JP5726342B1

JP5726342B1 - 回転電機の短絡誤検出防止装置

Info

Publication number: JP5726342B1
Application number: JP2014010032A
Authority: JP
Inventors: 山本　敦志; 敦志山本; 藤田　暢彦; 暢彦藤田
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2014-01-23
Filing date: 2014-01-23
Publication date: 2015-05-27
Anticipated expiration: 2034-01-23
Also published as: FR3016756B1; FR3016756A1; JP2015139302A

Abstract

【課題】切粉による短絡誤検出を防止する回転電機の短絡誤検出防止装置を得る。【解決手段】界磁コイルを有する界磁回路と電機子コイルを有し、内燃機関からトルクを受けて発電しバッテリを充電すると共に、バッテリから電力を受けて内燃機関を駆動し、前記界磁回路には、バッテリ又は発電した直流電圧からブラシとスリップリングを介して前記界磁コイルに電流が供給され、前記界磁回路の電流を検出する電流検出器を設け、前記電流検出器が所定値以上の過電流を検出し、その過電流の継続時間が所定許容時間より短いときは、回転電機を継続運転する。【選択図】図２

Description

この発明は、発電と駆動を行う回転電機において、短期間の過電流を短絡と誤って検出しないようにする回転電機の短絡誤検出防止装置に関する。

従来技術では、回転電機中で短絡が発生したときは、回転電機を停止したり、又は過電流防止を行っている。また、回転電機中のスイッチング素子や積層鋼板で短絡が発生したときは、回転電機の停止、又は励磁電流の制限を行っている。短絡検出は精度よく行うことが可能となっているが、切粉侵入によって瞬間的に短絡する場合も、誤って回転電機を停止してしまう問題がある。なお、回転電機の短絡検出装置としては、特許文献１がある。

特許第３４８５８３４号公報

切粉が回転電機の界磁回路に接触した瞬間に焼き切れるなどのように、切粉が瞬時に消失するような短絡の場合でも、回転電機を停止さると、発電又は駆動を安定的に行うことができないという問題がある。しかし、回転電機中に切粉などの金属粉が侵入し短絡した場合は、短絡時間が非常に短いために、回転電機を停止したり、過電流を制限する必要はない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、回転電機の界磁回路における、切粉などの金属粉による短絡誤検出を防止する回転電機の短絡誤検出防止装置を得ようとするものである。

この発明に係わる回転電機の短絡誤検出防止装置は、界磁コイルを有する界磁回路と電機子コイルを有し、内燃機関からトルクを受けて発電し整流して得た直流電圧をバッテリに印加して前記バッテリを充電すると共に、前記バッテリから電力を受けて駆動され前記内燃機関にトルクを供給し、前記界磁回路には、前記バッテリ又は発電して得た前記直流電圧からブラシとスリップリングを介して前記界磁コイルに電流が供給される回転電機の短絡誤検出防止装置において、前記界磁回路の電流を検出する電流検出器を設け、前記電流検出器が所定値以上の過電流を検出し、その過電流の継続時間が所定許容時間より短いときは、前記回転電機の通常運転を継続し、前記回転電機が不必要に停止されることを防止するようにしたものである。

この発明の回転電機の短絡誤検出防止装置によれば、界磁回路に過電流が一定時間より短い時間流れることを許容することによって、金属粉の侵入によるブラシ短絡の不必要な検出を防止でき、回転電機を不必要に停止させることを防止することができる。界磁回路に過電流が流れる時間は一定時間より短いので、界磁回路が過熱から保護され、かつ短絡の不必要な検出を防止できる。

この発明の実施の形態１に係る短絡誤検出防止装置が適用される回転電機を示す断面図である。この発明の実施の形態１における界磁回路の短絡検出のフローを示すフローチャートである。

実施の形態１．
図１は、この発明の実施の形態１に係る短絡誤検出防止装置が適用される回転電機を示す断面図である。図において、回転電機は、フロントブラケット１とリヤブラケット２を有するハウジング、電機子巻線３ａを有する固定子３、シャフト５、界磁コイル６を有する回転子４を備えている。固定子３はフロントブラケット１とリヤブラケット２の各一端部によって挟持され固定され、固定子３の内側に回転子４が配置されている。

回転子４のシャフト５は、ハウジング中のフロントベアリング７ａとリヤベアリング７ｂに支承され、回転子４は固定子３に対して同軸に回転し得る。回転子４の両端面には、冷却ファン８が装着され、破線方向に外気を吸引し排出する。シャフト５のフロントブラケットの外側端には、プーリ９が設置され、内燃機関（図示せず）とベルトなどで連結され、内燃機関と連動して回転する。シャフト５のリヤ側には、スリップリング１０が装着され、スリップリング１０と接触する一対のブラシ１１がブラシホルダ内に配置されている。界磁コイル６には、ブラシ１１とスリップリング１０を介して直流電流が供給される。なお、２ａはリヤブラケット２の磁極位置検出センサ装着部である。

回転電機は内燃機関からプーリ９を介してトルクを受けて発電し、整流器で整流して得た直流電圧をバッテリに印加してバッテリを充電する。また、回転電機は、バッテリから電力が供給されることにより駆動され、内燃機関にプーリ９を介してトルクを供給する。界磁回路には、バッテリ又は発電して得た直流電圧からブラシ１１とスリップリング１０を介して界磁コイル６に電流が供給され、回転電機は、発電と共に駆動を行う。換言すれば、発電時又は駆動時、バッテリ又は発電され整流された直流電圧からブラシ１１とスリップリング１０を介して界磁コイル６に電流が供給され、回転子４が磁化され、回転子４が回転することで発電又は駆動を行う。

回転電機が発電又は駆動中、切粉などの金属粉がスリップリング１０に接触しスリップリング１０間またはブラシ１１間が短絡すると、瞬間的に界磁コイル６に大電流が流れる。しかし、切粉などの金属粉が接触したときは、短時間の間に焼切れて消失する。かような金属粉が接触した場合、短時間の間、過電流が流れる程度であり、焼切れる時間の間、過電流が流れることを許容する制御仕様にする。

界磁電流の、例えば定格値以上（あるいは定格値の１２０％以上）を過電流とし、その過電流の継続時間が、例えば、０．１ｍｓより短かければ、異物（事故となるネジなどの異物）として検出せず、回転電機を停止させないようにする。これにより、回転電機を安定に機能させることができる。この機能をソフトで制御することによって、過電流遅延遮断器などの装置を導入する必要はなくコストもかからない。

切粉は、例えば、０．１ｍｓより短い時間で焼切れてしまうので、切粉によりスリップリング間が短絡した場合、０．１ｍｓより短い時間の間、過電流が流れても、異物として判定しないようにする。しかし、ネジなどが侵入した場合、前記短時間で焼切れることはないので、異物として検出するようにする。これにより、回転電機が回っている最中にスリップリングから切粉が発生して、スリップリング間が短絡したとしても、回転電機は停止することなく、安定に動作させることが可能になる。なお、前記短時間は、回転電機の構造や雰囲気温度によっても変動する。
切粉は０．１ｍｓより短い時間で焼き切れてしまうので、以下のフローで制御する。

図２は、実施の形態１における界磁回路の短絡検出のフローを示すフローチャートである。界磁回路の界磁電流を電流検出器で検出するフローを開始する（ステップＳ１）。電流検出器が所定値以上（例えば界磁電流４０Ａ以上）の過電流を検出すると（ステップＳ２でＹＥＳ）、ステップＳ３に進み、その過電流の継続時間が所定許容時間以上（例えば０．１ｍｓ以上）のときは（ステップＳ３でＹＥＳ）、異物（例えばネジ）検知（ステップＳ４）となり、直ちに、回転電機の停止、又は励磁電流の制限を行う。なお、界磁電流の電流検出器としては、例えば、界磁回路にシャント抵抗を挿入し、そのシャント抵抗の両端電圧を検出することにより構成できる。電流検出器で検出して検出値を、コンピュータのソフトで、所定電圧値と比較することにより過電流を検出できる。

一方、ステップＳ２で、電流検出器の検出値が所定値（界磁電流４０Ａ）より小さいときは（ステップＳ２でＮＯ）、再びステップＳ２に戻る。また、ステップＳ２で電流検出器が所定値以上の過電流を検出すると（ステップＳ２でＹＥＳ）、ステップＳ３に進み、その過電流の継続時間が所定許容時間より短いのときは（ステップＳ３でＮＯ）、切粉などの金属粉と判断して、再びステップＳ２に戻ると共に、回転電機の通常運転を継続する。このような制御仕様にすることによって、切粉がスリップリングに接触して所定許容時間（０．１ｍｓ）より短い時間で過電流が流れたとしても、異物と判定せず、通常どおりの発電、駆動を続けるようにする。

このようにすると、回転電機が停止されることなく発電又は駆動を継続して安定して行うことができる。また、過電流が流れるのを防止するための装置を作動させることもないので、安定して発電又は駆動ができる。短時間過電流が流れるだけなので、界磁コイル６が過熱されることなく発電又は駆動を継続することが可能となる。これにより、界磁コイル６の被膜を保護しながら、安定して発電、又は駆動を継続することが可能である。

従来は、短絡したとき界磁コイルを過熱から保護するために、過電流が流れると、回転電機を停止させるか、過電流を防止するために電流を制限する装置が装着されているが、界磁回路に過電流が一定時間より短い時間流れることを許容することによって、金属粉の侵入によるブラシ短絡の不必要な検出を防止でき、回転電機を不必要に停止するのを防ぐことができる。また、過渡電流を制限するための装置が不要のため、コストを下げることができる。界磁回路に過電流が流れる時間は一定時間より短いので、界磁回路が過熱から保護される。

実施の形態２．
実施の形態１において、回転子４の回転に基づくブラシ１１とスリップリング１０との摩耗によって、切粉が発生し、この切粉がブラシ１１又はスリップリング１０に接触し、ブラシ１１又はスリップリング１０間が短絡又は地絡することがある。この場合、切粉が焼き切れる程度の時間（０．１ｍｓ程度）過電流が流れることを許容するようにする。
また、実施の形態１において、切削加工によって生じた細い切粉がブラシ１１又はスリップリング１０に接触し、ブラシ１１又はスリップリング１０間が短絡又は地絡するが、切粉が焼き切れる一定時間（０．１ｍｓ程度）より短い時間過電流が流れることを許可するようにする。

このように、界磁回路（界磁コイル）に一定時間より短い時間過電流が流れることを許可することによって、スリップリング１０から発生する切粉がブラシ１１又はスリップリング１０に接触し、ブラシ１１又はスリップリング１０間が短絡することによるブラシ短絡の不必要な検出を防止でき、回転電機が不必要に停止されることを防ぐことができる。界磁コイル６に大電流が流れる時間は短時間であるので、界磁コイルを過熱から保護できる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、
各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

１フロントブラケット２リヤブラケット、
２ａリヤブラケットの磁極位置検出センサ装着部
３固定子３ａ電機子巻線
４回転子５シャフト
６界磁コイル７ａフロントベアリング
７ｂリヤベアリング、８冷却ファン、
９プーリ１０スリップリング
１１ブラシ１２ブラシホルダ、

Claims

界磁コイルを有する界磁回路と電機子コイルを有し、
内燃機関からトルクを受けて発電し整流して得た直流電圧をバッテリに印加して前記バッテリを充電すると共に、前記バッテリから電力を受けて駆動され前記内燃機関にトルクを供給し、
前記界磁回路には、前記バッテリ又は発電して得た前記直流電圧からブラシとスリップリングを介して前記界磁コイルに電流が供給される回転電機の短絡誤検出防止装置において、前記界磁回路の電流を検出する電流検出器を設け、前記電流検出器が所定値以上の過電流を検出し、その過電流の継続時間が所定許容時間より短いときは、前記回転電機の通常運転を継続し、前記回転電機が不必要に停止されることを防止するようにしたことを特徴とする回転電機の短絡誤検出防止装置。
前記所定許容時間は０．１ｍｓより短いことを特徴とする請求項１記載の回転電機の短絡誤検出防止装置。