JP5783431B2 - パルセーションダンパ及びそれを備えた高圧ポンプ - Google Patents
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Description
高圧ポンプは、燃料が加圧されるポンプ室に連通する燃料室にパルセーションダンパを備えている。パルセーションダンパは、2枚のダイアフラムの外周を接合して構成され、その内側に所定圧のガスが封入された密閉空間を有する。パルセーションダンパは、燃料の圧力に応じて2枚のダイアフラムが互いに近づき又は離れるように変位することで、燃料室及びそこに連通する燃料配管を含む燃料供給系統の燃料の圧力脈動を低減する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ダイアフラムの共振を抑制すると共に、燃料の圧力脈動減衰性能を維持することの可能なパルセーションダンパ及び高圧ポンプを提供することを目的とする。
第1内接部材は、第1ダイアフラムに当接する第1弾性部、第2ダイアフラムに当接する第2弾性部、及び、第1弾性部の外周部と第2弾性部の外周部とを支持する第1支持部を有する。
第2内接部材は、第1ダイアフラムに当接する第3弾性部、第2ダイアフラムに当接する第4弾性部、及び、第3弾性部の外周部と第4弾性部の外周部とを支持する第2支持部を有する。
また、第1−第4弾性部は、その外周部が第1、第2支持部により支持されているので、ダイアフラムの中央部に当接する箇所が撓み易い。また、第1内接部材と第2内接部材とは、パルセーションダンパの径方向に組み合わされているので、ダイアフラムの中央部に当接する箇所が撓み易い。したがって、燃料の圧力脈動によるダイアフラムの中央部の変形が阻害されることなく、パルセーションダンパは圧力脈動減衰性能を維持することができる。
さらに、第1−第4弾性部は第1支持部と第2支持部に支持されており、特許文献1に記載の技術のように接着剤によってダイアフラムに貼り付けられていないので、経時劣化を防ぐことができる。
高圧ポンプは、パルセーションダンパの共振を抑制すると共に、そのパルセーションダンパにより燃料室の圧力脈動を低減することが可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1から図4に示す。第1実施形態の高圧ポンプ1は、図示しない燃料タンクから低圧ポンプにより汲み上げた燃料を加圧し、図示しないデリバリパイプへ吐出する。デリバリパイプに蓄圧された燃料は、デリバリパイプに接続したインジェクタから内燃機関の各気筒に噴射される。
本実施形態のシリンダ10、下ハウジング12、上ハウジング13及びカバー60は、特許請求の範囲に記載の「ポンプボディ」の一例に相当する。
下ハウジング12に固定されたオイルシールホルダ14と、プランジャ11の下端部に固定されたスプリングシート15との間に、第1スプリング16が設けられる。この第1スプリング16は、プランジャ11を図示しない内燃機関のカムシャフトへ付勢する。したがって、プランジャ11は、そのカムシャフトのプロファイルに応じて軸方向に往復移動可能である。
上ハウジング13は、略直方体に形成され、中央に設けられた孔20がシリンダ10に油密に締結され、下ハウジング12の上側に固定される。上ハウジング13は、シリンダ10の吸入孔18に連通する燃料供給部取付穴21と、シリンダ10の吐出孔19に連通する燃料吐出部取付穴22とを有する。
吸入弁ボディ31は、筒状に形成され、上ハウジング13の燃料供給部取付穴21に固定される。
吸入弁ボディ31のシリンダ側には、筒状の吸入弁座部材32が設けられている。吸入弁座部材32は、内側に吸入室35を有する。吸入室35は、上ハウジング13に設けられた孔36を通じて上ハウジングの外側の燃料室61と連通している。吸入弁座部材32は、吸入室35のポンプ室側の開口に弁座37を有している。
吸入弁33は、弁座37のポンプ室側に設けられ、その弁座37に着座または離座可能である。吸入弁33は、開弁時にストッパ部材34に当接する。
ストッパ部材34と吸入弁33との間に第2スプリング38が設けられる。第2スプリング38は、吸入弁33を弁座側へ付勢する。
フランジ41は、吸入弁ボディ31の外壁に固定される。吸入弁ボディ31の内側に可動コア43が往復移動可能に設けられる。可動コア43の中央にロッド44が固定される。吸入弁ボディ31の内側に固定されたガイド部材47は、ロッド44を軸方向に往復移動可能に支持する。第3スプリング46は、可動コア43とロッド44をポンプ室側に付勢している。ロッド44は、吸入弁33をポンプ室側に押圧可能である。
一方、コイル45への通電が停止すると、上述した磁気回路に流れる磁束が消滅し、可動コア43とロッド44は第3スプリング46によってポンプ室側に付勢される。
吐出弁ボディ51は、筒状に形成され、燃料吐出部取付穴22に固定される。吐出弁ボディ51の内側に吐出弁座部材52が固定される。吐出弁座部材52は、流路55、及びその流路55の燃料出口56側の開口に吐出弁用弁座57を有する。吐出弁53は、吐出弁用弁座57に着座及び離座可能である。第4スプリング54は、吐出弁53を吐出弁用弁座57に向けて付勢する。
プランジャ11の往復移動により、燃料室61からポンプ室17へ燃料が吸入され、また、ポンプ室17から燃料室61へ燃料が排出されると、燃料室61に燃料の圧力脈動が生じる。なお、本明細書において、燃料の圧力脈動を燃圧脈動という。
図2に示すように、パルセーションダンパ70は、第1ダイアフラム71、第2ダイアフラム72、第1内接部材80、及び、第2内接部材90を備えている。
第1ダイアフラム71と第2ダイアフラム72は、例えばステンレスなど、耐力および疲労限界の高い金属板をプレス加工することで皿状に形成されている。
第1外縁部711は、環状に形成される。第1曲面部712は、第1外縁部711から反第2ダイアフラム72側に延びると共に、径方向内側へ曲がる。
第1ダンパ部713は、第1曲面部712の径方向内側に設けられる。第1ダンパ部713は、第1曲面部712よりも曲率半径が大きく、略平面状に形成される。
なお、第1ダンパ部713と第2ダンパ部723は、平面状に限らず、例えば波形状としてもよい。
また、第1ダイアフラム71と第2ダイアフラム72は、その形状がそれぞれ異なるものとしてもよい。
2枚のダイアフラム71,72の板厚、材質、外径及び密閉空間73に封入される気圧等を、耐久性或いはその他の要求性能に応じて適宜設定することで、パルセーションダンパ70のばね常数が設定される。そして、このばね常数により、パルセーションダンパ70が低減可能な燃圧脈動の周波数及び脈動減衰性能が定まる。
第1内接部材80は、第1弾性部81、第2弾性部82、及び、第1支持部83を有する。
第1弾性部81は、平板状に形成され、第1ダイアフラム71の内壁に当接する。第2弾性部82は、平板状に形成され、第2ダイアフラム72の内壁に当接する。
第1支持部83は、第1弾性部81の外周部と第2弾性部82の外周部とを支持する。
第3弾性部91は、平板状に形成され、第1ダイアフラム71の内壁に当接する。第4弾性部92は、平板状に形成され、第2ダイアフラム72の内壁に当接する。
第2支持部93は、第3弾性部91の外周部と第4弾性部92の外周部とを支持する。
ここで、「第1弾性部81の外周部」、「第2弾性部82の外周部」、「第3弾性部91の外周部」及び「第4弾性部92の外周部」とは、第1内接部材80と第2内接部材90が組み合わされて円柱状となったとき、その外周に位置する部分をいうものとする。
第1内接部材80の第1凸部84と、第2内接部材90の第2凹部95とは対応する形状であり、互いに組み合わされると、それらの端面同士が当接する。また、第1内接部材80の第1凹部85と、第2内接部材90の第2凸部94とは対応する形状であり、互いに組み合わされると、それらの端面同士が当接する。これにより、第1内接部材80と第2内接部材90との位置ずれが防がれる。
なお、図3において、仮想平面αは、第2内接部材90についても、周方向の一方の端面と他方の端面を接続する。第2凸部94が仮想平面αから第1内接部材側へ延びる距離はL2であり、第1凹部85が仮想平面αから反第1内接部材側へ凹む距離はL1である。
L1及びL2が大きい程、第1内接部材80の第1凸部84と第2内接部材90の第2凸部94の剛性が低くなる。そのため、L1及びL2の設定により、第1−第4弾性部81,82,91,92の撓み易さを調整することが可能である。
通路86,96の開口面積が大きい程、第1支持部83と第2支持部93の剛性が低くなる。そのため、通路86,96の開口面積を設定することにより、第1支持部83と第2支持部93が第1−第4弾性部81,82,91,92をダイアフラム71,72に押し付ける力を調整することが可能である。
また、第1支持部83と第2支持部93が通路86,96を有することにより、2枚のダイアフラム71,72の中央部の板圧方向の変形が、第1支持部83及び第2支持部93よりも径方向内側の空間の気圧によって阻害されることがない。したがって、パルセーションダンパ70は圧力脈動減衰性能を維持することができる。
第1弾性部81と第3弾性部91は、第1曲面部712と第1ダンパ部713との接続箇所の近傍から第1ダンパ部713のほとんどの領域に当接すればよい。ここで、「接続箇所の近傍」とは、接続箇所の径よりも大きいか又は小さい領域であり、弾性部81,91による共振抑制性能の低下が許容される範囲をいう。
ただし、第1弾性部81と第3弾性部91の外径が接続箇所の径よりも小さいと、共振抑制性能が低下する。そのため、第1弾性部81と第3弾性部91は、第1ダンパ部713の面積のうち80%以上の範囲に当接することが好ましい。
また、第1ダイアフラム71は、第1曲面部712の曲率半径と第1ダンパ部713の曲率半径とが異なっている。そのため、第1弾性部81と第3弾性部91がその接続箇所の近傍に当接することにより、第1内接部材80と第2内接部材90を密閉空間73に取り付けた後、第1内接部材80と第2内接部材90が密閉空間内で径方向に移動することを防ぐことができる。
第2弾性部82及び第4弾性部92の構成は、上述した第1弾性部81及び第3弾性部91の構成と実質的に同一であるので、第2弾性部82及び第4弾性部92の説明は省略する。
また、第1−第4弾性部81,82,91,92は、パルセーションダンパ70の中央に位置する個所が第1支持部83または第2支持部93によって支持されていない。そのため、パルセーションダンパ70は、その中央部が板厚方向に容易に変形可能である。
(1)吸入行程
カムシャフトの回転により、プランジャ11が上死点から下死点に向かって下降すると、ポンプ室17の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁53は吐出弁用弁座57に着座し、その流路55を閉塞する。
一方、吸入弁33は、ポンプ室17と吸入室35との差圧により、第2スプリング38の付勢力に抗してポンプ室側へ移動し、開弁状態となる。
吸入弁33の開弁により、燃料室61の燃料は、吸入室35を通り、ポンプ室17に流入する。
このとき、第1−第4弾性部81,82,91,92は、2枚のダイアフラム71,72の内壁に当接したまま、ダイアフラム71,72の変位に追従して変形する。
カムシャフトの回転により、プランジャ11が下死点から上死点に向かって上昇すると、ポンプ室17の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル45への通電が停止されているので、ロッド44は第3スプリング46の付勢力により吸入弁33をポンプ室側へ押圧する。そのため、吸入弁33は開弁状態を維持する。
吸入弁33の開弁により、ポンプ室17と燃料室61とは連通した状態が維持される。このため、一度ポンプ室17に吸入された低圧燃料が、燃料室61へ戻され、燃料室61の燃料圧力が増加する。一方、ポンプ室17の圧力は上昇しない。
このとき、第1−第4弾性部81,82,91,92は、2枚のダイアフラム71,72の内壁に当接したまま、ダイアフラム71,72の変位に追従して変形する。
すると、吸入弁33は、第2スプリング38の弾性力、及びポンプ室17から吸入室側へ排出される低圧燃料の動圧により、ロッド44の動作に追従して閉弁方向へ移動し、弁座に着座する。これにより、ポンプ室17と吸入室35とが遮断される。
吸入弁33が閉弁した後、ポンプ室17の燃料圧力は、プランジャ11の上昇と共に高くなる。ポンプ室17の燃料圧力が吐出弁53に作用する力が、燃料出口56側の燃料圧力が吐出弁53に作用する力及び第4スプリング54の付勢力よりも大きくなると、吐出弁53が開弁する。これにより、ポンプ室17で加圧された高圧燃料は燃料出口56から吐出する。
なお、吐出行程の途中でコイル45への通電が停止される。ポンプ室17の燃料圧力が吸入弁33に作用する力は、第3スプリング46の付勢力よりも大きいので、吸入弁33は閉弁状態を維持する。
パルセーションダンパ70は、燃料室61の燃圧脈動に伴い、2枚のダイアフラム71,72がダンパ部713,723の中央部分を中心として弾性変形することで、その燃圧脈動を抑制する。また、第1−第4弾性部81,82,91,92は、2枚のダイアフラム71,72の内壁に当接し、ダイアフラム71,72の共振を抑制する。
比較例のパルセーションダンパ700は、第1内接部材及び第2内接部材を備えていない。
図5では、比較例のパルセーションダンパ700が周囲の振動に共振した状態の一例を模式的に示している。周囲の振動として、内燃機関から伝わる振動、高圧ポンプ1の電磁駆動部40から伝わる振動、または燃料室61の燃料の高周波脈動等がある。これらの振動と、ダイアフラム710,720の固有振動数とが一致したとき、図5(A)に示すように、ダイアフラム710,720は、共振によって細かく振動する。この共振は、図5(B)のように、破線の同心円で示したものに限らず、ダイアフラム710,720の複数の箇所で同時に生じることもあり、それらの振動が重なって生じることもある。
パルセーションダンパ700に共振が生じると、その振動は高圧ポンプ1のカバー60などに伝わり、騒音を発生することが懸念される。また、燃料インレットに接続された燃料配管などを伝わり、車室内などに騒音を発生するおそれがある。
(1)第1実施形態では、パルセーションダンパ70の径方向に組み合わされた第1内接部材80と第2内接部材90とが密閉空間内で2枚のダイアフラム71,72の内壁に当接する。第1内接部材80は、第1ダイアフラム71に当接する第1弾性部81の外周部と、第2ダイアフラム72に当接する第2弾性部82の外周部とを第1支持部83が支持する。第2内接部材90は、第1ダイアフラム71に当接する第3弾性部91の外周部と、第2ダイアフラム72に当接する第4弾性部92の外周部とを第2支持部93が支持する。
第1−第4弾性部81,82,91,92が2枚のダイアフラム71,72に当接することにより、内燃機関から伝わる振動、高圧ポンプ1の電磁駆動部40から伝わる振動、または燃料の高周波脈動等と、ダイアフラム71,72との共振を抑制することができる。したがって、パルセーションダンパ70からの騒音の発生、及び高圧ポンプ1のカバー60からの騒音の発生等を抑制することができる。
また、第1−第4弾性部81,82,91,92は、その外周部が第1、第2支持部83,93により支持されているので、ダイアフラム71,72の中央部に当接する箇所が撓み易い。また、第1内接部材80と第2内接部材90とは、パルセーションダンパ70の径方向に組み合わされているので、ダイアフラム71,72の中央部に当接する箇所が撓み易い。したがって、ダイアフラム71,72の中央部の変形が阻害されることなく、パルセーションダンパ70は圧力脈動減衰性能を維持することができる。
さらに、第1−第4弾性部81,82,91,92は、第1、第2支持部83,93によって支持されており、接着剤によってダイアフラム71,72に貼り付けられていないので、経時劣化を防ぐことができる。
これにより、第1内接部材80と第2内接部材90との位置ずれを防ぐことができる。
また、第1凸部84が仮想平面αから第2内接部材側へ延びる距離L1と、第2凸部94が仮想平面αから第1内接部材側へ延びる距離L2を設定することにより、第1−第4弾性部81,82,91,92の中央部の撓み易さを調整することが可能である。
これにより、第1−第4弾性部81,82,91,92は、2枚のダイアフラム71,72の可動領域のほとんどの範囲に当接するので、ダイアフラム71,72の共振を確実に抑制することができる。
通路86,96の開口面積の設定により、第1支持部83および第2支持部93の剛性を調整し、第1−第4弾性部81,82,91,92をダイアフラム71,72に押し付ける力を調整することが可能である。
また、2枚のダイアフラム71,72の中央部の板圧方向の変形が、第1支持部83及び第2支持部93よりも径方向内側の空間の気圧によって阻害されることなく、パルセーションダンパ70は圧力脈動減衰性能を維持することができる。
これにより、部品の種類を少なくし、製造コストを低減することができる。
本発明の第2実施形態を図6から図8に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態の構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、第1内接部材80は、第1弾性部81に1個の第1凹部85を有し、第2弾性部82に1個の第1凸部84を有する。また、第2内接部材90は、第3弾性部91に1個の第2凸部94を有し、第4弾性部92に1個の第2凹部95を有する。第1凹部85と第2凸部94とは対応する形状であり、第1凸部84と第2凹部95とは対応する形状である。
第1凸部84及び第2凸部94は、パルセーションダンパ70の軸方向から見て半円状であり、その円の中心がパルセーションダンパ70の中心とほぼ一致している。
仮想平面αから第1凸部84が第2内接部材側へ延びる距離をL1とし、仮想平面αから第2凸部94が第1内接部材側へ延びる距離をL2とする。L1及びL2が大きい程、第1内接部材80の第1凸部84と第2内接部材90の第2凸部94の剛性が低くなる。したがって、L1及びL2の設定により、第1−第4弾性部81,82,91,92の撓み易さを調整することが可能である。
また、第1内接部材80と第2内接部材90は、一体に組み合わせることで、パルセーションダンパ70の密閉空間内への組付けを容易に行うことが可能になる。
第2実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の第3実施形態を図9から図11に示す。第3実施形態では、パルセーションダンパ70は、第1内接部材110、第2内接部材120及び第3内接部材130を備える。
第1−第3内接部材110,120,130は、パルセーションダンパ70の軸方向から見て扇状である。第1−第3内接部材110,120,130は、パルセーションダンパ70の中心を境に、周方向の端面同士が当接して組み合わされ、密閉空間73に設けられる。
第1弾性部111と第3弾性部121と第5弾性部131は、第1ダイアフラム71の内壁に当接する。第2弾性部112と第4弾性部122と第6弾性部132は、第2ダイアフラム72の内壁に当接する。
また、第1−第3内接部材110,120,130は、径方向に通じる通路114,124,134を有する。
本発明の第4実施形態を図12から図15に示す。第4実施形態では、第1内接部材80は、第1凸部84及び第1凹部85を有していない。第2内接部材90も、第2凸部94及び第2凹部95を有していない。
その代り、第1内接部材80は、第1支持部83から径方向内側に延び、第1弾性部81と第2弾性部82とを支持する第1リブ89を有する。また、第2内接部材90は、第2支持部93から径方向内側に延び、第3弾性部91と第4弾性部92とを支持する第2リブ99を有する。
上述した実施形態では、パルセーションダンパのダンパ部を平面状とした。これに対し、他の実施形態では、パルセーションダンパのダンパ部は、波形状などとしてもよい。
上述した実施形態では、第1内接部材と第2内接部材を同一の形状および同一の材料から構成した。これに対し、他の実施形態では、第1内接部材と第2内接部材とは、異なる形状および異なる材料から構成してもよい。
上述した第1、第3、第4実施形態では、全ての内接部材が通路を有するものとした。これに対し、他の実施形態では、1個の内接部材が通路を有するものとしてもよく、或いは、通路を廃止してもよい。
上述した第1、第2、第4実施形態では2個の内接部材を組み合わせ、第4実施形態では3個の内接部材を組み合わせた。これに対し、他の実施形態では、パルセーションダンパの径方向及び/又は周方向に4個以上の内接部材を組み合わせてもよい。
本発明は、上記複数の実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
80,110・・・第1内接部材
81,111・・・第1弾性部
82,112・・・第2弾性部
83,113・・・第1支持部
90,120・・・第2内接部材
91,121・・・第3弾性部
92,122・・・第4弾性部
93,123・・・第2支持部
Claims (8)
- 燃料室(61)を流れる燃料の圧力脈動を低減するパルセーションダンパ(70)であって、
前記燃料室の燃料の圧力脈動により弾性変形可能な第1ダイアフラム(71)と、
所定圧のガスが封入された密閉空間(73)を前記第1ダイアフラムと共に形成し、前記燃料室の燃料の圧力脈動により弾性変形可能な第2ダイアフラム(72)と、
前記第1ダイアフラムの内壁に当接する第1弾性部(81,111)、前記第2ダイアフラムの内壁に当接する第2弾性部(82,112)、及び、前記第1弾性部の外周部と前記第2弾性部の外周部とを支持する第1支持部(83,113)を有し、前記密閉空間に設けられる第1内接部材(80,110)と、
前記第1ダイアフラムの内壁に当接する第3弾性部(91,121)、前記第2ダイアフラムの内壁に当接する第4弾性部(92,122)、及び、前記第3弾性部の外周部と前記第4弾性部の外周部とを支持する第2支持部(93,123)を有し、前記パルセーションダンパの径方向に前記第1内接部材と組み合わされ、前記密閉空間に設けられる第2内接部材(90,120)と、を備えることを特徴とするパルセーションダンパ。 - 前記第1内接部材は、前記第2内接部材側へ延びる第1凸部(84)と、反第2内接部材側へ凹む第1凹部(85)とを有し、
前記第2内接部材は、前記第1内接部材側へ延びて前記第1凹部に組み合わされる第2凸部(94)と、反第1内接部材側へ凹み前記第1凸部に組み合わされる第2凹部(95)とを有することを特徴とする請求項1に記載のパルセーションダンパ。 - 前記第1ダイアフラムは、前記第2ダイアフラムの外縁に接合する環状の第1外縁部(711)、その第1外縁部から反第2ダイアフラム側に延びる第1曲面部(712)、及びその第1曲面部の径方向内側に設けられた第1ダンパ部(713)を有し、
前記第2ダイアフラムは、前記第1ダイアフラムの外縁に接合する環状の第2外縁部(721)、その第2外縁部から反第1ダイアフラム側に延びる第2曲面部(722)、及びその第2曲面部の径方向内側に設けられた第2ダンパ部(723)を有し、
前記第1弾性部と前記第3弾性部は、前記第1ダンパ部と前記第1曲面部との接続箇所の近傍から前記第1ダンパ部の略全域に当接し、
前記第2弾性部と前記第4弾性部は、前記第2ダンパ部と前記第2曲面部との接続箇所の近傍から前記第2ダンパ部の略全域に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のパルセーションダンパ。 - 前記第1支持部および前記第2支持部の少なくともいずれか一方は、径方向に通じる通路(86,96,114,124)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパルセーションダンパ。
- 前記第1内接部材と前記第2内接部材とは、同一形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のパルセーションダンパ。
- 前記第1ダイアフラムの内壁に当接する第5弾性部(131)、前記第2ダイアフラムの内壁に当接する第6弾性部(132)、及び、前記第5弾性部の外周部と前記第6弾性部の外周部とを支持する第3支持部(133)を有し、前記パルセーションダンパの周方向に第1内接部材(110)及び第2内接部材(120)と当接して前記密閉空間に設けられる第3内接部材(130)を備え、
前記第1内接部材と前記第2内接部材と前記第3内接部材とは、前記パルセーションダンパの中心を境に組み合わされることを特徴とする請求項1に記載のパルセーションダンパ。 - 前記第1内接部材は、前記第1支持部から径方向内側に延び、前記第1弾性部と前記第2弾性部とを支持する第1リブ(89)を有し、
前記第2内接部材は、前記第2支持部から径方向内側に延び、前記第3弾性部と前記第4弾性部とを支持する第2リブ(99)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のパルセーションダンパ。 - プランジャ(11)と、
前記プランジャの往復移動によって燃料が加圧されるポンプ室(17)、及びこのポンプ室と連通する燃料室を有するポンプボディ(10,12,13,60)と、
前記ポンプ室から前記燃料室に排出される燃料の圧力脈動を低減可能な請求項1に記載のパルセーションダンパと、を備えることを特徴とする高圧ポンプ(1)。
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