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JP5789135B2 - 露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
近年、半導体デバイスの実装として、フリップチップによる実装が採用されるケースが増えてきている。フリップチップによる実装に対応した半導体デバイスの製造工程には、はんだボールをデバイス上に形成する工程が含まれる。はんだボールを形成する方法の1つとして、メッキによる形成方法が知られている。メッキによる形成方法では、ウエハ(基板)上に形成された導電性膜とメッキ装置の電極とを接触(導通)させるために、導電性膜の上に形成されているレジストにおける電極を接触させる部分を剥離する必要がある。レジストがネガレジストである場合には、ウエハの周辺部に露光光が照射されないようにすればよい(即ち、ウエハの周辺部を遮光すればよい)ため、例えば、露光中に、ウエハ上に遮光板を配置する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、モールドと接触させたウエハ上のレジストに紫外線を照射して、レジストにモールドのパターンを転写するインプリント装置が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2には、ウエハの周辺部のショット領域に対応した照射領域を規定するために、ウエハ上の第1象限から第4象限に相当する領域の輪郭にそれぞれ対応する円弧を有する4つの遮光板を、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ駆動する技術が開示されている。
米国特許第6680774号明細書 特開2005−286062号公報
特許文献1のようにウエハ上に遮光板を配置すると、ウエハを交換するたびに遮光板を退避させる必要があるため、スペースやスループットの面で制約となる。そこで、ウエハ上に遮光板を配置するのではなく、ウエハと光学的に共役な面に遮光板を配置し、かかる遮光板によってウエハの外周領域を遮光する技術が考えられる。このような技術では、外周ショット領域ごとに、ウエハ上の外周ショット領域の位置に基づいて、ウエハの外周から外周領域の境界までの距離が一定になる(即ち、ウエハの外周から所定の幅だけ内側の外周領域が遮光される)ように遮光板を位置決めしている。
しかしながら、ウエハの外形を基準としたウエハ中心位置とウエハに形成されたレイヤ(下地)のショット領域の配列(レイアウト)のレイアウト中心位置とは、必ずしも一致しているわけではない。ウエハ中心位置とレイアウト中心位置とがずれている場合、ウエハ上の外周ショット領域の位置に基づいて遮光板を位置決めすると、ウエハ中心位置とレイアウト中心位置との間の距離(ずれ量)だけずれて遮光板が位置決めされることになる。その結果、ウエハの外周から外周領域の境界までの距離が外周ショット領域ごとにばらつき、遮光板で遮光される外周領域の幅を一定にすることができなくなってしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、基板の中心位置と基板上のショット領域の配列の中心位置とがずれていても、基板の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置であって、前記照明光学系における前記投影光学系の物体面と共役な面に配置され、前記基板の外周より内側の円形境界線に重なる円弧を縁に含み前記基板上の前記パターンが転写される領域を規定する遮光板と、前記基板上の外周ショット領域内において前記遮光板を駆動する駆動部と、前記基板の中心位置と前記基板に形成されたレイヤの複数のショット領域の配列の中心位置とのずれ量を検出する検出部と、前記外周ショット領域を露光する際に、前記検出部で検出された前記ずれ量に基づいて、前記基板の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光する位置に前記遮光板が位置決めされるように前記駆動部を制御する外形基準制御を行う制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、基板の中心位置と基板上のショット領域の配列の中心位置とがずれていても、基板の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を高精度に遮光する技術を提供することができる。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す図である。 図1に示す露光装置の照明光学系の構成を詳細に示す図である。 基板の上の転写領域を説明するための図である。 図1に示す露光装置の照明光学系に配置される遮光板の構成の一例を示す図である。 図1に示す露光装置の照明光学系に配置される遮光板の位置決めを説明するための図である。 図1に示す露光装置による露光処理を説明するためのフローチャートである。 基板にレイヤが形成されている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 基板にレイヤが形成されている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 基板にレイヤが形成されている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 遮光板の制御モードとしてのレイヤ基準制御モードを詳細に説明するための図である。 遮光板の制御モードとしての外形基準制御モードを詳細に説明するための図である。 基板ステージに保持された基板の中心と基板ステージの中心とがずれている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 基板ステージに保持された基板の中心と基板ステージの中心とがずれている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 基板ステージに保持された基板の中心と基板ステージの中心とがずれている場合における遮光板の位置決めを説明するための図である。 基板ステージに保持された基板の中心と基板ステージの中心とがずれ、且つ、基板の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている場合を示す図である。 基板の中心と基板ステージの中心とが一致するように基板ステージに基板を保持させる方法を説明するための図である。 基板の上にリング状の遮光板を配置することで、基板の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光する方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての露光装置100の構成を示す図である。露光装置100は、レチクル(マスク)のパターンを投影光学系によって基板(基板上のショット領域)に投影し、レチクルのパターンを基板に転写するリソグラフィ装置である。
露光装置100は、図1に示すように、光源11からの光でレチクル2を照明する照明光学系1と、基板(ウエハ)9に転写すべきパターン(回路パターン)を有するレチクル2を保持して移動するレチクルステージ3と、アライメント検出部4とを有する。アライメント検出部4は、レチクルステージ3に保持されたレチクル2の位置、及び、投影光学系5を介して基板9のアライメントマークの位置を検出する。本実施形態では、アライメント検出部4は、レチクルステージ3に保持されたレチクル2の位置を検出する機能と、基板9のアライメントマークの位置を検出する機能とを兼ね備えている。但し、レチクルステージ3に保持されたレチクル2の位置を検出するレチクルアライメント検出部と、基板9のアライメントマークの位置を検出する基板アライメント検出部とを別々に配置してもよい。
また、露光装置100は、レチクル2のパターンを基板9に投影する投影光学系5と、基板9を保持して移動する(少なくともXY平面内でX軸方向及びY軸方向に移動する)基板ステージ6と、基板ステージ6の位置を計測するレーザ干渉計7とを有する。露光装置100は、基板9を吸着(保持)するチャック8と、チャック8の下部に配置されて基板9をZ軸方向(垂直方向)に移動させる(即ち、露光時のピントを調整する(フォーカシング)ための)Z軸移動機構(不図示)とを有する。更に、露光装置100は、基板ステージ6に保持された基板9のZ軸方向の位置(ピント位置)を計測するオートフォーカス部10と、CPUやメモリを含んで露光装置100の全体(基板9を露光する動作)を制御する制御部21とを有する。
図2は、照明光学系1の構成を詳細に示す図である。図2に示すように、照明光学系1は、本実施形態では、光源11を含む。但し、照明光学系1は、必ずしも光源11を含む必要はなく、照明光学系1と光源11とをそれぞれ別に構成してもよい。
光源11は、本実施形態では、超高圧水銀ランプを使用するが、エキシマレーザー(KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーなど)を使用してもよい。集光ミラー12は、一般的には、楕円ミラーを使用する。但し、集光ミラー12は、楕円ミラーに限定するものではなく、集光点の集光度を高めるように最適化されたファセットミラーを使用してもよい。シャッタ13は、制御部21の制御下において、開閉時間を調整することでレジスト(感光剤)が塗布された基板9への露光量を調整する。
変倍リレー光学系14は、ズーム機構を有し、ハエの目レンズ15における光束径を変更する。露光装置100においては、基板9に転写するパターンに応じて投影光学系5の結像性能を最適化するために、(照明光学系1の(開口数)NA)/(投影光学系5のNA)で表されるコヒーレンスファクター(σ値)を変更する必要がある。本実施形態では、照明光学系1のNAを決めているハエの目レンズ15における光束径を変更することで、σ値を変更することができる。
ハエの目レンズ15は、入射面に入射した光束を波面分割し、射出面に2次光源を生成する。ハエの目レンズ15は、シリンドリカルレンズアレイに置換することが可能である。コンデンサー光学系16は、ハエの目レンズ15で波面分割された光を被照明面において重畳的に重ね合わせ、被照明面上に均一な照度分布を形成する。
マスキングブレード17は、コンデンサー光学系16の被照明面に配置される。マスキングブレード17は、開口を可変とする絞りで構成され、制御部21の制御下において、露光装置100がステップアンドリピート方式で繰り返して転写する1つのショット領域の形状(ショット形状)を決定する。換言すれば、マスキングブレード17は、基板上のショット領域の外縁を規定する直線状の辺より外側の領域に入射する光を遮光する。
リレー光学系18は、マスキングブレード17の位置に形成された照度分布を遮光板19に投影する。また、リレー光学系20は、遮光板19の位置に形成された照度分布をレチクル2に投影する。
遮光板19は、露光装置100がステップアンドリピート方式で繰り返して基板9を露光する際に、基板9の露光位置に応じてパターンが転写される領域の形状を変化させることが可能である。遮光板19は、照明光学系1における投影光学系5の物体面と共役な面に配置され、基板9の外周より内側の円形境界線に重なる円弧を縁に含み、基板9の上のパターンが転写される領域を規定する。遮光板19は、駆動部22を介して、基板9の上の外周ショット領域内において駆動される。例えば、駆動部22は、制御部21の制御下において、照明光学系1の光軸に平行な軸回りに遮光板19を回転駆動させたり、照明光学系1の光軸に垂直な平面内で遮光板19を直線駆動させたりする。なお、本実施形態では、配置上の都合から、マスキングブレード17と遮光板19とを、リレー光学系18を介して、照明光学系1における互いに異なる光学的に共役な位置に配置している。
遮光板19について詳細に説明する。図3(a)は、基板9の上の転写領域を説明するための図であって、紙面上方向から見た基板9を示している。基板9には、通常、シリコン製の基板が使用されるが、ガラス製の基板、サファイヤ製の基板、化合物からなる基板も使用される。露光装置100が1回の露光でパターンを転写できる領域は、投影光学系5の結像領域で決まるが、一般的には、基板9の大きさより小さい。従って、露光装置100では、ステップアンドリピート方式と呼ばれる基板9をステップさせながらパターンの転写(基板9の露光)を繰り返す露光方式が用いられる。図3(a)に斜線で示す領域は1回の露光でパターンが転写されるショット領域を示しており、基板9をステップさせながら複数のショット領域を繰り返し露光することで、基板9の全体に同一のパターン「C」を転写することができる。
上述したように、はんだボールを形成する工程において、基板9の上の導電性膜とメッキ装置の電極とを接触(導通)させるためには、レジストが剥離された領域が基板9の上に存在しなければならない。かかる領域は、図3(a)に示すように、基板9の周辺部、具体的は、基板9の外周から所定の幅(本実施形態では、d)だけ内側の外周領域92に相当する。基板9の外周領域92は、基板9に塗布されたレジストがネガレジストである場合には、露光中に遮光されている必要がある。換言すれば、基板9の外周ショット領域91にパターンを転写する際には、外周ショット領域91を図3(b)に示すような転写領域に規定して露光する必要がある。
図4は、外周ショット領域91を図3(b)に示すような転写領域に規定するための遮光板19の構成の一例を示す図であって、照明光学系1の光軸方向から見た遮光板19を示している。遮光板19は、露光光を遮光する遮光部分191と、露光光を通過させる開口部分192とで構成される。遮光部分191は、基板9の外周の円弧形状と略同一な円弧形状の円弧縁部191aと、基板9の外周領域92の遮光には直接寄与しない直線形状の直線縁部191bとを含む。但し、遮光板19は、図4に示す構成に限定されるものではなく、完全に円形形状の縁部を含む遮光部分で構成されてもよいし、1箇所だけ円弧形状の縁部を含む遮光部分で構成されてもよい。これは、駆動部22が遮光板19を照明光学系1の光軸を中心とした回転方向(矢印AR1)に回転駆動させたり、円弧縁部191aの頂点を結ぶ直線に平行な方向(矢印AR2)に直線駆動させたりすることが可能だからである。
図5は、制御部21の制御下における駆動部22による遮光板19の位置決めを説明するための図であって、基板9の外周ショット領域91と遮光板19との位置関係を示している。図5に示すように、外周ショット領域91を露光する際には、基板9の外周から幅dだけ内側の外周領域92に入射する露光光を遮光する位置に遮光板19を位置決めする。詳細には、照明光学系1の光軸を中心としてθだけ遮光板19を回転駆動し、且つ、外周ショット領域91の中心(x1,y1)から基板9の中心方向にLだけシフト(直線駆動)した位置に遮光板19の中心(x,y)が位置するように、遮光板19を位置決めする。
なお、Lは、遮光板19の直線駆動量であって、図5に示す数値を用いて、以下の式1で表される。
Figure 0005789135
d:外周領域92の幅
θ:遮光板19の回転駆動量(即ち、照明光学系1の光軸(基板9の中心)と外周ショット領域91の中心とを結ぶ直線と基板9の水平線とのなす角度)
L:遮光板19の直線駆動量
L1:遮光板19の中心から遮光板19の円弧縁部191aまでの距離
L2:基板9の中心から外周ショット領域91の中心までの距離
L3:基板9の中心から基板9の外周までの距離(即ち、基板9の半径)
L4:基板9の中心から遮光板19の中心までの距離
図6を参照して、露光装置100による露光処理について説明する。かかる露光処理は、制御部21が露光装置100の各部を統括的に制御することで行われる。ここでは、1枚の基板9に対する露光処理を例に説明する。
S602では、基板9の露光処理に関する露光処理情報(即ち、基板9を露光する際に必要となる情報)を取得する。露光処理情報は、露光条件などの他に、遮光板19の位置決め(制御)に必要な情報を含む。露光処理情報は、例えば、露光処理の対象となる基板9にレイヤ(下地)が形成されているかどうか(即ち、第1シーケンスであるか第2シーケンスであるか)を表すシーケンス情報、基板9の上の複数のショット領域の配列を表すレイアウト情報などを含む。また、露光処理情報は、基板9を基板ステージ6に配置する際に生じる基板9の中心と基板ステージ6の中心とのずれ量を表す基板配置オフセットや外周ショット領域91を露光する際の遮光板19の制御モードを表す遮光板制御モード情報などを含んでもよい。
S604では、基板搬送ロボットを介して露光処理の対象となる基板9を露光装置100に搬入し、かかる基板9を基板ステージ6に配置する。この際、露光処理情報に含まれる基板配置オフセットを考慮して、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致するように、基板ステージ6に基板9を保持させる。
S606では、S602で取得した露光処理条件に含まれるシーケンス情報に基づいて、露光処理の対象となる基板9にレイヤが形成されているかどうかを判定する。基板9にレイヤが形成されている場合には、S612に移行する。また、基板9にレイヤが形成されていない場合には、S608に移行する。
S608では、基板9に形成されたレイヤのアライメントマークをアライメント検出部4で検出(粗検)する(即ち、プリアライメントを行う)。S610では、S608における検出結果に基づいて、基板9に形成されたレイヤのアライメントマークをアライメント検出部4で精密に検出(精検)する。後述するように、S608及びS610における検出結果から、基板ステージ6の中心位置に相当する基板9の中心位置(基板中心位置)と基板9に形成されたレイヤにおける複数のショット領域の配列の中心位置(レイヤ中心位置)とのずれ量を求めることができる。
S612では、遮光板19を駆動部22で駆動して遮光板19を位置決めする。具体的には、露光処理の対象となる基板9にレイヤが形成されていない場合には、S602で取得した露光処理条件に含まれるレイアウト情報に基づいて、図5を用いて説明したように、遮光板19を位置決めする。また、露光処理の対象となる基板9にレイヤが形成されている場合には、S602で取得した露光処理条件に含まれるレイアウト情報とS608やS610での検出結果から求まる基板中心位置とレイヤ中心位置とのずれ量とに基づいて、遮光板19を位置決めする。但し、上述したように、遮光板19は、基板9の外周ショット領域91を露光する際に、外周領域92に入射する露光光を遮光するために用いられる。従って、対象ショット領域(これからパターンを転写するショット領域)が外周ショット領域91でない場合には、照明光学系1の光路から遮光板19を退避させればよく、遮光板19を位置決めする必要はない。また、遮光板19の位置決めは、基板9の上の対象ショット領域を露光位置に位置させるために必要となる基板ステージ6の移動と並行して実施することが可能である。
S614では、基板9の上の対象ショット領域を露光して、かかる対象ショット領域にレチクル2のパターンを転写する。
S616では、基板ステージ6に保持された基板9の上の全てのショット領域を露光したか(即ち、全てのショット領域にパターンを転写したか)どうかを判定する。基板9の上の全てのショット領域を露光していない場合には、次のショット領域を対象ショット領域としてS612に移行する。また、基板9の上の全てのショット領域を露光した場合には、S614に移行する。
S618では、基板搬送ロボットを介して全てのショット領域が露光された基板9を回収し、かかる基板9を露光装置100から搬出する。
ここで、露光処理の対象となる基板9にレイヤが形成されている場合における遮光板19の位置決め(S612)について説明する。図7は、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致するように基板ステージ6が基板9を保持し、且つ、基板ステージ6に保持された基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている(一致していない)場合を示す図である。図7では、基板中心位置とレイヤ中心位置とが一致している場合の外周ショット領域91を点線で示し、基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている場合の外周ショット領域91’を実線で示している。
図7を参照するに、基板9の基板中心位置Cent(0,0)とレイヤ中心位置Cent1(x1,y1)とのずれ量(レイヤずれ量)は、露光処理条件に含まれるレイアウト情報及びアライメント検出部4の検出結果から、以下の式2で求めることができる。
Figure 0005789135
基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている場合において、レイヤずれ量を考慮せずに、遮光板19を位置決めすると、図8に示すように、外周ショット領域91’の斜線で示す部分が遮光されることになる。このような遮光板19の制御モードを、本実施形態では、レイヤ基準制御モードと称する。
一方、基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている場合において、レイヤずれ量を考慮して遮光板19を位置決めすると、図9に示すように、外周ショット領域91’の斜線で示す部分が遮光されることになる。このような遮光板19の制御モードを、本実施形態では、外形基準制御モードと称する。
図10を参照して、レイヤ基準制御モードにおいて、基板9の外周ショット領域91’の位置から求まる遮光板19の回転駆動量及び遮光板19の直線駆動量について説明する。図10において、一点鎖線で示す円は、基板9の外周ショット領域91’の位置から得られる基板の仮想外周9’を示している。また、Aは、基板9の上の外周ショット領域91’の中心位置を示し、Bは、レイヤ中心位置Cent1(x1,y1)と外周ショット領域91’の中心位置とを結ぶ直線と基板の仮想外周9’との交点を示している。Cは、基板の仮想外周9’からの距離がdとなる位置(即ち、遮光板19で遮光される領域の境界)を示し、Dは、遮光板19の中心位置を示している。
図10を参照するに、BC間の距離は、基板の仮想外周9’から所定の幅だけ内側の外周領域の幅dに相当する。但し、遮光板19で実際に遮光される領域は、斜線部分であり、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92とは異なる。AD間の距離は、遮光板19の直線駆動量(図5における遮光板19の直線駆動量L)に相当する。θ1は、遮光板19の回転駆動量(即ち、レイヤ中心と外周ショット領域91’の中心とを結ぶ直線と基板9の水平線とのなす角度)に相当する。
このように、レイヤ基準制御モードでは、外周ショット領域91’の位置から得られる基板の仮想外周9’から所定の幅だけ内側の外周領域92’に入射する光を遮光する位置に遮光板19が位置決めされる。従って、レイヤ基準制御モードでは、基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれていると、遮光板19で実際に遮光される領域(斜線部分)の幅を一定(所定の幅d)にすることはできない。
図11を参照して、外形基準制御モードにおいて、レイヤずれ量を考慮して求まる遮光板19の回転駆動量及び遮光板19の直線駆動量について説明する。図11において、一点鎖線で示す円は、基板9の外周ショット領域91’の位置から得られる基板の仮想外周9’を示している。また、Aは、基板9の上の外周ショット領域91’の中心位置を示し、Bは、基板中心位置Cent(0,0)と外周ショット領域91’の中心位置とを結ぶ直線と基板9の外周との交点を示している。Cは、基板9の外周からの距離がdとなる位置(即ち、遮光板19で遮光される領域の境界)を示し、Dは、遮光板19の中心位置を示している。
図11を参照するに、BC間の距離は、基板9の外周から所定の幅だけ内側の外周領域の幅dに相当する。従って、遮光板19で実際に遮光される領域は、斜線部分で示される基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92となる。AD間の距離は、遮光板19の直線駆動量(図5における遮光板19の直線駆動量L)に相当する。θ2は、遮光板19の回転駆動量(即ち、基板中心と外周ショット領域91’の中心とを結ぶ直線と基板9の水平線とのなす角度)に相当する。このように、外形基準制御モードでは、レイヤずれ量に基づいて、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92に入射する光を遮光する位置に遮光板19が位置決めされる。具体的には、外周ショット領域91’の位置から得られる基板の仮想外周9’から所定の幅dにレイヤずれ量を加えた幅だけ内側の外周領域92の円形境界線に、投影光学系5の像面に投影した円弧縁部191aが位置するように遮光板19が位置決めされる。従って、外形基準制御モードでは、基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれていても、遮光板19で実際に遮光される領域(斜線部分)の幅を一定(所定の幅d)にすることができる。
本実施形態の露光装置100では、レイヤが形成された基板の上の外周ショット領域を露光する際には、外形基準制御モード(第1制御)で遮光板19を制御する。従って、上述したように、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92に入射する光を高精度に遮光することが可能である。また、本実施形態の露光装置100では、外形基準制御モードだけではなく、外形基準制御モードとレイヤ基準制御モード(第2制御)とを選択的に行うことができる。レイヤが形成されていない基板9の上の外周ショット領域を露光する際には、レイヤずれ量がないため、レイヤ基準制御モードで遮光板19を制御する。この場合には、アライメント検出部4の検出結果から外周ショット領域の位置を求めることができないため、レイアウト情報から外周ショット領域の位置を求めればよい。また、基板上の外周ショット領域から得られる実チップの生産効率(歩留まり)を優先し、遮光板19で遮光される外周領域の幅を一定にしない(即ち、レイヤ基準制御モードを選択する)ことも考えられる。このような場合には、露光処理情報に含まれる遮光板制御モード情報でレイヤ基準制御モードを指定し、レイヤが形成された基板であっても、レイヤ基準制御モードで遮光板19を制御すればよい。
従って、本実施形態の露光装置100によれば、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)を提供することができる。なお、デバイスは、露光装置100を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
なお、上述したように、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致するように基板ステージ6に基板9を保持させているため、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれることはない。但し、参考例として、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれている(一致していない)場合について考える。図12は、基板ステージ6に保持された基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれており、且つ、基板ステージ6に保持された基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とが一致している場合を示す図である。図12では、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致している場合の外周ショット領域91を点線で示し、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれている場合の外周ショット領域91’を実線で示している。
図12を参照するに、基板ステージ6の中心位置Cent0(0,0)と基板中心位置Cent2(x2,y2)とのずれ量(配置ずれ量)は、露光処理条件に含まれるレイアウト情報及びアライメント検出部4の検出結果から、以下の式3で求めることができる。
Figure 0005789135
基板中心位置とレイヤ中心位置とが一致している場合において、配置ずれ量は予め計測され、装置情報として保存されている基板ステージ6の中心位置と基板中心位置とのずれ量と一致する。
レイヤが形成された基板9において、基板ステージ6の中心位置と基板中心位置とがずれている場合、配置ずれ量を考慮せずに、遮光板19を位置決めすると、図13に示すように、外周ショット領域91’の斜線で示す部分が遮光されることになる。従って、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92に入射する光を高精度に遮光することが可能である。なお、図13では、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致している場合の外周ショット領域91を点線で示し、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれている場合の外周ショット領域91’を実線で示している。
また、レイヤが形成されていない基板9において、基板ステージ6の中心位置と基板中心位置とがずれている場合、配置ずれ量を考慮せずに、遮光板19を位置決めすると、図14に示すように、外周ショット領域91’の斜線で示す部分が遮光されることになる。なお、図14では、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致している場合においてレイアウト情報から求まる外周ショット領域91を点線で示している。また、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれている場合においてレイアウト情報から求まる外周ショット領域91’を実線で示している。
図14を参照するに、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致している場合には、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92に入射する光を高精度に遮光している。但し、基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれている場合には、基板中心位置(レイヤ中心位置)も配置ずれ量だけずれてしまうため、遮光板19で実際に遮光される領域(斜線部分)の幅を一定(所定の幅d)にすることはできない。このような場合には、露光処理情報に含まれた基板配置オフセット及びレイアウト情報を用いて、基板中心位置とレイヤ中心位置とが一致するように、基板9を露光することが必要となる。これにより、基板9の外周から所定の幅dだけ内側の外周領域92に入射する光を高精度に遮光することが可能となる。
図15は、基板ステージ6に保持された基板9の中心と基板ステージ6の中心とがずれ、且つ、基板9の基板中心位置とレイヤ中心位置とがずれている場合を示す図である。図15では、基板ステージ6の中心位置をCent0(0,0)で示し、レイヤ中心位置をCent2(x2,y2)で示し、基板中心位置をCent3(x3,y3)で示している。また、実線で示す円は、基板9の外周を示している。点線で示す円は、レイヤ基準制御モードで遮光板19を制御した場合に遮光板19で遮光される領域の境界を示し、一点鎖線で示す円は、外形基準制御モードで遮光板19を制御した場合に遮光板19で遮光される領域の境界を示している。
図15を参照するに、レイヤが形成された基板9において、レイヤ基準制御モードで遮光板19を制御する場合には、露光処理情報に含まれるレイアウト情報のみに基づいて、遮光板19を位置決めする。また、レイヤが形成された基板9において、外形基準制御モードで遮光板19を制御する場合には、レイアウト情報と基板中心位置とレイヤ中心位置のずれ量に基づいて、遮光板19を位置決めする。これにより、斜線で示す部分が遮光板19で遮光される領域となる。なお、レイアウト情報と基板中心位置とレイヤ中心位置のずれ量は、基板中心位置とレイヤ中心位置とのずれ量として、以下の式4で求まる。また、基板中心位置は、基板配置オフセットから求まり、レイヤ中心位置は、アライメント検出部4の検出結果から求まる。
Figure 0005789135
図16(a)乃至図16(e)は、基板9の中心と基板ステージ6の中心とが一致するように基板ステージ6に基板9を保持させる方法を説明するための図である。図16(a)乃至図16(e)は、基板ステージ6と基板搬送ロボット27との間における基板9の受け渡し動作を時系列的に示している。基板9には、アライメント検出部4で検出可能なアライメントマークAMを含むレイヤLAが形成されている。また、DPは、アライメント検出部4によるアライメントマークAMの検出位置を示している。ここでは、検出位置DPを1つだけ示しているが、通常は、2つ以上準備される。
まず、図16(a)に示すように、基板ステージ6は、基板搬送ロボット27から基板9を受け取るための受け取り中心位置に移動する。基板搬送ロボット27は基板9を保持し、基板ステージ6(チャック8)の中心位置の上方に基板9を搬送する。
次いで、図16(b)に示すように、基板ステージ6は、受け取り中心位置から配置オフセットだけ移動し、基板搬送ロボット27から基板9を受け取る。基板搬送ロボット27は、基板ステージ6に基板9を受け渡したら、矢印方向に退避する。なお、基板ステージ6は、基板搬送ロボット27から基板9を受け取るための受け取り中心位置から配置オフセットだけ移動した位置に一度に移動することも可能である。
次に、図16(c)に示すように、基板9の基板中心位置と基板ステージ6の中心位置とが一致した状態において、基板ステージ6は、基板9に形成されたアライメントマークAMをアライメント検出部4の検出位置DPに位置させるように移動する。但し、基板ステージ6を移動させても、基板中心位置とレイヤ中心位置とが一致していないため、図16(d)に示すように、アライメントマークAMがアライメント検出部4の検出位置DPに位置していない状態となる。そこで、基板ステージ6は、図16(e)に示すように、ライメントマークAMがアライメント検出部4の検出位置DPに位置するまで、検出位置DPを模索しながら移動を継続する。アライメント検出部4の検出位置DPのステージ座標系での位置は、基板ステージ6の移動量から求めることができ、かかる移動量が基板中心位置とレイヤ中心位置とのずれ量(レイヤずれ量)となる。
また、図17(a)乃至図17(g)に示すように、遮光板19を用いるのではなく、基板9の上にリング状の遮光板30を配置することで、基板9の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光することも可能である。図17(a)乃至図17(e)は、基板ステージ6と基板搬送ロボット27との間における基板9の受け渡し動作を時系列的に示しており、図16(a)乃至図16(e)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
アライメント検出部4によるアライメントマークAMの検出が終了すると(図17(e))、図17(f)に示すように、遮光板搬送ハンド29が遮光板30を保持し、基板9の上に遮光板30を配置するための配置位置に移動する。また、基板9を保持した基板ステージ6も同様に、基板9の上に遮光板30を配置するために移動を開始する。但し、基板ステージ6の移動目標位置は、遮光板30の中心位置を基板ステージ6の中心位置に一致させる位置から、基板中心位置とレイヤ中心位置とのずれ量(レイヤずれ量)だけシフトさせた位置とする。これにより、図17(g)に示すように、遮光板搬送ハンド29は、遮光板30の中心位置とレイヤ中心位置とが一致するように、基板9の上に遮光板30を配置することが可能となる。ここでは、遮光板30の中心位置とレイヤ中心位置とを一致させるために、遮光板30の中心位置を基板ステージ6の中心位置に一致させる位置からレイヤずれ量だけシフトさせた位置に基板ステージ6を移動させている。但し、基板9の上に遮光板30を配置するための配置位置からレイヤずれ量だけシフトさせた位置に遮光板搬送ハンド29を移動させても、遮光板30の中心位置とレイヤ中心位置とが一致するように、基板9の上に遮光板30を配置することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (5)

  1. 光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置であって、
    前記照明光学系における前記投影光学系の物体面と共役な面に配置され、前記基板の外周より内側の円形境界線に重なる円弧を縁に含み前記基板上の前記パターンが転写される領域を規定する遮光板と、
    前記基板上の外周ショット領域内において前記遮光板を駆動する駆動部と、
    前記基板の中心位置と前記基板に形成されたレイヤの複数のショット領域の配列の中心位置とのずれ量を検出する検出部と、
    前記外周ショット領域を露光する際に、前記検出部で検出された前記ずれ量に基づいて、前記基板の外周から所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光する位置に前記遮光板が位置決めされるように前記駆動部を制御する外形基準制御を行う制御部と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  2. 前記制御部は、前記外形基準制御として、前記外周ショット領域の位置から得られる前記基板の仮想外周から前記所定の幅に前記ずれ量を加えた幅だけ内側の外周領域の円形境界線に前記投影光学系の像面に投影した前記縁が位置するように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記制御部は、前記外周ショット領域を露光する際に、前記外形基準制御と、前記外周ショット領域の位置から得られる前記基板の仮想外周から前記所定の幅だけ内側の外周領域に入射する光を遮光する位置に前記遮光板が位置決めされるように前記駆動部を制御するレイヤ基準制御とを選択的に行うことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記制御部は、前記基板にレイヤが形成されている場合には前記外形基準制御を行い、前記基板にレイヤが形成されていない場合にはレイアウト情報から前記外周ショット領域の位置を取得して前記レイヤ基準制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップと、
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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