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JP5757407B2 - カットコア - Google Patents

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JP5757407B2 JP2011096960A JP2011096960A JP5757407B2 JP 5757407 B2 JP5757407 B2 JP 5757407B2 JP 2011096960 A JP2011096960 A JP 2011096960A JP 2011096960 A JP2011096960 A JP 2011096960A JP 5757407 B2 JP5757407 B2 JP 5757407B2
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Description

本発明は、各種トランス、リアクトル・チョークコイル等に用いられるカットコアに関する。
従来から、リアクトルやトランス等に用いられる磁心として、巻磁心を切断してU型、C型、E型等の形状となしたカットコアが用いられている。カットコアを用いる場合、ボビン等に導線を巻回して構成したコイルにカットコアを挿入することでリアクトル等を作製することができるため、巻き線工程の簡略化や自動化が容易である。一般的に、カットコアは、ケイ素鋼板やアモルファス合金などの金属薄帯を巻回し、巻回された金属薄帯を樹脂に含浸した後、切断して得られる。
切断後のコアの切断面の角は鋭利であるとともに、切断によるバリが生じている場合もある。そのため、リアクトル等を組み立てる際に、カットコアをコイルに挿入しにくい、コイルをカットコアのエッジで損傷する等の問題があった。そのため、かかるエッジ部分を削る方法に加えて、特許文献1では角をスポット溶接によって溶融させる方法が提案されている。
実公昭50−23046号
金属薄帯を巻回し、樹脂含浸を経て得られるカットコアでは、磁性体として薄帯を用い、樹脂を介して薄帯を積層することによって渦電流損失の低減を図っている。そのため、特許文献1のように薄帯同士を溶接してしまうと、薄帯間で導通してしまい、渦電流損失低減の効果を減殺してしまう。また、エッジ部分を研磨によって面取りする場合にも、研磨方向に各薄帯からのバリが生じて薄帯間の導通を引き起こす恐れがあった。
そこで本発明では、切断面の縁に面取りを設けたカットコアにおいて、薄帯間の導通抑制に有効な構成を提供することを目的とする。
本発明は、巻回された金属薄帯を切断してなるカットコアであって、矩形をなす切断面の四辺のうち、少なくとも、前記金属薄帯の積層方向に垂直な一辺に面取り部を有し、前記面取り部の形成によってカットコアから除去されている部分は、前記切断面に垂直な方向の寸法が前記積層方向の寸法よりも大きく、前記面取り部を形成する研磨の研磨痕の方向が前記金属薄帯の積層方向に垂直な方向であることを特徴とする。かかる構成は、面取り部に露出している金属薄帯間の間隔をよりいっそう大きなものとし、金属薄帯間の導通抑制に寄与する。また、面取りのための研磨によってバリが生じて薄帯間が導通することを防ぐことができる。
また、前記カットコアにおいて、前記面取り部を、前記切断面の四辺のうち、前記積層方向に垂直な辺のみに有することが好ましい。
本発明によれば、切断面の縁に面取りを設けたカットコアにおいて、金属薄帯間の導通抑制に有効な構成を提供することができる。
本発明のカットコアの一実施形態を示す斜視図である。 本発明のカットコアの一実施形態の(a)切断面側から見た平面図および(b)側面図である。 本発明のカットコアに係る面取り部を拡大した側面図である。 本発明のカットコアの他の実施形態の切断面側から見た平面図である。 本発明に係る実施例のカットコアの面取りした部分を示す写真である。
以下、本発明に係るカットコアの実施形態について図を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施形態において説明する構成は、他の実施形態の趣旨を損なわない限りにおいて他の実施形態においても適用することが可能であり、その場合、重複する説明は適宜省略する。
カットコアの製造には従来からの製造方法を適用すればよい。その例を以下に示す。まず円形状、矩形状等の巻芯に、金属薄帯を所定の形状まで巻回した後、熱処理を行う。金属薄帯としては、アモルファス合金薄帯・ナノ結晶合金用急冷薄帯などの急冷薄帯、ケイ素鋼板などを用いる。このうち、アモルファス合金薄帯などの急冷薄帯は、薄い薄帯を得やすいとともに低損失であるために特に好ましい。熱処理後のコアは熱硬化樹脂を用いた樹脂含浸に供され、樹脂硬化後、切断されU型、C型、E型等の形状のカットコアを得る。切断後のコアの切断面は機械的研磨、化学的研磨のうちどちらか一つ、もしくは両者を併用して行う。切断面の面取りは前記切断後または前記切断面の研磨後のいずれでも良く、切断後がより好ましい。
図1には本発明に係るカットコアの第1の実施形態を示す。図1に示すカットコア1は、巻回された金属薄帯を切断したものである。具体的には、巻回軸方向から見て略矩形状になるように金属薄帯を巻回したコアを、長手方向に二分割したものである。図2には、その切断面2側から見た平面図(a)および側面図(b)を示す。側面図(b)に示された面は、巻回、積層された各金属薄帯のエッジが露出しているカットコアの側面である。図2(a)に示すx方向が金属薄帯の積層方向(薄帯の主面の法線方向)であり、y方向が金属薄帯の幅方向である。二つの切断面2は矩形をなし、それぞれ矩形の四辺のうち薄帯の積層方向xに垂直な二辺(x方向に対向する二辺)に面取り部3を有する。図1、2に示す実施形態では面取り部3は一つの辺全体にわたって形成されている。
図3には、図2の点線部分の面取り部3を拡大した側面図を示してある。図3の図の上下方向の黒線は樹脂を示し、黒線で示された樹脂の間が金属薄帯である。カットコアの切断面の角が側面から見て三角形状に除去されて面取り部3が形成されている。面取りには、切断時のバリの除去とフリンジング磁束によって生じる損失を緩和する目的がある。フリンジング磁束とは、カットコアでギャップを空けた時に薄帯側面を通過する磁束である。この損失低減のためには、表面がフリンジング磁束に直交するような形で磁性体を形成することが最も望ましい。ここで、面取り部3の形成によってカットコアから除去されている部分(以下、除去部ともいう)の、切断面に垂直な方向(z方向)の寸法hが、該除去部の金属薄帯の積層方向(x方向)の寸法wよりも大きくなっている。かかる構成は、面取り部3の面と薄帯面とがなす角度α(鋭角)が45度よりも小さいことを意味する。フリンジングロスを緩和する観点からは面取り部は45度の角度で設けることが好ましいとも考えられるが、45度よりも小さい角度でもある程度のロス低減の効果を得ることはできる。また、金属薄帯を巻回、積層したカットコアの場合、金属薄帯間には樹脂を介在させており、かかる樹脂による絶縁も十分に確保する必要がある。一般に面取りは研磨によって形成されるため、該研磨によって金属薄帯間が導通する危険が高まる。面取りのように薄帯の積層方向に対して斜めに研磨する場合、面取り部を設ける角度を45度よりも小さくすることによって、樹脂を介して面取り部に露出している金属薄帯間の間隔をよりいっそう大きなものとし、金属薄帯間の導通抑制に寄与する効果も得られる。
除去部の、切断面に垂直な方向(z方向)の寸法h、金属薄帯の積層方向(x方向)の寸法wは、切断面とそれに垂直な面とを除去部上に仮想延長して求めればよい。面取り部3の面と薄帯面とがなす角度(鋭角)が30度以下であれば、面取り部では、積層方向の樹脂厚の2倍以上を確保できるため、より好ましい。また、除去部の金属薄帯の積層方向(x方向)の寸法wはこれを限定するものではないが、必要以上に大きくすると、カットコア同士を一定のギャップを介して付き合わせる面の割合が減ってしまうので、寸法wは切断面のx方向の寸法の5%以下になるようにすることがより好ましい。また、必要以上の面取りを設けることは、面取り工程のコスト増につながるので、除去部の金属薄帯の積層方向(x方向)の寸法wは、例えば0.5mm以下にするとよい。
次に、図4には本発明に係るカットコアの第2の実施形態を示す。図4には、その切断面4側から見た平面図を示す。図1および図2に示すカットコア1とは、面取り部に係る構成が異なる。その他の構成に関しては図1および図2に示す実施形態と同様であるので、説明を省略する。図4に示す実施形態では、矩形の切断面の四辺の全てに面取り部5を有する点で図1および図2に示す実施形態と異なる。切断面の四辺全てに面取り部を設けることで、リアクトル等を組み立てる際に、コイルをカットコアのエッジで損傷する等のリスクがより低減される。
面取り部は図1、図2および図4に示す実施形態以外に、切断面の四辺のうち薄帯の積層方向xに垂直な一辺に設けても良い。矩形をなす切断面の四辺のうち、少なくとも、前記金属薄帯の積層方向に垂直な一辺に面取り部を有していれば、組み立て方法を選択することによって、コイルをカットコアのエッジで損傷する等のリスク低減を図ることができる。この場合、一つのカットコアに形成される複数の切断面に設ける面取り部は、金属薄帯の積層方向(x方向)の同じ一方側に配置するとよい。また、面取りを設ける工程の簡略化等の観点からは、図1および図2に示す実施形態のように、面取り部を、切断面の四辺のうち、積層方向(x方向)に垂直な辺のみに有することが好ましい。
上述のように面取り部を形成する場合、その研磨の方向が薄帯の積層方向に垂直な方向、すなわち薄帯の幅方向であることが好ましい。面取り部を形成する研磨の研磨痕の方向をかかる方向にすることで、研磨によってバリが生じて薄帯間が導通することを防ぐことができるからである。また、面取り部はカットコア同士を付き合わせる平行面を形成しないので、面取り部の表面粗さを切断面の表面粗さよりも大きくしてもよい。また、切断面に比べて、面取り部の方が表面に露出している部分の樹脂厚が大きくなるので、粗めの砥粒・砥石を用いて研磨しても薄帯間の導通の危険性が少ない。切断面の研磨を粗い砥粒・砥石で行うことで、研磨工程の短縮化に寄与する。
上述の実施形態1と同様のカットコアを作製した。使用した金属薄帯はFe基アモルファス合金薄帯であり、薄帯の厚さは25μmであった。巻回軸方向から見て略矩形状になるように金属薄帯を巻回してコアを得た後、熱処理を行った。熱処理後のコアに対して、熱硬化性樹脂を用いて真空中にて樹脂含浸を行い、樹脂硬化した後、長手方向に二分割してU字状のコアを得た。図2(b)で示す寸法d1が41mm、d2が41mm、切断面の寸法のうち薄帯積層方向の寸法が13mm、それに垂直な方向の寸法が30mmであった。分割後、切断面の四辺のうち、積層方向に垂直な辺を砥石で研磨し、面取り部を形成した。面取り部の金属薄帯の積層方向(x方向)の寸法wは、切断面のx方向の寸法の2.5%以下になるようにした。面取りした状態を側面方向から見た写真を図5に示す。図5では除去部の積層方向(x方向)の寸法wは0.30mm、切断面に垂直な方向(z方向)の寸法hは0.95mmであり、面取り部の面と薄帯面とがなす角度は17.5度であった。かかる構成は、面取り部に露出する樹脂部分の厚さが、積層方向の樹脂部分の厚さの3倍以上になり、面取り部における金属薄帯間の導通抑制に特に有効である。
1:カットコア 2、4:切断面 3、5:面取り部

Claims (2)

  1. 巻回された金属薄帯を切断してなるカットコアであって、
    矩形をなす切断面の四辺のうち、少なくとも、前記金属薄帯の積層方向に垂直な一辺に面取り部を有し、
    前記面取り部の形成によってカットコアから除去されている部分は、前記切断面に垂直な方向の寸法が前記積層方向の寸法よりも大きく、
    前記面取り部を形成する研磨の研磨痕の方向が前記積層方向に垂直な方向であることを特徴とするカットコア。
  2. 前記面取り部を、前記切断面の四辺のうち、前記積層方向に垂直な辺のみに有することを特徴とする請求項1に記載のカットコア。
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