以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、シクロペンタジエニル錯体を含有する重合体が、エッチング耐性にも優れ、珪素含有中間層による3層レジストプロセスといった多層レジストプロセス用レジスト下層膜として有望な材料であることを見出し、本発明をなすに至った。
このような本発明のレジスト下層膜材料から形成したレジスト下層膜は、珪素含有中間層を有する3層レジストプロセスといった多層レジストプロセスに適用可能な新規なレジスト下層膜である。特に、波長193nmといった短波長での露光において反射防止効果に優れ、かつ基板エッチングの条件におけるエッチング耐性に極めて優れるものである。
また、レジスト下層膜材料に、更に有機溶剤、架橋剤、酸発生剤のうちいずれか1つ以上のものを含有させることで、該材料の基板等への塗布性を向上させたり、基板等への塗布後にベーク等により、レジスト下層膜内での架橋反応を促進することができる。従って、このようなレジスト下層膜は、膜厚均一性がよく、レジスト上層膜とのインターミキシングのおそれが少なく、レジスト上層膜への低分子成分の拡散が少ないものとなる。
即ち、本発明のレジスト下層膜材料は、リソグラフィーで用いられる多層レジスト膜のレジスト下層膜材料であって、少なくとも下記一般式(1)で示されるシクロペンタジエニル錯体を含有するオレフィンの重合体を含む下層膜を提供する。
(式中、R
1は水素原子又はメチル基、Xは単結合、メチレン基、−C(=O)−O−R
2−、−O−R
2−、−O−C(=O)−R
2−、又は−Ar−R
2−であり、Arはフェニレン基又はナフチレン基であり、R
2は同一又は異種の単結合、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、又は炭素数2〜10のアルケニレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。MはFe、Co、Ni、Cr又はRuである。)
ここで、一般式(1)に示されるシクロペンタジエニル錯体を含有するオレフィンの重合体の金属Mとしては、Fe、Co、Ni、Cr、Ruを挙げることができる。これらの金属の中でもFeとRuが最も好ましく用いることができる。他の金属のビニルシクロペンタジエニルメタロセンは大気中に不安定であり、窒素中や不活性ガス中で取り扱う必要がある。金属MがFeの場合がフェロセン、Ruの場合がルテノセンという名称であり、どちらも錯体の荷電子数が18であり安定に存在する。一方、金属MがCoの場合は酸化され易く、Ni、Mn、Cr、Vは大気中不安定であるため、上記のような取り扱う場合に注意を要する。
シクロペンタジエニル錯体を含有する繰り返し単位aと共重合する架橋性の繰り返し単位は下記一般式(2)中のb〜fで表すことができる。架橋性の繰り返し単位を共重合することによってスピンコートとベークによって強固な膜が形成され、その上に珪素含有中間層膜材料とスピンコートしたときのミキシングを防止することが可能となる。
(式中、R
1、X、Mは前述の通り。R
3、R
8は水素原子又はメチル基である。R
4、R
5、R
6、R
7は置換又は非置換のヒドロキシ基又はカルボキシル基、−CR
10R
11OH、又は−O−R
12である。R
10、R
11は水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。R
9、R
12は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアシル基、又はオキシラン又はオキセタンを含有する炭素数3〜12のアルキル基である。Y
1は単結合、−C(=O)−O−R
13−、−C(=O)−NH−R
13−、又は−O−であり、Y
2は−C(=O)−O−R
14−、又は−C(=O)−NH−R
14−であり、R
13、R
14は単結合、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、又は炭素数2〜12のアルケニレン基である。Zはメチレン基、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−である。m、n、pは1又は2、qは0、1又は2である。)
また、上記式(1)、(2)において、繰り返し単位aはそれ単独で他の繰り返し単位と共重合することなくオレフィン重合体を構成し得、この場合a=1.0であるが、上述したように繰り返し単位b〜fのいずれか1種又はそれ以上と共重合することが好ましく、このように繰り返し単位aと繰り返し単位b〜fの1種以上とを共重合する場合のa〜fの値としては、0<a<1.0、0≦b≦0.95、0≦c≦0.95、0≦d≦0.95、0≦e≦0.95、0≦f≦0.95、0<b+c+d+e+f<1.0の範囲であることが好ましい。
シクロペンタジエニル錯体を含有するオレフィンの繰り返し単位aを得るためのモノマーとしては、具体的には下記に例示することができる。
繰り返し単位bを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示することができる。
繰り返し単位cを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示することができる。
繰り返し単位dを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示することができる。
繰り返し単位eを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示することができる。
繰り返し単位fを得るためのモノマーは、具体的には下記に例示することができる。
ここで、a〜fは上記の通りであるが、0<a≦1.0、好ましくは0<a<1.0、0≦b≦0.95、0≦c≦0.95、0≦d≦0.95、0≦e≦0.95、0≦f≦0.95、0≦b+c+d+e+f<1.0の範囲、より好ましくは0.1≦a≦0.9、0≦b≦0.7、0≦c≦0.7、0≦d≦0.7、0≦e≦0.7、0≦f≦0.9、0.1≦b+c+d+e+f≦0.9、更に好ましくは0.15≦a≦0.8、0≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.6、0≦e≦0.6、0≦f≦0.8、0.2≦b+c+d+e+f≦0.85である。
a〜f以外の共重合モノマーとしては、炭素の割合を向上させるモノマーgを共重合することができる。モノマーgとしては、具体的にはスチレン、ビニルナフタレン、インデン、アセナフチレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、ビニルカルバゾール等を挙げることができる。繰り返し単位gの共重合比は、繰り返し単位全体に対して0以上0.6以下である。
なお、a+b+c+d+e+f+g=1であることが好ましいが、a+b+c+d+e+f+g=1とは、繰り返し単位a、b、c、d、e、f、gを含む高分子化合物(共重合体)において、繰り返し単位a、b、c、d、e、f、gの合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%であることを示す。
上記一般式(2)で示される繰り返し単位b〜dを得るためのヒドロキシ基の水素原子が重合時にはアセチル基やホルミル基、ピバロイル基、アセタール基、炭素数が4〜16の3級アルキル基、トリメチルシリル基などで置換されていてもよい。
これら本発明のレジスト下層膜材料に含まれる共重合体を合成するには、1つの方法としては重合性オレフィンを有するシクロペンタジエニル錯体と他のオレフィンモノマーを有機溶剤中、ラジカル重合開始剤あるいはカチオン重合開始剤を加えて加熱重合を行う。特開平7−309915号公報に記載のように、ビニルフェロセンは開始剤を加えて加熱することによって重合可能である。ヒドロキシ基を含むモノマーのヒドロキシ基をアセチル基で置換させておき、得られた高分子化合物を有機溶剤中アルカリ加水分解を行い、アセチル基を脱保護することもできる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。カチオン重合開始剤としては、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、トシル酸などの酸、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4などのフリーデル・クラフツ触媒のほか、I2、(C6H5)3CClのようにカチオンを生成し易い物質が使用される。
反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
本発明に係る共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、1,500〜200,000の範囲が好ましく、より好ましくは2,000〜100,000の範囲である。分子量分布は特に制限がなく、分画によって低分子体及び高分子体を除去し、分散度を小さくすることも可能であり、分子量、分散度が異なる2つ以上の一般式(1)の重合体の混合、あるいは組成比の異なる2種以上の一般式(1)の重合体を混合してもかまわない。
本発明のレジスト下層膜材料に含まれる共重合体、特には一般式(1)で示される繰り返し単位aを有する共重合体の波長193nmにおける透明性を更に向上させるために、水素添加を行うことができる。好ましい水素添加の割合は、芳香族基の80モル%以下、より好ましくは60モル%以下である。
本発明のレジスト下層膜材料用のベース樹脂は、重合性オレフィンを有するシクロペンタジエニル錯体の繰り返し単位を含むことを特徴とするが、前述の反射防止膜材料として挙げられている従来のポリマーとブレンドすることもできる。ガラス転移点を低下させるポリマーをブレンドして埋め込み特性を向上させることができる(例えば、特開2000−294504号公報参照)。ガラス転移点の低いポリマー、特にガラス転移点が180℃以下、とりわけ100〜170℃のポリマー、例えばアクリル誘導体、ビニルアルコール、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、スチレン誘導体、アリルベンゼン誘導体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類から選ばれる1種あるいは2種以上の共重合ポリマー、メタセシス開環重合などによるポリマー、ノボラックレジン、ジシクロペンタジエンレジン、フェノール類の低核体、カリックスアレーン類、フラーレン類とブレンドすることによってガラス転移点を低下させ、ビアホールの埋め込み特性を向上させることができる。
レジスト下層膜に要求される性能の一つとして、レジスト上層膜とのインターミキシングがないこと、レジスト上層膜ヘの低分子成分の拡散がないことが挙げられる(例えば、「Proc. SPIE vol.2195、p225−229(1994)」参照)。これらを防止するために、一般的にレジスト下層膜をスピンコート法などで基板に形成後、ベークで熱架橋するという方法がとられている。そのため、レジスト下層膜材料の成分として架橋剤を添加する方法、ポリマーに架橋性の置換基を導入する方法がある。ポリマーに架橋性の置換基を導入する方法としては、一般式(2)で示されるb〜fに示される架橋性の繰り返し単位を共重合させる方法が挙げられる。
本発明で使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの二重結合を含む化合物等を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、ポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いることができる。
前記架橋剤の具体例のうち、更にエポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。ウレア化合物としては、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、アジド化合物としては、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビスアジド、4,4’−メチリデンビスアジド、4,4’−オキシビスアジドが挙げられる。
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明のレジスト下層膜材料に含まれる重合体、例えば一般式(2)で示される繰り返し単位を有する重合体のヒドロキシ基がグリシジル基で置換されている場合は、ヒドロキシ基を含む化合物の添加が有効である。特に分子内に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物が好ましい。ヒドロキシ基を含む化合物としては、例えば、ナフトールノボラック、m−及びp−クレゾールノボラック、ナフトール−ジシクロペンタジエンノボラック、m−及びp−クレゾール−ジシクロペンタジエンノボラック、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’,4’’−メチリデントリスシクロヘキサノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスシクロヘキサノール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−4,4’−ジオール、メチレンビスシクロヘキサノール、デカヒドロナフタレン−2,6−ジオール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−3,3’,4,4’−テトラヒドロキシなどのアルコール基含有化合物、ビスフェノール、メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチルフェノール]、4,4’−メチリデン−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−メチレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−(ジエチルシリレン)ビスフェノール、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)1,3−ベンゼンジオール、2,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’,4’’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリデン)トリスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フロロフェニル)メチル]−4−フルオロフェノール、2,6−ビス[4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル]メチル]−4−フルオロフェノール、3,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]1,3−ベンゼンジオール、p−メチルカリックス[4]アレン、2,2’−メチレンビス[6−[(2,5/3,6−ジメチル−4/2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’,4’’’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、6,6’−メチレンビス[4−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,2,3−ベンゼントリオール、3,3’,5,5’−テトラキス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−[(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール]などのフェノール低核体が挙げられる。
本発明のレジスト下層膜材料における架橋剤の配合量は、ベースポリマー(全樹脂分)100部(質量部、以下同じ)に対して5〜50部が好ましく、特に10〜40部が好ましい。5部未満であるとレジスト膜とミキシングを起こす場合があり、50部を超えると反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入ることがある。
本発明のレジスト下層膜材料においては、熱などによる架橋反応を更に促進させるための酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
本発明のレジスト下層膜材料で使用される酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R
101bとR
101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。R
101d、R
101e、R
101f、R
101gは、R
101a、R
101b、R
101cと同様の基又は水素原子である。R
101dとR
101e、R
101dとR
101eとR
101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101dとR
101e及びR
101dとR
101eとR
101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は(Pla−3)中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。オキソアルケニル基としては、2−オキソ−4−シクロヘキセニル基、2−オキソ−4−プロペニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等のイミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドなどのメチド酸、更には下記一般式(K−1)で示されるα位がフルオロ置換されたスルホネート、(K−2)で示されるα,β位がフルオロ置換されたスルホネートが挙げられる。
(上記式(K−1)中、R
102は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアシル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基又はアリーロキシ基である。式(K−2)中、R
103は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基である。)
また、R101d、R101e、R101f、R101gが式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環は、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
(P1a−1)と(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
(式中、R
102a、R
102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R
103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R
104a、R
104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bの2−オキソアルキル基としては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
(式中、R
105、R
106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
R105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
(式中、R
107、R
108、R
109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R
108、R
109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R
108、R
109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R
105は(P2)式のものと同様である。)
R107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101bは前記と同様である。)
(式中、R
110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R
111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
酸発生剤は、具体的には、オニウム塩としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ピリジニウム、カンファースルホン酸トリエチルアンモニウム、カンファースルホン酸ピリジニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート、トリエチルアンモニウムノナフレート、トリブチルアンモニウムノナフレート、テトラエチルアンモニウムノナフレート、テトラブチルアンモニウムノナフレート、トリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリエチルアンモニウムトリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチド等のオニウム塩を挙げることができる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体を挙げることができる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体を挙げることができる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体を挙げることができる。
β−ケトスルホン酸誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン酸誘導体を挙げることができる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体を挙げることができる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体を挙げることができる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体を挙げることができる。
N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が挙げられる。
特に、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、ベースポリマー100部に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.5〜40部である。0.1部より少ないと酸発生量が少なく、架橋反応が不十分な場合があり、50部を超えると上層レジストへ酸が移動することによるミキシング現象が起こる場合がある。
更に、本発明のレジスト下層膜材料には、保存安定性を向上させるための塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物は、保存中等に酸発生剤より微量に発生した酸が架橋反応を進行させるのを防ぐための、酸に対するクエンチャーの役割を果たす。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。
アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。
イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
塩基性化合物の配合量は、ベースポリマー100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果が少なく、2部を超えると熱で発生した酸を全てトラップして架橋しなくなる場合がある。
本発明のレジスト下層膜材料において使用可能な有機溶剤としては、前記のベースポリマー、酸発生剤、架橋剤、その他添加剤等が溶解するものであれば特に制限はない。その具体例を列挙すると、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル,プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。本発明のレジスト下層膜材料においては、これら有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の配合量は、全ベースポリマー100部に対して200〜10,000部が好ましく、特に300〜5,000部とすることが好ましい。
更に、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、前記本発明のレジスト下層膜材料を用いてレジスト下層膜を基板上に形成し、該下層膜の上にフォトレジスト組成物のレジスト上層膜を形成して、多層レジスト膜とし、該多層レジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してレジスト上層膜にレジストパターンを形成し、該パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにしてレジスト下層膜をエッチングし、更にパターンが形成された多層レジスト膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
この場合、フォトレジスト下層膜形成材料を被加工基板上に適用し、得られた下層膜の上に珪素原子を含有する中間層を適用し、該中間層の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチング装置でこのフォトレジストパターン層をマスクにして中間膜層を加工し、フォトレジストパターン層を除去後、上記加工した中間膜層をマスクにして下層膜層、次いで被加工基板を加工することもできる。
以下、図1を参照して、本発明のパターン形成方法について説明する。
図1は3層レジスト加工プロセスの説明図である。
被加工基板11は、図示したように、被加工層11aとベース層11bとで構成されてもよい。基板11のベース層11bとしては、特に限定されるものではなく、Si、アモルファスシリコン(α−Si)、p−Si、SiO2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工層11aと異なる材質のものが用いられてもよい。被加工層11aとしては、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等及び種々の低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が用いられ、通常50〜10,000nm、特に100〜5,000nm厚さに形成し得る。
3層レジスト加工プロセスは、図1に示したように、レジスト下層膜12とレジスト上層膜13との間に珪素原子を含有する中間層14を介在させる(図1(A)参照)。この場合、中間層14を形成する材料としては、ポリシルセスキオキサンをベースとするシリコーンポリマーあるいはテトラオルソシリケートガラス(TEOS)のようなスピンコートによって作製される膜や、CVDで作製されるSiO2、SiN、SiON膜を用いることができる。
この中間層14の厚さとしては、10〜1,000nmが好ましい。
次に、露光と現像によってレジストパターンを形成する(図1(B),(C)参照)。露光と現像の間にベーク(PEB)を行ってもよい。レジストが化学増幅型レジストの場合、PEBによってポジ型レジストの場合は脱保護反応、ネガ型レジストの場合は架橋反応を起こすことによって現像における高い溶解コントラストを得ることができる。次いで、レジストパターンが形成されたレジスト上層膜13をマスクにしてフロン系ガスを主体とするドライエッチングなどで、中間層14のエッチングを行う(図1(D)参照)。このエッチングは常法によって行うことができる。フロン系ガスを主体とするドライエッチングの場合、CF4、CHF3、C2F6、C3F8、C4F10などを一般的に用いることができる。
更に、中間層14をエッチングした後、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、塩素ガス、臭素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、二酸化硫黄ガス、二硫化炭素ガスから選ばれるエッチングガスドライエッチングなどで、レジスト下層膜12のエッチングを行う(図1(E)参照)。これらのガスはシクロペンタジエニル錯体メタルに配位してメタルをガス化することによってエッチングを進行させることができる。
次の基板11のエッチングも、常法によって行うことができ、例えば基板がSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、ポリシリコン(p−Si)やAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う(図1(F)参照)。本発明のレジスト下層膜は、これら基板のエッチング時のエッチング耐性に優れる特徴がある。このとき、レジスト上層膜は必要に応じ、除去した後に基板のエッチングをしてもよいし、レジスト上層膜をそのまま残して基板のエッチングを行うこともできる。
以下、合成例、比較合成例、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
なお、下記の例で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン基準の測定値である。
[合成例1]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを10.6g、4−tert−アミロキシスチレンを9.5g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)を1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を16.1g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−tert−アミロキシスチレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=9,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.88
この重合体をポリマー1とする。
[合成例2]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを10.6g、6−tert−ブトキシ−2−ビニルナフタレンを11.3g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を17.5g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:6−tert−ブトキシ−2−ビニルナフタレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=5,400
分子量分布(Mw/Mn)=1.79
この重合体をポリマー2とする。
[合成例3]
200mLのフラスコにビニルルテノセンを12.9g、6−tert−ブトキシ−2−ビニルナフタレンを11.3g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を18.2g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルルテノセン:6−tert−ブトキシ−2−ビニルナフタレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=6,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.61
この重合体をポリマー3とする。
[合成例4]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを12.9g、6−ヒドロキシメチル−2−ビニルナフタレンを9.2g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を17.7g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:6−ヒドロキシメチル−2−ビニルナフタレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=6,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.61
この重合体をポリマー4とする。
[合成例5]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを12.9g、6−アセトキシインデンを3.5g、4−tert−アミロキシスチレンを5.7g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を16.6g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:6−アセトキシインデン:4−tert−アミロキシスチレン=50:20:30
重量平均分子量(Mw)=5,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この重合体をポリマー5とする。
[合成例6]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを12.9g、4−ヒドロキシアセナフチレンを8.4g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を16.0g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシアセナフチレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=6,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.67
この重合体をポリマー6とする。
[合成例7]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを9.1g、4−ヒドロキシメチルアセナフチレンを9.1g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を13.6g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシメチルアセナフチレン=50:50
重量平均分子量(Mw)=6,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.67
この重合体をポリマー7とする。
[合成例8]
200mLのフラスコにビニルフェロセンを8.5g、2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸を6.9g、4−tert−アミロキシスチレン5.7g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を13.7g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸:4−tert−アミロキシスチレン=40:30:30
重量平均分子量(Mw)=4,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.55
この重合体をポリマー8とする。
[合成例9]
200mLのフラスコにフェロセンメチルメタクリレートを14.2g、グリシジルメタクリレートを7.1g、溶剤としてトルエンを20g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを1.5g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を17.0g得た。
得られた重合体を
13C,
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
フェロセンメチルメタクリレート:グリシジルメタクリレート=50:50
重量平均分子量(Mw)=9,300
分子量分布(Mw/Mn)=2.05
この重合体をポリマー9とする。
[比較合成例1]
500mLのフラスコに4−ヒドロキシスチレンを40g、2−メタクリル酸−1−アダマンタンを160g、溶剤としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体188gを得た。
得られた重合体を
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ヒドロキシスチレン:2−メタクリル酸−1−アダマンタン=32:68
重量平均分子量(Mw)=10,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.77
この重合体を比較ポリマー1とする。
[比較合成例2]
500mLのフラスコに5−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレンを45g、溶剤としてトルエンを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.1g加え、80℃まで昇温後、24時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール300mL、水50mLの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体を36.9g得た。
得られた重合体を
1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
5−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレン=100
重量平均分子量(Mw)=10,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この重合体を比較ポリマー2とする。
[実施例、比較例]
[レジスト下層膜材料の調製]
上記ポリマー1〜9で示される樹脂、比較ポリマー1,2で示される樹脂、下記ブレンドポリマー1,2、ブレンドオリゴマー1、下記AG1,2で示される酸発生剤、下記CR1,2で示される架橋剤を、FC−430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによってレジスト下層膜材料(実施例1〜12、比較例1,2)をそれぞれ調製した。
ポリマー1〜9:上記合成例1〜9で得たポリマー
比較ポリマー1,2:上記比較合成例1,2で得たポリマー
ブレンドポリマー1,2、ブレンドオリゴマー1(下記構造式参照)
架橋剤:CR1,2(下記構造式参照)
有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
上記で調製したレジスト下層膜材料(実施例1〜12、比較例1,2)の溶液をシリコン基板上に塗布して、280℃で60秒間ベークしてそれぞれ膜厚100nmのレジスト下層膜(UDL1〜12、比較UDL1,2)を形成した。
レジスト下層膜の形成後、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおける屈折率(n,k)を求め、その結果を表1に示した。
次いで、ドライエッチング耐性のテストを行った。まず、前記屈折率測定に用いたものと同じ下層膜(UDL1〜12、比較UDL1,2)を作製し、これらの下層膜のCF4/CHF3系ガスでのエッチング試験として下記(1)の条件で試験した。この場合、東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後の下層膜及びレジストの膜厚差を測定した。結果を表2に示す。
(1)CF4/CHF3系ガスでのエッチング試験
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギヤップ 9mm
CHF3ガス流量 30ml/min
CF4ガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
[レジスト上層膜材料の調製]
表3に示す組成でArFレジスト材料(ArF用SLレジスト)をFC−430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表3に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによってArFレジスト材料を調製した。
下層膜形成材料の溶液(UDL1〜12、比較UDL1,2)をSi基板上に作製した膜厚100nmのSiO2膜上に塗布して、280℃で60秒間ベークして膜厚100nmの下層膜を形成した。
その上に珪素含有中間層材料溶液SOG(信越化学工業(株)製;SHB−A940)を塗布して220℃で60秒間ベークして膜厚35nmの中間層を形成し、ArF単層レジスト材料溶液を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚90nmのフォトレジスト層を形成した。
次いでArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、ダイポール開口35度、Azimuthally偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスクを用いて露光量を変化させながら露光し、80℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの45nmラインアンドスペースのパターン形状を観察した。結果を表4に示す。
次いで、東京エレクトロン製エッチング装置Teliusを用いてドライエッチングによるレジストパターンをマスクにして珪素含有レジスト中間層膜(SOG)の加工、珪素含有レジスト中間層膜をマスクにしてレジスト下層膜、得られたレジスト下層膜パターンをマスクにしてSiO2膜の加工を行った。エッチング条件は下記に示す通りである。
レジストパターンのレジスト中間層膜への転写条件。
チャンバー圧力 10.0Pa
RFパワー 1,500W
CF4ガス流量 75ml/min
O2ガス流量 15ml/min
時間 15sec
時間 120sec
レジスト中間膜パターンのレジスト下層膜への転写条件。
チャンバー圧力 2.0Pa
RFパワー 500W
Arガス流量 75ml/min
COガス流量 45ml/min
時間 120sec
レジスト下層膜パターンのSiO2膜への転写条件。
チャンバー圧力 2.0Pa
RFパワー 2,200W
C5F12ガス流量 20ml/min
C2F6ガス流量 10ml/min
Arガス流量 300ml/min
O2 60ml/min
時間 30sec
パターン断面を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察し、形状を比較し、表4にまとめた。
表2に示すように、本発明の下層膜のCF4/CHF3ガスエッチングの速度は、比較例1,2よりも十分にエッチング速度が遅い。表4に示すように、現像後のレジスト形状、酸素エッチング後、基板加工エッチング後の下層膜の形状も良好であることが認められた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。