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JP5741997B2 - シート材搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

シート材搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 Download PDF

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JP5741997B2 JP2010250956A JP2010250956A JP5741997B2 JP 5741997 B2 JP5741997 B2 JP 5741997B2 JP 2010250956 A JP2010250956 A JP 2010250956A JP 2010250956 A JP2010250956 A JP 2010250956A JP 5741997 B2 JP5741997 B2 JP 5741997B2
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Description

本発明は、複数枚のシート材を積載するシート材積載部からシート材を一枚ずつ分離して搬送するシート材搬送装置、並びにこのシート材搬送装置を備えた画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、複数枚のシート材たる原稿を重ねて載置するシート材積載部としての原稿台から画像読取手段によって原稿画像を読み取る読取位置まで原稿を一枚ずつ搬送するシート材搬送装置としての原稿自動搬送装置を備えた原稿読取装置が知られている。この原稿読取装置は、呼び出し部材としてのピックアップローラにより、原稿台上に載置された複数枚の原稿束のうち最上位に位置する原稿に搬送力を付与し、給送部材たる給紙ローラと分離部材との当接部である分離ニップに向けて送り出す。ピックアップローラによって、分離ニップに搬送された原稿は、分離ニップで一枚に分離されて、読取位置へ搬送される。
従来の原稿自動搬送装置としては、分離ニップに対して搬送方向下流側に原稿の後端を検知する後端検知手段たる後端検知センサを備え、後端検知センサが分離ニップを通過した原稿(以下、前原稿という)の後端を検知したことをトリガとして次の原稿(以下、次原稿という)の搬送制御を開始する。上記後端検知センサとしては、反射型または透過型のフォトセンサによって原稿の紙面に光を当てて原稿の有無を検出することで原稿の後端が所定箇所を通過したことを検知している。
作業の効率化が求められている今日、原稿自動搬送装置における原稿の連続搬送時における生産性の向上の要望はますます強くなっている。原稿自動搬送装置において、生産性を高めるためには、連続して搬送される前原稿と次原稿との間隔(以下、紙間とよぶ)をできるだけ狭めることが求められる。
原稿の連続搬送時における生産性の向上を図るためには、できるだけ早いタイミングで前原稿の後端の通過を検知できるよう、後端検知センサは、分離ニップの近傍に配置するのが好ましい。しかしながら、次原稿の先端が分離ニップよりも搬送方向に下流に突出することがある。よって、後端検知センサを分離ニップの近傍に配置した場合、分離ニップよりも搬送方向に下流に突出した次原稿の先端が後端検知センサと対向してしまうおそれがある。その結果、後端検知センサで前原稿の後端を検知することができなくなり、後端検知センサを分離ニップに十分に近づけることはできない。
特許文献1や特許文献2には、原稿台上の原稿の束の上面に接触するコロ部材を配置し、コロ部材の速度変化を検出することによって前原稿の後端の通過を検知する構成が記載されている。かかる構成においては、原稿の搬送方向での移動の有無を検出することで前原稿の後端の通過を検知することができる。特許文献1や特許文献2においては、原稿の後端が分離ニップを抜ける前に原稿の後端を検知することができる。よって、原稿の後端を検知してから、所定時間経過すると後端が分離ニップを抜けるので、原稿の後端を検知してから、所定時間経過したら、次原稿を搬送することにより、連続搬送時の紙間を狭めることができる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の構成では、ピックアップローラよりもさらに上流側に原稿台上の原稿の上面に接触するコロ部材が張り出す形となる。このため、原稿台への原稿セット性が大きく損なわれ、操作性の低下に繋がるため実用的ではないという問題があった。
また、できるだけ早いタイミングで前原稿の後端が所定箇所を通過することを検知する要望は、原稿自動搬送装置に限るものではない。複数枚のシート材を収容するシート材収容部から一枚ずつ搬送目的位置まで搬送するシート材搬送装置であれば、できるだけ早いタイミングで前原稿の後端が所定箇所を通過することを検知し、生産性の向上を図ることが求められる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シート材積載部でのシート材のセット性を損なうことなく、従来よりも早いタイミングでシート材の後端が所定箇所を通過することを検知することができるシート材搬送装置、並びに、これを備えた画像読取装置、及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、駆動源からの駆動入力により回転駆動して、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材のうち最上位のシート材を給送する給送部材と、上記給送部材に当接して分離ニップを形成し、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材を一枚に分離する分離部材と、を備えたシート材搬送装置において、上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流側に配置された下流側搬送部材により上記シート材が搬送されてから、シート材の後端が分離ニップを抜けるまでの間に上記駆動源の駆動が切られるよう制御され、上記給送部材は、上記駆動源からの駆動が切れているとき、上記シート材と連れ回るよう構成されており、上記給送部材が回転しているか否かを検知する給送部材回転検知手段と、上記給送部材回転検知手段の検知結果に基づいて、シート材の後端を検知する後端検知手段とを備え、上記後端検知手段は、上記給送部材回転検知手段が上記給送部材の回転が停止したことを検知したら、シート材の後端が上記分離ニップを抜けたと検知することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、駆動源からの駆動入力により回転駆動して、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材のうち最上位のシート材を給送する給送部材と、上記給送部材に当接して分離ニップを形成し、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材を一枚に分離する分離部材と、を備えたシート材搬送装置において、上記給送部材は、上記駆動源からの駆動が切れているとき、上記シート材と連れ回るよう構成されており、上記給送部材が回転しているか否かを検知する給送部材回転検知手段と、上記給送部材回転検知手段の検知結果に基づいて、シート材の後端を検知する後端検知手段と、上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流側に配置され、シート材を搬送する下流側搬送部材が回転しているか否かを検知する下流側搬送部材回転検知手段とを備え、上記後端検知手段は、上記給送部材回転検知手段が上記給送部材の回転が停止したとき、上記下流側搬送部材回転検知手段が下流側搬送部材の回転を検知している場合、シート材の後端を検知したと判定し、上記下流側搬送部材回転検知手段は、上記下流側搬送部材を駆動する駆動源に入力される駆動信号に基づいて、上記下流側搬送部材の回転の有無を検知することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシート材搬送装置において、上記分離部材は、分離ニップにおいて上記給送部材の表面移動方向とは逆方向に表面移動する駆動が入力され、その表面が上記給送部材に直接、または、一枚のシート材を介して接触する状態では上記給送部材の表面移動に連れ回る重送阻止ローラであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、上記後端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送を開始することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されたシート束と対向配置され、上記シート材積載部に積載されたシート束の少なくとも最上位のシート材を呼び出して分離ニップへ向けて搬送する呼び出し部材と、上記呼び出し部材を上記シート材積載部に積載されたシート束に対して接離させる接離手段とを備え、上記呼び出し部材が、シート材積載部に積載されたシート束の少なくとも最上位のシート材を上記分離ニップへ搬送したら、上記接離手段で上記呼び出し部材を上記シート材積載部に積載されたシート束から離間するよう制御するものであって、上記後端検知手段の検知結果に基づいて、上記接離手段で上記呼び出し部材を、シート材積載部に積載されたシート束に当接させることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかのシート材搬送装置において、給送部材回転検知手段として、イメージセンサを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5いずれかのシート材搬送装置において、給送部材回転検知手段として、ロータリーエンコーダーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は請求項のシート材搬送装置において、上記下流側搬送部材回転検知手段は、上記分離ニップよりも下流側に配置された複数の下流側搬送部材のうちシート材搬送方向最上流に配置された下流側搬送部材の回転の有無を検知することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、上記原稿搬送手段として、請求項1乃至のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、画像読取手段と、該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、該画像読取手段として、請求項の画像読取装置を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、給送部材は、駆動源からの駆動が切れているときシート材と連れ回るので、シート材の後端が分離ニップを抜けるときに、給送部材への駆動入力が切れていれば、シート材の後端が分離ニップを抜けると、給送部材の回転が停止する。よって、給送部材回転検知手段で給送部材の回転状態を検知することにより、分離ニップでシート材の後端を検知することができる。
本発明によれば、分離ニップでシート材の後端を検知することができるため、シート材積載部でのシート材のセット性を損なうことなく、従来よりも早いタイミングでシート材の後端を検知することができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機における画像形成部の一部を拡大して示す部分構成図。 同画像形成部における4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図。 同複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図。 同ADFをスキャナの上部とともに示す概略構成図。 ADF全体の制御ブロック図。 固定画像読取部の制御部ブロック図。 従来例のADFにおける原稿セット部の搬送方向下流側端部近傍、分離搬送部及びレジスト部の拡大説明図。 ベルト回転検知機構の一例を示す概略構成図。 図9のA−A断面図。 ベルト回転検知機構の他の例を示す概略構成図。 給紙モータとプルアウトモータの制御タイミングの一例を示すシーケンス図。 原稿が分離ニップとプルアウトローラ対のニップとに挟まれた状態を示す図。 給紙モータとプルアウトモータの制御タイミングの一例を示すシーケンス図。 後端検知のフローチャート。
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機500という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機500の基本的な構成について説明する。
図1は、複写機500を示す概略構成図である。複写機500は、画像形成手段としての画像形成部1と、転写紙給紙装置40と、画像読取ユニット50とを備えている。画像読取装置としての画像読取ユニット50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持されるシート搬送装置としての原稿自動搬送装置(以下、ADFという)51とを有している。
転写紙給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの転写紙給紙カセット42、転写紙給紙カセット42から転写紙Pを送り出す転写紙送出ローラ43、送り出された転写紙Pを分離して転写紙給紙路44に供給する転写紙分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の搬送路としての本体側転写紙給紙路37に、シート状部材としての転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、転写紙給紙カセット42内の転写紙Pを画像形成部1内の本体側転写紙給紙路37内に給紙する。
画像形成部1は、光書込装置2や、黒,イエロー,マゼンタ,シアン(K,Y,M,C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、本体側転写紙給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分構成図である。また、図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体4とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、複写機500本体の画像形成部1に対して着脱可能になっている。一つのプロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。複写機500では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュ8、これら2本の搬送スクリュ8間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置から現像スリーブ12の回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ12上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ12表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、磁気ブラシを形成し、現像スリーブ12に担持され現像領域を通過した二成分現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。現像装置6としては、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュ20上に落下する。回収スクリュ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡された回収トナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4の表面を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。複写機500では、帯電装置5として帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いているが、感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと、中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、二次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。転写紙給紙装置40からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる転写紙Pは、その先端が不図示のレジストローラセンサに検知された所定時間後に転写紙Pの搬送が一時停止し、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、転写紙Pの姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。
転写紙Pの先願がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、転写紙Pを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、転写紙Pを二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25のおもて面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された転写紙Pは、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外の排紙トレイ501へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。これにより、両面プリントを行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの搬送経路が、切換爪によってスイッチバック装置36側に切り換えられ、そこで転写紙Pは反転されて再び二次転写転写ニップに進入する。そして、転写紙Pのもう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ501上に排紙される。
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150やこれの上に固定されたADF51からなる画像読取ユニット50は、後述する2つの固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第二コンタクトガラス155の直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス155上に載置された原稿MSの下面で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ150に固定された画像読取センサ153で受光する。
一方、画像読取ユニット50は固定読取部として、スキャナ150の内部に配設された第一固定読取部151と、ADF51内に配設された後述する第二固定読取部95とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第一固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第一コンタクトガラス154の直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス154上を通過する際に、光源から発した光を原稿MSの第一面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第一面を走査する。また、第二固定読取部95は、第一固定読取部151を通過した後の原稿MSの第二面を走査する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、シート材としての原稿MSを搬送するための原稿搬送部54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。
図4は、画像読取ユニット50の斜視説明図である。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第一コンタクトガラス154や第二コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第二コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第一固定読取部151やADF51内の第二固定読取部95に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、操作部108のコピースタートボタン158を押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に原稿搬送部54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第一固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第一面の画像がスキャナ150の第一固定読取部151によって読み取られる。
次に、ADF51について説明する。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。ADF51は、原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第一読取搬送部E、第二読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。本実施形態のADF51の原稿搬送部54は、分離搬送部Bの下流側の突き当てセンサ72センサによる検知位置から、読取入口ローラ対90までの原稿MSが搬送される経路を構成する部分である。
また、ADF51は、装置本体に対してカバー回動中心145aを中心に回動することで、分離搬送部B、レジスト部C及びターン部Dの途中まで給紙経路を開閉する給紙部カバー145を備える。
原稿セット部Aは、原稿MSの束が第一面が上方となるようにセットされる原稿載置台53等を有している。分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合し、整合した後の原稿MSを引き出し搬送するものである。ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させて、原稿MSの第一面を下方に向けるものである。第一読取搬送部Eは、第一コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第一コンタクトガラス154の下方からスキャナ150の内部に配設されている第一固定読取部151に原稿MSの第一面を読み取らせるものである。第二読取搬送部Fは、第二固定読取部95の下方に配置された第二読取ローラ96によって原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第二面を第二固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、読取完了後の原稿MSを原稿スタック台55の上に積載保持するものである。
図6は、ADF51全体の制御ブロック図である。ADF51の制御部は、原稿の搬送動作の駆動を行う駆動部である各モータ101〜105、113、114、各種センサ部、固定画像読取部300(第一固定読取部151または第二固定読取部95)、一連の動作を制御するコントローラ100等から構成されている。
図7は、固定画像読取部300の制御部ブロック図である。固定画像読取部300は、光源部200、センサチップ201、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206等から構成されている。
読取を行う原稿MSの束は、第一面が上向きとなるように載せられた状態で原稿載置台53上にセットされる。原稿載置台53は、原稿先端部を支持し原稿MSの束の厚みに応じて図1中矢印a,b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される。原稿MSが原稿載置台53にセットされたときに、原稿載置台53上において、その幅方向(原稿MSの搬送方向に直交する方向で、図1の紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における原稿MSの位置決めがなされる。
このようにして原稿載置台53にセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル53bの上方で揺動可能に配設されたレバー部材であるセットフィラー62を押し上げる。これに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ100に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ100からインターフェイス回路(以下、I/F107と呼ぶ)を介して画像読取ユニット50の本体制御部111に送信される。
また、固定原稿テーブル53aには、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサまたは原稿一枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の原稿長さセンサ(57、58a、58b)が配置されている。これらの原稿長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さの概略が判定される(少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置が必要)。
可動原稿テーブル53bの上方にはピックアップローラ80が配置されている。ピックアップローラ80は、分離部としての分離ニップを構成する給紙ベルト84及びリバースローラ85とともに給紙モータ102から駆動が伝達されることによって回転駆動する。
可動原稿テーブル53bは、底板上昇モータ105の駆動により、駆動するカム機構によって図5中矢印a,b方向に揺動する。原稿MSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62や原稿セットセンサ63で検知すると、コントローラ100は底板上昇モータ105を正転させて束状の原稿MSの最上面がピックアップローラ80と接触するように可動原稿テーブル53bを上昇させる。
ピックアップローラ80は、ピックアップ昇降モータ101によって駆動するカム機構により、図5中矢印c、d方向に移動可能となっている。可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿MSの上面により押されて図中矢印c方向に上がる。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、可動原稿テーブル53bの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップ昇降モータ101が停止するとともに底板上昇モータ105が停止する。
操作部108よりコピースタートボタン158が押下され、本体制御部111からI/F107を介してADF51の制御部であるコントローラ100に原稿給紙信号が送信される。これにより、給紙モータ102が駆動してピックアップローラ80が正転駆動し、原稿載置台53上の数枚(理想的には1枚)の原稿MSをピックアップする。ピックアップローラ80の回転方向は、最上位の原稿MSを給紙口48に搬送する方向である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給送部材たる給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ102の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図5中時計回り方向に無端移動せしめられる。
この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ102の正転によって図中時計回りに回転駆動される分離部材であり重送阻止ローラであるリバースローラ85が当接している。この当接部である分離ニップにおいては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ85の駆動伝達部には不図示のトルクリミッタがあり、給紙方向に向かう力がトルクリミッタのトルクよりも大きいとリバースローラ85は給紙方向に表面移動するように回転する。
リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している状態、または、原稿MSの1枚だけを介して給紙ベルト84に当接している状態(分離ニップに原稿MSが一枚だけ挟み込まれている状態)では、給紙ベルト84または原稿MSに連れ回り、図5中の反時計周り方向に回転する。但し、分離ニップに複数枚の原稿MSが挟み込まれたときには、連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されているため、リバースローラ85は連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離され、重送が防止される。
給紙ベルト84とリバースローラ85との作用によって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、原稿MSは給紙ベルト84によって更に送られ、突き当てセンサ72によって先端が検知されつつ、更に進んで停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。このとき駆動している給紙モータ102は、突き当てセンサ72による先端の検知から所定時間だけ駆動させて、その後停止させる。これにより、原稿MSが突き当てセンサ72による検知位置から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、原稿MSがプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙ベルト84による原稿MSの搬送が停止する。
突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップ昇降モータ101を回転させることで、ピックアップローラ80を原稿MSの上面から退避させ原稿MSを給紙ベルト84の搬送力のみで送る。これにより、原稿MSの先端は、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
プルアウトローラ対86は、上述したように、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿MSを中間ローラ対66まで搬送するためのローラ対であり、プルアウトモータ113が駆動することにより2つのローラのうちの一方が回転駆動する。また、給紙ベルト84とプルアウトローラ対86とを回転駆動して、給紙ベルト84によってプルアウトローラ対86へ搬送されてきた原稿MSの先端をプルアウトローラ対86に突き当てスキュー補正せずに、プルアウトローラ対86で原稿を搬送する構成でもよい。
プルアウトローラ対86の駆動源としては、給紙モータ102としてもよい。このような場合には、給紙モータ102を正転させたときには、ピックアップローラ80、給紙ベルト84及びリバースローラ85に駆動を伝達し、給紙モータ102を逆転させたときには、プルアウトローラ対86に駆動を伝達するように構成する。しかし、本実施形態のように、プルアウトローラ対86を独立した駆動であるプルアウトモータ113によって駆動することにより、モータの立ち上げ時間および立ち下げ時間を短縮することが可能となり、生産性が向上する。
プルアウトローラ対86によって送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知センサを原稿幅方向(図5の紙面に直交する方向)に複数個並べたセンサであり、どの紙検知センサが原稿MSを検知するかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズを検知する。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSが突き当てセンサ72によって検知されなくなる(原稿MSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検知する。
プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によって搬送される原稿MSは、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対90によって搬送されるターン部Dに進入する。
中間ローラ対66はプルアウトローラ対86の駆動源であるプルアウトモータ113と、読取入口ローラ対90の駆動源である読取入口モータ114との両方のモータから駆動が伝達される構成となっている。そして、2つのモータのうち、回転速度が速くなる側のモータの駆動によって回転速度が決まる機構を備えている。
ADF51では、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿MSが搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定しており、原稿MSを第一読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。このとき、中間ローラ対66はプルアウトモータ113を駆動源として回転する。
原稿MSの先端が読取入口センサ67により検出されると、読取入口ローラ対90の上下のローラによって形成されるニップに原稿MSの先端が進入する前に、原稿MSの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度と同速にするために、プルアウトモータ113の減速を開始する。これと同時に、読取入口モータ114及び読取モータ103を正転駆動する。読取入口モータ114を正転駆動することで読取入口ローラ対90が搬送方向に回転駆動し、読取モータ103を正転駆動することで読取出口ローラ対92及び第二読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ駆動する。読取入口ローラ対90の駆動を開始し、プルアウトモータ113を減速することで、プルアウトモータ113から駆動伝達されることによる中間ローラ対66の回転速度よりも、読取入口モータ114から駆動伝達されることによる中間ローラ対66の回転速度の方が速くなると、中間ローラ対66は読取入口モータ114を駆動源として回転する。
ターン部Dから第一読取搬送部Eに向かう原稿MSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラ100は、所定の時間をかけて各モータの駆動を減速することで、原稿MSの搬送速度を所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラ100は、第一固定読取部151による第一読取位置400の手前で原稿MSを一時停止するように制御すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。
続いて、コントローラ100が本体制御部111より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿MSの原稿先端が第一読取位置400に到達するまでに、原稿MSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取入口モータ114及び読取モータ103の駆動を制御する。これにより、原稿MSは搬送速度が増速されつつ、第一読取位置400に向かって搬送される。そして、読取入口モータ114のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第一読取位置400に到達するタイミングで、コントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第一面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第一読取位置400を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第一面が第一固定読取部151によって読み取られる。
第一読取搬送部Eを通過した原稿MSは、読取出口ローラ対92のニップを通過した後、その先端が排紙センサ61によって検知され、さらに、その後、第二読取搬送部Fを通過して排紙部Gへと搬送される。
原稿MSの片面(第一面)のみを読み取る場合には、第二固定読取部95による原稿MSの第二面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端が検知されると、排紙モータ104の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中上側の排紙ローラが図中反時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータ104のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙されるように制御される。
一方、原稿MSの両面(第一面及び第二面)を読み取る場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第二固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ103のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第二面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第二固定読取部95による第二読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第二面が第二固定読取部95によって読み取られる。
読取手段としての第二固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿MSが通過する搬送路を挟んで第二固定読取部95に対向する位置には、原稿MSを非読取面側(第一面側)から支持する原稿支持手段としての第二読取ローラ96が配設されている。この第二読取ローラ96は、第二固定読取部95による第二読取位置での原稿MSの浮きを抑えるとともに、第二固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図8は、従来例のADF51における原稿セット部Aの搬送方向下流側端部近傍、分離搬送部B及びレジスト部Cの拡大説明図である。
図8では、連続して搬送される二枚の原稿MSとしての前原稿MS1及び次原稿MS2について、前原稿MS1の後端が分離ニップAbを通過する瞬間の状態を示している。
従来においては、図8に示すように、分離ニップAbから原稿搬送方向下流に距離d離れた位置に配置された原稿の後端を検知する後端検知センサSnが、原稿の後端を検知することにより、前原稿の後端が分離ニップを抜けたことを検知し、次原稿の搬送を開始していた。そのため、前原稿と次原稿との間隔(紙間)が広がってしまい、生産性が悪いという課題があった。後端検知センサSnを、分離ニップの近傍に配置することによって、前原稿の後端が分離ニップを抜けた直ぐに、次原稿の搬送を開始することができる。しかし、図8のように、前原稿MS1の後端が分離ニップAbを通過する前に次原稿MS2の先端(図8中の「MS2a」)が分離ニップAbから突出した状態(分離ニップAbよりも搬送方向下流側にある状態)になっている場合がある。このような場合、後端検知センサSnを分離ニップAbの近傍に配置すると、次原稿MS2の分離ニップAbから突出した部分が、後端検知センサSnと対向してしまう。その結果、後端検知センサSnを分離ニップAbの近傍に配置すると、後端検知センサSnで、前原稿MS1の後端を検知することが出来ない。
そのため、従来のADF51では、図8に示すように、分離ニップAbから所定距離dだけ下流側に離した位置に、透過型もしくは反射型のフォトセンサからなる後端検知センサSnを配置することで前原稿MS1の後端の通過を検知していた。
また、透過型もしくは反射型のフォトセンサからなる後端検知センサSnにおいては、原稿にパンチ穴が形成されている場合など、一時的にセンサが非検知となるような原稿の場合でも、後端検知センサSnが原稿の後端を検知したと誤検知しないように次のような制御を行う必要がある。すなわち、後端検知センサSnが原稿を検知しなくなっても直ぐに原稿後端を検知したと判定せず、後端検知センサSnが原稿を検知しなくなってから所定時間経過してもセンサ出力が検知の状態に戻らないことを確認した段階で、後端検知センサSnが後端を検知した判定する必要があるのである。よって、透過型もしくは反射型のフォトセンサからなる後端検知センサSnを用いた場合は、前原稿の後端を検知してから所定時間経過してからでないと、次の原稿の搬送を開始することができない。
そこで、本実施形態では、分離ニップAbよりも原稿搬送方向下流に配置されたプルアウトローラ対86により前原稿が搬送されているとき、上記給紙ベルト84を前原稿MS1と連れ回るようにし、給紙ベルト84の回転の有無を検知することにより、前原稿MS1の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知するようにした。
図9は、給紙ベルト84の回転の有無を検知する給送部材回転検知手段たるベルト回転検知機構140の一例を示す概略構成図であり、図10は、図9のA−A断面図である。
図9、図10に示すように、ベルト回転検知機構140は、従動ローラ83の軸に取り付けられたエンコーダーホイール141と、エンコーダーホイール141の円周上に所定の間隔をおいて設けられた不図示の反射マークを検知する反射型のフォトセンサ142と、フォトセンサ142からの信号を受信するコントローラ100とで構成されている。反射型フォトセンサ142は、センサブラケット143を介して給紙部カバー145に取り付けられている。フォトセンサ142は、不図示の反射マークを検知すると、コントローラ100にON信号が出力される。よって、給紙ベルト84が回転して、従動ローラ83が回転しているときは、コントローラ100は、フォトセンサ142から、定期間隔のON−OFF信号を受信する。一方、給紙ベルト84が停止して、従動ローラ83が停止しているときは、コントローラ100は、フォトセンサ142からONまたはOFFの連続信号を受信する。このように、コントローラ100は、フォトセンサ142からの信号を監視することによって、給紙ベルト84が回転しているか、停止しているかを検知することができる。
上記では、従動ローラ83の軸にエンコーダーホイール141を設けているが、駆動ローラ82に設けてもよい。また、給紙ベルト84の端部にエンコーダーシールを貼り付けて、給紙ベルト84の回転を検知する構成でもよい。また、円盤状のエンコーダーシールを、従動ローラ83のフランジに貼り付けた構成でもよい。上記では、反射型のフォトセンサを用いているが、透過型のフォトセンサを用いることもできる。この場合は、エンコーダーホイール141の円周上に所定の間隔を開けて、スリットを形成する。
図11は、給紙ベルトの回転の有無を検知するベルト回転検知機構140の他の例を示す概略構成図である。
図11に示すベルト回転検知機構140は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどのイメージセンサ146を給紙ベルトと対向配置して、イメージセンサ146と、イメージセンサ146から信号を受信するコントローラ100とで構成されている。コントローラ100は、イメージセンサ146からの信号を受信することにより、給紙ベルト84が回転しているか否かを検知する。
次に、ベルト回転検知機構140による後端検知について説明する。
まず、給紙ベルト84によってプルアウトローラ対86へ搬送されてきた原稿MSの先端をプルアウトローラ対86に突き当てスキュー補正せずに、プルアウトローラ対86で原稿MSを搬送する構成における後端検知について説明する。
図12は、給紙モータ102とプルアウトモータ113の制御タイミングの一例を示すシーケンス図である。図12は、上から給紙モータ102のON/OFF、プルアウトモータ113のON/OFF、給紙ベルト84(従動ローラ83)の回転/停止、プルアウトローラ対86の回転/停止を表しており、横軸は時間を示している。
図に示すように、原稿載置台53上の原稿MSの搬送が開始されると、給紙モータ102、プルアウトモータ113の駆動がONとなり、ピックアップローラ80、給紙ベルト84、プルアウトローラが回転し、原稿載置台53上の原稿MSが下流へと搬送される。突き当てセンサ72が原稿MSの先端を検知して、原稿MSがプルアウトローラ対86のニップAc(図13参照)に到達したことを検知したら、次原稿の給紙準備のため所定のタイミングで給紙モータ102をOFFする。これにより、給紙ベルト84は給紙モータ102による駆動が切れる。このとき、原稿MSは、図13に示すように、原稿MSの搬送方向上流側の部分は、分離ニップAbにある。そのため、給紙ベルト84は、プルアウトローラ対86により搬送される原稿MSに連れ回わって回転するようになる。プルアウトローラ対86により原稿はさらに下流へと搬送され、原稿後端が分離ニップAbを抜けると原稿MSによって連れ回っていた給紙ベルト84の回転は停止する。すると、フォトセンサ142またはイメージセンサ146のコントローラ100への信号が変化し、コントローラ100は、給紙ベルト84の回転が停止したことを検知し、原稿MSの後端が分離ニップAbを抜けたことを検知することができる。よって、コントローラ100は、フォトセンサ142またはイメージセンサ146の信号が変化したことをトリガにして、次原稿の給紙開始を行う。具体的には、コントローラ100は、給紙ベルト84の回転が停止したことをトリガとして、給紙モータ102の駆動ONのタイミングを制御する。このように、給紙ベルト84の回転が停止したことを次原稿搬送開始のトリガとすることで、原稿後端が分離ニップAbを抜けたタイミングを、次原稿搬送開始のトリガとすることができ、紙間を狭めることができる。また、給紙ベルト84の回転が停止したことで、原稿後端を検知するので、フォトセンサなどの光学センサで原稿に光を当てて原稿後端を直接検知するもののように、パンチ穴の後端誤検知を防ぐための処理を行う必要がない。また、次原稿の先端が分離ニップAbから突き出していても、分離ニップAbの位置で原稿の後端を検知することができる。これにより、フォトセンサで、直接原稿の後端を検知する場合に比べて、次原稿の給紙開始タイミングの早期化が可能となる。
また、ピックアップローラ80の下降は、例えば、突き当てセンサ72が原稿の先端を検知したことをトリガとして、ピックアップ昇降モータ101をONにするタイミングを制御することで、ピックアップローラ80の下降開始が制御される。
次に、給紙ベルト84によってプルアウトローラ対86へ搬送されてきた原稿MSの先端をプルアウトローラ対86に突き当てスキュー補正する構成における後端検知について説明する。
スキュー補正のために、原稿MSの先端をプルアウトローラ対86に突き当てて、原稿MSの搬送を停止する構成においては、給紙ベルト84の回転の停止のみを検知していても、原稿後端が分離ニップAbを抜けて給紙ベルト84の回転が停止したのか、スキュー補正による原稿突き当てにより搬送中の原稿が停止したのかを区別することはできない。そこで、このような場合には、給紙ベルト84の回転の有無に加えて、その下流にあるプルアウトローラ対86の回転を検知することで、原稿MSの搬送停止か原稿後端が分離ニップAbを抜けたのかを区別する。
図14は、給紙モータ102とプルアウトモータ113の制御タイミングの他の例を示すシーケンス図であり、図15は、原稿搬送中に原稿の停止が発生して、給紙ベルト84の回転が停止する構成における後端検知のフローチャートである。
図14は、上から給紙モータ102のON/OFF、プルアウトモータ113のON/OFF、給紙ベルト84(従動ローラ83)の回転/停止、プルアウトローラ86の回転/停止を表しており、横軸は時間を示している。
原稿載置台53上の原稿MSの搬送が開始されると、給紙モータ102がONとなり、ピックアップローラ80と給紙ベルト84が回転駆動して、原稿載置台53の原稿は、下流へ搬送される。突き当てセンサ72が原稿MSの先端を検知して、所定時間経過した段階で、給紙モータ102をOFFにする。このときは、原稿の搬送が停止しており、給紙ベルト84の回転の停止が検知される(図15のS1のYES)。しかし、プルアウトモータ113は、OFFであり(図15のS2のNO)、プルアウトローラ対86の回転は停止している。よって、このときは、スキュー補正による原稿の停止と判定する。
その後、プルアウトモータ113がONとなり、プルアウトローラ対86で原稿MSの搬送が再開される。このとき、給紙モータ102は、OFFであり、図13に示すように、原稿MSの搬送方向上流側の部分は、分離ニップAbにあるので、給紙ベルト84は、プルアウトローラ対86により搬送される原稿MSに連れ回わって回転するようになる。そして、原稿MSの後端が分離ニップAbを抜けると、再び給紙ベルト84の回転が停止し、フォトセンサ142またはイメージセンサ146で、給紙ベルト84の停止が検知される(図15のS1のYES)。このときは、プルアウトモータ113がON(図15のS2のYES)であり、原稿MSは、プルアウトローラ対86により搬送されているにもかかわらず、給紙ベルト84が停止した状態である。よって、原稿MSの後端が分離ニップAbを抜けたと判定する(図15のS3)。
そして、コントローラ100は、原稿MSの後端を検知したことをトリガにして、給紙モータ102の駆動ONのタイミングを制御する。
このように、給紙ベルト84の回転の有無に加えて、その下流にあるプルアウトローラ86の回転の有無を調べることにより、原稿MSの停止か原稿後端が分離ニップAbを抜けたのかを区別することができ、原稿後端が分離ニップAbを抜けたことを正確に判定することができる。
プルアウトモータ113のON/OFFの判定は、プルアウトモータ113の制御信号をコントローラ100が受信することで検知可能である。プルアウトモータ113の制御信号としてはステッピングモータドライバのイネーブル信号や励磁方式を決定するモード信号が挙げられる。モータの制御信号をプルアウトローラ対86の回転検知に使用することで、センサやエンコーダを新規に追加する必要が無いというメリットがある。
上記では、プルアウトローラ対86の回転の有無により、原稿MSが搬送中か停止中かを検知しているが、中間ローラ66や読取入口ローラ90の回転有無から、原稿MSが搬送中か停止中かを検知して、給紙ベルト84の停止が、原稿の搬送停止によるものなのか、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことによるものなのかを判定してもよい。ただし、この場合は、プルアウトローラ対86が回転駆動するのと同時に、中間ローラ66や読取入口ローラ90を回転させる必要がある。なぜなら、プルアウトローラ対86が回転駆動してから所定時間経過して、中間ローラ66や読取入口ローラ90が回転駆動する場合、中間ローラ66や読取入口ローラ90が回転駆動するときは、既に原稿MSの後端が抜けている場合があるからである。また、原稿MSの先端を突き当てて停止させるローラは、分離ニップAbに最も近い位置に配置されたプルアウトローラ対86が好ましい。これは、プルアウトローラ対86よりも下流の中間ローラ対66や読取り入口ローラ対90で原稿MSの先端を突き当ててスキュー補正を行う場合、原稿MSの搬送方向長さが、短い原稿の場合は、原稿の先端が中間ローラ対66や読取り入口ローラ対90に突き当る前に、原稿MSの後端が分離ニップAbを抜けてしまう場合がある。その結果、給紙ベルト84が停止状態で、分離ニップAbより搬送方向下流のローラが回転駆動していることをトリガとして、次原稿の搬送を開始しても、そのときは、原稿の後端は、既に分離ニップを抜けているので、十分に紙間を詰めることができない。図13に示すように、分離ニップAbからプルアウトローラ対86のニップAcまでの搬送経路長さtより短い原稿は、搬送することができないので、プルアウトローラ対86に原稿MSの先端を突き当てて、原稿MSを停止する構成の場合は、このADF51が搬送可能な原稿全てにおいて、原稿の搬送を停止したとき、原稿の後端を分離ニップAbよりも搬送方向上流に位置させることができる。これにより、プルアウトローラ対86を回転駆動して、原稿の搬送を再開したとき、給紙ベルト84が原稿と連れ回って停止するため、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知することができる。
上述では、コントローラ100は、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことをトリガとして、給紙モータ102をONにするタイミングを制御して、次原稿の給紙タイミングを制御しているが、例えば、原稿の後端が分離ニップを抜けたことをトリガとして、ピックアップ昇降モータ101をONにするタイミングを制御して、ピックアップローラ80の下降のタイミングを制御してもよい。この場合は、ピックアップローラ80の下降が完了して、ピックアップローラ80が原稿載置台53の原稿MSに当接したら、給紙モータ102をONにして、次原稿の給紙が開始される。また、これに限らず、ピックアップローラ80を回転駆動する駆動源と給紙ベルト84を回転駆動する駆動源とを別にして、ピックアップローラ80を回転させながら、下降するよう構成してもよい。また、本実施形態においては、ピックアップローラ80は、突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップローラ80を原稿載置台53上の原稿から退避させる構成をとっているが、このような、ピックアップローラ80の退避動作をとらないような構成にしてもよい。この場合は、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことをトリガとして、給紙モータ102をONにするタイミングが制御される。また、本実施形態においては、ピックアップローラ80を設けているが、上記給紙ベルト84を、原稿載置台53と対向する位置まで延設させて、給紙ベルト84によって、原稿載置台53上の原稿をピックアップするよう構成して、ピックアップローラ80を無くしてもよい。また、本実施形態においては、分離ニップAbにおいて、原稿に搬送力を付与する給送部材として、ベルト部材(給紙ベルト)を用いているが、ローラ部材としてもよい。
また、上述においては、ADF51に本発明を適用したが、転写紙供給装置40に本発明を用いることができる。転写紙供給装置40に本発明を適用することにより、紙間を短くすることができ、画像形成装置の生産性を高めることができる。
以上、本実施形態のシート材搬送装置であるADF51は、複数枚のシート材たる原稿を重ねて積載するシート材積載部たる原稿載置台53と、駆動源たる給紙モータ102からの駆動入力により回転駆動して、原稿載置台53から搬送されてきた原稿のうち最上位の原稿を搬送する給送部材たる給紙ベルト84と、給紙ベルト84に当接して分離ニップAbを形成し、原稿載置台53から搬送されてきた原稿を一枚に分離する分離部材たるリバースローラ85とを備えている。また、給紙ベルト84は、給紙モータ102からの駆動が切れているとき、原稿と連れ回るよう構成されており、給紙ベルト84が回転しているか否かを検知する給送部材回転検知手段たるベルト回転検知機構140と、ベルト回転検知機構140の検知結果に基づいて、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知する後端検知手段たるコントローラ100とを備えている。
そして、分離ニップAbよりも原稿搬送方向下流側に配置された下流側搬送部材としてのプルアウトローラ対86により原稿が搬送されてから、原稿の後端が分離ニップを抜けるまでの間に給紙ベルト84に対する給紙モータ102の駆動が切られる。これにより、給紙ベルト84は、プルアウトローラ対86により搬送されている原稿に連れ回り、原稿の後端が分離ニップAbを抜けると、給紙ベルト84の回転が停止する。これにより、コントローラ100は、ベルト回転検知機構140が給紙ベルト84の回転が停止したことを検知したら、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知することができる。
これにより、原稿の後端が分離ニップを抜けたことを検知することができ、原稿の後端が分離ニップAbを抜けた直後に次原稿の搬送制御を行うことができるので、紙間を狭めることができ、連続搬送時の生産性を上げることができる。
また、リバースローラ85は、分離ニップAbにおいて給紙ベルト84の表面移動方向とは逆方向に表面移動する駆動が入力され、その表面が給紙ベルト84に直接、または、一枚のシート材を介して接触する状態では給紙ベルト84の表面移動に連れ回る。これにより、分離ニップAbで原稿を一枚に分離することができる。
また、コントローラ100は、原稿の後端が分離ニップを抜けたことを検知した結果に基づいて、次の原稿の搬送制御を開始する。これにより、紙間を狭めることができ、連続搬送時の生産性を上げることができる。
また、本実施形態のADF51によれば、原稿載置台53に積載された原稿束と対向配置され、原稿載置台53に積載された原稿束の少なくとも最上位の原稿を呼び出して分離ニップAbへ向けて搬送する呼び出し部材たるピックアップローラ80と、ピックアップローラ80を原稿載置台53に積載された原稿束に対して接離させる接離手段(接離カムとピックアップ昇降モータ101などで構成)とを備えている。そして、ピックアップローラ80が、原稿載置台53に積載された原稿束の少なくとも最上位の原稿を分離ニップAbへ搬送したら、接離手段でピックアップローラ80を原稿載置台53に積載された原稿束から離間するよう制御している。そして、コントローラ100は、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知したら、接離手段でピックアップローラ80を、原稿載置台53に積載された原稿束に当接させる。これにより、原稿の後端が分離ニップを抜けた直ぐに、ピックアップローラを原稿束に当接させる制御を行うことができるので、紙間を狭めることができ、連続搬送時の生産性を上げることができる。
また、イメージセンサを用いて、給紙ベルト84の回転の有無を検知することで、給紙ベルト84の回転を検知する手段として、ロータリーエンコーダーを用いた場合に比べて、エンコーダーホイールやエンコードシールなどを用いる必要がなくなり、部品点数を削減することができる。
また、給紙ベルト84の回転の有無を検知する手段として、ロータリーエンコーダーを用いてもよい。
また、分離ニップAbよりも原稿搬送方向下流側に配置されたシート材搬送手段たるプルアウトローラ対86が回転しているか否かを検知する下流側搬送手段回転検知手段たるコントローラ100が、プルアウトローラ対86が回転を検知している状態で、ベルト回転検知機構140が給紙ベルトの回転停止を検知したとき、シート材の後端を検知したと判定する。これにより、原稿がレジストやスキュー補正により一旦停止する構成の場合でも、原稿の後端が分離ニップAbを抜けたことを検知することができる。
また、コントローラ100は、プルアウトローラ対86を駆動する駆動源たるプルアウトモータ113に入力される駆動信号に基づいて、プルアウトローラ対86の回転の有無を検知する。これにより、イメージセンサやロータリーエンコーダーなどを設けずとも、プルアウトローラ対86の回転の有無を検知することができる。
また、コントローラ100が回転の有無を検知するローラは、分離ニップよりも下流に配置された搬送手段のうち、最上流に配置されたプルアウトローラ対86とすることにより、搬送方向長さが短い原稿であっても、プルアウトローラ対86の回転を開始したとき、原稿の後端が、分離ニップよりも上流に位置させることができる。これにより、搬送方向長さが短い原稿であっても、給紙ベルトの回転が停止し、プルアウトローラが回転している状態のとき、原稿の後端が分離ニップを抜けたと検知することができる。
シート材としての原稿MSを搬送する原稿搬送手段と、原稿搬送手段によって搬送される原稿MSの原稿画像を読み取る読取手段である第一固定読取部151及び第二固定読取部95とを備えた画像読取装置である画像読取ユニット50において、原稿搬送手段として、本実施形態のADF51を用いることにより、搬送される原稿MSの紙間を詰めることができるので、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることできる。
画像読取手段と、画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である画像形成部1とを備える画像形成装置である複写機500において、画像読取手段として、本実施形態の画像読取ユニット50を有することにより、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることがきるため、連続してコピーを行うときの生産性の向上を図ることができる。
1:画像形成部
50:画像読取ユニット
53:原稿載置台
66:中間ローラ
80:ピックアップローラ
82:駆動ローラ
83:従動ローラ
84:給紙ベルト
85:リバースローラ
86:プルアウトローラ対
100:コントローラ
101:ピックアップ昇降モータ
102:給紙モータ
113:プルアウトモータ
140:ベルト回転検知機構
141:エンコーダーホイール
142:フォトセンサ
146:イメージセンサ
特許3618898号 特許3397606号

Claims (10)

  1. 複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
    駆動源からの駆動入力により回転駆動して、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材のうち最上位のシート材を給送する給送部材と、
    上記給送部材に当接して分離ニップを形成し、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材を一枚に分離する分離部材と、を備えたシート材搬送装置において、
    上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流側に配置された下流側搬送部材により上記シート材が搬送されてから、シート材の後端が分離ニップを抜けるまでの間に上記駆動源の駆動が切られるよう制御され、
    上記給送部材は、上記駆動源からの駆動が切れているとき、上記シート材と連れ回るよう構成されており、
    上記給送部材が回転しているか否かを検知する給送部材回転検知手段と、
    上記給送部材回転検知手段の検知結果に基づいて、シート材の後端を検知する後端検知手段とを備え、
    上記後端検知手段は、上記給送部材回転検知手段が上記給送部材の回転が停止したことを検知したら、シート材の後端が上記分離ニップを抜けたと検知することを特徴とするシート材搬送装置。
  2. 複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
    駆動源からの駆動入力により回転駆動して、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材のうち最上位のシート材を給送する給送部材と、
    上記給送部材に当接して分離ニップを形成し、上記シート材積載部から搬送されてきたシート材を一枚に分離する分離部材と、を備えたシート材搬送装置において、
    上記給送部材は、上記駆動源からの駆動が切れているとき、上記シート材と連れ回るよう構成されており、
    上記給送部材が回転しているか否かを検知する給送部材回転検知手段と、
    上記給送部材回転検知手段の検知結果に基づいて、シート材の後端を検知する後端検知手段と、
    上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流側に配置され、シート材を搬送する下流側搬送部材が回転しているか否かを検知する下流側搬送部材回転検知手段とを備え、
    上記後端検知手段は、上記給送部材回転検知手段が上記給送部材の回転が停止したとき、上記下流側搬送部材回転検知手段が下流側搬送部材の回転を検知している場合、シート材の後端を検知したと判定し、
    上記下流側搬送部材回転検知手段は、上記下流側搬送部材を駆動する駆動源に入力される駆動信号に基づいて、上記下流側搬送部材の回転の有無を検知することを特徴とするシート材搬送装置。
  3. 請求項1または2のシート材搬送装置において、
    上記分離部材は、分離ニップにおいて上記給送部材の表面移動方向とは逆方向に表面移動する駆動が入力され、その表面が上記給送部材に直接、または、一枚のシート材を介して接触する状態では上記給送部材の表面移動に連れ回る重送阻止ローラであることを特徴とするシート材搬送装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、
    上記後端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
  5. 請求項4のシート材搬送装置において、
    上記シート材積載部に積載されたシート束と対向配置され、上記シート材積載部に積載されたシート束の少なくとも最上位のシート材を呼び出して分離ニップへ向けて搬送する呼び出し部材と、
    上記呼び出し部材を上記シート材積載部に積載されたシート束に対して接離させる接離手段とを備え、
    上記呼び出し部材が、シート材積載部に積載されたシート束の少なくとも最上位のシート材を上記分離ニップへ搬送したら、上記接離手段で上記呼び出し部材を上記シート材積載部に積載されたシート束から離間するよう制御するものであって、
    上記後端検知手段の検知結果に基づいて、上記接離手段で上記呼び出し部材を、シート材積載部に積載されたシート束に当接させることを特徴とするシート材搬送装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかのシート材搬送装置において、
    給送部材回転検知手段として、イメージセンサを用いたことを特徴とするシート材搬送装置。
  7. 請求項1乃至5いずれかのシート材搬送装置において、
    給送部材回転検知手段として、ロータリーエンコーダーを用いたことを特徴とするシート材搬送装置。
  8. 請求項のシート材搬送装置において、
    上記下流側搬送部材回転検知手段は、上記分離ニップよりも下流側に配置された複数の下流側搬送部材のうちシート材搬送方向最上流に配置された下流側搬送部材の回転の有無を検知することを特徴とするシート材搬送装置。
  9. シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、
    該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、
    上記原稿搬送手段として、請求項1乃至のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とする画像読取装置。
  10. 画像読取手段と、
    該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
    該画像読取手段として、請求項の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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