JP5843547B2 - 摩擦撹拌接合材の製造方法 - Google Patents
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Description
図15は従来の技術の基本原理を説明する図であり、摩擦撹拌接合法では、第1部材201に、この第1部材201とは材質が異なる第2部材202を重ね、この第2部材202に矢印(1)のように回転する接合ツール203のピン204を挿入する。このピン204の先端を第1部材201の第2部材側面から高さh3の位置に配置した状態で、接合ツール203を相対的に移動させる。
ところで、設計指示や施工指示等により、接合部208の長さが第2部材202の長さ未満であることがある。この場合の断面図を次に説明する。
もう一つの対策として、穴206を軟化した第2部材202(軟化物)で埋めることが挙げられる。穴206を軟化物で埋めるために、図15において、軟化物からピン204を引抜き、白抜き矢印のように回転するツール本体209を軟化物に向けて押出す。このツール本体209の押出しにより、ツール本体209で軟化物が押圧される。押圧された軟化物が穴に流れ込むと、穴が軟化物で埋められる。しかし、上記穴埋め作業は、ピン204を引抜いた後に実施される別作業であるから、工数の増加に繋がる。
図1に示されるように、下側に配置されている第1部材10Aに、第2部材20Aを矢印(2)のように重ねて、第1部材10Aに対して第2部材20Aを位置決めする。第2部材20Aは、第1部材10Aとは材質が異なる部材である。次に第1部材10A及び第2部材20Aの断面構造を図2で説明する。
図3において、(a)に示されるように、矢印(3)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Aに挿入されている。回転中のピン51が、第2部材20Aに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Aが軟化する。接合ツール50を矢印(4)のように相対的に移動させる。
(c)に示されるように、接合ツール50が接合終端部40に移動し、この接合終端部40で矢印(6)のようにピン51を抜く。
下側に配置されている第1部材10Bに、第2部材20Bを矢印(7)のように重ねる。同時に、第1部材10Bに設けた円状の第1穴部90(詳細後述)に、第2部材20Bに設けた円柱状の第2凸部100(詳細後述)を矢印(8)のように挿入する。これで第1部材10Bに対して第2部材20Bが位置決めされる。
図6において、(a)に示されるように、矢印(9)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Bに挿入されている。回転中のピン51は、第2部材20Bに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Bが軟化する。接合ツール50を矢印(10)のように相対的に移動させる。
第2部材20Bのツール側面113は、接合後にピン跡凹み111を有すると共に略平面に形成される。ツール側面113にピン跡凹み111が設けられていても、ピン跡凹み111の周囲は略平面であるから、ツール側面113に別途部材を取付けることが可能となる。
第2部材20Cに、第1部材10C側へ突出する円柱状の第2凸部120が一体的に設けられている。第2凸部120の外径をD3とする。
加えて、第1凹部130に対応する第2部材20Cのツール側面に、接合終端部110が設けられている。
図8において、(a)に示されるように、矢印(12)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Cに挿入されている。回転中のピン51は、第2部材20Cに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Cが軟化する。接合ツール50を矢印(13)のように相対的に移動させる。
(c)に示されるように、軟化した第2部材20Cが固化すると、第2部材20Cに、ピン51の体積分に相当するピン跡凹み131が形成される。また、第1部材10Cに第2部材20Cが接合されて摩擦撹拌接合材70Cが得られる。132は接合部である。
第1部材10Dに、第2部材20D側に開口する第1凹部140が一体的に設けられている。この第1凹部140は、ピン(図6、符号51)で撹拌された第2部材20Dの一部が流入する部位である。また、第1凹部140の内径をD5とする。なお、第1凹部140は、平面視にて円形である。
図10において、(a)に示されるように、矢印(15)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Dに挿入されている。回転中のピン51は、第2部材20Dに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Dが軟化する。接合ツール50を矢印(16)のように相対的に移動させる。
(c)に示されるように、軟化した第2部材20Dが固化すると、第2部材20Dに、ピン51の体積分に相当するピン跡凹み142が形成される。また、第1部材10Dに第2部材20Dが接合されて摩擦撹拌接合材70Dが得られる。143は接合部である。
第1部材10Eに、第2部材20Eに開口する第1穴部150が設けられている。この第1穴部150の内径はD6である。なお、第1穴部150は、平面視にて円形である。
一方、第2部材20Eは、平板である。また、第1穴部150に対応する第2部材20Eのツール側面に、接合終端部110が設けられている。
図12において、(a)に示されるように、矢印(18)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Eに挿入されている。回転中のピン51は、第2部材20Eに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Eが軟化する。接合ツール50を矢印(19)のように相対的に移動させる。
(c)に示されるように、軟化した第2部材20Eが固化すると、第2部材20Eに、ピン51の体積分に相当するピン跡凹み152が形成される。また、第1部材10Eに第2部材20Eが接合されて摩擦撹拌接合材70Eが得られる。153は接合部である。
図13において、図9と共通する構造は符号を流用して詳細な説明を省略する。図9との主たる変更点は、第1部材にプレス加工を施して凹部を形成したことである。
図14において、(a)に示されるように、矢印(21)のように回転している接合ツール50のピン51が第2部材20Dに挿入されている。回転中のピン51は、第2部材20Dに接触するので、摩擦熱が生じる。この摩擦熱で、ピン51周辺の第2部材20Dが軟化する。接合ツール50を矢印(22)のように相対的に移動させる。
(c)に示されるように、軟化した第2部材20Dが固化すると、第2部材20Dに、ピン51の体積分に相当するピン跡凹み162が形成される。また、第1部材10Fに第2部材20Dが接合されて摩擦撹拌接合材70Fが得られる。163は接合部である。
加えて、本発明に係る凸部は、実施の形態では円柱状としたが、角柱状や楕円柱状であってもよい。
さらに、本発明に係る凹部は、実施の形態では平面視にて円状としたが、角状や楕円状であってもよい。
Claims (2)
- 第1部材に、この第1部材とは材質が異なる第2部材を重ね、この第2部材に摩擦撹拌接合法の接合ツールのピンを挿入し、前記第2部材の一端から接合を始め、他端に到達する前の接合終端部で前記ピンを抜くことにより、前記第1部材に前記第2部材を接合してなる摩擦撹拌接合材の製造法であって、
前記第2部材のうち接合終端部には、
一般接合面よりも前記接合ツール側へ突出する凸部が一体的に設けられ、
前記凸部は、前記ピンの長さより高く形成されている、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合材の製造方法。 - 第1部材に、この第1部材とは材質が異なる第2部材を重ね、この第2部材に摩擦撹拌接合法の接合ツールのピンを挿入し、前記ピンは前記第1部材の表面に当接しながら回転しており、
前記第2部材の一端から接合を始め、
他端に到達する前の接合終端部で前記ピンを抜くことにより、前記第1部材に前記第2部材を接合してなる摩擦撹拌接合材の製造方法であって、
前記第1部材の接合終端部には、前記第2部材側に開口する凹部が一体に設けられ、
前記凹部には前記第2部材の一部が流入し、前記第2部材には前記凹部側に突出する凸部が形成され、
前記接合端部において、前記ピンが前記第1部材に当接することなく引き抜かれている、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合材の製造方法。
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