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JP5703945B2 - 点火コイル及び点火コイルの製造方法 - Google Patents

点火コイル及び点火コイルの製造方法 Download PDF

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JP5703945B2 JP2011103906A JP2011103906A JP5703945B2 JP 5703945 B2 JP5703945 B2 JP 5703945B2 JP 2011103906 A JP2011103906 A JP 2011103906A JP 2011103906 A JP2011103906 A JP 2011103906A JP 5703945 B2 JP5703945 B2 JP 5703945B2
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Description

本発明は、点火プラグに火花放電を生じさせる電圧を生成する点火コイル、及びその製造方法に関する。
従来、点火プラグに接続され、一次コイルを通電する電圧を二次コイルによって昇圧することにより、点火プラグに火花放電を生じさせる高電圧を生成する点火コイルが知られている。このような点火コイルの一種として、例えば特許文献1には、二次コイルを形成する二次導線が巻回された二次スプール、二次スプールの周囲を覆うことで二次導線を被覆する樹脂、及び二次導線と接続されるダイオードを備えるものが開示されている。
以上の構成による引用文献1の点火コイルにおいて、点火プラグに火花放電を生じさせる電流は、一次コイルへの通電をオン状態からオフ状態とした際に、二次コイルに誘導される。一方で、一次コイルへの通電をオフ状態からオン状態にした際にも、二次コイルには電流が誘導される。このオン通電時の電流は、点火プラグに火花放電を生じさせる電流とは逆向きに二次コイルを流れようとする逆電流である。二次コイルと接続されるダイオードは、当該二次コイルに誘導される逆電流を規制する作用を発揮する。この逆電流の規制によって二次コイルに電力が蓄積され難くなるので、一次コイルへの通電をオフ状態からオン状態とした際に二次コイルに生じる電圧が抑制される。これにより、逆電流に起因して点火プラグに生じる火花放電は、回避可能となる。
このようなダイオード等の電子部品は、一般に、ターミナル等の金属製の部材を介して二次コイルを形成する二次導線等の外部の構成と接続される。例えば、特許文献2には、ターミナルに相当する金属製の電極部において、電子部品のリード端子と接続されるリード接続部に特徴を有する電子部品の接続構造が開示されている。具体的に、特許文献2の接続構造では、リード端子の電極部への固着を容易にするための凹部が、リード接続部に設けられている(引用文献2 図2等参照)。
特開2009−283909号公報 特開2008−19805号公報
さて、特許文献1に開示のような点火コイルは、一般に、激しい雰囲気温度の変動に晒されている。このような雰囲気温度の変動に起因して繰り返し作用する熱応力によって、二次スプールを覆う樹脂の内部には、クラックが生じ得る。例えば、樹脂の内部において、上述したようなリード接続部を被覆している部分に、クラックが生じたとする。そして、このようなリード接続部の付近を起点とするクラックが、ターミナルにおいて二次導線と接続されている導線接続部に向かって伸展したとする。このクラックの伸展が導線接続部の付近まで到達した場合、当該クラックは、二次導線を被覆している部分の樹脂諸共、当該二次導線を断線させてしまうおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、二次コイルを形成する導線の断線を回避可能な構成の点火コイル、及びその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、点火プラグと接続され、一次コイルを通電する電圧を二次コイルによって昇圧することにより、点火プラグに火花放電を生じさせる電圧を生成する点火コイルであって、二次コイルを形成する導線と、リード部を有し、一次コイルへの通電をオフ状態からオン状態とした際に二次コイルに誘導される逆電流を規制するダイオードと、二次コイルを形成する導線が筒状に巻回される巻回部、を有するボビン部材と、二次コイルを形成する導線と接続される導線接続部、及びダイオードのリード部と接続されるリード接続部、を有する接続部材と、ボビン部材の周囲を覆うことにより、導線、ダイオード、及び接続部材を被覆する絶縁樹脂と、絶縁樹脂の内部において接続部材を貫通させる貫通部を有し、接続部材を貫通部に貫通させることにより当該導線接続部と当該リード接続部とを隔てる隔壁部と、を備える。
この発明によれば、熱応力の繰り返しの作用によって、絶縁樹脂において、接続部材のリード接続部を被覆している部分にクラックが生じたとする。そしてこのクラックが、二次コイルを形成する導線と接続された接続部材の導線接続部に向かって伸展しようとしたとする。しかし、クラックの伸展は、絶縁樹脂の内部において接続部材を貫通部に貫通させることにより導線接続部とリード接続部とを隔てている隔壁部によって、妨げられる。このように、隔壁部は、クラックの伸展を遮断する作用を発揮する。したがって、絶縁樹脂に生じるクラックによって、導線を被覆している部分の絶縁樹脂諸共、当該導線が断線してしまう事態は、回避可能となる。
一般に、ボビン部材において、ダイオードを支持する支持部と巻回部との間には、巻回部よりも外周側に鍔状に突出する鍔部が、形成されている。そのため、巻回部に巻回される導線は、鍔部よりも支持部側に位置する接続部材の導線接続部に、巻回部側から引き出される引出線部を有している。ここで、リード接続部を被覆している部分の絶縁樹脂に生じるクラックは、引出線部に向かって伸展し得る。
そこで、請求項2に記載の発明では、ボビン部材は、ダイオードを支持する支持部と、支持部と巻回部との間に位置し、当該巻回部の外周側に鍔状に突出する鍔部と、を有し、導線は、鍔部よりも支持部側に位置する導線接続部に、鍔部の巻回部側から引き出される引出線部、を有し、隔壁部は、導線接続部とリード接続部とを隔てる隔壁本体部分と、リード接続部及び引出線部間に向かって隔壁本体部分から延伸することにより、当該リード接続部と当該引出線部とを隔てる隔壁延伸部分と、を有することを特徴とする。
即ちこの発明では、導線接続部とリード接続部とを隔てている隔壁本体部分から、リード接続部及び引出線部間に向かって、隔壁延伸部分が延伸している。故に、引出線部に向かうクラックの伸展は、隔壁部の隔壁延伸部分によって妨げられる。以上のようにして、隔壁部の隔壁延伸部分が引出線部に向かうクラックの伸展を遮断する作用を発揮するので、引出線部を被覆している部分の絶縁樹脂諸共、当該引出線部がクラックによって断線してしまう事態は、回避可能となる。
請求項3に記載の発明では、ボビン部材は、鍔部を挟んで巻回部側から支持部側に引出線部を引き出すための引出部、を有し、隔壁延伸部分は、鍔部に沿って隔壁本体部分から引出部を越える位置まで延伸し、当該引出部を通じて引き出される引出線部とリード接続部とを隔てることを特徴とする。
この発明における導線の引出線部は、鍔部を挟んで巻回部側から支持部側に引出部を通じて引き出されて、接続部材の導線接続部に接続されている。この形態では、引出線部の引き出される位置は、鍔部において引出部の設けられている位置に規定される。故に、鍔部に沿って隔壁本体部分から引出部を越える位置まで隔壁延伸部分を延伸させることによれば、引出線部の全体を隔壁部によってリード接続部と隔てることが、確実に可能となる。以上により、リード接続部付近の絶縁樹脂から引出線部に向かうクラックの伸展が隔壁部によって悉く遮断されるようになり得るので、クラックに起因する引出線部の断線を抑制する効果発揮の確実性が、向上する。
請求項4に記載の発明では、接続部材において、隔壁部のダイオードとは反対側に貫通部から延出する延出部分の外壁面は、円筒面状であることを特徴とする。
この発明のように、接続部材において、隔壁部のダイオードとは反対側(以下、「隔壁部の外側」という)に貫通部から延出する延出部分を被覆している絶縁樹脂にも、クラック発生のおそれがある。そこで、隔壁部の外側に延出している延出部分の外壁面を円筒面状にする。これにより、延出部分を被覆している絶縁樹脂は、円筒面状の外壁面を補完する形状となるので、当該絶縁樹脂における急激な形状変化が抑制される。以上により、延出部分を被覆している絶縁樹脂がクラック発生の起点となり難くなるので、隔壁部の外側におけるクラックの発生は、低減される。したがって、クラックに起因する引出線部の断線を抑制する効果発揮の確実性が、向上する。
また、隔壁部の外側において、仮に接続部材の延出部分が屈曲していた場合、当該屈曲部分を被覆する絶縁樹脂が、クラック発生の起点となるような形状を呈し得る。そこで請求項5に記載の発明では、接続部材は、隔壁部のダイオードとは反対側に貫通部から直線状に延出する延出部分、を有する。これにより、延出部分を被覆している絶縁樹脂が、円筒面状の外壁面を補完するような直線状に形成されるので、当該絶縁樹脂における急激な形状変化は、抑制される。以上により、延出部分を被覆している絶縁樹脂がクラック発生の起点となり難くなるので、隔壁部の外側におけるクラックの発生は、低減される。したがって、クラックに起因する引出線部の断線を抑制する効果発揮の確実性が、向上する。
請求項6に記載の発明では、ボビン部材は、ダイオードを支持する支持部、を有し、隔壁部は、ボビン部材と一体に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、ボビン部材は、ダイオードが載置される支持部を有すると共に、隔壁部を一体に形成している。この形態では、接続部材は、支持部に支持されるダイオードと接続されることにより、ボビン部材によって位置を規定される。また、隔壁部は、ボビン部材と一体で形成されるので、ボビン部材によって位置を規定される。以上により、被覆のための樹脂絶縁によってボビン部材を覆ったとしても、ボビン部材によって位置を規定された接続部材及び隔壁部の相対位置は、ずれ難い。故に、隔壁部は、絶縁樹脂の内部において導線接続部とリード接続部との間に確実に位置し、クラックの伸展を遮断する作用を発揮することができる。したがって、隔壁部を設けることによって獲得される断線を抑制する効果は、確実に発揮可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の点火コイルを製造する方法であって、ダイオードのリード部に、接続部材のリード接続部を接続するリード接続工程と、リード接続工程によって接続部材と接続されたダイオードを、当該接続部材の導線接続部が隔壁部から延出するように、ボビン部材の有する支持部に支持させる支持工程と、支持工程によって配設された接続部材の導線接続部に、導線を接続する導線接続工程と、を含むことを特徴とする。
この発明では、ダイオードのリード部と接続部材のリード接続部との接続が、導線と接続部材の導線接続部との接続よりも、前の工程にて実施される。故に、リード部をリード接続部に接続する際に接続部材に作用する力が導線に引っ張り力として作用することで、当該導線を断線させてしまう事態は、回避可能となる。したがって、クラックに起因する導線の断線と共に、点火コイルの製造時における導線の断線も、低減される。
本発明の一実施形態による点火コイルが点火プラグと接続されて、エンジンに取り付けた状態を説明するための縦断面図である。 本発明の一実施形態による点火コイルの構成を説明するための縦断面図である。 本発明の一実施形態による点火コイルの構成を説明するための平面図である。 図3に示す点火コイルの要部を拡大して示す拡大図である。 図3に示す点火コイルを製造する工程を説明するための図であって、(a)はリード部接続工程を説明するための図であり、(b)は支持工程を説明するための図であり、(c)は二次銅線接続工程を説明するための図である。 接続部材の複数の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による点火コイル100の構成を説明するための断面図である。点火コイル100は、点火プラグ10と接続されて、ガソリンエンジン等の火花点火機関に用いられる。点火コイル100は、ガソリンエンジンのシリンダヘッド20に形成されたプラグホール23に点火プラグ10と共に挿入され、当該シリンダヘッド20を構成するシリンダヘッドカバー21に取り付けられる。また、点火コイル100に設けられたコネクタ部48には、バッテリ等の電源及びエンジン制御装置を点火コイル100に接続するための外部のコネクタ(図示しない)が、接続される。
図1〜図3に示されるように、点火コイル100は、中心コア70、外周コア75、一次コイル60、二次コイル65、ダイオード55、イグナイタ50、筐体40、及びプラグ装着部80を備えている。本実施形態による点火コイル100では、シリンダヘッドカバー21に取り付けられた状態にて、一次コイル60及び二次コイル65の軸方向は、プラグホール23の軸方向に対して直交する。
中心コア70は、例えば、鉄、コバルト、及びニッケル等の軟磁性体の粉末を加圧成形することにより、全体として円柱状に形成されている。中心コア70は、巻回部71及び鍔部72を有している。巻回部71は、中心コア70の本体部であって、円柱状を呈している。巻回部71の径方向外側には、一次コイル60が形成されている。鍔部72は、巻回部71の軸方向における一方の端部に形成されている。鍔部72は、巻回部71の外周面よりも外周側に、鍔状に突出している。鍔部72は、一次コイル60を形成する後述する一次銅線61の巻き崩れを抑制している。
外周コア75は、中心コア70等と共に点火コイル100の磁気回路を形成している。外周コア75は、中心コア70と同様に、軟磁性体の粉末を加圧成形することにより、四角筒状に形成されている。外周コア75を形成する四つの側面によって囲まれた空間には、中心コア70、一次コイル60、及び二次コイル65が収容されている。このようにして、要素70,60,75を枠状に囲む外周コア75の軸方向は、プラグホール23の軸方向に沿っており、中心コア70の軸方向と直交している。外周コア75は、一対の端面対向部77及び一対の外周部76を有している。
端面対向部77は、外周コア75の四つの側面のうち、中心コア70の軸方向の両端面と対向する一対の側面である。一対の端面対向部77のうちの一方と、当該一方の端面対向部77に対向する中心コア70の軸方向端面との間には、これら外周コア75及び中心コア70によって形成される磁気回路の磁気特性を向上させるための永久磁石及びコアギャップが、形成されている。また、一対の端面対向部77のうちの他方は、当該他方の端面対向部77に対向する中心コア70の軸方向端面と当接している。外周部76は、外周コア75の四つの側面のうち、中心コア70の軸方向に沿って延伸し、端面対向部77を繋ぐ一対の側面である。各外周部76は、中心コア70の外周側に位置しており、筐体40の内壁面に当接することにより、外周コア75を筐体40に対して位置決めしている。
尚、中心コア70及び外周コア75は、加圧成形ではなく、例えば珪素鋼板等の軟磁性の電磁鋼板を積層することにより、形成されていてもよい。
一次コイル60は、中心コア70の巻回部71に一次銅線61を円筒状に巻回することにより、形成されている。一次銅線61は、銅等の導電性の材料によって形成された線材に絶縁性の塗料を焼き付けてなるエナメル電線である。一次銅線61の線経は、0.3〜0.8ミリメートル程度に設定されている。一次コイル60は、外部の電源と電気的に接続されており、当該電源から供給される電力を通電させることができる。
二次コイル65は、ボビン68及び二次銅線66等によって構成されている。ボビン68は、樹脂材料によって円筒状に形成されており、一次コイル60及び中心コア70を収容している。これら二次コイル65、一次コイル60、及び中心コア70は、互いに同心となるように配置されている。ボビン68は、鍔部68b、巻回部68a、支持部69、及び引出溝68cを有している。鍔部68bは、二次コイル65の軸方向の両端部のうち、支持部69に近接する一方の端部に形成され、巻回部68aの外周面よりも外周側に鍔状に突出している。巻回部68aは、鍔部68bの支持部69とは反対側に位置し、円筒状に形成されている。巻回部68aに二次銅線66を円筒状に巻回することにより、二次コイル65は形成されている。本実施形態の二次コイル65において、二次銅線66は、巻回部68aに斜向巻きされている。二次銅線66は、一次銅線61と同様に、銅等の導電性の材料によって形成された線材に絶縁性の塗料を焼き付けてなるエナメル電線である。二次銅線66に線経は、一次銅線61よりも小さく、40〜50マイクロメートル程度に設定されている。加えて、二次銅線66を巻回部68aに巻回する回数は、一次銅線61を巻回部71に巻回する回数よりも、多くされている。巻回部68aに巻回された二次銅線66の巻き崩れは、鍔部68bによって抑制されている。
支持部69は、鍔部68bを挟んで巻回部68aとは反対側に形成されており、排泄されたダイオード55を支持するための構成である。引出溝68cは、支持部69と巻回部68aとの間に位置する鍔部68bの外周部分を径方向内側に窪ませることにより、設けられている。二次銅線66は、鍔部68bを挟んで巻回部68a側から支持部69側に、引出溝68cを通じて引き出される。二次銅線66において、引出溝68cを通じて支持部69側に引き出された部分を、引出線部67とする。
ダイオード55は、整流作用を備える電子素子であって、ボビン68の支持部69に載置されている。ダイオード55は、外部との接続のための一対のリード部56を有している。リード部56は、導電性に優れた銅等によって形成されている。リード部56の外表面には、銀、錫、又はニッケル等のメッキが施されている。一対のリード部56のうちの一方は、後述する接続部材90を介して、鍔部68bよりも支持部69側に引き出された二次銅線66の引出線部67と接続されている。また、一対のリード部56のうちの他方は、イグナイタ50に接続されている。ダイオード55は、引出線部67からイグナイタ50に向かう電流を許容し、イグナイタ50から引出線部67に向かう電流を規制する。
イグナイタ50は、エンジン制御装置からの点火信号に基づいて、外部の電源から供給される電力の一次コイル60への通電を制御する。イグナイタ50は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)等のスイッチング素子を実装した回路基板を、絶縁性の樹脂材料によってモールドすることにより、形成されている。イグナイタ50は、上述したようにして絶縁樹脂により形成されるモールド樹脂部51、及び複数のイグナイタ端子52を有している。
モールド樹脂部51は、矩形箱状に形成されており、外周コア75の一方の端面対向部77に沿って筐体40内に配置されている。複数のイグナイタ端子52は、モールド樹脂部51の内部から外部に、帯状に延出している。各イグナイタ端子52は、モールド樹脂部51の内部において回路基板に固定されている。複数のイグナイタ端子52うちの一つは、外周コア75と接続されることにより、接地電圧の印加されるグラウンド端子である。グラウンド端子は、モールド樹脂部51の内部においてIGBTのエミッタと電気的に接続されている。複数のイグナイタ端子52うちの別の一つは、エンジン制御装置による点火信号が入力される点火信号端子である。点火信号端子は、モールド樹脂部51の内部においてIGBTのベースと電気的に接続されている。複数のイグナイタ端子52うちのさらに別の一つは、一次コイル60を通じて電源と接続される電源端子である。電源端子は、モールド樹脂部51の内部においてIGBTのコレクタと電気的に接続されている。
以上の構成によるイグナイタ50は、エンジン制御装置からの点火信号がIGBTのベースに入力されることにより、コレクタ及びエミッタ間を通電させる。これにより、IGBTのコレクタ及び電源間に接続されている一次コイル60には、当該電源から供給される電力に基づく電流が流れる。
筐体40は、メインケース41、サブケース44、及び絶縁樹脂45等によって構成されている。筐体40は、中心コア70、外周コア75、一次コイル60、二次コイル65、ダイオード55、及びイグナイタ50を収容している。
メインケース41は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂によって、直方体状に形成されている。メインケース41には、円筒状部42及び固定部43が設けられている。円筒状部42は、メインケース41において、シリンダヘッドカバー21に載置される底壁41aから、当該底壁41aと直交方向に円筒状に突出している。円筒状部42は、プラグ装着部80の一部である。固定部43は、メインケース41の複数の側壁のうちの一つに形成されている。固定部43は、ボルト(図示しない)等によって、点火コイル100をシリンダヘッドカバー21に固定するための構成である。また、メインケース41において、底壁41aと対向する部分には、開口41bが形成されている。
サブケース44は、絶縁性の樹脂材料等によって、メインケース41と一体的に形成されている。サブケース44には、上述したコネクタ部48が形成されている。コネクタ部48の内部には、複数のターミナル47が露出している。複数のターミナル47のうちの一つであって、外部のコネクタのコネクタ部48への嵌入によってエンジン制御装置に繋がるターミナルは、イグナイタ端子52の一つである点火信号端子と接続されている。複数のターミナル47のうちの別の一つであって、電源に繋がるターミナルは、一次コイル60と接続されている。複数のターミナル47のうちのさらに別の一つであって、車両のグラウンドに繋がるターミナルは、外周コア75に接続されて、当該外周コア75を接地させている。
絶縁樹脂45は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂である。絶縁樹脂45は、硬化する前の流動可能な状態にて、各要素70,75,60,65,55,50を収容したメインケース41及びサブケース44の一体要素の内部に、開口41bを通じて充填される。これにより、絶縁樹脂45は、筐体40の内部にて各要素70,75,60,65,55,50の周囲を覆うことにより、これらの要素間に生じている隙間を埋めつつ、これらを筐体40に対して固定している。加えて、絶縁樹脂45は、一次コイル60の一次銅線61及び二次コイル65の二次銅線66、ダイオード55、及び後述する接続部材90等を被覆することにより、各要素間を絶縁させている。このような絶縁樹脂45の充填によって、メインケース41の開口41bは、水密に封止される。
プラグ装着部80には、点火プラグ10が装着されている。点火プラグ10は、ガソリンエンジンの燃焼室にて圧縮された作動ガスに、火花放電によって着火する。点火プラグ10は、プラグ端子部13、電極部15、及び碍子部11を備えている。プラグ端子部13は、火花放電のために必要な電圧が外部から印加される部分である。電極部15は、ガソリンエンジンの燃焼室内に露出しており、プラグ端子部13に印加される電圧によって、火花放電を生じさせる。碍子部11は、アルミナ等によって形成されており、プラグ端子部13及び電極部15を、プラグ装着部80のハウジング等に対して絶縁している。
プラグ装着部80は、メインケース41に形成された円筒状部42、プラグキャップ82、コイル端子部81、及びスプリング83等によって構成されている。プラグキャップ82は、フェノール樹脂等の弾性に富む材料によって円筒状に形成されている。プラグキャップ82の軸方向の一端は、円筒状部42に外嵌されている。プラグキャップ82の軸方向の他端は、プラグ装着部80の碍子部11に外嵌されている。コイル端子部81は、導電性の材料によって円盤状に形成されている。コイル端子部81は、二次コイル65の二次銅線66と電気的に接続されている。スプリング83は、金属製の線材を螺旋状に巻設することにより、形成されている。スプリング83は、軸方向に押し縮められた状態で、点火プラグ10のプラグ端子部13と、コイル端子部81との間に配置されており、これらプラグ端子部13とコイル端子部81とを導通させている。
以上の構成による点火コイル100が、点火プラグ10に火花放電を生じさせるための電圧を生成する作動について、以下説明する。
エンジン制御装置からの点火信号に基づいて、イグナイタ50のIGBTが一次コイル60の通電をオン状態からオフ状態に切り換える。すると、一次コイル60に流れる電流によって中心コア70及び外周コア75からなる磁気回路に生じていた磁束は、消失する。二次コイル65には、この磁束の消失を打ち消すような電流が誘導される。このような相互誘導作用によって、一次コイル60よりも巻数の多い二次コイル65は、一次コイルを流れる電流の電圧を、例えば30〜50kV程度まで昇圧させる。二次コイル65によって昇圧された電圧は、点火プラグ10に導かれ、当該点火プラグ10の電極部15に火花放電を発生させる。
さて、以上のように作動する点火コイル100において、二次コイル65に接続されているダイオード55の機能を詳細に説明する。
エンジン制御装置からの点火信号に基づいて、一次コイル60の通電は、イグナイタ50のIGBTによってオフ状態からオン状態に切り換えられなければならない。このとき、一次コイル60を流れ始める電流によって、磁気回路には磁束が形成される。すると、二次コイル65には、この磁束の形成を妨げるような電流(以下、「逆電流」という)が誘導される。このようにオン通電時にも、二次コイル65には相互誘電作用によって、上述した火花放電を生じさせる電流とは逆向きの逆電流が流れようとする。この逆電流は、点火プラグ10に火花放電を生じさせてしまうおそれがある。
ダイオード55は、この逆電流を規制する向きで、二次コイル65に接続されている。故に、一次コイル60の通電がオフ状態からオン状態に切り換えられた際に、外部からイグナイタ50等を通じて二次コイル65へと向かう逆電流は、ダイオード55によって規制される。このようにして二次コイル65への電力の供給が制限されることにより、二次コイル65は、電力を蓄積し難くなる。故に、一次コイル60への通電をオフ状態からオン状態とした際に二次コイルに生じる電圧は、抑制される。よって、逆電流に起因して点火プラグ10に生じる火花放電は、回避可能となるのである。
ここまで説明した点火コイル100に設けられる、ダイオード55を二次コイル65と接続する接続部材90、及び当該ダイオード55を囲むように形成される隔壁部30について、以下図4に基づいて詳細に説明する。
接続部材90は、導電性に優れ、二次銅線66よりも融点の低いりん青銅等の線材によって形成されている。接続部材90は、隔壁部30の壁厚方向に当該隔壁部30を貫通している。接続部材90は、リード接続部91及び二次銅線接続部96を有している。
リード接続部91は、接続部材90における軸方向の両端部のうち、一方の端部に設けられている。接続部材90において、隔壁部30よりもダイオード55側(以下、「隔壁部30の内側」という)に位置する部分であって、リード接続部91を形成している部分を、隔離部分92とする。リード接続部91は、接続部材90の一方の端部を円筒コイル状に巻回してなる。円筒コイル状の内部にリード部56が圧入されることにより、リード接続部91は、当該リード部56に外嵌される。
二次銅線接続部96は、接続部材90における軸方向の両端部のうち、リード接続部91とは反対側に位置する他方の端部に、設けられている。接続部材90において、隔壁部30のダイオード55とは反対側(以下、「隔壁部30の外側」という)に延出する部分であって、二次銅線接続部96を形成している部分を、延出部分94とする。延出部分94は、隔壁部30から直線状に伸びている。加えて、延出部分94の外壁面95は、円筒面状に形成されている。二次銅線接続部96には、引出溝68cを通じて引き出された引出線部67の端部が、からげられる。そして、二次銅線接続部96に絡げられた引出線部67の端部は、例えばマイクロアーク溶接等によって、当該二次銅線接続部96に確実に接続される。
さて、近年のダイオード55の鉛フリー化に伴い、リード部56のメッキ材にニッケル等の高融点材料が用いられる場合がある。故に、リード部56に引出線部67の端部を溶接することが、困難となる。しかし、本実施形態では、リード部56と引出線部67の端部との間に二次銅線66よりも低融点な材料からなる接続部材90を介在させているので、マイクロアーク溶接による二次銅線接続部96の溶融によって、二次銅線66は、二次銅線接続部96に確実に接続される。
隔壁部30は、ボビン68と一体に形成されており、具体的には、支持部69を囲むように当該ボビン68に設けられている。隔壁部30は、絶縁樹脂45(図2等参照)の内部において、接続部材90のリード接続部91と二次銅線66の引出線部67とを隔てるための構成であり、貫通溝32、隔壁本体部分31、及び隔壁延伸部分33を有している。貫通溝32は、壁厚方向に沿って隔壁本体部分31に形成され、当該隔壁本体部分31を当該壁厚方向に貫通する溝である。接続部材90を貫通溝32に通過させることにより、隔壁本体部分31は、二次銅線接続部96及びリード接続部91間に位置し、これら二次銅線接続部96とリード接続部91とを隔てる。隔壁延伸部分33は、隔壁本体部分31の鍔部68bに近接する端部から、リード接続部91及び引出線部67間に向かって延伸している。隔壁延伸部分33は、鍔部68bに沿って引出溝68cを越える位置まで延伸している。これにより、隔壁延伸部分33と鍔部68bとの間には、引出線部67を収容し、当該引出線部67を外壁面95の近傍まで誘導する収容溝68dが形成されている。以上の構成により、隔壁延伸部分33は、引出線部67とリード接続部91とを隔てている。
引出溝68cの延伸方向は、二次コイル65の軸方向に対して傾斜させられている。これにより、引出溝68cは、鍔部68bを挟んで巻回部68a側から支持部69側に向かうにしたがい、二次銅線接続部96に近接する。このような引出溝68cの形状により、引出溝68c及び収容溝68d間にて引出線部67に生じる屈曲が低減される。
以上の構成の点火コイル100を製造する複数の工程のうち、ダイオード55の接続及び支持部69への配設に係る工程について、以下図5に基づいて詳細に説明する。
図5(a)に示されるリード接続工程では、ダイオード55の一方のリード部56が、接続部材90のリード接続部91に圧入される。これにより、リード接続部91は、リード部56と接続される。
図5(b)に示される支持工程では、リード接続工程によって接続部材90と接続されたダイオード55が、ボビン68の支持部69に配設され、当該支持部69によって支持される。このとき、接続部材90が隔壁本体部分31の貫通溝32に嵌め込まれることにより、二次銅線接続部96を含む延出部分94は、隔壁部30から延出する。
図5(c)に示される二次銅線接続工程では、支持工程によってダイオード55と共に配設された接続部材90の二次銅線接続部96に、引出線部67の端部が複数回絡げられる。そして、二次銅線接続部96及び当該二次銅線接続部96に複数回絡げられた引出線部67は、マイクロアーク溶接等によって互いに接続される。
以上の二次銅線接続工程による結果物を、図2及び図3等に示されるようにメインケース41及びサブケース44の一体要素内の空間に収容し、さらに当該空間に絶縁樹脂45を充填する。こうような製造方法によって、点火コイル100は製造される。
ここまで説明した本実施形態にて、熱応力の繰り返しの作用により、絶縁樹脂においてリード接続部91を被覆している部分にクラックが生じ、二次銅線接続部96に向かって伸展しようとしたとする。しかし、クラックの伸展は、絶縁樹脂45の内部においてこれら二次銅線接続部96とリード接続部91とを隔てている隔壁部30によって、妨げられる。このように、隔壁部30は、二次銅線接続部96付近へのクラックの伸展を遮断する作用を発揮する。したがって、絶縁樹脂45に生じるクラックにより、二次銅線接続部96付近において二次銅線66を被覆している部分の絶縁樹脂45諸共、当該二次銅線66が断線してしまう事態は、回避可能となる。
加えて本実施形態によれば、引出溝68c付近に位置する引出線部67に向かうクラックの伸展は、隔壁本体部分31から延伸する隔壁延伸部分33によって妨げられる。このように、隔壁延伸部分33が引出線部67に向かうクラックの伸展を遮断する作用を発揮するので、引出線部67を被覆している部分の絶縁樹脂45諸共、当該引出線部67がクラックによって断線してしまう事態は、回避可能となる。
また本実施形態によれば、引出線部67の引き出される位置は、鍔部68bにおいて引出溝68cの設けられている位置に規定される。故に、引出溝68cを越える位置まで延伸隔壁延伸部分33は、引出線部67の全体をリード接続部91と隔てることができる。以上により、リード接続部91付近の絶縁樹脂から引出線部67に向かうクラックの伸展が隔壁部30によって悉く遮断されるようになり得るので、クラックに起因する引出線部67の断線を抑制する効果発揮の確実性が、向上する。
さらに本実施形態によれば、延出部分94は、隔壁部30の外側に直線状に延出し且つ円筒面状の外壁面95を形成している。この延出部分94を被覆する絶縁樹脂45であって、当該延出部分94を補完する形状となる絶縁樹脂45では、角部や屈曲といった急激な形状変化が、抑制される。以上により、延出部分94を被覆している絶縁樹脂45がクラック発生の起点となり難くなるので、隔壁部30の外側におけるクラックの発生は、低減される。したがって、クラックに起因する引出線部67の断線を抑制する効果発揮の確実性が、向上する。
また加えて本実施形態によれば、支持部69と隔壁部30とがボビン68に一体に形成されているので、当該支持部69にダイオード55と共に支持される接続部材90、及び当該隔壁部30は、共にボビン68によって位置を規定されている。故に、絶縁樹脂45によってボビン68を覆ったとしても、接続部材90及び隔壁部30の相対位置は、ずれ難い。これにより、隔壁部30は、絶縁樹脂45の内部において二次銅線接続部96とリード接続部91との間に確実に位置し、クラックの伸展を遮断する作用を発揮することができる。したがって、隔壁部30を設けることによって獲得される断線を抑制する効果は、確実に発揮可能となる。
またさらに本実施形態によれば、ダイオード55のリード部56と接続部材90のリード接続部91との接続は、二次銅線66と二次銅線接続部96との接続よりも、前の工程にて実施される。故に、リード部56とリード接続部91との接続の際に接続部材90に作用する力が二次銅線66に引っ張り力として作用することで、当該導線66を断線させてしまう事態は、回避可能となる。したがって、クラックに起因する二次銅線66の断線と共に、点火コイル100の製造時における二次銅線66の断線も、低減される。
尚、本実施形態において、貫通溝32が特許請求の範囲の「貫通部」に相当し、二次銅線66が特許請求の範囲の「導線」に相当し、ボビン68が特許請求の範囲の「ボビン部材」に相当し、巻回部68aが特許請求の範囲の「巻回部」に相当し、鍔部68bが特許請求の範囲の「鍔部」に相当し、引出溝68cが特許請求の範囲の「引出部」に相当し、二次銅線接続部96が特許請求の範囲の「導線接続部」に相当し、二次銅線接続工程が特許請求の範囲に記載の「導線接続工程」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
上記実施形態では、接続部材90のリード接続部91は、当該接続部材90を形成する線材の一方の軸方向端部をコイル状に巻回することにより、形成されていた。しかし、リード接続部91の形態は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、図6(a)に示されるように、接続部材290は、導電性の材料よりなるチューブ状の部材であってもよい。この接続部材290のリード接続部291の円筒穴にリード部56が圧入されることにより、リード接続部291は、リード部56と接続される。
又は、図6(b)に示される接続部材390のように、リード接続部391の部分がチューブ状に形成され、当該リード接続部91以外の部分は、上記実施形態の接続部材90と同様に中実の線状に形成されていてもよい。この接続部材390のリード接続部391の円筒穴にリード部56が圧入されることにより、リード接続部391は、リード部56と接続される。
或いは、図6(c)に示される接続部材490ように、リード接続部491の部分が、リード部56を挟持可能なように、線材の端部を屈曲させることにより、形成されていてもよい。リード接続部491を形成する線材の間にリード部56が圧入されることにより、リード接続部491は、リード部56と接続される。
上記実施形態及び上述の変形例における延出部分94は、直線状を呈し、且つ円筒面状の外壁面95を有していた。しかし、延出部分を被覆する絶縁樹脂のクラックを抑制するよう形成されていれば、当該延出部分は、屈曲していてもよい。加えて、延出部分の横断面の形状は、上述したような円形状でなく、例えば角部の面取りされた多角形状であってもよい。
上記実施形態では、隔壁本体部分31から延伸する隔壁延伸部分33が、引出溝68c近傍の引出線部67に向かうクラックの伸展を遮断していた。しかし、隔壁部の形態は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、隔壁本体部分と隔壁延伸部分の延伸方向は、交差していた。しかし、例えば円弧状を呈し、隔壁本体部分及び隔壁延伸部分を一体的に形成する形態の隔壁部が、支持部に立設されていてもよい。或いは、隔壁延伸部分に相当する部分が、隔壁部から省略されていてもよい。
上記実施形態では、隔壁本体部分31に形成された貫通溝32が、特許請求の範囲に記載の「貫通部」に相当していた。しかし、「貫通部」は、貫通溝32のような溝状の構成に限定されない。例えば、「貫通部」は、隔壁本体部分を壁厚方向に貫通する貫通孔であってもよい。
上記実施形態では、引出線部67は、引出溝68cを通じて、鍔部68bを挟んで巻回部68a側から支持部69側に、引き出されていた。しかし、引出線部を引き出すために鍔部に設けられる構成は、当該鍔部を軸方向に貫通する引出孔等であってもよい。又は、特許請求の範囲に記載の「引出部」に相当する構成が省略されることにより、引出線部は、鍔部の外周側を跨いていてもよい。
上記実施形態では、支持部69は、隔壁部30と共にボビン68に一体で形成されていた。しかし、絶縁樹脂の内部において、支持部及び隔壁部の相対位置が確実に維持され得るようであれば、これら支持部及び隔壁部は、別々の構成として形成され、例えばボビンに組み付けられていてもよい。
上記実施形態では、製造時における二次銅線66の断線を低減するために、リード部56とリード接続部91とを接続するリード接続工程は、二次銅線66を二次銅線接続部96に接続する二次銅線接続工程よりも前に実施されていた。しかし、二次銅線の断線低減への配慮がなされていれば、リード接続工程は、二次銅線接続工程よりも後に実施されてもよい。
10 点火プラグ、11 碍子部、13 プラグ端子部、15 電極部、20 シリンダヘッド、21 シリンダヘッドカバー、23 プラグホール、30 隔壁部、31 隔壁本体部分、32 貫通溝(貫通部)、33 隔壁延伸部分、40 筐体、41 メインケース、41a 底壁、41b 開口、42 円筒状部、43 固定部、44 サブケース、45 絶縁樹脂、47 ターミナル、48 コネクタ部、50 イグナイタ、51 モールド樹脂部、52 イグナイタ端子、55 ダイオード、56 リード部、60 一次コイル、61 一次銅線、63 一次ボビン、65 二次コイル、66 二次銅線(導線)、67 引出線部、68 ボビン(ボビン部材)、68a 巻回部、68b 鍔部、68c 引出溝(引出部)、68d 収容溝、69 支持部、70 中心コア、71 巻回部、72 鍔部、73 二次ボビン、75 外周コア、76 外周部、77 端面対向部、80 プラグ装着部、81 コイル端子部、82 プラグキャップ、83 スプリング、90,290,390,490 接続部材、91,291,391,491 リード接続部、92 隔離部分、94 延出部分、95 外壁面、96 二次銅線接続部(導線接続部)、100 点火コイル

Claims (7)

  1. 点火プラグと接続され、一次コイルを通電する電圧を二次コイルによって昇圧することにより、前記点火プラグに火花放電を生じさせる電圧を生成する点火コイルであって、
    前記二次コイルを形成する導線と、
    リード部を有し、前記一次コイルへの通電をオフ状態からオン状態とした際に前記二次コイルに誘導される逆電流を規制するダイオードと、
    前記二次コイルを形成する前記導線が筒状に巻回される巻回部、を有するボビン部材と、
    前記二次コイルを形成する前記導線と接続される導線接続部、及び前記ダイオードの前記リード部と接続されるリード接続部、を有する接続部材と、
    前記ボビン部材の周囲を覆うことにより、前記導線、前記ダイオード、及び前記接続部材を被覆する絶縁樹脂と、
    前記絶縁樹脂の内部において前記接続部材を貫通させる貫通部を有し、前記接続部材を前記貫通部に貫通させることにより当該導線接続部と当該リード接続部とを隔てる隔壁部と、
    を備えることを特徴とする点火コイル。
  2. 前記ボビン部材は、
    前記ダイオードを支持する支持部と、
    前記支持部と前記巻回部との間に位置し、当該巻回部の外周側に鍔状に突出する鍔部と、を有し、
    前記導線は、前記鍔部よりも前記支持部側に位置する前記導線接続部に、前記鍔部の前記巻回部側から引き出される引出線部、を有し、
    前記隔壁部は、
    前記導線接続部と前記リード接続部とを隔てる隔壁本体部分と、
    前記リード接続部及び前記引出線部間に向かって前記隔壁本体部分から延伸することにより、当該リード接続部と当該引出線部とを隔てる隔壁延伸部分と、を有することを特徴とする請求項1に記載の点火コイル。
  3. 前記ボビン部材は、前記鍔部を挟んで前記巻回部側から前記支持部側に前記引出線部を引き出すための引出部、を有し、
    前記隔壁延伸部分は、前記鍔部に沿って前記隔壁本体部分から前記引出部を越える位置まで延伸し、当該引出部を通じて引き出される前記引出線部と前記リード接続部とを隔てることを特徴とする請求項2に記載の点火コイル。
  4. 前記接続部材において、前記隔壁部の前記ダイオードとは反対側に前記貫通部から延出する延出部分の外壁面は、円筒面状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火コイル。
  5. 前記接続部材は、前記隔壁部の前記ダイオードとは反対側に前記貫通部から直線状に延出する延出部分、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火コイル。
  6. 前記ボビン部材は、前記ダイオードを支持する支持部、を有し、
    前記隔壁部は、前記ボビン部材と一体に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火コイル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の点火コイルを製造する方法であって、
    前記ダイオードの前記リード部に、前記接続部材の前記リード接続部を接続するリード接続工程と、
    前記リード接続工程によって前記接続部材と接続された前記ダイオードを、当該接続部材の前記導線接続部が前記隔壁部から延出するように、前記ボビン部材の有する支持部に支持させる支持工程と、
    前記支持工程によって配設された前記接続部材の前記導線接続部に、前記導線を接続する導線接続工程と、
    を含むことを特徴とする点火コイルの製造方法。
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