以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。図2,図3は、本実施形態の撮影機器の外観図であって、主に背面表示装置の表示部を示す図である。このうち、図2は表示部にメニュー画面が表示されている状態を示している。図3は、表示部にフイルター効果選択設定画面が表示されている状態を示している。
図4は、本実施形態の撮影機器を使用してフイルター効果処理を適用して撮影を行う動作モードであって、二度目以降のフイルター効果処理を適用し得る場合の選択表示画面を示す概念図である。図5,図6は、本実施形態の撮影機器の作用を示すフローチャートである。このうち図5は、本撮影機器の機器制御処理のシーケンスの概略を示すフローチャートである。図6は、図5の「アイコン切替表示処理」(図5のステップS114)の詳細を示すサブルーチンである。図7は、本実施形態の撮影機器において、フイルター効果処理を適用する撮影モードでの撮影動作に先立って行われるフイルター効果選択設定操作時に参照される推奨度テーブルデータの内容を示す図である。
本実施形態の撮影機器は、撮影光学系により結像された光学像を固体撮像素子等の光電変換素子等によって順次画像信号に変換し、これにより得られた画像信号を液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置を用いて順次再生表示すると共に、同画像信号を任意のタイミングで所定の形態の画像データ(静止画像データ若しくは動画像データ)に変換して記録媒体に記録し、また当該記録媒体に記録された画像データを画像として上記画像表示装置に再生表示し得るように構成されたデジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器である。
なお、本実施形態においては、撮影機器の使用時に被写体に対向する面を前面というものとする。撮影機器の使用時に使用者が対面する面を背面というものとする。また、操作部材のうちシャッターレリーズボタンが配設されている面を上面というものとする。そして、撮影機器の上面に対向して設けられる面を底面というものとする。
また、以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
まず、本実施形態の撮影機器1の内部構成の概略を、図1を用いて以下に説明する。
本実施形態の撮影機器1は、信号処理・制御部11と、撮影ユニット12と、記録部14と、操作判定部16と、通信部17と、表示部18と、タッチパネル18bと、時計部19等を具備して構成されている。
信号処理・制御部11は、信号処理部と制御部とによって構成され、マイコン等からなる回路部である。このうち、制御部は、撮影機器1の各種構成ユニットから送られてくる各種制御信号を受けて、その制御信号に対応する各種の制御処理を実行すると共に、撮影機器1の全体を統括的に制御する制御回路である。信号処理部は、撮影ユニット12が取得した画像信号を受けて、所定の形態(例えば表示形態,記録形態等)の画像信号及び画像データを生成するための信号処理を行う信号処理回路である。
本実施形態の撮影機器1における信号処理・制御部11の制御部は、撮影機器1における通常の制御を行う制御回路のほかに、表示制御回路の一部としてアイコン表示制御部11cを具備している。
このアイコン表示制御部11cは、特殊効果処理(後述するフイルター効果処理)を適用して撮影動作を行うのに先立って、適用を所望する特殊効果処理の種類を選択設定する操作が行われる際、その選択設定操作の補助を担う目的で表示部18に表示する項目を表わすアイコン表示の表示制御等を行なう表示制御部である。
また、本実施形態の撮影機器1における信号処理・制御部11の信号処理部は、表示用画像信号や記録用画像データ等を生成するための各種の信号処理(例えば圧縮伸張処理等)を行う処理機能のほかに、画像信号に対して特殊効果処理等の画像信号処理を施す画像処理部である特殊効果処理部11bを有して構成されている。
この特殊効果処理部11bは、例えば撮影レンズの前面に各種の光学フイルター(例えば色変換フイルタ,コントラスト調整フイルタ等)を配置した場合に得られる画像効果や、特定用途の撮影レンズ(例えば魚眼レンズやアオリ機構付き撮影レンズ等)を用いた場合に得られる画像効果等と、略同様の特殊画像効果(以下、これらの画像効果をフイルター効果というものとする)を、撮影画像信号に付与するための画像信号処理を実行する回路部である。
撮影ユニット12は、撮影レンズ12aと、撮像素子12bとによって主に構成される撮影部である。撮影レンズ12aは、被写体像を結像させる光学レンズと、この光学レンズを光軸に沿う方向に移動させて焦点調節及び変倍動作を実現するレンズ移動機構や絞り機構及びシャッター機構等の機構部材と、これらの機構部材を駆動制御する制御回路等を含んで構成される。撮像素子12bは、撮影レンズ12aの光学レンズによって結像される光学像を受けて、その光学像に対応する画像信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子を駆動制御する制御回路及び光電変換素子からの出力信号についての所定の信号処理等を行う信号処理回路等によって構成される。そして、撮像素子12bにより生成された画像信号は、信号処理・制御部11へと出力されるようになっている。なお、撮像素子12bに適用される光電変換素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子等である。
記録部14は、各種データやプログラム等を格納する記録媒体と、この記録媒体に対する画像データやプログラム等の記録処理及び記録済み画像データやプログラム等の読み出し処理等を行う駆動回路部等により構成される。
記録部14の記録媒体には、撮影ユニット12によって取得され信号処理・制御部11において各種の信号処理が施されることにより生成された記録用画像データ等を記録する画像データ格納用の記録領域のほかに、特殊効果処理用プログラム格納部14b,一覧データ記録部14c等を有する。
特殊効果処理用プログラム格納部14bは、フイルター効果処理(特殊効果処理)を行うのに必要な特殊効果処理用プログラムが予め格納される記録領域である。
一覧データ記録部14cは、フイルター効果処理(特殊効果処理)を行う際に参照される一覧データである推奨度テーブルデータ(詳細は後述する;図7参照)が予め格納される記録領域である。
なお、記録部14の記録媒体は、撮影機器1の内部に固定配置される内蔵型の記録媒体としてもよいし、撮影機器1に対して着脱自在に構成される記録媒体(例えばカード型メモリカード等)の形態のものでもよい。
また、特殊効果処理用プログラム格納部14b,一覧データ記録部14cに記録される特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータは、例えば記録部14の記録媒体が着脱自在のものであれば、記録媒体の交換によって、様々な種類のプログラムやデータの追加及び更新に容易に対応することができる。
さらに、本撮影機器1は、通信部17等を介して外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等との間でデータ通信を行うことができるようになっている。したがって、このようなデータ通信手段を利用することによって、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータを、外部サーバ2,3等からダウンロードすることができるようにしてもよい。これにより、撮影機器1が本来有する特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータに加えて、さらにあとから開発される新たなプログラム,テーブルデータを追加若しくは更新することができる。このことは、フイルター効果処理の種類を増加させることができ、さらなる表現のバリエーションの拡張を容易にすることができる。
操作判定部16は、撮影機器1に設けられる複数の操作部材(不図示)が使用者によって操作されることにより発生する指示信号を判定する回路部である。信号処理・制御部11は、操作判定部16による判定結果に基いて各構成ユニットの動作制御を実行する。ここで、撮影機器1の複数の操作部材としては、撮影動作に関与する操作部材,再生動作に関与する操作部材,データ通信に関与する操作部材,動作モードを切り替える操作部材,各種設定操作に関与する操作部材等がある。
具体的には、例えば撮影動作を実行するためのシャッターレリーズボタン16a(図2,図3等参照)や、各種設定を行うための設定画面(メニュー画面)を呼び出すためのメニューボタン16b(図2,図3等参照)等がある。
また、本実施形態の撮影機器1は、後述するように表示部18の表示に連繋するタッチパネル18bを有している。このタッチパネル18bは、表示部18の表示に対応する部位を使用者が直接タッチ操作する操作系を実現するものである。したがって、操作判定部16は、表示部18の表示及びタッチパネル18bからの入力を受けて操作判定を行うようにもなっている。
表示部18は、信号処理・制御部11による信号処理の結果生成された表示用画像信号に基く画像表示,予め用意されているデータに基く設定メニュー表示や操作用表示(操作部材若しくはタッチパネル18bに対応する表示等)等を表示させる表示装置である。表示部18としては、例えば液晶表示装置(LCD)や有機ELディスプレイ等が適用される。
例えば、撮影機器1を撮影動作モードで使用する時、使用者は表示部18に表示されるライブビュー画像を見ながら構図やシャッターレリーズを行うタイミングを決定する。つまり、撮影動作時には、表示部18は主にファインダーとして機能する。また、表示部18に設定メニュー画面等を表示させた時には、使用者はタッチパネル18bを含む選択操作部として機能する操作部材を利用することにより、当該撮影機器1に対する各種の設定作操や選択操作等を行うことができる。そして、撮影機器1を再生動作モードで使用する時には、表示部18には記録部14に記録済みの画像データを画像として表示させることができる。さらに、本発明の撮影機器1においては、撮影動作時にフイルター効果処理を適用した撮影を行う際には、所望のフイルター効果処理の種類を選択設定する選択設定画面をライブビュー画面に重畳表示させながら、所望のフイルター効果処理を選択した場合には、その処理結果をライブビュー画面で確認することができるようになっている。
時計部19は、撮影機器1における内部電気回路の制御等において必要となる計時動作等に寄与する計時回路等からなる。例えば、動作処理の各処理ステップにおいて待機時間等を計測したり(タイマー機能)、撮影動作時の撮影日時情報を記録する際に参照されるものである。
なお、本実施形態の説明では、時計部19を単独の構成ブロックとして構成した例を示しているが(図1参照)、これに代えて、時計部19を信号処理・制御部11の内部に含めて構成するような形態としてもよい。
通信部17は、外部機器との間での通信を行って、各種データやプログラム等の送受信を行う回路部である。本実施形態の撮影機器1においては、例えば通信部17を介してインタネット等の外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等と接続することにより、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータ等をダウンロードすることを想定している。
本実施形態の撮影機器1は、上述した各構成部材以外にも、種々の構成部材を具備して構成されるものである。しかしながら、上述の構成部材以外の構成については、本発明に直接関連しない構成である。したがって、図1においては、図面の煩雑化を避けるために、それらの図示を省略する。これと共に、本実施形態においては、上述の説明以外の一般的な構成については、従来の撮影機器と同様の構成を有しているものとして、その詳細説明は省略する。
このように構成された本実施形態の撮影機器1を用いて撮影動作を行うのに際し、フイルター効果処理を適用して撮影する場合の作用を、以下に説明する。
まず、本実施形態の撮影機器1において、フイルター効果処理を適用した撮影を行なう際の操作手順の概略を、図2〜図4を用いて以下に説明する。
撮影機器1が起動している状態であって、撮影動作若しくは再生動作を実行し得る状態にある時、使用者がメニューボタン16bを操作すると、撮影機器1の表示部18には、図2に示すように、本撮影機器1の各種設定を行うための設定画面であるメニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種設定を行なうための複数の設定項目を一覧表示する表示画面である。
図2に示すメニュー画面の表示例では、選択し得るメニュー項目118aとして、ストロボ(発行装置)関連の設定項目「ストロボ」と、露出補正関連の設定項目「露出補正」と、セルフタイマー(遅延レリーズ)関連の設定項目「セルフ」と、フイルター効果処理を適用する撮影時に関連する設定項目「アートフイルター」とが表示されている。
上述したように、本実施形態の撮影機器1の表示部18には、タッチパネル18bが適用されている。したがって、表示部18に、図2に示すメニュー画面が表示されているときに、上記各設定項目の表示されている部位を使用者が手指等を用いてタッチ操作することによって、対応する設定項目が選択設定されることになる。
なお、中央に表示される設定項目「メニュー」は、直前の表示画面に戻るための設定項目である。具体的には、例えば、撮影機器1が撮影動作を実行し得る状態にある時にメニューボタン16bの操作を行なって、図2の状態にした場合には、図2のメニュー画面で「メニュー」をタッチ操作すると、メニュー画面はライブビュー表示に切り替わり、撮影動作を実行し得る状態に戻る。
図2のメニュー画面において、使用者が設定項目「アートフイルター」をタッチ操作すると、表示部18の表示は、図3に示すようなフイルター効果選択設定画面に切り替わる。
フイルター効果選択設定画面は、本撮影機器1により実行し得るフイルター効果処理の一覧を所定の形態で表示する画面である。
図3に示すフイルター効果選択設定画面の表示例では、フイルター効果処理の種類名称を示すアイコン118bと、そのフイルター効果処理が施された場合のサンプル画像118cが表示されるようになっている。
なお、図3の表示例では、「セピア」,「ソフト」の二種の処理名が表示されている様子を示しているが、選択し得るフイルター効果処理の複数種類ある場合、例えばタッチパネル18b上でタッチスライド操作(タッチ操作をしながら画面上を撫でるように左右若しくは上下方向にスライド操作する一連の操作)を行なうと、本のページを繰るようにその他のフイルター効果処理の項目が表れるようになっている。
使用者は、このような操作を行なって、フイルター効果選択設定画面に表示されるフイルター効果処理のうちから所望の処理を選択操作する。
ここで、図2のメニュー画面において設定項目「アートフイルター」を選択したとき、即ちフイルター効果処理を適用して撮影を所望する場合のフイルター効果処理の種類の例を以下に示す。
「ミニチュア」…周辺のピントをぼかして目の前の実風景をまるで玩具(ミニチュア)の世界のように仕上げる効果
「ポップ」…色をカラフルで印象的に強調して、楽しく明るいポップな雰囲気の写真に仕上げる効果
「魚眼(フィッシュアイ)」…魚眼レンズを用いて撮影したように直線を円弧状に歪ませた構図に仕上げる効果
「ソフト」…ソフトフォーカスレンズを用いて撮影したように画面全体を柔らかいトーンに仕上げる効果
「セピア」…セピア調のモノクローム写真仕上げる効果
「白黒」…グレートーンで表現される白黒写真風に仕上げる効果
「スケッチ」…輪郭を線画で描画するスケッチ風に仕上げる効果
図3のフイルター効果選択設定画面において、使用者が所望する処理のアイコン118bをタッチ操作すると、表示部18は、図4に示すような表示に切り替わる。
図4に示す状態は、撮影機器1の撮影レンズ12aが被写体100に向いている状況を示している。そして、この状態において、撮影機器1は、撮影動作を実行し得る状態(即ち撮影動作モード)に設定されており、さらにフイルター効果処理を適用する撮影モード(即ち「アートフイルター」モード)に設定された状態であって、既に一つ以上のフイルター効果処理が適用されている場合を示している。
この状態となったとき、表示部18には、図3のタッチ操作で選択されたフイルター効果処理が施された状態のライブビュー画像が表示されている。これと同時に、同表示部18には、フイルター効果処理適用済みのライブビュー画像に重畳させて、適用済み処理の種類を示すアイコン118dと、追加適用が可能な処理種類を示す適用可能処理アイコン118eが、それぞれ所定の領域に表示される。
図4に示す例では、適用済み処理アイコン118dを、表示部18の表示画面内において左上隅の領域に単独表示している。また、追加適用可能処理アイコン118eを、表示部18の表示画面内において下縁部寄りの領域に並べて表示している。なお、ここで、追加適用可能処理アイコン118eが画面内に並べ切れない場合には、上述の選択設定画面と同様に、例えば画面左右方向へのタッチスライド操作によって切り替え表示されるようになっている。
なお、表示部18に表示される適用可能処理アイコン118e以外にも選択し得る追加適用可能処理アイコン118eが存在することを示すためには、例えば図4のページ指示アイコン118f等を表示すればよい。
図4に示す表示例では、「魚眼」処理が既に適用されており、この状態において追加適用可能処理アイコン118eとして、「セピア」,「ソフト」が表示されている状態を示している。
本実施形態の撮影機器1においては、上述したような手順(図2〜図4)を行なうことで、最初に適用するフイルタ効果処理を選択すると(図3)、その処理を適用した効果を即座にライブビュー画面によって確認できる(図4)。したがって、実際の撮影動作を行う前に、適用フイルター効果処理の結果を確認することができるので、無駄な撮影を行うことなく、所望の撮影結果を得ることができる。
そして、本実施形態の撮影機器1では、フイルター効果処理は一回のみではなく、その処理結果に対して、さらに別のフイルター効果処理を付加することができるようになっている。そのための操作画面が、図4に示す表示例である。
複数のフイルタ効果処理を重ねて付与する場合においては、最初に適用したフイルター効果処理の結果を二度目に適用するフイルター効果処理が打ち消してしまう場合がある。例えば、最初の適用するフイルター効果処理が色を強調する「ポップ」処理であった場合に、二度目に施すフイルター効果処理として「セピア」処理や「白黒」処理を適用すると、色情報が失われてしまうことになる。この場合、最初に適用した効果をも捨て去ることになってしまう。したがって、このような組み合わせは、相性が悪い組み合わせであると言える。
その一方で、例えば、懐かしい感じを表現するための「ソフト」処理と「セピア」処理とを組み合わせた場合には、懐かしい感じをより強調した表現とすることができると考えられる。したがって、この場合の組み合わせは、相性が良い組み合わせであると言える。
そこで、本実施形態の撮影機器1においては、図4の表示画面で適用可能処理アイコン118eを表示させる際には、最初に適用したフイルター効果処理を打ち消さない種類の処理のみを表示させるような表示制御を行なっている。
ここで、複数のフイルター効果処理を適用する場合に、互いに処理効果を打ち消さない種類の組み合わせや優先順を決定するための参照データとしての推奨度テーブルデータ(図7参照)が一覧データ記録部14cに用意されている。
図7において、行方向と列方向のそれぞれにフイルター効果処理の種類を列記している。図中の各欄に示される数字(0〜5)は、行方向で示される特定の効果処理と列方向で示される特定の効果処理とを組み合わせた場合の推奨度を示している。ここで推奨度とは、特定の二つの効果処理を組み合わせて実行した場合の処理効果の結果が好ましいもの(互いに打ち消し合わない効果処理の組み合わせ)であるか否か、換言すれば相性の度合いを示し、数字が大きくなるほど推奨度が高いものと規定している。また、数字が0になるものは、互いの処理効果を相殺してしまう組み合わせであるか、若しくは互いの相乗効果によって処理効果が強調され過ぎる結果、より不自然な効果しか得られない組み合わせであると規定している。
適用可能処理アイコン118eの表示制御についての概略は、次のようにして行われる。まず、撮像素子12bの出力信号に対して各種のフイルター効果処理を行なうためのプログラムは、記録部14の特殊効果処理用プログラム格納部14bに予め用意されている。
撮影機器1が「アートフイルター」モードで動作して、最初のフイルター効果処理を適用する操作が行なわれた場合(図2〜図4で説明した一連の動作)、信号処理・制御部11の特殊効果処理部11bは、撮像素子12bの出力信号に対して特殊効果処理用プログラム格納部14bから読み込んだ所定のプログラムを用いて対応する信号処理を施す。その処理適用結果は、信号処理・制御部11が表示部18を制御することにより、当該表示部18にライブビュー画像として表示される。
同時に、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、表示部18を制御して適用済み処理アイコン118dを所定の領域に表示させると共に、一覧データ記録部14cを参照して最初に適用済みのフイルター効果処理を打ち消さない種類の処理を表わす適用可能処理アイコン118eの一覧を所定の形態で表示部18の上記ライブビュー画像に重畳表示する。
本実施形態の撮影機器1は、二度目以降のフイルター効果処理を適用する場合の適用可能処理アイコン118eについての表示制御を行なうようにしているので、使用者が複数のフイルター効果処理を重ねて行なう操作を行なっても、混乱を招くようなことが無く、使用者の好みに応じた表現を実現する画像の生成を楽しむことが可能となっている。なお、二回目以降のフイルター効果処理を適用した結果の画像も、処理適用直後に即座にライブビュー画面によって確認できるようになっている。したがって、この場合にも実際の撮影動作を行う前に、適用フイルター効果処理の結果を確認することができるので、無駄な撮影を行うことなく、所望の撮影結果を得ることができる。また、表示部18に、フイルター効果処理適用済みのライブビュー画像に重畳させて、適用済み処理アイコン118dを表示させるようにしたので、使用者は現在適用されているフイルタ処理の種類を容易に確認することができる。
次に、本実施形態の撮影機器1の作用を、図5,図6のフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、使用者は、電源オフ状態にある撮影機器1の操作部材のうち電源オンオフ部材(不図示)をオン操作する。これにより、撮影機器1は起動して、図5の機器制御の処理シーケンスが開始される(スタート)。
図5における各処理ステップのうち、
(1)ステップS101〜S108の処理ステップは、撮影動作モード時の処理ステップ、
(2)ステップS131〜S135の処理ステップは、再生動作モード時の処理ステップ、
(3)ステップS111〜S121の処理ステップは、設定操作及び「アートフイルター」モード時の処理ステップ、
をそれぞれ示している。
まず、本実施形態の撮影機器1における撮影動作モード時の処理シーケンスの概要を以下に説明する。
図5のステップS101において、撮影機器1の信号処理・制御部11は、現在設定されている動作モードが撮影動作を実行し得る動作モード、即ち撮影動作モードに設定されているか否かの確認を行う。
なお、通常の場合、一般的なデジタルカメラ等の撮影機器においては、電源オン動作によって起動された直後の初期動作モードとしては、撮影動作モードに設定されているのが普通である。
また、一般的なデジタルカメラ等の撮影機器の撮影動作モードとしては、静止画像データを取得する静止画撮影モードと、動画像データを取得する動画像撮影モードとがある。本実施形態の撮影機器1においても、静止画像撮影モードと動画像撮影モードとを有するものとする。そして、本実施形態における撮影機器1が有するフイルター効果処理の機能は、静止画像に対しても、動画像に対しても、いずれにも適用することができるのもである。
上述のステップS101の処理において、静止画像撮影モードと動画像撮影モードとのいずれかの撮影動作モードに設定されていることが確認された場合には、次のステップS102の処理に進む。一方、撮影動作モードが設定されていないことが確認された場合、例えば動作モード切替え操作部材が操作される等によって、他の動作モードが設定されたものとして、ステップS131の処理に進む。
ステップS102において、信号処理・制御部11は、撮影ユニット12,表示部18等を制御して、撮像素子12bからの出力信号に基く所定の信号処理を行なうと共に、これにより生成された画像信号に基いて表示部18の表示画面上にライブビュー画像を表示させる処理を実行する。その後、ステップS103の処理に進む。
ステップS103において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して撮影動作を開始するための撮影操作の指示信号、例えば使用者がシャッターレリーズボタン16aを操作することにより生じるレリーズ信号が生じたか否かの確認を行う。ここで、撮影操作の指示信号が確認された場合には、次のステップS104の処理に進む。一方、撮影操作の指示信号が確認されない場合には、ステップS111の処理に進む。
ステップS104において、信号処理・制御部11は、上述のレリーズ信号を受けて、撮影ユニット12,表示部18等を制御して、実際の撮影動作、例えばAF動作,AE動作,AWB動作及びレリーズ動作等を実行する。その後、ステップS105の処理に進む。
ステップS105において、信号処理・制御部11は、取得した画像信号に基く所定の信号処理を行なって、当該画像信号の画像ファイル化、即ち記録用画像データファイルを生成する。そして、信号処理・制御部11は、記録部14を制御して、生成した記録用画像データファイルを記録媒体に記録する処理を実行する。その後、ステップS106の処理に進む。
ステップS106において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して電源オフ操作が行なわれたか否かの確認を行う。ここで、電源オフ操作が確認された場合には、次のステップS108の処理に進む。また、電源オフ操作が確認されない場合には、ステップS107の処理に進む。
ステップS108において、信号処理・制御部11は、上述の電源オフ指示信号を受けて、撮影機器1の主電源をオフ状態とする電源オフ処理を実行する。これにより、撮影機器1の制御シーケンスは終了する。
一方、上述のステップS106の処理において、電源オフ操作が確認されずにステップS107の処理に進むと、このステップS107において、信号処理・制御部11は、撮影機器1の動作モードの状態を変更する操作を受け付け得る動作モード変更操作受付状態とする処理を行なう。その後、ステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
次に、本実施形態の撮影機器1が再生動作モードで動作する場合の処理シーケンスの概要を以下に説明する。
上述のステップS101の処理において、撮影動作モードに設定されていないことが確認されてステップS131の処理に分岐すると、このステップS131の処理以降において、再生動作モードの処理シーケンスが実行される。
図5のステップS131において、信号処理・制御部11は、現在設定されている動作モードの確認を再度行なって、再生動作を実行し得る再生動作モードに設定されているか否かの確認を行う。ここで、再生動作モードに設定されていることが確認された場合には、次のステップS132の処理に進む。一方、再生動作モードに設定されていないことが確認された場合には、上述のステップS101の処理に進み、以降の処理を繰り返す。
なお、本実施形態の説明においては、撮影機器1の動作モードとして大きく分けて「撮影動作モード」と「再生動作モード」との二つの動作モードがあるものとして説明している。
しかしながら、撮影機器1の動作モードには、これら2つの動作モード以外の他の動作モードを有して構成される場合も当然考えられる。その場合には、上述のステップS131の処理の分岐において、さらに別の動作モードを確認するための処理シーケンスを同様に設けるようにすればよい。ただし、その場合における別の動作モードの処理シーケンスについては、本発明に直接関係しない部分であるので、その詳細説明は省略する。
ステップS132において、信号処理・制御部11は、記録部14,表示部18等を制御して、記録媒体に記録済みの画像データについてのファイル一覧表示処理を実行する。その後、ステップS133の処理に進む。
ステップS133において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して再生表示すべき画像に関するデータファイル選択操作が行われたか否かの確認を行う。ここで、ファイル選択操作が行われたことが確認された場合には、次のステップS134の処理に進む。また、ファイル選択操作が所定の時間以上の間、行われなかったことが確認された場合には、ステップS135の処理に進む。なお、この場合における所定の時間の経過確認は、時計部19による計時を行うことにより確認する。
ステップS134において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御して、上述のステップS133の処理にて選択されたデータファイルに基く画像の再生表示を行う選択ファイル再生表示処理を実行する。その後、ステップS135の処理に進む。
ステップS135において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して再生動作の終了操作が行われたか否かの確認を行う。ここで、再生終了操作が確認された場合には、上述のステップS106の処理に進む。また、再生終了操作が確認されず、他の操作(例えば一覧表示指示操作とする)が行なわれた場合には、上述のステップS132の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、上述のファイル一覧表示処理(ステップS132),ファイル選択操作処理(ステップS133),選択ファイル再生処理(ステップS134)等の各処理シーケンスについての具体的な処理内容については、本発明に直接関連しない部分であり、従来の撮影機器にて通常行われる処理と同様の処理がなされるものとして、それらの説明は省略する。
次に、本実施形態の撮影機器1における設定操作及び「アートフイルター」モード時の処理シーケンスを以下に説明する。
上述のステップS103の処理において、撮影操作の指示信号が確認されずにステップS111の処理に分岐すると、このステップS111の処理以降において、設定操作モードの処理シーケンスが実行される。
ステップS111において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視してメニューボタン16bが操作されることにより生じるメニュー表示指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、メニュー表示指示信号が確認された場合には、ステップS112の処理に進む。また、メニュー表示指示信号が確認されなかった場合には、ステップS116の処理に進む。
ステップS112において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御して上記メニュー画面(図2参照)の表処理を実行する。その後ステップS113の処理に進む。
ステップS113において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、図2の設定項目「アートフイルター」がタッチ操作されることにより生じる指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、当該指示信号が確認された場合には、フイルター効果処理を適用する撮影モード(「アートフイルター」モード)が選択されたものとして、次のステップS114の処理に進む。また、当該指示信号が確認されなかった場合には、ステップS120の処理に進む。
ステップS120において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、図2の設定項目「アートフイルター」以外の他の設定項目が選択指示されたか否かの確認を行う。ここで、他の設定項目の選択指示が確認された場合には、選択指示された他の設定項目に対応する操作画面表示を行なう。なお、他の設定項目が選択指示された場合の処理シーケンスの説明は、本発明に関連しないので省略する。
また、他の設定項目の選択指示が確認されない場合、即ちキャンセル指示がなされた場合には、上述のステップS112の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。なお、この場合におけるキャンセル指示は、図2に示す設定項目「メニュー」がタッチ操作された場合である。
一方、上述のステップS113の処理にて、フイルター効果処理を適用する撮影モード(「アートフイルター」モード)が選択されてステップS114の処理に進むと、このステップS114において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御して上記フイルター効果選択設定画面(図3参照)の表示処理を実行する。その後ステップS115の処理に進む。
ステップS115において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、いずれかのフイルター効果処理が選択されたか否かの確認を行なう。ここで、いずれかのフイルター効果処理が選択されたことが確認されると、次のステップS116の処理に進む。なお、このステップS115の処理においては、いずれかのフイルター効果処理が選択されるまで、当該選択設定画面を表示し、選択設定指示を待機する。
なお、これとは別に、ステップS115の処理において、信号処理・制御部11は、時計部19による所定時間の計時を行なって、フイルター効果処理の選択設定指示のないまま設定された所定の時間が経過した場合には、キャンセル指示信号を発生させて、上述のステップS106の処理に戻るようにしてもよい。
一方、上述のステップS115の処理にて、いずれかのフイルター効果処理が選択されてステップS116の処理に進むと、このステップS116において、信号処理・制御部11は、特殊効果処理部11bを参照して、既にフイルター効果処理が適用済みの画像信号が存在するか否か、即ちフイルター効果処理に関する適用済みの撮影用設定が有るか否かの確認を行なう。ここで、適用済み撮影用設定が有る場合(即ち、フイルター効果処理の二度目以降の適用を所望している場合)には、次のステップS117の処理に進む。また、適用済み撮影用設定が無い場合(即ち、初めてフイルター効果処理の適用を所望している場合)には、ステップS118の処理に進む。
ステップS117において、信号処理・制御部11の特殊効果処理部11bは、記録部14の特殊効果処理用プログラム格納部14bから上述のステップS115の処理にて選択されたフイルター効果処理に対応する処理プログラムを読み込み、このプログラムを用いて対応するフイルター効果処理を撮像素子12bの出力信号に対して実行する。その処理適用結果は、信号処理・制御部11が表示部18を制御することにより、当該表示部18にフイルター効果処理適用済みのライブビュー画像として表示される。これと同時に、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、当該ライブビュー画像に重畳させて、適用済み処理アイコン及び追加適用可能な処理アイコンを表示部18における所定の領域にそれぞれ表示させる(図4参照)。この場合において、追加適用可能な処理アイコンは、既に適用済みのフイルター効果処理の種類(設定内容)に応じたもののみが表示されるよう、設定内容によって切り替え表示処理が行われる。その後、ステップS118の処理に進む。
つまり、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、適用済みのフイルター効果処理の種類(設定内容)、即ち選択済みの画像処理の種類に応じて表示部18に表示するアイコン一覧表示(画像処理一覧表示)を切り替える制御(アイコン表示制御)を行なう表示制御部となっている。このアイコン表示制御を行なうために、アイコン表示制御部は、記録部14の一覧データ記録部14cに記録されている推奨度テーブルデータ(図7参照)を参照する。
このステップS117の処理のうち「設定内容によってアイコン切り替え表示処理」の詳細処理を、図6のサブルーチンによって以下に説明する。
まず、図6のステップS151において、信号処理・制御部11は、特殊効果処理部11bを参照して、適用済みのフイルター効果処理の種類の判定を行なう。
次いで、ステップS152において、信号処理・制御部11は、記録部14の一覧データ記録部14cに記録されている推奨度テーブルデータ(図7参照)を参照する。
続いて、ステップS153において、信号処理・制御部11は、上述のステップS151の処理にて判定された適用済みフイルター効果処理について、他のフイルター効果処理との相性を確認する。即ち、適用済みフイルター効果処理について、図7の推奨度テーブルデータ上で数値=0となるフイルター効果処理の項目と、それ以外(数値≠0)の項目を選別する。
そして、数値=0となる項目については、ステップS155の処理において、アイコン表示制御部11cによりアイコン表示を行わない制御を実行する。
一方、数値≠0となる項目については、ステップS154の処理において、アイコン表示制御部11cは、数値の大きい順にアイコン表示が行なわれるような制御を実行する。その後、元の処理シーケンスに戻る(リターン)。
ここで、図7を参照しながら、具体的な例を挙げて説明する。例えば、適用済みフイルター効果処理項目が「ミニチュア」である場合には、図7の推奨度テーブルデータの数値=0の項目は、「ミニチュア」,「魚眼」,「ソフト」,「スケッチ」である。したがって、これらの項目については、図4の表示画面において適用可能処理アイコン118eとして表示されない。
また、図7の推奨度テーブルデータの数値≠0の項目は、「ポップ=5」,「セピア=3」,「白黒=1」である。したがって、これらの項目については、図4の表示画面において適用可能処理アイコン118eとして表示される。そして、この場合において、数値の大きいものが優先表示される。
また、適用済みフイルター効果処理項目として二種類のフイルター効果処理が既に適用されている場合には、両フイルター効果処理の数値が共通して0とならない項目が適用可能項目となる。したがって、例えば「ミニチュア」と「ポップ」とが適用済みである場合には、図7に示すように共通して0にならない項目は該当無しであるため、この組み合わせの場合には、さらに追加してフイルター効果処理を付加することはできない。この場合には、適用可能項目が表示されないので(若しくは「適用可能項目該当無し」等の表示を行なってもよい)、使用者はその旨を知ることができる。
また、例えば「魚眼」と「ソフト」とが適用済みである場合には、図7に示すように共通して0にならない項目は、「ポップ=4,2」,「セピア=3,5」,「白黒=2,4」である。この場合には、数値の高い項目が優先表示されることになる。そして、二種の組み合わせの場合の数値は、例えば両フイルターの数値を合算した数値とし、その数値が高い順にアイコン表示を行なうようにすればよい。なお、合算した数値が同値の場合は、例えば一覧登録順を優先する等の措置をとってもよい。したがって、この場合には、例えば「セピア=3+5=8」,「ポップ=4+2=6」,「白黒=2+4=6」の順に表示される。
このようにして、表示部18には、図4に示すような表示が行われる。その後、図5のステップS118の処理に進む。
図5に戻って、ステップS118において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、適用可能処理アイコンに対する操作がなされたか否かの確認を行なう。ここで、アイコン操作がなされたことが確認された場合には、次のステップS119の処理に進む。また、アイコン操作が所定時間なされない場合には、上述のステップS106の処理に戻る。なお、この場合における所定の時間の経過確認は、時計部19による計時を行うことにより確認する。
ステップS119において、信号処理・制御部11は、上述のステップS118の処理において行なわれたアイコン操作に応じた表示画面に対する画像処理を実行する。即ち、信号処理・制御部11の特殊効果処理部11bは、記録部14の特殊効果処理用プログラム格納部14bから上述のステップS118の処理にて選択されたフイルター効果処理に対応する処理プログラムを読み込み、このプログラムを用いて対応するフイルター効果処理を特殊効果処理部11bに一時的に保存されている画像信号に対して実行する。その処理適用結果は、信号処理・制御部11が表示部18を制御することにより、当該表示部18にフイルター効果処理適用済みのライブビュー画像として表示される。これと同時に、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、当該ライブビュー画像に重畳させて、適用済み処理アイコン及び追加適用可能な処理アイコン一覧を、表示部18における各所定の領域にそれぞれ表示させる(図4参照)。この場合においても、追加適用可能な処理アイコンは、既に適用済みのフイルター効果処理の種類(設定内容)に応じたもののみを表示するよう表示制御される。その後、ステップS106の処理に戻る。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、撮像素子12bの出力画像信号に対しフイルター効果処理を複数回重ねて施す場合において、適用済みのフイルター効果処理を判定し、その適用済みフイルター効果処理に応じて適用可能なフイルター効果処理の項目のみを選択し得るようにし、重ねて適用するのに不適な組み合わせの項目は選択し得ないようにしたので、使用者は混乱することなく、所望の画像を生成することができる。
二度目以降に適用可能な処理項目を表示するのに際しては、先に適用済みの項目との組み合わせを勘案するための参照データである推奨度テーブルデータを処理プログラムとセットで具備するようにしたので、適用済み項目との組み合わ処理を行なうことでより効果的となる組み合わせの適用可能項目を優先して表示するようにしている。そして、その選択操作は、表示部18の表示画面を見ながらタッチパネル18bによるタッチ操作で実現したので、使用者は、直感的な選択設定操作に、よって確実かつ適切な操作を行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の撮影機器について以下に説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の撮影機器と、この撮影機器によってフイルター効果処理を適用する撮影を行なう際に使用者による操作にしたがって表示部の表示(フイルター効果選択設定画面)が切り替わる様子を示す図である。図9は、本発明の第2の実施形態の撮影機器の機器制御処理のシーケンスの概略を示すフローチャートである。
本実施形態の撮影機器1の構成は、上述の第1の実施形態の撮影機器と全く同様のものである。本実施形態においては、フイルター効果処理を適用して撮影を行なう際の操作手順及び操作手法が異なり、それに伴って表示部18の表示制御が若干異なるのみである。したがって、本実施形態についての以下の説明においては、撮影機器1自体の構成の説明は省略し、上述の第1の実施形態を参照するものとする。なお、この場合において、各構成部材についての名称及び符号は、上述の第1の実施形態と同じ名称及び符号を用いる。
本実施形態の作用について、図8,図9を用いて以下に説明する。
まず、図8によって、本実施形態の撮影機器におけるフイルター効果処理の選択設定操作の手順の概略を説明する。
上述の第1の実施形態の撮影機器1と同様に、撮影機器1が起動している状態であって、撮影動作若しくは再生動作を実行し得る状態にある時、使用者がメニューボタン16bを操作すると、撮影機器1の表示部18には、メニュー画面(図2参照)が表示される。このメニュー画面の表示中に使用者が設定項目「アートフイルター」をタッチ操作すると、表示部18の表示は、図8の符号18Aに示すようなフイルター効果選択設定画面に切り替わる。
本実施形態の撮影機器1におけるフイルター効果選択設定画面の初期アイコン一覧表示画面は、図8に示す符号18Aに示すように、画面全体にわたってライブビュー画像が表示されており、これに重畳させて、画面右上隅の領域に現在設定されている動作モードが「アートフイルター」モードである旨を表わすアイコン表示118gが表示され、さらに、その下側の領域であって画面右側の所定の領域に複数の適用可能処理アイコン118eが画面縦方向に並べて一覧表示されている状態となる。これら複数の適用可能処理アイコン118eは、現時点において適用可能なフイルター効果処理の項目である。図8に示す例では、適用可能項目を縦方向に並べて一覧表示するようにしているので、適用可能項目が複数有る場合に当該所定領域内に適用可能項目の全てを表示し切れない場合がある。そのような場合には、例えば当該領域内にて縦方向のタッチスライド操作を行うことにより、適用可能項目一覧の表示切り替えを行なうことができるようにすればよい。
なお、図8の符号18Aに示す表示画面の状態は、使用者が手指101等を用いて表示画面中の適用可能処理アイコン118eの一つをタッチスライド操作している途中の状態を示しているものである。したがって、この図8の符号18Aで示す状態では、適用可能処理アイコン118eの一つが少し移動している状態となっている。
この図8の符号18Aに示す状態では、未だフイルター効果処理の指示がなされていない状態である。したがって、この段階で表示部18に表示されるライブビュー画像は、撮像素子12bによって取得される通常の画像が表示される。
このような状態において、使用者は、図8の符号18Aに示すように、手指101等を用いて複数の適用可能項目のうちから適用を所望するフイルター効果処理を表わす適用可能処理アイコン118eをタッチ操作し、そのタッチ操作を維持した状態で、矢印X方向、即ち表示部18の表示画面上を右側から左側に向けてスライド操作する。つまり、適用を所望し選択されたフイルター効果処理に対応する適用可能処理アイコン118eを、タッチスライド操作によって、画面右側の領域から画面左側の領域へと移動させる操作を行なう。これにより、選択しタッチスライド操作の対象となった適用可能処理アイコン118e(図8の符号18Aの表示例では「魚眼」)が、画面左側の所定の領域に移動することによって適用済みアイコン118dとなる。これと同時に、ライブビュー画像は、その適用済みアイコン118dに対応するフイルター効果処理を適用した画像に切り替わる。さらに、このとき、適用可能項目として表示される適用可能処理アイコン118eの一覧表示は、適用済みアイコン118dに応じたものに切り替わる。このときの表示部18の表示例が、図8の符号18Bの表示である。
図8の符号18Bの表示がなされているとき、さらに、使用者が手指101等を用いて適用を所望するフイルター効果処理を表わす適用可能処理アイコン118e(図8の符号18Bの表示例では「ソフト」)をタッチスライド操作すると、二度目に選択されタッチスライド操作された二個目の適用可能処理アイコン118e(「ソフト」)も、画面左側の所定の領域に移動し適用済みアイコン118dとして一覧表示される。これと同時に、ライブビュー画像は、二度目の適用済みアイコン118dに対応するフイルター効果処理を適用した画像に切り替わると共に、適用可能処理アイコン118eの一覧表示も、二つの適用済みアイコン118dに応じて切り替わる。このときの表示部18の表示例が、図8の符号18Cの表示である。
なお、図8の符号18Cの表示例では、「ソフト」処理を適用した場合のライブビュー画像を図面で表わすために、輪郭線を点線で示すことにより、「ソフト」処理表現、即ち輪郭線を強調しない表現を表している。
次に、本実施形態の撮影機器1の作用を、図9のフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、使用者は、電源オフ状態にある撮影機器1の操作部材のうち電源オンオフ部材(不図示)をオン操作する。これにより、撮影機器1は起動して、図9の機器制御の処理シーケンスが開始される(スタート)。
なお、本実施形態の撮影機器1による作用のうち撮影動作モード時の処理ステップ(ステップS101〜S108)と、再生動作モード時の処理ステップ(ステップS131〜S135)は、上述の第1実施形態と全く同様である。したがって、それら同様の処理ステップについての説明は省略し、上記第1実施形態とは異なる処理ステップ、即ち設定操作及び「アートフイルター」モード時の処理ステップ(ステップS161〜S166,S171〜S176)について、以下に説明する。
図9のステップS103の処理において、撮影操作の指示信号が確認されなかった場合には、まず、設定操作モードの処理シーケンスが実行される。
この設定操作モードの処理シーケンスは、上述の第1の実施形態における図5のステップS111〜S113,S120と全く同じである。
なお、本実施形態においては、ステップS111の処理にて、メニュー操作が確認されなかった場合には、再度、ステップS103の処理に戻るようにしている。
そして、ステップS113の処理において、「アートフイルター」モードが選択されるとステップS161の処理に分岐する。
図9のステップS161において、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、表示部18を制御して表示中のライブビュー画像に重畳させて「アートフイルター」モード時における初期アイコン一覧表示処理を実行する。この処理によって表示部18の表示は、上述した図8の符号18Aのようになる。その後、ステップS162の処理に進む。
ステップS162において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、使用者が手指等によってタッチパネル18bに対し縦方向のタッチスライド操作を行なったか否かの確認を行なう。ここで、縦方向のタッチスライド操作が確認された場合には、次のステップS163の処理に進む。また、縦方向のタッチスライド操作が確認されなかった場合には、ステップS164の処理に進む。
ステップS163において、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、表示部18を制御して非表示状態にあった適用可能処理項目についての一覧を表示するアイコン切替え一覧表示処理を実行する。その後、ステップS164の処理に進む。
ステップS164において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、使用者が手指等によってタッチパネル18bに対し横方向(左右方向)のタッチスライド操作を行なったか否かの確認を行なう。ここで、横方向のタッチスライド操作が確認された場合には、次のステップS165の処理に進む。また、横方向のタッチスライド操作が確認されなかった場合には、ステップS103の処理に戻る。
ステップS165において、信号処理・制御部11は、上述のステップS164の処理にて確認された横方向のタッチスライド操作の対象フイルター効果処理の項目を選択する。これにより、信号処理・制御部11の特殊効果処理部11bは、記録部14の特殊効果処理用プログラム格納部14bから選択されたフイルター効果処理に対応する処理プログラムを読み込む。
続いて、ステップS166において、信号処理・制御部11の特殊効果処理部11bは、上述のステップS165の処理にて読み込んだフイルター効果処理用プログラムを用いて所定のフイルター効果処理の画像処理を、撮像素子12bにより取得され、例えば信号処理・制御部11の内部メモリ(不図示)等に一時的に保存されている画像信号に対して実行する。その処理適用結果は、信号処理・制御部11が表示部18を制御することによりフイルター効果処理適用済みのライブビュー画像として表示される。
さらに続けて、ステップS171において、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、適用済みのフイルター効果処理に応じたアイコン表示制御を行なうために、記録部14の一覧データ記録部14cに記録されている推奨度テーブルデータ(図7参照)を参照する。
続いて、ステップS172において、信号処理・制御部11は、特殊効果処理部11bを参照して、既に適用済み(選択済み)のフイルタ効果処理が複数あるか否かの確認を行なう。ここで、適用済みフイルタ効果処理が複数あることが確認された場合には、次のステップS173の処理に進む。また、適用済みフイルタ効果処理が単一であることが確認された場合には、ステップS174の処理に進む。
ステップS173において、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、上述のステップS172の処理にて判定された複数の適用済みフイルター効果処理について、他のフイルター効果処理との相性を確認する。即ち、適用済みフイルター効果処理について、図7の推奨度テーブルデータ上で推奨数値≠0となるフイルター効果処理の項目に対応するアイコンを選択する処理を行なう。
続いて、ステップS174において、信号処理・制御部11のアイコン表示制御部11cは、数値の大きい順にアイコン表示が行なわれるような制御を実行する。
上述のステップS171〜S174の処理の結果、フイルター効果処理適用済みのライブビュー画像の表示(S167)に対して、適用済み処理アイコン(画面左側領域)及び追加適用可能な処理アイコン一覧(画面右側領域)が表示部18に重畳表示される。この場合において、追加適用可能アイコンは、既に適用済みのフイルター効果処理の種類(設定内容)に応じたもののみが推奨度の高い順に表示される表示制御がなされる。このような表示制御によってなされる表示部18の表示は、図8の符号18Bのようになる。その後、ステップS106の処理に戻る。
本実施形態における設定操作及び「アートフイルター」モード時の処理シーケンスは、以上である。
なお、本実施形態では、さらに、図9のステップS181〜S182の処理ステップにおいて、通信動作モード時の処理ステップを付加している。
即ち、ステップS131の処理にて現在設定されている動作モードが撮影動作モードでもなく、再生動作モードでもないことが確認された場合に、ステップS181の処理に進む。
ステップS181において、信号処理・制御部11は、通信モードが設定されているかどうかの確認を行なうと共に、他機器との間で通信を行なって新規にフイルター効果処理用のプログラム及び推奨度テーブルデータ(一覧データ)の入手を行なう動作モードか否かの確認を行なう。ここで、通信モードの設定が確認された場合には、次のステップS182の処理に進む。また、通信モードの設定が確認されない場合には、上述のステップS101の処理に戻る。若しくは、ここで、さらに他の動作モードを確認するための処理シーケンスを同様に設けてもよい。
ステップS182において、信号処理・制御部11は、通信部17を制御して、図1に示す外部ネットワーク4を介して外部サーバ2,3等から特殊効果処理用プログラムや推奨度テーブルデータ等のデータをダウンロードする。そして、信号処理・制御部11は、記録部14等を制御して、ダウンロードした特殊効果処理用プログラムを特殊効果処理用プログラム格納部14bに記録し、同時にダウンロードした推奨度テーブルデータを一覧データ記録部14cに記録する。その後、ステップS101の処理に戻る。
この一連の通信動作モードの処理ステップ(ステップS181,S182))は、上述の第1実施形態で説明した図5のフローチャートに対しても全く同様に付加し得る。
以上説明したように、上記第2の実施形態によれば、表示画面を見ながらタッチスライド操作をするのみの直感的な操作によって、フイルター効果処理の種類を選択するようにし、その都度、適用済みの効果処理に応じて、適用可能項目の一覧表示の切り替えを行なうようにしている。これにより、本実施形態においても上述の第1の実施形態と略同様の効果を得ることができると共に、さらなる操作性の向上に寄与することが容易にできる。また、表示部18には、フイルター効果処理適用済みのライブビュー画像に重畳させて、適用済み処理アイコン118dを表示させるようにしたので、使用者は現在適用されているフイルタ処理の種類を容易に確認することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の撮影機器について以下に説明する。
図10,図11は、本発明の第3の実施形態の撮影機器によってフイルター効果処理を適用する撮影を行なう際(「アートフイルター」モード)に使用者による操作手法、及びその操作にしたがって表示部の表示(フイルター効果選択設定画面)が切り替わる様子を簡単に示している。
本実施形態の撮影機器1の構成は、上述の第1の実施形態の撮影機器と全く同様のものである。本実施形態は、撮影機器1によるフイルター効果処理を適用する撮影を行なう際に表示部18の表示画面が若干異なり、それに伴って表示部18の表示制御を異ならせて構成してある。したがって、本実施形態についての以下の説明においては、撮影機器1自体の構成の説明は省略し、上述の第1の実施形態を参照するものとする。この場合において、各構成部材についての名称及び符号は、上述の第1の実施形態と同じ名称及び符号を用いる。
本実施形態の作用について、図10,図11を用いて以下に簡単に説明する。
本実施形態の撮影機器1において、フイルター効果処理を適用する撮影を行なう際には、例えば図10に示すような表示画面制御が行なわれる。即ち、表示部18の画面内において、画面上縁側の所定面積を有する領域であって、適用済みアイコンが表示される領域F2と、画面下縁側の所定面積を修する領域であって、適用可能アイコンの一覧が表示される領域F1と、画面中央部を含む領域にライブビュー画像を表示する領域Gがある。
本実施形態においては、領域F1の適用可能アイコンを画像領域Gへとタッチスライド操作等によって移動させることで、フイルター効果処理を実行させることができるようにしている。そして、フイルター効果処理を実行させた場合には、適用済みアイコンが領域F2に表示される。これと同時に、適用済みアイコンに応じて適用可能アイコンの一覧表示が切り替わる。
つまり、図10に示す状態(初期選択画面とする)において、例えば領域F1に表示される複数の選択可能アイコンのうち「AF−1」をタッチスライド操作によって画像領域Gへと移動させる。すると、図11に示すように、適用済みアイコンは、領域F2に表示されると共に、領域F1から消滅する。なお、アイコン表示が消滅したことを表わすのに、図11では、いままで表示されていた位置に点線枠を描くことで示している。
また、このとき、図11に示すように、領域F1に表示される複数の適用可能アイコンは、推奨度の高い順に表示される。さらに、上述の第1,第2実施形態における推奨度テーブルデータの数値に代えて、本実施形態においては、アイコン自体の表示サイズを変更することによって推奨度の高さを表現するようにしている。したがって、使用者は、表示部18の表示を目視することによって、複数回のフイルター効果処理を適用する際に、適用可能か否か、また適用の推奨度を直感的に把握することができるという効果がある。
つまり、二度目以降の適用可能アイコン一覧表示は、図11の領域F1に示すように、推奨度の高い順に表示される。そして、アイコンサイズが大きいものほど、処理効果が大きいものになることがわかるようになっている。
そして、複数回のフイルター効果処理を適用した場合には、図11の領域F2に示すように、適用済みアイコンは適用順に並べて表示される。
図11に示す例では、項目「AF−4」を2回続けて適用している。この場合において、2つの「AF−4」のアイコンサイズが異なっている。詳しくは、先に適用された項目「AF−4」のアイコンサイズに比べて、後に適用された同項目の「AF−4」の方がアイコンサイズが小さく表示されている。このことは、同じ処理「AF−4」を続けて適用した場合、二倍の適用効果を得られるわけではなく、後に適用された処理の効果が小さいことを表示しているものである。
上記第3実施形態に示すような作用を実現するためのフローチャートとしては、上述の第2実施形態で説明した図9と略同様のものを適用することができる。
以上説明したように、上記第3実施形態においても、上述の第1,第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態によれば、操作体系をタッチパネルを用いて表示画面上にて直感的に行ない得るようにすると共に、適用可能項目や適用済み項目を表わすアイコンの配置やサイズを工夫することによって、適用推奨度や適用効果等の状態表示を、使用者が視覚的かつ直感的に理解し得るようにしたので、さらなる操作性の向上に寄与することができる。
また、本実施形態によれば、表示画面上において適用済みアイコンを表示する領域と、適用可能アイコンを一覧表示する領域とを設け、これら各表示領域を見るだけで、現在適用されているフイルタ効果処理の種類、及びこれから適用可能なフイルタ効果処理の種類を容易に確認することができ、よって、操作性の向上に寄与することができる。
[第4の実施形態]
上述の各実施形態の撮影機器においては、例えば第1の実施形態における図1に示すように、通信部17を具備しており、この通信部17を介して外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等との間でデータ通信を行うことができるように構成している。そして、このデータ通信手段を利用することによって、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータを、外部サーバ2,3等からダウンロードすることができるように構成していた。このような構成により、上述の各実施形態の撮影機器においては、最新の特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータ等を、簡単に追加し若しくは更新することができ、よって、実行可能なフイルター効果処理の多様化に容易に対応できるようにしている。
特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータの追加,更新をするための手段としては、上記データ通信手段に限られることはない。例えば、記録部14の記録媒体が撮影機器に対して着脱自在の形態のもの(例えばカード型メモリカード等)であれば、その記録媒体を介して他の外部機器(不図示)から特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータ等をコピーし、当該撮影機器で利用することができる。また、記録部14の記録媒体が機器内部に固定の内蔵型のものであっても、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータ等を有する外部機器(不図示)と当該撮影機器とをケーブル接続することによって、外部機器の推奨度テーブルデータ等を、当該撮影機器の内蔵記録媒体にコピーすることが可能である。これらの手段は、上述の各実施形態の撮影機器においても実現可能である。なお、着脱自在に構成される記録媒体を実現する構成(例えば記録媒体着脱機構や、装着した記録媒体との間のデータ信号伝送回路等の構成等)や、外部機器とのケーブル接続のための構成(例えば機器接続用コネクタ等や、該コネクタに接続される接続ケーブルを介して外部機器との間のデータ信号伝送回路等の構成等)は、従来の撮影機器において一般に普及している技術を利用すればよい(図示は省略)。
本発明の第4の実施形態の撮影機器の構成を、以下に説明する。図12は、本実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。本実施形態の撮影機器1Aにおいては、上述の第1の実施形態の撮影機器1(図1参照)からデータ通信手段、即ち通信部17を省略した形態としている点が異なるのみである。それに伴い、図12においては、外部ネットワーク4,外部サーバ2,3等が不要となる。そして、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータの追加,更新をするための手段としては、上述したように、データ通信手段以外の手段、即ち記録媒体を介在させる手段、若しくは外部機器とのケーブル接続による手段を利用する。その他の構成は、上記第1の実施形態の撮影機器1と全く同様である。
このような構成からなる上記第4の実施形態の撮影機器1Aにおいては、通信部17を省略しながら、上述の第1の実施形態の撮影機器1と全く同様に、特殊効果処理用プログラム,推奨度テーブルデータ等の追加,更新等を行うことができる。したがって、本実施形態の撮影機器1Aにおいては、上述の第1の実施形態の機能と同等の機能を保持しながら、内部構成の簡略化を実現することができると共に、製造コストの低減化に寄与することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。