以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、原稿読取装置を備えるデジタル複合機の構成例を概略的な縦断面を示す図である。
デジタル複写機100は、原稿を読み取るスキャナ10と、スキャナ10から出力される画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に形成するプリンタ50とを備えている。
スキャナ10の本体ケースの上面には、原稿が載置されるコンタクトガラス11が設けられている。原稿Dは、原稿面をコンタクトガラス11に対向させて載置される。コンタクトガラス11の上側には、当該コンタクトガラス11上に載置された原稿Dを押さえるプラテンカバー12が開閉自在に設けられている。
プラテンカバー12の原稿Dを押さえる面は、白色若しくは白色に近い色とされている。プラテンカバー12に対しては、その開閉位置を検出するための開閉位置センサ13が設けられている。また、コンタクトガラス11よりもホームポジション側の所定位置には、シェーディング補正データ等を取得するための白色基準板14が設けられている。
図2は、開閉位置センサ13の構成を示す斜視図である。開閉位置センサ13は、プラテンカバー12の開閉の支軸近傍のデジタル複合機の本体内に支軸131が取り付けられている。支軸131には、回動部材134が回動自在に支持されている。回動部材134は、例えばスプリング137を用いて白抜きの矢印方向に付勢し、プラテンカバー12を開放する方向に付勢する状態で支持されている。回動部材134は、一体的な可動部132とシャッター部133から構成されている。シャッター部133は、第1のシャッター133aと第2のシャッター133bから構成されている。
シャッター部133は、回動部材134の回動に伴い、第1および第2のシャッター133a,133bで第1および第2のフォトインタラプタ135,136をオン・オフ制御できるように配置されている。
なお、第1および第2のフォトインタラプタ135,136に換えて、同じような光−電気変換手段である、フォトカプラであっても構わない。また、第1および第2のシャッター133a,133bに相当する位置に磁石を設け、磁気センサで磁石を検出することによりシャッター部134の回動の状態を検出するものであってもよい。要は、第1および第2のシャッター133a,133bの位置が検出できればよい。第1および第2のフォトインタラプタ135,136は、第1および第2の位置センサとなる。
プリンタ50は、シート状の用紙等の記録媒体Pを保持する媒体保持部51から電子写真方式のプリンタエンジン52および定着器53を経由して排出部54へ至る媒体経路55を備えている。
プリンタエンジン52は、帯電器56、露光器57、現像器58、転写器59およびクリーナ60等を用いて電子写真方式で感光体61の表面上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写し、転写されたトナー像を、定着器53によって記録媒体P上に定着させる。
なお、プリンタエンジン52は、この実施形態では、電子写真方式で画像形成を行う例を示しているが、これに限定されるものではなく、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、直接感熱記録方式等、種々の画像形成方式のものであってもよい。
図3は、プラテンカバー12の開閉位置と開閉位置センサ13との関係を示す。図4は、第1および第2のフォトインタラプタ135,136の概略的な構成例を示す図である。
図3(a)に示すプラテンカバー12が開状態(第1の位置)のときの第1および第2のフォトインタラプタ135,136のそれぞれの受光素子は、発光素子から発光光を受光できる状態にある。従って、図4に示す第1のフォトインタラプタ135の出力は、Lレベルで、第2のフォトインタラプタ136の出力は、Lレベルとなる。
図3(b)に示すプラテンカバー12が閉じ途中状態(第2の位置)の第1のフォトインタラプタ135の受光素子は、第1のシャッター133aで発光素子からの光がシャットされる。第1のフォトインタラプタ135の出力は、Hレベルとなる。第2のフォトインタラプタ136の出力は、Lレベルの状態である。
図3(c)に示すプラテンカバー12が閉状態の第1のフォトインタラプタ135の出力は、引き続きHレベルである。第2のフォトインタラプタ136の受光素子は、第2のシャッター133bで発光素子からの光がシャットされる。第2のフォトインタラプタ136の出力は、Hレベルとなる。
なお、第1および第2のフォトインタラプタ135,136の出力は、後述する制御部82に供給される。
図5は、図3(a)〜(c)のプラテンカバー12の開閉状態における第1および第2のフォトインタラプタ135,136の出力を表に示したものである。
図6は、スキャナ10の概略的な構成を示す図で、図7は、コンタクトガラス11面を上方からみた状態を示す上面図である。
スキャナ10は、コンタクトガラス11の下方に配置されている。スキャナ10は、光を発する光源101および第1ミラーM1を搭載した第1キャリッジ102と、第2,3ミラーM2,M3を搭載した第2キャリッジ103とによる露光走査手段104や、第1〜第3ミラーM1〜M3によって導かれる原稿Dからの反射光を、結像レンズ105を介して受光することで、原稿D上の画像を読み取るラインセンサ106が設けられている。ラインセンサ106には、例えばCCDイメージセンサが用いられる。
ラインセンサ106は、このラインセンサ106上に結像される原稿Dからの反射光を光電変換した光電変換データ(画像データ)を取得する撮像素子として機能する。光電変換データは、原稿Dからの反射光の強弱に応じた大きさを有する電圧値である。第1,第2キャリッジ102,103は、コンタクトガラス11に沿って副走査方向(図6中、左右方向)に往復動自在に設けられている。コンタクトガラス11上に載置された原稿Dの読取り処理に際しては、図示しない駆動モータ等の駆動源による駆動によって光路長を常に一定に保つため例えば2:1の速度比で副走査方向にスキャニング走行する。
コンタクトガラス11と対向する位置に設置した位置センサAPSは、副走査方向の原稿Dのサイズを検出するものである。位置センサAPSとしては、例えばAPS(Active-Pixel Sensor)が用いられる。
図7のHPは、原稿がセットされるホームポジションを示している。図7のAは、ラインセンサ106で主走査方向の原稿サイズを検出する場合に、ホームポジションHPから副走査移動させながら第1キャリッジ102を所定位置まで移動させる距離を示している。原稿サイズの検出は、Aの位置で行われる。
図8は、デジタル複写機100が備える電装ブロック図を示す。概略的には、スキャナ10のコンタクトガラス11上に原稿Dをセットし、操作部84のスタートスイッチを押下すると、スキャナ10が原稿Dの画像を読み取る。読み取られた画像データは、命令処理部81内で一連の画像処理を行い、プリンタ50に画像データを出力し、記録媒体Pへの記録動作が行われる。スキャナ10、命令処理部81、プリンタ50内の必要なパラメータは、制御部82が有するRAM83内に保持されており、制御部82により各デバイスに対する設定が実行される。また、制御部82には、スキャナ10が読み取った原稿サイズ情報に基づき、原稿サイズを決定するための参照テーブルを予め記憶したROM90が接続されている。
また、パラメータ設定に必要なモード情報は、操作部84を使用してユーザが指定できる構成とされており、操作部84内のCPU85と制御部82との間で通信を行うことで情報の交換を行うように構成されている。86は、例えば操作部84中に含まれるタッチパネル方式の表示部である。
命令処理部81は、スキャナ10から受け取った原稿Dの画像データに対して所望の画像処理を行う。命令処理部81は、原稿サイズ検出動作を行う場合に画像データを蓄えるために、画像処理モジュール87に接続されたラインメモリ88を備える。また、命令処理部81は、ラインメモリ88を制御するメモリコントローラ89を併せ持ち、制御部82からラインメモリ88に対して画像データのリード/ライトが可能とされている。
図9は、ラインメモリ106に格納されている複数の読み取り箇所を、コンタクトガラス11や原稿Dの位置に対応付けて示す模式図である。
PS1〜PS5は、ラインセンサ106が主走査方向にコンタクトガラス11の原稿Dの大きさを読み取った検出位置を示している。また、ハッチングで示す丸は、副走査方向の原稿Dの大きさを読み取るための位置センサAPSを示している。例えば、ラインセンサ106が主走査方向の検出位置PS5まで原稿サイズを検出した結果に基づき、副走査方向の共通の位置センサAPSとの組み合わせから複数の原稿サイズを検出することができる。
例えばA5サイズの原稿を横長(A5−R)にしてコンタクトガラス11上に置いた場合は、ラインセンサ106が主走査方向の検出位置PS1を検出し、原稿はA5サイズであると判断できる。B5サイズの原稿を横長(B5−R)にして置いた場合は、ラインセンサ106が主走査方向の検出位置PS2を検出し、原稿はB5−Rであると判断できる。
ラインセンサ106が主走査方向の置かれた原稿を検出位置PS3で検出した場合に置かれた原稿のサイズは、A5あるいはA4−Rと判断する。同様に、ラインセンサ106が原稿を検出位置PS4で検出した場合に置かれた原稿のサイズは、B5あるいはB4と判断する。ラインセンサ106が置かれた原稿を検出位置PS4で検出した場合に置かれた原稿のサイズは、A4あるいはA3と判断する。なお、B4とA3サイズは、大きさから予め横長にすることを決めてあることから、−Rを付与しない。
ラインセンサ106による原稿サイズの検出は、2段階で行われている。プラテンカバー12が開いている状態での検出(1段階目)では、光源101を照射すると原稿部はプラテンカバー12よりも明るくなる。これに対し、プラテンカバー12が閉じ途中での検出(2段階目)で光源101を照射すると、プラテンカバー12より原稿部は1段階目に比べて暗くなる。
この特性を利用し、原稿サイズ検出を2段階に分け、ブック原稿など厚手の原稿のサイズが2段階目の検出時に原稿外のところを原稿有りとの誤検出しまうことを防止しようとするものである。
なお、ラインセンサ106が検出した検出位置PS1〜PS5の情報は、スキャナ10の出力として制御部82に供給する。
そこで、プラテンカバー12が開いている状態での検出(1段階目)と、厚みのあるブック原稿読取時のプラテンカバー12の閉じが途中の状態での検出(2段階目)との検証を行い、検出位置PS1〜PS5を決定するようにした。
以下、原稿サイズの検出について図10のフローチャートを参照して説明する。図10は、開閉位置センサ13、ラインセンサ106それに位置センサAPSの検出結果に基づき、制御部82による原稿サイズ検出について説明するものである。
ここで、プラテンカバー12は開けられ、第1キャリッジ102の位置は図7のAに示すサイズ検出位置にあるとしてサイズ検出動作を開始する。
ACT1において、制御部82は、操作部84からコピーのスタートスイッチがオンされたかを判断する。オンされていない場合(No)は、ACT2に移行する。オンされた場合(Yes)は、ACT9に移行する。
ACT2において、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の第1の位置を検出する。
すなわち、プラテンカバー12が開いている状態から、ユーザによりプラテンカバー12が閉じ動作がなされ、プラテンカバー12が第1の位置(閉じ途中の位置)に移動すると、開閉位置センサ13がそれを検出する。この検出後ACT3に移行する。
ACT3では、1段階目の検出動作を実行する。
すなわち、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の第1の位置を検出すると光源101を点灯し、ラインセンサ106からの出力データを得て、それをRAM83に記憶する。出力データ記憶後、光源101を消灯し、ACT4に移行する。
ACT4では、操作部84のスタートスイッチがオンされたか否かを判断する。オンされていない場合(No)は、ACT5に移行する。オンされた場合(Yes)は、ACT9に移行する。
ACT5では、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の開動作がされたか否かを検出する。
すなわち、プラテンカバー12が再び開動作して、プラテンカバー12が第1の位置から再び開けられた否かを検出する。
プラテンカバー12が第1の位置から再び開けられていないことが検出された場合(No)、すなわちユーザが再び開動作せずにプラテンカバー12が第1の位置のままの場合は、ACT6に移行する。
プラテンカバー12が第1の位置から再び開けられたことが検出されない場合(Yes)、すなわちユーザが再び開動作して、プラテンカバー12が第1の位置から再び開けられた場合、ACT1に戻る。
ACT6では、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の第2の位置を検出する。ユーザによりプラテンカバー12の閉じ動作がなされてプラテンカバー12が第1の位置から第2の位置(閉じ途中の位置)に移動すると、開閉位置センサ13がそれを検出する。この検出後にACT7へ移行する。
ACT7では、2段階目の検出動作を実行する。
すなわち、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の第2の位置を検出してから所定時間後に光源101を点灯し、ラインセンサ106から出力データを得て、それをRAM83に記憶する。出力データ記憶後、光源101を消灯し、ACT8へ移行する。所定時間後とは、プラテンカバー12が第2の位置でラインセンサ106から出力データを取得するに足りる時間のことである。
ACT8では、コンタクトガラス11上に載置された原稿サイズを確定(算出)する。図11は、ACT8のより具体的処理のフローチャートを示す。
すなわち、図11のACT81では、ACT3で記憶した1段階目の出力データとACT6で記憶した2段階目の出力データとを読み出し、両出力データとを比較する。そして、1段階目の出力データと2段階目の出力データは反転しているかを判断する。
出力データが反転している場合(Yes)は、ACT82に移行し、1段階目の出力データをサイズ確定情報とし、ACT84に移行する。
出力データが反転していない場合(No)は、ACT83に移行し、1段階目および2段階目の出力データからサイズ確定情報を求め、ACT84に移行する。
ACT82またはACT83のサイズ確定情報に基づきACT84では、参照テーブルを参照し、ACT85に移行する。ACT85では、サイズを確定したかを判断する。サイズが確定できない場合(No)は、その旨を表示する(ACT86)。サイズが確定できた場合(Yes)は、サイズ検出動作を終了する。
ACT1において、スタートスイッチがオンされた場合には、ACT9へ移行する。
ACT9では、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の第1の位置を検出しているか否かを検出する。プラテンカバー12の第1の位置を検出している場合、すなわちプラテンカバー12が開いたままの場合は、ACT10に移行する。
ACT10では、ACT3と同じように、1段階目の検出動作を実行する。1段階目の検出動作を実行した後、ACT11に移行する。
ACT11では、原稿サイズを確定する。すなわち、ACT10で記憶した1段階目の出力データをサイズ確定情報とする。この原稿サイズ確定情報に基づき、参照テーブルを参照してサイズを確定する。
図12〜図17は、1段階目における検出結果および2段階目における検出結果に基づき、制御部82において原稿サイズを検出例について説明するための説明図である。
図12〜図17での原稿検出としては、原稿の厚みが通常用紙の場合とブックのように厚い場合、それに原稿の下地が白色系のものと黒色系あるいは濃色系のもの場合を区別して判断するようにした。なお、原稿サイズを検出するため前提として次の各項目を前提とした。
(1)プラテンカバーの色は白とする。
(2)プラテンカバー12が開のときのラインセンサ106は、その出力がある閾値よりも小さいところ(受光量が大きい、例えば黒でないところ)を原稿あり[1]と判断する。
(3)プラテンカバー12が閉じ途中のときのラインセンサ106は、その出力がある閾値よりも大きいところ(受光量が大きい、例えば白のところ)を原稿なし[0]」と判断し、その出力がある閾値よりも小さいところ(受光量が小さい、例えば白でないところ)を原稿あり[1]と判断する。
(4)ラインセンサ106の判断結果は、プラテンカバー12が開いているときと、閉じ途中のときのいずれかで判断された原稿あり[1]を優先してサイズ確定情報とする。ただし、プラテンカバー12が開いているときと、閉じ途中のときとで、判断結果が反転している場合は、開いているときの判断結果を、サイズ確定情報とする。
(5)位置センサAPSは、プラテンカバー12が開のときに、その出力がある閾値よりも小さいところ(受光量が小さい、例えば黒のところ)を原稿なし[0]と判断し、その出力が上記閾値よりも大きいところ(受光量が大きい、例えば黒でないところ)を原稿あり[1]と判断する。
以上の前提を踏まえ、図12(a)の通常原稿で下地が白系例の場合について説明する。
1段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は、[11100]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[00000]である。位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。なお、検出なしとは、位置センサAPSが設置されている位置で原稿を検出できなかったことを意味する。
この場合の制御部82は、図10のACT8で、検出位置PS1〜PS5の検出結果が1段階目に対し2段階目は「反転しない」とする。制御部82は、ACT9で1段階目と2段階目の差をとる。サイズ確定情報としては、検出位置がPS3の「A5」又は「A4−R」で、位置センサAPSの位置に原稿が「あり」となる。図9に示すように、「A5」又は「A4−R」のうち、位置センサAPSの位置に原稿ありの場合の原稿サイズとしては、「A4−R」ということになる。
次に、図12(b)の通常原稿の下地が黒色系(又は濃色系)の場合について説明する。
1段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[11100]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
図10のACT8での判断として1段階目と2段階目は、「反転しない」であることから、ACT9で1段階目と2段階目の差をとる。サイズ確定情報としては、図12(a)と同じように、検出位置がPS3の「A5」又は「A4−R」で、位置センサAPSの位置に原稿が「あり」となる。図9に示すように、「A5」又は「A4−R」のうち、位置センサAPSの位置に原稿ありの場合の原稿サイズとしては、「A4−R」ということになる。
図13(a)の通常原稿の下地が白色系の例について説明する。1段階目の検出位置PS1〜PS5における検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[0]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合、図10ACT8で2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果の判断は「反転あり」となる。図10ACT10では、1段階目の検出結果をサイズ確定情報とする。従って、サイズ確定情報としては、検出位置がPS5の「A4」又は「A3」で、位置センサAPSの位置に原稿が「なし」となる。図9に示すように、「A4」又は「A3」のうち、位置センサAPSの位置に原稿なしの場合の原稿サイズとしては、「A4」ということになる。
次に、図13(b)の通常原稿の下地が黒色系(又は濃色系)例の場合について説明する。
1段階目の検出位置PS1〜PS5における検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[0]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
図10ACT8での判断として検出位置PS1〜PS5の検出結果は、1段階目と2段階目とでは「反転する」である。従って、図10のACT10において、1段階目の検出結果をサイズ確定情報とする。1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00000]である。サイズ確定情報としては、検出位置PS1〜PS5および位置センサAPSともに検出ができない「判断付加」ということになる。この場合、図10のACT13においてサイズが検出できない旨を、表示部86から通知する。
図14(a)の通常原稿の下地が白色系の場合の例は、1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果が[11110]、位置センサAPSの検出結果が[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は、[00000]である。この検出結果は、1段階目に対し「反転しない」である。この場合は、図10のACT9で示すように、1段階目と2段階目の差となる。サイズ確定情報としては、検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11110]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。従って、原稿サイズは、「B4」ということになる。
同様にして、図14(b)の通常原稿の下地が黒色系(又は濃色系)の場合は、1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果が[00000]、位置センサAPSの検出結果が[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11110]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。図10ACT9で1段階目と2段階目の差をとり、サイズ確定情報としては検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11110]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。従って、原稿サイズは、「B4」ということになる。
図15(a)のブック原稿の下地が白色系の例について説明する。1段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[11100]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[00011]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合の制御部82は、図10ACT8で「反転する」と判断し、ACT10で1段階目の検出結果をサイズ確認情報とする。この結果、主走査方向の検出位置がPS3の「A5」又は「A4−R」で、位置センサAPSの位置に原稿が「あり」となる。図9に示すように、「A5」又は「A4−R」のうち、位置センサAPSの位置に原稿ありの場合の原稿サイズとしては、「A4−R」ということになる。
図15(b)のブック原稿の下地が黒色系(又は濃色系)場合の例は、1段階目の検出位置PS1〜PS5における検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5におけるラインセンサ106の検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
1段階目と2段階目は、「反転する」ことから、1段階目の検出結果をサイズ確定情報とする。1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00000]である。従って、サイズ確定情報としては、検出位置PS1〜PS5の検出結果がないことから、「判断付加」ということになる。この場合、サイズが検出できない旨を、表示部86から通知する。
図16(a)のブック原稿の下地が白色系の例について説明する。1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[0]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合の制御部82は、2段階目が1段階目に対し「反転する」と判断し、1段階目の検出結果をサイズ確認情報とする。この結果、主走査方向の検出位置はPS5の「A4」又は「A3」となるが位置センサAPSの位置に原稿が「なし」となる。従って、サイズ確定情報としては、「A4」ということになる。
図16(b)のブック原稿の下地が黒色系(又は濃色系)の場合は、1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合の制御部82は、2段階目が1段階目に対し「反転する」と判断し、1段階目の検出結果をサイズ確認情報とする。この結果、主走査方向の検出位置の検出結果は、[00000]となる。主走査方向のサイズ確定情報がないことから、「判断付加」ということになる。この場合、原稿サイズが検出できない旨を、表示部86から通知する。
図17(a)のブック原稿の下地が白色系の例について説明する。1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11110]で、位置センサAPSの検出結果は[0]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00001]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合の制御部82は、2段階目が1段階目に対し「反転する」と判断し、1段階目の検出結果をサイズ確認情報とする。この結果、主走査方向の検出位置はPS4の「B5」又は「B4」となるが位置センサAPSの位置に原稿が「あり」となる。従って、サイズ確定情報としては、「B4」ということになる。
図17(b)のブック原稿の下地が黒色系(又は濃色系)の場合は、1段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[00000]で、位置センサAPSの検出結果は[1]である。2段階目の検出位置PS1〜PS5の検出結果は[11111]で、位置センサAPSの検出結果は[検出なし]である。
この場合の制御部82は、2段階目が1段階目に対し「反転する」と判断し、1段階目の検出結果をサイズ確認情報とする。この結果、主走査方向の検出位置の検出結果は、[00000]となる。主走査方向のサイズ確定情報がないことから、「判断付加」ということになる。この場合、原稿サイズが検出できない旨を、表示部86から通知する。
このように、主走査方向の原稿サイズはラインセンサで行い、副走査方向の原稿サイズは共通の位置センサで異なる原稿サイズの検出が可能となる。また、プラテンカバーを開けたときと閉じ途中とを分けた情報から原稿サイズのサイズ確定情報を得るようにした。これにより、通常原稿の検出は勿論のこと、ブックなどの厚い原稿に対しても例外を除き原稿サイズ検出が可能となる。
上記した例で通常原稿で原稿サイズの検出ができない場合は、原稿がA4で下地が黒色系の場合である。また、ブック原稿でサイズ検出ができない場合は、原稿がA4−R,A4,B4でいずれも下地が黒色系の場合である。他の場合は原稿サイズの検出が可能である。また、原稿サイズが検出できない場合でも、表示器を通して検出不可情報を使用者に通知することができ、使用者はその情報を得てマニュアル操作でスムースな選定が可能となる。
この実施形態では、原稿サイズ検出の際に、プラテンカバーの開と閉じ途中の状態での主走査方向の検出位置情報を1段階目と2段階目に分けてラインセンサで読み取り、それぞれの検出結果に基づき、1段階目とするか1および2段階目の差をとるかを判断するようにした。これにより、一部の例外を除き、ハード的な構成を変えることなく、下地が黒色系の場合の原稿や厚い原稿のサイズの検出も可能となる。
(第2の実施形態)
次に、原稿読取装置にかかる第2の実施形態について説明する。
この実施形態では、2段階目の検出時において、開閉位置センサ13がプラテンカバー12の閉じ途中状態と検出した場合、厚手の原稿であると、判断するようにしたものである。そして2段階目での開閉位置センサ13の出力が閉じ途中との判断をした場合は、1段階目の検出結果を、原稿サイズの情報として確定するようにした。
この実施形態の場合にも、原稿サイズ検出の際に、プラテンカバー位置の開閉状態での信号を、ラインセンサで読み取り、プラテンカバーの開いている状態の検出結果と、プラテンカバーが閉じ途中の状態の検出結果を組み合わせて原稿サイズを検出するようにした。これにより、ハード変更や工数を伴うことなく、確実に原稿サイズを検出することが可能となる。
上記した実施形態に限定されるものではない。例えば検出ができなかった場合は、表示部を介して使用者に通知するようにしたが、音声による通知でもよいし、表示で音声を併用してもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。