JP5750856B2 - 固形医薬組成物及び医薬製剤 - Google Patents
固形医薬組成物及び医薬製剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5750856B2 JP5750856B2 JP2010224486A JP2010224486A JP5750856B2 JP 5750856 B2 JP5750856 B2 JP 5750856B2 JP 2010224486 A JP2010224486 A JP 2010224486A JP 2010224486 A JP2010224486 A JP 2010224486A JP 5750856 B2 JP5750856 B2 JP 5750856B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pharmaceutical composition
- solid pharmaceutical
- component
- ibuprofen
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
溶出性向上の手段として、界面活性剤との共溶融で溶解性を高める方法が提案されている(特許文献1:特表2003−508434号公報)。この技術においては、界面活性剤の融点が初期溶解性に関与し、低融点のものほど溶出性の向上効果が高い傾向にあることがわかっている。しかし、初期溶出性が良好であっても、経時での溶出性には課題があった。
請求項1:
(A)イブプロフェン、(B)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及び(C)二酸化ケイ素を含有し、(C)/{(A)+(B)}で表される、(A)及び(B)成分の合計量に対する(C)成分の含有質量比が0.15〜1であることを特徴とする固形医薬組成物。
請求項2:
(B)/(A)で表される、(A)成分に対する(B)成分の含有質量比が0.6〜2である請求項1記載の固形医薬組成物。
請求項3:
(C)/{(A)+(B)}で表される、(A)及び(B)成分の合計量に対する(C)成分の含有質量比が0.4〜1である請求項1又は2記載の固形医薬組成物。
請求項4:
(B)成分の配合量が、固形医薬組成物中10〜60質量%である請求項1乃至3のいずれか1項記載の固形医薬組成物。
請求項5:
(B)成分がポリオキシエチレンステアリン酸エステルである請求項1乃至4のいずれか1項記載の固形医薬組成物。
請求項6:
請求項1乃至5のいずれか1項記載の固形医薬組成物を配合してなり、粒状剤、錠剤、細粒剤又はカプセル剤である医薬製剤。
(A)イブプロフェン
イブプロフェンとしては、イブプロフェン(2−(4−isobutylphenyl)propionic acid)及びその塩類、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、メチルグルカミン、さらにはリジン等のアミノ酸との塩等が挙げられる。イブプロフェン又はその塩は解熱鎮痛薬として有効である。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。OCT医薬品とする場合、医薬品承認基準量に基づき、イブプロフェン1日服用量として200〜600mgが好ましく、390〜450mgが特に好ましい。また、固形医薬組成物中10〜60質量%含まれることが好ましく、より好ましくは15〜55質量%である。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルは、界面活性剤の1種でありイブプロフェンの溶解促進剤として配合する。界面活性剤のなかでもポリオキシエチレン脂肪酸エステルとイブプロフェンとを共溶融させることで、イブプロフェンの融点が低融点側にシフトし、初期溶出性を向上させることができると共に、後述する(C)二酸化ケイ素と組み合わせて用いることで経時での溶出性を向上させることができる。なお、イブプロフェンの融点のシフトはDSC等により確認することができる。
二酸化ケイ素は、イブプロフェンを経時安定的に高溶解状態に保つ補助をする。特に(B)成分のポリオキシエチレン脂肪酸エステルと二酸化ケイ素とを併用することで、これらをそれぞれ単独で配合しても達成することができないイブプロフェンの経時での溶出性を改善することができる。二酸化ケイ素としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、シリカ、ホワイトカーボン等の一般名称を有するものが挙げられる。
また、市販品を用いることもでき、富士シリシア化学社の「サイリシア」、「サイロスフェア」(いずれも商品名)等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
固形医薬組成物を、そのまま又は他の任意成分と混合し、粒状剤(顆粒剤、細粒剤、散剤)としたり、さらに必要に応じて打錠して錠剤、カプセル剤等の医薬製剤にすることができる。固形医薬組成物の含有量は、医薬製剤中30〜95質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましい。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
表1〜3の組成となるよう攪拌造粒装置内にて二酸化ケイ素を攪拌し、イブプロフェンとポリオキシエチレン(40)ステアリン酸エステルを85℃で20分間プロペラ羽根攪拌装置にて共溶融させた液を滴下、含浸させることにより顆粒を得た。必要に応じ整粒を行い、350μm以下の粉体で評価を行った。
[溶出性]
日局溶出試験法に基づき、下記方法に従って試験を実施した。試験開始後5分における溶出率を評価した。結果を表1〜3に示す。
[溶出試験の詳細な条件]
イブプロフェン130mg/900mLとなるように、各粉体を添加して試験を実施した。溶出試験液はpH4.5の酢酸ナトリウム緩衝液(水20Lに酢酸ナトリウム三水和物59.8gと酢酸33.2mLを加えて溶かしたもの)を用い、溶出試験器(DISSOLUTION TESTER 富山産業(株)製)にて試験した。初期及び40℃で1ヶ月保存後の粉体を評価した。
[溶出率:5分後の溶出率]
溶出率は、製剤中に含まれるイブプロフェンの量と溶液中に溶出したイブプロフェンの溶出量から、下記の式を用いて算出した。
溶出率(%)={溶出したイブプロフェンの量(mg)
/製剤中のイブプロフェンの量(mg)}×100
評価基準
◎:溶出試験後5分の溶出率70%以上
○:溶出試験後5分の溶出率50%以上70%未満
×:溶出試験後5分の溶出率50%未満
表4の組成となるよう攪拌造粒装置内にて二酸化ケイ素(又は結晶セルロース)を攪拌し、イブプロフェンとB成分(又はショ糖ステアリン酸エステル、POE硬化ヒマシ油)を85℃で20分間プロペラ羽根攪拌装置にて共溶融させた液を滴下、含浸させることにより顆粒を得た。必要に応じ整粒を行い、350μm以下の粉体で評価を行った。
得られた粉体を実施例1〜16と同様に評価した。結果を表4に示す。
下記成分を混合し、タブレッティングテスターにて打錠し、直径10mmの錠剤とした。
組成 配合量
実施例2の顆粒(固形医薬組成物) 286g
ブロムヘキシン塩酸塩 4g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
無水カフェイン 25g
アスコルビン酸 100g
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 16g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
二酸化ケイ素(サイリシア740) 10g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
乳糖 150g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスカルメロースナトリウム 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
下記成分を混合し、細粒剤とした。
組成 配合量
実施例3の顆粒(固形医薬組成物) 338g
ブロムヘキシン塩酸塩 4g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
アスコルビン酸 100g
ジヒドロコデインリン酸塩 8g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
二酸化ケイ素(サイリシア740) 30g
D−マンニトール 150g
香料 0.5g
下記成分を混合し、タブレッティングテスターにて打錠し、直径10mmの錠剤とした。
組成 配合量
実施例4の顆粒(固形医薬組成物) 390g
無水カフェイン 25g
結晶セルロース(セオラスPH302) 150g
D−マンニトール 150g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 30g
クロスポビドン(XL−10) 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
スクラロース 1.5g
香料 0.5g
下記成分を混合し、細粒剤とした。
組成 配合量
実施例2の顆粒(固形医薬組成物) 286g
無水カフェイン 25g
アリルイソプロピルアセチル尿素 60g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
乳糖 150g
下記成分を混合し、タブレッティングテスターにて打錠し、直径10mmの錠剤とした。
組成 配合量
実施例5の顆粒(固形医薬組成物) 454g
アンブロキソール塩酸塩 15g
クレマスチンフマル酸塩 0.45g
アスコルビン酸 100g
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 16g
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 20g
乾燥水酸化アルミニウムゲル 70g
結晶セルロース(セオラスKG801) 150g
クロスカルメロースナトリウム 20g
ステアリン酸マグネシウム 3g
香料 0.5g
Claims (6)
- (A)イブプロフェン、(B)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及び(C)二酸化ケイ素を含有し、(C)/{(A)+(B)}で表される、(A)及び(B)成分の合計量に対する(C)成分の含有質量比が0.15〜1であることを特徴とする固形医薬組成物。
- (B)/(A)で表される、(A)成分に対する(B)成分の含有質量比が0.6〜2である請求項1記載の固形医薬組成物。
- (C)/{(A)+(B)}で表される、(A)及び(B)成分の合計量に対する(C)成分の含有質量比が0.4〜1である請求項1又は2記載の固形医薬組成物。
- (B)成分の配合量が、固形医薬組成物中10〜60質量%である請求項1乃至3のいずれか1項記載の固形医薬組成物。
- (B)成分がポリオキシエチレンステアリン酸エステルである請求項1乃至4のいずれか1項記載の固形医薬組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の固形医薬組成物を配合してなり、粒状剤、錠剤、細粒剤又はカプセル剤である医薬製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010224486A JP5750856B2 (ja) | 2010-10-04 | 2010-10-04 | 固形医薬組成物及び医薬製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010224486A JP5750856B2 (ja) | 2010-10-04 | 2010-10-04 | 固形医薬組成物及び医薬製剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012077036A JP2012077036A (ja) | 2012-04-19 |
JP5750856B2 true JP5750856B2 (ja) | 2015-07-22 |
Family
ID=46237686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010224486A Active JP5750856B2 (ja) | 2010-10-04 | 2010-10-04 | 固形医薬組成物及び医薬製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5750856B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2263510T3 (es) * | 1999-12-09 | 2006-12-16 | Reckitt Benckiser Healthcare (Uk) Limited | Preparacion en comprimidos que comprende un antiinflamatorio no esteroideo (aine). |
DE10153934A1 (de) * | 2001-11-06 | 2003-05-22 | Basf Ag | Verfahren zur Kristallisation von Profenen |
JP2008509206A (ja) * | 2004-08-12 | 2008-03-27 | レキット ベンキーザー ヘルスケア (ユーケイ) リミテッド | 溶融押出しにより作製するnsaid及び糖アルコールを含む顆粒 |
KR20100096140A (ko) * | 2007-12-08 | 2010-09-01 | 바이엘 쉐링 파마 악티엔게젤샤프트 | 경구 분산성 정제 |
-
2010
- 2010-10-04 JP JP2010224486A patent/JP5750856B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012077036A (ja) | 2012-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009263298A (ja) | 不快な味を隠ぺいした経口組成物 | |
JP2013509403A (ja) | 速溶性固体剤形 | |
AU2014315110A1 (en) | Corticosteroid containing orally disintegrating tablet compositions for eosinophilic esophagitis | |
JP2007314529A (ja) | 造粒粒子、錠剤、及び造粒粒子の製造方法 | |
JPWO2007126063A1 (ja) | 造粒粒子、錠剤、及び造粒粒子の製造方法 | |
JP4640821B2 (ja) | 難水溶性薬物を含むドライシロップ剤 | |
JP5578171B2 (ja) | 複合体及びその製造方法、ならびに粒状剤及び錠剤 | |
JP5750856B2 (ja) | 固形医薬組成物及び医薬製剤 | |
JP5828280B2 (ja) | 錠剤及びその製造方法 | |
JP5793891B2 (ja) | 固形医薬組成物及び医薬製剤 | |
JP6304896B2 (ja) | 錠剤 | |
JP2013010725A (ja) | 内服用固形医薬組成物及びこれを配合してなる医薬製剤 | |
JP5817715B2 (ja) | 固形医薬組成物、医薬製剤及び固形医薬組成物の製造方法 | |
JP2014172855A (ja) | 口腔内速崩壊性錠剤 | |
JP6360795B2 (ja) | 経口製剤 | |
KR20140105553A (ko) | 난용성 물질의 수용해성 개선방법 | |
JP2021105058A (ja) | 固形製剤 | |
JP2022039618A (ja) | ポリビニルアルコール含有造粒物及び固形製剤 | |
JP6292788B2 (ja) | 錠剤及び錠剤の製造方法 | |
JP5434213B2 (ja) | イブプロフェン含有固形物及びその製造方法、ならびにイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤 | |
JP5879803B2 (ja) | 固形医薬組成物、その製造方法及び医薬製剤 | |
JP2020083884A (ja) | イブプロフェン含有経口用医薬製剤 | |
JP2011037767A (ja) | 薬物および噴霧乾燥粒子を含有する口腔内速崩壊錠 | |
JP2750130B2 (ja) | 経口投与用組成物 | |
JP2012184171A (ja) | 固形医薬組成物及び医薬製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140805 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141001 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150421 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150504 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5750856 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |