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JP5755601B2 - パワーモジュールおよびその製造方法 - Google Patents

パワーモジュールおよびその製造方法 Download PDF

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JP5755601B2 JP2012130175A JP2012130175A JP5755601B2 JP 5755601 B2 JP5755601 B2 JP 5755601B2 JP 2012130175 A JP2012130175 A JP 2012130175A JP 2012130175 A JP2012130175 A JP 2012130175A JP 5755601 B2 JP5755601 B2 JP 5755601B2
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Description

本発明は、半導体素子の温度を検出するサーミスタを有するパワーモジュールおよびその製造方法に関する。より詳細には、サーミスタのリードを超音波接合により接続する技術に関するものである。
従来のパワーモジュールは、半導体素子の温度をサーミスタで検出し、半導体素子が異常に過熱したときに、パワーモジュールの動作を停止させたり、半導体素子に流れる電流を抑制したりして、パワーモジュールの故障を防止している。
このサーミスタは、主にはんだで搭載される。近年、環境負荷の低減から鉛フリーのはんだが使用され始めている。この鉛フリーのはんだは、鉛入りはんだに比べて濡れ性が劣るため、水素雰囲気でのはんだ付けを行うようになってきた。
一方、サーミスタは、温度検出素子を挟むように電極が形成されており、素子部の保護のためにガラスで覆われている。電極は、主材質として主に鉄ニッケル合金が使用され、その表面に銅メッキが施されており、ガラスと電極の密着に酸化銅が形成されている。水素雰囲気でのはんだ付けは、サーミスタの酸化銅を還元することになり、ガラスと電極や素子の密着が弱まり、温度を計測する機能が劣化もしくは測定不能になってしまう。
サーミスタの機能低下を防止する技術として、例えば特開2011−86821号公報(特許文献1)がある。この公報には、半導体素子は水素雰囲気中ではんだ工程を行い、サーミスタの接続には銀ペーストを用いて防止する技術が記載されている。
また、はんだや銀ペーストを用いずに電子部品を基板に接続する方法として、超音波接合技術がある。基板とリードを超音波ツールにより振幅と荷重を与えることで表面にある酸化物を除去し、新生面同士を接合させる。一方、サーミスタは、電極タイプの他にリードタイプもある。
リードタイプの電子部品を超音波接合により接続させる技術として、例えば特開2011−258732号公報(特許文献2)がある。この公報には、リードの超音波ツールと接触する面に平面部を設け、その平面部の面積をリードと基板が接触する面積より大きくすることにより、リードの位置ずれや回転を抑制するとともに初期のエネルギーを集中し易くし、より少ないエネルギーで接続させる構造が記載されている。
特開2011−86821号公報 特開2011−258732号公報
しかし、上記特許文献1の方法では、銀ペーストを用いるために新たに塗布工程や硬化工程などが必要であり、また銀ペーストの硬化時間が長いためにトータルの製造時間が長くなってしまうという問題がある。
また、上記特許文献2の方法では、リードの超音波ツールと接触する面をプレス加工や切削などにより平面に加工するため、サーミスタのリードには不向きである。すなわち、サーミスタのリードは、鉄ニッケル合金という硬めの金属の周りに銅メッキという柔らかい金属がコーティングされている構造になっているので、銅メッキがつぶれてしまうという問題がある。
そこで、本発明の代表的な目的は、上記記載した従来技術の欠点を解消し、基板とサーミスタのリードとを、超音波接合を用いて良好に接合が可能なパワーモジュールおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的なパワーモジュールは、以下の特徴を有するものである。前記パワーモジュールは、絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された配線パターンと、前記配線パターン上に搭載された半導体素子と、前記配線パターン上に形成された凹部と、前記凹部にリードが搭載されて超音波接合により接合され、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを有することを特徴とする。
また、代表的なパワーモジュールの製造方法は、絶縁基板上に形成された配線パターン上に、半導体素子と、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを搭載するパワーモジュールの製造方法であって、以下の特徴を有するものである。前記パワーモジュールの製造方法は、前記絶縁基板上に形成された前記配線パターン上に凹部を形成し、前記配線パターン上の前記凹部に前記リード付サーミスタのリードを搭載し、前記凹部に搭載された前記リード付サーミスタの前記リードに超音波ツールにより押圧と振幅を伝えて、前記凹部に前記リードを超音波接合により接合することを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的な効果は、サーミスタのリードが凹部に搭載されるため、搭載が容易で初期接合時に発生する位置ずれを防止し、かつ接合初期の面積を小さくできるので、パワーが集中し易くなり、より小さいエネルギーで基板とサーミスタのリードとを接続することができる。
本発明の実施の形態1であるパワーモジュールのリード付サーミスタが搭載されている付近の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1であるパワーモジュールに用いたリード付サーミスタの一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1であるパワーモジュールの全体の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1であるパワーモジュールを分解した各部材の一例を示す展開図である。 (a)〜(c)は本発明の実施の形態1であるパワーモジュールのリード付サーミスタの接続方法の一例を説明する図である。 (d),(e)は図5に続く、リード付サーミスタの接続方法の一例を説明する図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態1であるパワーモジュールのリード付サーミスタを接続したときのリードの断面SEM像の一例を説明する図である。 図7に対する比較例として、従来技術のパワーモジュールのリード付サーミスタを接続したときのリードの断面SEM像の一例を説明する図である。 本発明の実施の形態2であるパワーモジュールのリード付サーミスタのリード形状の構造の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3であるパワーモジュールのリード付サーミスタのリード形状の構造の一例を示す斜視図である。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数の実施の形態またはセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態のパワーモジュールは、以下の特徴を有するものである(一例として、()内に対応する構成要素、符号、図面などを付記)。前記パワーモジュールは、絶縁基板(1)と、前記絶縁基板上に形成された配線パターン(2a,2b,2c)と、前記配線パターン(2a)上に搭載された半導体素子(4)と、前記配線パターン(2b,2c)上に形成された凹部(10b,10c)と、前記凹部にリードが搭載されて超音波接合により接合され、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタ(5)とを有することを特徴とする。
また、本発明の実施の形態のパワーモジュールの製造方法は、絶縁基板上に形成された配線パターン上に、半導体素子と、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを搭載するパワーモジュールの製造方法であって、以下の特徴を有するものである(一例として、()内に対応する構成要素、符号、図面などを付記)。前記パワーモジュールの製造方法は、前記絶縁基板上に形成された前記配線パターン上に凹部を形成し(図5(a))、前記配線パターン上の前記凹部に前記リード付サーミスタのリードを搭載し(図5(b))、前記凹部に搭載された前記リード付サーミスタの前記リードに超音波ツールにより押圧と振幅を伝えて(図5(c),図6(d))、前記凹部に前記リードを超音波接合により接合する(図6(e))ことを特徴とする。
以上説明した本発明の実施の形態の概要に基づいた各実施の形態を、以下において図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
実施の形態1のパワーモジュールおよびその製造方法を、図1〜図8を用いて説明する。
<パワーモジュールのリード付サーミスタが搭載されている付近>
図1を用いて、本実施の形態のパワーモジュールのリード付サーミスタが搭載されている付近について説明する。図1は、このパワーモジュールのリード付サーミスタが搭載されている付近の一例を示す斜視図である。
図1において、絶縁基板1には、複数の配線パターン2(2a,2b,2c)が形成されている。配線パターン2a上には、はんだ3を介して半導体素子4が搭載されている。この半導体素子4は、例えばIGBTの半導体チップなどである。また、配線パターン2b,2c上には、リード付サーミスタ5が超音波接合により搭載されている。
リード付サーミスタ5は、半導体素子4の温度を検出し、半導体素子4が異常に過熱したとき、パワーモジュールの動作を停止させたり、半導体素子4に流れる電流を抑制したりして、パワーモジュールの故障を防止するために用いられている。
リード付サーミスタ5のリード6には、超音波接合時に超音波ツールで押圧された圧痕7が形成されている。
絶縁基板1の材質は、例えば主にSiNやAlNなどである。また、配線パターンの材質は、例えば主に銅やアルミニウムなどである。
絶縁基板1上の配線パターン2b,2cには、リード付サーミスタ5で検出した温度をパワーモジュールの外部に伝えるための信号ピンとワイヤボンディング(図示せず)により接続するボンディングエリア8が設けられている。
<リード付サーミスタ>
図2を用いて、図1に示したパワーモジュールに用いたリード付サーミスタ5について説明する。図2は、このリード付サーミスタ5の一例を示す斜視図である。
図2において、リード付サーミスタ5は、2本のリード6と、内部の温度検出素子(図示せず)および2本のリード6の接続部を保護するためのガラス9から構成されている。このリード付サーミスタ5のリード6の主材質は、例えば一般的に鉄ニッケル合金が用いられており、その周りに銅メッキが施されている。そして、リード6とガラス9の接着層として、例えば酸化銅が用いられる。
<パワーモジュールの全体>
図3を用いて、本実施の形態のパワーモジュールの全体について説明する。図3は、このパワーモジュールの全体の一例を示す斜視図である。
図3において、20はパワーモジュールのベースであり、放熱性の観点から、例えば主に熱伝導性の良いアルミニウムや銅や銅合金などで作られる。21はパワーモジュールのケースであり、形状の複雑さから、例えば主にプラスチックが主流である。ベース20とケース21は、例えばねじや接着剤などで固定されている。
パワーモジュールのベース20上には、図1に示した絶縁基板1が搭載され、その絶縁基板1の上部に外部接続用リード23が配置され、絶縁基板1と外部接続用リード23は、例えばはんだや超音波接合などにより接続されている。
パワーモジュールのケース21には、外部端子(図示せず)と接続する際に使用するねじ穴24が設けられており、信号ピン25も設置されている。信号ピン25は、図1に示した絶縁基板1上に形成された配線パターン2と、例えば主にアルミニウムなどのワイヤを用いて接続される。
<パワーモジュールを分解した各部材>
図4を用いて、図3に示したパワーモジュールを分解した各部材について説明する。図4は、このパワーモジュールを分解した各部材の一例を示す展開図である。
図4において、パワーモジュールのケース21に取り付けられる外部接続用リード23は、外部接続用リード23a,23b,23cの3本から構成されており、外部接続用リード23aと23bとの間、外部接続用リード23bと23cとの間にはそれぞれ、絶縁部材26a,26bが設置されている。絶縁部材26a,26bは、耐圧の観点から外部接続用リード23a,23b,23cよりやや大きめに設計されており、材質は、例えば不織布やプラスチックなどが用いられる。
パワーモジュールのベース20に取り付けられる絶縁基板1上には、図1に示したように配線パターン2があり、その配線パターン2(2a)上には半導体素子4が複数搭載されている。また、図1に示したように、配線パターン2(2b,2c)上にはリード付サーミスタ5も搭載されている。
なお、図が煩雑になるので図中には記載していないが、通常、配線パターン2や半導体素子4、信号ピン25、リード付サーミスタ5などの電気的な接続には、多数のワイヤが用いられる。これらのワイヤは、例えば主に材質としてアルミニウムが用いられて、直径0.3〜0.5mmのものが使用される。
この図4の中で、丸で囲んで示したA部は、図1に示した場所であり、リード付サーミスタ5はこの部分に搭載される。
<リード付サーミスタの接続方法>
図5および図6を用いて、パワーモジュールの製造方法において、図2に示したリード付サーミスタ5を、図1に示したリード付サーミスタ5が搭載される場所に搭載する場合の、リード付サーミスタ5の接続方法について説明する。図5および図6は、このリード付サーミスタ5の接続方法の一例を説明する図である。接続方法は、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図6(d)、図6(e)の順で行われる。
まず、図5(a)に示すように、絶縁基板1の配線パターン2b,2c上に、リード付サーミスタ5を搭載するための凹部10b,10cを形成する。この際に、リード付サーミスタ5が接続される前に位置ずれを生じないように、凹部10b,10cの深さと幅を適正に設計する必要がある。この配線パターン2b,2cに凹部10b,10cを形成する方法には、例えば研削、ハーフエッチング、押し当てなどが用いられる。
そして、図5(b)に示すように、配線パターン2b,2c上の凹部10b,10cに、リード付サーミスタ5のリード6を搭載する。この際に、適正に設計された深さと幅を有する凹部10b,10cに、リード付サーミスタ5は位置ずれを生じることなく搭載することができる。
続いて、図5(c)に示すように、配線パターン2b,2c上の凹部10b,10cに搭載されたリード付サーミスタ5の一方のリード6に、超音波ツール11により押圧(荷重)と振幅を伝えて、凹部10cにリード6を超音波接合により接合する。この超音波ツール11は、荷重と振幅をリード6に伝えるために、先端が複数のピラミッド状になっている。
さらに、図6(d)に示すように、図5(c)と同様に、リード付サーミスタ5の他方のリード6に、超音波ツール11により押圧(荷重)と振幅を伝えて、凹部10bにリード6を超音波接合により接合する。リード付サーミスタ5のリード6には、超音波接合による接続が終了すると、超音波ツール11により圧痕7が形成される。
そして、図6(e)に示すように、配線パターン2b,2c上の凹部10b,10cにリード付サーミスタ5のリード6が接続され、これによって、リード付サーミスタ5の接続が完了した状態となる。このリード付サーミスタ5の接続が完了した状態では、超音波ツール11による圧痕7は、リード付サーミスタ5の両方のリード6に形成されている。
<リード付サーミスタを接続したときのリードの断面SEM像>
図7および図8を用いて、リード付サーミスタ5を接続したときのリード6の断面SEM像について説明する。図7は、図5および図6に示したリード付サーミスタ5の接続方法によりリード付サーミスタ5を接続したときのリード6の断面SEM像の一例を説明する図である。図8は、図7に対する比較例として、従来技術のパワーモジュールのリード付サーミスタ5を接続したときのリード6の断面SEM像の一例を説明する図である。
具体的には、図7において、(a)は配線パターン2b(2c)上の凹部10b(10c)に、リード付サーミスタ5のリード6を搭載する時の断面SEM像を示し、(b)は配線パターン2b(2c)上の凹部10b(10c)に、リード付サーミスタ5のリード6を超音波接合により接続した後の断面SEM像を示している。凹部10b(10c)の寸法は、0.5mm(幅)×0.2mm(深さ)の例である。
また、図8は、凹部がない配線パターン2b(2c)の平坦上に、リード付サーミスタ5のリード6を超音波接合により接続した後の断面SEM像を示している。
図7および図8の断面SEM像においては、配線パターン2b(2c)の材質は銅、リード6の主材質は鉄ニッケル合金、その周りに銅メッキが施されているものを使用した。
図8に示す従来技術の断面SEM像においては、リード付サーミスタ5のリード6の上部は超音波ツール11のピラミッド状の突起により変形され、リード6の下部は配線パターン2b(2c)にほぼ原型を留めた形で埋没して接続されている。これは、配線パターン2b(2c)の銅よりリード6の鉄ニッケル合金が硬いためである。
これに対して、図7(b)に示す本実施の形態の断面SEM像においては、リード付サーミスタ5のリード6が配線パターン2b(2c)の凹部10b(10c)に搭載されるため、搭載が容易で、初期接合時に発生する位置ずれを防止することができる。さらに、リード6と配線パターン2b(2c)との接合初期の面積を小さくすることができる。この結果、超音波ツール11によるパワーが集中し易くなり、従来技術に比べてより小さいエネルギーで接続することができる。
特に、リード付サーミスタ5のリード6は、中心が鉄ニッケル合金で硬く、周囲が銅メッキで柔らかく形成されているため、柔らかい周囲のみが変形し、硬い中心はほとんど変化しない。このため、リード6を、このリード6の周囲と同等に柔らかい銅の配線パターン2b(2c)の凹部10b(10c)に超音波接合する時にリード6の変形が生じ、小さいエネルギーで良好に接合することができる。
<実施の形態1の効果>
以上説明した本実施の形態のパワーモジュールおよびその製造方法によれば、パワーモジュールとして、絶縁基板1と、絶縁基板1上に形成された配線パターン2a,2b,2cと、配線パターン2a上に搭載された半導体素子4と、配線パターン2b,2c上に形成された凹部10b,10cと、凹部10b,10cにリードが搭載されて超音波接合により接合され、半導体素子4の温度を検出するためのリード付サーミスタ5とを有する。
そして、このパワーモジュールの製造方法として、絶縁基板1上に形成された配線パターン2b,2c上に凹部10b,10cを形成し、配線パターン2b,2c上の凹部10b,10cにリード付サーミスタ5のリード6を搭載し、凹部10b,10cに搭載されたリード付サーミスタ5のリード6に超音波ツール11により押圧と振幅を伝えて、凹部10b,10cにリード6を超音波接合により接合することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、効果として、リード付サーミスタ5のリード6が凹部10b,10cに搭載されるため、搭載が容易で初期接合時に発生する位置ずれを防止し、かつ接合初期の面積を小さくできるので、パワーが集中し易くなり、より小さいエネルギーで配線パターン2b,2cとリード6とを接続することができる。
特に、配線パターン2b,2cを構成している銅またはアルミニウムの硬度はリード付サーミスタ5のリード6を構成している鉄ニッケル合金の硬度より小さく(柔らかく)、このリード付サーミスタ5のリード6は、鉄ニッケル合金からなる中心部に比べて周囲が柔らかい銅メッキから形成されていることで、超音波接合時にリード6の変形が生じるため、小さいエネルギーで良好に接合することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2のパワーモジュールおよびその製造方法を、図9を用いて説明する。図9は、このパワーモジュールのリード付サーミスタのリード形状の構造の一例を示す斜視図である。
本実施の形態のパワーモジュールは、前記実施の形態1のパワーモジュールに対して、リード付サーミスタのリード形状が異なる。本実施の形態では、この異なる点を主に説明する。
図9において、リード付サーミスタ30は、2本のリード31と、内部の温度検出素子(図示せず)および2本のリード31の接続部を保護するためのガラス9から構成されている。特に、リード付サーミスタ30のリード31は、それぞれ2箇所をクランク状に曲げて形成されている。このように形成することにより、超音波接合時にガラス9とリード31との接合部に外力が加わりにくくなり、破壊しにくい構造にできる。
なお、このリード付サーミスタ30のリード31が搭載されて超音波接合される絶縁基板32上の配線パターン33b,33cは、リード付サーミスタ30のリード31の位置に合わせて形成されている。
以上説明した本実施の形態のパワーモジュールおよびその製造方法によれば、リード付サーミスタ30のリード31をクランク状に曲げて形成することで、前記実施の形態1に比べて、超音波接合時にリード付サーミスタ30が破壊しにくい構造にすることができる。
[実施の形態3]
実施の形態3のパワーモジュールおよびその製造方法を、図10を用いて説明する。図10は、このパワーモジュールのリード付サーミスタのリード形状の構造の一例を示す斜視図である。
本実施の形態のパワーモジュールは、前記実施の形態1および2のパワーモジュールに対して、さらにリード付サーミスタのリード形状が異なる。本実施の形態では、この異なる点を主に説明する。
図10において、リード付サーミスタ40は、2本のリード41と、内部の温度検出素子(図示せず)および2本のリード41の接続部を保護するためのガラス9から構成されている。特に、リード付サーミスタ40のリード41は、それぞれ2箇所を内側に曲げて対向するように形成されている。このように形成することにより、超音波接合時にガラス9とリード41との接合部に外力が加わりにくくなり、破壊しにくい構造にできる。また、リード付サーミスタ40を小型化することができる。
なお、このリード付サーミスタ40のリード41が搭載されて超音波接合される絶縁基板42上の配線パターン43b,43cは、リード付サーミスタ40のリード41の位置に合わせて形成されている。
以上説明した本実施の形態のパワーモジュールおよびその製造方法によれば、リード付サーミスタ40のリード41を内側に曲げて対向するように形成することで、前記実施の形態1に比べて、超音波接合時にリード付サーミスタ40が破壊しにくい構造にすることができる。また、前記実施の形態2に比べて、リード付サーミスタ40を小型化することができるので、リード付サーミスタ40の搭載面積が小さくてすみ、設計の自由度が向上し、さらにパワーモジュールの小型化も容易に実現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、半導体素子の温度を検出するリード付サーミスタを有するパワーモジュールおよびその製造方法に関し、特に、リード付サーミスタのリードを超音波接合により接続する技術に利用可能である。
1…絶縁基板
2,2a,2b,2c…配線パターン
3…はんだ
4…半導体素子
5…リード付サーミスタ
6…リード
7…圧痕
8…ボンディングエリア
9…ガラス
10b,10c…凹部
11…超音波ツール
20…ベース
21…ケース
23,23a,23b,23c…外部接続用リード
24…ねじ穴
25…信号ピン
26a,26b…絶縁部材
30…リード付サーミスタ
31…リード
32…絶縁基板
33b,33c…配線パターン
40…リード付サーミスタ
41…リード
42…絶縁基板
43b,43c…配線パターン

Claims (6)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に形成された配線パターンと、
    前記配線パターン上に搭載された半導体素子と、
    前記配線パターン上に形成された凹部と、
    前記凹部にリードが搭載されて超音波接合により接合され、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを有し、
    前記配線パターンを構成している主材質の硬度は、前記リード付サーミスタのリードを構成している主材質の硬度より小さく、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質からなる中心部に比べて、前記中心部の周囲が柔らかい材質から形成されており、
    前記リード付サーミスタのリードは、それぞれ2箇所をクランク状に曲げて形成されていることを特徴とするパワーモジュール。
  2. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に形成された配線パターンと、
    前記配線パターン上に搭載された半導体素子と、
    前記配線パターン上に形成された凹部と、
    前記凹部にリードが搭載されて超音波接合により接合され、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを有し、
    前記配線パターンを構成している主材質の硬度は、前記リード付サーミスタのリードを構成している主材質の硬度より小さく、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質からなる中心部に比べて、前記中心部の周囲が柔らかい材質から形成されており、
    前記リード付サーミスタのリードは、それぞれ2箇所を内側に曲げて対向するように形成されていることを特徴とするパワーモジュール。
  3. 請求項1または2記載のパワーモジュールにおいて、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質に鉄ニッケル合金が用いられ、前記鉄ニッケル合金の周囲に銅メッキが施されており、
    前記配線パターンは、前記主材質に銅またはアルミニウムが用いられることを特徴とするパワーモジュール。
  4. 絶縁基板上に形成された配線パターン上に、半導体素子と、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを搭載するパワーモジュールの製造方法であって、
    前記絶縁基板上に形成された前記配線パターン上に凹部を形成し、
    前記配線パターン上の前記凹部に前記リード付サーミスタのリードを搭載し、
    前記凹部に搭載された前記リード付サーミスタの前記リードに超音波ツールにより押圧と振幅を伝えて、前記凹部に前記リードを超音波接合により接合し、
    前記配線パターンを構成している主材質の硬度は、前記リード付サーミスタのリードを構成している主材質の硬度より小さく、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質からなる中心部に比べて、前記中心部の周囲が柔らかい材質から形成されており、
    前記リード付サーミスタのリードは、それぞれ2箇所をクランク状に曲げて形成されていることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。
  5. 絶縁基板上に形成された配線パターン上に、半導体素子と、前記半導体素子の温度を検出するためのリード付サーミスタとを搭載するパワーモジュールの製造方法であって、
    前記絶縁基板上に形成された前記配線パターン上に凹部を形成し、
    前記配線パターン上の前記凹部に前記リード付サーミスタのリードを搭載し、
    前記凹部に搭載された前記リード付サーミスタの前記リードに超音波ツールにより押圧と振幅を伝えて、前記凹部に前記リードを超音波接合により接合し、
    前記配線パターンを構成している主材質の硬度は、前記リード付サーミスタのリードを構成している主材質の硬度より小さく、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質からなる中心部に比べて、前記中心部の周囲が柔らかい材質から形成されており、
    前記リード付サーミスタのリードは、それぞれ2箇所を内側に曲げて対向するように形成されていることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。
  6. 請求項4または5記載のパワーモジュールの製造方法において、
    前記リード付サーミスタのリードは、前記主材質に鉄ニッケル合金が用いられ、前記鉄ニッケル合金の周囲に銅メッキが施されており、
    前記配線パターンは、前記主材質に銅またはアルミニウムが用いられることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。
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