JP5627020B2

JP5627020B2 - 目砂、肥料等の散布機

Info

Publication number: JP5627020B2
Application number: JP2011265575A
Authority: JP
Inventors: 哉鈴木
Original assignee: 初田拡撒機株式会社
Priority date: 2011-07-28
Filing date: 2011-12-05
Publication date: 2014-11-19
Anticipated expiration: 2031-12-05
Also published as: KR101523415B1; KR20130014316A; JP2013046601A

Description

本発明は、ゴルフ場、公園などの芝生に目砂、肥料等を散布する散布機に関するもので、特に、水平に回転するローター上に目砂、肥料等を落下させて、このローターの回転によって目砂、肥料等を円弧状に均一に散布することができる目砂、肥料等の散布機に関する。

ゴルフ場、公園などでは、芝生の育成のために、芝目間に目土や肥料等を散布することが行われる。その作業には、台車で走行しながら、ホッパー内に収容された目土、肥料等をローターから散布する散布機が用いられることが一般的である。

従来のこの種の散布機を図１、図２を使用して説明する。
図１は、従来の目砂、肥料等の散布機の全体平面図であり、後方に設けられたローターが２枚の場合が示されている。図２は、図１の散布機の全体側面図である。

図において、１はエンジン２により自走する走行台車で、前輪１ａと後輪１ｂを有し、油圧モーター３によって駆動される。４は目砂、肥料等の散布材料を入れるホッパーで、走行台車１の後輪１ｂの上方に設けられる。このホッパー４の下方は開放しており、開放部の下にコンベヤー５が配設される。このコンベヤー５は、ホッパー４の前後方に位置するコンベヤーローラー５ａ、５ｂによりベルト５ｃが後向きに駆動される。６はホッパー４の後面下部に設けられたシャッターで、散布材料の送り出し量を調整する。７は前記シャッター６の調整ハンドルで、リンク機溝８を介して送り出し量が調整される。９はコンベヤー５から送り出された散布材料を回転飛散させるローターで、台車１の後方に位置し、且つコンベヤー５の出口側下方に位置しており、油圧モーター１０により駆動され水平回転する。

ローター９は円盤９ａと、その上面に回転中心から半径方向放射状に複数個設けられたフィン９ｂで構成される。図では、ローター９が２枚設けられた場合が示され、２枚のローター９が互いに逆方向に回転して台車１の進行方向に向かって、中央から外側に目砂を飛散するようになっている。１１はシュートで、コンベヤー５の後方下端に位置し、且つ前記ローター９の上方の進行方向側に位置している。図では、ローター９が２枚の場合が示されているので、前記シュート１１はコンベヤー５から送り出された散布材料を二分してローター９の上面へ落下させるようになっている。

上述の従来の散布機を使用して散布材料を散布する場合、コンベヤー５から送り出された散布材料はシュート１１を介してローター５の上面に落下し、このローター５の水平回転によって円弧状に飛散される。この種のローターからの飛散は、ローターの回転遠心力によって行われるので、図３に示すように、円弧状軌跡を描いてその外周部（イ）に集中し、この飛散軌跡の外周部（イ）の更なる外側（ロ）及び内側（ハ）の飛散量は少なくなる。従って、図１のように２つのローターを持つ散布機の場合、図３に示すように、進行方向に向かって中央部の散布量が少なくなり、外側が多くなる。ローターが１つの散布機の場合も上記と同様の傾向を有し、散布幅の片側で散布量が多く、他方の側で少なくなる。

このように従来の散布機では、目砂、肥料等の散布材料を均一に散布することができない問題があった。

本発明は、かかる従来技術の問題点を解消するために創案されたものであり、その目的は、散布幅方向に対して散布量の少なくなる領域の目砂、肥料等の散布量を増大させて、より均一な散布ができる構成を持つ目砂、肥料等の散布機を提供することにある。

本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、目砂、肥料等の散布材料を飛散させるローターの構造を工夫することにより、従来に比べて均一な散布を容易に達成できることを見出し、本発明の完成に至った。

即ち、本発明は、以下の（１）〜（８）の構成を有するものである。
（１）走行可能な台車と、その台車の後方に設けられた目砂、肥料等の散布材料を収容するホッパーと、このホッパーの下部出口を通ってホッパーから供給される散布材料を後方に搬送するコンベヤーと、このコンベヤーの終端下方に位置して水平回転すると共に、前記コンベヤーの終端から落下する散布材料を受け止めて放射方向に芝生に散布するローターとを備えた散布機において、前記ローターの上面側に半径方向に複数の上部フィンが設けられ、それらの上部フィンの間に開口部が設けられ、上部フィンによるローターの上面側からの散布材料の飛散と、開口部を通るローターの下面側からの散布材料の飛散を達成したことを特徴とする散布機。

（２）前記ローターの下面側に下部フィンを設けたことを特徴とする（１）に記載の散布機。
（３）前記上部フィンと前記下部フィンが異なる半径方向に設けられていることを特徴とする（２）に記載の散布機。
（４）前記上部フィンと前記下部フィンが同じ半径方向に設けられていることを特徴とする（２）に記載の散布機。
（５）前記下部フィンの半径方向長さが上部フィンのそれより小さいことを特徴とする（２）〜（４）のいずれかに記載の散布機。
（６）前記下部フィンの下端部が回転方向を指向するように折曲げられていることを特徴とする（２）〜（５）のいずれかに記載の散布機。
（７）前記開口部が円盤の１５〜８５％の面積で設けられていることを特徴とする（２）〜（６）のいずれかに記載の散布機。
（８）前記開口部が前記上部フィンより小径で開口し、かつ上部フィンの直前に設けられていることを特徴とする（２）〜（６）のいずれかに記載の散布機。

本発明の散布機は、ローターの上面側に複数のフィンを放射状に設け、それらのフィン間に開口部を設けているので、ローターの上面側からの飛散と下面側からの飛散による散布が可能である。下面側からの飛散は、飛散距離が小さく、散布始点位置高さが上面側より低くなって早く落下するので、散布可能な領域が狭い。従って、下面側からの飛散によって、上面側のフィンによって散布された領域（到達距離が長い軌跡）（図１０のイ）より内側の領域（図１０のニ）にも飛散することになり、即ち、進行方向両側域より内側となる中央部に飛散するので、散布幅に対してより均一な散布を達成することができる。

また、本発明の散布機は、下面側にフィンを設け、下面側のフィンの半径方向長さを上面側のフィンより小さくすることにより、散布飛散の軌跡円弧の半径が小さくなるので、図１０に示すように、上述の中央部の散布領域においてより一層多く散布されることができる。

図１は、従来の目砂、肥料等の散布機の全体平面図である。図２は、図１の散布機の全体側面図である。図３は、従来の散布機のローターによる散布領域の平面図と散布量を示すグラフである。図４は、本発明の散布機の一実施形態を示す全体平面図である。図５は、図４の散布機の全体側面図である。図６は、本発明の散布機の一実施形態を示すローターの平面図である。図７は、図６のローターの側面図である。図８は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの平面図である。図９は、図８のローターの側面図である。図１０は、本発明の散布機のローターによる散布領域の平面図と散布量を示すグラフである。図１１は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの斜視図である。図１２は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの平面図である。図１３は、図１２のローターの側面図である。図１４は、図１２のＡ−Ａ方向の断面図である。

本発明の散布機の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

図４は、本発明の散布機の一実施形態の全体平面図であり、図５は、図４の本発明の散布機の全体側面図である。図４，５は、従来の散布機を示す図１，２とはローターの部分だけが異なる。従って、図において、前述した従来の散布機（図１，図２）と同一又は相当部分は同一符号を付けて説明を省略する。以下においては、本発明の独自の特徴部分であるローターに絞って説明する。

図６は、本発明の散布機の一実施形態を示すローターの平面図であり、図７は、図６のローターの側面図である。図において、ローター９の円盤９ａには、その上面側に半径方向に放射状に複数個（図では４つ）、好ましくは３〜８個の上部フィン９ｂが設けられ、それらの上部フィン９ｂ間に開口部９ｃが設けられている。この開口部９ｃは、扇形、三角形等の形状で作られ、この開口部９ｃからも散布材料が飛散される。円盤９ａ中の開口部９ｃの面積割合は、ローターの上下からの希望の散布量に依存するが、１５〜８５％であることが好ましい。円盤９ａの下面側には、下部フィン９ｄが半径方向に放射状に複数個（図では４つ）、好ましくは上部フィンと同数で配設される。下部フィン９ｄは、飛散方向を安定させるためにその下端部９ｅが回転方向を指向するように折曲げて形成されることが好ましい。

図８は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの平面図であり、図９は、図８のローターの側面図である。図８，９は、下部フィンの長さ以外は図６，７の実施形態と同じである。図において、下部フィン９ｄ′は、その半径方向長さが上部フィン９ｂのそれより小さくなるように円盤９ａの下側に取付けられている。これにより、下部フィン９ｄ′より飛散する散布材料は、散布飛散の軌跡円弧が小さくなって飛散するようになっている。

図１１は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの斜視図である。図において、ローター９は、上部円盤９ａと下部円盤９ｆとそれらを貫通する開口部９ｃとから構成されており、これらの円盤の間に下部フィン９ｄが挟み込まれる形で設けられている。この実施形態は、ローターの構造を強化したい場合に好適である。

図１２は、本発明の散布機の他の実施形態を示すローターの平面図であり、図１３は、図１２の側面図であり、図１４は、図１２のＡ−Ａ方向の断面図である。図において、上部フィン９ｂと下部フィン９ｄ，９ｄ′は、円盤９ａを挟んで同位置に対称的に設けられ、開口部９ｃは上下のフィン９ｂ，９ｄ，９ｄ′の直前から開口されている。９ｇは下部フィン９ｄ，９ｄ′への案内板である。開口部９ｃは上部フィン９ｂより小径で開口し、フィン直前に設けられているので、円盤９ａ上に落下した散布材料の一部は上部フィン９ｂに跳ね返り、開口部９ｃ、案内板９ｇによって下部フィン９ｄ，９ｄ′へと容易に導かれる。これにより、円弧状の散布飛散軌跡が二分された上下二段の軌跡となり、均一な散布のより一層の効果が増す。

本発明の散布機は、ローターの上下二段からの散布ができるので、上段からの散布だけでなく、下段からの散布によって上段の到達距離の長い領域の内側にも散布されることになり、結果として、散布幅方向に対して均一な量の散布を達成できる。また、下段に設けたフィンの半径方向長さを上段のフィンのそれより小さくすることにより、散布軌跡の半径が小さくなるので、更に散布幅方向に対して一層均一な散布を達成できる。従って、本発明の散布機は、ゴルフ場・公園など散布作業に極めて有用である。

１走行台車
１ａ前輪
１ｂ後輪
２エンジン
３油圧モーター
４ホッパー
５コンベヤーベルト
６シャッター
７調整ハンドル
８リンク機溝
９ローター
９ａ円盤
９ｂ上部フィン
９ｃ開口部
９ｄ下部フィン
９ｅ折曲部

Claims

走行可能な台車と、その台車の後方に設けられた目砂、肥料等の散布材料を収容するホッパーと、このホッパーの下部出口を通ってホッパーから供給される散布材料を後方に搬送するコンベヤーと、このコンベヤーの終端下方に位置して水平回転すると共に、前記コンベヤーの終端から落下する散布材料を受け止めて放射方向に芝生に散布するローターとを備えた散布機において、前記ローターの上面側に半径方向に複数の上部フィンが設けられ、それらの上部フィンの間に開口部が設けられ、上部フィンによるローターの上面側からの散布材料の飛散と、開口部を通るローターの下面側からの散布材料の飛散を達成したことを特徴とする散布機。
前記ローターの下面側に下部フィンを設けたことを特徴とする請求項１に記載の散布機。
前記上部フィンと前記下部フィンが異なる半径方向に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の散布機。
前記上部フィンと前記下部フィンが同じ半径方向に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の散布機。
前記下部フィンの半径方向長さが上部フィンのそれより小さいことを特徴とする請求項２〜４のいずれかに記載の散布機。
前記下部フィンの下端部が回転方向を指向するように折曲げられていることを特徴とする請求項２〜５のいずれかに記載の散布機。
前記開口部が円盤の１５〜８５％の面積で設けられていることを特徴とする請求項２〜６のいずれかに記載の散布機。
前記開口部が前記上部フィンより小径で開口し、かつ上部フィンの直前に設けられていることを特徴とする請求項２〜６のいずれかに記載の散布機。