以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態の発明は、始動記憶を報知する始動記憶表示41bを用いて様々な演出を行い、遊技の興趣を向上させることを目的とした発明である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域をなす始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に始動入賞領域をなす第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても始動記憶表示41b(例えば図31参照)として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン選択テーブルを記憶している。変動パターン選択テーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターン選択テーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン選択テーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン選択テーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターン選択テーブル、前半変動パターン選択テーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターン選択テーブルの中から、何れか一の変動パターン選択テーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン選択テーブルの中から、何れか一の変動パターン選択テーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターン選択テーブルのうち、何れか一の変動パターン選択テーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
本実施形態の遊技機では、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御する(例えば、10秒が1秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば0.3秒)よりも長い第2開放時間(例えば1.93秒)となるように制御する。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定する。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とする。なお、時短状態においては、普図変動時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにしても良い。
上述の高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また以下の説明において、この時短状態を普電サポートあり状態と称することがある。
また、詳細については後述するが、遊技制御装置100では、特別遊技状態の終了後から所定回数目となる特図変動表示ゲームの変動パターンを特定変動パターンとするようにしている。なお、本実施形態での特定変動パターンとはリーチ状態である。そして、当該特図変動表示ゲームを実行することとなる所定の始動記憶が未だ発生していない状態において、当該所定の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を行うようになっている。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図6のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図6のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図6のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図8に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。また、この特図表示中処理(ステップA11)では、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数の計数も行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51や特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図10に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブする(ステップA203)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA204)。そして、始動口信号出力回数を+1更新し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA205)。出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローすると判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行い、大当り乱数を抽出して準備し(ステップA215)、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA217)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。さらに、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブする(ステップA219、A220、A221)。なお、変動パターン乱数1は、リーチ状態となった後の変動である後半変動のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2は、リーチ系統の中から詳細な演出の振り分けを行うための乱数である。また、変動パターン乱数3は、リーチ状態となる前の変動である前半変動を選択するための乱数である。
そして、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップA222)を行う。この特図保留情報判定処理では、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等の判定を行う。そして、特図変動表示ゲームの結果態様に関する情報を含む始動口入賞演出図柄コマンドや、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む始動口入賞演出コマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される始動記憶表示41bを変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、特別結果の成立に関わる第2所定乱数(大当り乱数)を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前結果判定手段をなす。
その後、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの実行順序を記憶するための変動順序フラグとして対象の始動口入賞フラグをロードし(ステップA223)、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出する(ステップA224)。さらに、変動順序フラグを変動順序フラグセーブ領域にセーブし(ステップA225)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づいて所定の乱数を抽出し、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図11に示すように、特図普段処理では、まず、特図1保留数(第1始動記憶)と特図2保留数(第2始動記憶)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、特図1保留数と特図2保留数の両方が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA303)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA304;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA305)を行う。続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA306)、コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図普段処理を終了する。また、ステップA304にて既に客待ちデモが開始されている(ステップA304;Yes)と判定した場合は特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、特図1保留数と特図2保留数の何れかが0でない(ステップA302;No)と判定すると、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの実行順序が記憶された変動順序フラグセーブ領域から変動順序フラグをロードし(ステップA308)、変動順序フラグが特図1(第1特図変動表示ゲーム)の変動開始を示すフラグかをチェックする(ステップA309)。
そして、特図1(第1特図変動表示ゲーム)の変動開始である場合(ステップA310;Yes)は、特図1変動開始処理を行い(ステップA311)、特図普段処理を終了する。また、特図1(第1特図変動表示ゲーム)の変動開始でない場合(ステップA310:No)、すなわち特図2(第2特図変動表示ゲーム)の変動開始である場合は、特図2変動開始処理を行い(ステップA312)、特図普段処理を終了する。これにより第1始動記憶と第2始動記憶が記憶された順に消化される。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図12に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、設定された特図1停止図柄の特図1停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
その後、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA331)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される始動記憶表示41bに係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
なお、特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA312)は、処理対象を第2始動記憶として特図1変動開始処理と同様の処理を行い、第2特図変動表示ゲームの開始に関する処理を行うようになっている。また、以下に特図1変動開始処理に含まれる各処理の詳細を説明するが、特図2変動開始処理でも処理対象を第2始動記憶とした同様の処理を行う。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図13に示すように、特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかをチェックし(ステップA341)、大当りである場合(ステップA342;Yes)は、特図1の大当り図柄テーブルを設定し(ステップA343)、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA344)。次に、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し(ステップA345)、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA346)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、普電サポート中(特定遊技状態中)であるかを判定し(ステップA347)、普電サポート中である場合(ステップA347;Yes)は、高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(ステップA348)、特別結果態様の種類に従った特別遊技状態の実行態様の設定や、特別遊技状態の終了後の遊技の設定を行う停止図柄情報設定処理(ステップA350)を行う。また、普電サポート中でない場合(ステップA347;No)は、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(ステップA349)、停止図柄情報設定処理(ステップA350)を行う。その後、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行う。
一方、大当りでない場合(ステップA342;No)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA351)、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA352)。そして、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行う。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA353)を行った後、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(ステップA354)、飾り特図1コマンド(MODE)を設定して(ステップA355)、飾り特図コマンド領域にコマンドをセーブする(ステップA356)。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。その後、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアし(ステップA357)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、上述の特図1停止図柄設定処理において、結果が大当りである場合に行われる停止図柄情報設定処理(ステップA350)の詳細について説明する。図14に示すように停止図柄情報設定処理では、まず、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、図柄情報領域にセーブする処理(ステップA361)を行う。このとき、普電サポート中であるか否かにより異なる停止図柄情報テーブルを用いるようにしているので、同じ停止図柄番号であっても普電サポート中であるか否かにより取得される図柄情報が異ならせることができ、特図1表示器51の表示や表示装置41での表示から大当りの種類を類推しにくくすることができる。
次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA362)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA363)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA364)。
そして、停止図柄番号に対応する特殊演出情報を取得して特殊演出情報領域にセーブし(ステップA365)、停止図柄情報設定処理を終了する。停止図柄番号に対応する特殊演出情報を取得して特殊演出情報領域にセーブする処理(ステップA365)では、停止図柄番号を図15に示す特殊演出情報選択テーブルに参照し、対応する特殊演出情報として特殊情報1から4の何れかを選択または特殊情報を選択しないようにする。
本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる確変大当りの場合は、次回の大当りまで時短状態となるようにされており、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる通常大当りの場合は、最大で100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となるようにされている。そして、特殊演出情報が選択される場合を、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる通常大当りの場合のみとし、変動パターン選択テーブルの切替タイミングも、最大で100回の特図変動表示ゲームを実行するまで設定可能な時短状態が終了した後となるようにしている。これにより、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が容易な時短状態で、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知が行われないようにしている。これは、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が容易な時短状態で、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知を行っても、すぐに対応する始動記憶が発生して事前報知が終了してしまい、事前報知を行う期間が短くなってしまうためである。もちろん時短状態である期間に事前報知の対象となる始動記憶が発生するようにしても良い。
特殊演出情報には、特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルを切り替えるタイミングと、切り替えた際に設定される変動パターン選択テーブルの種類が規定されている。例えば、特殊情報1の場合は、特別遊技状態の終了後、120回目となる特図変動表示ゲームについて変動パターン選択テーブルを通常時用から特殊1に切り替える旨の情報が規定されている。なお、切替タイミングの種類を増やしてパターンを複雑にするほど遊技者が切替タイミングを類推しにくくなり、より興趣を高めることができる。
図16から図20には変動パターン選択テーブルを示した。図16に示す変動パターン選択テーブルは、特殊1から4の変動パターン選択テーブルが用いられない通常時に用いられる変動パターン選択テーブルである。この変動パターン選択テーブルが用いられる場合であって結果が大当りの場合は、リーチ状態となる変動パターンのみが選択される。また、結果がはずれとなる場合はリーチなしの変動パターンを含む全ての変動パターンが選択可能である。
図17に示す変動パターン選択テーブルは、特殊1の変動パターン選択テーブルである。この変動パターン選択テーブルでは、結果にかかわらずリーチ状態となる変動パターンのみが選択可能となっている。よって、特殊演出情報として特殊情報1が設定された場合は、特別遊技状態の終了後、120回目となる特図変動表示ゲームについて特殊1の変動パターン選択テーブルが用いられ、この特図変動表示ゲームでは必ずリーチ状態となる。このため、120回目となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の発生前から、当該始動記憶についての事前報知(例えば、リーチ状態となる旨の報知)を行うことが可能となる。
また、図18には、特殊2の変動パターン選択テーブルを示した。この変動パターン選択テーブルでは、結果にかかわらずSP1リーチ状態となる変動パターンのみが選択可能となっている。さらに、図19に示す特殊3の変動パターン選択テーブルでは、結果にかかわらずSP2リーチ状態となる変動パターンのみが選択可能となっており、図20に示す特殊4の変動パターン選択テーブルでは、結果にかかわらずSP3リーチ状態となる変動パターンのみが選択可能となっている。なお、これらの変動パターン選択テーブルは、遊技状態ごと、始動記憶数ごとなど複数用意しても良い。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA328)の詳細について説明する。図21に示すように特図情報設定処理では、まず、準備したフラグ(ここでは特図1変動フラグ)を対象の特図を示すフラグとして図柄判別フラグ(作業用)領域にセーブする(ステップA371)。
次に、情報生成パラメータ1として、対象の特図保留数をロードし(ステップA372)、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定する(ステップA373)。そして、普電サポート中(時短状態中)でない場合(ステップA373;No)は、情報生成パラメータ2として特殊演出情報をロードし(ステップA374)、情報生成パラメータ3として普電サポートなしの値を設定する(ステップA375)。また、普電サポート中(時短状態中)である場合(ステップA373;Yes)は、特図変動表示ゲームが高確率時であるかを判定し(ステップA376)、高確率時でない場合は(ステップA376;No)は、情報生成パラメータ3として、低確率、普電サポート中の値を設定する(ステップA377)。また、高確率時である場合は(ステップA376;Yes)は、情報生成パラメータ3として、高確率、普電サポート中の値を設定する(ステップA378)。
以上の処理によって、情報生成パラメータ1から3を設定した後、情報生成パラメータ1と3を元に前半変動情報1を生成して前半変動情報1領域にセーブし(ステップA379)、情報生成パラメータ2を元に前半変動情報2を生成して前半変動情報2領域にセーブする(ステップA380)。前半変動情報とは、変動パターンのうちリーチ状態となるまでの前半変動パターンを決定するための情報である。そして、前半変動情報1は、結果がはずれでありリーチ状態とならない場合の前半変動情報である。この前半変動情報1は特図保留数も考慮して前半変動パターンが決定されるため、情報生成パラメータ1と3を元に生成される。また、前半変動情報2は、結果がはずれでありリーチ状態となる場合や結果が大当りとなる場合の前半変動情報である。この前半変動情報2は特図保留数を考慮せずに前半変動パターンが決定される。なお、この前半変動情報1、2を生成した時点ではどちらが用いられるかは決定されておらず、後に他の情報生成パラメータを参照して決定される。
次に、情報生成パラメータ4として、はずれや大当りの場合の図柄に関する情報である図柄情報(作業用)をロードし(ステップA381)、情報生成パラメータ5として、特図変動表示ゲームを実行するのが特図1と2の何れであるかの情報である図柄判別フラグ(作業用)をロードする(ステップA382)。
そして、情報生成パラメータ4及び5を元に前半変動グループ情報を生成して対象の前半変動グループ情報領域にセーブする(ステップA383)。これにより、上述の前半変動情報1と2の何れを用いるかが決定されることとなる。その後、情報生成パラメータ1を元に後半変動グループ情報を生成して対象の後半変動グループ情報領域にセーブし(ステップA384)、さらに、情報生成パラメータ2、4及び5を元に後半変動グループ選択テーブルポインタを生成して準備し(ステップA385)、特図情報設定処理を終了する。
なお、情報生成パラメータ2を元に情報を生成する場合は、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数も考慮して情報を生成する。すなわち、情報生成パラメータ2をなす特殊演出情報として特殊情報1から4の何れかが設定され、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数が、設定された特殊情報で予め定められた回数となる場合は、変動グループ選択テーブルポインタの値が、設定された特殊情報で予め定められた変動パターン選択テーブル(特殊1から4)を選択する値とされる。また、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数が、設定された特殊情報で予め定められた回数とならない場合は、通常時用の変動パターン選択テーブルを選択する値とされる。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA329)の詳細について説明する。図22に示すように後半変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択テーブルポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出し、準備する(ステップA391)。
そして、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックし(ステップA392)、はずれ図柄情報でない場合(ステップA393;No)は、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA396)。また、はずれ図柄情報である場合(ステップA393;Yes)は、対象の後半変動グループ情報領域から後半変動グループ情報をロードする(ステップA394)。さらに、後半変動グループ情報に対応するアドレスを追加算出して変動グループ選択テーブルとして準備し(ステップA395)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA396)。これにより、大当りの場合とはずれの場合とで変動パターン選択テーブルを異ならせることが可能となる。
その後、2バイト振り分け処理(ステップA397)を行い、振り分けた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA398)。次に、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA399)、振り分け処理(ステップA400)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA401)。その後、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブして(ステップA402)後半変動パターン設定処理を終了する。
このような処理により、特殊演出情報として特殊情報1から4の何れかが設定され、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数が、設定された特殊情報で予め定められた回数となる場合は、設定された特殊情報で予め定められた変動パターン選択テーブル(特殊1から4)が選択される。これにより、設定された特殊情報で予め定められた回数となる特図変動表示ゲームの変動パターンを、当該特殊情報で予め定められた変動パターンとすることが可能となる。
以上のことから、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数に基づき、変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム実行態様制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1所定乱数(変動パターン乱数1から3)に基づき、変動表示ゲームの実行に使用する変動パターンを設定する変動パターン設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する変動表示ゲーム情報決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特殊演出情報を設定することにより、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段をなす。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図23に示すように、大当り終了処理では、まず、確率変動判定フラグが高確率突入フラグであるかをチェックする(ステップA411)。高確率突入フラグは、確率状態を高確率状態とする特別結果が選択された場合に設定されるフラグである。確率変動判定フラグが高確率突入フラグでない場合(ステップA412;No)、すなわち、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる場合は、大当り終了設定処理1を行う(ステップA413)。また、確率変動判定フラグが高確率突入フラグである場合(ステップA412;Yes)、すなわち、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA414)。
大当り終了設定処理1又は2を行った後、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA415)、コマンド設定処理を行う(ステップA416)。さらに、特殊演出情報をロードしてコマンド送信領域にセーブし(ステップA417)、コマンド設定処理を行う(ステップA418)。これにより、演出制御装置300に確率情報及び特殊演出情報に関する情報が送信される。そして、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップA419)、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理3(ステップA419)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
〔大当り終了設定処理1〕
図24には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA413)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA421)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA422)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA423)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA424)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率、時短フラグをセーブし(ステップA425)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA426)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に特殊演出情報をセーブし(ステップA427)、時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブして(ステップA428)、大当り終了設定処理1を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図25には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA414)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、高確率時の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA431)、高確率時の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA432)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA433)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA434)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブし(ステップA435)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA436)。その後、時短変動回数領域をリセットして(ステップA437)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果の発生まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別結果が発生する確率状態を、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定する確率制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、所定期間に亘り、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)が開状態に状態変換する時間を通常よりも延長する開放時間延長状態(時短状態)を発生する開放時間延長状態発生手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図26に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
図27には、図26に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行い、1stシーン制御処理を終了する。
〔保留数コマンド受信処理〕
図28には、図27に示す1stシーン制御処理における保留数コマンド受信処理(ステップB77)を示した。この保留数コマンド受信処理では、特図始動記憶の増減に応じて始動記憶表示41bの表示を増減させる処理の他、設定された特殊情報で予め定められた回数となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態で、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する報知を行う事前報知の制御に関する処理も行う。
この保留数コマンド受信処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを確認し(ステップB81)、飾り特図保留数コマンドを受信したかを判定する(ステップB82)。そして、飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB82;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB82;Yes)は、オーバーフローコマンドであるかを判定する(ステップB83)。
そして、オーバーフローコマンドである場合(ステップB83;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、オーバーフローコマンドでない場合(ステップB83;No)は、飾り保留数コマンドの対象が特図1であるかを判定する(ステップB84)。飾り保留数コマンドの対象が特図1である場合(ステップB84;Yes)、すなわち第1始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得し(ステップB85)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB86)。次に、差分を算出して特図1保留数記憶領域の値を更新し(ステップB87)、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定して(ステップB88)、対象保留発生時処理を行う(ステップB93)。
一方、飾り保留数コマンドの対象が特図2である場合(ステップB84;No)、すなわち第2始動記憶の増減に基づき送信された飾り保留数コマンドである場合は、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(ステップB89)、今回受信した飾り特図保留数コマンドに基づく値を取得する(ステップB90)。次に、差分を算出して特図2保留数記憶領域の値を更新し(ステップB91)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定して(ステップB92)、対象保留発生時処理を行う(ステップB93)。
以上の処理により、特図始動記憶数(保留数)の増減に応じて始動記憶表示41bの表示の増減が行われる。すなわち、演出制御装置300が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶の数を遊技者に認識可能に報知する始動記憶報知手段をなす。なお、始動記憶報知手段は、始動記憶表示領域41aでの表示の制御を行うことで始動記憶数を遊技者に報知する。また、演出制御装置300が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示制御を行う始動記憶表示制御手段をなすとも言える。
事前報知の対象となっている始動記憶が発生した際の処理を行う対象保留発生時処理(ステップB93)を行った後、普図状態を確認し(ステップB94)、所定状態であるかを判定して(ステップB95)、所定状態である場合(ステップB95;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、所定状態でない場合(ステップB95;No)は、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知の設定に関する処理として、特殊演出情報を確認する(ステップB96)。この所定状態とは、普図変動表示ゲームが当りとなり普通変動入賞装置37が開状態に変換されている状態である。この状態では複数の特図始動記憶が容易に発生するため、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知を行っても、すぐに対応する始動記憶が発生してしまい事前報知が終了してしまうので事前報知を行わない。
特殊演出情報を確認した後(ステップB96)、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認する(ステップB97)。特殊演出情報は特別遊技状態の終了時に遊技制御装置100から送信されており、演出制御装置300では、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数を計数することで、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認することが可能となる。そして、変更の対象でない場合(ステップB98;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、変更の対象である場合(ステップB98;Yes)は、事前報知として、変更される変動パターン選択テーブルの内容に基づく保留発生時予告を設定し(ステップB99)、保留発生時予告実行フラグをセットして(ステップB100)、保留数コマンド受信処理を終了する。
以上の処理により、設定された特殊情報で予め定められた回数となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態で、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する報知を行う事前報知が行われることとなる。これにより、始動記憶がなくても、遊技者に対して予告を実行することが可能となり、斬新な予告演出を行うことができる。また、遊技者が、対応する始動記憶を発生させようとするので、遊技機の稼働率を向上することができる。
すなわち、演出制御装置300が、事前決定手段(遊技制御装置100)の決定に基づき、所定の始動記憶の発生前に当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を行う事前報知手段をなす。また、演出制御装置300が、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に対する事前報知の報知態様として、複数の報知態様から一の報知態様を選択し、事前報知を実行する報知態様選択手段をなす。
〔対象保留発生時処理〕
図29には、図28に示す保留数コマンド受信処理における対象保留発生時処理(ステップB93)を示した。この対象保留発生時処理では、まず、事前報知を行っている場合にセットされる保留発生時予告実行フラグを確認し(ステップB111)、フラグセット状態でない場合(ステップB112;No)は、対象保留発生時処理を終了する。また、フラグセット状態である場合(ステップB112;Yes)は、保留発生予告表示の状態を確認し(ステップB113)、変動パターン選択テーブルの変更の対象となる保留が発生済みであるかを確認する(ステップB114)。
そして、発生済みでない場合(ステップB115;No)は、対象保留発生時処理を終了する。また、発生済みである場合(ステップB115;Yes)は、変動パターン選択テーブル変更対象保留に対する表示を詳細予告表示に切替設定し(ステップB116)、保留発生時予告実行フラグをクリアして(ステップB117)、対象保留発生時処理を終了する。詳細予告表示は、事前報知の対象とされた所定の始動記憶に基づいて実行される特図変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識可能に報知する表示である。このように事前報知を行っている始動記憶が発生した場合に詳細予告表示に切り替えることで、始動記憶を発生させた遊技者に特典を与えることができ、止め打ちを防止できる。
以上のことから、事前報知手段(演出制御装置300)は、事前報知に対応する所定の始動記憶が発生した場合に、当該所定の始動記憶に対応する始動記憶表示41bにおいて当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識可能に報知するようにしたこととなる。
〔変動中処理〕
図30には、図27に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報である演出ボタン関連情報をクリアし(ステップB122)、可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB124)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB125)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB126)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、時短状態とする期間や変動パターン選択テーブルを切り替えるタイミング等を演出制御装置300で管理する変動回数管理処理(ステップB127)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB128)を行う。そして、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB129)、事前報知が行われている場合にセットされる保留発生時予告実行フラグを確認する(ステップB132)。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB121;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB130)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB130;No)は、保留発生時予告実行フラグを確認する(ステップB132)。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB130;Yes)は、シーンデータ設定処理(ステップB131)を行い、保留発生時予告実行フラグを確認する(ステップB132)。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な変動表示領域の表示制御を行う変動表示制御手段をなす。
そして、保留発生時予告実行フラグを確認し(ステップB132)、保留発生時予告実行フラグがない場合(ステップB133;No)は、変動中処理を終了する。また、保留発生時予告実行フラグがある場合(ステップB133;Yes)は、特図変動表示ゲームの進行状況に応じた更新設定を行い(ステップB134)、変動中処理を終了する。この処理により、事前報知の表示態様を、実行中の特図変動表示ゲームの進行に応じて変更することが可能となる。この変更の際には、実行中の事前報知の表示態様よりも、遊技者が変動パターンを認識容易となる表示態様に変化させるようになっている。これにより、遊技者が早く事前報知がなされている始動記憶を発生させようとするので止め打ちを抑制できる。
図31、図32には、表示装置41での表示の一例を示した。なお、図31、図32に示す例では、特殊演出情報として特殊情報2が設定されており、特別遊技状態の終了後、150回目となる特図変動表示ゲームについて変動パターン選択テーブルが通常時用(図16参照)から特殊2(図18参照)に切り替えられるようになっているものとする。
表示装置41における表示領域の下部に表示される始動記憶表示領域41aには、始動記憶と一対一に対応する始動記憶表示41bが表示される。この始動記憶表示41bは、左端が最も古い始動記憶に対応するものであり、特図変動表示ゲームが開始されて始動記憶が消化されることに伴い、一つずつ左側へ移動するようになっている。
図31(a)において実行中の特図変動表示ゲームは、特別遊技状態の終了後から数えて146回目の特図変動表示ゲームである。そして、147回目と148回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が存在する状態となっている。この状態から、図31(b)に示すように149回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると、未だ発生していない150回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶に対応する始動記憶表示41bが表示される領域で事前報知が行われる。この事前報知では、始動記憶表示41bが表示される領域を点線で囲む表示を行うとともに、内側に当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報(ここでは「?」)を表示する事前報知表示41cが表示される。このように、事前報知を始動記憶表示41bが表示される領域において行うようにしたことで、その始動記憶を発生させたら何かが発生するということを効果的に報知できる。
この事前報知の開始は、149回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した際に、図28に示した保留数コマンド受信処理において次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象と判定される(ステップB98;Yes)ことで開始される。このとき、変更される変動パターン選択テーブルの内容に基づく保留発生時予告を設定する処理(ステップB99)において、対象の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報として表示する内容(ここでは「?」)が設定される。
事前報知の表示態様の種類には、「?」や「何かが起きる?」などのメッセージを表示し、遊技者によっては情報の内容を理解できず、変動パターンを遊技者が認識困難なものや、リーチの名称を表示したり、リーチに登場するキャラクタを表示したりするなどして、遊技者が変動パターンの内容をほぼ確実にわかるように報知する認識容易なものなど様々なものが用意されている。この事前報知の報知態様は実行中の特図変動表示ゲームの進行に応じて変更可能であって、この例では、図31(c)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームがリーチ状態となった際に報知態様が「?」から「リーチ」に変更されている。さらに、図31(d)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームでのリーチ状態の発展に伴い、報知態様が「リーチ」から「SPリーチ」に変更されている。
報知態様の変化は、事前報知の対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易となるように変化するようになっている。すなわち、この例において、事前報知の対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、特殊2の変動パターン選択テーブルが用いられることから、変動パターンがSP1リーチとなることが事前に決定されている。そこで、まず事前報知の開始時では変動パターンの認識が困難な報知態様である「?」として当該始動記憶で何かが起こることを示唆し、その後、報知態様を「リーチ」としてリーチ状態となることを示唆し、さらに、報知態様を「SPリーチ」としてSPリーチとなることを明確に報知するようにしている。この事前報知の変化は、図30に示す変動中処理における特図変動表示ゲームの進行状況に応じた更新設定を行う処理(ステップB134)において、所定のタイミングとなった際に報知態様を変更することで行われる。
このように、特図変動表示ゲームの進行に応じて、実行中の事前報知の報知態様を、当該実行中の報知態様よりも所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易な報知態様に切り替えるので、止め打ちを抑制できる。すなわち、ゲームが進行すると遊技者が止め打ちすることがあるが、進行に応じて事前報知の内容が認識しやすくなっていくため、早く事前報知がなされている始動記憶を発生させようとするので止め打ちを抑制できる。
また、図32(a)に示すように事前報知が行われている状態で、実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となる場合は、図32(b)に示すように、事前報知の報知態様を特別結果に対するメッセージに切り替えるようにする。この場合は、特別結果の発生により、事前報知を行っている特図始動記憶が特別遊技状態の終了から所定回数目の特図変動表示ゲームでなくなってしまう場合であり、このような場合に、事前報知の報知態様を特別結果に対するメッセージに切り替えることで、違和感なく事前報知を終了することができる。
なお、事前報知表示41cを全体に拡大して、当該事前報知表示41cが対応する特図始動記憶の内容を示唆していたものではなく、単に実行中の特図変動表示ゲームの演出の一部であったことを強調するようにして、違和感なく事前報知を終了するようにしても良い。また、既に事前報知に対応する特図始動記憶が発生済みであった場合は、特別結果の発生により事情が変わったことを報知しても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に記憶される始動記憶の数を遊技者に認識可能に報知する始動記憶報知手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する変動表示ゲーム情報決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム情報決定手段は、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段(遊技制御装置100)を有し、始動記憶報知手段は、事前決定手段の決定に基づき、所定の始動記憶の発生前に当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を行う事前報知手段(演出制御装置300)を有していることとなる。
また、事前決定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの変動パターンを事前に決定可能とし、事前報知手段は、所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動パターンを示唆する事前報知を行うようにしていることとなる。
また、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、変動表示装置(表示装置41)の表示領域の一部に設定される始動記憶表示領域41aにおいて、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶毎に対応する始動記憶表示41bを表示し、事前報知手段(演出制御装置300)は、始動記憶表示領域41aのうち、所定の始動記憶が発生した場合に始動記憶表示41bが表示される領域において、事前報知を行うようにしていることとなる。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、変動表示ゲームの実行に関わる第1所定乱数に基づき、変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム実行態様制御手段(遊技制御装置100)を有し、変動表示ゲーム実行態様制御手段は、第1所定乱数に基づき、変動表示ゲームの実行に使用する変動パターンを設定する変動パターン設定手段(遊技制御装置100)と、各々の選択確率が相互に異なるように設定された複数の変動パターンをそれぞれ含む複数の変動パターン選択テーブルと、を備え、変動パターン設定手段は、複数の変動パターン選択テーブルのうち、いずれかの変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、所定条件が成立した場合には、複数の変動パターン選択テーブルのうち、特定変動パターンのみを含む特定変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、事前決定手段(遊技制御装置100)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報として、当該変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを決定し、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる所定の始動記憶の発生前に、当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを事前報知するようにしていることとなる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に対する事前報知の報知態様として、複数の報知態様から一の報知態様を選択し、事前報知を実行する報知態様選択手段(演出制御装置300)を備え、報知態様選択手段は、変動表示ゲームの進行に応じて、実行中の事前報知の報知態様を、当該実行中の報知態様よりも所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易な報知態様に切り替えるようにしたこととなる。
なお、上述の実施形態では、未だ発生していない所定の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンを事前に決定して報知するようにしたが、これに限られるものではなく、変動表示ゲームの実行に関連する情報を事前報知するものであれば良い。例えば、特図変動表示ゲームの開始時に行われるステップアップ予告などの予告種類や、ステージ(背景)の種類、登場するキャラクタの種類、モード種類等に関する情報を事前に決定して報知するようにしても良い。
また、事前報知を始動記憶表示領域41aで行うようにしたが、これに限られるものではなく、表示装置41における別の表示領域や別途の表示装置で行うようにしても良い。また、事前報知の実行態様も表示によるものに限られず、音声やランプ、LEDの点灯などで行うようにしても良い。
また、図28に示す保留数コマンド受信処理では、次に発生する保留が変動パターン選択テーブル変更の対象かを確認するようにしているが(ステップB97)、変更対象の特図始動記憶よりも複数個手前の特図始動記憶の発生時に事前報知を開始するようにしても良い。ただし、図31に示したように、事前報知を始動記憶表示領域41aに表示することで行う場合は、変更対象の特図始動記憶に対応する始動記憶表示が始動記憶表示領域41aに表示可能な状態となってから事前報知を行うようにする。
また、事前報知を行っている場合に遊技者が遊技をやめた場合は、事前報知を終了するようにしても良いし、詳細予告表示に切り替えるようにしても良い。遊技者が遊技をやめたか否かの判定は、例えば、操作部24の操作の有無や、所定期間における始動入賞口36等への入賞の有無などにより行う。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、変更対象の特図始動記憶よりも複数個手前の特図始動記憶の発生時に事前報知を開始するようにしている。
図33には、変動パターン選択テーブルを切り替える特図変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から150回目となる特図変動表示ゲームである場合における事前報知の開始パターンを示した。この図で、白丸はすでに記憶されている始動記憶を示し、黒丸は今回発生した始動記憶を示す。また、点線の丸は未だ発生していない始動記憶を示す。
例えば、パターン番号1から4は、テーブル切替対象となる150回目の特図変動表示ゲームよりも4つ前となる146回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合を示している。そして、パターン番号1から4は、146回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合にすでに存在していた特図始動記憶の数が異なるものである。すなわち、パターン番号1は特図始動記憶が3つある状態で146回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合を示し、パターン番号4は特図始動記憶がない状態で146回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合を示している。
同様に、パターン番号5から8には147回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合、パターン番号9から12には148回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合、パターン番号13から15には149回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した場合を示している。
そして、それぞれの場合における事前報知の実行確率も定められており、例えば、パターン番号1の場合は40%の確率で事前報知を実行する。また、パターン番号12の場合は100%の確率で事前報知を実行する。この事前報知の実行確率は、事前報知を行った場合に、当該事前報知の対象となる特図始動記憶を発生させようとして遊技者が遊技球を発射する可能性の高さが高いほど確率が高くなるようにしている。すなわちこの例では、時短状態ではないので特図始動記憶は主に第1始動記憶のみで構成されるため、例えば、パターン番号1である場合はオーバーフローとなってしまう可能性が高く、事前報知を行っても遊技球を発射する可能性は低いため、事前報知の実行確率も低くされている。これに対して、例えばパターン番号16である場合は、始動記憶が一つしかないため事前報知を行った際に遊技球を発射する可能性が高く、事前報知の実行確率も高くされている。このように複数の始動記憶をまたがって事前報知ができるようにすることで、興趣を向上することができる。
〔保留数コマンド受信処理〕
このような制御を行うため、図28に示した保留数コマンド受信処理に替えて図34に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、事前報知に関する処理が異なっており、普図状態が所定状態でない場合(ステップB95;No)に、保留発生時予告中(事前報知中)であるかを判定する(ステップB141)。そして、保留発生時予告中である場合(ステップB141;Yes)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、保留発生時予告中でない場合(ステップB141;No)は、特殊演出情報を確認し(ステップB96)、発生した始動記憶が変動パターン選択テーブルの切り替え対象まで5ゲーム以内であるかを確認する(ステップB142)。
発生した始動記憶が変動パターン選択テーブルの切り替え対象まで5ゲーム以内でない場合(ステップB143;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、発生した始動記憶が変動パターン選択テーブルの切り替え対象まで5ゲーム以内である場合(ステップB143;Yes)は、保留状態に基づき保留発生時予告(事前報知)の実行を抽選する(ステップB144)。
なお、ここでは、発生した始動記憶が変動パターン選択テーブルの切り替え対象まで5ゲーム以内であるかを判定している。よって、始動記憶数が減少した際に行われる保留数コマンド受信処理では、発生した始動記憶がないため、5ゲーム以内でない(ステップB143;No)と判定され、以下の事前判定の抽選処理は行われない。ただし、始動記憶が減少する際にも以下の事前判定の抽選処理を行うようにしても良い。
保留状態に基づき保留発生時予告(事前報知)の実行を抽選する処理(ステップB144)では、現在の保留状態が図33の何れのパターンに対応するかを確認し、対応するパターンでの事前報知実行確率に従い、事前報知を実行するか否かを抽選する。そして、保留発生時予告(事前報知)を実行しない場合(ステップB145;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、保留発生時予告(事前報知)を実行する場合(ステップB145;Yes)は、保留発生時予告(事前報知)を設定し(ステップB146)、保留発生時予告実行フラグをセットして(ステップB100)、保留数コマンド受信処理を終了する。
図35には、事前報知をなす保留発生時予告の実行の一例を示した。また、図36には、この例に対応する表示装置41での表示を示した。この例は、特別遊技状態の終了から150回目の特図変動表示ゲームが変動パターン選択テーブルの切り替え対象であり、146回目の特図変動表示ゲームの実行中に特図始動記憶が0個から4個になる例である。なお、図35中に示す(a)から(c)は図36の(a)から(c)に対応している。
現在実行中である146回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生した際には、図33に示すパターン番号1から4の何れかの状態となっているが、この際には事前報知の実行が選択されていない。よって、146回目の特図変動表示ゲームが開始されて特図始動記憶がない状態(図35のt1まで)では、事前報知は行われていない。そして、147回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると(図35のt1)、事前報知を行うか否かの抽選が行われる。このときの保留状態は、図33に示すパターン番号8の状態であり、80%の確率で事前報知の実行が選択されるが、この例では事前報知の実行は選択されていないため、事前報知は行われていない。
その後、148回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると(図35のt2)、事前報知を行うか否かの抽選が行われる。このときの保留状態は、図33に示すパターン番号11の状態であり、80%の確率で事前報知の実行が選択されるようになっており、ここでは事前報知の実行が選択されている。これにより、事前報知が開始され、図36(a)に示すように事前報知表示41cが表示される。
この事前報知の開始時には、変動パターン選択テーブルの切り替え対象である150回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶の前に発生する先行始動記憶である149回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶も未だ発生していない。このため、事前報知の対象である特図始動記憶に加え、未だ発生していない先行始動記憶も始動記憶表示41bが表示される領域を点線で囲む事前報知表示41cとされる。さらに、変動パターン選択テーブルの切り替え対象となる150回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶に対する事前報知については、当該特図始動記憶が発生すれば何らかの変化が起こることを報知する表示(ここでは「ここまでくれば…?」の表示)が行われる。
この後、149回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると(図35のt3)、図35(b)に示すように、点線で囲む事前報知表示41cで表示されていた対応する領域に始動記憶表示41bが表示される。さらに、150回目の特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が発生すると(図35のt4)、図35(c)に示すように、点線で囲む事前報知表示41cで表示されていた対応する領域に始動記憶表示41bが表示されるとともに、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報が表示される。
なお、図36(d)に示すように、変動パターン選択テーブルの切り替え対象となる特図始動記憶についての事前報知表示41cにおいて、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンをルーレットにより表示するようにしても良い。このルーレットには複数の変動パターンや結果の情報が領域ごとに記載されており、各領域が順次他の領域とは異なる表示色となる変動表示を行った後、報知する情報が表示された領域の表示色が異なる状態で停止することで報知を行うようになっており、図36(d)ではSPリーチとなることが報知されている。
以上のことから、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶よりも前に発生する先行始動記憶の発生前に、事前報知を実行可能に構成されていることとなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み結果の報知を事前報知と同様の表示態様で行うようにしている。すなわち、先読み結果を報知する先読み演出の対象となる特図始動記憶について、始動記憶表示41bではなく事前報知表示41cと同様の擬似事前報知表示41dを行うようにしている。
〔特図保留情報判定処理〕
本変形例の遊技機では、図10に示した特図保留情報判定処理において図37に示す処理を行う。この特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図37に示すように、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェック(ステップA441)を行い、満たしていない場合(ステップA442;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップA442;Yes)は、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA443)を行う。なお、先読み演出を実行してよい条件とは、特別遊技状態(大当り)中でないことや、先行して先読み演出が実行されていないこと、などが考えられるが、特に条件を設けない構成でもよい。
そして、判定結果が大当りである場合(ステップA444;Yes)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA445)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA446)を行う。その後、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA448)を行う。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA444;No)は、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA447)、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA448)を行う。
設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、図柄情報(作業用)領域にセーブする処理(ステップA448)を行った後、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA449)。次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA450)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA451)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA452)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA453)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA454)を行う。なお、ステップA452における特図情報設定処理、ステップA453における後半変動パターン設定処理、ステップA454における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA455)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA456)、コマンド設定処理(ステップA457)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA458)、コマンド設定処理(ステップA459)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA455、A456にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA458にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される始動記憶表示41bを変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、特別結果の成立に関わる第2所定乱数(大当り乱数)を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前結果判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔保留数コマンド受信処理〕
また、図34に示した保留数コマンド受信処理に替えて図38に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、オーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB83;Yes)に、更新遅延情報をクリアする処理を行い(ステップB151)、保留数コマンド受信処理を終了する。
また、事前報知に関する処理として、先読み反映処理(ステップB152)を行うようにしている。図39に示すように、先読み反映処理では、まず、受信した最新の特図保留数コマンドに対応する先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)を受信済みかを確認する(ステップB161)。
そして、先読みコマンドを受信済みでない場合(ステップB162;No)は、先読み反映処理を終了する。なお、始動記憶数が減少する場合も先読みコマンドを受信しないので、先読み反映処理を終了する。また、先読みコマンドを受信済みである場合(ステップB162;Yes)は、コマンド内容を確認し(ステップB163)、先読み結果が大当りであるかを判定する(ステップB164)。
先読み結果が大当りでない場合(ステップB164;No)は、先読み結果がSPリーチ3であるかを判定し(ステップB170)、SPリーチ3でない場合(ステップB170;No)は、先読み反映処理を終了する。また、SPリーチ3である場合(ステップB170;Yes)は、以下の先読み演出に関する処理を実行する所定条件が成立したかの判定(ステップB165)を行う。一方、先読み結果が大当りである場合(ステップB164;Yes)は、所定条件が成立したかの判定を行う(ステップB165)。
そして、所定条件が成立していない場合(ステップB165;No)は、先読み反映処理を終了する。この所定条件が成立していない場合とは、例えば、SPリーチ中などで始動記憶表示41bが表示装置41に表示されていない場合や、連続して複数の始動記憶が発生した場合、始動記憶数が所定数以下の場合(例えば2個以下)などである。また、所定条件が成立している場合(ステップB165;Yes)は、始動記憶表示41bの更新遅延抽選を行い(ステップB166)、始動記憶表示41bの表示の遅延を実行するかを判定する(ステップB167)。
始動記憶表示41bの表示の遅延を実行しない場合(ステップB167;No)は、先読み反映処理を終了する。また、始動記憶表示41bの表示の遅延を実行する場合(ステップB167;Yes)は、対応する特図保留数表示データの更新遅延情報を設定し(ステップB168)、オーバーフロー情報をクリアして(ステップB169)、先読み反映処理を終了する。
対応する特図保留数表示データの更新遅延情報を設定することで、対応する始動記憶表示41bが非表示となり、代わりに擬似事前報知表示41dが表示されるようになる。この更新遅延情報は、上述したようにオーバーフロー入賞が発生してオーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB83;Yes)にクリアされるようになっている。この更新遅延情報がクリアされることで対応する始動記憶表示41bが表示されるようになる。しかし、先読み演出の対象であって更新遅延情報が設定された特図始動記憶と連続してオーバーフロー入賞が発生すると、すぐに始動記憶表示41bが表示される状態となってしまい、表示を遅延させた意味がなくなってしまう。このため、先読み反映処理ではオーバーフロー情報をクリアする処理(ステップB169)を行うようにして、すぐに始動記憶表示41bが表示されないようにしている。
図40には、始動記憶表示41bの表示が遅延される場合の一例を示した。また、図41には、この例に対応する表示装置41での表示を示した。この例では、図41(a)に示すように特図始動記憶が3つある状態で、先読み処理で大当りとなると判定された特図始動記憶が発生しており(図40のt11)、この特図始動記憶について始動記憶表示41bの表示の遅延が設定されている。なお、図40中の(a)から(c)は図41の(a)から(c)に対応している。
これにより、図41(b)に示すように、当該特図始動記憶に対応して擬似事前報知表示41dが表示される(図40のt11からt12)。すなわち、図40に示すように、この状態では、特図始動記憶数は4つであるが、表示装置41に表示される特図始動記憶数表示41bは3つとされる。また、擬似事前報知表示41dとされた特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報の報知状態が曖昧報知とされる。これは、当該特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を明確には報知しない状態であり、例えば、図41(b)に示すような「!」の表示とされる。なお、一括表示装置50における始動記憶数報知用の記憶表示部での表示は、実際の特図始動記憶数に対応した表示となっている。
そして、オーバーフロー入賞が発生すると(図40のt12)、図41(c)に示すように、擬似事前報知表示41dから始動記憶表示41bに表示が変更される。さらに、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報の報知状態が具体的報知とされる。これは、当該特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を曖昧報知の場合よりも明確に示唆する状態であり、例えば、図41(c)に示すような「激熱」の表示とされる。なお、明確に大当りの報知を行うようにしても良い。そして、図41(d)に示すように、当該特図変動表示ゲームで特別結果が導出される。
このようにすることで、既に発生した始動記憶についての先読み予告を、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知のように行うことができ、例えば、事前報知により大当りの発生を予告できるようになり、事前報知の期待感を高めることができる。
以上のことから、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、特別結果の成立に関わる第2所定乱数(大当り乱数)を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段によって前記特別結果が導出されると判定された始動記憶に対応する始動記憶表示41bを非表示とすることが可能であり、事前報知手段(演出制御装置300)は、非表示とされた始動記憶表示41bが表示される場合に使用される領域において、遊技者が事前報知と同様の報知であると認識可能な報知を実行するようにしたこととなる。
なお、始動記憶表示41bの遅延の解除の条件をオーバーフロー入賞の発生としたが、所定時間の経過や、次の特図始動記憶の発生により解除するようにしても良い。また、始動記憶表示41bの表示の遅延の対象となる特図始動記憶の発生タイミングを分かりにくくすることで遅延されていることが認識しにくくなり、遊技の興趣を高めることができる。特図始動記憶の発生タイミングを分かりにくくする方法としては、例えば、ステージ上で遊技球を検出したことに基づき、表示装置41や演出装置で遊技者の気を惹きつける表示(例えば、派手な演出や強い光の照射)を行うようにする。
また、任意のタイミングで未だ発生していない特図始動記憶の事前報知を行い、事前報知に対応する特図始動記憶が発生した際に、当該特図始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示を遅延させるようにしても良い。特に、高確率状態である場合にこのような表示を行うことで、任意に事前報知を行った特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性も高く、効果的である。
また、先読み処理において、先読み処理の対象となっている特図始動記憶より前の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行により、遊技状態の変化が起こる場合は、変化した後の遊技状態での先読み処理を行うようにしても良い。遊技状態の変化とは、確率状態の変化や、変動パターン選択テーブルの変化等である。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の第2変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、事前報知として、第1始動記憶と第2始動記憶の発生順序を指定する打ち分け指示パターンを実行可能であり、指定通りに特図始動記憶が発生した場合に遊技者に特典を与えるようにしている。
図42には、変動パターン選択テーブルを切り替える特図変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から150回目となる特図変動表示ゲームである場合における事前報知の開始パターンを示した。このうち、パターン番号3、4及び8では、第1始動記憶と第2始動記憶の発生順序が指定される打ち分け指示パターンの実行を選択可能となっている。このほかのパターン番号については図33と同じである。
打ち分け指示パターンの実行が選択された場合には、図43に示す打ち分けパターン選択テーブルに基づき打ち分け態様が選択される。例えば、打ち分けパターン1が選択された場合は、特図1(第1始動記憶)、特図2(第2始動記憶)、特図1の順に特図始動記憶を発生させることが指示される。このとき、打ち分けが指定される最後の特図始動記憶が変動パターン選択テーブルの切替対象の特図始動記憶となるように打ち分け指示が設定されるようになっている。そして、打ち分け指示通りに特図始動記憶が発生した場合は、特典として変動パターン選択テーブルの切替対象の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報(変動パターンや結果など)が報知される。
〔保留数コマンド受信処理〕
このような制御を行うため、図38に示した保留数コマンド受信処理に替えて図44に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、保留発生時予告(事前報知)を実行するか否かの判定(ステップB145)において、打ち分け指示パターンを実行する場合も保留発生時予告(事前報知)を実行すると判定する(ステップB145;Yes)。そして、保留発生時予告(事前報知)を実行すると判定した場合(ステップB145;Yes)に、打ち分け指示パターンを実行するかを判定する(ステップB181)。
打ち分け指示パターンを実行しない場合(ステップB181;No)は、保留発生時予告(事前報知)を設定し(ステップB146)、保留発生時予告実行フラグをセットして(ステップB100)、保留数コマンド受信処理を終了する。また、打ち分け指示パターンを実行する場合(ステップB181;Yes)は、保留発生時予告としてテーブル(打ち分けパターン選択テーブル)に基づき打ち分けパターンを設定し(ステップB182)、保留発生時予告実行フラグをセットして(ステップB100)、保留数コマンド受信処理を終了する。
図45には、打ち分け指示パターンが実行された場合の表示装置41での表示例を示した。この表示では、表示領域の中央部に始動記憶表示領域41aが設定され、始動記憶表示領域41aの上側の領域が第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示する第1表示領域41eとされている。また、始動記憶表示領域41aの下側の領域が第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示する第2表示領域41fとされている。また、第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bは第1表示領域を指す上向きの矢印で表示され、第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bは第2表示領域を指す下向きの矢印で表示される。
この例では、特図始動記憶がない状態での第1特図変動表示ゲームの実行中に第2始動記憶が発生し、当該第2始動記憶の発生に基づき事前報知として打ち分け指示パターンの実行が選択され、打ち分け態様としてパターン1が選択された場合を示している。これにより、図45(a)に示すように、第2始動記憶に対応する始動記憶表示41aと、打ち分け指示パターンに応じた事前報知表示41cが表示される。この時点で、打ち分けが指定される最後の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが、特定の変動パターンとなることや、特定の結果となることが示唆されることとなる。
そして、図45(b)に示すように、打ち分け指示パターンで指示された通りの特図始動記憶が発生すると、当該特図始動記憶に対応する事前報知表示41cが始動記憶表示41bとなる。このとき、当該特図始動記憶が指示通りの特図始動記憶であることを示すために、事前に指示がなされていない特図始動記憶に対応する始動記憶表示41bとは異なる表示とされている。
その後、図45(c)に示すように、全て指示通りに特図始動記憶が発生すると、指示を達成した旨の報知がなされるとともに、変動パターン選択テーブルの切替対象の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報が報知される。ここでは、始動記憶表示41bの表示色により、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さを報知している。
以上のことから、始動入賞領域は、第1始動入賞領域(始動入賞口36)と第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)とを備え、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞領域への入賞を第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域への入賞を第2始動記憶として記憶するように構成され、事前報知手段(演出制御装置300)は、未だ発生していない所定の始動記憶について第1始動記憶と第2始動記憶の何れを発生させるかを指定し、当該指定通りに始動記憶が発生した場合に、当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームに関する情報を報知するようにしたこととなる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、未だ発生していない所定の始動記憶よりも前に発生する先行始動記憶の発生前に、所定の始動記憶及び先行始動記憶について第1始動記憶と第2始動記憶の何れを発生させるかを指定し、所定の始動記憶及び先行始動記憶が指定通りに発生した場合に、当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームに関する情報を報知するようにしたこととなる。
なお、遊技領域32における第1始動記憶を発生する始動入賞口36と第2始動記憶を発生する普通変動入賞装置37の配置を、遊技者の意思によって何れに入賞させるかを選択可能な配置としても良い。例えば、センターケース40の左側を遊技球が流下するように発射した場合(いわゆる左打ち)には第1始動記憶を発生する始動入賞口36に入賞可能であり、センターケース40の右側を遊技球が流下するように発射した場合(いわゆる右打ち)には第2始動記憶を発生する普通変動入賞装置37に入賞可能であるようにする。また、打ち分け指示パターンを実行する際に、第2始動記憶の発生が第1始動記憶と同等に可能な状態(例えば時短状態)であれば、打ち分け指示パターン通りに特図始動記憶を発生させることができる可能性が高まるのでなお良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行するようにしている。
〔特図普段処理〕
本変形例の遊技機では、図11に示す特図普段処理に替えて図46に示す特図普段処理を行う。この特図普段処理では、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA461)。そして、特図2保留数が0である(ステップA462;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA463)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA464;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA303)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA304;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA305)を行う。続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA306)、コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA465)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA304にて既に客待ちデモが開始されている(ステップA304;Yes)と判定した場合は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA465)を行って、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1(ステップA465)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
一方、ステップA462にて、特図2保留数が0でない(ステップA462;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA312)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA467)を行って、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA467)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行う。
また、ステップA464にて、特図1保留数が0でない(ステップA464;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA311)を行い、特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA466)を行って、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA466)では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行う。
このように、ステップA461とステップA462における第2始動記憶のチェックを、ステップA463とステップA464における第1始動記憶のチェックよりも先に行うことで、第2始動記憶が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA312)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔保留数コマンド受信処理〕
また、図38に示した保留数コマンド受信処理に替えて図47に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定(ステップB92)した後、特図2保留発生時処理を行う(ステップB191)。
図48に示すように、特図2保留発生時処理では、まず、保留発生時予告中(事前報知中)であるかを判定し(ステップB201)、保留発生時予告中(事前報知中)でない場合(ステップB201;No)は、特図2保留発生時処理を終了する。また、保留発生時予告中(事前報知中)である場合(ステップB201;Yes)は、特殊演出情報を確認し(ステップB202)、発生した特図2保留(第2始動記憶)が変動パターン選択テーブル切替対象の特図変動表示ゲームを実行するかを確認する(ステップB203)。
そして、切替対象に該当する場合(ステップB204;Yes)は、発生した特図2保留の表示を詳細予告表示に設定し(ステップB205)、特図2保留発生時処理を終了する。また、切替対象に該当しない場合(ステップB204;No)は、特図2の保留発生に対応して実行中の保留発生時予告を再設定し(ステップB206)、特図2保留発生時処理を終了する。
図49には、事前報知の実行中に発生した第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが、変動パターン選択テーブルの切替対象に該当しない場合(ステップB204;No)の表示の一例を示した。なお、始動記憶表示領域41aは、左側が第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bを表示する第1始動記憶表示領域41gとされ、右側が第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bを表示する第2始動記憶表示領域41hとされている。また、第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bと、第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bは、異なる表示態様とされており、表示態様によっても何れの特図始動記憶であるかを判別可能となっている。
図49(a)に示すように、第1始動記憶が3つある状態で、未だ発生していない4つ目の第1始動記憶に対して事前報知が行われている。この状態では、事前報知の対象となっている4つ目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが変動パターン選択テーブルの切替対象となる予定である。
この状態で、図49(b)に示すように第2始動記憶が1つ発生した場合、当該第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先されるため、変動パターン選択テーブルの切替対象となる特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が3つ目の第1始動記憶にずれてしまう。このため、特図2の保留発生に対応して実行中の保留発生時予告を再設定する処理(ステップB206)を行う。この処理により、図49(c)に示すように、4つ目の第1始動記憶に対応する事前報知表示41cが、3つ目の第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bに移動し、図49(d)に示すように、3つ目の第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bで詳細予告表示(ここでは「リーチ」の表示)が行われるようになる。
また、図50には、事前報知の実行中に発生した第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが、変動パターン選択テーブルの切替対象に該当する場合(ステップB204;Yes)の表示の一例を示した。この例では、図50(a)に示すように、第1始動記憶が1つある状態で、未だ発生していない2つ目の第1始動記憶に対して事前報知が行われている。この状態では、事前報知の対象となっている2つ目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが変動パターン選択テーブルの切替対象となる予定である。その後、図50(b)に示すように、第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始され、始動記憶がない状態となっている。
この状態から第2始動記憶が発生した場合、当該第2始動記憶が変動パターン選択テーブルの切替対象となる特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶となるため、発生した特図2保留の表示を詳細予告表示に設定する処理(ステップB205)が行われる。この処理により、図50(c)に示すように、第1始動記憶に対応する事前報知表示41cが第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bに移動し、図50(d)に示すように、当該第2始動記憶表示に対応する始動記憶表示41bで詳細予告表示(ここでは「リーチ」の表示)が行われるようになる。
また、図50(e)に示すように、第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bを、第1始動記憶表示領域41gの事前報知表示41cが表示された領域に移動し、図50(f)に示すように、詳細予告表示(ここでは「リーチ」の表示)が行われるようにしても良い。なお、始動記憶表示41bの表示態様は、第2始動記憶に対応する表示態様のままとされている。
このような処理により、第1始動記憶に優先して消化される第2始動記憶が発生した際に事前報知に矛盾が生じることを防止できる。以上のことから、始動入賞領域は、第1始動入賞領域(始動入賞口36)と第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)とを備え、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞領域への入賞を第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域への入賞を第2始動記憶として記憶するように構成され、第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段(遊技制御装置100)を備え、事前報知手段(演出制御装置300)は、第2始動記憶の発生により事前報知に対応する始動記憶が変わった場合に、事前報知の対象を変更するようにしたこととなる。また、事前報知手段は、第2始動記憶の発生により事前報知に対応する始動記憶が既に発生している始動記憶に変わった場合に、当該始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームに関する情報を報知するようにしたこととなる。
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、所定条件の成立に基づいて、始動記憶表示領域41aに表示する複数の始動記憶表示41bの合体又は分離を行うことで、当該所定条件の成立を報知するようにしている。
図51には表示装置41での表示の一例を示した。図51(a)に示すように、この表示では、表示領域の上部が飾り特図変動表示ゲームを表示する変動表示領域とされ、表示領域の下部が始動記憶表示領域41aとされている。なお、図51(a)に示す状態は、飾り特図変動表示ゲームが変動表示中であり、始動記憶が8つある状態を示している。また、図51(b)に示すように、始動記憶表示領域41aにおいては、新たな始動記憶が発生すると、対応する始動記憶表示41bが右方から整列している始動記憶表示41bに向かって飛び込むように表示され、整列して表示されている右端の始動記憶表示41bに隣接する位置に整列するように表示される。
また、所定条件の成立として特定の始動記憶(特定保留)が発生した場合には、特定の始動記憶が発生したことを報知するために、始動記憶表示領域41aに表示され複数の始動記憶表示41bを合体して表示する特定保留表示を行う。ここで、特定の始動記憶とは、例えば、特別結果となる始動記憶や、特定のリーチ状態となる始動記憶である。
図51(c)に示すように、始動記憶が発生すると対応する始動記憶表示41bが右方から整列している始動記憶表示41bに向かって飛び込むように表示される。この始動記憶が特定の始動記憶である場合、対応する始動記憶表示41bが整列して表示されている右端の始動記憶表示41bに隣接する位置に達すると、図51(d)に示すように、複数の始動記憶表示41bが合体し、特定保留表示となる。合体した始動記憶表示41bは、隣接する始動記憶表示41bが連結部41iにより連結された形状となっている。
合体する始動記憶表示41bは、特定の始動記憶についての連続的な演出を行う始動記憶に対応するものであり、ここでは特定の始動記憶の3つ前の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームから、特定の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘り連続的な演出が行われることが報知されている。そして、特定保留表示で表示されている始動記憶表示41bに対応する始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される場合は、図51(e)に示すように、消化される始動記憶に対応する始動記憶表示41bが、連結部41iからちぎれて分離するように表示される。
このような表示とすることで、従来にない斬新な始動記憶表示を行うことができるとともに、合体や分離の対象となった始動記憶表示に対応する始動記憶に対する遊技者の期待感を高め、興趣を向上させることができる。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図27に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図52に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB212)、特定保留表示の実行中かをチェックする(ステップB213)。
特定保留表示の実行中である場合(ステップB213;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定保留表示の実行中でない場合(ステップB213;No)は、当該保留に関する先読み情報を取得し(ステップB214)、特定保留であるかを判定する(ステップB215)。特定保留とは、例えば、特別結果となる始動記憶や、特定のリーチ状態となる始動記憶である。この特定保留でない場合(ステップB215;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定保留である場合(ステップB215;Yes)は、保留合体表示情報を設定し(ステップB216)、先読みコマンド受信処理を終了する。保留合体表示情報には、どの始動記憶表示41bを合体するかの情報が含まれており、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定される。
〔保留表示処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、始動記憶表示領域41aでの表示の制御処理として図53に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理においては、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB221)。そして、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留数表示データがある場合(ステップB222;Yes)は、特定保留表示を実行する場合に設定される保留合体表示情報があるかをチェックする(ステップB223)。
保留合体表示情報がない場合(ステップB224;No)は、通常保留表示設定処理を行い(ステップB226)、保留表示処理を終了する。通常保留表示設定処理(ステップB226)では、始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定を行う。また、保留合体表示情報がある場合(ステップB224;Yes)は、特定保留表示設定処理を行い(ステップB225)、保留表示処理を終了する。特定保留表示設定処理(ステップB225)では、図51(c)、(d)に示すように、特定保留表示を表示する設定を行う。
以上のような処理により、図51に示したように、特定の始動記憶の発生(所定条件の成立)に基づいて、始動記憶表示領域41aに表示する複数の始動記憶表示41bの合体が行われ、当該特定の始動記憶の発生を報知することが可能となる。
なお、所定条件の成立を特定の始動記憶の発生としたが、これ以外の条件であっても良い。例えば、始動記憶数が所定数以上となることや、始動記憶数が上限数に達した状態で、さらに始動入賞領域への遊技球の入賞が検出される、いわゆるオーバーフロー入賞の発生を所定条件としても良く、複数の条件を組み合わせても良い。この場合、図52に示した先読みコマンド受信処理における特定保留であるか否かの判定(ステップB215)において、これらの条件も考慮して判定を行うようにする。
また、特定保留表示の実行中である場合(ステップB213;Yes)は、発生した始動記憶に対応する始動記憶表示41bの合体は行わないようにしたが、行うようにしても良い。この場合、例えば今回発生した始動記憶が特定の始動記憶であり、かつ、実行中の特定保留表示の発生契機となった特定の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれとなるものである場合に、今回発生した特定の始動記憶までの始動記憶表示41bを、すでに合体している始動記憶表示41bに合体させるようにしても良い。
また、第1実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後から所定回数目となる特図変動表示ゲームを特定変動パターンとし、当該特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態において、当該始動記憶に関連する情報を示唆する事前報知を行うようにしていた。本実施形態の遊技機でもこの構成を有しているが、この事前報知の構成を省き、本実施形態の構成を単独で用いることも可能である。
次に、第2実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示領域41aでの表示態様が異なる。
図54には表示装置41での表示の一例を示した。図54(a)に示すように本変形例の遊技機では、始動記憶表示41bが常に合体した状態となるようにされる。また、図54(b)に示すように特図変動表示ゲームの開始時には、消化される始動記憶に対応する始動記憶表示41bが、連結部41iからちぎれて分離するように表示される。
また、例えば、特別結果となる始動記憶や特定のリーチ状態となる始動記憶のような特定の始動記憶が存在する場合には、始動記憶表示41bの表示態様を特定保留示唆表示として他の始動記憶表示41bと異ならせることで当該特定の始動記憶の存在を示唆するようにしている。また、特定保留示唆表示から特定保留表示に変更して、特定の始動記憶の存在を明確に報知するようにしている。図55には、特定の始動記憶の存在を報知する表示態様の一例を示した。
図55に示す例での表示態様の変更タイミングは、図55(a)に示すように、始動記憶が発生して対応する始動記憶表示41bが右方から整列している始動記憶表示41bに向かって飛び込み、合体したタイミングとされている。図55(b)に示すように、既に発生していた始動記憶に特定の始動記憶があった場合は、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示態様を特定保留示唆表示とする。また、図55(c)に示すように、今回発生した始動記憶が特定の始動記憶である場合も、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bを特定保留示唆表示とする。
そして、特定保留示唆表示を行っている状態で新たな始動記憶が発生した場合は、当該特定保留示唆表示を特定保留表示に変更する。図55(d)に示すように、既に特定保留示唆表示を行っていた特定の始動記憶が擬似連変動態様となる始動記憶であった場合は、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示態様を特定保留表示に変更する。擬似連変動態様とは、特図変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するものであり、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行うものとも言える。この擬似連変動態様となる始動記憶がある場合は、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bを他の始動記憶表示41bから分離し、さらに分離した始動記憶表示41bが単位変動表示の回数を示すように変形した特定保留表示に変更する。
また、図55(e)に示すように既に特定保留示唆表示を行っていた特定の始動記憶が
特別結果となる始動記憶であった場合は、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bを他の始動記憶表示41bから分離し、特別結果となることを示す「当」の表示を行う特定保留表示に変更する。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図52に示した先読みコマンド受信処理に替えて、図56に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB212)、当該保留に関する先読み情報を取得して(ステップB214)、特定保留があるかを判定する(ステップB215)。
ここでの特定保留とは、例えば、特別結果となる始動記憶や特定のリーチ状態となる始動記憶であり、今回発生した始動記憶だけでなくすでに記憶されている始動記憶内に特定保留があるかも判定している。この特定保留がない場合(ステップB215;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定保留がある場合(ステップB215;Yes)は、特定保留示唆表示の実行中であるかを判定する(ステップB231)。この特定保留示唆表示の実行中でない場合(ステップB231;No)は、特定保留表示情報を設定し(ステップB232)、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定保留示唆表示の実行中である場合(ステップB231;Yes)は、保留表示変更情報を設定し(ステップB233)、先読みコマンド受信処理を終了する。特定保留表示情報や保留表示変更情報には、どの始動記憶表示41bをどのような表示態様とするかの情報が含まれており、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定される。
〔保留表示処理〕
また、図53に示した保留表示処理に替えて、図57に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理では、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB221)。そして、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留数表示データがある場合(ステップB222;Yes)は、特定保留表示を実行する場合に設定される特定保留表示情報があるかをチェックする(ステップB241)。
特定保留表示情報がある場合(ステップB242;Yes)は、特定保留表示設定処理を行い(ステップB247)、保留表示処理を終了する。特定保留表示設定処理(ステップB247)では、図55(b)、(c)に示すような特定保留表示を表示する設定を行う。また、特定保留表示情報がない場合(ステップB242;No)は、既に特定保留表示が行われている際に特定の始動記憶が発生した場合に設定される保留表示変更情報があるかをチェックする(ステップB243)。
保留表示変更情報がある場合(ステップB244;Yes)は、保留表示変更設定処理を行い(ステップB245)、保留表示処理を終了する。保留表示変更設定処理(ステップB245)では、例えば図55(b)に示すような特定保留表示を、図55(d)や(e)に示すような表示態様に変更する処理を行う。また、保留表示変更情報がない場合(ステップB244;No)は、通常保留表示設定処理を行い(ステップB246)、保留表示処理を終了する。通常保留表示設定処理(ステップB246)では、始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定を行う。
以上のような処理により、図55に示したように、特定の始動記憶の発生(所定条件の成立)に基づいて、始動記憶表示領域41aに表示する複数の始動記憶表示41bの表示態様の変更(形状の変更や分離)が行われ、特定の始動記憶の発生を報知することが可能となる。
なお、図55(b)、(c)に示すような特定保留示唆表示を経ずに55(d)、(e)に示すような特定保留表示を行うようにしても良い。また、特定保留示唆表示の開始条件や特定保留表示の変更条件を始動記憶の発生としたがこれに限られるものではなく、例えば、始動記憶数が所定数以上となることや、いわゆるオーバーフロー入賞の発生を所定条件としても良く、複数の条件を組み合わせても良い。また、図55に示したような特定保留示唆表示や特定保留表示を、上述した第2実施形態の遊技機において始動記憶表示41bを合体した際に行うようにしても良い。
次に、第2実施形態の第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定保留示唆表示の表示態様が異なる。
本変形例の特定保留示唆表示は、特定保留表示への変更条件が所定数の始動記憶の発生となっている。図58(a)に示すように特定保留示唆表示を行った後に、図58(b)に示すように、特定保留表示への変更条件として発生させる必要がある始動記憶数を示す発生条件表示41jがなされる。この発生条件表示41jは、特定保留表示への変更のために発生させる必要がある始動記憶のうち、未だ発生していない始動記憶の始動記憶表示41bが表示される領域に表示されるものであり、図58(b)では、残り3つの始動記憶を発生させる必要があることを報知している。
そして、図58(c)に示すように、特定保留表示への変更条件を満たす始動記憶が発生すると、特定保留示唆表示が特定保留表示へ変更される。この例では、特別結果となることを報知する特定保留表示とされている。
〔保留数コマンド受信処理〕
以上のような制御を行うために、演出制御装置300では、図28に示す保留数コマンド受信処理に替えて、図59に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、始動記憶の増減に関する処理(ステップB81からB92)を行った後、特定保留示唆表示の実行中であるかを判定する(ステップB251)。なお、第1実施形態の構成である事前報知に関する処理(図28のステップB93から100)については行わないようにしているが、この事前報知に関する処理を行った後に、特定保留示唆表示の実行中であるかを判定(ステップB251)するようにしても良い。
特定保留示唆表示の実行中でない場合(ステップB251;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、特定保留示唆表示の実行中である場合(ステップB251;Yes)は、保留数情報を取得し(ステップB252)、特定保留表示への変更条件である所定数に到達したかを判定する(ステップB253)。
そして、所定数に到達していない場合(ステップB253;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、所定数に到達した場合(ステップB253;Yes)は、保留表示変更情報を設定し(ステップB254)、保留数コマンド受信処理を終了する。保留表示変更情報には、どの始動記憶表示41bをどのような表示態様とするかの情報が含まれており、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定される。
なお、オーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB83;Yes)も、保留表示変更情報を設定し(ステップB254)、保留数コマンド受信処理を終了する。さらに、図57に示す保留表示処理において、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)に、保留表示変更情報があるかを判定するようにし、保留表示変更情報がある場合には保留表示変更設定処理(ステップB245)を行うようにする。このようにすればオーバーフロー入賞の発生によっても特定保留表示に変更することが可能となる。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、変動表示ゲームの表示制御を行う変動表示制御手段(演出制御装置300)と、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示制御を行う始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段は、所定条件の成立に基づいて、始動記憶表示41bとして表示する複数の始動記憶表示の合体を実行可能であることとなる。
ここで、合体とは、2つ以上の始動記憶表示がまとまって1つになることであり、独立した複数の始動記憶表示41bの数が減少するように融合することや、隣接した始動記憶表示41bが連結部41iにより結合することなどを含む。さらに、合体している始動記憶表示41bに他の始動記憶表示41bが合体することや、合体している始動記憶表示41b同士が合体することも含む。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立した場合に、事前結果判定手段の判定結果に基づいて、当該判定結果に対応する始動記憶表示の合体を実行可能であることとなる。
また、所定条件は、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶が所定数となることであることとなる。
また、所定条件は、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶が上限数に達した状態で、さらに始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞が検出されること(オーバーフロー入賞)であることとなる。
また、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づいて、始動記憶表示41bの表示態様を設定可能であることとなる。
なお、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づいて、始動記憶表示41bとして表示する複数の始動記憶表示の分離を実行可能である。また、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立した場合に、事前結果判定手段の判定結果に基づいて、当該判定結果に対応する始動記憶表示の分離を実行可能である。分離とは、合体した始動記憶表示41bの一部又は全部が合体した状態から離れることや、一の始動記憶に対応した始動記憶表示41bが複数の始動記憶表示41bに分かれる状態を含む。
次に、第2実施形態の第3変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示41bの表示態様が異なる。
図60(a)に示すように、本変形例の遊技機では、始動記憶表示41bがリーチ状態で登場可能なキャラクタにより表示されるようになっている。図60(b)に示すように、リーチ状態で登場可能なキャラクタにはキャラクタAからCの三種類があり、始動記憶表示41bにはキャラクタA、B、Cの順で繰り返すように表示される。また、図61に示すように、リーチ状態は種類ごとに登場するキャラクタが決められている。例えば、SPリーチ2のキャラA系では、キャラクタAとBが登場する。また、SPリーチ3ではキャラクタA、B、Cの全てが登場する。
図62には、表示装置41での表示の一例を示した。図62(a)に示すように始動記憶が二つある状態で、先に記憶された始動記憶aに対応する始動記憶表示41bがキャラクタAであり、後に記憶された始動記憶bに対応する始動記憶表示41bがキャラクタBとなっている。
ここで、先読み処理の結果、後に記憶された始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームでSPリーチ2キャラA系のリーチ状態となる場合、図62(b)に示すように、当該始動記憶bに対応する始動記憶表示41bがキャラクタBなので、キャラクタAで表示された先に記憶された始動記憶表示41bと合体して表示する先読み演出が行われる。このようにキャラクタAとBが合体して表示されることで、キャラクタAとBが登場するSPリーチ2キャラA系となる可能性が高いことが報知される。なお、この後に新たな始動記憶が発生すると、対応する始動記憶表示41bはキャラクタCとなるが、この始動記憶表示41bは合体しない。
また、先読み処理の結果、後に記憶された始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームでSPリーチ3共通のリーチ状態となる場合、まず、図62(b)に示すように始動記憶表示41bが合体する先読み演出が行われる。上述したように、この時点において遊技者はSPリーチ2キャラA系となる可能性が高いことを認識可能となる。その後、新たな始動記憶cが発生すると、図62(c)に示すように、対応する始動記憶表示41bはキャラクタCとなるが、この始動記憶表示41bも合体するように先読み演出が変更される。このようにキャラクタA、B、Cが合体して表示されることで、キャラクタA、B、Cが登場するSPリーチ3となる可能性が高いことが報知される。なお、当初から始動記憶が3つ以上ある場合、すなわち始動記憶aの前に始動記憶がある場合は、先読み演出の開始時に、この始動記憶から始動記憶bまでの3つの始動記憶を合体させるようにしても良い。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図52に示した先読みコマンド受信処理に替えて、図56に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB212)、先読み演出の実行中であるかを判定する(ステップB261)。
先読み演出の実行中である場合(ステップB261;Yes)は、追加合体表示可能フラグがあるかをチェックする(ステップB262)。また、先読み演出の実行中でない場合(ステップB261;No)は、当該保留に関する先読み情報を取得して(ステップB214)、特定保留であるかを判定する(ステップB215)。
特定保留である場合とは、SPリーチ2又は3となる始動記憶であり、この始動記憶に対応して表示される始動記憶表示41bがリーチ状態で登場するキャラクタとなることである。この特定保留である場合(ステップB215;Yes)は、合体保留表示情報を設定し(ステップB264)、先読み情報に基づいて追加合体表示可能フラグをセットして(ステップB265)、先読みコマンド受信処理を終了する。合体保留表示情報には、どの始動記憶表示41bをどのような表示態様とするかの情報が含まれており、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定される。また、追加合体表示可能フラグは、図62(b)から(c)になる場合のように、先読み演出を変更する必要がある場合に設定される。ここではSPリーチ3の場合であって始動記憶が2つしかない場合に設定される。
一方、特定保留でない場合(ステップB215;No)は、追加合体表示可能フラグがあるかをチェックし(ステップB262)、追加合体表示可能フラグがない場合(ステップB263;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、追加合体表示可能フラグがある場合(ステップB263;Yes)は、合体保留追加表示情報を設定し(ステップB264)、先読みコマンド受信処理を終了する。合体保留追加表示情報には、どの始動記憶表示41bをどのような表示態様とするかの情報が含まれており、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定される。
〔保留表示処理〕
また、図53に示した保留表示処理に替えて、図64に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理では、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB221)。そして、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留数表示データがある場合(ステップB222;Yes)は、先読み演出を実行する場合に設定される合体保留表示情報があるかをチェックする(ステップB271)。
合体保留表示情報がある場合(ステップB272;Yes)は、合体保留表示設定処理を行い(ステップB276)、保留表示処理を終了する。合体保留表示設定処理(ステップB276)では、図62(b)に示すような先読み演出を表示する処理を行う。また、合体保留表示情報がない場合(ステップB272;No)は、先読み演出を変更する際に設定される合体保留追加表示情報があるかをチェックする(ステップB273)。
合体保留追加表示情報がある場合(ステップB274;Yes)は、合体保留追加表示設定処理を行い(ステップB275)、保留表示処理を終了する。合体保留追加表示設定処理(ステップB275)では、例えば図62(b)に示すような先読み演出を、図62(c)に示すような表示態様に変更する処理を行う。また、合体保留追加表示情報がない場合(ステップB274;No)は、通常保留表示設定処理を行い(ステップB226)、保留表示処理を終了する。通常保留表示設定処理(ステップB226)では、始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定を行う。
以上のような処理により、図62に示したように、特定の始動記憶の発生(所定条件の成立)に基づいて、始動記憶表示領域41aに表示する複数の始動記憶表示41bの表示態様の変更(合体)が行われ、当該特定の始動記憶の発生を報知することが可能となる。また、リーチ状態で登場するキャラクタで表示される始動記憶表示41bの合体によりリーチ状態の発生のほか、リーチの種類を予告でき、従来にない演出効果の高い先読み演出を行うことができる。
なお、始動記憶表示41bとして表示するキャラクタは、A、B、Cの順に表示するとしたが、始動記憶の先読み結果を参照して、合体させることでリーチ状態の種類を報知するのに都合の良いキャラクタを表示するようにしても良い。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶表示41bとして、リーチ状態で登場可能な複数種類のキャラクタの何れか一つを選択して表示し、所定条件が成立した場合に、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によりリーチ状態となると判定された始動記憶に対応する始動記憶表示41bが当該リーチ状態で登場するキャラクタであって、かつ、隣接して表示される始動記憶表示41bに当該リーチ状態で登場するキャラクタで表示された始動記憶表示41bがある場合は、当該隣接して表示される始動記憶表示41bを合体させるようにしていることとなる。
次に、第2実施形態の第4変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第2変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み演出の実行態様が異なる。
本変形例の先読み演出は、所定数の始動記憶が発生することで、より詳細な先読み演出に変更されるようになっている。図65(a)に示すように、まず、始動記憶cに対応する始動記憶表示41bが先読み演出の対象となることを示す特定保留示唆表示として先読み対象表示41kが表示され、さらに、詳細な先読み演出への変更条件として、発生させる必要がある始動記憶数を示す発生条件表示41jがなされる。この発生条件表示41jは、特定保留表示への変更のために発生させる必要がある始動記憶のうち、未だ発生していない始動記憶に対応する始動記憶表示41bを、始動記憶表示41bが表示される部分とは異なる部分に表示しておくものであり、図65(a)では、残り4つの始動記憶を発生させる必要があることを報知している。
図65(b)、(c)に示すように、発生条件表示41jで報知された始動記憶が発生すると、対応する発生条件表示41jが始動記憶表示41bとなる。そして、図65(d)に示すように、特定保留示唆表示をなす先読み演出の変更条件を満たす始動記憶が発生すると、先読み演出が変更される。この例では、始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームで、キャラクタA、B、Cが登場するSPリーチ3が発生することを報知する先読み演出とされている。
なお、本変形例の遊技機では、図59に示す保留数コマンドで設定される保留表示変更情報に、どの始動記憶表示41bをどのような表示態様とするか(どの始動記憶表示41bと合体させるか)の情報を含むようにし、この情報に従い始動記憶表示41bの表示態様が設定されるようにする。
本変形例のような先読み演出は、普通変動入賞装置37の開放時間が長く、第2始動記憶が発生しやすい状態で行うことが望ましい。普通変動入賞装置37の開放時間が長い場合とは、時短状態の他、時短状態でない場合であっても所定の確率で普通変動入賞装置37の開放時間を長くする場合などを含む。また、上述した第2実施形態の第3変形例の構成も併せて備えていても良い。
次に、第2実施形態の第5変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示41bが環状に連結するようになっている。
図66(a)に示すように、本変形例の始動記憶表示41bは連結部41iを介して結合し環状となっている。さらに、環状に結合した始動記憶表示41bは、結合した状態を維持したまま環に沿って移動する(ここでは反時計回りに移動)ようになっている。また、新たに発生した始動記憶に対応する始動記憶表示41bは、右方から環状につながった始動記憶表示41bへ向かって飛び込むように表示され、図66(b)に示すように環に取り込まれる。また、図66(c)に示すように、特図変動表示ゲームの開始時には消化される始動記憶に対応する始動記憶表示41bが環から飛び出すように表示され、図66(d)に示すように特図変動表示ゲームが開始される。
また、環状に連結した始動記憶表示41bの表示態様により、対応する始動記憶の先読み結果を示唆することが可能となっている。図67に示すように、連結部41iの長さにより、特図変動表示ゲームの変動時間が示唆されるようになっている。特図変動表示ゲームの変動時間が長いほど特別結果となる可能性が高いリーチ状態が実行されることとなり、連結部41iの長さにより特別結果となる可能性の高さを示唆しているとも言える。また、図68に示すように、始動記憶表示41bの色によっても特別結果となる可能性の高さである大当り信頼度が報知されるようになっている。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図56に示した先読みコマンド受信処理に替えて、図69に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB212)、当該保留に関する先読み情報を取得する(ステップB214)。その後、先読み情報に基づく保留表示態様を設定することで(ステップB281)、図68の何れかの表示態様を設定し、先読み情報に基づき連結部の長さ情報を設定することで(ステップB282)、図67の何れかの表示態様を設定する。
〔保留表示処理〕
また、図57に示した保留表示処理に替えて、図70に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理では、この保留表示処理においては、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB221)。そして、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留数表示データがある場合(ステップB222;Yes)は、保留表示態様を設定し(ステップB291)、連結部の長さ情報に基づく表示設定を行う(ステップB292)。保留表示態様や連結部の長さ情報は、上述の先読みコマンド設定処理で設定されたものであり、この情報に基づき表示設定を行う。その後、保留表示設定処理(ステップB293)を行い、保留表示処理を終了する。保留表示設定処理(ステップB293)では、図66に示したような始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定を行う。
以上のような始動記憶表示41bとすることで、従来にない斬新な始動記憶表示を行うことができる。また、環状とすることで、始動記憶の消化順序を分かりにくくすることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、事前結果判定手段の判定結果に基づいて始動記憶表示41bの連結部41iの表示態様を設定可能であるので、従来にない斬新な先読み演出を行うことができる。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、複数の始動記憶表示41bを環状に合体させるようにしたこととなる。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、連結部41iを介して隣接する始動記憶表示41bを連結することで合体を行い、事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づいて連結部41iの表示態様を設定可能であることとなる。
なお、始動記憶表示41bの表示態様としては様々な表示態様が考えられ、例えば、図71(a)に示すように、連結部41iの太さにより大当りとなる可能性の高さ(信頼度)を示唆するようにしても良い。また、図71(b)に示すように、始動記憶表示41bの形状を変化させることで大当りとなる可能性の高さ(信頼度)を示唆するようにしても良い。さらに、図71(c)に示すように、複数の環を形成するようにしても良い。この場合、リーチ発生の有無や種類、大当りとなる可能性の高さなどの情報に基づきグループを決定し、該グループごとに環を形成するようにする。
図71(c)に示すような表示態様とする場合は、図69に示した先読みコマンド受信処理に替えて、図72に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、先読み情報に基づき保留グループ情報を設定する処理(ステップB301)を行う。また、図70に示す保留表示処理に替えて、図73に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理では、保留グループ情報に基づくグループ表示を設定する処理(ステップB311)を行う。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づき設定されるグループ毎に複数の始動記憶表示41bを環状に合体させるようにしたこととなる。
なお、上述の第2実施形態及び第2実施形態の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。さらに第1実施形態及び第1実施形態の各変形例の構成も適宜組み合わせて適用可能である。この場合に競合する処理がある場合は、条件により又は任意に何れかの処理を行うように振り分けるようにしても良い。
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示41bの表示順序を変更可能となっている。
図74には、表示装置41での表示例を示した。基本的に始動記憶表示41bは、対応する始動記憶の消化順に従い左側から順に並ぶように表示される。そして、図74(a)に示すように、所定数(ここでは4つ)を超える始動記憶が発生すると、次の特図変動表示ゲームにおいて始動記憶表示41bの表示順序を変更する条件が成立する。
図74(c)に示すように、次の特図変動表示ゲームでは、始動記憶表示41bの表示順序を変更するシャッフル表示が行われる。このとき、新たに発生した始動記憶があった場合、対応する始動記憶表示41bは表示順序の変更には加えられない。なお、新たに発生した始動記憶に対応する始動記憶表示41bも含めて表示順序を変更するようにしても良い。また、この新たな始動記憶の発生により、さらに次の特図変動表示ゲームにおいて始動記憶表示の表示順序を変更する条件が成立することとなる。
所定時間に亘り始動記憶表示41bをシャッフル表示した後、表示順序が変更された状態で一列に整列し、図74(d)に示すように特図変動表示ゲームが終了する。このとき先読み結果が特定の結果(特別結果となるものや特定のリーチ状態となるもの、抽選で任意に選択されたものなど)である始動記憶に対応する始動記憶表示41bでは保留先読み示唆表示が行われる。ここでは保留先読み示唆表示として「!」の表示がなされている。
その後、図74(e)に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始される。この開始の際に消化された始動記憶に対応する始動記憶表示41bは、図74(d)において右端に表示されていた始動記憶表示41bである。そして、図74(f)に示すように、この特図変動表示ゲームでも始動記憶表示41bの表示順序を変更するシャッフル表示が行われ、表示順序が変更された状態で一列に整列し、図74(g)に示すように特図変動表示ゲームが終了する。このとき、すでに保留先読み示唆表示が行われていた始動記憶表示41bでは、先読み結果をより明確に報知する保留先読み示唆表示に変更されることとなる。ここでは保留先読み示唆表示が「!?」に変更されている。また、一回目の表示順序の変更の際には保留先読み示唆表示が行われなかった始動記憶について保留先読み示唆表示が行われる場合もあり、ここでは保留先読み示唆表示として「!!!」の表示がなされている。
このような表示順序の変更を行うことで、従来にない斬新な始動記憶表示を行うことができるとともに、実際に変動表示ゲームが開始されるまで、遊技者はどの始動記憶による変動表示ゲームが開始されるかを把握しづらく、期待感を継続させることができる。特に、始動記憶表示41bで保留先読み示唆表示を行っている場合は、その始動記憶がいつ消化されるかが分からないため、期待感を継続させることができ、興趣を向上させることができる。
〔変動中処理〕
以上のような制御を行うために、演出制御装置300では、図30に示す変動中処理に替えて図75に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)に、始動記憶表示41bの表示順序を変更する条件が成立している場合に設定される保留変動実行可能フラグがあるかをチェックする(ステップB321)。そして、保留変動実行可能フラグがある場合(ステップB322;Yes)に、保留変動実行フラグをセットし(ステップB323)、保留変動実行可能フラグをクリアする(ステップB324)ようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶表示41bの表示順序を変更する条件が成立している場合に、後述する保留数コマンド受信処理において保留変動(シャッフル表示)に関する処理が行われるようになる。
〔保留数コマンド受信処理〕
また、図28に示す保留数コマンド受信処理に替えて、図76に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、始動記憶の増減に関する処理(ステップB81からB92)を行った後、保留数が所定数に到達(例えば4以上に到達)したかをチェックする(ステップB331)。なお、ここでは事前報知に関する処理(図28のステップB93から100)については行わないようにしているが、この事前報知に関する処理を行った後に、保留数が所定数に到達したかをチェックする(ステップB331)ようにしても良い。
保留数が所定数に到達したかのチェック(ステップB331)では、始動記憶数の増加により所定数(例えば4以上)となった場合に到達したとするようになっており、始動記憶数の減算の結果、所定数である場合は到達に含まない。そして、保留数が所定数に到達していない場合(ステップB332;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、保留数が所定数に到達した場合(ステップB332;Yes)は、保留変動実行可能フラグをセットし(ステップB333)、保留変動実行フラグがあるかをチェックする(ステップB334)。保留変動実行フラグは、始動記憶表示41bの表示順序の変更が開始される際に設定されるフラグである。なお、保留数コマンドを受信していない場合(ステップB82;No)や、オーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB83;Yes)も保留変動実行フラグがあるかをチェックする(ステップB334)。
この保留変動実行フラグがない場合(ステップB335;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、保留変動実行フラグがある場合(ステップB335;Yes)は、保留変動開始時であるかを判定する(ステップB336)。この保留変動の開始時である場合(ステップB336;Yes)は、保留変動パターンの設定を行い(ステップB337)、保留変動時間の設定を行って(ステップB338)、保留数コマンド受信処理を終了する。また、保留変動の開始時でない場合(ステップB336;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB339)。この場合、更新タイマは保留変動の実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは保留変動が終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB339;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、更新タイマの値が0である場合(ステップB339;Yes)は、保留変動終了設定処理を行い(ステップB340)、保留数コマンド受信処理を終了する。この処理により、図74に示すような保留変動の開始が決定され、保留変動の変動パターンや変動時間の設定が行われる。
〔保留変動終了設定処理〕
図77に示すように、上述の保留数コマンド受信処理における保留変動終了設定処理では、まず、保留記憶領域の先読み情報を取得し(ステップB351)、大当りがあるかをチェックする(ステップB352)。大当りがない場合(ステップB352;No)は、保留先読み示唆表示実行決定用乱数を抽出し(ステップB354)、抽出した乱数に基づき保留先読み示唆表示を実行するかを判定する(ステップB355)。
保留先読み示唆表示を実行しない場合(ステップB355;No)は、保留変動実行済みフラグをセットし(ステップB357)、保留変動終了設定処理を終了する。また、保留先読み示唆表示を実行する場合(ステップB355;Yes)は、対応する保留表示に示唆表示情報を設定し(ステップB356)、保留変動実行済みフラグをセットして(ステップB357)、保留変動終了設定処理を終了する。
一方、大当りがある場合(ステップB353;Yes)は、保留変動実行済みフラグがあるかをチェックし(ステップB358)、保留変動実行済みフラグがない場合(ステップB359;No)は、対応する保留表示に示唆表示情報を設定する処理(ステップB356)以下の処理を行う。また、保留変動実行済みフラグがある場合(ステップB359;Yes)は、対応する保留表示に大当り確定表示情報を設定し(ステップB360)、保留変動実行済みフラグをクリアして(ステップB361)、保留表示終了設定処理を終了する。この処理により、図74(d)に示したような保留先読み示唆表示の表示や、図74(g)に示したような保留先読み示唆表示の変更が行われることとなる。
〔保留表示処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、始動記憶表示領域41aでの表示の制御処理として図78に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理においては、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB221)。そして、保留数表示データがある場合(ステップB222;Yes)は、通常保留表示設定処理を行い(ステップB226)、保留表示処理を終了する。通常保留表示設定処理(ステップB226)では、始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定を行う。また、保留数表示データがない場合(ステップB222;No)は、保留先読み示唆表示を実行する場合に設定される示唆表示情報があるかをチェックする(ステップB371)。
示唆表示情報がある場合(ステップB372;Yes)は、保留示唆表示設定処理を行い(ステップB376)、保留表示処理を終了する。これにより、図74(d)に示すような保留先読み示唆表示が表示されることとなる。一方、示唆表示情報がない場合(ステップB372;No)は、すでに保留先読み示唆表示が行われ、かつ、大当りとなる始動記憶がある場合に設定される大当り確定表示情報があるかをチェックする(ステップB373)。この大当り確定表示情報がない場合(ステップB374;No)は、保留表示処理を終了する。また、大当り確定表示情報がある場合(ステップB374;Yes)は、保留確定表示設定処理(ステップB375)を行い、保留表示処理を終了する。これにより、図74(g)に示すように、すでに保留先読み示唆表示が行われていた始動記憶表示41bが、先読み結果をより明確に報知する保留先読み示唆表示に変更される。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に順次記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶された順に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームを実行制御するゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、変動表示装置の表示制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、変動表示ゲームの表示制御を行う変動表示制御手段(演出制御装置300)と、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示制御を行う始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段は、所定条件の成立に基づき、始動記憶表示41bの表示順序を変更可能であることとなる。
ここで、始動記憶表示41bの表示順序は、基本的には始動記憶の消化順序に従うものであり、表示順序の変更により、表示順序が入れ替わるようにする。また、表示順序が入れ替わっている状態からさらに入れ替わることや、元の消化順序に従う状態に戻ることも消化表示順序の変更に含む。しかし、表示順序の変更を行っても、実際に始動入賞記憶手段に記憶された順に、変動表示ゲームが開始されるようになっている。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶表示41bの表示順序の変更に伴い、当該始動記憶表示41bの表示態様を、事前結果判定手段の判定結果に基づく表示態様に変更可能であることとなる。
また、所定条件は始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に記憶される始動記憶が所定数となることであり、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づく始動記憶表示41bの表示順序の変更を所定回数行った後、始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果を明確に報知可能であることとなる。
なお、第1実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後から所定回数目となる特図変動表示ゲームを特定変動パターンとし、当該特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態において、当該始動記憶に関連する情報を示唆する事前報知を行うようにしていた。本実施形態の遊技機でもこの構成を有しているが、この事前報知の構成を省き、本実施形態の構成を単独で用いることも可能である。
次に、第3実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は制御処理の方法が異なり、保留変動の制御を独立した処理で行うようにしている。
〔1stシーン制御処理〕
本変形例の遊技機では、図27に示す1stシーン制御処理に替えて図79に示す1stシーン制御処理を行う。この1stシーン制御処理では、変動パターンコマンドを受信した際に、変動中処理(ステップB71)と、保留変動(シャッフル表示)に関する保留変動処理(ステップB381)を行うようにしている。なお、本変形例の遊技機では、図75に示した変動中処理での保留変動に関するステップB321からB324の処理を行わない。また、演出リクエストフラグをクリアする処理(ステップB129)も行わない。さらに、図76に示す保留数コマンド受信処理での保留変動に関するステップB334からB340の処理を行わない。
〔保留変動処理〕
図80には、上述の保留変動処理(ステップB381)を示した。この保留変動処理では、まず、演出リクエストフラグがあるかを判定し(ステップB391)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB391;Yes)は、始動記憶表示41bの表示順序を変更する条件が成立した場合に設定される保留変動実行可能フラグがあるかをチェックする(ステップB392)。
この保留変動実行可能フラグがない場合(ステップB393;No)は、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB398)、保留変動処理を終了する。また、保留変動実行可能フラグがある場合(ステップB393;Yes)は、保留変動パターン設定処理を行い(ステップB394)、設定された保留変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB395)。このシーンシーケンステーブルは、保留変動における変動表示の開始や停止等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで保留変動が実行される。
その後、保留変動時間設定処理(ステップB396)を行い、保留変動実行可能フラグをクリアし(ステップB397)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB398)、保留変動処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB391;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB399)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理される保留変動のシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB399;No)は、保留変動処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB399;Yes)は、次シーンデータの設定(ステップB400)を行い、保留変動終了タイミングであるかを判定する(ステップB401)。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
そして、保留変動終了タイミングでない場合(ステップB401;No)は、保留変動処理を終了する。また、保留変動終了タイミングである場合(ステップB401;Yes)は、保留変動終了設定処理を行い(ステップB402)、保留変動処理を終了する。
次に、第3実施形態の第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は制御処理の方法が異なり、保留変動の制御を飾り特図変動表示ゲームの制御と一体に行うようにしている。なお、本変形例の遊技機では、図76に示す保留数コマンド受信処理での保留変動に関するステップB334からB340の処理を行わない。
〔変動中処理〕
本変形例の遊技機では、図75に示した変動中処理に替えて図81に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、可動体リクエストセット(ステップB123)の後、保留変動実行可能フラグがあるかをチェックし(ステップB321)、保留変動実行可能フラグがある場合(ステップB322;Yes)に、保留変動実行変動パターンテーブルを選択して(ステップB411)、保留変動実行可能フラグをクリアする(ステップB324)ようになっている。この保留変動実行変動パターンテーブルは、保留変動を含む飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定するための変動パターンテーブルである。
これにより、その後の変動パターン情報設定処理において、保留変動実行変動パターンテーブルを参照して飾り特図変動表示ゲーム変動パターンが設定される。これにより、保留変動と飾り特図変動表示ゲームが一つのシーンデータで制御可能となる。
また、次シーンデータの設定(ステップB132)を行った後、保留変動終了タイミングであるかを判定する(ステップB412)。そして、保留変動終了タイミングでない場合(ステップB412;No)は、保留変動処理を終了する。また、保留変動終了タイミングである場合(ステップB412;Yes)は、保留変動終了設定処理を行い(ステップB413)、変動中処理を終了する。
次に、第3実施形態の第3変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、保留変動(シャッフル表示)の表示態様が異なる。
本変形例の保留変動は、始動記憶数が所定数となることで開始条件が成立し、次の特図変動表示ゲームで保留変動が行われる。保留変動の開始タイミングは、飾り特図変動表示ゲームの開始時や、識別情報の変動表示が終了する直前、停止時間中など種々のタイミングとすることが可能である。
図82に示すように、この保留変動は始動記憶表示41bによりレースを行い、最も早くゴールした始動記憶表示41bが次に消化される始動記憶に対応するものであることを報知するゲームとなっている。この保留変動では、まず、図82(a)に示すように始動記憶表示41bがレースを行うコースに整列する。この時点では上から始動記憶の消化順序に従い始動記憶表示41bが並んでいる。次に、図82(b)に示すように始動記憶表示41bがシャッフルされ、その後、図82(c)に示すように始動記憶表示41bがスタートラインに整列し、図82(d)に示すようにレースがスタートする。そして、図82(e)に示すように、レースは特図変動表示ゲームの終了時に一つの始動記憶表示41bがゴールすることで終了し、この後、ゴールした始動記憶表示41bに対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。また、ゴールしなかった始動記憶表示41bはスタート地点へ戻る。
また、図82(b)に示すようにシャッフルを行っている際に、先読み結果に基づく保留先読み示唆表示を表示可能である。このような保留先読み示唆表示を行うことで、当該保留先読み示唆表示がなされた始動記憶表示41bがレースでゴールし、次の特図変動表示ゲームを実行することに対する期待感を高めることができ、興趣を向上することができる。
〔変動中処理〕
このような保留変動を行うために、図75に示す変動中処理に替えて、図83に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、保留変動に関するステップB321からB324の処理を行わない。また、演出リクエストフラグがない場合(ステップB121;No)に、保留変動設定処理(ステップB421)を行う。また、本変形例の遊技機では、図76に示す保留数コマンド受信処理において保留変動に関するステップB334からB340の処理を行わない。
〔保留変動設定処理〕
図84に示すように、上述の保留変動設定処理(ステップB421)では、まず、保留変動実行可能フラグがあるかをチェックし(ステップB431)、保留変動実行可能フラグがある場合(ステップB432;Yes)は、保留変動開始タイミングであるかを判定する(ステップB433)。そして、保留変動開始タイミングでない場合(ステップB433;No)は、保留変動設定処理を終了する。また、保留変動開始タイミングである場合(ステップB433;Yes)は、保留変動パターン設定処理(ステップB434)を行い、設定された保留変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB435)。なお、保留変動についてのシーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームのシーンシーケンステーブルとは独立したものである。
その後、保留変動時間設定処理(ステップB436)を行い、保留変動実行可能フラグをクリアし(ステップB437)、保留変動実行フラグをセットして(ステップB438)、保留変動設定処理を終了する。これにより、保留変動の内容が決定されて保留変動が開始される。
一方、保留変動実行可能フラグがない場合(ステップB432;No)は、保留変動実行フラグがあるかを判定し(ステップB439)、保留変動実行フラグがない場合(ステップB439;No)は、保留変動設定処理を終了する。また、保留変動実行フラグがある場合(ステップB439;Yes)、すなわち保留変動の実行中である場合は、保留変動のシーン更新時間を管理する更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB440)。
この更新タイマの値が0でない場合(ステップB440;No)は、保留変動設定処理を終了する。また、更新タイマの値が0である場合(ステップB440;Yes)は、次シーンデータの設定を行い(ステップB441)、保留変動の終了タイミングであるかを判定する(ステップB442)。そして、保留変動の終了タイミングでない場合(ステップB442;No)は、保留変動設定処理を終了する。また、保留変動の終了タイミングである場合(ステップB442;Yes)は、保留変動の終了を設定し(ステップB443)、保留変動実行フラグをクリアして(ステップB444)、保留変動設定処理を終了する。
なお、本変形例の遊技機では、図76に示す保留数コマンド受信処理での保留変動に関するステップB334からB340の処理を行わない。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、始動記憶表示41bの表示順序を変更し、次に消化される始動記憶に対応する始動記憶表示41bを報知するゲームを変動表示装置(表示装置41)に表示することとなる。
次に、第3実施形態の第4変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示41bの表示態様が異なる。
本変形例の遊技機は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となった場合、遊技制御装置100において特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合は通常確率状態へ移行するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段をなす。そして、演出制御装置300は、始動記憶表示41bの表示色により、転落抽選に当選する可能性の高さ、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる確変大当りとなる可能性の高さ、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる通常大当りとなる可能性の高さを報知するようにしている。
図85には、始動記憶表示41bの表示色と報知内容の関係を示した。青、黄、緑、赤の順に転落抽選に当選する可能性の高さが高いことを報知するようになっている。また、この順に従い確変大当りとなる可能性の高いことを報知し、逆にこの順で通常大当りとなる可能性が低いことを報知するようになっている。また、図86に示すように、どの内容を報知しているのかを示すこともできる。例えば、「転落」の文字を表示することで転落抽選に当選する可能性の高さを報知していることを示すようになっている。同様に、「確変」の文字を表示することで確変大当りとなる可能性の高さを報知していることを示し、「通常」の文字を表示することで通常大当りとなる可能性の高さを報知していることを示すようになっている。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図27に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図87に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB211)、受信していない場合(ステップB211;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB211;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブする(ステップB212)。なお、本変形例の遊技機では、遊技制御装置100において先読み処理において転落抽選に当選するか否かについての判定も行うようにし、この結果についても先読みコマンドとして送信するようにする。これにより演出制御装置300において転落抽選に当選するか否かを把握することができる。
その後、当該保留に関する先読み情報を取得し(ステップB451)、先読み情報に基づく保留表示態様を設定し(ステップB452)、先読みコマンド受信処理を終了する。先読み情報に基づく保留表示態様を設定する処理(ステップB452)では、図85、図86に示すような始動記憶表示41bの表示態様を選択する。
また、上述した第3実施形態の第3変形例と同様の構成も有するようにし、図88に示すように保留変動(シャッフル表示)を実行することも可能である。この際に図88(b)に示すように、表示色により先読み情報を報知することで図88(c)から(e)に示すレースにおける興趣を向上することができる。なお、始動記憶表示41bの表示色の変更は、始動記憶の発生と同時に行うようにしても良いし、図88に示すように、保留変動の途中で始動記憶表示41bを変更するようにしても良い。
図88に示す例は高確率状態であって、図88(b)に示すように始動記憶表示41bで赤色と黄色の表示色での先読み演出がなされている。この場合、高確率状態で特別結果となる可能性が高いものであると事前判定が行われた始動記憶であっても、当該始動記憶の前に転落抽選に当選して通常確率状態となると、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果とならない可能性がある。よって、図88(c)から(e)に示すレースにおいて赤色の始動記憶表示41bが先にゴールすると転落抽選に当選する可能性が高く、黄色の始動記憶表示41bで大当りとなる可能性が低くなってしまう。このため、遊技者は何れの始動記憶表示41bが先にゴールするかということに対して興味を持つようになり、従来にない興趣の高い演出を行うことができる。
以上のことから、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率制御手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、を備え、事前結果判定手段(遊技制御装置100)による始動記憶の判定結果には、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が事前結果判定手段による判定時の確率状態で特別結果となるか否かと、転落抽選に当選するか否かの情報を含み、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づく始動記憶表示41bの表示順序の変更を行った後、始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段の判定結果を明確に報知可能であることとなる。
なお、上述の第3実施形態及び第3実施形態の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。さらに第1及び第2実施形態並びに第1及び第2実施形態の各変形例の構成も適宜組み合わせて適用可能である。この場合に競合する処理がある場合は、条件により又は任意に何れかの処理を行うように振り分けるようにしても良い。
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、飾り特図変動表示ゲームの識別情報の所定の動作に応じて始動記憶表示41bでの先読み演出を行うようにしている。
本実施形態の遊技機における表示装置41での表示領域には、図89(a)に示すように、中央が飾り特図変動表示ゲームの識別情報を表示する変動表示領域41zとされている。そして、変動表示領域41zの下方の領域が第1始動記憶に対応する始動記憶表示41bを表示する第1始動記憶表示領域41mとされ、変動表示領域41zの上方の領域が第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bを表示する第2始動記憶表示領域41nとされている。
第1始動記憶表示領域41mと第2始動記憶表示領域41nに表示される始動記憶表示41bは、対応する始動記憶の消化順に従い左端から順に表示されるようになっている。このように並んで表示される始動記憶表示41bのうち左端の始動記憶表示41bは、変動表示領域41zの識別情報のうち左端の識別情報の上下に位置するようになっている。また、始動記憶表示41bのうち左から2番目、3番目の始動記憶表示41bは、変動表示領域41zの識別情報のうち左から2番目、3番目の識別情報の上下にそれぞれ位置するようになっている。このように、識別情報と始動記憶表示41bの位置を対応させ、識別情報の所定の動作に応じて始動記憶表示41bでの先読み演出を行うようにしている。
図89(b)から(f)には、先読み演出の一例を示した。図89(b)に示すように、まず、識別情報が変動表示している状態でキャラクタが登場し、先読み演出が行われる可能性があることを示唆するようになっている。そして、図89(c)に示すように、左端の識別情報が停止する際に、当該識別情報が下方の第1始動記憶表示領域41mに表示される始動記憶表示41bの前方に重なって隠蔽した後に変動表示領域41zへ戻る動作を行う。これにより、図89(d)に示すように、隠蔽された始動記憶表示41bで先読み演出(ここでは「!!!」の表示)が行われる。同様に、図89(e)に示すように、左から3番目の識別情報が停止する際に当該識別情報が、下方の第1始動記憶表示領域41mに表示される始動記憶表示41bの前方に重なって隠蔽した後に変動表示領域41zへ戻る動作を行う。これにより、図89(f)に示すように、隠蔽された始動記憶表示41bで先読み演出(ここでは「?!」の表示)が行われる。
このような先読み演出とすることで、従来にない斬新な始動記憶表示を行うことができるとともに、期待感を継続させることができる。また、始動記憶表示41bの変化と識別情報の動作とに関連を持たせることができ、例えば、リーチ状態とならずに結果がはずれとなる場合でも、識別情報の変動表示自体に興味や期待感を持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。また、識別情報が始動記憶表示41bの前面側に重合するので、始動記憶表示41bの変化の際に識別情報により一旦始動記憶表示41bが隠蔽されるため、興趣を高めることができる。さらに、識別情報は遊技者が最も注目するものであり、この動作を目で追うことで事前判定の結果も見ることとなり、確実に事前判定の結果を報知することができる。
図90には、先読み演出の種類と選択確率を示した。先読み演出の種類には、大当りとなる可能性が高いことを示すキャラクタの表示や「熱」の表示、SPリーチになる可能性が高いことを示す「SP」の表示など様々な表示が用意されている。そして、先読み演出の対象となる始動記憶についての先読み結果に基づき所定の確率で表示が選択される。例えば、結果が大当り(特別結果)となる始動記憶に対応する始動記憶表示41bで先読み演出がなされる場合、キャラクタ表示が選択される確率が30%であり、「当?!」、「!!!」、「?」、「スカ」、「SP」の表示が選択される確率がそれぞれ10%、「熱」の表示が選択される確率が20%である。
また、図89に示したような先読み演出は、当該先読み演出を実行可能な変動時間の変動パターンが設定される特図変動表示ゲームの実行中に行われるようになっている。図91には変動パターンの一例を示した。結果が大当りである場合は、ノーマルリーチで20秒の変動時間となる変動パターンが2種類あり、このうち一方の変動パターンが選択された場合に先読み演出が行われる。また、結果がはずれである場合は、リーチなしの変動パターンのうち変動時間が20秒の場合に、先読み演出を実行可能である。この先読み演出を実行可能な変動パターンでは、図89(b)から(f)に示したような識別情報の動作が行われる。なお、先読み演出を実行可能な変動パターンは、先読み演出を実行するのに十分な変動時間が設定されるものであれば良く任意に設定可能である。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図27に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB78)において、図92に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB461)、受信していない場合(ステップB461;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB461;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB462)、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔変動中処理〕
また、図30に示す変動中処理に替えて図93に示す変動中処理を行う。この変動中処理では、後述するように変動パターン情報設定処理(ステップB124)において、先読み演出(特定演出)に関する設定を行うようになっている。また、更新タイマの値が0である場合(ステップB130;Yes)に、先読み演出(特定演出)の実行制御に関する処理である特定演出情報設定処理(ステップB463)を行うようになっている。なお、図93に示す変動中処理では事前報知に関する処理(図30のステップB132から134)については行わないようにしているが、この事前報知に関する処理を行うようにしても良い。
〔変動パターン情報設定処理〕
図94には、上述の変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB124)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB471)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB472)。次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB473)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB474)。演出情報とは先読み情報に基づく先読み演出を実行する際に、当該先読み演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB475)、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定する(ステップB476)。そして、特定演出(先読み演出)を実行可能な変動パターンであるかをチェックし(ステップB477)、特定演出(先読み演出)を実行可能な変動パターンでない場合(ステップB478;No)は、変動パターン情報設定処理を終了する。また、特定演出(先読み演出)を実行可能な変動パターンである場合(ステップB478;Yes)は、保留表示切替情報設定処理(ステップB479)を行い、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔保留表示切替情報設定処理〕
図95には、上述の変動パターン情報設定処理における保留表示切替情報設定処理(ステップB479)を示した。この保留表示切替情報設定処理では、まず、特定演出(先読み演出)の対象となる保留記憶領域に情報があるかをチェックする(ステップB481)。ここでの特定演出の対象となる保留記憶領域とは、第1始動記憶で最も早く消化される第1保留と、3番目に消化される第3保留である。第1保留は、対応する始動記憶表示41bが第1始動記憶表示領域41mの左端に表示されるものであり、第3保留は、対応する始動記憶表示41bが第1始動記憶表示領域41mの左から3番目に表示されるものであって、図89に示したような先読み演出が可能となるものである。
第1保留記憶領域と第3保留記憶領域のいずれの領域にも情報がない場合(ステップB482;No)、すなわち、第1始動記憶数が0から2であり、少なくとも第3保留がない場合は、第1保留があるかを判定する(ステップB483)。そして、第1保留がある場合(ステップB483;Yes)は、第1保留記憶領域の情報を取得し(ステップB484)、取得した情報に基づいて第1保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第1保留表示切替情報を設定する(ステップB485)。その後、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定し(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。一方、第1保留がない場合(ステップB483;No)は、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定し(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。この場合、後述するように特定演出の実行タイミングまでに第1保留や第3保留が発生すれば特定演出が行われる。
また、第1保留記憶領域と第3保留記憶領域のいずれの領域にも情報がある場合(ステップB482;Yes)、すなわち、第1始動記憶数が3又は4であり、第1及び第3保留がある場合は、第1及び第3保留記憶領域の情報を取得する(ステップB486)。そして、取得した情報に基づいて第1保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第1保留表示切替情報を設定し(ステップB487)、さらに、取得した情報に基づいて第3保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第3保留表示切替情報を設定する(ステップB488)。その後、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定し(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。
〔特定演出情報設定処理〕
図96には、上述の変動パターン情報設定処理における特定演出情報設定処理(ステップB461)を示した。この特定演出情報設定処理では、まず、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報があるかをチェックし(ステップB491)、特定演出情報がない場合(ステップB492;No)は、特定演出設定処理を終了する。また、特定演出情報がある場合(ステップB492;Yes)は、保留表示切替タイミングかをチェックする(ステップB493)。
保留表示切替タイミングとは、図89(c)や(e)のように始動記憶表示41bが隠蔽された後、図89(d)や(f)に示すような状態となるタイミングである。この保留表示切替タイミングでない場合(ステップB494;No)は、特定演出情報設定処理を終了する。また、保留表示切替タイミングである場合(ステップB494;Yes)は、切替対象の保留記憶領域(第1又は第3保留記憶領域)に情報(第1又は第3保留表示切替情報)があるかをチェックする(ステップB495)。
そして、情報がある場合(ステップB496;Yes)は、切替対象が第1保留であるかをチェックし(ステップB497)、第1保留である場合(ステップB498;Yes)は、第1保留表示切替情報に基づき第1保留切替フラグをセットする(ステップB499)。その後、第1保留表示切替情報に基づき第1保留演出情報を設定し(ステップB500)、特定演出情報設定処理を終了する。第1保留演出情報には、第1保留に対応する始動記憶表示41bを図90に示した表示のうち何れの表示にするかの情報が含まれている。また、切替対象が第1保留でない場合(ステップB498;No)は、第3保留表示切替情報に基づき第3保留切替フラグをセットする(ステップB501)。その後、第3保留表示切替情報に基づき第3保留演出情報を設定し(ステップB502)、特定演出情報設定処理を終了する。第3保留演出情報には、第3保留に対応する始動記憶表示41bを図90に示した表示のうち何れの表示にするかの情報が含まれている。
一方、切替図柄に対応する領域(第1又は第3保留記憶領域)に情報(第1又は第3保留表示切替情報)がない場合(ステップB496;No)は、切替情報追加設定処理(ステップB503)を行い、特定演出情報設定処理を終了する。
〔切替情報追加設定処理〕
図97には、上述の特定演出情報設定処理における切替情報追加設定処理(ステップB503)を示した。この切替情報追加設定処理では、まず、切替対象が第1保留かをチェックし(ステップB511)、第1保留である場合(ステップB512;Yes)は、第1保留記憶領域に保留情報があるかをチェックする(ステップB513)。
そして、第1保留情報がない場合(ステップB514;No)、すなわち、第1始動記憶数が0である場合は、切替情報追加設定処理を終了する。この場合、第1保留に対応する始動記憶表示41bに対する先読み演出は行われない。また、第1保留情報がある場合(ステップB514;Yes)、すなわち、第1始動記憶数が1以上である場合は、第1保留記憶領域の保留情報を取得し(ステップB515)、取得した保留情報に基づき第1保留切替フラグをセットする(ステップB516)。その後、取得した保留情報に基づき第1保留演出情報を設定し(ステップB517)、切替情報追加設定処理を終了する。
これにより、先読み演出が行われる特図変動表示ゲームの開始時に第1保留がない場合であっても、左側の識別情報が停止する先読み演出の実行タイミングまでに第1保留が発生した場合に先読み演出が行われるようになる。
一方、切替対象が第1保留でない場合(ステップB512;No)、すなわち、切替対象が第3保留である場合は、第3保留記憶領域に保留情報があるかをチェックする(ステップB518)。そして、第3保留情報がない場合(ステップB519;No)、すなわち、第1始動記憶数が3未満である場合は、切替情報追加設定処理を終了する。この場合、第3保留に対応する始動記憶表示41bに対する先読み演出は行われない。また、第3保留情報がある場合(ステップB519;Yes)、すなわち、第1始動記憶数が3以上である場合は、第3保留記憶領域の保留情報を取得し(ステップB520)、取得した保留情報に基づき第3保留切替フラグをセットする(ステップB521)。その後、取得した保留情報に基づき第3保留演出情報を設定し(ステップB522)、切替情報追加設定処理を終了する。
これにより、先読み演出が行われる特図変動表示ゲームの開始時に第3保留がない場合であっても、右側の識別情報が停止する先読み演出の実行タイミングまでに第3保留が発生した場合に先読み演出が行われるようになる。
〔保留表示処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、始動記憶表示領域41aでの表示の制御処理として図98に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理においては、まず、始動記憶数の増減に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB531)。そして、保留数表示データがある場合(ステップB532;Yes)は、保留数変化による表示切替情報に基づいて保留表示切替設定を行い(ステップB541)、保留表示設定処理を行い(ステップB542)、保留表示処理を終了する。この処理により、始動記憶数の増減に伴う始動記憶表示41bの設定が行われる。
一方、保留数表示データがない場合(ステップB532;No)は、先読み演出(特定演出)に伴う始動記憶表示41bの変更を行う場合に設定される保留切替フラグ(第1又は第3保留切替フラグ)があるかをチェックする。この保留切替フラグがない場合(ステップB534;No)は、保留表示処理を終了する。また、保留切替フラグがある場合(ステップB534;Yes)は、第1保留切替フラグであるかをチェックする(ステップB535)。
そして、第1保留切替フラグである場合(ステップB536;Yes)は、第1保留演出情報に基づいて第1保留表示切替設定を行い(ステップB539)、第1保留切替フラグをクリアし(ステップB540)、保留表示処理を終了する。この処理により、第1保留に対応する始動記憶表示41bの表示が変更される。また、第1保留切替フラグでない場合(ステップB536;No)は、第3保留演出情報に基づいて第3保留表示切替設定を行い(ステップB537)、第3保留切替フラグをクリアし(ステップB538)、保留表示処理を終了する。この処理により、第3保留に対応する始動記憶表示41bの表示が変更される。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に記憶された始動記憶に対応する始動記憶表示41bを制御する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、始動記憶表示制御手段は、所定条件の成立に基づき、変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作に応じて始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段の判定結果を示唆する先読み演出を実行可能であることとなる。
また、変動表示ゲームの実行制御を行うゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)を備え、所定条件は、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)が変動表示ゲームの実行態様として特定の変動パターンを選択することであり、当該特定の変動パターンとなる変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作は、識別情報が始動記憶表示41bの前面側に重合する動作であることとなる。
なお、対応する識別情報の停止タイミングとなることで、識別情報が上下動作して先読み演出が行われるとしたが、遊技者による演出ボタン25の操作に基づき識別情報が上下動作して先読み演出が行われるようにしても良い。図99(a)に示すように、対応する識別情報(ここでは左側の識別情報)の停止タイミングとなった際に、遊技者に演出ボタン25の操作を促す表示を行う。そして、遊技者が演出ボタン25を操作することに基づき、図99(b)に示すように識別情報を上下動作し、図99(c)に示すように先読み演出が行われるようにする。
このようにすることで、遊技者が先読み演出に参加することができ興趣が向上する。また、先読み結果を知りたくない遊技者は演出ボタン25を操作しなければ良く、遊技者の好みに応じた先読み演出とすることができる。以上のことから、遊技者が操作可能な操作部(演出ボタン25)を備え、演出制御装置300は、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)が特定の変動パターンを選択し、かつ、操作部の操作があった場合に識別情報の所定の動作を行うようにし、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、識別情報の所定の動作に応じて始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果を示唆する先読み演出を実行可能であることとなる。さらに、遊技者が演出ボタン25を操作しない場合でも先読み演出を行うようにし、演出ボタン25を操作した場合の方が先読み結果をより明確に報知するようにしても良い。
また、リーチ状態となったが結果がはずれとなった場合に、先読み演出を行うようにしても良い。このようにすれば、リーチ状態となり結果がはずれとなる場合でも、識別情報の変動表示自体に興味や期待感を持たせることができるので、期待感を持たせることができる。
図100には、リーチ状態となったが結果がはずれとなった場合に先読み演出を行う場合の表示例を示した。図100(a)に示すように、リーチ状態となり、図100(b)に示すように結果がはずれであった場合、図100(c)に示すように、先読み演出が行われる旨を示すキャラクタを登場させる。そして、図100(d)に示すように、最後に停止した中央の識別情報が任意に選択された先読み演出の対象となる始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図100(e)に示すように先読み演出が行われる。
このような先読み演出はリーチ状態ではずれとなった場合に常に行うようにしても良いが、例えば特別結果となる始動記憶が存在する場合に行うようにし、当該始動記憶が存在することを明確に報知するようにすることで、結果がはずれとなった場合でも最後まで期待感を維持させることができ、興趣を向上させることができる。
以上のことから、所定条件は、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)が変動表示ゲームの実行態様としてリーチ状態を含む変動パターンを選択することであり、当該リーチ状態を含む変動パターンとなる変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作は、リーチ状態となり結果がはずれとなる場合に、最後に停止する識別情報が始動記憶表示41bの前面側に重合する動作であることとなる。
なお、第1実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後から所定回数目となる特図変動表示ゲームを特定変動パターンとし、当該特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態において、当該始動記憶に関連する情報を示唆する事前報知を行うようにしていた。本実施形態の遊技機でもこの構成を有しているが、この事前報知の構成を省き、本実施形態の構成を単独で用いることも可能である。
次に、第4実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、未だ発生していない始動記憶についての情報を報知する事前報知が可能である。
図101には本変形例の遊技機における事前報知の一例を示した。この例では、図101(a)に示すように、先読み演出を行う特図変動表示ゲームの実行中であるが、第3保留がない状態となっている。この状態で第3保留についての先読み演出を実行するタイミングとなった場合、図101(b)に示すように第3保留がない状態でも識別情報を上下動作させて第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される部分を隠蔽する動作を行う。
そして、図101(c)に示すように、未だ発生していない第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される部分で、当該始動記憶についての事前報知が行われる。この事前報知では、始動記憶表示41bが表示される領域を点線で囲む表示を行うとともに、内側に当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに関する情報(ここでは「!!!」)を表示する事前報知表示41cが表示される。なお、第1保留がない場合にも同様の事前報知を行うことが可能である。
このような表示を行うため、図97に示す切替情報追加設定処理において、第1保留情報がない場合(ステップB514;No)や第3保留情報がない場合(ステップB519;No)に、事前報知を表示する処理を行うようにする。このような事前報知は、第1実施形態の遊技機のように、所定タイミング(大当り終了後所定回数の変動表示ゲームが実行された場合等)で変動パターン選択テーブルを変更するように構成し、この変動パターン選択テーブルの変更となるタイミングに応じて、始動記憶の発生前に予め定められた特図変動表示ゲームの変動パターンを報知するものであっても良く、こうすることで、事前報知についての信頼度が担保され、遊技者にさらなる期待感を持たせることができる。また、任意に選択した先読み演出を表示するものであっても良い。また、事前報知の内容は、変動表示ゲームの実行に関連する情報であれば良く、例えば、リーチ種類、予告種類、ステージ(背景)種類、キャラクタ種類、モード種類等の設定や変更に関する情報を報知する。
このように未だ発生していない始動記憶についての情報を報知する事前報知を行うようにしたことで、始動記憶がなくても、遊技者に対して予告を実行することが可能となり、斬新な予告演出を行うことができる。また、遊技者が対応する始動記憶を発生させようとするので、遊技機の稼働率を向上することができる。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作に応じて、未だ発生していない所定の始動記憶に対応する始動記憶表示41bが表示される領域において、当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を実行可能であることとなる。
次に、第4実施形態の第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、同一の始動記憶に対応する始動記憶表示41bについて複数回の先読み演出を実行可能となっている。
図102には、本変形例の遊技機における先読み演出の一例を示した。図102(a)に示す状態は、図89(e)、(f)に示すように第1始動記憶における3番目に消化される始動記憶に対応する始動記憶表示41bについて先読み演出が行われ、当該始動記憶が第1始動記憶において次に消化される始動記憶となった状態である。この状態から、図102(b)に示すように左側の識別情報が停止する際に、当該識別情報が下方の第1始動記憶表示領域41mに表示される始動記憶表示41bの前方に重なって隠蔽した後に変動表示領域41zへ戻る動作を行う。これにより、図102(c)に示すように、隠蔽された始動記憶表示41bの先読み演出が変化する(ここでは「スカ」の表示に変化)。
図103には、先読み演出の種類と選択確率を示した。ここで、初回とは、先読み演出が実行されていない状態から先読み演出が実行される際の選択確率であり、済みとは、図102に示したように同一の始動記憶に対応する始動記憶表示41bについての2回目の先読み演出が実行される場合の選択確率である。初回よりも2回目の先読み演出が実行される場合の選択確率の方が、先読み結果をより明確に報知可能な選択確率となっている。なお、2回目の先読み演出では、より明確となるように変動パターンや結果を文字情報で直接的に報知するようにしても良い。
このような先読み演出とすることで、同一の始動記憶について複数回の先読み演出を行うことができるので、遊技者の期待感をより高めることができ、たとえリーチ状態とならずに結果がはずれとなる場合でも、識別情報の変動表示自体に興味や期待感を持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
〔特定演出情報設定処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図96に示した特定演出情報設定処理に替えて図104に示す特定演出情報設定処理を行う。この特定演出情報設定処理では、第3保留表示切替情報に基づき第3保留演出情報を設定(ステップB502)した後、第3保留演出済み情報を設定(ステップB551)するようにしている。この第3保留演出済み情報は、第3保留である場合に先読み演出が実行された始動記憶について設定されるもので、当該始動記憶が既に先読み演出を実行したものであることを示す情報である。
〔保留表示切替情報設定処理〕
また、図95に示した保留表示切替情報設定処理に替えて図105に示す保留表示切替情報設定処理を行う。この保留表示切替情報設定処理では、まず、特定演出(先読み演出)の対象となる保留記憶領域(第1保留記憶領域と第3保留記憶領域)に情報があるかをチェックし(ステップB481)、いずれの領域にも情報がない場合(ステップB482;No)は、第1保留があるかを判定する(ステップB483)。
そして、第1保留がある場合(ステップB483;Yes)は、第1保留記憶領域の情報を取得し(ステップB484)、第3保留演出済み情報領域の情報を取得する(ステップB561)。上述したように第3保留演出済み情報は、当該始動記憶が第3保留である場合において先読み演出が行われた際に設定される情報である。すなわちこの情報がある場合は2回目の先読み演出が行われる場合である。
その後、取得した保留情報と演出済み情報に基づき第1保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第1保留表示切替情報を設定する(ステップB562)。さらに、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定し(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。一方、第1保留がない場合(ステップB483;No)は、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定し(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。なお、後述するように特定演出の実行タイミングまでに第1保留や第3保留が発生すれば特定演出が行われる。
また、いずれの領域にも情報がある場合(ステップB482;Yes)は、第1及び第3保留記憶領域の情報を取得し(ステップB486)、第3保留演出済み情報領域の情報を取得する(ステップB563)。その後、取得した保留情報と演出済み情報に基づき第1保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第1保留表示切替情報を設定する(ステップB564)。さらに、取得した保留情報と演出済み情報に基づき第3保留について特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である第3保留表示切替情報を設定し(ステップB565)、特定演出(先読み演出)を実行する旨の情報である特定演出情報を設定して(ステップB489)、保留表示切替情報設定処理を終了する。
なお、第3保留表示切替情報の設定の際には第3保留演出済み情報を考慮しなくても良い。また、2回目の先読み演出を行う際には、識別情報の上下動作による始動記憶表示41bの隠蔽を行わず、第3保留で先読み演出を行った始動記憶表示41bが第1保留となった際に表示を変更するようにしても良い。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件が複数回成立し、同一の始動記憶表示41bに対して先読み演出の実行が決定された場合、事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果をより明確に報知可能であることとなる。
なお、同一の始動記憶表示41bについて複数回の先読み演出を行う場合に、図106に示すように複数の識別情報のそれぞれの上下動作による始動記憶表示41bの隠蔽を行うようにしても良い。
まず、図106(a)に示すように第3保留がある状態で、図106(b)に示すように対応する右側の識別情報の上下動作による隠蔽を行い、図106(c)に示すように先読み演出を行う。次の特図変動表示ゲームでは、図106(d)に示すように先読み演出を行った始動記憶が第2保留となり中央の識別情報と対応する位置に移動するので、図106(e)に示すように、中央の識別情報の上下動作による隠蔽を行い、図106(f)に示すように先読み演出が変化する。さらに次の特図変動表示ゲームでは、図106(g)に示すように先読み演出を行った始動記憶が第1保留となり左側の識別情報と対応する位置に移動するので、図106(h)に示すように、中央の識別情報の上下動作による隠蔽を行い、図106(i)に示すように先読み演出が変化する。
このような先読み演出とすることでも、同一の始動記憶について複数回の先読み演出を行うことができるので、遊技者の期待感をより高めることができることができ、たとえリーチ状態とならずに結果がはずれとなる場合でも、識別情報の変動表示自体に興味や期待感を持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、図106に示すような演出を行う場合は、演出制御装置300において連続する複数回の先読み演出を行う各特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを、先読み演出の対象となる始動記憶表示41bの位置で停止する識別情報が所定の動作を行う変動パターンに設定するようにする。
次に、第4実施形態の第3変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、同一の始動記憶に対応する始動記憶表示41bについて複数回の先読み演出を実行可能となっており、先読み演出を行う際の識別情報の動作が異なる。
本変形例の遊技機では、先読み演出を行う場合に、各識別情報が各始動記憶表示41bを隠蔽するように移動可能となっている。図107には中央の識別情報が先読み演出を行う始動記憶表示41bを隠蔽するように動作する先読み演出の一例を示した。この例は、図107(a)に示すように第3保留がある状態で、当該第3保留について複数回の先読み演出を行う例である。
図107(b)に示すように中央の識別情報が停止するタイミングとなると、中央の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図107(c)に示すように先読み演出が行われる。このように識別情報が先読み演出を行う始動記憶表示41bへ向けて移動する場合は、始動記憶表示41bの表示位置と識別情報の表示位置が上下に対応していなくても良い。
次の特図変動表示ゲームでは、図107(d)に示すように、先読み演出を行った始動記憶が第2保留となるので、図107(e)に示すように、中央の識別情報が当該第2保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図107(f)に示すように先読み演出が変化する。さらに、次の特図変動表示ゲームでは、図107(g)に示すように、先読み演出を行った始動記憶が第1保留となるので、図107(h)に示すように、中央の識別情報が当該第1保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図107(i)に示すように先読み演出が変化する。
なお、図107では中央の識別情報として停止表示される識別情報が上下動作するようにしたが、図108に示すように、中央の識別情報として停止表示される以外の識別情報が始動記憶表示41bを隠蔽するようにしても良い。
図108(b)に示すように中央の識別情報が停止する直前のタイミングとなると、中央の識別情報として停止する識別情報の一つ手前の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように始動記憶表示41bの前方を通過し、図108(c)に示すように先読み演出が行われる。次の特図変動表示ゲームでも、図108(e)に示すように、中央の識別情報として停止する識別情報の一つ手前の識別情報が第2保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように始動記憶表示41bの前方を通過し、図108(f)に示すように先読み演出が変更される。さらに、次の特図変動表示ゲームでも、図108(h)に示すように、中央の識別情報として停止する識別情報の一つ手前の識別情報が第1保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように始動記憶表示41bの前方を通過し、図108(i)に示すように先読み演出が変更される。
このように、各識別情報が各始動記憶表示41bを隠蔽するように移動可能となっていることで、識別情報の位置に対応した始動記憶表示41b以外の始動記憶表示41bについても先読み演出を実行可能となり、先読み演出の幅が広がる。例えば、先読み演出が行われるまで、どの始動記憶表示41bについて先読み演出がなされるのかが分からず先読み演出に対する興趣を向上することができる。また、中央の識別情報を用いることで、時短状態中や始動記憶数が多い場合に選択される変動時間がごく短い変動パターンであっても先読み演出を実行可能となる。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図92に示す先読みコマンド受信処理に替えて図109に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB461)、受信していない場合(ステップB461;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB461;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブする(ステップB462)。
次に、先読み演出(特定演出)の実行中であるかを判定し(ステップB571)、先読み演出の実行中である場合(ステップB571;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読み演出の実行中でない場合(ステップB571;No)は、先読み情報を取得して特定演出実行可能保留であるかをチェックする(ステップB572)。
特定演出実行可能保留とは、例えば、結果が大当りとなる始動記憶や、特定の変動パターン(例えばリーチ状態)となる始動記憶、これらの何れでもないが任意に選択された始動記憶である。この特定演出実行可能保留でない場合(ステップB573;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特定演出実行可能保留である場合(ステップB573;Yes)は、保留数情報を取得し(ステップB574)、所定個数以上であるかを判定する(ステップB575)。
そして、所定個数以上でない場合(ステップB575;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。所定個数は例えば2個であり、先読み演出を実行可能な期間が短い場合には先読み演出を行わないようにしている。また、所定個数以上である場合(ステップB575;Yes)は、先読み演出に対応する保留記憶領域に特定先読み演出情報をセーブし(ステップB576)、先読みコマンド受信処理を終了する。
先読み演出に対応する保留記憶領域とは、先読み演出が実行される特図変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する保留記憶領域であり、特定演出実行可能保留よりも先に消化される始動記憶に対応するものである。なお、特定演出実行可能保留の先読み結果に基づき、特定先読み演出情報をセーブする保留記憶領域の数を選択するようにしても良い。例えば、特定演出実行可能保留が特別結果となるものである場合の方が特定先読み演出情報をセーブする保留記憶領域の数を多くし、先読み演出の回数が多いほうが特別結果となる可能性が高いことを示唆するようにしても良い。
〔変動パターン情報設定処理〕
また、図94に示す変動パターン情報設定処理に替えて図110に示す変動パターン情報設定処理を行う。この変動パターン情報設定処理では、ステップB471からB475の処理を行った後、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを仮決定する(ステップB581)。その後、保留記憶領域の情報を取得し(ステップB582)、特定先読み演出情報があるかをチェックする(ステップB583)。
特定先読み演出情報がない場合(ステップB584;No)、すなわち先読み演出を行わない場合は、仮決定された変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定し(ステップB586)、変動パターン情報設定処理を終了する。また、特定先読み演出情報がある場合(ステップB584;Yes)、すなわち先読み演出を行う場合は、変動情報変更設定処理(ステップB585)を行い、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔変動情報変更設定処理〕
図111には、上述の変動パターン情報設定処理における変動情報設定処理(ステップB585)を示した。この変動情報設定処理では、まず、仮決定された変動パターンに関する情報を取得し(ステップB591)、保留記憶領域の情報を取得して(ステップB592)、取得した情報に基づいて対応する保留表示切替情報を設定する(ステップB593)。保留表示切替情報には、始動記憶表示41bの表示をどのような表示にするかの情報が含まれる。
次に、保留表示切替情報に基づいて対応する変動パターンを取得し(ステップB594)、取得した変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定する(ステップB595)。そして、特定演出情報を設定して(ステップB596)変動情報変更設定処理を終了する。保留表示切替情報に基づいた変動パターンとは、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する始動記憶表示41bの位置に応じた中央の識別情報の動作を含む変動パターンである。
また、図96に示す特定演出情報設定処理では、切替対象の保留記憶領域に情報があるかをチェックする処理(ステップB495)で、第1、第2又は第3保留記憶領域に、第1、第2又は第3保留表示切替情報があるかをチェックする。そして、情報がある場合は、対応する保留表示切替情報に基づき第1、第2又は第3保留切替フラグおよび第1、第2又は第3保留演出情報を設定するようにする。また、図98に示す保留表示処理では、保留切替フラグがある場合(ステップB534)に、第1、第2又は第3保留切替フラグの何れであるかをチェックし、対応する保留表示切替設定を行うとともに対応する保留切替フラグをクリアする。これにより、図107や図108に示したような先読み演出が実行可能となる。
なお、特図変動表示ゲームの変動パターンとして、特図変動表示ゲームの実行中に複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様を選択可能とし、各単位変動表示において先読み演出を行うようにしても良い。
図112には、擬似連変動態様における各単位変動表示において先読み演出を行う例を示した。この例は、図112(a)に示すように第3保留がある状態で、当該第3保留について複数回の先読み演出を行う例である。
図112(b)に示すように、一回目の単位変動表示で中央の識別情報が停止するタイミングとなると、中央の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図112(c)に示すように先読み演出が行われる。なお、図112(c)に示す状態は仮停止状態であり、識別情報を揺れるように表示して特図変動表示ゲームが終了していないことを示している。
図112(d)に示すように、次の単位変動表示でも先読み演出を行った始動記憶は第3保留のままとなるので、図112(e)に示すように、中央の識別情報が当該第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図112(f)に示すように先読み演出が変化する。さらに、図112(g)に示すように、次の単位変動表示でも先読み演出を行った始動記憶は第3保留のままとなるので、図112(h)に示すように、中央の識別情報が当該第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図112(i)に示すように先読み演出が変化する。
〔変動情報変更設定処理〕
このような表示を行うために、図111に示す変動情報変更設定処理に替えて図113に示す変動情報変更設定処理を行う。この変動情報変更設定処理では、ステップB591からB593の処理を行った後、仮決定された変動パターンが擬似連変動パターン(擬似連変動態様)であるかを判定する(ステップB601)。
そして、擬似連変動パターンである場合(ステップB601;Yes)は、仮決定された変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定し(ステップB604)、変動情報変更設定処理を終了する。また、擬似連変動パターンでない場合(ステップB601;No)は、保留表示切替情報に基づいて対応する擬似連変動パターンを取得し(ステップB602)、取得した擬似連変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定して(ステップB603)、変動情報変更設定処理を終了する。この処理により、先読み演出を行う特図変動表示ゲームの変動パターンが擬似連変動パターンとなり、図112に示したような先読み演出を実行することが可能となる。
なお、擬似連変動パターンでのみ複数回の先読み演出を行う場合は、先読みコマンド受信処理での対応する保留記憶領域に特定先読み演出情報をセーブする処理(ステップB576)において、対象となる始動記憶にのみ特定先読み演出情報をセーブするようにする。また、擬似連変動パターンで複数回の先読み演出を行った後、擬似連変動パターンでない変動パターンでさらに先読み演出を行うことも可能である。この場合は、図113に示す変動情報変更設定処理において、先読み演出を行う特図変動表示ゲームの変動パターンを、擬似連変動パターンとするか否かを選択できるようにする。
このように、擬似連変動態様の各単位変動表示において先読み演出を行うことで、複数回の単位変動表示による興趣の向上に加え、毎回の先読み演出に対する興趣の向上も図ることができる。
以上のことから、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行って結果態様を導出する通常変動態様と、変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様と、の何れかの変動態様を選択して実行するものであり、所定条件は、ゲーム実行制御手段が変動表示ゲームの実行態様として擬似連変動態様を選択することであり、当該擬似連変動態様では複数回の単位変動表示毎に識別情報の所定の動作が行われ、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、擬似連変動態様にて実行される複数回の単位変動表示毎に、先読み演出を実行可能であることとなる。
なお、擬似連変動パターンとされた特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、かつ、特別結果となる始動記憶がある場合は、当該始動記憶の存在を明確に報知するようにしても良い。図114には、このような場合の一例を示した。
この例では、図114(a)に示すように、第3保留について各単位変動表示において先読み演出がなされ、最後の単位変動表示において、図114(b)に示すようにリーチ状態となり図114(c)に示すように特別結果が導出されている。この場合、図114(d)に示すように、中央の識別情報を第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作させる。そして、図114(e)に示すように当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが特別結果となることを明確に示す表示(ここでは「確」の表示)に変化させる。
また、一連の先読み演出において、同一の始動記憶についての先読み演出を複数回行うとしたが、一連の先読み演出において複数の始動記憶について先読み演出を行うようにしても良い。さらに、例えば図115に示すようなキャラクタの表示により先読み演出の対象となる始動記憶数(保留数)を報知するようにしても良い。
図116には、一連の先読み演出において複数の始動記憶について先読み演出を行う例を示した。この例は、図116(a)に示すように第3保留がある状態で、第2保留と第3保留について先読み演出を行う例である。この場合、二つの保留について先読み演出が行われることを示すキャラクタ41pが表示される。
図116(b)に示すように右側の識別情報が停止するタイミングとなると、右側の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図116(c)に示すように先読み演出が行われる。さらに、114(c)に示すように、中央の識別情報が停止するタイミングとなると、中央の識別情報が第2保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図116(d)に示すように先読み演出が行われる。
図117には、一連の先読み演出において複数の始動記憶について先読み演出を行う別例を示した。この例は、図117(a)に示すように第3保留がある状態で、全ての保留について先読み演出を行う例である。この場合、全ての保留について先読み演出が行われることを示すキャラクタ41pが表示される。
図117(b)に示すように左側の識別情報が停止するタイミングとなると、左側の識別情報が第1及び第2保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図117(c)に示すように先読み演出が行われる。そして、115(c)に示すように、右側の識別情報が停止するタイミングとなると、右側の識別情報が第4保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図117(d)に示すように先読み演出が行われる。さらに、115(d)に示すように、中央の識別情報が停止するタイミングとなると、中央の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図117(e)に示すように先読み演出が行われる。
なお、図117(b)に示すように、複数の始動記憶表示41bについて同時に先読み演出を行うことができるので、特別結果となる始動記憶のような特定の始動記憶については複数回の先読み演出を行い、始動記憶表示41bが期待度(信頼度)の高い表示に徐々に変化するようにしても良い。
次に、第4実施形態の第4変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第2始動記憶についても先読み演出を行うことが可能となっている。
図118には第2始動記憶についての先読み演出の一例を示した。この例は、図118(a)に示すように第2始動記憶に第1保留がある状態で、当該第1保留について先読み演出を行う例である。図118(b)に示すように左側の識別情報が停止するタイミングとなると、左側の識別情報が第1保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽するように上下動作し、図118(c)に示すように先読み演出が行われる。
さらに、第2始動記憶の第3保留が発生していない状態で図118(d)に示すように右側の識別情報が停止するタイミングとなると、右側の識別情報が第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される部分を隠蔽するように上下動作し、図118(e)に示すように第1保留についての予告保留表示41qを行う。時短状態以外では第2始動記憶が発生する頻度は少なく、発生したとしても第3保留まで発生することは非常に少ない。よって、第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される箇所で第1保留についての示唆を行う予告保留表示41qを行うことで先読み演出の興趣を向上するようにしている。
〔特定演出情報設定処理〕
以上のような表示を行うため、図96に示した特定演出情報設定処理に替えて図119に示す特定演出情報設定処理を行う。この特定演出情報設定処理では、ステップB491からB494の処理を行い、保留表示切替タイミングである場合(ステップB494;Yes)に、特図2保留情報があるかをチェックする(ステップB611)。
特図2保留情報がない場合(ステップB612;No)、すなわち、第2始動記憶がない場合は、通常特定演出設定処理(ステップB613)を行い、特定演出情報設定処理を終了する。通常特定演出設定処理(ステップB613)では、図96に示した特定演出情報設定処理におけるステップB495以下の処理を行う。一方、特図2保留情報がある場合(ステップB612;Yes)、すなわち、第2始動記憶がある場合は、特図2特定演出設定処理(ステップB614)を行い、特定演出情報設定処理を終了する。
〔特図2特定演出設定処理〕
図120には、上述した特定演出情報設定処理における特図2特定演出設定処理(ステップB614)を示した。この特図2特定演出設定処理では、まず、切替対象が第1保留であるかをチェックし(ステップB621)、第1保留である場合は(ステップB622;Yes)、特図2第1保留記憶領域の保留情報を取得する(ステップB629)。その後、取得した保留情報に基づき特図2第1保留切替フラグをセットし(ステップB630)、取得した保留情報に基づき特図2第1保留演出情報を設定して(ステップB631)、特定演出情報設定処理を終了する。特図2第1保留演出情報には、第1保留に対応する始動記憶表示41bをどのような表示にするかの情報が含まれている。
また、切替対象が第1保留でない場合(ステップB622;No)は、特図2第3保留記憶領域に保留情報があるかをチェックする(ステップB623)。そして、特図2第3保留情報がない場合(ステップB624;No)、すなわち、第2始動記憶数が1又は2である場合は、特図2演出保留表示処理(ステップB628)を行い、特図2特定演出設定処理を終了する。
また、特図2第3保留情報がある場合(ステップB624;Yes)は、特図2第3保留記憶領域の保留情報を取得し(ステップB625)、取得した保留情報に基づき特図2第3保留切替フラグをセットする(ステップB626)。その後、取得した保留情報に基づき特図2第3保留演出情報を設定し(ステップB627)、特図2特定演出設定処理を終了する。特図2第3保留演出情報には、第3保留に対応する始動記憶表示41bをどのような表示にするかの情報が含まれている。
〔特図2演出保留表示処理〕
図121には、上述した特図2特定演出設定処理における特図2演出保留表示処理(ステップB628)を示した。この特図2演出保留表示処理では、まず、特図2第2保留記憶領域に保留情報があるかをチェックし(ステップB641)、特図2第2保留情報がある場合(ステップB642;Yes)、すなわち第2始動記憶数が2である場合は、特図2演出保留表示処理を終了する。
また、特図2第2保留情報がない場合(ステップB642;No)、すなわち第2始動記憶数が1である場合は、予告保留表示実行乱数を取得し(ステップB643)、取得した乱数に基づき予告保留表示を実行するかを判定する(ステップB644)。そして、予告保留表示を実行しない場合(ステップB644;No)は、特図2演出保留表示処理を終了する。また、予告保留表示を実行する場合(ステップB644;Yes)は、第3予告保留表示フラグをセットし(ステップB645)、特図2第3予告保留演出情報を設定して(ステップB646)、特図2演出保留表示処理を終了する。特図2第3予告保留演出情報には、第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される部分で行われる予告保留表示41qをどのような表示にするかの情報が含まれている。
なお、図98に示した保留表示処理では、保留切替フラグがある場合(ステップB534;Yes)に、設定されている保留切替フラグに対応する保留表示切替設定を行うようにする。すなわち、第1保留切替フラグが設定されている場合は第1保留演出情報に基づいて第1保留切替設定を行い、第1始動記憶の第1保留に対応する始動記憶表示41bの表示を切り替える。また、第3保留切替フラグが設定されている場合は第3保留演出情報に基づいて第3保留切替設定を行い、第1始動記憶の第3保留に対応する始動記憶表示41bの表示を切り替える。
そして、特図2第1保留切替フラグが設定されている場合は特図2第1保留演出情報に基づいて特図2第1保留切替設定を行い、第2始動記憶の第1保留に対応する始動記憶表示41bの表示を切り替える。また、特図2第3保留切替フラグが設定されている場合は特図2第3保留演出情報に基づいて特図2第3保留切替設定を行い、第2始動記憶の第3保留に対応する始動記憶表示41bの表示を切り替える。さらに、保留切替フラグがある場合(ステップB534;Yes)には、第3予告保留表示フラグが設定されている場合も含み、この場合は、特図2第3予告保留演出情報に基づいて特図2第3保留切替設定を行い、第2始動記憶の第3保留に対応する始動記憶表示41bが表示される部分に予告保留表示を表示する。
なお、第1始動記憶についての先読み演出を実行することが設定されている場合でも第2始動記憶についての先読み演出を優先して行うようにしたが、第2始動記憶についての先読み演出を第1始動記憶についての先読み演出と同時に行うようにしても良い。例えば、第1保留に対応する左側の識別情報が停止する際に、第1始動記憶表示領域41mと第2始動記憶表示領域41nの第1保留を順次隠蔽するように上下動作させて先読み演出を行うようにしても良い。
また、時短状態以外では第2始動記憶が発生する頻度は少ないので、第2始動記憶の第2保留がある場合に当該第2保留について先読み演出を行うようにしても良い。また、時短状態でない場合に所定の確率で普通変動入賞装置37の開放時間を長くするようにし、第2始動記憶が発生しやすくして上述のような演出を行うようにしても良い。また、第2始動記憶を第1始動記憶よりも優先的に消化するようにした遊技機であっても問題なく本変形例の構成を適用可能である。
以上のことから、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞領域(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶するように構成され、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作に応じて第1始動記憶及び第2始動記憶に対応する始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果を示唆する先読み演出を実行可能であることとなる。
また、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、変動表示ゲームにおける識別情報の所定の動作に応じて、未だ発生していない所定の始動記憶に対応する始動記憶表示41bが表示される領域において、既に発生している始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知(予告保留表示)を実行可能であることとなる。
次に、第4実施形態の第5変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別結果となる始動記憶などの特定の始動記憶が発生した場合に、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bの表示を遅延させるようにしている。なお、ここでは、始動記憶表示41bの表示の遅延の対象となる場合を、第1始動記憶の第1又は第3保留として特別結果となる始動記憶が発生した場合として説明する。
図122には本変形例の遊技機における表示装置41での表示例を示した。図122(a)に示すように、特図変動表示ゲームの実行中に第1始動記憶が2つ存在した状態において特別結果となる始動記憶が発生した場合、当該始動記憶に対応する始動記憶表示41bは表示されず、代わりに始動入賞口36へ入賞させる必要のある遊技球数が報知される。ここでは、あと2つの遊技球を始動入賞口36へ入賞させる必要があることを報知している。
図122(b)に示すように、次の特図変動表示ゲームでは先読み演出が行われるようになっている。そして、図122(c)に示すように指示された入賞が発生せず、図122(d)に示すように右側の識別情報の停止タイミングとなった場合は、図122(e)に示すように始動記憶表示41bの表示の遅延が解除される。この場合、当該始動記憶表示41bでは先読み演出が行われない。
これに対して、図122(f)に示すように指示された入賞が発生し、図122(g)に示すように右側の識別情報の停止タイミングとなった場合は、図122(h)に示すように始動記憶表示41bの表示の遅延が解除されるとともに、当該始動記憶表示41bで先読み演出が行われる。この場合の先読み演出では当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果となることが明確に報知される。このような演出とすることで、遊技者が先読み結果を知ろうとして遊技球を発射するようになるので、止め打ちを防止でき、遊技機の稼働率を向上することができる。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図92に示した先読みコマンド受信処理に替えて図123に示す先読みコマンド受信処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)を受信したかを判定し(ステップB461)、受信していない場合(ステップB461;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、受信している場合(ステップB461;Yes)は、先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブし、(ステップB462)、先読み演出の実行中であるかを判定する(ステップB651)。
先読み演出の実行中である場合(ステップB651;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読み演出の実行中でない場合(ステップB651;No)は、先読み情報を取得して結果が大当り(特別結果)であるかをチェック(ステップB652)する。そして、大当りでない場合(ステップB653;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、大当りである場合(ステップB653;Yes)は、保留数情報を取得し(ステップB654)、特図1(第1始動記憶)の第1又は第3保留であるかを判定する(ステップB655)。
特図1(第1始動記憶)の第1又は第3保留でない場合(ステップB655;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、特図1(第1始動記憶)の第1又は第3保留である場合(ステップB655;Yes)は、先読み演出に対応する保留記憶領域に特定先読み演出情報をセーブする(ステップB656)。先読み演出に対応する保留記憶領域とは、先読み演出を行う特図変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する保留記憶領域であり、図122に示したような演出を行う特図変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応するものである。その後、該当する保留記憶領域に表示遅延情報を設定して(ステップB657)、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔保留数コマンド受信処理〕
また、図28に示す保留数コマンド受信処理に替えて、図124に示す保留数コマンド受信処理を行う。この保留数コマンド受信処理では、第1始動記憶の増減に関する処理(ステップB81からB88)を行った後、始動記憶表示41bの遅延表示に関する処理を行う。また、第2始動記憶の増減に関する処理(ステップB89からB92)を行った後は保留数コマンド受信処理を終了する。なお、ここでは事前報知に関する処理(図28のステップB93から100)については行わないようにしているが、この事前報知に関する処理を行うようにしても良い。
遅延表示に関する処理では、始動記憶表示41bの遅延表示中であるかを判定し(ステップB661)、遅延表示中でない場合(ステップB661;No)は保留数コマンド受信処理を終了する。また、遅延表示中である場合(ステップB661;Yes)は、図122(a)に示すような演出の開始からの始動入賞口36への入賞数やオーバーフロー入賞数を計数する遅延入賞カウンタを+1し(ステップB662)、所定数に到達したかを判定する(ステップB663)。
所定数とは、図122(a)に示すような報知において入賞させる必要がある遊技球数として報知された数であり、図122に示す例では2つである。この所定数に到達していない場合(ステップB663;No)は、保留数コマンド受信処理を終了する。また、所定数に到達した場合(ステップB663;Yes)は、保留表示確定情報を設定し(ステップB664)、保留数コマンド受信処理を終了する。
なお、オーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB83;Yes)も入賞としてカウントするように、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定(ステップB88)するようにしているが、この場合は、始動記憶数の変化なしの特図1保留数表示データを設定する。
〔変動パターン情報設定処理〕
また、図94に示す変動パターン情報設定処理に替えて図125に示す変動パターン情報設定処理を行う。この変動パターン情報設定処理では、ステップB471からB475の処理を行った後、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを仮決定する(ステップB671)。その後、保留記憶領域の情報を取得し(ステップB672)、表示遅延情報があるかをチェックする(ステップB673)。
表示遅延情報がない場合(ステップB674;No)は、仮決定された変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定し(ステップB676)、変動パターン情報設定処理を終了する。また、表示遅延情報がある場合(ステップB674;Yes)は、変動情報変更設定処理(ステップB675)を行い、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔変動情報変更設定処理〕
図126には、上述の変動パターン情報設定処理における変動情報設定処理(ステップB675)を示した。この変動情報設定処理では、まず、仮決定された変動パターンに関する情報を取得し(ステップB681)、保留記憶領域の情報を取得して(ステップB682)、取得した情報に基づいて対応する保留表示切替情報を設定する(ステップB683)。保留表示切替情報には、始動記憶表示41bの表示をどのような表示にするかの情報が含まれる。
次に、保留表示切替情報に基づいて対応する変動パターンを取得し(ステップB684)、取得した変動パターンを当該変動の変動パターンとして決定する(ステップB685)。そして、特定演出情報を設定して(ステップB686)変動情報変更設定処理を終了する。保留表示切替情報に基づいた変動パターンとは、先読み演出の対象となる始動記憶(始動記憶表示41bの表示を遅延していた始動記憶)に対応する始動記憶表示41bの位置に応じた識別情報の動作を含む変動パターンである。
〔特定演出情報設定処理〕
また、図96に示す特定演出情報設定処理に替えて図127に示す特定演出情報設定処理を行う。この特定演出情報設定処理では、ステップB491からB498の処理を行い、切替対象が第1保留である場合(ステップB498;Yes)は、第1保留表示切替情報に基づき第1保留切替フラグをセットする(ステップB499)。
その後、保留表示確定情報があるかをチェックし(ステップB691)、保留表示確定情報がない場合(ステップB692;No)は、第1保留表示切替情報に基づき第1保留演出情報を設定し(ステップB500)、特定演出情報設定処理を終了する。また、保留表示確定情報がある場合(ステップB692;Yes)は、第1保留表示切替情報に基づき第1保留確定表示情報を設定し(ステップB693)、特定演出情報設定処理を終了する。第1保留確定表示情報には、第1保留に対応する始動記憶表示41bにおいて特別結果となることを明確に表示する旨の情報が含まれている。
一方、切替対象が第1保留でない場合(ステップB498;No)は、第3保留表示切替情報に基づき第3保留切替フラグをセットする(ステップB501)。その後、保留表示確定情報があるかをチェックし(ステップB694)、保留表示確定情報がない場合(ステップB695;No)は、第3保留表示切替情報に基づき第3保留演出情報を設定し(ステップB502)、特定演出情報設定処理を終了する。また、保留表示確定情報がある場合(ステップB695;Yes)は、第3保留表示切替情報に基づき第3保留確定表示情報を設定し(ステップB696)、特定演出情報設定処理を終了する。第3保留確定表示情報には、図122(h)に示したように、第3保留に対応する始動記憶表示41bにおいて特別結果となることを明確に表示する旨の情報が含まれている。
〔保留表示処理〕
また、図98に示す保留表示処理に替えて図128に示す保留表示処理を行う。この保留表示処理では、まず、始動記憶数の増減やオーバーフロー入賞の発生に伴い設定される保留数表示データがあるかをチェックする(ステップB531)。そして、保留数表示データがある場合(ステップB532;Yes)は、現在記憶されている始動記憶の保留記憶領域の何れかに表示遅延情報があるかをチェックする(ステップB701)。この表示遅延情報がない場合(ステップB702;No)は、通常保留表示設定処理(ステップB704)を行い、保留表示処理を終了する。この処理により始動記憶数の増減に伴う通常の始動記憶表示41bの設定が行われる。
また、表示遅延情報がある場合(ステップB702;Yes)は、保留表示遅延設定処理(ステップB703)を行い、保留表示処理を終了する。この場合は、始動記憶の状態により表示を設定する。例えば、始動記憶表示41bの表示遅延の契機となった始動記憶の発生時では、図122(a)に示すような入賞数を指示する報知を表示する設定を行う。また、始動記憶表示41bの表示の遅延を行っている状態で始動記憶が発生した場合は、当該始動記憶についての始動記憶表示41bを表示する。この場合、表示の遅延を行っている始動記憶があるため、始動記憶表示41bの数は実際の始動記憶数よりも一つ少ない状態となる。なお、オーバーフロー入賞が発生した場合も同様に始動記憶表示41bを表示するようにする。
一方、保留数表示データがない場合(ステップB532;No)は、保留切替設定処理(ステップB705)を行い、保留表示処理を終了する。この保留切替設定処理(ステップB705)では、図98に示す保留表示処理におけるステップB533以下の処理を行う。これにより、図122に示したような表示が行われることとなる。
なお、以上の説明では、始動記憶表示41bの表示の遅延の対象となる場合を、第1始動記憶の第1又は第3保留として特別結果となる始動記憶が発生した場合としたが、第1始動記憶、第2始動記憶の何れの始動記憶についても始動記憶表示41bの遅延の対象とするようにしても良い。また、遅延の対象となる始動記憶の発生から次の特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止タイミングまでの期間に所定数の入賞が発生することを確定報知の条件としたが、これに限られるものではない。例えば、遅延の対象となる始動記憶の発生した特図変動表示ゲームの終了までの期間に所定数の入賞が発生することを確定報知の条件としても良いし、遅延の対象となる始動記憶の発生から所定数の特図変動表示ゲームの終了までの期間に所定数の入賞が発生することを確定報知の条件としても良い。また、所定数の入賞の発生を監視する期間を、表示を遅延している始動記憶表示41bが表示される位置に対応した識別情報の停止タイミングまでとしたが、中央の識別情報の停止タイミングまでとして中央の識別情報の所定の動作により先読み結果が報知されるようにしても良い。
また、始動記憶表示41bの表示の遅延の対象とする始動記憶は、特別結果となる始動記憶以外でも良く、たとえば結果がはずれであり特定のリーチ状態となる始動記憶や、結果がはずれである始動記憶から任意に選択された始動記憶でも良い。また、特図変動表示ゲームの変動パターンとして、特図変動表示ゲームの実行中に複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様が選択された場合において特別結果態様となる始動記憶が発生した場合に始動記憶表示41bの表示の遅延を行うようにしても良い。この場合、所定数の入賞が発生して確定報知の条件が成立した後の単位変動表示において図122(f)から(h)に示す演出を行うようにしても良い。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段(遊技制御装置100)によって特別結果が導出されると判定された始動記憶に対応する始動記憶表示41bを非表示とすることが可能であり、所定の報知条件が成立することに基づき、非表示とした始動記憶表示41bを表示するとともに当該始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段の判定結果を示唆する先読み演出を実行可能であることとなる。
次に、第4実施形態の第6変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶表示41bの所定の動作に応じて演出を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、識別情報が上下動作する代わりに始動記憶表示41bが上下動作することで先読み演出が行われるようになっている。図129には、第1始動記憶の第1保留についての先読み演出を行う場合の表示例を示した。図129(a)に示すように左側の識別情報が停止した後、図129(b)に示すように始動記憶表示41bが識別情報へ向けて上方へ移動する。そして、図129(c)に示すように始動記憶表示41bが識別情報の裏面側に移動して隠蔽され、図129(d)に示すように元の位置へ戻る。この際に始動記憶表示41bで先読み演出(ここでは「!!!」の表示)が行われる。
このような始動記憶表示41bの動作による先読み演出を行うことで、従来にない斬新な始動記憶表示41bを行うことができるとともに、期待感を継続させることができる。また、始動記憶表示41bの変化と識別情報の動作とに関連を持たせることができ、例えば、リーチ状態とならずに結果がはずれとなって識別情報が停止した場合でも期待感を持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動入賞記憶手段に記憶された始動記憶に対応する始動記憶表示41bを制御する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)とを備え、始動記憶表示制御手段は、事前結果判定手段による始動記憶の判定結果が特定の判定結果であった場合に、当該特定の判定結果である始動記憶に対応する始動記憶表示41bを、変動表示ゲームにおいて停止表示している所定の識別情報の裏側に移動させた後に元の位置へ戻す表示を行い、当該元の位置へ戻した始動記憶表示41bにおいて特定の判定結果を報知可能であることとなる。
また、特図変動表示ゲームの変動パターンとして、特図変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報の一部又は全部を所定時間変動表示して仮停止表示した後に再度変動表示する再変動態様を選択可能とし、始動記憶表示41bにより再変動態様に関する報知を行うようにしても良い。
図130には右側の識別情報が再変動する場合の表示例を示した。図130(a)に示すように、再変動態様となる特図変動表示ゲームの実行中に、図130(b)に示すように第3保留が発生した場合、始動記憶表示41bに再変動態様となることを示す表示(ここでは「R」の表示)がなされる。しかしこの時点では、遊技者は、新たに発生した第3保留に対しての先読み予告であると認識し、現在変動している特図変動表示ゲームに対する期待感が削がれることとなる。しかしその後、そして、図130(c)に示すように、右側の識別情報が仮停止した後、第3保留に対応する始動記憶表示41bが右側の識別情報へ向けて上方へ移動し、識別情報の裏面側に隠蔽され、図130(e)に示すように元の位置へ戻る。この際に始動記憶表示41bに表示されていた再変動態様となることを示す表示は終了している。その後、図130(f)に示すように右側の識別情報が再度変動表示を開始し、図130(g)に示すように停止する。これにより、一旦減衰しかけた現在変動している特図変動表示ゲームに対する期待感が再度向上することとなる。
なお、この後に図130(h)に示すように、停止した右側の識別情報を上下動作させて第3保留に対応する始動記憶表示41bを隠蔽し、図130(i)に示すように先読み演出を行うようにしても良いし、図130(e)に示すように始動記憶表示41bが元の位置に戻った際に先読み演出を行うようにしても良い。このようにすれば、先読み演出を行う場合の動作と同様の動作で再変動表示の開始を報知することができ、遊技の興趣を高めることができる。とくに、第3保留が、先読み予告としての遊技者の認識から、現在変動している特図変動表示ゲームへの期待感へと変化し、さらにその後、実際の第3保留の先読み予告へと繋がるため、遊技者の期待感を効果的に継続することができることとなり、遊技の興趣がより向上する。さらに、再度変動表示する識別情報と上下に対応する始動記憶表示41bで再変動表示の報知を行うとしたが、任意の始動記憶表示41bで再変動表示の報知を行い、当該始動記憶表示41bが再度変動表示する識別情報へ移動するようにしても良い。
以上のことから、変動表示ゲームの実行制御を行うゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)を備え、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報の一部又は全部を所定時間変動表示して仮停止表示した後に再度変動表示する再変動態様を選択して実行可能であり、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、再変動態様が選択された場合に、始動記憶表示41bに再変動態様となることを報知する表示を行うとともに、識別情報が再度変動表示する際に、始動記憶表示41bを仮停止表示している所定の識別情報の裏側に移動させた後に元の位置へ戻す表示を行い、当該識別情報が再度変動表示することを報知可能であることとなる。
なお、図130に示す再変動表示では複数の識別情報のうち一部の識別情報のみを再度変動表示するようにしたが、全ての識別情報を仮停止した後に再度変動表示するようにしても良い。すなわち、特図変動表示ゲームの変動パターンとして、特図変動表示ゲームの実行中に複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様を選択可能とし、各単位変動表示を行う際に図130に示したような始動記憶表示41bによる再変動表示の報知を行うようにしても良い。この場合に、各識別情報と上下に対応する始動記憶表示41bの全てにおいて再度変動表示が行われることを報知する表示を行うようにしても良いし、一部の識別情報において再度変動表示が行われることを報知する表示を行うようにしても良い。
すなわち、ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行って結果態様を導出する通常変動態様と、変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様と、の何れかの変動態様を選択して実行するものであり、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、擬似連変動態様にて実行される複数回の単位変動表示の開始時に、任意の始動記憶表示41bを変動表示ゲームにおいて停止表示している所定の識別情報の裏側に移動させた後に元の位置へ戻す表示を行うことようにしても良い。
なお、上述の第4実施形態及び第4実施形態の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。さらに第1から第3実施形態並びに第1から第3実施形態の各変形例の構成も適宜組み合わせて適用可能である。この場合に競合する処理がある場合は、条件により又は任意に何れかの処理を行うように振り分けるようにしても良い。
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態において始動記憶についての先読み演出を行うようにしている。
図131には、特別遊技状態における表示装置41での表示例を示した。図131(a)に示すように特別遊技状態における所定のラウンド(ここでは10ラウンド)となると、高確率状態となるか否かを報知する演出が行われる旨の表示が行われ、次のラウンドでは、図131(b)に示すように味方キャラクタ41rと敵キャラクタ41sが戦う演出が行われる。この演出は、味方キャラクタ41bが勝つことで特別遊技状態の終了後に高確率状態となることが報知される演出となっている。
次のラウンドでは、図131(c)に示すように味方キャラクタ41rと敵キャラクタ41sの戦いの結果が表示される。ここでは味方キャラクタ41rが勝っており、特別遊技状態の終了後に高確率状態となることが報知されている。そして、味方キャラクタ41rが勝ち、高確率状態となることが報知された場合は、図131(d)に示すように次のラウンドで味方キャラクタ41rが始動記憶表示41bを壊し、図131(e)に示すように先読み演出(ここでは「!!!」の表示)が行われる。なお、敵キャラクタ41sが勝った場合は、先読み演出は行われない。
図132には、特別遊技状態における表示装置41での表示の別例を示した。図132に示す例では、図131に示す例と比べて味方キャラクタ41rが持っているアイテムの種類が異なっている。図133に示すようにアイテムには複数の種類があり、選択されたアイテムの種類により高確率状態となる可能性の高さが異なるようになっている。図133では下に行くほど高確率状態となる可能性が高いことを報知するようになっている。また、高確率状態となる可能性が高いことを報知するアイテムほど、より多くの始動記憶表示41bで先読み演出が行われる可能性が高くなっている。
図132(b)に示すように味方キャラクタ41rが勝つと始動記憶表示41bを壊して先読み演出が行われるが、このとき図132(c)に示すように、まず一つの始動記憶表示41bを壊し、その後、図132(d)に示すように全ての始動記憶表示41bを壊すようになっている。この場合に、一つの始動記憶表示41bを壊すのみとなる場合もある。そして、図132(e)に示すように始動記憶表示41bで先読み演出が行われる。
このように高確率状態となる場合にのみ先読み演出を行うようにしたことで、高確率状態であることの報知と、この報知に続く先読み演出の両方に対して期待感を持つようになり、特別遊技状態中の興趣を高めることができる。また、高確率状態となれば特別結果となることを報知する先読み演出が実行されやすくなるため、先読み演出の興趣を高めることができる。また、特別遊技状態の終了に近いタイミングで先読み演出を行うようにしたことで、始動記憶数が多い状態で先読み演出を行うことが可能となる。
図134には、本実施形態の遊技機における特別結果の種類を示した。特別結果の種類には高確率A、B、低確率A、Bの四種類が設定されている。何れの特別結果であった場合も特別遊技状態のラウンド数は15ラウンドである。そして、高確率A又は低確率Aであった場合は、図131や図132に示したような昇格演出は行われず、先読み演出も行われない。また、高確率Bであった場合は、昇格演出及び先読み演出が10ラウンドから13ラウンドにかけて行われる。また、低確率Bであった場合は、昇格演出が10ラウンドから12ラウンドにかけて行われるが先読み演出は行われない。
〔ラウンド中処理〕
以上のような表示を行うために、演出制御装置300では、図27に示した1stシーン制御処理におけるラウンド中処理(ステップB73)において、図135に示す処理を行う。このラウンド中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるかを判定し(ステップB711)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB711;Yes)は、大当りによる情報の再設定を行い(ステップB712)、ラウンド数を更新設定する(ステップB713)。
そして、再設定した大当りによる情報を取得し(ステップB714)、特殊昇格演出実行大当りかをチェックする(ステップB715)。特殊昇格演出とは図131や図132に示したような演出であり、この特殊昇格演出を実行する大当りとは高確率Bおよび低確率Bである。この特殊昇格演出実行大当りでない場合(ステップB716;No)は、対応する通常ラウンド中映像パターンを設定する処理を行い(ステップB721)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB722)、ラウンド中処理を終了する。また、特殊昇格演出実行大当りである場合(ステップB716;Yes)は、更新設定したラウンド数を取得し(ステップB717)、特殊昇格演出実行ラウンドかをチェックする(ステップB718)。
特殊昇格演出実行ラウンドでない場合(ステップB719;No)は、対応する通常ラウンド中映像パターンを設定する処理を行い(ステップB721)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB722)、ラウンド中処理を終了する。また、特殊昇格演出実行ラウンドである場合(ステップB719;Yes)は、特殊昇格演出情報設定処理を行い(ステップB720)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB722)、ラウンド中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB711;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定し(ステップB723)、0でない場合(ステップB724;No)はラウンド中処理を終了する。また、0である場合(ステップB724;Yes)は、ラウンド終了を設定し(ステップB724)、ラウンド中処理を終了する。
〔特殊昇格演出情報設定処理〕
図136には、上述のラウンド中処理における特殊昇格演出情報設定処理(ステップB720)を示した。この特殊昇格演出情報設定処理では、まず、ラウンド数に基づく演出段階を設定し(ステップB731)、演出段階による分岐処理を行う(ステップB732)。
演出段階が演出開始段階である場合(10ラウンドである場合)は、演出開始ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB733)を行い、特殊昇格演出情報設定処理を終了する。また、演出段階が昇格演出段階である場合(11ラウンドである場合)は、昇格演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB734)を行い、特殊昇格演出情報設定処理を終了する。
また、演出段階が昇格決定段階である場合(12ラウンドである場合)は、昇格決定演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB735)を行い、特殊昇格演出情報設定処理を終了する。また、演出段階が特定先読み演出段階である場合(13ラウンドである場合)は、特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB736)を行い、特殊昇格演出情報設定処理を終了する。なお、特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB736)は、特別結果が高確率Bである場合にのみ実行される。
〔演出開始ラウンド中映像パターン設定処理〕
図137には、上述の特殊昇格演出情報設定処理における演出開始ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB733)を示した。この演出開始ラウンド中映像パターン設定処理では、演出開始ラウンドの演出情報を取得し(ステップB741)、演出情報に対応する映像パターンを設定して(ステップB742)、演出開始ラウンド中映像パターン設定処理を終了する。この処理により、図131(a)に示すように、高確率状態となるか否かを報知する映像が設定される。
〔昇格演出ラウンド中映像パターン設定処理〕
図138には、上述の特殊昇格演出情報設定処理における昇格演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB734)を示した。この昇格演出ラウンド中映像パターン設定処理では、昇格演出ラウンドの演出情報を取得し(ステップB751)、大当りによる情報を取得する(ステップB752)。その後、大当りによる情報に基づき対応する演出情報を設定し(ステップB753)、演出情報に対応する映像パターンを設定して(ステップB754)、昇格演出ラウンド中映像パターン設定処理を終了する。この処理により、図131(b)や図132(a)に示すように、味方キャラクタ41rのアイテムが決定されるとともに、特別結果の種類に基づく戦いの内容に応じた映像が設定される。
〔昇格決定演出ラウンド中映像パターン設定処理〕
図139には、上述の特殊昇格演出情報設定処理における昇格決定演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB735)を示した。この昇格決定演出ラウンド中映像パターン設定処理では、昇格決定演出ラウンドの演出情報を取得し(ステップB761)、大当りによる情報を取得する(ステップB762)。その後、大当りによる情報に基づき対応する決定演出情報を設定し(ステップB763)、決定演出情報に対応する映像パターンを設定して(ステップB764)、昇格決定演出ラウンド中映像パターン設定処理を終了する。この処理により、図131(c)や図132(b)に示すように、特別結果の種類に応じて何れかのキャラクタが勝つ映像が設定される。
〔特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理〕
図140には、上述の特殊昇格演出情報設定処理における特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理(ステップB736)を示した。この特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理では、特定先読み演出ラウンドの演出情報を取得し(ステップB771)、大当りによる情報を取得する(ステップB772)。その後、保留記憶領域の情報を取得し(ステップB773)、大当りによる情報と保留記憶領域の情報に基づき対応する特定先読み演出情報を設定する(ステップB774)。そして、特定先読み演出情報に対応する映像パターンを設定して(ステップB775)、特定先読み演出ラウンド中映像パターン設定処理を終了する。この処理により、図131(d)、(e)や図132(c)から(e)に示すように、先読み演出を行う始動記憶表示41bが決定されるとともに、先読み演出の内容が決定される。
以上のことから、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の進行に応じて始動記憶表示41bにおいて事前結果判定手段(遊技制御装置100)の判定結果を示唆する先読み演出を実行可能であることとなる。また、始動記憶表示制御手段は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合にのみ先読み演出を実行可能であることとなる。また、演出制御装置300は、特別遊技状態において高確率状態となる可能性の高さを報知可能であり、当該高確率状態となる可能性の高さの報知に応じて先読み演出の対象となる始動記憶の数を決定するようにしたこととなる。
なお、大当りによる情報と保留記憶領域の情報に基づき対応する特定先読み演出情報を設定する処理(ステップB774)において、特別遊技状態の終了後の確率状態を考慮した先読み演出の設定を行うことができるようにしても良い。例えば、図10に示す特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)において、高確率状態での判定値と通常確率状態での判定値の両方で特別結果となるか否かの判定を行うようにする。このようにすれば、始動記憶が発生した際の確率状態に関係なく、特別遊技状態の終了後の確率状態に応じた先読み結果に基づく先読み演出が可能となる
また、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合にのみ先読み演出を行うとしたが、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる場合でも先読み演出を行うようにしてもよい。図141には、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる場合における先読み演出の例を示した。
図141(a)に示すように、特別遊技状態で所定のラウンドとなり高確率状態となるか否かを報知する演出が行われ、図141(c)に示すように、味方キャラクタ41rが負けて高確率状態とならないことが報知された場合、図141(d)に示すように敵キャラクタ41sが始動記憶表示41bを壊すことにより先読み演出を行う。この場合の先読み演出では、図141(e)に示すように、特別結果となる可能性を示唆する演出ではなく、はずれとなることを明確に報知する演出を行うようにする。また、図141に示す例では、敵キャラクタ41sにもアイテムを持たせ味方キャラクタ41rのアイテムとの関係から高確率状態となる可能性の高さを示唆するようにしている。
また、図133に示すアイテムは、高確率状態となる可能性が高いことを報知するアイテムほど、より多くの始動記憶表示41bで先読み演出が行われる可能性が高くなるようにしたが、各アイテムごとに高確率状態となる可能性の高さや先読み演出を行う始動記憶数を設定するようにしても良い。例えば、高確率状態となる可能性は低いが先読み演出を行う始動記憶数が多いアイテムや高確率状態となる可能性が格段に高いが先読み演出を行う始動記憶数が少ないアイテム等様々に設定可能である。
また、第2始動記憶を第1始動記憶よりも優先して消化するようにした場合であって、第1始動記憶についての先読み演出が行えない場合は、高確率状態となるか否かの演出のみ行うようにしても良い。
なお、第1実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後から所定回数目となる特図変動表示ゲームを特定変動パターンとし、当該特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が未だ発生していない状態において、当該始動記憶に関連する情報を示唆する事前報知を行うようにしていた。本実施形態の遊技機でもこの構成を有しているが、この事前報知の構成を省き、本実施形態の構成を単独で用いることも可能である。また、上述の第5実施形態の構成と、第1から第4実施形態並びに第1から第4実施形態の各変形例の構成を適宜組み合わせて適用可能である。この場合に競合する処理がある場合は、条件により又は任意に何れかの処理を行うように振り分けるようにしても良い。
以上のような遊技機10は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に記憶される始動記憶の数を遊技者に認識可能に報知する始動記憶報知手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する変動表示ゲーム情報決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム情報決定手段は、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段(遊技制御装置100)を有し、始動記憶報知手段は、事前決定手段の決定に基づき、所定の始動記憶の発生前に当該所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を行う事前報知手段(演出制御装置300)を有している。
ここで、「変動表示ゲームの実行に関連する情報」とは、例えば、リーチ種類、予告種類、ステージ(背景)種類、キャラクタ種類、モード種類等の設定や変更に関する情報である。
また、情報を示唆する事前報知とは、遊技者によっては情報の内容を理解できないものを含み、あくまでなにかしらの報知がされれば良い。例えば、「?」や「何かが起きる?」などのメッセージや、対応する領域に画像を表示したりするものが挙げられる。
したがって、未だ発生していない所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行に関連する情報を決定する事前決定手段を有し、未だ発生していない所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報を示唆する事前報知を行う事前報知手段を有するので、始動記憶がなくても、遊技者に対して予告を実行することが可能となり、斬新な予告演出を行うことができる。また、遊技者が、対応する始動記憶を発生させようとするので、遊技機の稼働率を向上することができる。
また、事前決定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの変動パターンを事前に決定可能とし、事前報知手段は、所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動パターンを示唆する事前報知を行うようにしている。
したがって、変動表示ゲームの変動パターンに関する情報が事前報知されるので、より一層、遊技者が、対応する始動記憶を発生させようとすることが考えられ、稼働率向上が見込まれる。
また、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、変動表示装置(表示装置41)の表示領域の一部に設定される始動記憶表示領域41aにおいて、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶毎に対応する始動記憶表示41bを表示し、事前報知手段(演出制御装置300)は、始動記憶表示領域41aのうち、所定の始動記憶が発生した場合に始動記憶表示41bが表示される領域において、事前報知を行うようにしている。
したがって、始動記憶表示領域において事前報知が行われるので、その始動記憶を発生させたら何かが発生するということを効果的に報知できる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、事前報知に対応する所定の始動記憶が発生した場合に、当該所定の始動記憶に対応する始動記憶表示41bにおいて当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識可能に報知するようにしている。ここで、遊技者が認識可能に報知するとは、例えば、リーチの名称を表示したり、リーチに登場するキャラクタを表示したりするなどして、遊技者が変動パターンの内容をほぼ確実にわかるように報知することである。
したがって、事前報知していた始動記憶が実際に発生した場合には、変動表示ゲームの変動パターンを遊技者がわかるように報知するので、対応する始動記憶を発生させた遊技者に特典を与えることができ、止め打ちを防止できる。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、変動表示ゲームの実行に関わる第1所定乱数に基づき、変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム実行態様制御手段(遊技制御装置100)を有し、変動表示ゲーム実行態様制御手段は、第1所定乱数に基づき、変動表示ゲームの実行に使用する変動パターンを設定する変動パターン設定手段(遊技制御装置100)と、各々の選択確率が相互に異なるように設定された複数の変動パターンをそれぞれ含む複数の変動パターン選択テーブルと、を備え、変動パターン設定手段は、複数の変動パターン選択テーブルのうち、いずれかの変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、所定条件が成立した場合には、複数の変動パターン選択テーブルのうち、特定変動パターンのみを含む特定変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定し、事前決定手段(遊技制御装置100)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行に関連する情報として、当該変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを決定し、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる所定の始動記憶の発生前に、当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを事前報知するようにしている。
したがって、事前決定手段は所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを決定し、事前報知手段は当該所定の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームが特定変動パターンとなることを事前報知するので、始動記憶がなくても、遊技者に対して予告を実行することが可能となり、斬新な予告演出を行うことができる。また、遊技者が、対応する始動記憶を発生させようとするので、遊技機の稼働率を向上することができる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶に対する事前報知の報知態様として、複数の報知態様から一の報知態様を選択し、事前報知を実行する報知態様選択手段(演出制御装置300)を備え、報知態様選択手段は、変動表示ゲームの進行に応じて、実行中の事前報知の報知態様を、当該実行中の報知態様よりも所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易な報知態様に切り替えるようにしている。
したがって、報知態様選択手段は、変動表示ゲームの進行に応じて、実行中の事前報知の報知態様を、当該実行中の報知態様よりも所定の始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動パターンを遊技者が認識容易な報知態様に切り替えるので、止め打ちを抑制できる。すなわち、ゲームが進行すると遊技者が止め打ちすることがあるが、進行に応じて事前報知の内容が認識しやすくなっていくため、早く事前報知がなされている始動記憶を発生させようとするので止め打ちを抑制できる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶よりも前に発生する先行始動記憶の発生前に、事前報知を実行可能に構成されている。
したがって、事前報知手段は、所定条件が成立することとなる未だ発生していない所定の始動記憶よりも前に発生する先行始動記憶の発生前に、事前報知を実行可能であるので、複数の始動記憶をまたがって事前報知ができ、興趣を向上することができる。
また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される所定の乱数のうち、特別結果の成立に関わる第2所定乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前結果判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、事前結果判定手段によって前記特別結果が導出されると判定された始動記憶に対応する始動記憶表示41bを非表示とすることが可能であり、事前報知手段(演出制御装置300)は、非表示とされた始動記憶表示41bが表示される場合に使用される領域において、遊技者が事前報知と同様の報知であると認識可能な報知を実行するようにしている。
したがって、事前報知手段は、非表示とされた始動記憶表示が表示される場合に使用される領域において、遊技者が事前報知と同様の報知であると認識可能な報知を実行するので、既に発生した始動記憶についての先読み予告を、未だ発生していない始動記憶に対する事前報知のように行うことができ、事前報知の期待感を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。