JP5629658B2 - 静電潜像現像用トナー、トナーセット、及び静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
かかる場合、形成画像に「中抜け」と呼ばれる画像不良が発生しやすい。
前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
前記静電潜像現像用トナーの平均円形度が0.960〜0.975であり、
前記静電潜像現像用トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量が10.0〜15.0J/gであり、
走査型電子顕微鏡により倍率3000倍で撮影された画像に含まれる100個以上の前記静電潜像現像用トナーの粒子について、倍率10000倍で撮影された画像を観察して確認される、前記離型剤が表面に染み出した前記静電潜像現像用トナーの粒子数の、観察対象の前記静電潜像現像用トナーの粒子数に対する比率が、10個数%以下である、静電潜像現像用トナー。
(I)結着樹脂、及び少なくとも着色剤と離型剤とを、混合した後に溶融混練する工程;
(II)工程(I)で得られた溶融混練物を、粗粉砕して体積平均粒子径15〜25μmの粗粉砕物を得る工程;
(III)前記粗粉砕物を熱処理する工程;及び
(IV)熱処理された前記粗粉砕物を、微粉砕した後に分級して、体積平均粒子径5〜10μmのトナーを得る工程。
前記トナーセットに含まれる4種の前記静電潜像現像用トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量の最大値と最小値との差が0.5J/g以下である、トナーセット。
前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
以下の工程(I)〜(IV)を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法:
(I)結着樹脂、及び少なくとも着色剤と離型剤とを、混合した後に溶融混練する工程;
(II)工程(I)で得られた溶融混練物を、粗粉砕して体積平均粒子径15〜25μmの粗粉砕物を得る工程;
(III)前記粗粉砕物を熱処理する工程;及び
(IV)熱処理された前記粗粉砕物を、微粉砕した後に分級して、体積平均粒子径5〜10μmのトナーを得る工程。
第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーは、結着樹脂中に、少なくとも着色剤、及び離型剤を含み、結着樹脂がポリエステル樹脂であり、トナーの平均円形度が0.960〜0.975であり、トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量が10.0〜15.0J/gであり、走査型電子顕微鏡によるトナーの観察により確認される、離型剤が表面に染み出した前記離型剤が表面に染み出したトナーの粒子の数が少ない、静電潜像現像用トナーである。
第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーでは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる。結着樹脂としてポリエスエテル樹脂を用いる場合、低温で良好に定着でき、発色性に優れるトナーを調製しやすい。結着樹脂として使用するポリエステル樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来トナー用の結着樹脂として使用されているポリエステル樹脂から適宜選択できる。
静電潜像現像用トナーは、結着樹脂中に着色剤を含む。静電潜像現像用トナーに含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーは、定着ローラーと画像が形成された被記録媒体との離型性を改良し、形成画像におけるオフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生を抑制する目的で、離型剤を含む。
示差走査熱量計(DSC6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いてサンプル(トナー)を170℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で30℃までサンプルを一旦冷却し、その後、再びサンプルを昇温速度10℃/分で170℃まで加熱して、再加熱時の測定によりDSC曲線を得る。サンプル量は10mgとする。トナーのDSC曲線の典型例を、図1に示す。得られたDSC曲線から、吸熱開始温度(TB)、及び吸熱終了温度(TE)を求める。具体的には、トナーのガラス転移点(Tg、点A)が観測された後のDSC曲線のベースラインと、最初の吸熱ピークにおける下降曲線の最も低温側の変曲点における接線との交点の温度をTBとする。また、2つ目の吸熱ピークの後のDSC曲線のベースラインと、2つ目の吸熱ピークにおける上昇曲線の最も高温側の変曲点における接線との交点の温度をTEとする。DSC曲線上の、温度TBに相当する点を点Bとし、温度TEに相当する点を点Eとする。DSC曲線上の、点Bと点Eとを結ぶ直線と、DSC曲線とにより囲まれる部分の面積よりトナーの吸熱量(J/g)を求める。
走査型電子顕微鏡により倍率3000倍で撮影された画像に含まれる、100個以上、好ましくは100〜150個のトナー粒子について、倍率10000倍で撮影された画像により、目視によりトナー表面への離型剤の染み出しを確認する。トナー表面に離型剤が染み出している場合、トナー表面に突起状の離型剤のブロックが観察される。なお、電子顕微鏡画像において、トナー表面の、外添剤と、トナー表面に染み出した離型剤とは、形状により容易に識別可能である。観察対象のトナー粒子の個数に対する、トナー表面に離型剤が染み出したトナー粒子の個数%が、10個数%以下である場合を離型剤の染み出し無しとし、10個数%超である場合を離型剤の染み出し有りとする。
静電潜像現像用トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
第1実施形態にかかるトナーは、所望により、結着樹脂中に磁性粉を配合することができる。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂であるポリエステル樹脂中に、少なくとも、着色剤と、離型剤とが配合され、トナーの平均円形度と、トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量とを所定の値とすることができ、トナー表面への離型剤の染み出しを抑制できる限り、特に限定されない。
(I)結着樹脂、及び少なくとも着色剤と離型剤とを、混合した後に溶融混練する工程;
(II)工程(I)で得られた溶融混練物を、粗粉砕して体積平均粒子径15〜25μmの粗粉砕物を得る工程;
(III)前記粗粉砕物を熱処理する工程;及び
(IV)熱処理された前記粗粉砕物を、微粉砕した後に分級して、体積平均粒子径5〜10μmのトナーを得る工程。
<平均円形度測定方法>
フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000(シスメックス株式会社製))を用いてトナーの円形度を測定する。23℃、60%RHの環境下において、円相当径0.60〜400μmの範囲の粒子について、粒子像と同じ投影面積を持つ円の円周の長さ(L0)と、粒子投影像の外周の長さ(L)とを測定し、下式により円形度を求める。円相当径3〜10μmの粒子の円形度の総和を、円相当径3〜10μmの粒子の全粒子数で除した値を平均円形度とする。
(円形度算出式)円形度=L0/L
以上説明した第1実施形態にかかる静電潜像現像用トナーを用いて画像を形成する際に使用する画像形成装置は、良好な画像を形成できる限り特に限定されず、従来から使用される画像形成装置から適宜選択される。第1実施形態の静電潜像現像用トナーにより画像を形成する際に用いる画像形成装置は、後述するような、複数色のトナーを用いるタンデム方式のカラー画像形成装置が好ましい。ここでは、タンデム方式のカラー画像形成装置による画像形成方法について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の静電潜像現像用トナーからなるトナーセットであって、着色剤が黒色、及び黒色の他の3種の色相の着色剤であって、それぞれ異なる色相である4種の静電潜像現像用トナーを含むトナーセットである。また、第2実施形態にかかるトナーは、トナーセットに含まれる4種のトナーにおける、示差走査熱量計により測定される離型剤の融解時の吸熱量の最大値と最小値との差が0.5J/g以下である。
第3実施形態は、結着樹脂中に、少なくとも、着色剤、及び離型剤を含む静電潜像現像用トナーの製造方法であって、結着樹脂がポリエステル樹脂であり、以下の(I)〜(IV)の工程を含む静電潜像現像用トナーの製造方法に関する。第3実施形態にかかるトナーの製造方法における、工程(I)〜(IV)は、第1実施形態のトナーの製造方法における工程(I)〜(IV)と同一の工程である。
(ポリエステル樹脂の製造)
実施例、及び比較例において結着樹脂として用いるポリエステル樹脂を以下の方法に従い製造した。
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下に、撹拌しながら235℃まで昇温した。次いで、同温度にて8時間反応を行った後、反応容器内を8.3kPaに減圧して1時間反応を行った。その後、反応混合物を180℃に冷却し、所望の酸価となるようにトリメリット酸無水物を反応容器に添加した。次いで、10℃/時間の速度で反応混合物を210℃まで昇温し同温度で反応を行った。反応終了後、反応容器の内容物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂を得た。
調製例1で得たポリエステル樹脂100質量部、カルナバワックス(カルナバワックス1号(加藤洋行株式会社製))7質量部、電荷制御剤(P−51(オリヱント化学工業株式会社製))2質量部、及びカーボンブラック(MA100(三菱化学株式会社製))5質量部を、混合機により混合した後に、混合物を2軸押出機により溶融混練して混練物を得た。混練物を、粉砕機(ロートプレックス(株式会社東亜機械製作所製))により粗粉砕して体積平均粒子径(D50)20μmの粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、熱処理装置(サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製))により、処理量15kg/h、350℃にて熱処理して、粗粉砕物に球形化処理を施した。球形化処理された粗粉砕物を、粉砕機(ターボミル(ターボ工業株式会社製))により3段階に分けて徐々に粉砕した後、気流式分級機(エルボージェット(日鉄鉱業株式会社製))により分級を行い、体積平均粒子径(D50)が6.8μmのトナー母粒子を得た。
フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000(シスメックス株式会社製))を用いてトナーの円形度を測定した。23℃、60%RHの環境下において、円相当径0.60〜400μmの範囲の粒子について、粒子像と同じ投影面積を持つ円の円周の長さ(L0)と、粒子投影像の外周の長さ(L)とを測定し、下式により円形度を求めた。円相当径3〜10μmの粒子の円形度の総和を、円相当径3〜10μmの粒子の全粒子数で除した値を平均円形度とした。
(円形度算出式)円形度=L0/L
示差走査熱量計(DSC6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いてサンプル(トナー)を170℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で30℃までサンプルを一旦冷却し、その後、再びサンプルを昇温速度10℃/分で170℃まで加熱して、再加熱時の測定によりDSC曲線を得た。サンプル量は10mgとした。得られたDSC曲線から、吸熱開始温度(TB)、及び吸熱終了温度(TE)を求めた。具体的には、トナーのガラス転移点(Tg、点A)が観測された後のDSC曲線のベースラインと、最初の吸熱ピークにおける下降曲線の最も低温側の変曲点における接線との交点の温度をTBとした。また、2つ目の吸熱ピークの後のDSC曲線のベースラインと、2つ目の吸熱ピークにおける上昇曲線の最も高温側の変曲点における接線との交点の温度をTEとした。DSC曲線上の、温度TB相当する点を点Bとし、温度TEに相当する点を点Eとし、DSC曲線上の、点Bと点Eとを結ぶ直線と、DSC曲線とにより囲まれる部分の面積よりトナーの吸熱量(J/g)を求めた。
プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))用の現像剤に使用されているキャリアと実施例1のトナーとを、キャリア100質量部に対してトナー10質量部の割合で混合して2成分現像剤を得た。画像品質の評価には、プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))を用いた。2成分現像剤を現像器に充填し、また、トナーをプリンターのトナーコンテナに充填し、23℃60%RHの環境下において、印字速度16枚/分、印字率5%の条件にて5000枚連続して印字し、5000枚印字後に画像評価パターンを出力した。5000枚印字後のベタ画像、50%ハーフ画像、及び現像スリーブの状態を目視により観察し、以下の基準に従って画像品質を評価した。スリーブ付着の評価を4色のトナーについてそれぞれ単色で実施し、各色のトナーで同一の評価結果が得られた。なお、評価5を合格とした。
5:現像スリーブ上に付着物は見られず、ベタ画像、50%ハーフ画像共に良好である。
4:現像スリーブ上に少量の付着物が見られるが、ベタ画像、50%ハーフ画像共に良好である。
3:現像スリーブ上に多量の付着物が見られ、ベタ画像、50%ハーフ画像に現像スリーブの周長のピッチで画像欠損(スリーブ層ムラ)がわずかに発生している。
2:現像スリーブ上に多量の付着物が見られ、ベタ画像、50%ハーフ画像に現像スリーブの周長のピッチで画像欠損(スリーブ層ムラ)が多数発生している。また、5000枚の耐久印刷の途中から現像スリーブ上の付着物の影響による画像不良が発生し始める。
1:現像スリーブ上に多量の付着物が見られ、ベタ画像、50%ハーフ画像に現像スリーブの周長のピッチで画像欠損(スリーブ層ムラ)が多数発生している。また、初期画像形成時から現像スリーブ上の付着物の影響による画像不良が確認される。
プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))を用いて評価した。画像品質評価で用いた2成分現像剤を現像器に充填し、細線画像を形成した。細線画像上の中抜けの有無をルーペにより観察して、下記の基準により転写性を評価した。転写性評価を4色のトナーについてそれぞれ単色で実施し、各色のトナーで同一の評価結果が得られた。なお、評価5を合格とした。
5:中抜け未発生。
4:極わずかに中抜けが発生。
3:少量の中抜けが発生。
2:局所的に多くの中抜けが発生。
1:広範囲にわたり顕著に中抜けが発生。
プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))の定着装置(定着部)に、定着評価用に、外部駆動装置、及び定着温度制御装置を取り付けた定着試験機を用いた。プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))にて、先端マージン3mmのベタの未定着画像を得、得られた未定着画像を、紙上のトナー載り量をはかりながら、定着温度180℃、線速97mm/秒で定着試験機を通した。0.1mg/cm2刻みで、トナー載り量を変化させ、紙が定着ローラーに巻きつかないトナー載り量(mg/cm2)を分離可能トナー載り量とした。下記の基準により定着分離性を評価した。定着分離性評価を4色のトナーについてそれぞれ単色で実施し、各色のトナーで同一の評価結果が得られた。なお、評価は○を合格とした。
○:トナー載り量2.0mg/cm2以上。
△:トナー載り量1.5mg/cm2異常2.0mg/cm2未満。
×:トナー載り量1.5mg/cm2未満。
プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))を用いて評価した。ベタ画像を形成した直後に白紙画像を形成し、トナーすり抜けの状態を目視により観察して評価した。クリーニング性評価を4色のトナーについてそれぞれ単色で実施し、各色のトナーで同一の評価結果が得られた。なお、評価3を合格とした。
3:白紙画像中にトナーすり抜けによる黒筋は確認されない。
2:白紙画像中にトナーすり抜けによる黒筋がわずかに確認される。
1:白紙画像中に多量のトナーすり抜けによる黒筋が確認される。
走査型電子顕微鏡により倍率3000倍で撮影された画像に含まれる、100個以上、好ましくは100〜150個のトナー粒子について、倍率10000倍で撮影された画像により、目視によりトナー表面への離型剤の染み出しを確認した。トナー表面に離型剤が染み出している場合、トナー表面に突起状の離型剤のブロックが観察される。なお、電子顕微鏡画像において、トナー表面の、外添剤と、トナー表面に染み出した離型剤とは、形状により容易に識別可能である。観察対象のトナー粒子の個数に対する、トナー表面に離型剤が染み出したトナー粒子の個数%が、10個数%以下である場合を離型剤の染み出し無しとし、10個数%超である場合を離型剤の染み出し有りとした。
プリンター(FS−C5016(京セラミタ株式会社製))を用いて評価した。被記録媒体として、A4サイズの用紙(C2紙、70g紙(富士ゼロックス株式会社製))を用い、短辺を搬送方向とした。3cm×3cmのサイズの3つのベタ画像を、ベタ画像の中心が用紙の短辺の中点を結ぶ線上に位置し、中央のベタ画像の中心が用紙の中心上に位置し、ベタ画像の中心間の間隔が10cmとなるように形成し、これを評価用画像とした。ベタ画像を形成する際のトナー量は0.7mg/cm2とした。ベタ画像1個につき3箇所のグロスを測定し、評価用画像5枚におけるベタ画像のグロスの平均値を、各トナーのグロスの値とした。グロスの測定は、グロスメーター(PG−1M(日本電色工業株式会社製))を用い、JIS−Z8741に記載の60度鏡面光沢度測定法に準じて、入射角60度において測定した。
5:グロスむらがない。
4:グロスむらが一部に存在する。
3:グロスむらが多く存在し、光沢部と非光沢部とが分かり、画像がやや見えにくい。
2:グロスむらが多く存在し、光沢部と非光沢部とが明確に判別でき、画像が見えにくい。
1:グロスむらが多く存在し、光沢部と非光沢部とが明確に判別でき、画像が非常に見えにくい。
球形化処理された粗粉砕物の粉砕の粉砕回数を3段階から1段階に変えることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。実施例2で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。実施例2のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
カルナバワックスの使用量を7質量部から5質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。実施例3で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。実施例3のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
カルナバワックスの使用量を7質量部から9質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。実施例4で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。実施例4のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
粗粉砕品の熱処理を行わないことの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例1で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例1のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
粗粉砕品の熱処理を行わないことの他は、実施例2と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例2で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例2のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
カルナバワックスの使用量を7質量部から4質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例3で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例3のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
カルナバワックスの使用量を7質量部から10質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例4で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例4のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
粗粉砕物の熱処理を行わないこと、及び微粉砕物を熱処理装置(サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製))により、処理量15kg/h、350℃にて熱処理することの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例5で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例5のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
カルナバワックスの使用量を、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナーについて、それぞれ、5質量部、6質量部、7質量部、及び8質量部とすることの他は、実施例1と同様にして、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーを調製した。比較例6で得られたトナーの体積平均粒子径は、何れも6.8μmであった。比較例6のトナーの平均円形度、トナーにおける離型剤の融解時の吸熱量、及び4色のトナーの離型剤の融解時の吸熱量のうちの最大値と最小値との差を表1に記す。
比較例3のトナーは、定着分離性に劣るものとなった。
1a 機器本体
2 給紙部
3 画像形成部
37 潜像担持部
38 露光部
39 帯電部
4 定着部
6 搬送ローラー
5 排紙部
7 画像形成ユニット
71 現像部
8 クリーニング部
81 弾性ブレード
P 用紙
Claims (3)
- 結着樹脂中に、少なくとも、着色剤、及び離型剤を含む静電潜像現像用トナーであって、
前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
前記静電潜像現像用トナーの平均円形度が0.960〜0.975であり、
前記静電潜像現像用トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量が10.0〜15.0J/gであり、
走査型電子顕微鏡により倍率3000倍で撮影された画像に含まれる100個以上の前記静電潜像現像用トナーの粒子について、倍率10000倍で撮影された画像を観察して確認される、前記離型剤が表面に染み出した前記静電潜像現像用トナーの粒子数の、観察対象の前記静電潜像現像用トナーの粒子数に対する比率が、10個数%以下であり、以下の工程(I)〜(IV)を含む方法により製造される、静電潜像現像用トナー:
(I)結着樹脂、及び少なくとも着色剤と離型剤とを、混合した後に溶融混練する工程;
(II)工程(I)で得られた溶融混練物を、粗粉砕して体積平均粒子径15〜25μmの粗粉砕物を得る工程;
(III)前記粗粉砕物を熱処理する工程;及び
(IV)熱処理された前記粗粉砕物を、微粉砕した後に分級して、体積平均粒子径5〜10μmの前記静電潜像現像用トナーを得る工程。 - 前記着色剤が黒色、及び黒色の他の3種の色相の着色剤であって、それぞれ異なる色相である4種の請求項1記載の静電潜像現像用トナーを含むトナーセットであり、
前記トナーセットに含まれる4種の前記静電潜像現像用トナーにおける、示差走査熱量計により測定される前記離型剤の融解時の吸熱量の最大値と最小値との差が0.5J/g以下である、トナーセット。 - 請求項1記載の静電潜像現像用トナーの製造方法であって、以下の工程(I)〜(IV)を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法:
(I)結着樹脂、及び少なくとも着色剤と離型剤とを、混合した後に溶融混練する工程;
(II)工程(I)で得られた溶融混練物を、粗粉砕して体積平均粒子径15〜25μmの粗粉砕物を得る工程;
(III)前記粗粉砕物を熱処理する工程;及び
(IV)熱処理された前記粗粉砕物を、微粉砕した後に分級して、体積平均粒子径5〜10μmの前記静電潜像現像用トナーを得る工程。
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