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JP5708125B2 - ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有するインモールド用転写箔、該転写箔の製造方法および射出成形品 - Google Patents

ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有するインモールド用転写箔、該転写箔の製造方法および射出成形品 Download PDF

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JP5708125B2 JP2011068527A JP2011068527A JP5708125B2 JP 5708125 B2 JP5708125 B2 JP 5708125B2 JP 2011068527 A JP2011068527 A JP 2011068527A JP 2011068527 A JP2011068527 A JP 2011068527A JP 5708125 B2 JP5708125 B2 JP 5708125B2
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Description

本発明は、インモールド用転写箔に関し、さらに詳しくは、成形用金型内へ挿入し、成形することで、射出成形品の立体面への追従性よく転写することができ、しかも射出成形品へ転写されたエンボス層の光輝性に優れるインモールド用転写箔、および射出成形品に関するものである。
各種プラスチック成形物品、例えば、射出成形による成形品は、日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、電子機器や事務用品などの筐体類など、多くのものに使用されている。従来、これら成形品の高意匠化のために、射出成形時に、印刷フィルムやエンボス転写フィルムを金型内に挿入して、射出成形と同時に絵付けやエンボス転写、その中でも特にホログラム転写することが行われている。
さらなる成形品の高意匠化が求められており、この目的のために成形品の表面にホログラム層を有する転写箔構成が知られている(特開2004−358925)が、該成形品は表面にハードコート層を持たないため、物性が劣り、意匠性が失われやすいという問題点がある。
また、ハードコート層およびホログラム層を含んだ転写箔が知られている(特開2010−214796)。しかしながら、成形品にてホログラム層が層構成の下層側にあり、ホログラム層はハードコート層と分離した構成であるため、意匠性に劣るという問題点がある。
特開2004−358925号公報 特開2010−214796号公報
従って、さらなる意匠性および物性の向上のために、ハードコートおよびエンボスを有する転写箔であっても、物性および意匠性に優れるインモールド用転写箔、および該転写箔の製造方法、およびそれらを用いた成形品が求められている。
すなわち本発明の目的は、各種物品の表面に意匠性に優れ、かつ物性を備えた、ハードコートおよびエンボスなどの装飾を付与できるインモールド用転写箔、および該転写箔の製造方法、およびそれを用いた成形品を提供することである。
そこで、本発明者らは上記の問題点を解消するために、鋭意検討を進めた結果、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有する転写箔とすることで、各種射出成形品の表面に意匠性に優れ、かつ優れた物性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明、基材上に、離型層、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層、印刷層および接着層を順次積層させてなることを特徴とするインモールド用転写箔に関する
ただし、(1)〜(4)であることを特徴とする。
(1)ハードコート層を兼ね備えたエンボス層が、紫外線硬化型組成物から形成されてなる。
(2)紫外線硬化型組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートを、紫外線硬化型組成物全量に対し45〜90重量%含有する。
(3)ウレタン(メタ)アクリレートが、重量平均分子量1,000〜100,000である。
(4)紫外線硬化型組成物が、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、セルロース誘導体およびフッ素樹脂からなる群より選択される一以上のイナート樹脂を含有する。
さらに、本発明は、インモールド用転写箔が、さらにプライマー層および/または反射層を、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層と接着層との間に有することを特徴とする上記インモールド用転写箔に関する。
さらに、本発明は、前記反射層が、アルミニウム蒸着層または酸化チタン蒸着層であることを特徴とする上記インモールド用転写箔に関する。
さらに、本発明は、基材上に、離型層、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層、印刷層および接着層を順次積層させてなるインモールド用転写箔であって、
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層が、
ハードコート層を兼ね備えたホログラム層
であることを特徴とする上記インモールド用転写箔に関する。
さらに、本発明は、上記インモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で形成される射出成形品に関する。
本発明によれば、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層であり、伸びが安定して層間での剥離もなく、インモールド射出成形法で転写した成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して、層間での剥離もなく、また、成形品へ転写されたエンボスでも、光輝性に優れた効果を奏し、印刷付きエンボスを転写できるインモールド用転写箔が提供できる。
また、本発明によれば、プライマーを設けることで層間密着性が向上し、反射層を設けることで、より一層の光輝性に優れた効果を奏し、さらに、反射層をアルミニウム蒸着層または酸化チタン蒸着層とすることで、非常に光輝性に優れた効果を奏し、印刷付きエンボスを転写できるインモールド用転写箔が提供できる。また、本発明の紫外線硬化型組成物を用い、かつ、エンボスを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、エンボスを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離することにより、従来行われていたハードコート層とエンボス層を別々に塗工・硬化させることなく、一回の処理で生産効率よくハードコート層を兼ね備えたエンボス層を成形品表面に形成することができる。
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有するインモールド用転写箔の断 面図である。 ハードコート層を兼ね備えたホログラム層を有するインモールド用転写箔の 断面図である。 本発明のインモールド用転写箔を用いて、転写した射出成形品の断面図であ る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(インモールド用転写箔)
本発明のインモールド用転写箔は、大きくは、分類(1)反射層のない構成、分類(2)反射層が印刷層より接着層側にある構成、分類(3)反射層が印刷層と基材の間にある構成、に分けられる。
分類(1)、分類(2)の一般的な構成は、図1に示すように、基材11と、該基材の一方の面へ離型層12、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13、プライマー層14(必要に応じて)、印刷層15、プライマー層16(必要に応じて)、反射層17(必要に応じて)、プライマー層18(必要に応じて)、接着層19の構成である。好ましい構成は、具体的には、
構成(1)基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/
印刷層15/接着層19
構成(2)基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/
プライマー層14/印刷層15/接着層19
構成(3)基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/
印刷層15/反射層17/接着層19
構成(4)基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/
プライマー層14/印刷層15/プライマー層16/反射層17/
プライマー層18/接着層19
である。一例として構成(4)を図1に示す。
分類(3)の一般的な構成は、反射層が部分的に形成されている構成に限られ、その好ましい構成は、具体的には
構成(5)基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/
プライマー層14/部分的に形成された反射層17/プライマー層18
/印刷層15/接着層19
である。但し、部分的に形成された反射層17と印刷層15は、分類(1)および(2)で用いられている反射層17と印刷層15の組成物と各々同様であり、構成において順序が異なるだけである。
本発明において更に好ましい構成は、構成(2)、構成(4)、構成(5)である。
本発明の最も基本的な構成である分類(1)を主体に説明する。
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13は、ハードコート層とエンボス層を兼ねており、実質的には単層であり、同一樹脂の樹脂組成物を用いているため破断伸度を同一とすることができる。即ち、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層が(A)プレキュア後の塗膜が指乾状態で、かつ、25℃における破断伸度が5%以上で、(B)基材11に、離型層12、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13、印刷層15および接着層19を設けたインモールド用転写箔10の状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有するようにできる。このように、伸びが安定して層間での剥離もなく、また層間または隣接する印刷層15も共に伸びるので、インモールド射出成形法で転写した射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して割れなどが少ない意匠性のエンボスが得られる。
(基材)
基材11としては、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルム、などがある。好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜100μm程度が適用できるが、4〜50μmが転写性の点で好ましい。
該基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。該基材は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(離型層)
離型層12としては、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがあるが、本発明ではメラミン系樹脂を用いる。該メラミン系樹脂を用いることで、後述するハードコート層を兼ね備えたエンボス層13に対して、安定した剥離性を発揮する。
離型層12の形成は、該樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、プレーコートなどの印刷またはコーティング方法で、塗布し乾燥して塗膜を形成する。また、要すれば、温度30℃〜150℃で加熱乾燥、あるいはエージング、または温度150℃〜250℃で焼付けしてもよい。離型層12の厚さとしては、通常は0.01μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜3μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
(ハードコート層を兼ね備えたエンボス層)
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13は(1)重合性オリゴマー、(2)イナート樹脂、(3)光重合開始剤を含む紫外線硬化型組成物から形成される。また、(4)フィラー、を含有させると、タック性をさらに改善でき、印刷適性を付与し得る。また、耐擦傷性などの向上に好ましい。フィラーに対する重合性オリゴマーの使用割合((1)/(4))は重量比で0.25〜8.0が好ましい。
(1)重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
本発明においては、重量平均分子量1,000〜100,000のウレタン(メタ)アクリレートを使用するのが好ましく、更には該アクリレートを紫外線硬化型組成物中45〜90重量%使用するのが、射出成形時における熱追随性の点で好ましい。
また、紫外線硬化させるために、公知の重合開始剤を添加する。また、必要に応じて、上記の各成分に加えて、重合禁止剤、粘度調整剤、界面活性剤、消泡剤、有機金属カップリング剤などを添加することができる。
(2)イナート樹脂とは、電子線の照射によるラジカル重合に関与しない、すなわち電子線によりラジカル重合をおこさない樹脂のことであり、このような化学的性質を有する樹脂であれば、特に限定されることはない。イナート樹脂として具体的には、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、セルロース誘導体、フッ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド樹脂等が挙げられ、これらを単独で、または2種以上を混合して使用することができる。なかでも、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、セルロース誘導体、フッ素樹脂は、密着性、成形性、ハードコート性に優れている点で好ましい。
((3)光重合開始剤)
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層の紫外線硬化に使用する(3)光重合開始剤としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤を使用する場合の使用量は特に限定されないが、通常、(1)成分100重量部に対し、1〜10重量部程度とすることが好ましい。
(4)フィラーとは、ポリエチレンワックス、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機物、アクリルビーズ、ポリエチレンなどの有機高分子などからなる粒子が用いられる。これらのうち、タック性低減効果を有し、取り扱いが容易なシリカが好適であり、さらに、コロイダルシリカがより好ましい。コロイダルシリカとしては、特に限定されず有機溶剤等を分散媒とした市販品を使用することができる。コロイダルシリカの平均一次粒子径は、6〜100nm程度であることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。平均一次粒子径が6nmを下回る場合、表面硬度が不足し耐擦傷性が低下する傾向があり、100nmを超えると貯蔵安定性が不十分となり、密着性および透明性も悪くなる傾向がある。なお、平均一次粒子径は、動的光散乱法により決定された値である。なお、コロイダルシリカ成分の具体例としては、例えば、スノーテックス(日産化学工業(株)製)、クォートロン(扶桑化学工業(株)製)、アエロジル(日本アエロジル(株)製)、シルデックス(旭硝子(株)製)、およびサイリシア470(富士シリシア化学(株)製)などを挙げることができる。また、製造の簡便化のため、あらかじめ有機溶媒に分散されたオルガノシリカゾルを用いることが好ましく、例えば、IPA−ST、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、IPA−ST−UP(以上は、それぞれ日産化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)、MA−ST−M(日産化学工業(株)製 メタノール分散体)、クォートロンPL−2−IPA(扶桑化学工業(株)製 イソプロパノール分散体)などが挙げられる。
フィラーに対する重合性オリゴマーの使用割合((1)/(4))は重量比で0.25〜8.0の範囲となるように調整することが好ましい。使用割合((1)/(4))が0.25を下回ると得られる硬化皮膜の密着性が不十分となり、8.0を超えるとハードコート性が低下する。同様の観点から、前記使用割合は0.35〜6.0である。なお、使用割合((1)/(3))におけるコロイダルシリカ成分の使用量は、固形分量を意味する。
(ハードコート層を兼ね備えたエンボス層のエンボス形成)
エンボスとは、型押しなどの方法により表面に凹凸の文字や模様をつけたものであり、その種類は(1)光沢エンボス、(2)マットエンボス、(3)ヘアラインエンボス、(4)ホログラムエンボスなどがあげられる。(1)光沢エンボスとは高光沢を持つエンボス柄であり、(2)マットエンボスとは低艶性のエンボス柄であり、(3)ヘアラインエンボスとは細線が幾筋も引かれたエンボス柄であり、(4)ホログラムエンボスとは微細な凹凸によって作り出される干渉縞のため、光輝性に富んだエンボス柄である。本発明のインモールド用転写箔においては、エンボス層としてホログラムエンボス層を用いることにより、射出成形品の最表面であるハードコート層がホログラムエンボス層を有することから、光輝性、美粧性、意匠性などに極めて優れた射出成形品が得られる。本発明においてはエンボス層としてホログラムエンボス層を用いることが好ましい。構成としては、例えば、図2に示すように、基材11/離型層12/ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20/プライマー層14/印刷層15/プライマー層16/反射層17/プライマー層18/接着層19などがあげられる。
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13は、離型層12を印刷した該印刷面にハードコート層となる紫外線硬化型組成物を塗布し、該塗布面にエンボスを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、エンボスを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させて形成される。この際の紫外線照射線量は、高圧水銀ランプを用いて5〜100mJ/cmにて硬化させ、好ましくは10〜50mJ/cmである。また、インモールド成形後、得られた射出成形品の状態において、紫外線を再度照射する。その際の紫外線照射線量は、高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm〜1200mJ/cmにて硬化させ、好ましくは400〜1000mJ/cmである。
(プライマー層)
本発明においては、プライマー層は必要に応じて設けることが出来る。例えば、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13面へ印刷層15を設ける際、印刷層15面へ反射層17を設ける際(分類(2))、反射層17面へ接着層19を設ける際(分類(2))、または他の層でも、層間の接着力を向上させるために、必要に応じて、設ければよい。プライマー層としては、上下の層に応じて、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系化合物、イソシアネ−ト系化合物、塩化ゴム系樹脂などを使用することができる。上記の樹脂を主成分とし、適宜溶剤に溶解または分散し、必要に応じて充分に混練して、コ−ティング剤組成物(インキ、塗布液)を調整し、ロールコート法、グラビアコート法等の公知のコーティング法で塗布し乾燥すればよい。該プライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
(印刷層)
印刷層15は、公知の印刷法でよく、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが適用できる。印刷インキは、少なくともビヒクルと着色剤とを含み、着色剤やビヒクルは特に限定されるものではないが、ビヒクルとしては、変性アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの合成樹脂系が好ましい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、などの添加剤を、適宜加えても良い。これらの印刷インキ組成物を、分散・混練して、また、必要に応じて、溶剤で固形分量や粘度を調整して、インキ組成物とする。該インキを、前記印刷法で印刷して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージング、または、電離放射線(紫外線、電子線)を照射して、形成すれば良い。
(反射層)
反射層17としては、例えば、金属光沢反射層、白色反射層、透明反射層、高輝度インキ反射層などが挙げられる。金属光沢反射層は、アルミニウム、金、銀、銅などの金属薄膜を、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空薄膜法などにより設ければよい。透明反射層は、例えば、凹凸形成層と屈折率に差のある透明金属化合物が適用でき、例えば、ZnS、TiO、Al、Sb、SiO、SnO、ITO、LiF、MgF、AlFが挙げられる。本発明においては、特にアルミニウム、酸化チタンの蒸着層が好ましい。透明金属化合物の形成は、0.01〜0.2μm程度、好ましくは0.03〜0.1μmの厚みになるように、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
(接着層)
被転写体と相対する面へ接着層19を設ける。該接着層19の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜3μmの層とする。接着層19の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1μmから10μmの層を得る。
(インモールド射出成形法)
まず、インモールド射出成形とは、(1)インモールド用転写箔10を準備する工程と、(2)該インモールド用転写箔10を射出成形用金型内へ挿入する工程と、(3)該射出成形用金型へ樹脂を射出成形し密着させることで、該樹脂の表面へインモールド用転写箔10を転写する工程と、(4)冷却後、金型を解放し、インモールド用転写箔10の基材11および離型層12を剥離して射出成形品を取り出す工程とからなり、該射出成形法を経て、立体面へハードコート層を兼ね備えたエンボス層が転写された射出成形品100を製造できる。
射出成形法で用いる樹脂としては、所望の用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、エンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などで、これらの共重合体でもよく、また、これらの単独または混合物でもよい。好ましくは、光学特性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、または環状ポリオレフィン樹脂などであり、さらに好ましくは、アクリル樹脂、またはポリカーボネート樹脂が好適である。
射出成形の条件としては、反射層の転写に伴う温度、圧力などの制約事項が少ないので、通常の条件で成形することができる。また、本発明のインモールド用転写箔10を用いることで、射出成形品の立体面にもインモールド用転写箔の接着層と薄い反射層、およびハードコート層を兼ね備えたエンボス層13は容易に追従することができるので、シワや破れも発生しにくく、射出成形品の立体部分にも精度よく、凹凸形状のハードコート層を兼ね備えたエンボス層を転写させることができる。
次に金型を冷却後、金型を解放し、離型層12を有する基材シートを剥離して成形品を取り出すことにより、立体面に凹凸形状のハードコート層を兼ね備えたエンボス層13が転写された射出成形品が得られる。また、インモールド用転写箔10の射出成形用金型内への挿入を、成形サイクル毎に間歇的に挿入することで、挿入−射出成形−取り出しが連続的に行うことができる。新鮮なインモールド用転写箔10が次に挿入されて行くので、凹凸形状のハードコート層を兼ね備えたエンボス層13は変形や劣化することなく、連続的に大量生産ができる。射出成形品の構成としては、例えば、図3に示すように、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/プライマー層14/印刷層15/プライマー層16/反射層17/プライマー層18/接着層19/インモールド成形された樹脂、などがあげられる。
以上のように、本発明のインモールド用転写箔10を射出成形に応用することで、射出成形品の立体面へ、凹凸形状のハードコート層を兼ね備えたエンボス層13を転写することができ、該射出成形品の形状としては、特に限定されず、少なくとも1部分に立体部があればよい。立体部とは二次面、三次面でもよく、波状、曲面状、多面体状、円または角錐状、球状などがあり、これらの1、または複数の組み合わせ、若しくはランダム形状でもよい。
以上、本発明のインモールド用転写箔10の用途について主として射出成形への応用を説明したが、本発明のインモールド用転写箔10は従来の転写箔と同様に使用して、任意の物品の表面にハードコート層を設け、かつ、エンボスなど、特にホログラムの光学効果を有する装飾を施すことができる。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
基材11として厚さ50μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層12を形成した。
該離型層12面へ、下記の紫外線硬化型組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し、80℃で乾燥させて、続けて、該塗布面にホログラムを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、エンボスを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させて、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13とした。
・<紫外線硬化型組成物(A)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部

アクリル系樹脂1(イナート樹脂、DEGALAN M345、
エボニック ローム社製) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
次に、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした。
次に、この印刷層15面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、接着層19を形成して、基材11/剥離層12/ハードコート層を兼ね備えたエンボス層13/印刷層15/接着層19の層構成からなるインモールド用転写箔である転写箔(A)を得た。
(実施例2)
ハードコート層を兼ね備えたエンボス層において、エンボスとしてホログラムエンボス(以後、ホログラムと略記する)を用いた。
実施例1において、該離型層12面へ、紫外線硬化型組成物(A)をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し、80℃で乾燥させて、続けて、該塗布面にホログラムを形成したポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透かして活性エネルギー線を照射して前記塗布面の紫外線硬化型組成物を硬化させ、ホログラムを転写させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させて、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20とした以外は、実施例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(B)を得た。
(実施例3)
実施例2において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20面へ、下記のプライマー層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層14とし、次に、プライマー層14面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした以外は、実施例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(C)を得た。
・<プライマー層組成物(A)>
アクリル系樹脂2(三井化学社製、商品名オレスターQ164) 20部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
(実施例4)
実施例3において、印刷層15面へ、プライマー層組成物(A)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層16とし、次に、プライマー層16面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、下記のプライマー層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、実施例3と同様に接着層19を積層してインモールド用転写箔である転写箔(D)を得た。
・<プライマー層組成物(B)>
ポリエステル系樹脂(東洋紡社製、商品名バイロン200) 10部
塩化ゴム系樹脂(日本製紙ケミカル社製、商品名スーパークロンC) 10部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
(実施例5)
実施例4において、反射層17を酸化チタンの蒸着により形成した反射層17とした以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(E)を得た
(実施例6)
実施例4において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(A−1)用いたこと以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(F)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(A−1)>
紫外線硬化型組成物(A)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で6.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(A−1)とした。
(実施例7)
実施例4において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(A−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(G)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(A−2)>
紫外線硬化型組成物(A)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で3.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(A−2)とした。
参考実施例8)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(H)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(B)>
ポリエステルアクリレート(ダイセル・サイテック社製、商品名EBECRYL
1830、Mw=1,500) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例9)
実施例2において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(I)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(C)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 24部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 16部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 0.8部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例10)
実施例9において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20面へ、プライマー層組成物(A)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層14とし、次に、プライマー層14面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字および図柄を印刷し乾燥して、印刷層15とした以外は、実施例9と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(J)を得た。
(実施例11)
実施例9において、プライマー層16面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、プライマー層組成物(B)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、実施例9と同様に接着層19を積層してインモールド用転写箔である転写箔(K)を得た。
(実施例12)
実施例11において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層として下記の紫外線硬化型組成物(C−1)用いたこと以外は、実施例11と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(L)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(C−1)>
紫外線硬化型組成物(C)に、オルガノシリカゾル(IPA−ST−L、日産化学工業社製)を加え、オルガノシリカゾル(固形分30%)の固形分に対する重合性オリゴマーの使用割合が重量比で3.0となるように配合し、紫外線硬化型組成物(C−1)とした。
(実施例13)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(M)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(D)>
ウレタンアクリレートB(Miwon社製、商品名Miramer PU610、
ウレタンアクリレート、Mw=1,800) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例14)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(N)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(E)>
ウレタンアクリレートC(Miwon社製、商品名Miramer SC2152、 ウレタンアクリレート、Mw=20,787)32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例15)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(O)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(F)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部
塩酢ビ系樹脂(日信化学社製、商品名ソルバインTAO) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例16)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(P)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(G)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 32部
CAB系樹脂(セルロースアセテートブチレート、イーストマン社製、
商品名CAB−381−20) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
参考実施例17)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(Q)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(H)>
ウレタンアクリレートD(新中村工業社製、商品名U−4HA、
ウレタンアクリレート、MW=600) 32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
参考実施例18)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(R)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(I)>
ウレタンアクリレートE(根上工業社製、商品名UN−905、
ウレタンアクリレート、Mw=120,000)32部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(実施例19)
実施例3において、ハードコート層を兼ね備えたホログラム層の紫外線硬化型組成物を、下記としたこと以外は、実施例3と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(S)を得た。
・<紫外線硬化型組成物(J)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 16部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 24部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 0.6部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(比較例1)
構成は、実施例に示した単層である「ハードコート層を兼ね備えたホログラム層20」を、ハードコート層21とホログラム層22の2層に分離したもので、基材11/離型層12/ハードコート層21/プライマー層14/印刷層15/プライマー層16/ホログラム層22/プライマー層23/反射層17/プライマー層18/接着層19とした。ハードコート層21の紫外線硬化型組成物およびホログラム層22の紫外線硬化型組成物は下記とし、プライマー層14、16、23はプライマー層組成物(A)を用い、プライマー層18はプライマー層組成物(B)を用い、プライマー層23面にアルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、印刷層15および接着層19は実施例1と同様の組成物を用い、また各層の塗布・乾燥条件は実施例1〜18における各層に応じた条件と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(T)を得た。
・<ハードコート層21の紫外線硬化型組成物(K)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 28部
ウレタンアクリレートF(日本合成化学社製、商品名紫光6300B、
ウレタンアクリレート、Mw=3700) 4部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
IPA−ST−L(日産化学社製、商品名) 11部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
・<ホログラム層22の紫外線硬化型組成物(L)>
ウレタンアクリレートA(根上工業社製、商品名UN−904、
ウレタンアクリレート、Mw=4,900) 28部
ウレタンアクリレートF(日本合成化学社製、商品名紫光6300B、
ウレタンアクリレート、Mw=3700) 4部
アクリル系樹脂1(実施例1と同じ) 8部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.3部
光重合開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184) 1部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 150部
(比較例2)
比較例1において、基材11/離型層12/ハードコート層21/ホログラム層22/プライマー層14/印刷層15/接着層19としたこと以外は、比較例1と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(U)を得た。
(比較例3)
比較例2において、基材11/離型層12/ハードコート層21/ホログラム層22/プライマー層14/反射層17/プライマー層18/印刷層15/接着層19とし、プライマー層14面へ、アルミニウムを蒸着で形成して反射層17とし、該反射層17面へ、プライマー層組成物(B)をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し80℃で乾燥させて、プライマー層18とした以外は、比較例2と同様にしてインモールド用転写箔である転写箔(V)を得た。
(評価方法)
1.タック感の評価
各実施例および比較例において、基材上に離型層およびハードコート層を兼ね備えたエンボス層を積層した後、半硬化における該ハードコート層を兼ね備えたエンボス層のタック感を指触によって評価した。評価基準は、1が最もタック感を有するべたべたの状態、5は粘着性が全くない状態であり、この間を5段階に分けた相対点数で評価した。
5;粘着性が全くない状態
4;若干の粘着性はあるが、使用上問題ない状態。
3;粘着性はあるが、使用できる状態。
2;可成りタック感があり、べたつきのある状態。
1;完全にタック感があり、使用困難な状態。
実用レベルは3以上である。
2.成形性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;外観上異常なし
○;3次元形状部または200%延伸部の一部に軽微な艶変化またはクラックがある が実用上問題なし
△;3次元形状部または200%延伸部の大部分で軽微な艶変化またはクラック発生
×;延伸部分全体に著しい艶変化またはクラック発生
実用レベルは○以上である。
3.耐摩耗性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、テーバー摩耗試験機(テスター産業株式会社製)によって評価した。評価は、該テーバー摩耗試験機によって、成形樹脂が露出したか否かで行った。
○;露出しなかった
△;わずかに露出したが実用上問題なし
×;露出した
実用レベルは△以上である。
その他の試験条件等は以下のとおりであった。
試験方法:ISO9352およびJIS K7204に準拠
磨耗輪:CS−10
荷重:500g
4.硬度
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に従い荷重500gの鉛筆引掻き試験機によって評価した。JIS K 5600に準拠して鉛筆硬度を測定した。実用レベルはH以上である。
5.耐擦傷性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、底部に10mm×10mmの範囲でスチールウールを貼り付けた300gのおもりで30回擦り、外観を観察し、以下の基準で評価した。
○;変化無し
△;細かいキズ有り
×;大きなキズ有り
実用レベルは△以上である。
6.密着性
各実施例および比較例で得たインモールド用転写箔にて、射出成形法で射出成形同時加飾を行い、成形後の成形品について、硬化被膜を、JIS K 5600に記載された方法で基盤目セロハンテープ剥離試験を行った。結果は、全100マスの基盤目セロハンテープ(分母)に対して剥離しなかった数(分子)で評価した。
実用レベルは85/100以上である。
7.意匠性
意匠性は目視および回折効率により評価した。目視による意匠性は、成形品へ転写されたエンボスを目視で観察し、塗膜のプリズム効果が大きく、見る角度によって虹色に変化する光輝性、美粧性、立体的な美感性等も含めた意匠性で評価を行った。また、回折効率による意匠性は、回折格子の回折率を相対的に評価し、実施例2を基準(100%)とした。ホログラム性が高いほど、高い回折効率を示す。
・目視判定基準
◎ :上記意匠性が顕著に認められ、深み感もある。
◎−○:上記意匠性が顕著に認められる。
○ :上記意匠性が認められる
× :上記意匠性が認められない。
実用レベルは○以上である。
・回折効率測定:光源;半導体レーザー;キコー技研 MLX標準コリメートレーザー
電圧DC4.8〜6.5V・平行光時ビーム径拡大6mm
効率;反射光強度/入射光強度*100(%)
・回折効率判定基準:
○:回折効率90%以上
△:回折効率70%以上〜90%未満
×:回折効率70%未満
実用レベルは△以上である。
実施例および比較例の処方および評価結果をまとめて、それぞれ、表1および表2に示す。
Figure 0005708125
Figure 0005708125
実施例では、インモールド用転写箔10がハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有することで、該転写箔を用いた射出成形品100の意匠性が際立って向上しており、十分に明るい光輝性を有し、意匠性に優れるものであり、特に、インモールド用転写箔10がハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有することが好ましい。また、射出成形品100の最表面のハードコート性は十分な耐久性を有していた。
比較例では、インモールド用転写箔10がハードコート層とエンボス層を異なる層として有するため、該転写箔を用いた射出成形品の意匠性は劣ることから、本発明においてハードコート層を兼ね備えたエンボス層とした効果が示された。
(主なる用途)
本発明のインモールド用転写箔を用いた射出成形品の主なる用途としては、日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、電子機器や事務用品などの筐体類など射出成形品で、該成形品の表面にハードコート層を兼ね備えたエンボス層による特異な意匠性やセキュリティ性を向上させたものに利用することができるが、射出成形品の形状や内容物は任意である。しかしながら、意匠性やセキュリティ性を向上させるために、射出成形品の表面にハードコート層を兼ね備えたエンボス層を転写した用途であれば、特に限定されるものではない。
10:インモールド用転写箔
11:基材
12:離型層
13:ハードコート層を兼ね備えたエンボス層
14:プライマー層(必要に応じて)、
15:印刷層、
16:プライマー層(必要に応じて)、
17:反射層(必要に応じて)、
18:プライマー層(必要に応じて)、
19:接着層
20:ハードコート層を兼ね備えたホログラム層
100:射出成形品

Claims (5)

  1. 基材上に、離型層、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層、印刷層および接着層を順次積層させてなることを特徴とするインモールド用転写箔。
    ただし、(1)〜(4)であることを特徴とする。
    (1)ハードコート層を兼ね備えたエンボス層が、紫外線硬化型組成物から形成されてなる。
    (2)紫外線硬化型組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートを、紫外線硬化型組成物全量に対し45〜90重量%含有する。
    (3)ウレタン(メタ)アクリレートが、重量平均分子量1,000〜100,000である。
    (4)紫外線硬化型組成物が、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、セルロース誘導体およびフッ素樹脂からなる群より選択される一以上のイナート樹脂を含有する。
  2. インモールド用転写箔が、さらにプライマー層および/または反射層を、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層と接着層との間に有することを特徴とする請求項1記載のインモールド用転写箔。
  3. 前記反射層が、アルミニウム蒸着層または酸化チタン蒸着層であることを特徴とする請求項2記載のインモールド用転写箔。
  4. 基材上に、離型層、ハードコート層を兼ね備えたエンボス層、印刷層および接着層を順次積層させてなるインモールド用転写箔であって、
    ハードコート層を兼ね備えたエンボス層が、
    ハードコート層を兼ね備えたホログラム層
    であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載のインモールド用転写箔。
  5. 請求項1〜いずれか1項に記載のインモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で形成される射出成形品。
JP2011068527A 2011-03-25 2011-03-25 ハードコート層を兼ね備えたエンボス層を有するインモールド用転写箔、該転写箔の製造方法および射出成形品 Active JP5708125B2 (ja)

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