剤としては、モノクロロベンゼン等が挙げられる。
式(I−a)で表される塩としては、例えば、以下で表される化合物などが挙げられる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
溶剤としては、アセトニトリル/イオン交換水等が挙げられる。
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する。塩(I)は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。
また、本発明の酸発生剤は、さらに、塩(I)以外の酸発生剤として公知の塩(例えば、塩(I)に含まれる有機カチオン及び公知のアニオン(塩(I)に含まれるスルホン酸アニオン以外のアニオン)からなる塩並びに塩(I)に含まれるスルホン酸アニオン及び公知のカチオン(塩(I)に含まれる有機カチオン以外のカチオン)からなる塩等)を含んでいてもよい。以下、酸発生剤に含まれる塩(I)以外の塩を「酸発生剤(B)」という場合がある。酸発生剤(B)は、単独でも複数種を同時に用いてもよい。
また、塩(I)と酸発生剤(B)との含有量の比(質量)は、例えば、5:95〜100:0、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは15:85〜85:15、より一層好ましくは30:70〜70:30である。
本発明のレジスト組成物は、上述した酸発生剤と樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)とを含む。
また、レジスト組成物は、さらに塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)と溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)とが含有されていることが好ましい。
本発明のレジスト組成物においては、塩(I)の含有量は、後述する樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。
また、塩(I)と酸発生剤(B)とを含有する場合には、塩(I)と酸発生剤(B)との合計含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。
本発明のレジスト組成物に含有される樹脂(A)は、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂である。「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、「酸との接触前にはアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
樹脂(A)は、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造することができ、酸の作用によりアルカリ可溶となる。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、式(1)で表される基、式(2)で表される基などが挙げられる。
[式(2)中、Ra1'及びRa2'は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3'は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2'及びRa3'は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び2価の基に含まれる−CH2−は、−O―又は―S−で置き換わってもよい。]
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。式(1)では、脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは炭素数3〜16である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
式(a1−5)中、
R31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
L3〜L5は、オキシ基、チオキシ基又は*−O−(CH2)k4−CO−O−で表される基を表す。ここで、k4は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1’は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基中に含まれるメチレン基は、オキシ基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
L5は、酸素原子が好ましい。
L3及びL4は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が、好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1’は、単結合又は−CH2−CO−O−が好ましい。
樹脂(A)は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)が酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。また、アダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位の含有率は、好ましくは酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に対して15モル%以上である。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)を使用する。
一方、短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用する。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一であっても異なってもよい。]
Ra31のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1又は2のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
maは、好ましくは、0〜2であり、より好ましくは、0又は1であり、特に好ましくは、0である。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、特開2010−204634号公報に記載されたモノマーが挙げられる。下式(a2−0−1)及び(a2−0−2)で表されるモノマーが好ましい。樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護したものを用いることもできる。
式(a2−1)中、
La3は、−O−又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
p1が2以上のとき、複数のRa21の全部又は一部は同じであってもよい。
q1が2以上のとき、複数のRa22の全部又は一部は同じであってもよい。
r1が2以上のとき、複数のRa23の全部又は一部は同じであってもよい。
La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k3−CO−O−であることが好ましく、より好ましくは−O−である。k3は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。
Ra18〜Ra21は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
また、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%の範囲がより好ましく、10〜50モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂は、上記のモノマー以外のその他の公知のモノマー(a4)に由来する構造単位を有していてもよい。以下、このような酸安定モノマーを「その他のモノマー(a4)」という場合がある。
樹脂(A)の含有率は、好ましくは、組成物の固形分中80質量%以上99質量%以下である。「組成物中の固形分」とは、後述する溶剤(E)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有率は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3又はp3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc14及びRc15の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3、r3及びs3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc18、Rc19及びRc20の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物に含有されている溶剤(E)は、例えば、レジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上で含有されており、例えば、99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下で含有されている。
溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物(例えば、上述した酸安定モノマー及び/又は公知のモノマーの共重合体など)、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等が挙げられる。
レジスト組成物は、通常、溶媒(D)の存在下で、塩(I)及び樹脂(A)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
前記アルカリ現像液としては、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物あるいは液浸露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
装置 :HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
式(I1−a)で表される化合物2.00部及びアセトニトリル10部を添加し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合溶液を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.33部及びイオン交換水4.88部の混合液を10分かけて滴下し、さらに、0℃で3時間攪拌した。得られた反応マスに、1N塩酸8.61部を添加し、濃縮し、クロロホルム40部及びイオン交換水100部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を4回繰り返した。回収された有機層をろ過し、ろ液を濃縮することにより、式(I1−b)で表される塩1.37部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 339.1
式(I3−c)で表される塩2.90部、(I1−b)で表される化合物0.48部及びモノクロロベンゼン24.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、二安息香酸銅(II)0.03部を添加し、さらに、100℃で30分間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した。得られた残渣に、クロロホルム40部及びイオン交換水15部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮した。得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I3)で表される塩1.23部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、モル比30:14:6:20:30で仕込んだ。次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7.2×103である共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
モノマー(F)、モノマー(C)及びモノマー(B)を、モル比40:40:20で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、0.8mol%と2.4mol%との割合で添加し、これを70℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(3:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約1.0×104である共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(D)及びモノマー(C)を、モル比30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×103の共重合体A3を収率78%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
モノマー(A)、モノマー(G)、モノマー(B)、モノマー(D)及びモノマー(C)を、モル比30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×103の共重合体A4を収率78%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
表3に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
樹脂A1
樹脂A2
樹脂A3
樹脂A4
<酸発生剤>
I1:実施例1で合成
I3:実施例2で合成
B1:特開2010−152341号公報の実施例に従って合成
B2:特開2010−61018号公報の実施例に従って合成
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記表3の各レジスト組成物を、乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
レジスト組成物が塗布されたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表3の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜を形成した。
レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表3の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、フォーカスを振った場合、線幅が55nm±5%の幅にある範囲(52.5〜57.7nm)を線幅指標とし、DOFを以下の4水準で評価した。すなわち、DOFが
0.17μm以上であるものを「◎」、
0.12μm以上0.17μm未満であるものを「○」、
0.12μm未満であるものを「×」とした。
その結果を表4に示す。
Claims (8)
- 式(I)で表される塩。
[式(I)中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mが2であるとき、複数存在するR3は、互いに同じでも異なっていてもよい。
nが2であるとき、複数存在するR4は、互いに同じでも異なっていてもよい。
R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。] - m及びnが2であり、かつ、R3及びR4がいずれも水素原子である請求項1記載の塩。
- L1が、*−CO−O−(CH2)n−(*は、−C(R1)(R2)−の炭素原子との結合手を表し、nは0又は1を表す。)である請求項1又は2記載の塩。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
- 請求項4記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
- さらに溶剤を含む請求項5記載のレジスト組成物。
- さらに塩基性化合物を含む請求項5又は6記載のレジスト組成物。
- (1)請求項5〜7のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
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