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JP5734242B2 - おむつ - Google Patents

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JP5734242B2 JP2012139095A JP2012139095A JP5734242B2 JP 5734242 B2 JP5734242 B2 JP 5734242B2 JP 2012139095 A JP2012139095 A JP 2012139095A JP 2012139095 A JP2012139095 A JP 2012139095A JP 5734242 B2 JP5734242 B2 JP 5734242B2
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Description

この発明は、医療的立場から好適なおむつに関するものである。
今日、日本においては高齢化社会を迎えるに至り、高齢者の介護が問題となっている。特に、おむつの需要は高くなっていると共に多様な種類のものが登場しており、その数は1500種類にも及ぶと言われている。しかしながら、これらの各種のおむつはそれぞれに特徴があるものの、特に医療の立場からは必ずしも満足されているものは少ないのが現状である。
特に、緩い便がおむつの肛門に対向する部分から背中や腰全体に回り込むことが問題とされる。この場合、便由来の細菌が尿路(特に女性の尿路)に入り込み、尿路感染して膀胱炎を発症する危険性が高い。また、寝た切りの患者においては仙骨部分の褥瘡に汚物が付着することで、褥瘡が治癒する暇がなく、むしろ症状の悪化の危険性がある。これらの感染症の治療には、一般的に抗生物質が使用されることが広く行われているものの、その使用過多によりMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症などが発症することもある。この感染症には効果のある抗生物質が希少であり、院内感染が起こることも想定され、極めて重篤な状態となることも考えられる。このような事情から、免疫力が低下している患者(特に老人)については、上記の感染症の発症防止が急務となっているものの、現状で市販されているおむつによっては便の飛散を防止することができず、極めて深刻な問題である。
左右の大臀筋の間には仙骨が存在し、大臀筋が減少するにつれて、仙骨が臀部よりも外側へ突出した状態の人が仰臥位で寝た場合には、上記仙骨が体重で寝具側へ押し付けられて圧迫される。ここで、人が寝た状態において各部位に加わる重みを考察すると次のようである。即ち、仰臥位で真直ぐ寝ると腰の部分に体重の約半分の重みが加わる。例えば、体重50Kgの人については、25Kg程度の値を持つことになる。このため、仙骨の先端部の血流が悪くなる。血流が悪くなると、血液に含まれる白血球が到来せず、細菌に対して防御機能も弱くなる。
また、仙骨の下側には肛門があり、特に寝た切りの人においては、肛門から排泄された大便が付着する可能性も高い。大便には大腸菌などの細菌が多く含まれており、また、便そのものが強アルカリ性であることも知られている。従って、肌に大便が付着した場合には痒みを生じる。痒みを生じた場合に掻いたり、或いは寝ている間の寝具との間の摩擦により、仙骨先端の尾骨上の皮膚が傷つき破れたり、更に、便の付着により細菌が繁殖するなどの繰り返しが生じ、ついには褥瘡(床擦れ)が発生する。
寝た切りなどの人に生じる褥瘡は、その70%がこの仙骨先端の尾骨上の皮膚に生じると言われている。老人などの寝た切りの人の多くはおむつを使用している。ここで使用されているおむつはお尻全体に巻き付けるようにセットされる。そして、フラットタイプのおむつであってもパンツタイプのおむつであっても肛門から排泄された便を直接にポリマー配合の吸水層において受けるように構成されており、大臀筋が減少した老人などにおいては上記便が背中側へ回ってしまうことになる。特に、排便から時間が経過するに従って、体動によって便がおむつ内の各部に広がることになり、褥瘡が生じている人にとっては大きな問題である。
既に仙骨先端の尾骨部分に褥瘡が発生している場合には、上記のように便が回って患部が汚染されるばかりか、その部分が治療のためにガーゼや絆創膏などの治療用品によって覆われていたとしても、治療用品が汚染されることになる。従って、排便の度に患部が汚れて治癒しないことになる他、治療用品の取り換え消毒が必要となり、消毒によっても患部が刺激され治癒が遅れる原因にもなっている。
大便により汚染される範囲を減少・限定させて介護者と被介護者の肉体的・精神的負担を軽減させることも大きな課題である。
従来のおむつとして、例えば、排便プレートが腹部固定用バンドに着脱可能であり、排便プレートに取り外し可能な排便用ゴム製便袋により、洗浄して再使用するおむつが知られている(特許文献1参照)。
医療の立場から歓迎されるおむつの条件は、(1)尿路感染になりにくい、(2)便には様々な細菌類が含まれているばかりでなく、消化液という化学的刺激物が含まれているが、これらが付着したまま放置しても刺激性の接触皮膚炎になりにくい、(3)接触皮膚炎を発症した場合にその細菌により床擦れ(褥瘡)ができにくい、(4)現状のおむつは平坦であり、便が腰全体または背中の方へ移動回り込みすることで、特に女性は外陰部皮膚疾患を引き起こしやすいが、これに対処できること、(5)便が腰全体または背中の方へ移動回り込むことを防止できることである。
実用新案登録第3113401号明細書
以上のような医療の立場から、(a1)便と尿とが混じり合うことがなく、好ましくは便と尿を分離することができる、(a2)便が腰や背中へ回り込みにくい、(a3)排泄の後には皮膚と便との接触がないこと、(a4)排泄物の処理が簡単容易であること、などの特性を有するおむつが求められている。また、一般的に構造が簡単で、安価であることもおむつの重要な要素である。
本発明は、上記のような要望に鑑みてなされたもので、その目的は、上記a1〜a4の特性を満たすと共に、構造が簡単で、安価とすることが可能なおむつを提供することである。
本発明に係るおむつは、生体に触れる面に吸水性シート11を備え、この吸水性シート11の外側に防水シート12を備えたおむつ本体部10と、前記おむつ本体部10が生体の臀部に装着されたときに、前記おむつ本体部10における肛門が位置する部位に形成された穴18と、前記穴18から外側に便を収納する空間を備える便袋20と、前記穴18と前記便袋20の開口部とを結合する結合部23と、前記結合部23に設けられ、屈曲により形状を変化させ、前記穴18が閉じた状態から開いた状態を実現する線材25または棒材を含み、この線材25または棒材を、前記結合部23の前記本体部10の縁部と吸水シート21の縁部との間または前記結合部23の前記本体部10の縁部と防水シート22の縁部との間に挟み込み、前記穴18の周縁部に接着して設けることにより前記結合部23に厚みを持たせるように構成した緩衝部材24であって、該結合部23における開口を維持させると共に前記生体が仰臥位または腰掛けた状態の座位において生体の臀部に装着された前記おむつ本体部10が床に当接したときに、該床側から前記おむつ本体部10を離間させる緩衝部材24とを具備することを特徴とする。
本発明に係るおむつでは、緩衝部材24は、便袋20の一部とおむつ本体部10の一部以外の別部材である線材25または棒材を含み、
前記別部材である線材25または棒材を前記結合部23の前記本体部10の縁部と吸水シート21の縁部との間または前記結合部23の前記本体部10の縁部と防水シート22の縁部との間に挟み込み、前記結合部23に厚みを持たせるように構成した構成したことを特徴とする。
本発明に係るおむつでは、前記緩衝部材24に含まれる線材25は、針金25aを樹脂シートまたはフィルム25bで被覆して構成したことを特徴とする。
本発明に係るおむつでは、前記おむつ本体部10が生体の臀部に装着された状態で、前記臀部が当接するおむつ本体部10の外側に、平面形状が円または楕円形状で、周縁部から中央部に向かうほど厚みが厚く構成され、弾性を有する弾性ブロック80が、貼り付けられて設けられたことを特徴とする。
本発明に係るおむつによれば、おむつ本体部から便袋へ至る穴と便袋の開口部とを結合する結合部における開口を維持させると共に床側からおむつ本体部を離間させる緩衝部材が設けられているので、便と尿とが混じり合い難く、便が腰や背中へ回り込み難く、排泄の後には皮膚と便との接触を防ぎ、排泄物の処理が簡単容易であると共に、構造が簡単で、安価とすることが可能である。
本発明に係るおむつの実施形態の構成を示す組立斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋を作成するためのシートを示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋の作成工程を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋の作成工程を示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋の作成工程を示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態における便袋に用いられる部品を示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態における便袋に用いられる部品が配置された状態を示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋要部の作成工程を示す断面図であり、図1におけるI−I線断面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋要部の作成工程を示す断面図であり、図1におけるI−I線断面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる便袋の要部平面図。 本発明に係るおむつの第2の実施形態を示す要部の組立斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる変形例である便袋の作成手順を示す平面図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる変形例である便袋の作成手順を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられる変形例である便袋の作成手順を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態の変形例に用いられるおむつ本体部を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられるインナー便袋の第一の例を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられるインナー便袋の第二の例を示す斜視図。 本発明に係るおむつの実施形態に用いられるインナー便袋の第三の例を示す斜視図。 本発明に係るおむつの第3の実施形態を示す組立斜視図。 本発明に係るおむつの第3の実施形態の穴部の深さ方向に切断した断面図。 本発明に係るおむつの第3の実施形態に用いる弾性ブロックを示す斜視図。 図21に示した弾性ブロックの断面図。
以下添付図面を参照して、本発明に係るおむつの実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1には、本発明に係るおむつの実施形態を示す組立斜視図が示されている。このおむつは、生体に触れる面に吸水性シート11を備え、この吸水性シート11の外側に防水シート12を備えたおむつ本体部10と、便袋20とを主な構成要素としている。
防水シート12は、生体の股に対応する中央部13において幅狭に形成されており、前立部14及び尻当部15は中央部13から端部へ向かって幅広く広がった概ね台形状をなしている。尻当部15の両サイドには、粘着面を有する適宜な数の張付片15Aが設けられ、使用時に外側へ引き出して前立部14の全面の所定位置に張り付けて、生体におむつを装着させることができる。
吸水性シート11は、中央部13の幅と概ね等しい幅にて長尺状に形成されて、防水シート12の上に張り付けられている。吸水性シート11の長尺の2辺には、その面から立設されたギャザー16が形成され、このギャザー16によって、便の漏れ防止が図られる。吸水性シート11の中央部13のギャザー16よりも外側の防水シート12上には、底面から立設された外側ギャザー17が形成され、二重のギャザーにより便の漏れ防止が図られている。
おむつ本体部10における肛門が位置する部位には、穴18が貫通して形成されている。この穴18の形状は、特に限定はないが、菱形や円形或いは楕円形等のように、吸水性シート11の長手方向の両端が中央部よりも幅狭に形成されていると、大便の収納に好適である。
便袋20は、穴18から外側に便を収納する空間を備えるものであり、例えば図2に示すような長方形状の一枚のシートにより作成することができる。このシートは、横の長さAが、穴18の周囲長の2倍であり、縦の長さBが便を収納するために必要な高さとして設計される。Bは、例えば400mmから600mm程度とすることができる。
便袋20を構成するシートは、内側に吸水シート21を有し、外側に吸水シート21よりもやや大きめの例えば水は通過させないが通気性を有するポリオレフィン系のシートなどにより構成される防水シート22が貼着されたものを採用することができる。横方向における上端部及び下端部に沿って、吸水シート21と防水シート22の間に適宜な幅の接着面を設ける。この接着面は、吸水シート21と防水シート22のそれぞれに備えさせて、熱や高周波や超音波による溶着によって接着することが好適であるが、両面接着テープを貼着することにより形成することもでき、穴18と上記便袋20の開口部とを結合する結合部23を構成する。
結合部23における粘着面と吸水シート21または防水シート22のいずれか一方の間には、図8、図9に示す緩衝部材24が設けられる。この緩衝部材24は、結合部23における開口を維持させると共に床側からおむつ本体部10を離間させる機能を有するもので、便袋20の開口部の部材及び/または穴18付近のおむつ本体部10による部材によって構成することができ、便袋20及び/または穴18の端部を何度か折り込むか巻き込む等して厚みを持たせるように構成することができる。緩衝部材24は、開口維持部材として結合部に厚みを持たせるものとすることができる。即ち、便袋20の一部とおむつ本体部10の一部以外の部材を含むように、別部材を折り込むか重ねる等して厚みを持たせるように構成することができる。
更に、結合部23には、開口維持部材として、屈曲により形状を変化させる線材または棒材を設けることができる。棒材としては、布や紙により構成されるロープや紐を採用することができる。線材としては、細目の金属線、例えば針金などでも良いが、好適には図6に示すような、結束用に針金25aを樹脂シート(フィルム)25bで被覆したビニタイなどと称される線材25を用いることができる。このような線材25(或いは棒材)は、結合部23の長さに一致するようなものを図7に示すように、緩衝部材24の中に包むようにして配置することができる。これらの緩衝部材24や線材25は、便袋20の作成過程において配置することができ、または、便袋20を穴18に結合する際に配置することができる。
上記シートを用いて便袋20を作成するための一例は、吸水シート21の面を内側にして縦の半分から二つ折りし、図3に示すように二つ折りの丈寸法の三分の一から四分の一の部分を内側に折り返す。図3において、H1:H2=1:3〜1:2とすることができる。この折り方は、ガゼット折などと称されるものである。このガゼット折りされたシートの両側端部28を熱溶着して便袋20を完成する。
上記のようにして作成された便袋20をおむつ本体部10に結合するためには、図8に示すように吸水シート21と防水シート22のそれぞれ結合部の接着面を引き離し、その間に図8、図9に示すように緩衝部材24や線材25を挟み込み、かつ穴18の周端部19を挟み込んで接着面において所要の溶着法による溶着を行うことにより接着させて固定してゆく。勿論、前述の通り、両面テープを用いて接着を行うこともできる。穴18を菱形に形成した場合には、図4に示すように便袋20の開口部の四分の一を穴18の菱形の一辺に結合し、次に、上記結合した部分に続く便袋20の開口部の四分の一を図5に示すように穴18の菱形の続く一辺に結合し、以下同様にして便袋20の開口部の全周囲を穴18における菱形の全ての辺に結合し、作業を終了する。
以上のように構成されるおむつは、図8、図9から分かるように、緩衝部材24が結合部23に設けられ、結合部23を厚くしてまた穴18の開口を維持させることができる。また、穴18を閉じた状態で流通させることができ、流通時にはコンパクトにすることができる。閉じられた開口は、容易に広げることができ開口を維持した状態で患者に装着指せることができる。また、結合部23は緩衝部材24によって厚みを生じ、穴の開口部の周囲に沿ってバンクのように便袋20を見込むように構成され、床側からおむつ本体部10を離間させるので、便と尿とが混じり合い難く、便が腰や背中へ回り込み難く、排泄の後には皮膚と便との接触を防ぎ、排泄物の処理が簡単容易であると共に、構造が簡単で、安価とすることが可能である。
図10は、穴18における、肛門側と尿道口側とに、撥水性のU字条に形成した撥水性の綿球26を貼着したものである。これによれば、緩衝部材24に加えて綿球26によって形成されるバンクによって便が背中や腹側へ回り込み難い構成とすることができ、腹らか尿路側への侵入による尿路感染を防止することができ、また、背中側への回り込みによる仙骨部における褥瘡の発生を防止することができる。
図11には、緩衝部材を、臀部が当接するおむつ本体部10の内側または外側に設けられた弾性を有する弾性ブロック24Dとして構成したものを示す。弾性ブロック24Dは、スポンジ、ウレタンフォーム、低反発型ウレタンフォーム、発砲スチロールビーズ、硬綿、フェールト、椰子の実繊維、ジェル化ウレタン、天然ゴム、空気などの気体や水などの液体を入れたチューブ、繊維が絡み合って構成されたクッション材等弾性材により構成することができ、人体の臀筋に相当する形状を有する。例えば、楕円状や円形の形状を備え、全体がほぼ平坦でも良いが、周縁部から中央部分に向かうほど厚みを厚く構成することができる。
弾性ブロック24Dはおむつ本体部10の図11に破線によって示す該当部位に固定的に貼り付けてしまうこともできるが、着脱可能に設けるようにしても良い。いずれの場合においても、弾性ブロック24Dは、前に示した緩衝部材と同様に、床側からおむつ本体部10を離間させるので、便と尿とが混じり合い難く、便が腰や背中へ回り込み難く、排泄の後には皮膚と便との接触を防ぎ、排泄物の処理が簡単容易であると共に、構造が簡単で、安価とすることが可能である。
図12〜図14には、便袋20を別の折り方によって構成する場合を示したものである。シートは、図2において説明したものと同じものを用いることができる。短辺の中央点xから左右に直角三角形を作るように、l1とr1へ向けて吸水性シート11が内側となるように折り込み、辺xlと辺xrを重ね合わせて熱溶着する。長さl1−xlの三分の一程度の高さを示す線分h1−h2により三角形の先端部を、辺xlと辺xrを重ね合わせてた熱溶着部分側へ折り返す。
上記の状態で図13の形状を呈する。即ち、図12のh1から水平にh3まで延びる線分が、図13の手前壁面の角辺h1−h3を構成し、図12のh2から水平にh4まで延びる線分が、図13の手前壁面の角辺h2−h4を構成する。また、図12のh1から縦方向に延びる線分s1は図13の天板における奥側の辺s1を構成し、図12のh2から縦方向に延びる線分s1は図13の天板における奥側の辺s2を構成する。
図13の状態から、三角形xh1h2をxr(xl)側に折り込んで接着して、図14に示すように箱型の一端部を構成することができる。以上説明した図12〜図14において説明した工程の作業を、図12において省略されている上部側の端部においても行うことにより便袋20を構成することができる。なお、図12〜図14において示されているnは、結合部の接着剤面を示しており、この幅と厚みは適宜なものが用いられる。
本実施形態のおむつの便袋20には、例えば図16〜図18に示すようなインナー便袋を介装して使用することができる。図16に示すインナー便袋40は、基本的に直方体が型の袋であって底部41がU字状に緩やかに折り返された形状を有する。開口部の外周縁42には着脱可能な接着面が設けられている。この接着面は、例えば両面接着テープなどにより構成される。インナー便袋40の全体は、ビニールなどの樹脂により防水構造としても良いがある程度の時間は水に溶解することはないが便を包んだままトイレに流すと溶解するものであることが望ましく、また、袋内部に高吸水性高分子等の吸水素材を備えることができる。また、インナー便袋40は、前述のおむつ本体部10を構成するシートと同じ構成のシートを用いて作成されても良い。
図17に示すインナー便袋40Aは、インナー便袋40と同じ素材により構成され、単に一枚のシートの縁を熱圧着したものである。内部に吸収素材を備えても良いことは勿論である。図17の構成について、更にガゼット折りとしても良い。図18に示すインナー便袋40Bは、インナー便袋40Aにおいて底部43をガゼット折りして、入口の開口部44に逆流阻止用の蓋45を設けたものである。蓋45の中央部には、便通過用穴45aが形成されている。その他の構成は、図16、図17のものと同様である。この構成により、一度、便袋の底側へ収納された便が蓋45から逆流し難くなり、また逆流したとしても、その量は極僅かに留めることができる。このため、尿路感染の防止や褥瘡の発生の予防により効果的なものである。
上記のようなインナー便袋によれば、何度かの小便の蓄積、または大便の蓄積のときに、インナー便袋のみを交換すれば良く、交換によって尿路感染を防止や褥瘡の発生の予防に効果があり、また、おむつ全体を取り換える回数を減らせることができ、経済的である。
上記においておむつ本体部10は、生体の股に対応する中央部13において幅狭に形成されているものを示したが、図15に示されるように、おむつ本体部10Aを長方形の形状としても良い。このような構成のおむつは、便袋20に対応する袋などを備えるおむつカバーと共に用いることができる。
図19には、図11に示した弾性ブロック24Dの変形例に係る弾性ブロック80を臀部が当接するおむつ本体部10の外側に設けるものを示す。弾性ブロック80は、円環状の形状を有し、厚みは便袋20の深さ以上とすることが望ましい。中央の穴部81の径は、便袋20を広げたときに便袋20の外壁が弾性ブロック80の内壁に当接するような寸法であることが望ましい。弾性ブロック80の穴部81から半径に沿って仙骨に当接する部分に溝を設けても良い。弾性ブロック80は、ウレタンフォーム、低反発型ウレタンフォーム、硬綿、フェールト、椰子の実繊維、ジェル化ウレタン、天然ゴム、空気などの気体や水などの液体を入れたチューブ、繊維が絡み合って構成されたクッション材等により構成することができ、外側を吸湿性及び通気性の良い布やシートにより被覆したものとすることができる。
図9に示す状態のおむつの便袋20を、弾性ブロック80の穴部81に挿入し、便袋20の側壁を穴部81の側壁に沿わせるようにして便袋20の穴18を広げて、便袋20が穴部81にフィットした状態とする。図19に示す弾性ブロック80において、少なくとも穴部81の周縁、または、おむつ本体部10に当接する表面の少なくとも一部が面状ファスナーや接着剤など接着手段により、おむつ本体部10に当接して結合する。この状態の断面図を図20に示す。接着手段は、着脱自在に接着するものである方が好適である。
上記のようにされたおむつを患者に装着させる。これによって、バンク状の結合部23が患者の肛門を中心とした臀部にしっかりと当接すると共に、便袋20の穴18が広がった状態のまま装着されることになる。従って、排出された便は基本的に便袋20の穴18における底部へ収納される。この状態では、便が肛門側へ付着し難く、また臀部から背中や腹部へ回り込むことを防ぐことができる。これは、管理排便を行うときに極めて好適であり、医療の立場から要望されているおむつとしての条件を完璧に満足するものである。
しかも、上記のようにされたおむつは、患者が寝た状態においても又は車椅子等において腰掛けた状態においても弾性ブロック80によって便袋20の穴18が広がった状態を保持する。即ち、患者が起きているときも寝ているときも、便が肛門側へ付着し難く、また臀部から背中や腹部へ回り込むことを防ぐことができる。
第3の実施形態に係るおむつに用いられている弾性ブロック80を改良した弾性ブロック80Nを、図21、図22に示す。この弾性ブロック80Nは、おむつ本体10に接着される内側面83と、おむつ本体10に接着された状態において外側に露出する外側面82とを有している。この弾性ブロック80Nの平面形状は、円環形状である。
弾性ブロック80Nの内側面83は、図22(a)、図22(b)に示すようにすり鉢状の凹部83aが形成され、おむつを装着したときに患者の尻部に沿ってフィットする形状が採用される。弾性ブロック80Nの外側面82は、おむつを装着した患者の臀部を大型化した如くの形状となっている。
図21のA−A断面である図22(a)は、臀部に装着された弾性ブロック80Nを装着状態の横方向に切断した状態を示す。従って、図においてハッチングされた左右の部位は、装着時に患者の左右の臀部に被さった状態となる部位である。この部位は、頂上部82cにおいて最も厚く形成され、縁部82sへ向かうにしたがって徐々に薄く形成され、縁部82sから外側ではおむつ本体10あるいは患者の臀部へ自然に連絡する形状に形成されている。また、頂上部82cから穴部81へ向かっては、急激に厚みが薄くなり、穴部81の壁部となっている。
図21のB−B断面である図22(B)は、臀部に装着された弾性ブロック80Nを装着状態の縦方向に切断した状態を示す。従って、図においてハッチングされた左右の部位は、一方が装着時の背中側に位置する部位であり、他方が装着時の臀部から足側に位置する部位である。この部位は、頂上部82nにおいて最も厚く形成され、縁部82kへ向かうにしたがって徐々に薄く形成され、縁部82kから外側ではおむつ本体10あるいは患者の背中(又は足)部へ自然に連絡する形状に形成されている。頂上部82nの厚みは、頂上部82cの厚みよりも薄く形成されていることが望ましい。縁部82sと縁部82kは、弾性ブロック80Nの縁部において連続するものであり、弾性ブロック80Nは、その縁部において薄く、臀部に相当する部位は厚くされている。
以上のように構成された弾性ブロック80Nは、その他の点において弾性ブロック80と同様である。以上の通り、縁部82sから外側ではおむつ本体10あるいは患者の臀部へ自然に連絡する形状に形成され、また、縁部82kから外側ではおむつ本体10あるいは患者の背中(又は足)部へ自然に連絡する形状に形成されているため、ズボンやパジャマのズボンなどを容易に着脱可能である。
本実施形態のおむつを装着した状態において、ズボンなどを佩かせる場合には、患者における足側等の身体からズボンなどのウエスト部分をおむつ側へ上昇させて着せてゆくと、縁部82sや縁部82kという肉薄部分へ至り、この縁部82sや縁部82kから抵抗なく頂上部82nや頂上部82cへと緩やかな斜面を滑らせるように着せてゆくことが可能である。ズボンなどを佩かせた状態では、ズボンなどのウエスト部分が縁部82sや縁部82kや身体のウエストに配置されることから、ズボンなどのウエスト部分を特注で大きなものとすることなく、大きめの既製品のズボンなどを佩かせることができる。
また、ズボンなどを脱がせる場合には、患者におけるウエストや背中等の身体からズボンなどのウエスト部分をおむつ側へ下げて着せてゆくと、縁部82sや縁部82kという肉薄部分へ至り、この縁部82sや縁部82kから抵抗なく頂上部82nや頂上部82cへと緩やかな斜面を滑らせるように脱がせてゆくことが可能である。このように改良された弾性ブロック80Nを用いることによって、患者や要介護者への衣服の着脱を容易に短時間で済ませることが可能となる利点がある。
10、10A おむつ本体部
11 吸水性シート
12 防水シート
13 中央部
14 前立部
15 尻当部
15A 張付片
16 ギャザー
17 外側ギャザー
18 穴
19 周端部
20 便袋
21 吸水シート
22 防水シート
23 結合部
24 緩衝部材
24D、80、80N 弾性ブロック
25 線材
25a 針金
26 綿球
28 両側端部
40、40A、40B インナー便袋

Claims (4)

  1. 生体に触れる面に吸水性シート11を備え、この吸水性シート11の外側に防水シート12を備えたおむつ本体部10と、
    前記おむつ本体部10が生体の臀部に装着されたときに、前記おむつ本体部10における肛門が位置する部位に形成された穴18と、
    前記穴18から外側に便を収納する空間を備える便袋20と、
    前記穴18と前記便袋20の開口部とを結合する結合部23と、
    前記結合部23に設けられ、屈曲により形状を変化させ、前記穴18が閉じた状態から開いた状態を実現する線材25または棒材を含み、この線材25または棒材を、前記結合部23の前記本体部10の縁部と吸水シート21の縁部との間または前記結合部23の前記本体部10の縁部と防水シート22の縁部との間に挟み込み、前記穴18の周縁部に接着して設けることにより前記結合部23に厚みを持たせるように構成した緩衝部材24であって、該結合部23における開口を維持させると共に前記生体が仰臥位または腰掛けた状態の座位において生体の臀部に装着された前記おむつ本体部10が床に当接したときに、該床側から前記おむつ本体部10を離間させる緩衝部材24と
    を具備することを特徴とするおむつ。
  2. 緩衝部材24は、便袋20の一部とおむつ本体部10の一部以外の別部材である線材25または棒材を含み、
    前記別部材である線材25または棒材を前記結合部23の前記本体部10の縁部と吸水シート21の縁部との間または前記結合部23の前記本体部10の縁部と防水シート22の縁部との間に挟み込み、前記結合部23に厚みを持たせるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のおむつ。
  3. 前記緩衝部材24に含まれる線材25は、針金25aを樹脂シートまたはフィルム25bで被覆して構成したことを特徴とする請求項2項に記載のおむつ。
  4. 前記おむつ本体部10が生体の臀部に装着された状態で、前記臀部が当接するおむつ本体部10の外側に、平面形状が円または楕円形状で、周縁部から中央部に向かうほど厚みが厚く構成され、弾性を有する弾性ブロック80が、貼り付けられて設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のおむつ。
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