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JP5856034B2 - トンネル配管用の架台 - Google Patents

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JP5856034B2
JP5856034B2 JP2012223301A JP2012223301A JP5856034B2 JP 5856034 B2 JP5856034 B2 JP 5856034B2 JP 2012223301 A JP2012223301 A JP 2012223301A JP 2012223301 A JP2012223301 A JP 2012223301A JP 5856034 B2 JP5856034 B2 JP 5856034B2
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Description

本発明はトンネル配管用の架台に関するものである。
工事中のトンネルでは坑外からトンネル切羽に向けて多数の配管を配置する必要がある。
それらの配管は保守のしやすさから、トンネルの底面や天井面ではなく、トンネルの側壁に沿って敷設する構造が一般に採用されている。
それはトンネルの側壁にアンカーボルトを打設し、そのボルトを介してU字状の受け材を取りつけ、その受け材で配管を受ける構造である。
特開平10−141546号公報
前記したような従来のトンネル配管用の架台にあっては、次のような問題点が存在する。
<1> アンカーボルトの削孔、打設、固定の手数を要する。
<2> トンネルの躯体に削孔してアンカーボルトを打ち込んでしまうために、配管受けを撤去した後ではアンカーボルト穴の補修作業が必要となる。
<3> トンネルの躯体自体に削孔する作業は、完成品に傷を付けるともいえるから、発注者には敬遠されやすい。
上記のような課題を解決する本発明のトンネル配管用の架台は、支柱と、支柱下端に固定した底板と、支柱に一端を取り付けた腕木と、腕木の上側に凹設した配管受け溝と、腕木の他端に可動状態で取り付けた当て板とより構成したことを特徴とするものである。
また上記の架台において、腕木は支柱から他端側へ向けて伸縮自在に構成したことを特徴とするものである。
また上記の架台において、底板にはアンカー孔を開口して構成したことを特徴とするものである。
また上記の架台において、腕木は複数本、平行に支柱に取り付けて構成したことを特徴とするものである。
本発明のトンネル配管用の架台は以上説明したようになるから次のような効果の少なくともひとつを得ることができる。
<1> トンネルのコンクリート躯体を削孔する必要がないから、傷を付けることのない最終製品を発注者に引き渡すことができる。
<2> 躯体に削孔した場合にはその孔を補修する手間を要するが、本発明の架台を使用すれば、そのような補修手間が不要である。
<3> トンネルの断面寸法によって側壁の曲率は異なるが、本発明の架台の腕木を伸縮自在に支柱に取り付けた場合には、どのような断面形状のトンネルにおいても使用することができる。
<4> 一次覆工と二次覆工ではその側壁の曲率が変化するが、上記と同様の理由により、ひとつの架台で兼用することができる。
本発明のトンネル配管用の架台の実施例の説明図。 図1の架台をトンネルに設置した状態の説明図。 トンネル配管用の架台の他の実施例の説明図。 他の実施例の説明図。
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>全体の構成
本発明のトンネル配管用の架台は、基本的には支柱1と底板2と腕木3と当て板4によって構成する。
この底板2をトンネル内の底盤に固定して、支柱1から突出させた腕木3の受け溝31で坑内配管pを受ける構造である。
<2>支柱
支柱1は角パイプ、丸パイプ、あるいは型鋼によって構成した長尺の部材である。
この支柱1の下端は、底板2に溶接して固定する。
支柱1は底板2と直交する姿勢で固定することも、あるいは傾斜した姿勢で固定することも可能である。
<3>底板
底板2は、支柱1下端に固定する板体である。
底板2の下面に小さい凹凸を付けて摩擦抵抗力を向上させることもできる。
さらに底板2にはアンカー孔21を開口し、そのアンカー孔21にアンカーを挿入し、コンクリートを打設する前の底盤に打設して固定できるように構成する。
<4>腕木
支柱1には、底板2に対して支柱1が傾斜した側、すなわち設置の際には側壁に接近する側に、腕木3の一端を取り付ける。
腕木3は角パイプ、丸パイプ、型鋼などで形成した短尺の部材である。
この腕木3の上面には配管受け溝31を凹設する。
この受け溝31は半円形に凹設した形状の溝であり、この溝で坑内配管pを支持する。
腕木3は1本に限らず、複数本、平行に支柱1に取り付ければ、上下の位置で多数本の配管pを支持することができる。
<5>伸縮機構
腕木3と支柱1とを直接固定すると、トンネルの側壁の曲率の変化に対応することができない。
しかしひとつのトンネルに専用の架台を複数本、製作する場合には腕木3を支柱1に、伸縮不能な状態で固定する構造を採用することができる。
しかし曲率の異なるトンネルにも兼用するためには、腕木3が支柱1から先端側に向けて伸縮可能であるように伸縮機構32を介して取り付ける。
すると伸縮機構32によって、腕木3の全長が支柱1の固定側から先端側へ向けて伸縮自在となる。
そのための伸縮機構32は、例えば腕木3を断面の異なる2本の部材で構成し、断面の小さい1本の部材が、断面の大きい部材の内部にスライド可能な、いわゆるテレスコピック機構を採用することができる。
内部にスライドせず、スライド形の扉のように上下をガイド溝で挟んだ機構を採用することもできる。
なお最上段の腕木3だけは伸縮機構32を設けず、支柱1と固定する構造を採用することもできる。
<6>可動機構
支柱1と腕木3とを可動機構33を介して可動状態に取りつけることもできる。
その際には支柱1側のブラケットと腕木3とを、可動機構33としてのボルトで取り付け、このボルト33を中心に腕木3が回転可能であるように取り付ける。
腕木3の支柱1に対する角度を決定したら、ボルトを締め付けることで腕木3の支柱1に対する角度を維持することができる。
この場合に回転といっても360度回転する必要はない。
約90度程度の回転でも、運搬時や収納時に腕木3を支柱1と平行に折り畳むことができるようになり、一度に大量の架台をトンネル内に搬入することができる。
また配管pが腕木3の受け溝31から浮き上がる場合にも、可動機構33で角度を調整し、かつ伸縮機構32で支柱1からの距離を調整すれば、配管pを受ける位置の補正をすることができる。
<7>伸縮兼可動機構(図4)
伸縮機構と回転可能な可動機構を一体化することもできる。
そのために、腕木3にはその長さ方向に複数のボルト穴35を開設し、支柱1の貫通穴に対してスライド自在に取りつける。
さらに腕木3は、支柱1とはボルトによる伸縮兼可動機構34によって締結する。
すると、腕木3は、支柱1に対してスライドして伸縮することができ、支柱1に対してボルトを中心に回転することもでき、所定の長さ、所定の角度に調整してボルトで固定することもできる。
<8>当て板
腕木3の支柱1側ではない自由端には当て板4を取りつける。
当て板4は一定の面積を備えて板体である。
この当て板4と腕木3の自由端は、固定することなく、例えばピン41を介して可動状態で取り付ける。
本発明の架台を工事中のトンネル内に設置した場合に、この当て板4がトンネルの側壁に接触して、支柱1の転倒を阻止する機能を果たす。
このように支柱1下端の底板2は支柱1のすべり止めとして、腕木3の自由端の当て板4は支柱1の転倒防止として機能する。
<9>使用方法(図2)
上記の架台を工事中のトンネル内で使用する方法を説明する。
<10>支柱の設置
支柱1がトンネルの側壁に向けて傾斜して、当て板4がトンネルの側壁に接触する位置に支柱1を設置する。
腕木3が伸縮機構32、および可動機構33を備えている場合には、最上段の腕木3の長さ、および支柱1に対する角度を調整して位置を決めることができる。
<11>底板の固定
設置位置が決定したら、支柱1下端の底板2のアンカー孔21を介してアンカーを挿入する。
そのアンカーをトンネルのコンクリート打設前の底盤に打設して両者を一体化する。
すると、底板2がトンネルの内側へ滑ることを阻止することができる。
底板2の高さ調整は、底板2の下に砕石を並べたり、敷き板を介在させて行う。
<12>当て板の設置
底板2を固定する作業と前後して、腕木3の自由端側にピン41を介して取り付けた当て板4との角度を調整して、当て板4がトンネルの側壁に平行になるように位置決めをする。
こうして前記したように支柱1の下端は滑りを阻止し、支柱1の上端は当て板4で転倒の阻止を行うことができる。
<13>配管の設置
滑りと転倒を阻止した状態で、支柱1から側壁側に向けて1本または複数本の腕木3が突出しており、各腕木3には配管pを受ける受け溝31が形成してある。
その溝31にトンネル内の配管pを搭載して支持させる。
上下段に配管pを設置する場合には、腕木3が伸縮機構32によって伸縮する構造、可動機構33によって回転可能な構造であると、配管作業の障害になりにくく、作業を容易に行うことができる。
<14>他の実施例(図3)
前記および図1,2、4の実施例は底板2に対して支柱1から腕木3をトンネルの壁面側に突出させる構成であった。
しかし図3に示すように支柱1から、トンネルの壁面と反対側に腕木3を突出させて取りつける構成を採用することもできる。
その際には当て板4は支柱1の壁面側の上端に、ピン41を介して可動状態で取り付ける。
腕木3を伸縮機構32、可動機構33を介して支柱1に取り付ける構造が採用できるなど、前記の実施例で採用できる構成はすべて可能である。
したがって図4の実施例でも、支柱1から、トンネルの壁面と反対側に腕木3を突出させて、スライド自在に取りつけ、ボルト穴35に貫通させたボルトで締結する構成を採用することもできる。
この構造であれば、腕木3が支柱1からトンネルの内側に向けて突出しているから、配管の設置、撤去あるいは修復作業が容易である。
<15>転倒防止
腕木3の受け溝31に配管pを設置したり、配管pを撤去する場合に重機を用いると、重機が支柱1や腕木3に当たって配管pの方向に転倒する可能性もある。
そのような事故を阻止するために、本発明の架台を1m〜1.5m程度離して2基ならべ、かつ配管pと腕木3を固定する方法を採用することができる。
あるいは底板2の配管方向の長さを長くして安定化を図る方法を採用することもできる。
1:支柱
2:底板
3:腕木
4:当て板

Claims (4)

  1. 支柱と、
    支柱下端に固定した底板と、
    支柱に一端を取り付けた腕木と、
    腕木の上側に凹設した配管受け溝と、
    腕木の他端に可動状態で取り付けた当て板とより構成したことを特徴とする、
    トンネル配管用の架台。
  2. 前記の架台において、
    腕木は支柱から先端側へ向けて伸縮自在に構成したことを特徴とする、
    請求項1記載のトンネル配管用の架台。
  3. 前記の架台において、
    腕木は支柱に対して回転自在に構成したことを特徴とする、
    請求項1記載のトンネル配管用の架台。
  4. 前記の架台において、
    腕木は複数本、平行に支柱に取り付けて構成したことを特徴とする、
    請求項1記載のトンネル配管用の架台。
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