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JP5632914B2 - タイムディレイバルブ - Google Patents

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Description

この発明は、タイムディレイバルブに関し、より詳しくいえば、エア等の圧縮流体を絞り弁を介して加圧室に蓄積していき、その加圧室の圧力が設定圧力に到達したときに開閉弁が開かれるようにした技術に関する。
この種のタイムディレイバルブには、従来では、特許文献1(日本国・実公昭47−40229号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
絞り式の遅延機構を内蔵したハウジングに弁ケースを取り付け、その弁ケース内で圧縮空気の供給口と出力口との間に出力弁を設ける。上記の遅延機構は、パイロット用の圧縮空気を絞り弁と加圧室とを経てピストンの受圧面に作用させ、その加圧室の圧力が設定圧力に到達したときにピストンを下降させるように構成してある。そして、上記の下降されたピストンが上記出力弁を開き操作する。
実公昭47−40229号公報
上記の従来技術では、圧縮空気の供給口および出力口に加えてパイロット用の圧縮空気の供給口および供給路が要求されるので、回路が複雑になり、タイムディレイバルブが大形になる。
本発明の目的は、回路が簡素で小形のタイムディレイバルブを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1A及び図1Bに示すように、タイムディレイバルブを次のように構成した。
ケーシング1に、圧縮流体が供給される第1ポートPと上記ケーシング1の外部へ接続される第2ポートAとの間の流れを開閉する開閉弁7と、上記第1ポートPへの圧縮流体の供給開始から所定時間後に上記開閉弁7を開き操作する遅延機構8とを設ける。上記開閉弁7は、上記ケーシング1に設けた弁座18と、その弁座18に封止される弁部19を有する開閉部材10と、その開閉部材10を上記弁座18へ付勢する弾性部材20とを備える。上記の遅延機構8は、上記第1ポートPに連通された絞り弁22と、シリンダ孔35に移動可能に挿入されると共に上記開閉部材10に連結されたピストン36と、そのピストン36の受圧面37に連通された加圧室40と、上記絞り弁22の絞り路28と上記加圧室40とを連通する連通路42とを備える。上記第1ポートPから上記絞り路28と上記連通路42とを経て上記加圧室40に供給された圧縮流体が設定圧力に到達したときに上記ピストン36に作用する開弁力を、上記第1ポートPの圧縮流体から上記開閉部材10に作用する閉弁力と上記弾性部材20の付勢力との合力よりも大きい値に設定する。
本発明は、次の作用効果を奏する。
第1ポートへ圧縮流体を供給すると、その圧縮流体は、絞り弁の絞り路と連通路とを通って、加圧室へ徐々に蓄積されていく。この初期状態では、開閉部材の弁部には、上記第1ポートの圧力による閉じ方向の力と弾性部材の付勢力との合力が閉弁力として加わっている。そして、上記の閉弁力は、低圧の加圧室がピストンに加える開弁力よりも大きいので、開閉部材が閉じ状態に保たれる。
そして、第1ポートへの圧縮流体の供給開始から時間が経過して上記加圧室に供給された圧縮流体が設定圧力に到達すると、上記ピストンに作用する開弁力が上記の閉弁力よりも大きくなる。すると、開閉部材の弁部が弁座から離間するので、第1ポートの圧縮流体が上記弁部の離間隙間と第2ポートとを通って外部へ供給される。
上述したとおり、本発明は、第1ポートの圧縮流体を利用して開閉部材を開き操作できるので、前記の従来技術と異なり、パイロット用の圧縮空気の供給口および供給路が不要になり、圧縮流体の回路を簡素にしてタイムディレイバルブを小形に造れる。
本発明においては、前記の連通路42を、少なくとも前記開閉部材10の内部に設けることが好ましい。
この場合、開閉部材の内部空間を連通路として有効に利用することにより、連通用の専用の配管や通路が不要になるので、タイムディレイバルブをさらに小形に造れる。
また、本発明には次の構成を加えることが好ましい。
前記第1ポートPに圧縮流体を供給および排出可能に構成すると共に、前記第2ポートAに流体圧アクチュエータを接続可能に構成する。また、前記ケーシング1内に、前記第2ポートAから前記第1ポートPへの流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する逆止弁47を、前記開閉弁7に対して並列に接続する。
上記構成によれば、上記の流体圧アクチュエータの作動室の圧縮流体を排出するときには、第1ポートを排気側へ切換えればよい。すると、第2ポートの圧縮流体が上記の逆止弁と第1ポートとを通って急速に外部へ排出される。このため、流体圧アクチュエータを速やかに復帰作動できる。
さらに、本発明においては、前記加圧室40から前記第1ポートPへの流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する別の逆止弁54を、前記の絞り弁22に対して並列に接続することが好ましい。
この場合、加圧室を圧抜きするときに、その加圧室内の圧縮流体が、連通路と上記の別の逆止弁と第1ポートとを通って急速に外部へ排出されるので、加圧室を速やかに圧抜きできる。
また、本発明においては、前記開閉部材10用の装着孔11と前記シリンダ孔35と前記加圧室40とを直列状に順に配置することが好ましい。
この場合、ケーシングの横幅寸法を小さくでき、タイムディレイバルブを薄形に造れる。
さらに、本発明においては、前記絞り弁22の絞り部材23用の装着孔24と前記の開閉部材10用の装着孔11と前記シリンダ孔35と前記加圧室40とを直列状に順に配置することが好ましい。
この場合、ケーシングの横幅寸法をさらに小さくでき、タイムディレイバルブをさらに薄形に造れる。
図1Aは、タイムディレイバルブの回路図である。 図1Bは、上記タイムディレイバルブの立面視の断面図である。 図2Aは、第1変形例を示し、上記の図1Aに類似する図である。 図2Bは、第2変形例を示し、上記の図1Aに類似する図である。 図2Cは、第3変形例を示し、上記の図1Aに類似する図である。
1:ケーシング,7:開閉弁,8:遅延機構,10:開閉部材,11:開閉部材10用の装着孔,18:弁座,19:弁部,20:弾性部材,22:絞り弁,23:絞り部材,24:絞り部材23用の装着孔,28:絞り路,35:シリンダ孔,36:ピストン,37:ピストン36の受圧面,40:加圧室,42:連通路,47:逆止弁,54:別の逆止弁,P:第1ポート,A:第2ポート.
以下、本発明の一実施形態を図1Aの回路図と図1Bの断面図によって説明する。
タイムディレイバルブのケーシング1は、中央ケース2と、その中央ケース2の上部にネジ止めした上ケース3と、その上ケース3によって中央ケース2に固定されたガイド筒4と、中央ケース2の下部に複数のボルト(図示せず)によって固定した下ケース5とを備える。
上記の中央ケース2の左上部に、圧縮流体としての圧縮空気が供給および排出される第1ポートPが開口される。また、中央ケース2の右下部に、空圧シリンダ(図示せず)に接続される第2ポートAが開口される。
上記ケーシング1内に、上記の第1ポートPと第2ポートAとの間の流れを開閉する開閉弁7と、上記第1ポートPへの圧縮空気の供給開始から設定時間後に上記開閉弁7を開き操作する遅延機構8とが設けられる。
上記開閉弁7は、上下方向へ延びる開閉部材10を有し、次のように構成されている。
開閉部材10用の装着孔11は、中央ケース2の中央部に形成した下孔12とガイド筒4に形成した上孔13とからなる。上記の開閉部材10の上部が上孔13に上封止具15を介して保密状に挿入されると共に、開閉部材10の下部が下孔12に下封止具16を介して保密状に挿入される。下孔12の上端部にはテーパ状の弁座18が形成され、その弁座18には、開閉部材10の上下方向の中央部に設けた弁部19(この実施形態ではOリング19)が上側から接当可能になっている。そして、上記の開閉部材10は、バネからなる弾性部材20によって上記弁座18へ付勢される。
次に前記の遅延機構8について説明する。
上ケース3に、上記第1ポートPに連通された絞り弁22が配置される。その絞り弁22は、上下方向へ延びる絞り部材23を有し、次のように構成されている。
上ケース3に絞り部材23用の装着孔24が形成され、その装着孔24に絞り部材23が上下方向へ進退可能で保密状に螺合される。その絞り部材23の下部に設けたテーパ状の絞り部26が絞り孔27に嵌合される。上記の絞り部26と絞り孔27との嵌合隙間によって絞り路28が構成されている。
なお、参照数字31はロックナットで、参照数字32はストッパーピンで、参照数字33はフィルターである。
中央ケース2の下部には、前記の弁座18の封止部分の直径よりも大径のシリンダ孔35が形成され、そのシリンダ孔35にピストン36が上下方向へ移動可能で保密状に挿入される。そのピストン36は、上記開閉部材10の下部に連結されており、その開閉部材10を開き方向(上方)へ押すように機能する。
下ケース5には、上記ピストン36の受圧面37に連通された加圧室40が形成される。その加圧室40と絞り弁22の絞り路28とを連通するように、開閉部材10内に連通路42が形成される。その連通路42の上部に前記の弾性部材20が装着されている。
上記構成によれば、前記絞り部材23用の装着孔24と前記の開閉部材10用の装着孔11と前記シリンダ孔35と前記加圧室40とが直列状に順に配置されている。
なお、加圧室40の周壁に形成したメネジ孔44にはプラグ45が装着されている。そして、上記加圧室40の容量を大きくしたい場合には、上記プラグ45を取り外して、上記メネジ孔44に追加タンク又は増量用の配管(いずれも図示せず)等を取り付ければよい。
また、上記ピストン36の上側空間は、呼吸路46を介して大気側へ連通される。
また、中央ケース2内には、第2ポートAから前記第1ポートPへの流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する逆止弁47が設けられ、その逆止弁47が開閉弁7の外周側で上記の開閉弁7に対して並列に接続される。上記の逆止弁47は、開閉弁7の弁座18をパイパスする第1パイパス路48と、その第1パイパス路48の途中部に設けた逆止弁座49と、その逆止弁座49にバネ50によって接当された逆止部材51とを備える。
さらに、前記加圧室40から前記第1ポートPへの流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する別の逆止弁54がガイド筒4に設けられ、その別の逆止弁54が前記の絞り弁22に対して並列に接続される。上記の別の逆止弁54は、前記の絞り路28をパイパスする第2パイパス路55と、その第2パイパス路55の途中部に設けた逆止弁座56と、その逆止弁座56に接当される逆止ボール57とを備える。
上記タイムディレイバルブは次のように作動する。
図1A及び図1Bの状態では、第1ポートPの圧縮空気が外部へ排出されており、開閉弁7の開閉部材10が弾性部材20によって下降され、その開閉弁7の弁部19が弁座18に封止接当している。
第1ポートPへ圧縮空気を供給すると、その圧縮空気は、ガイド筒4の外周側に形成された下通路60とフィルター33の外周側に形成された上通路61と上記フィルター33と絞り弁22の絞り路28と開閉部材10内の連通路42とを通って、加圧室40へ徐々に蓄積されていく。この初期状態では、上記第1ポートPの圧力により、開閉部材10には、弁部19の封止断面積から上封止具15の封止断面積を差し引いた環状断面積に作用する圧力に相当する下向き力と弾性部材20の下向き付勢力との合力が閉弁力として加わっている。そして、上記の閉弁力は、加圧室40の低い圧力がピストン36に加える開弁力よりも大きいので、開閉部材10が閉じ状態に保たれる。
また、第1ポートPの圧力により、逆止弁47が閉じられると共に別の逆止弁54も閉じられている。
そして、第1ポートPへの圧縮空気の供給開始から所定時間が経過して上記加圧室40に供給された圧縮空気が設定圧力に到達すると、上記ピストン36に作用する上向きの開弁力が上記の下向きの閉弁力よりも大きくなる。すると、開閉部材10が上昇して弁部19が弁座18から離間するので、第1ポートPの圧縮空気が上記弁部19の離間隙間と前記の下孔12と第2ポートAとを通って空圧シリンダの作動室(図示せず)へ供給される。
上記の空圧シリンダの作動室(図示せず)から圧縮空気を排出するときには、第1ポートPを排気側へ切換えればよい。すると、第2ポートAの圧縮空気が前記の下孔12と逆止弁47と第1バイバス路48と第1ポートPとを通って急速に外部へ排出される。これと同時に、加圧室40内の圧縮空気が、開閉部材10内の連通路42と別の逆止弁54と下通路60と第1ポートPとを通って急速に外部へ排出される。
上記の実施形態の装置は次の長所を奏する。
絞り弁22の絞り部材23用の装着孔24と開閉部材10用の装着孔11とシリンダ孔35と加圧室40とを直列状に順に配置したので、ケーシング1の横幅寸法を小さくでき、タイムディレイバルブを薄形に造れる。また、絞り弁22の絞り路28と上記の加圧室40とを上記の開閉部材10内の連通路42によって連通したので、その連通用の専用の配管や通路が不要になり、ケーシング1をコンパクトに造れる。
図2Aから図2Cは、本発明の第1変形例から第3変形例を示し、それぞれ、前記の図1Aに類似する図である。
図2Aの第1変形例は、前記の図1A中の別の逆止弁54を省略したものである。この場合、第1ポートPを排出側に切換えたときに、加圧室40内の圧縮空気は、図2A(及び図1B)を参照して説明すると、絞り弁22の絞り路28とフィルター33と上通路61と下通路60と第1ポートPとを通って徐々に外部へ排出される。
図2Bの第2変形例は、前記の図1A中の逆止弁47を省略したものである。そして、第2ポートAは、前記の空圧シリンダに接続することに代えて、例えば噴射ノズルに接続される。この場合、第1ポートPに供給された圧縮空気は、所定時間の経過後に第2ポートAを通って上記噴射ノズルから外部へ噴出される。
図2Cの第3変形例に示すように、前記の図1A中の逆止弁47及び別の逆止弁54の2つの逆止弁を省略してもよい。
上記の実施形態や変形例は、次のように変更可能である。
前記の絞り弁22は、中央ケース2の上部に横向きに配置することも可能である。
前記の連通路42は、その少なくとも一部を開閉部材10の内部に設けることが好ましいが、ケーシング1の内部に形成してもよく、又は、ケーシング1の外部に設けた配管によって構成することも可能である。
前記ガイド筒4と上ケース3とは一体に形成してもよい。
圧縮流体は、圧縮空気に代えて他の種類の流体であってもよい、
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。

Claims (6)

  1. ケーシング(1)に、圧縮流体が供給される第1ポート(P)と上記ケーシング(1)の外部へ接続される第2ポート(A)との間の流れを開閉する開閉弁(7)と、上記第1ポート(P)への圧縮流体の供給開始から所定時間後に上記開閉弁(7)を開き操作する遅延機構(8)とを設けた、タイムディレイバルブであって、
    上記開閉弁(7)は、上記ケーシング(1)に設けた弁座(18)と、その弁座(18)に封止される弁部(19)を有する開閉部材(10)と、その開閉部材(10)を上記弁座(18)へ付勢する弾性部材(20)とを備え、
    上記の遅延機構(8)は、上記第1ポート(P)に連通された絞り弁(22)と、シリンダ孔(35)に移動可能に挿入されると共に上記開閉部材(10)に連結されたピストン(36)と、そのピストン(36)の受圧面(37)に連通された加圧室(40)と、上記絞り弁(22)の絞り路(28)と上記加圧室(40)とを連通する連通路(42)とを備え、
    上記第1ポート(P)から上記絞り路(28)と上記連通路(42)とを経て上記加圧室(40)に供給された圧縮流体が設定圧力に到達したときに上記ピストン(36)に作用する開弁力を、上記第1ポート(P)の圧縮流体から上記開閉部材(10)に作用する閉弁力と上記弾性部材(20)の付勢力との合力よりも大きい値に設定した、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
  2. 請求項1のタイムディレイバルブにおいて、
    前記の連通路(42)を、少なくとも前記開閉部材(10)の内部に設けた、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
  3. 請求項1のタイムディレイバルブにおいて、
    前記第1ポート(P)に圧縮流体を供給および排出可能に構成すると共に、前記第2ポート(A)に流体圧アクチュエータを接続可能に構成し、
    前記ケーシング(1)内に、前記第2ポート(A)から前記第1ポート(P)への流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する逆止弁(47)を、前記開閉弁(7)に対して並列に接続した、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
  4. 請求項1から3のいずれかのタイムディレイバルブにおいて、
    前記加圧室(40)から前記第1ポート(P)への流れを許容すると共に逆方向の流れを阻止する別の逆止弁(54)を、前記の絞り弁(22)に対して並列に接続した、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
  5. 請求項1から3のいずれかのタイムディレイバルブにおいて、
    前記開閉部材(10)用の装着孔(11)と前記シリンダ孔(35)と前記加圧室(40)とを直列状に順に配置した、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
  6. 請求項1から3のいずれかのタイムディレイバルブにおいて、
    前記絞り弁(22)の絞り部材(23)用の装着孔(24)と前記の開閉部材(10)用の装着孔(11)と前記シリンダ孔(35)と前記加圧室(40)とを直列状に順に配置した、ことを特徴とするタイムディレイバルブ。
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